JP4894492B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射制御装置に関し、特に、燃料の噴射量を制御する燃料噴射制御装置に関する。
内燃機関(エンジン)の燃料噴射装置に供給される燃料を加圧するためにポンプが設けられることがある。例えば、筒内に直接燃料が噴射されるエンジンにおいては、高圧となる筒内に燃料を噴射するために、高圧ポンプで燃料が圧送される。この場合、高圧ポンプから圧送される燃料はコモンレール(あるいはデリバリパイプ)と呼ばれる燃料分配管に貯留される。各気筒に設けられた燃料噴射装置には、コモンレールから高圧の燃料が供給される。
燃料を圧送するポンプが設けられた場合、燃料の圧力(燃圧)を目標値に制御するために、コモンレール等の燃料配管における燃圧の検出値と目標値との差圧に基づいてポンプの吐出量が制御される。
しかしながら、燃料配管内では圧力のうねりが生じており、燃圧が正しく検出されないことがある。上記うねりは、燃料の噴射等により発生する圧力波が燃料配管内で反射したり、反射波により燃料配管等に共振が発生したりすることにより生じると考えられる。燃圧の検出値には上記うねりの成分が含まれているため、実際の燃圧を正しく反映していない場合がある。この場合、燃圧を目標値に精度良く収束させることができずにハンチングが生じることがある。
上記のようにハンチングが生じるなど、燃圧が精度良く制御されない場合には、燃料の噴射量の制御における精度が低下する。その結果、燃焼に悪影響を及ぼす虞がある。
特許第2689693号公報 特開2001−295725号公報 特開2005−248757号公報 特開2003−49690号公報
燃料の噴射装置により噴射される燃料の噴射量を精度良く制御できることが望まれている。
本発明の目的は、燃料の噴射装置により噴射される燃料の噴射量を精度良く制御することが可能な燃料噴射制御装置を提供することである。
本発明の燃料噴射制御装置は、燃料の噴射装置により噴射される燃料の噴射量を制御する燃料噴射制御装置であって、前記噴射装置に供給される前記燃料を蓄圧する蓄圧部における前記燃料の圧力を目標の圧力となるように制御し、前記蓄圧部において検出される前記燃料の圧力の検出値になまし処理を施して算出されるなまし燃圧に基づいて前記蓄圧部における前記燃料の圧力を制御することを特徴としている。
本発明の燃料噴射制御装置において、前記蓄圧部に前記燃料を供給する圧送手段を備え、前記燃料の圧力の検出値が検出されるタイミングが、前記圧送手段による前記燃料の圧送の周期に基づいて設定されることを特徴としている。
本発明の燃料噴射制御装置において、前記燃料の圧力の検出値が検出されるタイミングが、前記圧送手段により前記燃料の圧送が行われてから最初に前記噴射装置により前記燃料が噴射されるまでの間に設定されることを特徴としている。
本発明の燃料噴射制御装置において、前記燃料の圧送の周期であって、前記圧送手段により前記燃料の圧送が行われてから次に前記燃料の圧送が行われるまでの期間である設定期間において、前記噴射装置により前記燃料の噴射が複数回行われ、前記設定期間において最初に前記噴射装置により前記燃料が噴射される際には、前記なまし燃圧に基づいて前記燃料の噴射時間が補正され、前記設定期間において2回目以降に前記噴射装置により前記燃料が噴射される際には、前記なまし燃圧に加えて、前記燃料の噴射量に基づいて前記燃料の噴射時間が補正されることを特徴としている。
本発明の燃料噴射制御装置において、前記燃料の圧力の検出値と前記目標の圧力との差分の絶対値が予め定められた所定値以上である場合には、前記なまし燃圧ではなく、前記燃料の圧力の検出値に基づいて前記蓄圧部における前記燃料の圧力が制御されることを特徴としている。
本発明の燃料噴射制御装置において、前記燃料の噴射量の変化割合が予め定められた設定値以上である場合には、前記なまし燃圧ではなく、前記燃料の圧力の検出値に基づいて前記蓄圧部における前記燃料の圧力が制御されることを特徴としている。
本発明の燃料噴射制御装置によれば、燃料の噴射装置により噴射される燃料の噴射量を精度良く制御することが可能となる。
以下、本発明の燃料噴射制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図5及び図11から図14を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、燃料の噴射装置により噴射される燃料の噴射量を制御する燃料噴射制御装置に関する。
本実施形態では、燃料の噴射装置(図1の符号7参照)に供給される燃料の圧力(燃圧)がフィードバック制御される。燃圧が目標値(以下、目標燃圧Ptrgとする、図3参照)となるように、燃料を圧送する高圧ポンプ(圧送手段、図1の符号1参照)の吐出量が操作される。高圧ポンプ1の吐出量は、デューティ制御により調節される。
本実施形態のデューティ制御では、後述するように、高圧ポンプ1の1回の吐出における最大吐出可能時間に対する実際の吐出時間の割合(以下、デューティ比Dとする、図2参照)を調節することにより、高圧ポンプ1による燃料の吐出量が制御される。
本実施形態では、圧力センサ(図1の符号8参照)による燃圧の検出値(以下、実燃圧Pとする、図2参照)そのものではなく、実燃圧Pになまし処理が施されて算出される値(以下、なまし燃圧PNとする、図2参照)に基づいて燃圧のフィードバック制御が行われる。なまし燃圧PNと目標燃圧Ptrgとの差圧に基づいて高圧ポンプ1のデューティ比Dが設定される。
これにより、以下に詳しく説明するように、実燃圧Pに含まれる反射波等によるうねり成分の影響が抑制されて、精度良く燃圧が制御されることができる。
図1は、本実施形態に係る装置の概略構成図である。図1において、符号1は高圧ポンプを示す。符号2は、燃料タンクを示す。燃料タンク2には、フィードポンプ3が設けられている。高圧ポンプ1は、燃料供給管4を介してフィードポンプ3と接続されている。フィードポンプ3により、燃料タンク2から高圧ポンプ1へ向けて燃料が送られる。高圧ポンプ1は、高圧燃料供給管5を介してコモンレール(蓄圧部)6と接続されている。コモンレール6に高圧の燃料が蓄えられる。コモンレール6には、インジェクター(燃料の噴射装置)7が接続されている。コモンレール6からインジェクター7へ燃料が供給される。
コモンレール6には、圧力センサ8及びリリーフバルブ9が設けられている。リリーフバルブ9は、リリーフ通路11を介して燃料供給管4に接続されている。圧力センサ8によりコモンレール6内の燃圧が検出される。本実施形態の装置が搭載された車両(図示せず)には、車両の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)を有する車両制御部10が設けられている。圧力センサ8は、車両制御部10に接続されている。圧力センサ8の計測結果は車両制御部10に入力される。
コモンレール6内の燃圧が予め設定された圧力を超えた場合には、リリーフバルブ9が開く。この場合、コモンレール6内の燃料はリリーフ通路11を経て燃料供給管4に戻される。これにより、コモンレール6内の燃圧が設定された圧力を超えて上昇することが抑制される。
車両には、インジェクター7に高電圧の電流を供給するインジェクター駆動回路(EDU)12が設けられている。EDU12は、車両制御部10からの噴射指令信号に基づいてインジェクター7に電流を供給する。電流がインジェクター7に供給されると、インジェクター7の弁が開かれて燃料が噴射される。
ここで、本実施形態の燃圧制御の方法について説明する。図11は、従来の燃圧制御の流れの一例を示す図である。図12は、従来の燃圧制御が行われた場合の燃圧の推移を示す図である。図2は、本実施形態の燃圧制御の流れを示す図である。
図11において、符号DBは、従来の高圧ポンプ1のデューティ比を示す。符号PB及びPNBは、それぞれ従来の実燃圧及びなまし燃圧を示す。符号KFBは、燃料の噴射時間を補正するための補正係数(後述する燃圧補正係数)を示す。
図11に符号Y1で示すように、従来は実燃圧PBに基づいて高圧ポンプ1のデューティ比DBが算出され、算出されたデューティ比DBに基づいて燃圧のフィードバック制御Y2が行われる。フィードバック制御Y2が行われる一方で、符号Y3に示すように、各気筒のTDC毎に実燃圧PBになまし処理が施されてなまし燃圧PNBが算出される。従来は、符号Y4に示すように、燃圧補正係数KFBを求める際になまし燃圧PNBが用いられていた。
実燃圧PBには、反射波等によるうねり成分が含まれている。上記反射波は、例えば燃料の噴射時に発生する圧力波が反射したものである。燃料の噴射時には、インジェクター7の内部で燃料の圧力が急激に変動することで圧力波が生じる。その圧力波が、コモンレール6等の燃料配管内で反射して伝播するものが上記反射波である。上記うねり成分は、上記反射波が伝播することにより、あるいは上記反射波に燃料配管が共振することにより生じると考えられる。
実燃圧PBには、上記のようなうねり成分が含まれており、実際の燃圧を正しく反映していない場合がある。この場合、実燃圧PBと目標燃圧Ptrgとの差圧に基づいて上記デューティ比DBが算出された場合、高圧ポンプ1による燃料の吐出量が必要とされる量に比べて多すぎたり、少なすぎたりすることとなる。その結果、以下に図12を参照して説明するように、燃圧が目標燃圧Ptrgに収束することなく上昇と下降を繰り返すハンチングが生じる。
図12において、符号201は、燃圧の検出値(実燃圧PB)を示す。実燃圧PBの値201において、符号203に示す圧力の変動は、高圧ポンプ1による燃料の圧送に伴う圧力の上昇、及び燃料の噴射に伴う圧力の低下により生じる周期的なものである。符号205は、実燃圧PBの値201に基づいて算出されるなまし燃圧PNBを示す。なまし燃圧PNBの値205には、実燃圧PBの値201の推移の傾向があらわれている。
実燃圧PBの値201には、燃料の圧送等に伴う周期的な燃圧の変動203とは別に、小刻みに変動するうねり成分も含まれている。うねり成分がフィードバック制御Y2(図11参照)に与える影響により、実燃圧PBの値201は、なまし燃圧PNBの値205に表れているように、全体として波打つように上昇と低下を繰り返してハンチングしてしまっている。
上記のようにハンチングが生じた場合には、燃料の噴射が行われるタイミングによって燃料の噴射圧にばらつきが生じる。符号207に示すように、実燃圧PBの値201が上昇したときと低下したときとを比べると値に大きな差が生じる。このため、燃料の噴霧特性(粒径、ペネトレーション)にばらつきが生じ、燃焼に悪影響を及ぼす。
これに対して、本実施形態では、高圧ポンプ1のデューティ比Dが算出される際には、図2に符号Y5で示すように、まず実燃圧Pからなまし燃圧PNが算出される。高圧ポンプ1のデューティ比Dは、符号Y6に示すように、なまし燃圧PNに基づいて算出される。従来の燃圧制御(図11)では、なまし燃圧PNBは、燃圧補正係数KFBを求める際に用いられているが、本実施形態では、なまし燃圧PNが、燃圧補正係数KFの算出(符号Y8参照)だけでなく、燃圧のフィードバック制御(符号Y7参照)にも用いられる。なお、本実施形態のなまし処理Y5では、従来のなまし処理Y3(図11参照)と同じ数式が用いられることができるが、後述するように、なまし処理Y5に用いられる実燃圧Pの検出タイミングが従来と異なる。
実燃圧Pになまし処理Y5が施されることで、なまし燃圧PNにおいて、実燃圧Pに含まれるうねり成分が平均化されて値が小さくなる。なまし燃圧PNから算出されるデューティ比Dに基づいて燃圧のフィードバック制御Y7が行われることで、フィードバック制御Y7におけるうねり成分の影響が抑制される。
また、なまし燃圧PNが算出される周期は、高圧ポンプ1による燃料の圧送の周期と同じ周期に設定される。これにより、以下に説明するように、なまし燃圧PNが、高圧ポンプ1による燃料の圧送及び燃料の噴射等による周期的な燃圧の変動203(図12参照)の影響を受けることが抑制される。
以上により、本実施形態のフィードバック制御Y7では、上記うねり成分及び上記周期的な燃圧の変動203の影響を受けることが抑制される。その結果、燃圧がハンチングすることが抑制されて精度良く燃圧が制御される。図3は、本実施形態の制御が行われた場合の実燃圧Pの推移を示す図である。図3において、符号202は実燃圧Pを示す。符号206は、高圧ポンプ1による燃料の圧送の周期と同じ周期で算出されたなまし燃圧PNを示す。なまし燃圧PNの値206は、うねり成分の影響、及び周期的な燃圧の変動203の影響を受けることが抑制されており、従来制御(図12)におけるなまし燃圧PNBの値205に比べて変動が小さくなっている。その結果、なまし燃圧PNの値206に基づいてフィードバック制御(Y7)される実燃圧Pの値202は、従来制御の実燃圧PBの値201(図12)に比べて変動が小さくなり、ハンチングが抑制されている。
次に、高圧ポンプ1の動作及び高圧ポンプ1のデューティ制御について説明する。
図4−1から図4−3は、高圧ポンプ1の動作を説明するための図である。図4−1から図4−3に示すように、高圧ポンプ1は、シリンダ1y、スピル弁1s、プランジャ1p及びチェック弁1cを有する。プランジャ1pは、シリンダ1y内に設けられており、シリンダ1y内を往復運動する。シリンダ1yにおけるプランジャ1pの上方には、加圧室15が形成されている。
スピル弁1sは、燃料供給管4と加圧室15との間に設けられている。スピル弁1sが開閉されることにより、燃料供給管4と加圧室15との間の燃料の流れが制御される。以下に説明するように、加圧室15で加圧される燃料のコモンレール6(図1)への圧送量(吐出量)は、スピル弁1sの開閉動作により制御される。
チェック弁1cは、加圧室15と高圧燃料供給管5との間に設けられている。チェック弁1cは、加圧室15内の圧力が予め定められた開弁圧力を超えた場合に開き、加圧室15内の高圧の燃料を高圧燃料供給管5へ供給する。
高圧ポンプ1は、エンジン(図示せず)のカムシャフト13に設けられたポンプカム14により駆動される。プランジャ1pは、ポンプカム14に駆動されてシリンダ1y内を往復運動する。プランジャ1pが往復運動することにより、加圧室15への燃料の吸引、及び加圧室15内の燃料の加圧が行われる。
図4−1は、燃料供給管4から加圧室15へ燃料を吸引する場合の動作を示す図である。加圧室15へ燃料を吸引する場合には、プランジャ1pが符号Y10で示すように吸引側へストロークしている期間において、スピル弁1sが開かれる。プランジャ1pが加圧室15の容積を拡大させることで、燃料供給管4から燃料が加圧室15へ吸引される。
図4−2は、加圧室15で加圧された燃料が高圧燃料供給管5へ吐出される場合の動作を示す図である。加圧された燃料を高圧燃料供給管5へ吐出する場合には、プランジャ1pが符号Y12に示すように吐出側へストロークしている期間において、スピル弁1sが閉じられる。プランジャ1pが加圧室15の容積を縮小させることで、加圧室15内の圧力が上昇する。加圧室15内の圧力がチェック弁1cの上記開弁圧力よりも高くなると、チェック弁1cが開き、加圧室15内で加圧された燃料が高圧燃料供給管5へ吐出される。高圧燃料供給管5へ吐出された燃料は、コモンレール6(図1)に圧送される。
図4−3は、加圧室15内の燃料が燃料供給管4に排出される場合の動作を示す図である。加圧室15内の燃料を燃料供給管4に排出する場合には、プランジャ1pが符号Y11で示すように吐出側へストロークしている期間において、スピル弁1sが開かれる。プランジャ1pが加圧室15の容積を縮小させることで、加圧室15内の燃料は燃料供給管4に押し出される。
ここで、高圧ポンプ1のデューティ制御について説明する。本実施形態の燃圧のフィードバック制御Y7では、コモンレール6内の燃圧を目標燃圧Ptrgとするように、高圧ポンプ1からコモンレール6への燃料の供給量の設定値(高圧ポンプ1の吐出量の設定値)が算出される。高圧ポンプ1の吐出量が上記吐出量の設定値となるように、高圧ポンプ1のデューティ比Dが設定される。
高圧ポンプ1のデューティ比Dは、高圧ポンプ1の1回の吐出における最大吐出可能時間に対する実際の吐出時間(スピル弁1sの閉弁時間)の割合であり、0%から100%の値に設定される。デューティ比Dが0%に設定された場合には、実際の吐出時間はゼロとなる。即ち、プランジャ1pにより加圧室15内の燃料が加圧される間、スピル弁1sは開かれたまま(図4−3に示す状態)とされる。この場合、加圧室15内の燃料は燃料供給管4に排出されるので、高圧ポンプ1によるコモンレール6への燃料の供給量はゼロとなる。
デューティ比Dが100%に設定された場合には、実際の吐出時間が上記最大吐出可能時間と同じ値となる。即ち、プランジャ1pにより加圧室15内の燃料が加圧される間、スピル弁1sは閉じられた状態(図4−2に示す状態)のままとされる。これにより、高圧ポンプ1によるコモンレール6への1回あたりの燃料の供給量は最大値となる。
上記のように高圧ポンプ1がデューティ制御されて必要量の燃料がコモンレール6に供給される。これにより、コモンレール6内の燃圧が制御される。
本実施形態の燃圧制御では、上述したように、なまし燃圧PNと目標燃圧Ptrgとの差圧に基づいて、高圧ポンプ1のデューティ比Dが算出される。実燃圧Pになまし処理Y5(図2)が施されることで、実燃圧Pに含まれるうねり成分が除去される。これにより、うねり成分による影響が抑制されたフィードバック制御Y7が行われることが可能となる。
ここで、燃圧のなまし処理Y5の方法について説明する。なまし燃圧PNは、例えば次の式により算出される。
PN(i) = PN(i−1)+{P(i)−P(i−1)}×KN
ここで、PN(i)はなまし燃圧PN、PN(i−1)は前回のなまし処理Y5において算出されたなまし燃圧PN、P(i)は実燃圧P、P(i−1)は前回なまし処理Y5が行われた際の実燃圧P(以下、前回の実燃圧とする)、KNはなまし係数である。
なまし係数KNは、実燃圧P(i)の変動が小さい場合には小さな値に設定され、実燃圧P(i)の変動が大きい場合には、大きな値に設定される。具体的には、実燃圧P(i)と前回の実燃圧P(i−1)との差が、予め定められた所定値よりも小さい場合には、なまし係数KNは、例えば1/8に設定される。一方、実燃圧P(i)と前回の実燃圧P(i−1)との差が、上記所定値以上である場合には、なまし係数KNは、例えば1/2に設定される。これにより、実燃圧P(i)の変動が大きい場合には、変動が小さい場合に比べて、実燃圧P(i)の変動がなまし燃圧PN(i)に反映されやすくなる。よって、実燃圧P(i)が大きく変化した場合に、なまし燃圧PN(i)が実燃圧P(i)に追随しやすくなる。
なお、なまし処理Y5の方法は上記の方法には限定されない。実燃圧P(i)に含まれるうねり成分が平均化されてうねり成分の影響が小さくされるような様々ななまし処理Y5の方法が採用されることができる。例えば、なまし処理Y5の方法として、実燃圧P(i)の移動平均をなまし燃圧PN(i)とすることができる。
上記のように求められるなまし燃圧PNに基づいて燃圧のフィードバック制御Y7が行われることで、実燃圧Pに含まれるうねり成分の影響により燃圧がハンチングしてしまうことが抑制される。
なまし燃圧PNに基づく燃圧のフィードバック制御Y7により、うねり成分の影響は抑制されるものの、なまし燃圧PNを算出する周期の設定によっては、燃圧のフィードバック制御Y7が周期的な燃圧の変動203(図3、図12参照)の影響を受けてしまうことがある。
そこで、本実施形態では、なまし燃圧PNが算出される周期が、高圧ポンプ1により燃料が圧送される周期と同じ周期とされる。これにより、以下に説明するように、周期的な燃圧の変動203が燃圧のフィードバック制御Y7に影響することが抑制される。
まず、従来制御において、なまし燃圧PNBが算出される周期が、高圧ポンプ1により燃料が圧送される周期と異なる周期に設定された場合に、なまし燃圧PNBが周期的な燃圧の変動203の影響を受けてしまうことについて説明する。
図13及び図14は、高圧ポンプ1により燃料が圧送される周期と異なる周期でなまし燃圧PNBの算出が行われた場合のなまし燃圧PNBの一例を示す図である。図5は、高圧ポンプ1により燃料が圧送される周期と同じ周期でなまし燃圧PNの算出が行われた場合のなまし燃圧PNを示す図である。
図13において、符号104は、実燃圧PBの時間的な推移を示す。符号105は、なまし燃圧PNBを示す。符号t2、t3、t5、t6等は、各気筒の膨張行程のTDC(以下、単にTDCとする)を示す。それぞれの気筒において、TDCのタイミングでインジェクター7により燃料が噴射される。図13に示す例では、なまし燃圧PNBの値105が算出されるタイミングは、各気筒のTDCに設定されている。
各気筒に対して、燃料の噴射が行われる順番に、第1の気筒、第2の気筒、第3の気筒、第4の気筒と名付ける。時刻t2、時刻t3、時刻t5、時刻t6において、第1の気筒から第4の気筒がそれぞれTDCを迎えて、インジェクター7から燃料が噴射される。このときに、それぞれのTDCのタイミングで、なまし燃圧PNBの値105が、実燃圧PBの値104に基づいて算出される。符号t1及び符号t4は、高圧ポンプ1により燃料の圧送が行われる点を示す。以下、図13を模式的に表した図14を参照して詳しく説明する。
図14の符号t1からt6は、図13の符号t1からt6とそれぞれ同じタイミングを示す。図14において、符号100は、実燃圧PBの時間的な推移を模式的に示したものである。符号101は、なまし燃圧PNBの時間的な推移を模式的に示したものである。符号Csは、高圧ポンプ1による燃料の圧送の周期であって、高圧ポンプ1により燃料が圧送されて(時刻t1)から、次に燃料が圧送される(時刻t4)までの期間(設定期間)を示す。符号Cpは、設定期間Csに限定されない、燃料の圧送の周期を示す。本実施形態の装置では、設定期間Csにおいて、2つの気筒に順に1回ずつ燃料が噴射される。この場合、実燃圧PBの値100は、以下のように推移する。
時刻t1において、高圧ポンプ1により燃料が圧送されて実燃圧PBの値100が上昇する。符号P4は、燃料が圧送された後の実燃圧PBの値100を示す。時刻t2において圧送後1回目の燃料の噴射(第1の気筒の燃料の噴射)が行われて、実燃圧PBの値100が符号P5で示す圧力まで低下する。時刻t3において圧送後2回目の燃料の噴射(第2の気筒の燃料の噴射)が行われることでさらに実燃圧PBの値100が低下して符号P6で示す圧力となる。燃料の噴射が2回行われた後、時刻t4において燃料が圧送されて実燃圧PBの値100は上昇する。
実燃圧PBの値100は、高圧ポンプ1による燃料の圧送の周期Cpで値が変動している。このため、燃料の圧送の周期Cpと異なる周期でなまし燃圧PNBの値101が算出された場合には、以下に説明するように、なまし燃圧PNBの値101の値が安定せずに変動してしまうこととなる。
図14に示す例では、符号t2、t3、t5及びt6等に示す各気筒のTDCごとに実燃圧PBの値100が検出され、検出された実燃圧PBの値100に基づいてなまし燃圧PNBの値101が算出される。この場合、燃料の圧送の周期Cpにおいて2回なまし燃圧PNBの値101が更新される。例えば、設定期間Csにおいて、2回のTDC(時刻t2、時刻t3)のそれぞれにおいて、なまし燃圧PNBの値101が計算される。これにより燃料の圧送の周期Cpの間隔でサンプリングすれば実燃圧PBの値100の変動がほとんどない場合であっても、なまし燃圧PNBの値101の値が上昇と低下を繰り返してしまう。
上記の例では、時刻t2において、符号aに示すように、実燃圧PBの値100として、燃料の圧送の周期Cpにおける最も高い値P4が検出される。なまし燃圧PNBの値101は、最も高い値P4に基づいて算出される。時刻t3では、符号bに示すように、実燃圧PBの値100として、第1の気筒への燃料の噴射後の値P5が検出される。なまし燃圧PNBの値101は、符号P5に示す圧力に基づいて算出される。このように、なまし燃圧PNBの値101の算出において、燃料の圧送の周期Cpにおける最も高い実燃圧PBの値100(P4)と比較的低い実燃圧PBの値100(P5)が交互に用いられることとなる。よって、燃料の圧送の周期Cpにおける変動を除けばほとんど実燃圧PBの値100が変化していない場合、例えば圧送後1回目の燃料の噴射が行われる時刻t2と時刻t5で比較すればほとんど実燃圧PBの値100に変動が生じていない場合であっても、なまし燃圧PNBの値101が上下に変動してしまう。
上記のように、燃料の圧送の周期Cpと異なる周期でなまし燃圧PNBの値101が算出された場合には、なまし燃圧PNBの値101は、燃料の噴射等による燃圧の変動の影響を受けて値が安定しないことがある。値が安定しないなまし燃圧PNBの値101に基づいて燃圧のフィードバック制御Y7が行われた場合には、高圧ポンプ1からコモンレール6への燃料の供給量の設定値が必要とされる値に正しく設定されなくなる。その結果、燃圧を目標燃圧Ptrgに精度良く収束させることができなくなる。
これに対して、本実施形態では、なまし燃圧PNの値103(図5参照)の算出が行われる周期は、高圧ポンプ1による燃料の圧送の周期Cpと同じ周期に設定される。これにより、以下に図5を参照して説明するように、なまし燃圧PNの値103の変動が小さくなり、値が安定する。
図5において、符号102は、実燃圧Pの時間的な推移を示す。符号103は、本実施形態のなまし燃圧PNを示す。符号t10及びt20は、高圧ポンプ1による1回の燃料の圧送が開始される時刻を示す。符号t11及びt15は、高圧ポンプ1による1回の燃料の圧送が終了する時刻を示す。符号t12及びt16は、燃料の圧送が行われてから、最初に燃料の噴射が行われる時刻を示す。時刻t12及びt16において、第1の気筒及び第3の気筒にそれぞれ燃料が噴射される。符号t14及びt18は、燃料の圧送が行われてから2回目に燃料の噴射が行われる時刻を示す。時刻t14及びt18において、第2の気筒及び第4の気筒にそれぞれ燃料が噴射される。
符号P1は、燃料の圧送が終了したときの実燃圧Pの値102を示す。符号P2は、圧送後1回目の燃料の噴射が終了したときの実燃圧Pの値102を示す。符号P3は、圧送後2回目の燃料の噴射が終了したときの実燃圧Pの値102を示す。
なまし燃圧PNの値103が算出されるタイミングは、例えば、符号t13及びt17に示すように、圧送後1回目の燃料の噴射が行われる時刻t12(t16)から、圧送後2回目の燃料の噴射が行われる時刻t14(t18)までの間に設定される。この場合、各回のなまし処理Y5(図2参照)において、なまし燃圧PNの値103の算出は、圧送後1回目の燃料の噴射が終了したときの実燃圧Pの値102(P2)に基づいて行われる。このように各回のなまし燃圧PNの値103の算出が、燃料の圧送の周期Cpにおける同様の圧力条件の下で行われることで、なまし燃圧PNの値103が燃料の圧送や噴射による圧力変動の影響を受けることが抑制される。その結果、燃圧が精度良く制御されることが可能となる。
なお、なまし燃圧PNの値103が算出されるタイミングは、上記のタイミングには限定されない。高圧ポンプ1による燃料の圧送の周期Cpと同じ周期でなまし燃圧PNの値103が算出されていればよい。この場合、なまし燃圧PNの値103が燃料の圧送や噴射による圧力変動の影響を受けてしまうことをより効果的に抑制するために、実燃圧Pの値102の変動が比較的小さい期間になまし燃圧PNの値103の算出タイミングが設定されることができる。
実燃圧Pの値102の変動が比較的小さい期間とは、例えば、燃料の圧送が終了する時刻t11から圧送後1回目の燃料の噴射が行われる時刻t12までの間、時刻t12において圧送後1回目の燃料の噴射が行われてから2回目の燃料の噴射が行われる時刻t14までの間、及び時刻t14において圧送後2回目の燃料の噴射が行われてから次の燃料の圧送Y21が開始される時刻t20までの間等である。上記の期間になまし燃圧PNの値103の算出タイミングが設定された場合には、燃料の噴射中や圧送中など実燃圧Pの値102の変動が大きいときになまし燃圧PNの値103が算出されるのに比べて、なまし燃圧PNの値103が燃料の圧送や噴射による圧力変動の影響を受けにくい。
本実施形態では、なまし燃圧PNの値103が算出される周期が、高圧ポンプ1による燃料の圧送の周期Cpと同じ周期とされたが、両者が完全に一致していない場合であっても、概ね同じ周期に設定されていれば、なまし燃圧PNの値103が実燃圧Pの値102の周期的な変動の影響を受けることが抑制される。
(燃料の噴射時間の補正)
燃料の圧送の周期Cpにおける特定のタイミングでなまし燃圧PNの値103が算出されることで、なまし燃圧PNの値103には、各回の燃料の圧送の周期Cpの特定のタイミングにおける実燃圧Pの値102が反映される。このため、なまし燃圧PNの値103に基づいて、燃料の圧送の周期Cpの特定のタイミングにおける実燃圧Pの値102を、うねり成分の影響を受けることなく正確に把握することが可能となる。よって、燃料の噴射時における実燃圧Pの値102が、なまし燃圧PNの値103に基づいて精度良く推定されることができる。その結果、以下に説明するように、燃圧に基づいて行われる燃料の噴射時間の補正がより正確に行われることができる。
ここでは、上記において図5を参照して説明したように圧送後1回目の燃料の噴射と2回目の燃料の噴射との間のタイミングでなまし燃圧PNの値103が算出される場合を例に、燃料の噴射時間の補正方法について説明する。
まず、燃料の噴射時間の算出方法について説明する。インジェクター7から噴射される燃料の噴射量は、エンジンの運転状況等に基づいて車両制御部10により設定される。設定された燃料の噴射量だけ燃料を噴射するために必要な噴射時間TAUが、車両制御部10により算出される。燃料の噴射量が同じであっても、必要な噴射時間TAUは燃圧により変化する。このため、噴射時間TAUは、燃圧に基づいて補正される。
目標燃圧Ptrgで燃料が噴射される場合の噴射時間TAUを基本噴射時間とする。噴射時の燃圧が目標燃圧Ptrgに比べて低い場合には、噴射時間TAUは、基本噴射時間よりも大きな値に補正される。一方、噴射時の燃圧が目標燃圧Ptrgに比べて高い場合には、噴射時間TAUは、基本噴射時間よりも小さな値に補正される。上記の補正を行うための燃圧補正係数KFは、噴射時の燃圧に基づいて設定される。
従来から、燃圧補正係数KFB(図11参照)が算出される際の燃圧の値としては、なまし燃圧PNBの値101(図14参照)が用いられている。従来は、燃料が噴射されるタイミングに合わせて、TDCごとに実燃圧PBの値100が検出され、検出された実燃圧PBの値100に基づいてなまし燃圧PNBの値101が算出される。この場合、以下に説明するように、燃料の噴射時において必ずしもなまし燃圧PNBの値101と実燃圧PBの値100とが一致しないため、燃料の噴射時間TAUが精度良く補正できないという問題があった。
図14には、前述したように、TDCごとに実燃圧PBの値100に基づいてなまし燃圧PNBの値101が算出される場合のなまし燃圧PNBの値101が示されている。
上記において図14を参照して説明したように、燃料の圧送の周期Cpにおいて2回なまし燃圧PNBの値101が算出されることで、なまし燃圧PNBの値101は、実燃圧PBの値100の周期的な変動の影響を受けてしまい、値が安定しなくなる。このため、第1の気筒への噴射のタイミング(時刻t2)において、噴射前の実燃圧PBの値100となまし燃圧PNBの値101とは一致せず、両者の間には符号Y13に示す値の開きがある。また、第2の気筒の噴射のタイミング(時刻t3)においても、噴射前の実燃圧PBの値100となまし燃圧PNBの値101との間には符号Y14に示す値の開きがある。
上記のように、なまし燃圧PNBの値101がTDCごとに算出された場合、噴射のタイミングにおける実燃圧PBの値100となまし燃圧PNBの値101との間には値の開きがある。従って、なまし燃圧PNBの値101に基づいて燃圧補正係数KFBが設定された場合には、精度良く燃料の噴射時間TAUが補正されない場合がある。
これに対して、本実施形態では、なまし燃圧PNの値103(図5参照)を安定させることが優先されて、なまし燃圧PNの値103が算出される回数は、燃料の圧送の周期Cpの特定のタイミングにおける1回とされる。これにより、なまし燃圧PNの値103に基づいて、燃料の圧送の周期Cpの特定のタイミングにおける実燃圧Pの値102を正確に把握することができる。特定のタイミングにおける実燃圧Pの値102から、推定技術に基づいて燃料の噴射時における実燃圧Pの値102が求められることができるので、燃料の噴射時間TAUが精度良く補正されることができる。
例えば、図5を参照して説明した例では、なまし燃圧PNの値103は、圧送後1回目の燃料の噴射(時刻t12、t16)から2回目の燃料の噴射(時刻t14、t18)までの間のタイミング(時刻t13、t17)において検出される実燃圧Pの値102に基づいて算出される。このため、なまし燃圧PNの値103は、圧送後1回目の燃料の噴射(時刻t12、t16)が終了したときの実燃圧Pの値102(P2)に近い値となる。よって、圧送後2回目の燃料の噴射が行われる時刻t14(t18)では、燃圧補正係数KFの算出においてなまし燃圧PNの値103がそのまま用いられることができる。
また、圧送後1回目の燃料の噴射が行われる時刻t16(t12)における実燃圧Pの値102(符号g)は、計算により推定されることができる。この場合、なまし燃圧PNの値103に基づいて、圧送後1回目の燃料の噴射時(時刻t16)の実燃圧Pの値102が推定され、推定された実燃圧Pの値102(以下、推定燃圧PE1とする)に基づいて燃圧補正係数KFが求められる。推定燃圧PE1は、次に説明する方法で求められる。
推定燃圧PE1は、圧送後2回目の燃料の噴射(時刻t14)に伴う燃圧の低下量(符号Δp1参照)、及びそれに続く燃料の圧送に伴う燃圧の上昇量(符号Δp2参照)がなまし燃圧PNの値103からそれぞれ減算及び加算されて求められる。
図5において、符号Δp1は、圧送後2回目の燃料の噴射(時刻t14)における実燃圧Pの値102の低下量を示す。時刻t14において圧送後の2回目の噴射が行われると、実燃圧Pの値102は、燃圧の低下量Δp1だけ低下する。このため、実燃圧Pの値102は、2回目の噴射が行われる前の圧力P2から燃圧の低下量Δp1低下して、2回目の噴射が行われた後の圧力P3となる。符号Y21は、時刻t14において圧送後2回目の燃料の噴射が行われた後の燃料の圧送を示す。符号Δp2は、燃料の圧送Y21による実燃圧Pの値102の上昇量を示す。
推定燃圧PE1は、圧送後2回目の燃料の噴射(時刻t14)の噴射前におけるなまし燃圧PNの値103(P2)から、燃圧の低下量Δp1が減算されると共に、燃圧の上昇量Δp2が加算されて求められる。
図6は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS310において、高圧ポンプ1により燃料が圧送される(図5の符号Y20、Y21の矢印参照)。次のステップS320からステップS350までが、圧送後の1回目の燃料の噴射手順である。
ステップS320では、前回の設定期間Csにおける2回目の燃料の噴射(時刻t14、t18)に伴う燃圧の低下量Δp1、及び直前の燃料の圧送に伴う燃圧の上昇量Δp2が推定される。燃圧の低下量Δp1は、例えば以下に示す計算式により求められる。
Δp1 = −K×ΔV/V
ここで、Kは体積弾性率、ΔVは燃料噴射量、Vは高圧容積(図1において、高圧ポンプ1からインジェクター7までの間の高圧燃料の経路の容積)である。体積弾性率Kは、燃圧によって変化する。このため、例えば圧送後の2回目の噴射時におけるなまし燃圧PNの値103(図5)に基づいて体積弾性率Kが算出される。また、体積弾性率Kは、燃料の温度によっても値が変わるため、さらに噴射時の燃料の温度に基づいて体積弾性率Kが補正されることができる。
燃圧の低下量Δp1が求められる際に、上記のように計算による方法に代えて、予め定められた、燃圧及び燃料の噴射量ΔVと燃圧の低下量Δp1との関係を定めたマップが参照されることができる。図7は、上記マップの一例である。図7には、ある所定の燃圧における、燃料の噴射量ΔVと燃圧の低下量Δp1との対応関係が示されている。図7において、符号301は、上記計算式により求められた燃料の噴射量ΔVと燃圧の低下量Δp1との対応関係を示す。符号302は、実験の結果に基づいて設定された燃料の噴射量ΔVと燃圧の低下量Δp1との対応関係の一例を示す。なお、上記マップにおいて、燃圧の低下量Δp1を決定するパラメータとして、上記に加えて燃料の温度が採用されることができる。
燃圧の上昇量Δp2は、高圧ポンプ1のデューティ比Dに基づいて算出されることができる。
次にステップS330において、燃圧補正係数KFが算出される。まず、最新のなまし燃圧PNの値103から、ステップS320で求められた燃圧の低下量Δp1が減算されると共に、燃圧の上昇量Δp2が加算されて推定燃圧PE1が求められる。次に、求められた推定燃圧PE1に基づいて燃圧補正係数KFが算出される。
次に、ステップS340において、噴射時間TAUが決定される。エンジンの運転状況に基づいて車両制御部10により設定された燃料の噴射量及びステップS330において算出された燃圧補正係数KFに基づいて噴射時間TAUが算出される。
次に、ステップS350において、インジェクター7により圧送後の1回目の燃料の噴射が行われる(図5の時刻t12、t16)。
続くステップS360からステップS390までが、圧送後の2回目の燃料の噴射手順である。
ステップS360において、なまし燃圧PNの値103が算出される。なまし燃圧PNの値103は、時刻t13及びt17のそれぞれにおいて、圧力センサ8により検出された実燃圧Pの値102に基づいて算出される。
次に、ステップS370において、ステップS360で求められたなまし燃圧PNの値103に基づいて燃圧補正係数KFが算出される。次に、ステップS380において、噴射時間TAUが決定される。エンジンの運転状況に基づいて車両制御部10により設定された燃料の噴射量及びステップS370において算出された燃圧補正係数KFに基づいて噴射時間TAUが算出される。
次に、ステップS390において、圧送後の2回目の燃料の噴射が行われる。燃料の噴射指令に応答して、インジェクター7により、噴射時間TAUだけ燃料の噴射が行われる。
なお、本例では、推定燃圧PE1を算出する方法について、なまし燃圧PNの値103が算出されるタイミングが、圧送後1回目の燃料の噴射(図5の時刻t12、t16)から2回目の燃料の噴射(図5の時刻t14、t18)までの間のタイミング(図5の時刻t13、t17)に設定される場合を例に説明したが、なまし燃圧PNの値103が算出されるタイミングについては上記に限定されない。
上記のタイミングと異なるタイミングでなまし燃圧PNの値103が算出される場合であっても、燃料の圧送の周期Cpの特定のタイミングにおける実燃圧Pの値102がなまし燃圧PNの値103に基づいて精度良く把握される点は同様である。よって、なまし燃圧PNの値103に基づいて、以下に説明するように、推定燃圧PE1が精度良く算出されることが可能となる。なまし燃圧PNの値103が算出されるタイミングは、燃料の圧送の周期Cpにおける特定のタイミングに設定されており、その特定のタイミングから燃料の噴射タイミングまでの間の実燃圧Pの値102の変動は計算等により推定されることが可能である。よって、推定された実燃圧Pの値102の変動及びなまし燃圧PNの値103に基づいて推定燃圧PE1が精度良く算出されることができる。
以下、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、なまし燃圧PNの値103に基づいて燃圧のフィードバック制御Y7が行われる。これにより、実燃圧Pの値102に含まれるうねり成分の影響が抑制されて、実燃圧Pの値102が精度良く目標燃圧Ptrgに制御されることが可能となる。その結果、燃料の噴射量が精度良く制御される。
また、なまし燃圧PNの値103が算出される周期は、高圧ポンプ1による燃料の圧送の周期Cpと同じ周期に設定される。これにより、燃料の圧送や噴射に伴う実燃圧Pの値102の変動がなまし燃圧PNの値103に反映されてしてしまうことが抑制される。その結果、実燃圧Pの値102が精度良く目標燃圧Ptrgに制御されることが可能となる。よって、燃料の噴射量が精度良く制御される。
なまし燃圧PNの値103が算出される周期が、燃料の圧送の周期Cpと同じ周期とされることで、なまし燃圧PNの値103には、燃料の圧送の周期Cpの特定のタイミングにおける実燃圧Pの値102が反映される。このため、なまし燃圧PNの値103に基づいて、うねり成分の影響を受けることなく、上記特定のタイミングにおける実燃圧Pの値102を把握することが可能となる。よって、燃圧に基づいて行われる燃料の噴射時間の補正をより正確に行うことが可能となる。その結果、噴射ごとの燃料の噴射量にばらつきが生じることが抑制されるので、気筒間で燃焼状態にばらつきが生じることが効果的に抑制される。
(第2実施形態)
図8及び図9を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、なまし燃圧PNの値103、及びなまし燃圧PNの値103から算出される推定燃圧PE1に基づいて、燃料の噴射時間TAUが精度良く補正された。本実施形態では、上記第1実施形態に比べて燃料の噴射時間TAUの補正手順が簡素化される。
本実施形態では、上記第1実施形態(図5)と同様に、なまし燃圧PNは、高圧ポンプ1による燃料の圧送の周期Cpと同じ周期で算出される。図8は、本実施形態のなまし燃圧PNの求め方を説明するための図である。本実施形態では、なまし燃圧PNが算出されるタイミングが上記第1実施形態(図5)と異なる。
図8において、符号102は実燃圧P、符号106はなまし燃圧PNをそれぞれ示す。本実施形態では、なまし燃圧PNの値106が算出されるタイミングは、燃料が圧送された後の最も実燃圧Pの値102が高い時期に設定される。即ち、なまし燃圧PNの値106が算出されるタイミングは、燃料の圧送が終了した時刻t11(t15)から、圧送後最初の燃料の噴射が行われる時刻t12(t16)までの間に設定される。この場合、図8に示すように、なまし燃圧PNの値106は、燃料の圧送後の最も実燃圧Pの値102が高い状態における圧力(符号P1で示す圧力)に近い値となる。
このように、なまし燃圧PNの値106が、燃料の圧送後の実燃圧Pの値102(P1)に近い値となるので、燃料の圧送後の1回目の噴射時(時刻t12、t16)において、燃圧補正係数KFがなまし燃圧PNの値106に基づいて設定されることで、燃料の噴射時間TAUが精度良く補正されることができる。
圧送後の2回目の燃料の噴射が行われる際(時刻t14、t18)には、1回目の燃料の噴射時に比べて実燃圧Pの値102が低下している。
図8において、符号Δpは、圧送後1回目の燃料の噴射に伴う実燃圧Pの値102の低下量を示す。時刻t14において2回目の燃料の噴射が行われる際には、噴射が開始される時点(符号f)における実燃圧Pの値102が推定され、推定された実燃圧Pの値102(以下、推定燃圧PEとする)に基づいて燃圧補正係数KFが設定される。推定燃圧PEが求められる際には、まず、燃圧の低下量Δpが求められる。求められた燃圧の低下量Δpがなまし燃圧PNの値106から減算されて、推定燃圧PEが求められる。次に、推定燃圧PEに基づいて燃圧補正係数KFが設定される。
上記第1実施形態では、なまし燃圧PNの値103(図5)から推定燃圧PE1が求められる際に、燃圧の低下量Δp1(図5)及び燃圧の上昇量Δp2(図5)が必要とされたが、本実施形態では、燃圧の上昇量Δp2を求めることなく、燃圧の低下量Δpに基づいてなまし燃圧PNの値106から推定燃圧PEが求められることができる。よって、燃料の噴射時間TAUを補正する手順が簡素化される。
図9は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS210において、高圧ポンプ1により燃料が圧送される(図8の符号Y20、Y21の矢印)。次のステップS220からステップS250までが、圧送後の1回目の燃料の噴射手順である。ステップS220において、なまし燃圧PNの値106が算出される。なまし燃圧PNの値106は、例えば、時刻t11及びt15のそれぞれにおいて、圧力センサ8により検出された実燃圧Pの値102に基づいて算出される。
次に、ステップS230では、ステップS220において算出されたなまし燃圧PNの値106に基づいて、燃圧補正係数KFが算出される。
次に、ステップS240において、噴射時間TAUが決定される。エンジンの運転状況に基づいて車両制御部10により設定された燃料の噴射量及びステップS230において算出された燃圧補正係数KFに基づいて噴射時間TAUが算出される。
次に、ステップS250において、インジェクター7により圧送後の1回目の燃料の噴射が行われる(図8の時刻t12)。
続くステップS260からステップS290までが、圧送後の2回目の燃料の噴射手順である。
ステップS260において、1回目の燃料の噴射による燃圧の低下量Δp(図8参照)が求められる。燃圧の低下量Δpの求め方については、上記第1実施形態と同様であることができる。
次に、ステップS270では、ステップS260において求められた燃圧の低下量Δpに基づいて、燃圧補正係数KFが算出される。まず、ステップS220において算出されたなまし燃圧PNの値106から燃圧の低下量Δpが減算されて、推定燃圧PEが計算される。次に、推定燃圧PEに基づいて燃圧補正係数KFが算出される。その他の動作については、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、なまし燃圧PNの値106(図8)が算出される周期は、高圧ポンプ1による燃料の圧送の周期Cpと同じ周期に設定される。さらに、なまし燃圧PNの値106が算出されるタイミングが、高圧ポンプ1により燃料が圧送されてから1回目の燃料の噴射が行われるまでの間に設定される。これにより、なまし燃圧PNの値106は、燃料の圧送後の最も実燃圧Pの値102が高い状態における圧力(図8の圧力P1)に近い値となる。このため、燃料の圧送後の1回目の噴射時(図8の時刻t12)において、なまし燃圧PNの値106に基づいて燃料の噴射時間TAUが精度良く補正されることができる。
また、本実施形態では、燃料が圧送されてから2回目以降の燃料の噴射時において、燃圧の低下量Δpが推定され(ステップS260)、推定された燃圧の低下量Δpに基づいて噴射時間TAUが補正される(ステップS280)。よって、燃料の圧送に伴う燃圧の上昇量Δp2を求めることなく、簡素な手順で燃料の噴射時間TAUが補正される。
(第3実施形態)
図10を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記各実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記各実施形態では、なまし燃圧PNに基づいて燃圧のフィードバック制御Y7が行われた。これにより、実燃圧Pに含まれるうねり成分が除去されて、燃圧の制御が精度良く行われた。
ここで、燃圧が変動する場合に、なまし燃圧PNは、実際の燃圧の変動に遅れて値が変化するという性質がある。このため、なまし燃圧PNに基づく燃圧のフィードバック制御Y7では、燃圧が急激に変化する際の過渡特性(応答性)が低下することがある。上記のような過渡特性の低下を抑制するためには、燃圧が大きく変化した場合に、速やかにその燃圧の変化に対応して高圧ポンプ1の吐出量が操作される必要がある。
そこで、本実施形態では、燃圧が大きく変化する場合には、なまし燃圧PNではなく、燃圧の検出値(実燃圧P)に基づいてフィードバック制御Y7が行われる。本実施形態の機械的な構成は、上記第1実施形態(図1)と同様である。
図10は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS110において、圧力センサ8により実燃圧Pが検出される。
次に、ステップS120では、燃圧が大きく変化しているか否かが判定される。上記判定は、ステップS110において検出された実燃圧Pと目標燃圧Ptrgとの差分の絶対値が予め定められた所定値以上であるか否かに基づいて判定される。
ステップS120の判定の結果、上記差分の絶対値が上記所定値以上であると判定された(ステップS120肯定)場合、ステップS130へ移行する。
ステップS130では、ステップS110において検出された実燃圧Pに基づいて、燃圧のフィードバック制御が行われる。この場合、実燃圧Pと目標燃圧Ptrgとの差圧に基づいて、高圧ポンプ1のデューティ比Dが算出される。
一方、ステップS120の判定の結果、上記差分の絶対値が上記所定値よりも小さいと判定された(ステップS120否定)場合には、ステップS140へ移行する。
ステップS140では、上記実施形態と同様に、なまし燃圧PNに基づいて燃圧のフィードバック制御が行われる。
本実施形態によれば、実燃圧Pと目標燃圧Ptrgとの差分の絶対値が上記所定値以上である場合(ステップS120肯定)には、実燃圧Pに基づいて燃圧のフィードバック制御が行われる。燃圧が急激に変動した場合に、実燃圧Pは、なまし燃圧PNよりも早くその燃圧の変動に対応して値が変化する。このため、上記のように制御が行われることで、燃圧が急激に変動した場合の燃圧制御の過渡特性が低下することが抑制される。これにより、燃圧が精度良く制御されることが可能となる。その結果、燃料の噴射量が精度良く制御されることができる。
本実施形態では、実燃圧P及びなまし燃圧PNのいずれに基づいてフィードバック制御が行われるかが、実燃圧Pと目標燃圧Ptrgとの差分の絶対値の大きさに基づいて判定された(ステップS120)。これに代えて、燃料の噴射量における変化割合の大きさに基づいて上記判定が行われることができる。この場合、例えば燃料の噴射量の指令値における変化割合が予め定められた設定値以上である場合に、実燃圧Pに基づいて燃圧のフィードバック制御が行われる。
例えば、エンジンの負荷が急増した場合など、燃料の噴射量の指令値が前回の指令値に比べて急増した場合には、燃料の噴射に伴って燃圧が大きく低下する。このため、その後に検出される実燃圧Pが目標燃圧Ptrgから大きく離れる可能性が高い。このような場合に、実燃圧Pに基づいて燃圧のフィードバック制御が行われることで、燃圧制御の過渡特性が低下することが抑制される。
なお、上記において説明した2つの判定条件を組み合わせて、燃圧のフィードバック制御を実燃圧P及びなまし燃圧PNのいずれに基づいて行うかが判定されることができる。この場合、実燃圧Pと目標燃圧Ptrgとの差分の絶対値が上記所定値以上であることを第1条件とし、燃料の噴射量の指令値における変化割合が上記変化割合の設定値以上であることを第2条件として、上記第1条件及び上記第2条件の少なくともいずれか一方が満たされた場合に、実燃圧Pに基づいて燃圧のフィードバック制御が行われる。
本発明の燃料噴射制御装置の第1実施形態に係る装置の概略構成図である。 本発明の燃料噴射制御装置の第1実施形態の燃圧制御の流れを示す図である。 本発明の燃料噴射制御装置の第1実施形態の制御が行われた場合の燃圧の様子を示す図である。 本発明の燃料噴射制御装置の第1実施形態の高圧ポンプの燃料吸引動作を説明するための図である。 本発明の燃料噴射制御装置の第1実施形態の高圧ポンプの燃料吐出動作を説明するための図である。 本発明の燃料噴射制御装置の第1実施形態の高圧ポンプの燃料排出動作を説明するための図である。 本発明の燃料噴射制御装置の第1実施形態におけるなまし燃圧の求め方を説明するための図である。 本発明の燃料噴射制御装置の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の燃料噴射制御装置の第1実施形態の燃料の噴射量と燃圧の低下量との関係を示す図である。 本発明の燃料噴射制御装置の第2実施形態におけるなまし燃圧の求め方を説明するための図である。 本発明の燃料噴射制御装置の第2実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の燃料噴射制御装置の第3実施形態の動作を示すフローチャートである。 従来の燃圧制御の流れの一例を示す図である。 従来の燃圧制御においてハンチングが生じた場合の一例を示す図である。 従来の実燃圧となまし燃圧との関係の一例を示す図である。 図13を模式的に示した図である。
符号の説明
1 高圧ポンプ
1c チェック弁
1p プランジャ
1s スピル弁
1y シリンダ
2 燃料タンク
3 フィードポンプ
4 燃料供給管
5 高圧燃料供給管
6 コモンレール
7 インジェクター
8 圧力センサ
9 リリーフバルブ
10 車両制御部
11 リリーフ通路
12 EDU
13 カムシャフト
14 ポンプカム
15 加圧室
100 実燃圧
101 なまし燃圧
102 実燃圧
103 なまし燃圧
104 実燃圧
105 なまし燃圧
106 なまし燃圧
201 実燃圧
202 実燃圧
203 周期的な燃圧の変動
205 なまし燃圧
206 なまし燃圧
301 燃圧の低下量の計算値
302 燃圧の低下量の実測値
Cp 圧送の周期
D 高圧ポンプのデューティ比
KF 燃圧補正係数
P1 圧送後の実燃圧
P2 1回目の噴射後の実燃圧
P3 2回目の噴射後の実燃圧
P 実燃圧
PN なまし燃圧
Ptrg 目標燃圧
Δp 燃圧の低下量
Δp1 燃圧の低下量
Δp2 燃圧の上昇量
t1、t4 高圧ポンプによる燃料の圧送時刻
t2、t5 圧送後1回目の噴射時刻
t3、t6 圧送後2回目の噴射時刻
t11、t15 燃料の圧送が終了するタイミング
t13、t17 なまし燃圧の算出タイミング
t12 圧送後1回目の噴射時刻
t14 圧送後2回目の噴射時刻
Y1 デューティ比の算出
Y2 フィードバック制御
Y3 なまし処理
Y4 燃圧補正係数の算出
Y5 なまし処理
Y6 デューティ比の算出
Y7 フィードバック制御
Y10 吸引側
Y11 吐出側
Y12 吐出側
Y13 燃圧の差
Y14 燃圧の差
Y20 燃料の圧送
Y21 燃料の圧送

Claims (4)

  1. 燃料の噴射装置により噴射される燃料の噴射量を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記噴射装置に供給される前記燃料を蓄圧する蓄圧部における前記燃料の圧力を目標の圧力となるように制御し、
    前記蓄圧部において検出される前記燃料の圧力の検出値に前記燃料の圧力の検出値に含まれるうねり成分を除去するなまし処理を施して算出されるなまし燃圧に基づいて前記蓄圧部における前記燃料の圧力を制御し、
    前記蓄圧部に前記燃料を供給する圧送手段を備え、
    前記燃料の圧力の検出値が検出されるタイミングが、前記圧送手段による前記燃料の圧送の周期に基づいて設定され、
    前記燃料の圧力の検出値が検出されるタイミングが、前記圧送手段により燃料噴射圧力までの前記燃料の圧送が終了してから最初に前記噴射装置により前記燃料が噴射されるまでの間に設定される
    ことを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 請求項記載の燃料噴射制御装置において、
    前記燃料の圧送の周期であって、前記圧送手段により前記燃料の圧送が行われてから次に前記燃料の圧送が行われるまでの期間である設定期間において、前記噴射装置により前記燃料の噴射が複数回行われ、
    前記設定期間において最初に前記噴射装置により前記燃料が噴射される際には、前記なまし燃圧に基づいて前記燃料の噴射時間が補正され、
    前記設定期間において2回目以降に前記噴射装置により前記燃料が噴射される際には、前記なまし燃圧に加えて、前記燃料の噴射量に基づいて前記燃料の噴射時間が補正される
    ことを特徴とする燃料噴射制御装置。
  3. 燃料の噴射装置により噴射される燃料の噴射量を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記噴射装置に供給される前記燃料を蓄圧する蓄圧部における前記燃料の圧力を目標の圧力となるように制御し、
    前記蓄圧部において検出される前記燃料の圧力の検出値に前記燃料の圧力の検出値に含まれるうねり成分を除去するなまし処理を施して算出されるなまし燃圧に基づいて前記蓄圧部における前記燃料の圧力を制御し、
    前記燃料の圧力の検出値と前記目標の圧力との差分の絶対値が予め定められた所定値以上である場合には、前記なまし燃圧ではなく、前記燃料の圧力の検出値に基づいて前記蓄圧部における前記燃料の圧力が制御される
    ことを特徴とする燃料噴射制御装置。
  4. 燃料の噴射装置により噴射される燃料の噴射量を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記噴射装置に供給される前記燃料を蓄圧する蓄圧部における前記燃料の圧力を目標の圧力となるように制御し、
    前記蓄圧部において検出される前記燃料の圧力の検出値に前記燃料の圧力の検出値に含まれるうねり成分を除去するなまし処理を施して算出されるなまし燃圧に基づいて前記蓄圧部における前記燃料の圧力を制御し、
    前記燃料の噴射量の変化割合が予め定められた設定値以上である場合には、前記なまし燃圧ではなく、前記燃料の圧力の検出値に基づいて前記蓄圧部における前記燃料の圧力が制御される
    ことを特徴とする燃料噴射制御装置。
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