JP4934971B2 - 環状スルフィドを有する重合性液晶化合物とその重合体 - Google Patents

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本発明は、環状スルフィドを有する重合性液晶化合物、この化合物より得られた重合体、およびこの用途に関する。
重合性の化合物が液晶であるとき、この化合物を重合させることによって光学異方性を有する重合体が得られることが知られている(特許文献1)。これは、液晶における分子の配向(orientation)が重合によって固定されるからである。そのような化合物の例はアクリル基を有する液晶化合物である(特許文献2)。さらに望まれているのは、室温で重合する、空気中でも重合する、紫外線の照射によって容易に重合する、などの物性を有する液晶化合物である。
特開2001−55573号公報 特開2001−154019号公報
本発明の課題は、室温で重合する、空気中でも重合する、重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性化合物との相溶性がよい、支持基板に対する付着張力(adhesion tension)が小さい、などの特性において、複数の特性を充足する液晶化合物である。この課題は、複数の特性に関して適切なバランスを有する化合物である。この課題は、この液晶化合物から得られた重合体でもある。この課題は、光学異方性を有する、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、無色透明である、耐熱性が大きい、耐候性が大きい、光弾性(photoelasticity)が小さい、などの物性を有する重合体でもある。
本発明は、下記の式(1)または式(2)で表される少なくとも1つの化合物、この化合物を含有する組成物、およびこの組成物を重合させることによって得られる重合体を含む。
Figure 0004934971
式中、Rは基(3)で表される重合性基であり;Rは水素、ハロゲン、−CN、−NO、−N=C=O、−N=C=S、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の1つまたは2つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキルにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Rは水素、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Aは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、またはビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイルであり、この環において任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、この環において任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素は−CN、−OH、−CHO、−OCOCH、−COCH、−COCF、−CFH、−CF、炭素数1〜5のアルキル、または炭素数1〜5のアルコキシで置き換えられてもよく;Zは独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH2−は−COO−、−OCO−、−CONH−、または−NHCO−で置き換えられてもよく、任意の1つの−CH2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;mは1〜4の整数であり;qは0または1であり、複数のR、AおよびZはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
本発明の液晶化合物は、室温で重合する、空気中でも重合する、重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性化合物との相溶性がよい、支持基板に対する付着張力が小さい、などの特性において、複数の特性を充足する。この化合物は、複数の特性に関して適切なバランスを有する。本発明の重合体は、この液晶化合物から得られる。この重合体は、光学異方性を有する、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、無色透明である、耐熱性が大きい、耐候性が大きい、光弾性が小さい、などの物性を有する。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶化合物は、液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶相はネマチック相、スメクチック相、コレステリック相などであり、多くの場合ネマチック相を意味する。重合性は、光、熱、触媒などの手段により単量体が重合し、重合体を与える能力を意味する。式(1)、式(M1)などで表わされる化合物を、それぞれ化合物(1)、化合物(M1)などのように表記することがある。化合物(1)などを含有する組成物から得られる重合体を重合体(1)と表記することがある。化合物(2)などを含有する組成物から得られる重合体を重合体(2)と表記することがある。
本発明者は、1)重合性の液晶化合物を重合させることによって、光学異方性を有する重合体が得られる、および2)環状スルフィドを有する単量体は、環状エーテルを有する単量体と比較して容易に開環重合するため、重合温度が低下し、重合速度が増大する、という2つの知見を組み合わせることを着想した。この着想に基づいて研究したところ、予想した以上に良好な実験結果を得た。これらの結果をもとに検討を重ねて、下記の項を含む本件発明を完成させた。
[1] 式(1)または式(2)で表わされる化合物。
Figure 0004934971
式(1)において、A、Z、Rなどの記号を用いた。2つの記号Aの意味が同一であってもよいし、または異なってもよい。このルールは記号ZおよびRについても適用する。このルールは他の式においても適用する。
式(1)または式(2)において、Rは基(3)で表される重合性基であり、Rは水素、ハロゲン、−CN、−NO、−N=C=O、−N=C=S、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の1つまたは2つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキルにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
このアルキルにおいて、−CH−は−O−などで置き換えられてもよく、そして同時に水素はフッ素などで置き換えられてもよい。つまり、Rは、−CH−が−O−などで置き換えられ、そして水素がフッ素などで置き換えられたアルキルを含有する。「アルキルにおいて任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−などで置き換えられてもよい」の句の意味を一例で示す。C−において任意の−CH−を−O−または−CH=CH−で置き換えた基の例は、CO−、CH−O−(CH−、−CH−O−CH−O−、HC=CH−(CH−、CH−CH=CH−(CH−、CH−CH=CH−CH−O−などである。このように「任意の」は、無作為に選ばれることを意味する。すなわち、用語「任意の」は、「位置だけでなく数においても自由に選択できること」を意味する。例えば、「任意のAがB、C、DまたはEで置き換えられてもよい」という表現は、1つのAがB、C、DまたはEで置き換えられてもよいという意味と、複数のAのどれもがB、C、DおよびEのいずれか1つで置き換えられてもよいという意味とに加えて、Bで置き換えられるA、Cで置き換えられるA、Dで置き換えられるA、およびEで置き換えられるAの少なくとも2つが混在してもよいという意味をも有する。化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素が隣接したCH−O−O−CH−よりも、酸素と酸素とが隣接しないCH−O−CH−O−の方が好ましい。「置き換えられてもよい」の表現は他の場所でも同様な意味を有している。
好ましいRは水素、フッ素、塩素、−CN、−NO、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜15のアルコキシ、または炭素数2〜15のアルコキシアルキルである。より好ましいRは水素、フッ素、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜15のアルコキシ、または炭素数2〜15のアルコキシアルキルである。さらに好ましいRは水素、フッ素、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜13のアルキル、炭素数1〜13のアルコキシ、または炭素数2〜13のアルコキシアルキルである。特に好ましいRは炭素数1〜10のアルキルである。
は水素、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。好ましいRは水素、フッ素、塩素、または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい。より好ましいRは水素または炭素数1〜5のアルキルである。さらに好ましいRは水素である。
Aは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、またはビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイルであり、この環において任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、この環において任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素は−CN、−OH、−CHO、−OCOCH、−COCH、−COCF、−CFH、−CF、炭素数1〜5のアルキル、または炭素数1〜5のアルコキシで置き換えられてもよい。
好ましいAは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり、この環において任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の1つの水素は−CN、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、アセチル、−CF、または−OCFで置き換えられてもよい。
より好ましいAは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、この環において任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の1つの水素はメチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、アセチル、−CF、または−OCFで置き換えられてもよい。さらに好ましいAは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、または2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンである。特に好ましいAは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。最も好ましいAは独立して、1,4−フェニレンである。
Zは独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH2−は−COO−、−OCO−、−CONH−、または−NHCO−で置き換えられてもよく、任意の1つの−CH2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
好ましいZは独立して単結合または炭素数1〜15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH2−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、任意の1つの−CH2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい。
より好ましいZは独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−、−O−(CH−O−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−(CH−、−(CH−COO−、−COO−(CH−O−、−OCO−(CH−O−、−O−(CHCHO)−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−OCF−、または−CFO−であり、rは1〜10の整数であり、sは1〜5の整数である。さらに好ましいZは独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−、−O−(CH−O−、−O−(CHCHO)−、−COO−、または−OCO−であり、rは1〜10の整数であり、sは1〜5の整数である。特に好ましいZは独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−、−O−(CH−O−、−COO−、または−OCO−であり、rは2〜10の整数である。最も好ましいZは独立して−O(CH−、−O−(CH−O−、−COO−、または−OCO−であり、rは2〜10の整数である。
は基(3)で表される重合性基であり、qは0または1である。好ましいqは0である。
そして、mは1〜4の整数である。好ましいmは1〜3の整数である。より好ましいmは1〜2の整数である。
[2] 基(3)においてqが0である、項1に記載の化合物。
[3] 式(1)または式(2)において、Rが基(3)で表される重合性基であり;Rが水素、フッ素、塩素、−CN、−NO、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜15のアルコキシ、または炭素数2〜15のアルコキシアルキルであり;Rが水素、フッ素、塩素、または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく;Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり、この環において任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の1つの水素は−CN、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、アセチル、−CF、または−OCFで置き換えられてもよく;Zが独立して単結合または炭素数1〜15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH2−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、任意の1つの−CH2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく;mが1〜3の整数であり;qが0または1である、項1に記載の化合物。
[4] 式(1)または式(2)において、Rが基(3)で表される重合性基であり;Rが水素、フッ素、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜15のアルコキシ、または炭素数2〜15のアルコキシアルキルであり、;Rが水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、この環において任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の1つの水素はメチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、アセチル、−CF、または−OCFで置き換えられてもよく;Zが独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−、−O−(CH−O−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−(CH−、−(CH−COO−、−COO−(CH−O−、−OCO−(CH−O−、−O−(CHCHO)−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−OCF−、または−CFO−であり;rが1〜10の整数であり;sが1〜5の整数であり;mが1〜2の整数であり;qが0である、項1に記載の化合物。
[5] 下記の式(1a)〜式(1d)または式(2a)〜式(2d)のいずれか1つで表される化合物。
Figure 0004934971
式中、Rは基(3)で表される重合性基であり;Rは水素、フッ素、塩素、−CN、−NO、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜15のアルコキシ、または炭素数2〜15のアルコキシアルキルであり、;Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、または2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−、−O−(CH−O−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−(CH−、−(CH−COO−、−COO−(CH−O−、−OCO−(CH−O−、−O−(CHCHO)−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−OCF−、または−CFO−であり、rは1〜10の整数であり、sは1〜5の整数であり;qは0または1であり、複数のR、AおよびZはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
[6] 式(1a)〜式(1d)および式(2a)〜式(2d)において、Rが基(3)で表される重合性基であり;Rが水素、フッ素、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜13のアルキル、炭素数1〜13のアルコキシ、または炭素数2〜13のアルコキシアルキルであり;Rが水素であり;Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−、−O−(CH−O−、−O−(CHCHO)−、−COO−、または−OCO−であり、rが1〜10の整数であり、sが1〜5の整数であり;qが0である、項5に記載の化合物。
[7] 式(1a)〜式(1d)および式(2a)〜式(2d)において、Rが基(3)で表される重合性基であり;Rが炭素数1〜10のアルキルであり;Rが水素であり;Aが独立して、1,4−フェニレンであり;Zが独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−、−O−(CH−O−、−COO−、または−OCO−であり、rが2〜10の整数であり;qが0である、項5に記載の化合物。
[8] 式(1a)〜式(1d)および式(2a)〜式(2d)において、Rが基(3)で表される重合性基であり;Rが炭素数1〜10のアルキルであり;Rが水素であり;Aが独立して、1,4−フェニレンであり;Zが独立して−O(CH−、−O−(CH−O−、−COO−、または−OCO−であり、rが2〜10の整数であり;qが0である、項5に記載の化合物。
[9] 第一成分として、項1〜項4のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも1つ含有する組成物。
[10] 第一成分として、項5〜項8のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも1つ含有する組成物。
[11] 第二成分として、項1〜項8のいずれか1項に記載の化合物とは異なる重合性の化合物をさらに含有する項10に記載の組成物。
[12] 第二成分が式(M1)、式(M2)、式(M3)、式(M4)、式(M5)、および式(M6)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である、項11に記載の組成物。
Figure 0004934971
式(M1)〜式(M6)において、Rは水素、フッ素、塩素、−CN、−CF、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、または炭素数2〜20のアルケニルオキシであり;Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Bは独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つはピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yは独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の1つまたは2つの−CHは−O−で置き換えられてもよく、任意の1つの−CHは−COO−、−OCO−、−C=C−、または−C≡C−で置き換えられてもよく;そしてtは1または2であり、複数のBおよびYはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
[13] 式(M1)〜式(M6)において、Rがフッ素、−CN、−CF、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数2〜20のアルコキシであり;Rが水素または炭素数1〜2のアルキルであり;Bが独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つが9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9−エチルフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yが独立して単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−、または炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の1つまたは2つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく;そしてtが1または2である、項12に記載の組成物。
[14] 第二成分が、式(M1)および式(M2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、または式(M3)および式(M4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、または式(M5)および式(M6)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である、項12または項13に記載の組成物。
[15] 第二成分が、式(M3)および式(M4)で表わされる化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である、項12または項13に記載の組成物。
[16] 項1〜項8のいずれか1項に記載の化合物を重合させることによって得られる重合体。
[17] 項9〜項15のいずれか1項に記載の組成物を重合することによって得られる重合体。
[18] 項16または項17に記載の重合体を含有する素子。
[19] 項16または項17に記載の重合体の、光学異方性を有する成形体としての使用。
本発明の化合物は次の特徴を有する。この化合物は、室温で重合する、空気中でも重合する、重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性液晶化合物との相溶性がよい、支持基板に対する付着張力が小さい、などの特性を有する。この化合物は液晶相を有する。この液晶相の温度範囲は広い。この液晶相における分子の配向は、重合によっても維持される。つまり、重合によって分子の配向が固定化されるのである。アクリル基を有する液晶化合物の重合は、窒素の雰囲気下で行うことが好ましいが、この化合物は空気中で重合させてもよい。この化合物は、小さい積算光量の紫外線を照射しても容易に重合する。この化合物は化学的に安定なので、保存安定性に優れる。本化合物は他の重合性化合物との相溶性がよいので、種々の組成を有する組成物が得られる。この化合物は支持基板に対しても濡れやすいので、均一な塗膜(paint film)が得られやすい。これらの中でも重要なのは、空気中でも重合する、重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、均一な塗膜が得られやすい、などの特性である。
このような化合物から得られる重合体は次の特徴を有する。この重合体は、光学異方性を有する、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、無色透明である、耐候性が大きい、光弾性が小さい、などの物性を有する。この重合体は、耐衝撃性、加工性、電気特性、耐溶剤性、などの特性にも優れる。これらのなかでも重要なのは、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、などの特性である。
化合物(1)は単官能の環状スルフィド基を有する液晶化合物である。化合物(2)は2官能の環状スルフィド基を有する液晶化合物である。これらの化合物は重合性を有し、通常の取り扱い条件下では安定である。これらの化合物は、類縁体である環状エーテル基を有する化合物と比較して重合速度が大きく、また低い温度で重合が開始する。化合物(1)および化合物(2)は配向処理した基板によって容易に配向する。したがって得られた重合体には、配向の欠陥がないか、または少ない。
化合物(1)および化合物(2)は側鎖R、R、環A、および結合基Zを適切に選択することによって、大きい誘電率異方性、小さい誘電率異方性、大きい光学異方性、小さい光学異方性、小さい粘度などの物性を調整することができる。
がフッ素、塩素、−CN、または−OCFのとき、化合物(1)および化合物(2)の融点が低いようである。Rがアルキルのとき、炭素数によって液晶相の温度範囲を調整することができる。Rがアルキルのとき、炭素数が少ない単量体は大きな耐熱性の重合体を与える傾向がある。
少なくとも2つのシクロヘキサン環を有する化合物(1)および化合物(2)は、高い透明点、小さな光学異方性、および小さな粘度を有する。少なくとも1つのベンゼン環を有する化合物(1)および化合物(2)は、比較的大きな光学異方性と大きな液晶配向秩序を有する。少なくとも2つのベンゼン環を有する化合物(1)および化合物(2)は特に大きな光学異方性、液晶相の広い温度範囲および通常の取扱い条件下では高い化学的安定性を有する。
化合物(1)および化合物(2)はH(重水素)または13Cなどの同位体元素を自然に存在する割合より多く含んでもよい。このような場合でも、化合物の物性に大きな差異は生じない。
化合物(1)および化合物(2)の物性は、重合体(1)および重合体(2)の物性に反映される。物性のなかでも、光学異方性が本発明の目的にとっては重要である。化合物(1)または化合物(2)を含有する組成物を支持基板の上で重合させたとき、得られた重合体は支持基板から剥離しにくい。
液晶相の温度範囲を低温側に設定したいときは、2つの環構造を有する化合物(1a)もしくは化合物(2a)を選択すればよい。液晶相の温度範囲を比較的高温側に設定したいときには、3つの環構造を有する化合物(1b)もしくは化合物(2b)、または4つの環構造を有する化合物(1c)もしくは化合物(2c)を選択すればよい。液晶相の温度範囲をより高温側に設定したいときは、5つの環構造を有する化合物(1d)もしくは化合物(2d)を選択すればよい。
化合物(1)は重合性基を分子の片末端に有する単官能性化合物である。化合物(2)は重合性基を分子の両末端に有する二官能性化合物である。二官能性化合物は単官能性化合物に比べて、より高い重合性を示す。すなわち、二官能性化合物は重合速度がより速く、より短時間で重合が完了し、重合度のより大きな重合体を得ることができる。得られた重合体は、耐熱性がより高く、吸水性、透水性およびガス透過性がより低く、機械的強度(特に硬度)がより高い。
式(1)および式(2)において、分子両末端の基RおよびRを除いた部分構造、すなわち下記に示される部分構造は、化合物(1)および化合物(2)における液晶相の温度範囲、誘電率異方性、光学異方性、粘度などの液晶としての物性値に大きく寄与する。
Figure 0004934971
この部分構造は、式(1−1)〜式(1−73)で示す好ましい式に具体化することができる。式(1−1)〜式(1−73)において、環は独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルなどであり、それぞれ任意の水素が置き換えられた下記の式で表わされる基などでもよい。
Figure 0004934971
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式(1−1)〜式(1−73)のうちで、液晶としての物性値に大きく寄与する部分構造としては、式(1−1)〜式(1−70)がより好ましく、式(1−1)〜式(1−33)がさらに好ましい。
次に、化合物(1)および化合物(2)の製造方法について説明する。化合物(1)および化合物(2)は、フーベン・ヴァイル(Houben Wyle, Methoden der Organischen Chemie, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、オーガニック・シンセセーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載された有機化学における合成方法を適切に組み合わせることにより製造できる。
チイラン化合物は対応するオキシラン化合物またはその開環誘導体とチオシアン化カリウムまたはチオ尿素を用い、オキシラン化合物中のオキシラン環の酸素原子を硫黄原子に置換することなどにより製造できる。チイラン化合物の合成法としては、例えば、オキシラン化合物とチオシアン酸塩とを反応させるJ. Polym. Sci. Polym. Phys., 17, 329 (1979)に示された方法など、オキシラン化合物とチオ尿素とを反応させるJ. Org. Chem., 26, 3467 (1961)に示される方法など、環状カーボネートからのJ. Org. Chem., 27, 2832 (1962)に示される方法などが挙げられるがこの限りではない。
チイラン化合物は例えば次の方法で構築できる。対応するオキシラン化合物にチオ尿素を作用させることにより製造できる。
Figure 0004934971
化合物(1)および化合物(2)の主骨格(液晶残基)は次に示す方法を適切に組み合わせることで構築できる。即ち、結合基Zを生成する方法の一例に関して、最初にスキームを示し、次にスキームの製造方法を説明する。このスキームにおいて、MSGまたはMSGは任意の環を有する1価の有機基である。スキームで用いた複数のMSG(またはMSG)は同一であってもよいし、異なってもよい。化合物(1A)から化合物(1L)は化合物(1)に相当する。
Figure 0004934971
Figure 0004934971
(I)単結合の生成
ホウ酸誘導体(11)と公知の方法で合成されるハライド(12)とを、炭酸塩水溶液とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で反応させて化合物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、公知の方法で合成される化合物(13)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で化合物(12)を反応させることによっても合成される。ホウ酸誘導体(11)は化合物(13)をグリニヤール試薬またはリチウム試薬に誘導し、トリアルキルホウ酸エステルを作用することで製造できる。
(II)−COO−と−OCO−の生成
化合物(13)にn−ブチルリチウムを、続いて二酸化炭素を反応させてカルボン酸(14)を得る。化合物(14)と、公知の方法で合成されるフェノール(15)とをDDC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1B)を合成する。この方法によって−OCO−を有する化合物も合成できる。
(III)−CFO−と−OCF−の生成
化合物(1B)をローソン試薬のような硫黄化剤で処理して化合物(16)を得る。化合物(16)をフッ化水素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化し、−CFO−を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C)は化合物(16)を(ジエチルアミノ)サルファ トリフルオリドでフッ素化しても合成される。William H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって−OCF−を有する化合物も合成できる。
(IV)−CH=CH−の生成
化合物(6)をn−ブチルリチウムで処理した後、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)などのホルムアミドと反応させてアルデヒド(17)を得る。公知の方法で合成されるホスホニウム塩(18)をカリウムt−ブトキシドのような塩基で処理して発生させたリンイリドを、アルデヒド(17)に反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
(V)−(CH−の生成
化合物(1D)をパラジウム炭素のような触媒の存在下で水素化することにより、化合物(1E)を合成する。
(VI)−(CH−の生成
ホスホニウム塩(18)の代わりにホスホニウム塩(19)を用い、項(IV)の方法に従って−(CH−CH=CH−を有する化合物を得る。これを接触水素化して化合物(1F)を合成する。
(VII)−C≡C−の生成
ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下で、化合物(13)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを反応させたのち、塩基性条件下で脱保護して化合物(20)を得る。ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(20)を化合物(14)と反応させて、化合物(1G)を合成する。
(VIII)−CF=CF−の生成
化合物(13)をn−ブチルリチウムで処理したあと、テトラフルオロエチレンを反応させて化合物(21)を得る。化合物(21)をn−ブチルリチウムで処理したあと化合物(14)と反応させて化合物(1H)を合成する。
(IX)−CHO−または−OCH−の生成
化合物(17)を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元して化合物(22)を得る。これを臭化水素酸などでハロゲン化して化合物(23)を得る。炭酸カリウムなどの塩基存在下で、化合物(23)を化合物(24)と反応させて化合物(1J)を合成する。
(X)−(CH23O−または−O(CH23−の生成
化合物(17)の代わりに化合物(25)を用いて、項(IX)の方法に従って化合物(1K)を合成する。
(XI)−(CF22−の生成
J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 5414.に記載された方法に従い、ジケトン(28)をフッ化水素触媒の存在下、四フッ化硫黄でフッ素化して−(CF22−を有する化合物(1L)を得る。
次に本発明の液晶組成物について説明する。この組成物は第一成分として化合物(1)または化合物(2)の少なくとも1つを含有する。この組成物は、通常は複数の化合物の混合物を意味するが、1つの化合物(1)または1つの化合物(2)であっても組成物ということがある。第一成分を含有する組成物を重合させることによって光学異方性を有する重合体が得られる。重合性化合物が第一成分のみであってもよい。この組成物は次のような組成物A、B、Cなどに分類される。組成物Aは化合物(1)および化合物(2)の群から選ばれた1つの化合物を含有する。組成物Bは、第一成分として化合物(1)および化合物(2)の群から選ばれた少なくとも1つの化合物および第二成分として他の重合性化合物の群から選ばれた少なくとも1つの化合物を含有する。組成物Cは、非重合性の化合物をさらに含有する組成物AまたはBである。
「他の重合性化合物」は、化合物(1)および化合物(2)とは異なる重合性化合物(単量体)である。他の重合性化合物は、得られる重合体の特性を改善したり、修飾したりするのに有用である。他の重合性化合物は光学活性であってもよいし、光学活性でなくてもよい。光学活性でない他の重合性化合物の好ましい例は、チイラニル基を有する化合物、オキシラニル基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニルオキシ基を有する化合物、ビニル基を有する化合物、アクリロイルオキシ基を有する化合物、メタクリロイルオキシ基を有する化合物などである。これらの化合物の例は、特開平8−3111号公報などに記載されている。
組成物Bにおける好ましい第二成分は、すでに記載した化合物(M1)から化合物(M6)である。組成物Bは、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジ(3−エチル−オキセタン−3−イルメチル)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタンのような化合物をさらに含有してもよい。これらの化合物は、組成物の粘度を調整するのに適している。これらの化合物は、組成物を塗布するとき、塗膜の厚さを均一にする効果が大きい。
組成物は光学活性化合物や二色性色素などを含有してもよい。光学活性化合物を含有する組成物はらせん構造を示すので、これを重合することでらせん構造を有する位相差板を製造できる。添加する光学活性化合物は、らせん構造を誘起し、他の組成物と適切に混合できればいずれの光学活性化合物を用いてもよく、重合性であっても、非重合性であってもよい。そして、光学活性である化合物(1)または化合物(2)であってもよいし、化合物(1)または化合物(2)とは異なる光学活性化合物でもよい。化合物(1)または化合物(2)とは異なる光学活性化合物のうち、非重合性化合物としては下記に示す(Op−1)〜(Op−12)が、重合性化合物としては(Op−21)〜(Op−34)が好ましい。耐熱性、耐溶剤性を考慮した場合、重合性化合物がより好ましい。さらに添加する光学活性化合物は大きならせん誘起力(helical twist power)を有する化合物の方がらせんピッチを短くする上で好ましい。なお、式中、*は不斉炭素を示す。・を付けた1,4−シクロヘキシレンは、トランス型のシクロヘキサン環を示す。
Figure 0004934971
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これら式(Op−21)〜式(Op−34)の式中:Rはメチルまたはエチルであり、WおよびWはそれぞれ独立して、水素、塩素、フッ素、またはシアノであり、WおよびWはそれぞれ独立して、水素、塩素、フッ素、シアノ、メチルまたはトリフルオロメチルであり、Xは独立して、単結合または−O−であり、o、pおよびrはそれぞれ独立して、0〜20の整数である。化合物(Op−30)〜(Op−34)は軸不斉である。
組成物Cは、非重合性の液晶化合物や光学活性な化合物などを含有する。液晶化合物の例は、富士通九州エンジニアリング社が販売する液晶化合物データベース(登録商標:LiqCryst)などに記載されている。このような化合物は、組成物の粘度を調整する、液晶相の温度範囲を調整する、という役割が期待できる。光学活性な化合物の場合は組成物のピッチを調整するという役割が期待できる。
好ましい組成物は、第一成分として化合物(1)または(2)の少なくとも1つ、そして第二成分として化合物(M1)〜(M6)の少なくとも1つを含有する。この第二成分の化合物は、化合物(1)または(2)と共重合させるのに適した重合性基を有する。好ましい化合物(M1)〜(M6)であり、さらに好ましい化合物は(M1a)〜(M6f)である。
Figure 0004934971
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この式中:Rは水素、フッ素、塩素、−CN、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり、Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり、WおよびWは独立して水素、塩素、フッ素、またはシアノであり、WおよびWは独立して水素、塩素、フッ素、メチル、またはエチルであり、XおよびXは独立して単結合または−O−であり、o、pおよびrは独立して1〜20の整数である。
第一成分が化合物(1a)〜(2d)の少なくとも1つであり、そして第二成分が化合物(M1)〜(M6)の少なくとも1つであるとき、好ましい組み合わせの例は、組成物(C1)〜(C8)である。好ましい組成物を表1にまとめる。化合物(M1)〜(M6)は、組成物における液晶相の温度範囲、粘度、液晶相の配向、重合体における皮膜形成性、機械的強度、支持基板との密着性、などを調整するのに都合がよい。これら組成物の各成分の含有量は、組成物の全重量に基づいて次のとおりである。第一成分の含有量は1〜99重量%であり、より好ましくは5〜95重量%である。第二成分の含有量1〜99重量%であり、より好ましくは10〜95重量%である。
表1.好ましい組成物
組成物 第一成分の化合物 第二成分の化合物
組成物C1 (1a)、(1b)、(1c)または(1d) (M1)または(M2)
組成物C2 (1a)、(1b)、(1c)または(1d) (M3)または(M4)
組成物C3 (1a)、(1b)、(1c)または(1d) (M5)または(M6)
組成物C4 (2a)、(2b)、(2c)または(2d) (M1)または(M2)
組成物C5 (2a)、(2b)、(2c)または(2d) (M3)または(M4)
組成物C6 (2a)、(2b)、(2c)または(2d) (M5)または(M6)
組成物C7 (1a)または(1b) (M4)
組成物C8 (2a)または(2b) (M3)
組成物(C1)〜(C8)の特長は、次のとおりである。1)適当な光カチオン重合触媒の存在下、組成物に紫外線を照射することによって、重合体が容易に得られる。1)重合は、窒素の雰囲気下だけでなく、空気中でも進行する。3)組成物から重合体(フィルム)になるとき、サイズが小さくなりにくい。組成物(C1)〜(C8)のうち、特に好ましい例は、組成物(C7)および(C8)である。これらの組成物の特長は次のとおりである。1)重合反応が早く短時間で高分子量のフィルムが得られる。2)寸法安定性に優れたフィルムが得られる。3)耐熱性に優れたフィルムが得られる。
組成物A、BおよびCなどの組成物は、必要に応じてさらに添加物を含有してもよい。重合体の物性を調整するための添加物は、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、微粒子などである。単量体を重合させるための添加物は、重合開始剤、光増感剤などである。組成物を希釈するためには有機溶剤が好ましい。これらの添加物の量は、その目的を達する程度の少ない量が好ましい。
界面活性剤は組成物を支持基板などに塗布するのを容易にする、液晶相の配向を制御する、などの効果を有する。界面活性剤の例は、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などである。界面活性剤の好ましい量は、界面活性剤の種類、組成物の組成比などにより異なるが、組成物の全重量に基づいて100ppm〜5重量%の範囲である。さらに好ましい量は0.1〜1重量%の範囲である。
好ましい酸化防止剤は、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルホスファイト、トリアルキルホスファイトなどである。好ましい市販品は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製のイルガノックス245、イルガノックス1035などである。
好ましい紫外線吸収剤は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製のチヌビンPS、チヌビン213、チヌビン109、チヌビン328、チヌビン384−2、チヌビン327などである。光学異方性を調整したり、重合体の強度を上げるために、微粒子を添加してもよい。好ましい微粒子の素材は、無機物、有機物、金属などである。好ましい無機物はセラミックス、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライト、フッ素バーミキュライト、フッ素ヘクトライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、カオリナイト、フライポンタイト、ZnO、TiO、CeO、Al、Fe、ZrO、MgF、SiO、SrCO、Ba(OH)、Ca(OH)、Ga(OH)、Al(OH)、Mg(OH)、Zr(OH)などである。炭酸カルシウムの針状結晶などの微粒子は光学異方性を有する。このような微粒子によって、重合体の光学異方性を調節できる。
好ましい有機物は、カーボンナノチューブ、フラーレン、デンドリマー、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリイミドなどである。微粒子の好ましい粒径は、0.001〜0.1μmである。より好ましい粒径は0.001〜0.05μmである。材質にもよるが、凝集現象を防止するために、小さい粒径が好ましい。粒径の分布はシャープな方が好ましい。好ましい添加量は、組成物の全重量に基づいて0.1〜30重量%である。添加の目的を達する限り、少ない割合が好ましい。
好ましい重合開始剤は光カチオン重合用の開始剤である。この開始剤は、特に組成物(C1)〜(C16)に適している。好ましい開始剤は、ジアリールヨードニウム塩(以下DASと略す)、トリアリールスルホニウム塩(以下TASと略す)などである。
DASの例は、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートなどである。
DASと光増感剤の組み合わせは好ましい。光増感剤の例は、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルブレンなどである。
TASの例は、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネートなどである。
光カチオン重合に用いる開始剤の商品名の例は、みどり化学(株)のDTS−102などである。この例は、UCC社のサイラキュアーUVI−6990、UVI−6974、UVI−6992などである。この例は旭電化工業(株)のアデカオプトマーSP−150、SP−152、SP−170、SP−172などである。この例は、ローディア社のPHOTOINITIATOR2074、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)のイルガキュアー250、GEシリコンズ社のUV−9380C、などである。
溶媒(溶剤)の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチルラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチルグリコール、ヘキシレングリコール、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどである。溶媒は単一化合物であってもよいし、または混合物であってもよい。
次に、重合体について説明する。化合物(1)および(2)は重合性の基を有する。これらの化合物を含有する組成物を重合させることによって重合体が得られる。得られた重合体は光学異方性を有する。反応の種類は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合、リビング重合などである。重合性基の性質を考慮すると、好ましい反応はカチオン重合である。配向の優れた重合体を得るときは、光の照射によるカチオン重合がさらに好ましい。組成物が液晶である条件下で、重合を行うのが容易だからである。
好ましい光の種類は、紫外線、可視光線、赤外線などである。電子線、X線などの電磁波を用いてもよい。通常は、紫外線または可視光線が好ましい。好ましい波長の範囲は150〜500nmである。さらに好ましい範囲は250〜450nmであり、最も好ましい範囲は300〜400nmである。光源は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、またはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などである。好ましい光源は超高圧水銀ランプである。光源からの光はそのまま組成物に照射してもよい。フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を組成物に照射してもよい。好ましい照射エネルギー密度の範囲は、2〜5000mJ/cm2である。さらに好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2である。特に好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。好ましい照度は0.1〜5000mW/cmである。さらに好ましい照度は1〜2000mW/cmである。組成物が液晶相を有するように、光を照射するときの温度を設定する。好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以上の温度では熱による重合が起こりうるので、良好な配向が得られないときがある。
組成物Aを重合させるとき、単独重合体が得られる。この単独重合体は1つの構成単位からなる。組成物Bを重合させるとき、共重合体が得られる。この共重合体は少なくとも2つの構成単位を有する。共重合体における構成単位の配列は、ランダム、ブロック、交互などのいずれであってもよい。組成物Cを重合させるとき、重合体(1)または(2)および非重合性の化合物を含有する重合体組成物が得られる。この重合体(1)または(2)は少なくとも1つの構成単位を有する。
化合物(1)または(2)を単量体として使用することによって熱可塑性樹脂が得られる。この樹脂は、1つの重合性基を有する化合物を主成分にした組成物を重合することによって得られ、線状の高分子構造を有する。熱可塑性樹脂の好ましい重量平均分子量は500〜1,000,000であり、好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは5,000〜100,000である。熱可塑性樹脂を合成するときは、反応を制御して重合度を調節する。熱可塑性樹脂を合成するとき、共重合における好ましい第二成分は化合物(M1)、(M3)または(M5)などである。
化合物(1)または(2)を単量体として使用することによって熱硬化性樹脂も合成できる。2つの重合性基を有する化合物を主成分にした組成物から、この樹脂が得られる。この樹脂は、三次元の架橋構造を有するので、溶媒に溶けないし、融解しない。したがって、分子量を測定できない。熱硬化性樹脂を合成するとき、共重合における好ましい第二成分は化合物(M2)、(M4)または(M6)などである。
重合体の形状は、フィルム、板などである。重合体は成形されてもよい。フィルムの重合体を得るには、一般に支持基板が用いられる。支持基板の上に組成物を塗布し、その組成物が液晶状態で形成するネマチック配向などの液晶相を有している塗膜(paint film)を重合させるとフィルムが得られる。好ましい重合体の厚さは、重合体の光学異方性の値および用途に依存する。従って、その範囲を厳密に決定することはできないが、好ましい厚さは0.05〜50μmの範囲であり、より好ましい厚さは0.1〜20μmの範囲である。特に好ましい厚さは0.5〜10μmの範囲である。これらの重合体のヘイズ値(haze value;曇り度)は、概して1.5%以下である。これらの重合体の透過率は、可視光領域において一般的に80%以上である。したがって、これらの重合体は液晶表示素子に用いる光学異方性の薄膜として適している。
支持基板の例は、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどである。商品名の例は、JSR(株)の「アートン」、日本ゼオン(株)の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学(株)の「アペル」などである。支持基板は一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどである。好ましい支持基板はトリアセチルセルロース(TAC)フィルムである。このフィルムを前処理することなくそのまま用いてもよい。このフィルムは、必要に応じて、鹸化処理、コロナ放電処理、UV−オゾン処理などの表面処理を行ってもよい。その他の例は、アルミニウム、鉄、銅などの金属製の支持基板、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス製の支持基板などである。
支持基板上の塗膜は、組成物をそのまま塗布することによって調製される。塗膜は、組成物を適切な溶媒に溶かして塗布したあと、溶媒を除去することによっても調製される。塗布の方法は、スピンコート、ロールコート、カテンコート、フローコート、プリント、マイクログラビアコート、グラビアコート、ワイヤーバーコート、デップコート、スプレーコート、メニスカスコート、流延成膜法などである。
組成物の配向を決定する因子は、1)重合性化合物の化学構造、2)支持基板の種類、3)配向処理の方法、などである。項1)に関しては、重合性化合物の側鎖、環、結合基、重合性基などの種類に依存する。項2)に関しては、重合体、ガラス、金属などのような支持基板の材質に依存する。項3)に関しては、レーヨン布などで一方向にこする(ラビング)、酸化ケイ素を斜方蒸着させる、スリット状にエッチング加工する、などの方法がある。ラビング処理においては、支持基板を直接的にラビングしてもよい。支持基板をポリイミド、ポリビニルアルコールなどの薄膜でコーティングし、この薄膜をラビングしてもよい。ラビング処理をしなくても、良好な配向を与える特殊な薄膜も知られている。
液晶化合物における配向の分類は、ホモジニアス(homogenerous;平行)、ホメオトロピック(homeotropic;垂直)、ハイブリッド(hybrid)、チルト(tilted)、ツイスト(twisted)などである。ホモジニアスは、配向ベクトルが基板に平行で、かつ一方向にある状態をいう。ホメオトロピックは、配向ベクトルが基板に垂直である状態をいう。ハイブリッドは、配向ベクトルが基板から離れるにしたがって、平行から垂直に立ちあがっている状態をいう。チルトは、配向ベクトルが基板に対して、一定の傾き角で起きあがっている状態をいう。これらの配向は、ネマチック相などを有する組成物で観察される。一方、ツイスト配向は、キラルなネマチック相、コレステリック相などを有する組成物で観察される。ツイストは、配向ベクトルが基板に平行ではあるが、基板から離れるにしたがって、漸次ねじれている状態をいう。このねじれは光学活性な基の作用によって生起する。
重合体の用途について説明する。この重合体は、光学異方性を有する成形体として使用できる。この重合体を含有する素子は、位相差板(1/2波長板、1/4波長板など)、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などの光学フィルムである。ホモジニアス、ハイブリット、ホメオトロピックなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜、などに利用できる。ツイストなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、選択反射膜、視野角補償膜などに利用できる。このような重合体は、液晶ディスプレイの位相差板や視野角補償膜などに、光学補償を目的として用いられる。このような重合体は、高熱伝導性エポキシ樹脂、接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線型光学材料、情報記憶材料などにも利用できる。
熱可塑性樹脂は接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線形光学材料および情報記憶材料などの用途に適している。熱硬化性樹脂は液晶表示素子の構成要素である位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などの用途に適している。
位相差板は偏光の状態を変換する機能を有する。1/2波長機能板は、直線偏光の振動方向を90度回転させる機能を有する。d=λ/2×Δnの式を満たすように組成物を支持基板上に塗布する。ここで、dは組成物の厚さ、λは波長、Δnは光学異方性である。この組成物の配向させたあと、光重合させることによって1/2波長機能板が得られる。一方、1/4波長機能板は、直線偏光を円偏光に、または円偏光を直線偏光に変換する機能を有する。この場合には、d=λ/4×Δnの条件を満たすように組成物の塗膜を調製すればよい。重合体の厚さ(d)は次のように調整される。組成物を溶媒で希釈したあと、支持基板上に塗布する方法では、組成物の濃度、塗布する方法、塗布する条件などを適切に選択することによって、目的とする厚さの塗膜を得ることができる。液晶セルを利用する方法も好ましい。液晶セルはポリイミドなどの配向膜を有しているので都合がよい。この液晶セルに組成物を注入する場合には、液晶セルの間隔によって塗膜の厚さを調整することができる。
ツイスト配向を有する重合体は、位相差板として有用である。らせんのピッチが、波長の1/n(nは重合体の平均屈折率)であるとき、この波長の光はブラッグの法則に従って反射され、円偏光に変換される。円偏光の方向は、らせんの方向、すなわち光学活性な化合物の立体配置に依存する。光学性な化合物の立体配置を適切に選択することによって、円偏光の方向を決めることができる。この重合体は、円偏光分離機能素子として有用である。
この重合体は、輝度向上フィルムとしても有用である。例えば特開平6−281814号公報などに開示された方法に従えば、らせんピッチが厚さ方向に連続的に延びる重合体が得られる。この重合体は、ピッチに応じた広い波長領域の光を反射することができる。この重合体は、100〜350nm(または波長350〜750nm)の領域の光を選択的に反射することができる。
物性の測定法を記載したあと、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例は、本発明の一例である。本発明は下記の実施例によって限定されない。組成物の割合は、重量%(wt%)である。なお、以下において、容量の単位であるリットルを記号Lで記す。クロマトグラフィーの溶出溶媒の組成比は、容量比を示す。
相転移温度は、偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で昇温した。液晶相が転移する温度を測定した。Cは結晶、Nはネマチック相、Chはコレステリック相、SAはスメクチックA相、Iは等方性液体を意味する。NI点は、ネマチック相の上限温度またはネマチック相から等方性液体への転移温度である。「C50N63I」は、50℃で結晶からネマチック相に転移し、63℃でネマチック相から等方性液体へ転移したことを示す。合成した化合物の化学構造は、H−NMRで確認した。
セロテープ(登録商標)剥離試験は、JIS規格「JIS−K−5400、8.5、付着性(8.5.2、碁盤目テープ法)」の試験法に従った。つまり、100のます目のうち、剥離しなかったます目の数によって、結果を評価した。
鉛筆硬度は、JIS規格「JIS−K−5400、8.4、鉛筆引掻試験」の方法に従った。結果を鉛筆の芯の硬さで表した。
耐熱性試験は、100℃で500時間の条件で行ない、結果はリタデーション(retardation)の変動によって評価した。ガラス基板にポリアミック酸(チッソ(株)製のPIA5310)を塗布したあと、210℃で30分間加熱して支持基板を得た。加熱によって生成したポリイミドの表面はレーヨン布でラビングした。試料の組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(重量比で2:1)で希釈して30重量%の溶液を調製した。溶液をスピンコーターで支持基板に塗布し、70℃で3分間加熱したあと、生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W/cm)を使って紫外線を60℃で10秒間照射した。得られた重合体のリタデーションを25℃で測定した。重合体を100℃で500時間加熱したあと、再度リタデーションを25℃で測定した。2つの値を比較して耐熱性を評価した。リタデーションは、文献の方法に従い、セナルモン・コンペンセータ(Senarmont compensator)を用いて測定した。使用した波長は550nmである。文献は、粟屋裕著、「高分子素材の偏光顕微鏡入門」、94頁、アグネ技術センター発行、2001年である。
光学異方性(△n)は、次のように算出した。耐熱性試験の方法にしたがって重合体のリタデーション(25℃)の値を測定した。重合体の厚さ(d)も測定した。リタデーションは△n×dであるから、この関係から光学異方性の値を算出した。
配向は偏光顕微鏡によって観察した。重合体は、鹸化処理したTACフィルム(支持基板)の上に調製した。この試料を、クロスニコルに配置した2枚の偏光板に挟持した。配向の種類は、透過光強度の角度依存性から判断した。
実施例1
化合物(1−1−4−4)の製造
Figure 0004934971
下記の経路により化合物(1−1−4−4)を製造した。
Figure 0004934971
化合物(a)の製造
Figure 0004934971
三口フラスコに温度計、撹拌機および滴下漏斗を取り付け、窒素雰囲気下、アリルアルコール(500 g, 3.84 mol)とテトラヒドロフラン(300 mL, 3.69 mol)を加え、−60℃で1時間撹拌した。ここに塩化チオニル(500 g, 4.20 mol)を滴下し、さらに−60℃で1時間撹拌後、2時間加熱還流した。減圧下で溶媒を留去し、残渣を減圧蒸留(5 mmHg, 110-110 ℃)により精製し、無色油状化合物(a)(471 g, 87%)を得た。
化合物(c)の製造
Figure 0004934971
三口フラスコ、滴下漏斗、還流冷却器、撹拌子および温度計を組み立てた装置に、55%水素化ナトリウム(7.5 g, 0.17 mol)とN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(100 mL)を加え、ここに、窒素雰囲気下、室温で(b)(30.5 g, 0.16 mol)をDMF(400 mL)に溶解した溶液を滴下し、30分間撹拌した。次に、(a)(19.3 g, 0.13 mol)を加え、60℃で2日間撹拌した。反応混合物に水を加え、トルエンで抽出し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 トルエン/酢酸エチル:8/2)により精製し無色油状物質化合物(c)(33.15 g, 98%)を得た。
化合物(d)の製造
Figure 0004934971
三口フラスコ、滴下漏斗、撹拌子および温度計を組み立てた装置に、純度77%のm−クロロ過安息香酸(26.58 g, 0.12 mol)とジクロロメタン(300 mL)を加え、窒素雰囲気下、0℃に冷却した。ここに(c)(33.15 g. 0.11 mol)のジクロロメタン溶液(100 mL)を滴下し、終夜撹拌した。白色析出物をろ別し、炭酸水素ナトリウム水溶液および硫酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、残留過酸化物を処理した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー(展開溶媒 トルエン/酢酸エチル:8/2)で分取し、エタノールにより再結晶を行い、白色結晶化合物(d)(18.14 g, 51%)を得た。
化合物(1−1−4−4)の製造
Figure 0004934971
撹拌子を入れた三口フラスコに、窒素雰囲気下(d)(1.00 g, 3.10 mol)、ジクロロメタン(3 mL)およびメタノール(3 mL)を入れ撹拌した。ここにチオ尿素(0.35 g, 4.65 mmol)を添加し、終夜撹拌した。反応混合物を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 トルエン/酢酸エチル:8/2)により分取を行い、エタノールより再結晶し、無色結晶化合物(1−1−4−4)(0.81 g, 77%)を得た。相転移温度:C(N35)63I(℃)。H−NMR(CDCl;δ ppm):7.63−7.70(m, 4H), 7.53(d, 2H),6.99(d, 2H),4.05(t, 2H), 3.61−3.64(m, 1H),3.59(t, 2H), 3.48−3.52(m, 1H),3.06−3.11(m, 1H), 2.53(d, 1H),2.22(d, 1H),1.89−1.94(m, 2H),1.78−1.83(m,2H)。
実施例2
化合物(1−2−4−1)の製造
Figure 0004934971
下記の経路により化合物(1−2−4−1)を製造した。
Figure 0004934971
化合物(f)の製造
Figure 0004934971
三口フラスコ、撹拌機および温度計を取り付けた装置に、窒素雰囲気下、DMF(3 L)、(e)(637 g, 3.83 mol)、4−ブロモブテン(575 g, 4.26 mol)および炭酸カリウム(636 g, 4.60 mol)を加え、100℃で3時間撹拌した。放冷後、析出した不溶物をろ別し、ろ液に水を加え、トルエンで抽出した。0.5M水酸化ナトリウム水溶液と水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残渣を減圧蒸留(4 mmHg, 143-145 ℃)で精製し、無色油状化合物(f)(264 g, 28%)を得た。
化合物(h)の製造
Figure 0004934971
三口フラスコ、撹拌機、還流冷却器、および温度計を取り付けた装置に、窒素雰囲気下、メチルエチルケトン(MEK)(600 mL)、炭酸カリウム(108 g, 0.78 mol)および(g)(108 g, 0.65 mol)を加え撹拌した。ここに4−ブロモブテン(97 g, 0.72 mol)を加え15時間加熱還流した。反応溶液に水を加え、トルエンで抽出し。有機層を0.5M水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 トルエン/酢酸エチル:8/2)により精製し、無色結晶化合物(h)(100.74 g, 70%)を得た。
化合物(i)の製造
Figure 0004934971
三口フラスコ、撹拌機、還流冷却器、および温度計を取り付けた装置に、(h)(100.74 g, 0.46 mol)、エタノール(200 mL)に水酸化ナトリウム(27.44 g, 0.69mol)水溶液(200 mL)を加え、5時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物中のエタノールを減圧下で留去した。これに水(200 mL)を加えた後、6M塩酸により反応混合物を酸性にしたところ、無色結晶が析出した。析出物をろ別し、水でよく洗浄した後、残渣をトルエンにより共沸脱水を行い、真空ポンプで乾燥し、無色結晶化合物(i)(63.12 g, 72%)を得た。
化合物(j)の製造
Figure 0004934971
三口フラスコ、撹拌機、滴下漏斗、および温度計を取り付けた装置に、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1000 mL)、(f)(51.73 g, 0.32 mol)、(i)(60.00 g, 0.31 mol)、および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(11.11 g, 0.09 mol)を加え0℃に冷却した。ここに、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(70.13 g, 0.34 mol )をジクロロメタン(100 mL)に溶解した溶液を滴下し、終夜撹拌した。析出物をろ別し、ろ液を1M塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘプタン/酢酸エチル:7/3)で分取した後、ヘプタンより再結晶し無色結晶化合物(j)(87.45 g, 83%)を得た。
化合物(k)の製造
Figure 0004934971
三口フラスコに撹拌機、滴下漏斗および温度計を取り付けた装置に、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1300 mL)、メタクロロ過安息香酸(純度65%)(87.06 g)を加え0℃に冷却した。ここに(j)(52.22 g, 0.15 mol)をジクロロメタン(200 mL)に溶解した溶液を滴下し、室温で終夜撹拌した。析出物をろ過し、ろ液を硫酸水素ナトリウム水溶液と5%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 トルエン/酢酸エチル:8/2)で分取した。粗結晶をトルエン、エタノール混合溶媒により再結晶を行い、無色結晶化合物(k)(36.12 g, 65%)を得た。相転移温度:C48N63I(℃)。
化合物(1−2−4−1)の製造
Figure 0004934971
フラスコに撹拌子を入れ、ジクロロメタン(5 mL)、メタノール(10 mL)、(k)(2.00 g, 5.40 mmol)、およびチオ尿素(1.23 g, 16.2 mmol)を加え、室温で2日間撹拌した。反応混合物に水を加え、メタノールを留去した後、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 トルエン/酢酸エチル:8/2)で分取した。粗結晶をジクロロメタンとエタノールの混合溶媒により再結晶し、無色結晶化合物(1−2−4−1)(1.13 g, 52%)を得た。相転移温度:C56N 63I(℃)。H−NMR(CDCl;δ ppm):8.15(d, 2H), 7.12(d, 2H),6.99(d, 2H), 6.94(d, 2H),4.10−4.25(m, 4H), 3.10−3.15(m, 2H),2.61(t, 2H), 2.39−2.52(m, 2H),2.29(t, 2H),1.79−1.86(m, 2H)。
実施例1および2の方法に準じて製造される化合物の例は、(1−1−1−1)〜(1−2−70−4)および(1−1−Op−1)〜(1−2−Op−2)である。
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
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Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
Figure 0004934971
実施例3
50wt%の化合物(1−1−4−4)および50wt%の化合物(K1)から組成物(CL1)を調製した。化合物(K1)は特願2004−201562号に記載の方法で合成した。この組成物は室温でネマチック相を有した。化合物(1−1−4−4)は良好な相溶性を有し、相分離することはなかった。組成物(CL1)は、ラビングしたTACフィルム上に塗布したところ、ホモジニアス配向を示した。
Figure 0004934971
TACフィルムをケン化処理したあと、その表面をレーヨン布によりラビングした。このフィルムに、組成物(CL1)1gおよびDTS−102(みどり化学(株)の重合開始剤)0.03gをシクロペンタノン(8g)に溶解した溶液を、スピンコーターを用いて塗布した。塗布後、60℃に設定したオーブン中で5分間加熱した。この熱処理によって溶媒を除去し、液晶分子を配向させた。超高圧水銀灯(250W/cm)を使って紫外線を60℃で10秒間照射し、液晶配向フィルム(F1)を得た。組成物のホモジニアス配向は重合によっても保持された。このフィルムのセロテープ剥離試験において、剥離したます目はなかった。このフィルムの鉛筆硬度は2Hであった。
実施例4
60wt%の化合物(1−2−4−1)および40wt%の化合物(K2)から組成物(CL2)を調製した。化合物(K2)は特願2004−112720号に記載の方法で合成した。この組成物は室温でネマチック相を有した。化合物(1−2−4−1)は良好な相溶性を有し、相分離することはなかった。組成物(CL2)は、ラビングしたTACフィルム上に塗布したところ、ハイブリッド配向を示した。
Figure 0004934971
TACフィルムをケン化処理したあと、その表面をレーヨン布によりラビングした。このフィルムに、組成物(CL2)1gおよびDTS−102(みどり化学(株)の重合開始剤)0.03gをシクロペンタノン(8g)に溶解した溶液を、スピンコーターを用いて塗布した。塗布後、60℃に設定したオーブン中で5分間加熱した。この熱処理によって溶媒を除去し、液晶分子を配向させた。超高圧水銀灯(250W/cm)を使って紫外線を60℃で10秒間照射し、液晶配向フィルム(F2)を得た。組成物のハイブリッド配向は重合によっても保持された。このフィルムのセロテープ剥離試験において、剥離したます目はなかった。このフィルムの鉛筆硬度は2Hであった。
これらのフィルムの評価結果を表2にまとめる。これらの結果から、1)重合体は支持基板から剥離しにくい、2)重合体は硬い、ということが分かった。
表2.評価結果
フィルム番号 セロテープ剥離試験 鉛筆硬度 配向
F1 100/100 2H ホモジニアス
F2 100/100 2H ハイブリッド

Claims (15)

  1. 式(1)または式(2)で表される化合物。
    Figure 0004934971
    式中、Rは基(3)で表される重合性基であり;Rはフッ素、塩素、−CNまたは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の1つまたは2つの−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Rは水素、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Aは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、またはビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイルであり、この環において任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、この環において任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素は−CF、炭素数1〜5のアルキル、または炭素数1〜5のアルコキシで置き換えられてもよく;Zは独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH2−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;mは1〜4の整数であり;qは0であり、複数のR、AおよびZはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。ただし、次の化合物を除く
    ス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]メタン
    4,4’−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル
  2. 式(1)または式(2)において、Rが基(3)で表される重合性基であり;Rがフッ素、塩素、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、または炭素数2〜9のアルコキシアルキルであり;Rが水素、フッ素、塩素、または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく;Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり、この環において任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の1つの水素はメチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、または−CFで置き換えられてもよく;Zが独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH2−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;mが1〜3の整数であり;qが0である、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(1)または式(2)において、Rが基(3)で表される重合性基であり;Rがフッ素、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、または炭素数2〜9のアルコキシアルキルであり;Rが水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、この環において任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の1つの水素はメチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、または−CFで置き換えられてもよく;Zが独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CHr−1−、−(CHr−1O−、−O−(CHr−2−O−、−OCO−(CH−、−(CH−COO−、−COO−(CHr−2−O−、−OCO−(CHr−2−O−、−O−(CHCHO)、−COO−、−OCO−、−OCF−、または−CFO−であり;rが1〜10の整数であり;sが1〜3の整数であり;mが1〜2の整数であり;qが0である、請求項1に記載の化合物。
  4. 式(1a)〜式(1d)または式(2a)〜式(2d)のいずれか1つで表される化合物。
    Figure 0004934971
    式中、Rは基(3)で表される重合性基であり;Rはフッ素、塩素、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、または炭素数2〜9のアルコキシアルキルであり、;Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、または2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CHr−1−、−(CHr−1O−、−O−(CHr−2−O−、−OCO−(CH−、−(CH−COO−、−COO−(CHr−2−O−、−OCO−(CHr−2−O−、−O−(CHCHO)、−COO−、−OCO−、−OCF−、または−CFO−であり、rは1〜10の整数であり、sは1〜3の整数であり;qは0であり、複数のR、AおよびZはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。ただし、次の化合物を除く。
    ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]メタン
  5. 式(1a)〜式(1d)および式(2a)〜式(2d)において、Rが基(3)で表される重合性基であり;Rがフッ素、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−OCFH、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、または炭素数2〜9のアルコキシアルキルであり;Rが水素であり;Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CHr−1−、−(CHr−1O−、−O−(CHr−2−O−、−O−(CHCHO)−、−COO−、または−OCO−であり、rが1〜10の整数であり、sが1〜3の整数であり;qが0である、請求項4に記載の化合物。
  6. 式(1a)〜式(1d)および式(2a)〜式(2d)において、Rが基(3)で表される重合性基であり;Rが炭素数1〜10のアルキルであり;Rが水素であり;Aが独立して、1,4−フェニレンであり;Zが独立して単結合、−O−、−(CH−、−O(CHr−1−、−(CHr−1O−、−O−(CHr−2−O−、−COO−、または−OCO−であり、rが2〜10の整数であり;qが0である、請求項4に記載の化合物。
  7. 式(1a)〜式(1d)および式(2a)〜式(2d)において、Rが基(3)で表される重合性基であり;Rが炭素数1〜10のアルキルであり;Rが水素であり;Aが独立して、1,4−フェニレンであり;Zが独立して−O(CHr−1−、−O−(CHr−2−O−、−COO−、または−OCO−であり、rが2〜10の整数であり;qが0である、請求項4に記載の化合物。
  8. 第一成分として、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも1つ、ならびに第二成分として、式(M1)、式(M2)、式(M3)、式(M4)、式(M5)、および式(M6)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する液晶組成物。
    Figure 0004934971
    式(M1)〜式(M6)において、Rは水素、フッ素、塩素、−CN、−CF、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、または炭素数2〜20のアルケニルオキシであり;Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Bは独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つはピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yは独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の1つまたは2つの−CHは−O−で置き換えられてもよく、任意の1つの−CHは−COO−、−OCO−、−C=C−、または−C≡C−で置き換えられてもよく;そしてtは1または2であり、複数のBおよびYはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
  9. 式(M1)〜式(M6)において、Rがフッ素、−CN、−CF、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数2〜20のアルコキシであり;Rが水素または炭素数1〜2のアルキルであり;Bが独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つが9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9−エチルフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yが独立して単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−、または炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の1つまたは2つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく;そしてtが1または2である、請求項8に記載の液晶組成物。
  10. 第二成分が、式(M1)および式(M2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、または式(M3)および式(M4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、または式(M5)および式(M6)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項8または請求項9に記載の液晶組成物。
  11. 第二成分が、式(M3)および式(M4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項8または請求項9に記載の液晶組成物。
  12. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の化合物を重合させることによって得られる重合体。
  13. 請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の液晶組成物を重合することによって得られる重合体。
  14. 請求項12または請求項13に記載の重合体を含有する液晶表示素子。
  15. 請求項12または請求項13に記載の重合体の、光学異方性を有する成形体としての使用。
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