JP7021595B2 - 燃料通過特性取得装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射システムのオリフィスを燃料が通過する通過特性を取得する燃料通過特性取得装置に関する。
従来、燃料噴射弁による燃料の噴射時に燃圧センサにより検出される燃料圧力に基づいて、燃料圧力の噴射時波形を取得する装置がある(特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置では、噴射時波形のうち噴射終了直後に相当する噴射後脈動波形から、噴射後脈動波形の周期に同期した周期的な特徴点の時間情報を取得している。そして、取得した時間情報を用い、噴射後脈動波形の周期の所定倍遡った時点に基づいて、噴射終了点を算出している。
特開2016-61166号公報
ところで、特許文献1に記載の装置では、燃圧センサの検出燃料圧力に基づく燃圧波形から、コモンレールと燃料配管との間のオリフィスを介して燃料噴射弁へ流れこむ燃料の流れによって発生する開弁脈動のモデル波形を差し引いて、上記噴射時波形を算出している。
ここで、オリフィスの寸法や形状にばらつきがあると、オリフィスを燃料が通過する通過特性が変化し、ひいては開弁脈動の波形が変化する。特許文献1に記載の装置は、噴射後脈動波形を用いて噴射終了点を算出しているものの、オリフィスの通過特性そのものを取得していない。このため、開弁脈動のモデル波形を補正することができず、適用範囲は噴射終了点の算出に限られる。さらに、オリフィスは燃料噴射弁の設けられる気筒毎に存在し、燃料の通過特性はオリフィス毎に異なる。
本発明は、こうした課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、燃料噴射システムにおける各オリフィスの通過特性をまとめて取得することのできる燃料通過特性取得装置を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、
燃料を蓄圧保持する蓄圧容器(42)と、内燃機関の各気筒に設けられ、前記蓄圧容器から各オリフィス(42a)を介して燃料が供給される燃料噴射弁(10)と、前記蓄圧容器から前記燃料噴射弁の噴射孔(11b)までの燃料通路(42b、11a)内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(20)と、を備える燃料噴射システムに適用される燃料通過特性取得装置(30)であって、
前記燃料噴射弁により前記燃料の噴射が実行される噴射気筒において前記噴射が実行される時に、前記噴射気筒に対応する前記燃圧センサにより検出された前記燃料圧力に基づいて、前記燃料圧力の変化を表す第1波形を取得する第1波形取得部と、
前記噴射気筒において前記噴射が実行される時に、前記燃料噴射弁により前記燃料の噴射が実行されない非噴射気筒に対応する前記燃圧センサにより検出された前記燃料圧力に基づいて、前記燃料圧力の変化を表す第2波形を取得する第2波形取得部と、
前記第1波形取得部により取得された前記第1波形に基づいて、前記第1波形の脈動の振幅を反映する振幅情報と前記第1波形の伝播時期を反映する時期情報とを取得する第1情報取得部と、
前記第2波形取得部により取得された前記第2波形に基づいて、前記第2波形の脈動の振幅を反映する振幅情報と前記第2波形の伝播時期を反映する時期情報とを取得する第2情報取得部と、
前記第1情報取得部により取得された前記振幅情報及び前記時期情報と、前記第2情報取得部により取得された前記振幅情報及び前記時期情報と、前記各オリフィスを燃料が通過する通過特性との関係を規定する複数の関係式を作成する作成部と、
前記作成部により作成された前記複数の関係式に基づいて、前記各オリフィスの前記通過特性を取得する特性取得部と、
を備える。
上記構成によれば、内燃機関の各気筒に、燃料噴射弁と燃圧センサとが設けられている。各燃料噴射弁には、蓄圧容器から各オリフィスを介して燃料が供給される。各燃圧センサは、蓄圧容器から各燃料噴射弁の噴射孔までの燃料通路内の燃料圧力を検出する。
第1波形取得部は、噴射気筒において噴射が実行される時に、噴射気筒に対応する燃圧センサにより検出された燃料圧力に基づいて、燃料圧力の変化を表す第1波形を取得する。第2波形取得部は、噴射気筒において噴射が実行される時に、非噴射気筒に対応する燃圧センサにより検出された燃料圧力に基づいて、燃料圧力の変化を表す第2波形を取得する。すなわち、第2波形は、噴射気筒における燃料圧力の変化が、噴射気筒のオリフィス、蓄圧容器、及び非噴射気筒のオリフィスを介して、非噴射気筒の燃圧センサにより検出された波形である。このため、第2波形は、噴射気筒のオリフィスを通過する際の第1減衰、非噴射気筒のオリフィスを通過する際の第2減衰、及び非噴射気筒の燃圧センサまでの伝播時間経過による第3減衰を受けている。
第1情報取得部は、第1波形に基づいて、第1波形の脈動の振幅を反映する振幅情報と第1波形の伝播時期を反映する時期情報とを取得する。第2情報取得部は、第2波形に基づいて、第2波形の脈動の振幅を反映する振幅情報と第2波形の伝播時期を反映する時期情報とを取得する。ここで、第1波形の振幅情報と第2波形の振幅情報との相違は、上記第1~第3減衰に相関している。また、第1波形の時期情報と第2波形の時期情報との相違は、第3減衰に相関している。そして、第1減衰は噴射気筒のオリフィスの通過特性に相関し、第2減衰は非噴射気筒のオリフィスの通過特性に相関している。
この点、作成部は、第1情報取得部により取得された振幅情報及び時期情報と、第2情報取得部により取得された振幅情報及び時期情報と、各オリフィスを燃料が通過する通過特性との関係を規定する複数の関係式を作成する。このとき、噴射気筒と非噴射気筒との各組み合わせで関係式を作成することができるとともに、内燃機関の運転に伴って噴射気筒は順次変更される。したがって、特性取得部は、作成部により作成された複数の関係式を、例えば連立方程式や行列式を用いて解くことにより、各オリフィスの通過特性をまとめて取得することができる。
具体的には、第2の手段では、前記通過特性は、前記各オリフィスを燃料が通過する際に、前記燃料圧力の脈動の振幅が減衰する度合を表す減衰係数である。こうした構成によれば、オリフィスの通過特性として、オリフィスの基本的な特性である減衰係数が取得されるため、種々の燃圧のモデル波形の補正に減衰係数を適用することが可能となる。
第3の手段では、前記第1情報取得部は、前記振幅情報として、前記第1波形の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅を取得し、前記第2情報取得部は、前記振幅情報として、前記第2波形の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅を取得する。
上記構成によれば、第1波形の脈動の振幅を反映する振幅情報として、第1波形の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅が取得される。また、第2波形の脈動の振幅を反映する振幅情報として、第2波形の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅が取得される。このため、振幅情報を容易に取得することができるとともに、最も振幅が大きい部分を用いて圧力幅を取得することができるため、振幅情報の精度を向上させることができる。
第4の手段では、前記第1情報取得部は、前記時期情報として、前記第1波形の脈動において最初の極大値が出現した時期を取得し、前記第2情報取得部は、前記時期情報として、前記第2波形の脈動において最初の極大値が出現した時期を取得する。
また、第5の手段では、前記第1情報取得部は、前記時期情報として、前記第1波形の脈動において最初の極小値が出現した時期を取得し、前記第2情報取得部は、前記時期情報として、前記第2波形の脈動において最初の極小値が出現した時期を取得する。
これらの構成によれば、時期情報を容易に取得することができるとともに、最も振幅が大きい部分の極値の出現時期を用いることができるため、時期情報の精度を向上させることができる。
第6の手段では、前記作成部は、前記噴射気筒の隣に位置する前記非噴射気筒と前記噴射気筒との組み合わせ、及び前記噴射気筒から1つ隔てた前記非噴射気筒と前記噴射気筒との組み合わせのみで、前記複数の関係式を作成する。
上記構成によれば、互いに近い噴射気筒と非噴射気筒との組み合わせのみで、各関係式を作成することができ、燃圧ノイズや信号ノイズが関係式に及ぼす影響を抑制することができる。
オリフィスの通過特性が第1所定範囲から外れた場合は、オリフィス、オリフィスを介して燃料が供給される燃料噴射弁、及びオリフィスから燃料噴射弁の噴射孔までの燃料通路のいずれかに、異常が生じている可能性がある。
この点、第7の手段では、前記特性取得部により取得された前記各オリフィスの前記通過特性のうち、1つのオリフィスの前記通過特性のみが第1所定範囲から外れた場合に、前記1つのオリフィスに対応する気筒において異常が生じたと判定する第1判定部を備える。したがって、取得した各オリフィスの通過特性を利用して、オリフィスに対応する気筒に異常が生じたことを判定することができる。
複数のオリフィス又は全てのオリフィスの通過特性が第2所定範囲から外れた場合は、オリフィス等の異常ではなく、燃料が異常である可能性がある。
この点、第8の手段では、前記特性取得部により取得された前記各オリフィスの前記通過特性のうち、複数のオリフィス又は全てのオリフィスの前記通過特性が第2所定範囲から外れた場合に、前記燃料が異常であると判定する第2判定部を備える。したがって、取得した各オリフィスの通過特性を利用して、燃料が異常であることを判定することができる。
噴射気筒において噴射が実行される時に、蓄圧容器からオリフィスを介して燃料噴射弁に供給される燃料によって、燃料圧力に開弁脈動が発生する。第1波形には、開弁脈動の波形が重畳しているため、第1波形から開弁脈動の波形を差し引いた波形を用いて、燃料の噴射状態を検出することが望ましい。そして、開弁脈動はオリフィスを介して燃料噴射弁に供給される燃料により発生するため、開弁脈動の大きさはオリフィスの通過特性の影響を受ける。
この点、第9の手段では、前記噴射気筒において前記噴射が実行される時に、前記蓄圧容器から前記オリフィスを介して前記燃料噴射弁に供給される燃料によって発生する開弁脈動のモデル波形を算出する第1モデル算出部と、前記特性取得部により取得された前記各オリフィスの前記通過特性に基づいて、前記開弁脈動のモデル波形を補正する第1補正部と、前記第1波形取得部により取得された前記第1波形から、前記第1補正部により補正された前記開弁脈動のモデル波形を差し引いた波形に基づいて、前記噴射気筒の前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射状態を検出する第1検出部と、を備える。したがって、各オリフィスの通過特性に基づいて補正された開弁脈動のモデル波形を用いて、燃料噴射弁による燃料の噴射状態を正確に検出することができる。
噴射気筒における噴射が終了される時に、燃料噴射弁の噴射孔が閉じられることで、燃料圧力に閉弁脈動が発生する。第1波形には、閉弁脈動の波形が重畳しているため、第1波形から閉弁脈動の波形を差し引いた波形を用いて、燃料の噴射状態を検出することが望ましい。そして、閉弁脈動はオリフィスを介して燃料噴射弁に供給される燃料の流れが止められることで発生するため、閉弁脈動の大きさはオリフィスの通過特性の影響を受ける。
この点、第10の手段では、前記噴射気筒における前記噴射が終了される時に、前記噴射孔が閉じられることで発生する閉弁脈動のモデル波形を算出する第2モデル算出部と、前記特性取得部により取得された前記各オリフィスの前記通過特性に基づいて、前記閉弁脈動のモデル波形を補正する第2補正部と、前記第1波形取得部により取得された前記第1波形から、前記第2補正部により補正された前記閉弁脈動のモデル波形を差し引いた波形に基づいて、前記噴射気筒の前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射状態を検出する第2検出部と、を備える。したがって、各オリフィスの通過特性に基づいて補正された閉弁脈動のモデル波形を用いて、燃料噴射弁による燃料の噴射状態を正確に検出することができる。
なお、燃料通過特性取得装置は、第1波形取得部により取得された第1波形から、第1補正部により補正された開弁脈動のモデル波形、及び第2補正部により補正された閉弁脈動のモデル波形を差し引いた波形に基づいて、噴射気筒の燃料噴射弁による燃料の噴射状態を検出する第3検出部を備えていてもよい。
燃料噴射システムの構成を示す模式図。 噴射指令信号、燃料噴射率、及び検出圧力を示すタイムチャート。 噴射脈動及び開弁脈動の発生メカニズムを説明する模式図。 センサ波形の補正手順及び噴射率波形の推定手順を示すフローチャート。 センサ波形、開弁脈動のモデル波形、及び補正後のセンサ波形を示すタイムチャート。 脈動の減衰係数を説明する模式図。 燃料噴射時における各気筒のセンサ波形を示すタイムチャート。 減衰係数算出及びモデル波形補正の手順を示すフローチャート。
以下、4気筒の車載ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムに具現化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、燃料噴射システムの概略を示す模式図である。まず、燃料噴射弁10を含むエンジン(内燃機関)の燃料噴射システムについて説明する。
燃料タンク40内の燃料は、燃料ポンプ41によりコモンレール42(蓄圧容器)に圧送されて蓄圧保持される。コモンレール42には、各燃料配管42bを介して、各気筒の燃料噴射弁10(#1~#4)が接続されている。コモンレール42と各燃料配管42bとの接続部には、圧力脈動を減衰させるオリフィス42aが設けられている。コモンレール42内の燃料は、各オリフィス42aから各燃料配管42bを通じて、燃料噴射弁10(#1~#4)へ分配供給される。なお、オリフィス42aは、コモンレール42と各燃料配管42bとの接続部に限らず、コモンレール42から燃料噴射弁10までの間に設けられていればよい。すなわち、コモンレール42から各オリフィス42aを介して燃料噴射弁10へ燃料が供給されればよい。
複数の燃料噴射弁10(#1~#4)は、所定の順序で燃料の噴射を行う。本実施形態では、#1→#3→#4→#2の順番で繰り返し噴射することを想定している。
なお、燃料ポンプ41にはプランジャポンプが用いられており、プランジャの往復動に同期して燃料が圧送される。そして、燃料ポンプ41は、エンジン出力を駆動源としてクランク軸により駆動され、#1→#3→#4→#2の順番で噴射される期間中に、決められた回数だけ燃料を圧送する。
燃料噴射弁10は、以下に説明するボデー11、ニードル形状の弁体12及び電動アクチュエータ13等を備えている。ボデー11には、内部に高圧通路11aが形成されているとともに、燃料を噴射する噴射孔11bが形成されている。弁体12は、ボデー11内に収容されて噴射孔11bを開閉する。なお、上記燃料配管42b及び高圧通路11aによって、コモンレール42から噴射孔11bまで燃料を流通させる燃料通路が構成されている。
ボデー11内には弁体12に背圧を付与する背圧室11cが形成されており、高圧通路11a及び低圧通路11dは背圧室11cと接続されている。電動アクチュエータ13は、高圧通路11a及び低圧通路11dと背圧室11cとの連通状態を切り換えるように、制御弁14を作動させる。電動アクチュエータ13の駆動は、ECU30により制御される。
背圧室11cが低圧通路11dと連通するよう制御弁14を作動させると、背圧室11c内の燃料圧力は低下して弁体12はリフトアップ(開弁作動)し、噴射孔11bが開かれる。その結果、コモンレール42から高圧通路11aへ供給された高圧燃料は、噴射孔11bから燃焼室へ噴射される。一方、背圧室11cが高圧通路11aと連通するよう制御弁14を作動させると、背圧室11c内の燃料圧力は上昇して弁体12はリフトダウン(閉弁作動)し、噴射孔11bが閉じられて燃料噴射が停止される。
燃圧センサ20は、以下に説明するステム21(起歪体)及び圧力センサ素子22等を備えている。ステム21はボデー11に取り付けられており、ステム21に形成されたダイヤフラム部21aが、高圧通路11aを流通する高圧燃料の圧力を受けて弾性変形する。圧力センサ素子22はダイヤフラム部21aに取り付けられており、ダイヤフラム部21aで生じた弾性変形量に応じて圧力検出信号をECU30へ出力する。燃圧センサ20は、全ての燃料噴射弁10に搭載されている。
ECU30(電子制御装置)は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、及び入出力インターフェイス等を備える周知のマイクロコンピュータである。CPUがROMに記憶されている各種プログラムを実行することにより、後述する第1波形取得部、第2波形取得部、第1情報取得部、第2情報取得部、作成部、特性取得部、第1モデル算出部、第1補正部、第1検出部、第2モデル算出部、第2補正部、第2検出部、第3検出部等の機能を実現する。
詳しくは、ECU30は、車両のアクセルペダルの操作量やエンジン負荷、エンジン回転速度NE等に基づき目標噴射状態(噴射段数、噴射開始時期、噴射終了時期、噴射量等)を算出する。例えば、エンジン負荷及びエンジン回転速度に対応する最適噴射状態を、噴射状態マップにして記憶させておく。そして、現状のエンジン負荷及びエンジン回転速度に基づき、噴射状態マップを参照して目標噴射状態を算出する。
そして、ECU30は、算出した目標噴射状態に基づき噴射指令信号(図2(a)参照)を設定する。例えば、目標噴射状態に対応する噴射指令信号を指令マップにして記憶させておき、算出した目標噴射状態に基づき、指令マップを参照して噴射指令信号を設定する。以上により、エンジン負荷及びエンジン回転速度に応じた噴射指令信号が設定され、ECU30から燃料噴射弁10へ出力される。
ここで、噴射孔11bの磨耗等、燃料噴射弁10の経年劣化に起因して、噴射指令信号に対する実際の噴射状態は変化していく。そこで、ECU30は、後述するように燃圧センサ20により検出された燃料圧力のセンサ波形に基づき燃料の噴射率波形を演算して噴射状態を推定する。ECU30は、推定した噴射状態と噴射指令信号(パルスオン時期t1、パルスオフ時期t2及びパルスオン期間Tq)との相関関係を学習し、その学習結果に基づき、指令マップに記憶された噴射指令信号を補正する。これにより、実噴射状態が目標噴射状態に一致するように、燃料噴射状態を高精度で制御できる。
次に、燃料噴射中の燃料噴射弁10に搭載された燃圧センサ20により検出されたセンサ波形(図2(c)参照)と、その燃料噴射弁10にかかる燃料噴射率の変化を表した噴射率波形(図2(b)参照)との相関について説明する。
図2(a)は、燃料噴射弁10の電動アクチュエータ13へECU30から出力される噴射指令信号を示しており、この指令信号のパルスオンにより電動アクチュエータ13が通電作動して噴射孔11bが開かれる(燃料噴射弁10が開弁される)。すなわち、噴射指令信号のパルスオン時期t1により噴射開始が指令され、パルスオフ時期t2により噴射終了が指令される。よって、指令信号のパルスオン期間(噴射指令期間Tq)により燃料噴射弁10の開弁時間を制御することで、噴射量Qが制御される。
図2(b)は、上記噴射指令に伴って、噴射孔11bから噴射される燃料の噴射率の変化(噴射率波形)を示す。図2(c)は、燃料噴射中の燃料噴射弁10に設けられた燃圧センサ20(噴射気筒に対応する燃圧センサ)により検出された燃料圧力の変化を示す。
圧力波形と噴射率波形とには以下に説明する相関があるため、検出された圧力波形から噴射率波形を推定(検出)することができる。まず、図2(a)に示すように噴射開始指令がなされたt1時点の後、噴射率がR1の時点で上昇を開始して噴射が開始される。一方、検出圧力は、R1の時点で噴射率が上昇を開始してから遅れ時間C1が経過した時点で、変化点P1にて下降を開始する。その後、R2の時点で噴射率が最大噴射率に到達したことに伴い、検出圧力の下降は変化点P2にて停止する。次に、R3の時点で噴射率が下降を開始してから遅れ時間C3が経過した時点で、検出圧力は変化点P3にて上昇を開始する。その後、R4の時点で噴射率がゼロになり実際の噴射が終了したことに伴い、検出圧力の上昇は変化点P5にて停止する。
以上説明したように、圧力波形と噴射率波形とは相関が高い。そして、噴射率波形には、噴射開始時期(R1出現時期)や、噴射終了時期(R4出現時期)、噴射量(図2(b)中の網点部分の面積)が表されているので、圧力波形から噴射率波形を推定することで噴射状態を推定できる。
ただし、燃圧センサ20により検出されたセンサ波形は噴射状態をそのまま反映している訳ではなく、以下に説明する開弁脈動波形がセンサ波形に重畳している。そのため、この開弁脈動波形の成分をセンサ波形から除去する補正を実施して、その補正後のセンサ波形に基づき噴射状態を推定することが要求される。
図3は、オリフィス42aから、燃料配管42b及び燃料噴射弁10の高圧通路11aを通じて噴射孔11bに至るまでの燃料通路を模式化した図である。以下、「噴射脈動」及び「開弁脈動」の発生メカニズム等について図3を用いて説明する。
まず、噴射孔11bからの燃料噴射が開始されると、高圧通路11aのうち噴射孔11bの近傍部分では、燃圧低下の脈動(噴射脈動Ma)が発生する(図3(a)参照)。その後、発生した噴射脈動Maは、高圧通路11a内をコモンレール42へ向けて伝播していく(図3(b)参照)。そして、燃圧センサ20のダイヤフラム部21aに噴射脈動Maが到達した図3(c)の時点で、センサ波形は下降を開始する(すなわち変化点P1が現れる)。
その後、コモンレール42のオリフィス42aに噴射脈動Maが到達した図3(d)の時点で、コモンレール42内の高圧燃料がオリフィス42aから燃料配管42bへ供給されることとなる。このように燃料供給が開始されると、燃料配管42b内のうちオリフィス42aの近傍部分では、燃圧上昇の脈動(開弁脈動Mb)が発生する(図3(e)参照)。その後、発生した開弁脈動Mbは、高圧通路11a内を噴射孔11bへ向けて伝播していく(図3(f)参照)。そして、燃圧センサ20のダイヤフラム部21aに開弁脈動Mbが到達した図3(g)の時点で、センサ波形は上昇を開始する(すなわち変化点P2が現れる)。
その後、高圧通路11a内のうち燃圧センサ20近傍部分において、コモンレール42から供給される燃料の流量と、噴射孔11bから噴射される燃料の流量とが釣り合った時点(図2(c)に示す変化点P2a時点)で、センサ波形の上昇は停止して一定の値(平衡圧)に維持される。
要するに、センサ波形には噴射脈動Maによる波形成分に、開弁脈動Mbによる波形成分(図2(c)中の変化点P2~P2aの部分)が重畳していると言える。なお、センサ波形のうち変化点P2時点までの部分は、開弁脈動Mbが未だ燃圧センサ20に伝播していないため、噴射脈動Maのみを表した波形であって開弁脈動Mbが重畳していないと言える。
本実施形態では、開弁脈動Mbの波形成分を予め作成された開弁脈動モデルに基づいて演算し(図5(b)参照)、演算したモデル波形Wmをセンサ波形Wα,Wβから差し引いて除去する補正を実施する。そして、その補正後のセンサ波形W’に基づき噴射状態を推定している。
次に、上記開弁脈動の補正の手順、及び補正後のセンサ波形W’から噴射率波形を推定する手順の一例を、図4のフローチャートを用いて説明する。この例では、上記開弁脈動の補正に加えて、後述する閉弁脈動補正を実行している。なお、図4に示す一連の処理は、ECU30によって、燃料の噴射を1回実施する毎に実行される。
まず、図4に示すS10において、1回の燃料噴射期間中に噴射気筒の燃圧センサ20から、所定のサンプリング周期で出力された複数の検出値(センサ波形Wα)、及び噴射終了直後に噴射気筒の燃圧センサ20から、所定のサンプリング周期で出力された複数の検出値(センサ波形Wβ)を取得する。なお、図5(a)中の実線はセンサ波形Wα,Wβを示し、点線は開弁脈動波形Wdを示す。
続いて、圧力微分値の時間変化を算出し、変化点P1(圧力微分値が負側に急増している点)を検出する(S20)。多段噴射を行っている場合は、変化点P1(噴射開始相関点)が複数検出される。
続いて、検出済噴射数を初期化して0に設定し(S21)、以下の処理(S30~S130)を、最も早いタイミングの変化点P1から順次行う。変化点P1から始まる噴射時波形について、検出対象の噴射が先頭噴射か2段目以降の噴射かを判定する(S30)。具体的には、検出済噴射数が0か否かにより判定し、0であれば先頭噴射、0より大であれば2段目以降の噴射と判定する。最も早いタイミングで検出された変化点P1から始まる噴射時波形の検出対象は、先頭噴射となる。
2段目以降の噴射であると判定した場合は(S30:YES)、前段脈動補正を行う(S31)。すなわち、S10で取得した噴射時波形から前段噴射後脈動(前段脈動)のモデル波形(閉弁脈動のモデル波形)を差し引いた補正波形を算出する。
続いて、先頭噴射であると判定した場合(S30:NO)又は前段脈動補正(S31)を行った後、噴射量Qが所定量よりも多いか否か判定する(S40)。噴射量Qが所定量よりも多い場合(S40:YES)、開弁脈動補正を行う(S41)。すなわち、S10で取得した噴射時波形から開弁脈動のモデル波形を差し引いた補正波形を算出する。S31で前段脈動補正を行っている場合は、S31で算出した補正波形からさらに開弁脈動のモデル波形を差し引いた波形を、補正波形として算出する。図5(c)中の点線は、補正前のセンサ波形Wα,Wβ(第1波形、第3波形)を示し、実線は、開弁脈動補正後のセンサ波形W’(第2波形)を示す。噴射量Qが所定量よりも多くない場合(S40:NO)、開弁脈動補正は行わずに、以降の噴射率モデルパラメータの検出処理に進む。
続くS50では、補正後のセンサ波形W’のうち、弁体12の開弁作動開始に伴い圧力下降していく部分である下降波形W(P1-P2)(P1~P2の部分の波形)の近似直線Laを演算する(図2(c)参照)。次のS60では、補正後のセンサ波形W’のうち、弁体12の閉弁作動開始に伴い圧力上昇していく部分である上昇波形W(P3-P5)(P3~P5の部分の波形)の近似直線Lb(モデル化した上昇波形)を演算する(図2(c)参照)。これらの近似直線La,Lbは、例えば下降波形W(P1-P2)又は上昇波形W(P3-P5)を構成する複数の検出値を最小二乗法により直線近似して算出してもよい。または、下降波形W(P1-P2)のうち微分値が最小となる点での接線を直線モデルとして算出してもよいし、上昇波形W(P3-P5)のうち微分値が最大となる点での接線を直線モデルとして算出してもよい。
次に、S70において、補正後のセンサ波形W’のうち圧力下降を開始する直前(変化点P1の直前)の圧力(基準圧Pbase)を算出し、この基準圧Pbaseに基づき、以降の処理で用いる基準直線Lc,Ld(図2(c)参照)を算出する。なお、噴射指令信号の出力開始(パルスオン時期t1)から変化点P1が現れるまでの期間における圧力の平均値を、前記基準圧Pbaseとして算出すればよく、例えば、噴射指令信号の出力開始から所定時間が経過するまでの圧力平均値を基準圧Pbaseとして算出すればよい。基準直線Lcには基準圧Pbaseと同じ値が採用されている。基準直線Ldには、基準圧Pbaseよりも所定量だけ圧力低下させた値が採用されている。この所定量は、変化点P1での圧力から変化点P2での圧力への圧力下降量ΔPd(P1-P2)が大きいほど、或いは噴射指令信号のパルスオン期間(噴射指令期間Tq)が長いほど大きい値に設定される。
続くS80では、基準直線Lcと近似直線Laとの交点を算出する(図2(c)参照)。この交点が示す時期は変化点P1の出現時期と殆ど一致する。したがって、基準直線Lcと近似直線Laとの交点が示す時期は噴射開始時期R1との相関が高いため、この交点に基づき噴射開始時期R1を算出する。続くS90では、基準直線Ldと近似直線Lbとの交点を算出する。この交点が示す時期は噴射終了時期R4との相関が高いため、この交点に基づき噴射終了時期R4を算出する(図2(c)参照)。
続くS100では、噴射率が上昇する部分の傾きRα(図2(b)参照)と近似直線Laの傾きとは相関性が高いことに着目し、近似直線Laの傾きに基づき噴射率波形の上昇の傾きRαを算出する。また、噴射率が下降する部分の傾きRβ(図2(b)参照)と近似直線Lbの傾きとは相関性が高いことに着目し、近似直線Lbの傾きに基づき噴射率波形の下降の傾きRβを算出する。続くS110では、変化点P1での圧力から変化点P2での圧力への圧力下降量ΔPd(P1-P2)と、最大噴射率Rh(図2(b)参照)と、は相関性が高いことに着目し、圧力下降量ΔPd(P1-P2)に基づき最大噴射率Rhを算出する。
続いて、検出済噴射数を1カウントアップする(S120)。続いて、検出済噴射数が、予め設定されている総噴射数となったか否か判定する(S130)。検出済噴射数が総噴射数になっていない場合は(S130:NO)、S30の処理に戻り、後段の噴射についてS30~S130の処理を行う。一方、検出済噴射数が総噴射数になっている場合は(S130:YES)、本処理を終了する。
以上による図4の処理によれば、噴射開始時期R1、噴射終了時期R4、噴射率上昇の傾きRα、噴射率降下の傾きRβ、及び最大噴射率Rhが算出される。よって、図2(b)に例示される噴射率波形を推定することができる。なお、S10の処理が第1波形取得部としての処理に相当し、S30~S130の処理が第1検出部、第2検出部、及び第3検出部としての処理に相当する。
次に、ECU30が開弁脈動波形Wdのモデル波形Wm(図5(b)参照)を算出する手法を説明する。
図5(a)に示すように、実際の開弁脈動波形Wdは、ta時点までは圧力ゼロであり、重畳を開始するta時点から徐々に圧力上昇し、tb時点でその圧力上昇が停止して一定の圧力になる。したがって、重畳開始するta時点、ta時点からtb時点までの圧力上昇の傾きPγ、及び圧力上昇量ΔPが推定できれば、開弁脈動波形Wdのモデル波形Wm(図5(b)参照)を規定できると言える。本実施形態では、これらの重畳開始時期ta、傾きPγ、上昇量ΔPを以下の手法により算出することで、モデル波形Wmを算出している。
開弁脈動波形Wdの傾きPγ(上昇速度)は、下降波形W(P1-P2)の傾きPα(下降速度)と相関がある。両傾きPγ,Pαは比例関係にあり、下降波形W(P1-P2)の下降速度が速いほど、開弁脈動波形Wdの上昇速度が速くなる。この比例関係の式を予め試験して取得しておき、検出したセンサ波形Wαから下降波形W(P1-P2)の傾きPαを演算し、演算した傾きPαを比例関係の式に代入して開弁脈動波形Wdの傾きPγを算出する。なお、下降波形W(P1-P2)の傾きPαは、先述した近似直線La(図2(c)参照)の傾きをそのまま用いればよい。
次に、重畳開始時期taの算出手法を説明する。まず、下降開始時期Tstaから重畳開始時期taまでに要する時間(開弁脈動伝播時間Ta)を演算する。詳しくは、燃圧センサ20の位置(正確にはダイヤフラム部21aの位置)からオリフィス42aまでの経路長L、及び噴射脈動Ma及び開弁脈動Mbの伝播速度a(音速)に基づいて、開弁脈動伝播時間Taを演算する。伝播速度aは、その時の燃料圧力に応じて変化するため、例えば先述した基準圧Pbaseに基づき伝播速度aを算出すればよい。経路長Lは設計値、aは基準圧Pbaseに基づき算出可能である。開弁脈動伝播時間Taは、経路長Lの2倍を伝播速度aで割って算出する(Ta=2L/a)。下降開始時期Tstaはセンサ波形Wαから算出可能である。そして、このように演算した開弁脈動伝播時間Taを下降開始時期Tstaに加算すれば、重畳開始時期taを算出できる(ta=Tsta+Ta)。
次に、圧力上昇量ΔPの算出手法を説明する。下降開始時期Tstaでの圧力及び重畳開始時期taでの圧力をセンサ波形Wαから検出し、これらの圧力に基づいて圧力上昇量ΔPを演算する(詳細は特開2012-77653号公報参照)。なお、開弁脈動波形Wdのモデル波形Wmを算出する処理が、第1モデル算出部としての処理に相当する。
また、予め各種態様の単段噴射を試験して、それら態様毎の前段脈動の波形(うねり波形)を取得しておく。各種態様の具体例としては、図2の圧力Pbaseに相当する噴射開始時燃圧(供給燃圧)や、開弁時間Tqに相当する噴射量等の噴射条件を種々異ならせておくことが挙げられる。上記試験により得られた前段脈動の波形、又はその得られた前段脈動の波形を数式で表した波形は、前段脈動のモデル波形に相当し、各種態様毎のモデル波形をECU30のメモリ(モデル波形記憶部)に予め記憶させておく。なお、閉弁脈動波形のモデル波形を算出する処理が、第2モデル算出部としての処理に相当する。
ここで、オリフィス42aの寸法や形状のばらつき、特性の経年変化等により、実際の開弁脈動波形Wdとモデル波形Wm(モデルに基づき演算した開弁脈動波形)とがずれるおそれがある。同様に、実際の前段脈動波形と前段脈動のモデル波形とがずれるおそれがある。そこで、ECU30(特性取得部、第1補正部)は、各オリフィス42aを燃料が通過する通過特性を取得し、取得した通過特性に基づいて、開弁脈動のモデル波形Wmを補正する。また、ECU30(第2補正部)は、各オリフィス42aの通過特性に基づいて、前段脈動のモデル波形を補正する。
まず、各オリフィス42aの通過特性について、図6を参照して説明する。図6は、脈動の減衰係数を説明する模式図である。
噴射気筒(例えば#1)の燃料噴射弁10により燃料の噴射が実行されると、燃圧に変化が生じる。燃圧の変化を表す波形は、噴射気筒のオリフィス42aを通過する際に減衰係数E1で減衰を受ける(第1減衰)。そして、燃圧の変化を表す波形は、非噴射気筒(例えば#2)のオリフィス42aを通過する際に減衰係数E2で減衰を受ける(第2減衰)。また、燃圧の変化を表す波形は、噴射気筒の燃圧センサ20から非噴射気筒の燃圧センサ20までの伝播時間tの経過により減衰係数E0で減衰を受ける(第3減衰)。このため、噴射気筒の燃圧センサ20により検出される燃圧の変化を表す波形における燃圧の極小値から極大値までの圧力幅Aは、非噴射気筒の燃圧センサ20により検出される燃圧の変化を表す波形における圧力幅Aaに減衰する。この関係を以下の式(圧力幅推定式)で表すことができる。
Aa=A×E1×E2×E0(T、t)
減衰係数E1(通過特性)は、噴射気筒のオリフィス42aの寸法及び形状によって決まる定数である。減衰係数E2(通過特性)は、非噴射気筒のオリフィス42aの寸法及び形状によって決まる定数である。減衰係数E0(T、t)は、伝播時間t(あるいはセンサ間距離L)、及び燃料温度Tの関数である。燃料温度Tは、温度センサにより検出してもよいし、燃料温度と燃料密度との関係を規定したマップに基づき算出してもよい(詳しくは特開2016-50563号公報参照)。伝播時間tは、噴射気筒の燃圧センサ20により検出された燃圧の波形と、非噴射気筒の燃圧センサ20により検出された燃圧の波形とに基づいて算出することができる。
図7は、燃料噴射時における各気筒のセンサ波形を示すタイムチャートである。ここでは、気筒(#1)が噴射気筒である場合を示している。
気筒(#1)では、センサ波形の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅Aは、圧力幅A1になっている。気筒(#2~#4)では、センサ波形の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅Aaは、それぞれ圧力幅A2a~A4aになっている。また、噴射気筒(#1)の燃圧センサ20から非噴射気筒(#2~#4)の燃圧センサ20までの伝播時間tは、それぞれ伝播時間t12~t14になっている。このため、以下の式が成立する。
A2a=A1×E1×E2×E0(T、t12)
A3a=A1×E1×E3×E0(T、t13)
A4a=A1×E1×E4×E0(T、t14)
気筒(#2)が噴射気筒になった場合は、同様にして以下の式が成立する。
A1a=A2×E2×E1×E0(T、t21)
A3a=A2×E2×E3×E0(T、t23)
A4a=A2×E2×E4×E0(T、t24)
そして、気筒(#3,#4)が噴射気筒になった場合も、同様の式が成立する。したがって、これらの式から必要な数の式を選択して連立方程式を解くことにより、減衰係数E1~E4を算出することができる。減衰係数E1~E4は、0よりも大きく1よりも小さい値である。
減衰係数E1~E4に基づいて、各オリフィス42aを通過する燃料の流量を算出することができる。例えば、基準となるオリフィス42aの減衰係数Erと、基準となるオリフィス42aを通過する燃料の流量Frとの関係を、実験等により予め取得しておく。減衰係数Erと、算出した各オリフィス42aの減衰係数E1~E4とに基づいて流量Frを補正することで、各オリフィス42aの流量F1~F4を算出することができる。
同様に、基準となるオリフィス42aの減衰係数Erと、基準となるオリフィス42aの前段脈動のモデル波形及び開弁脈動のモデル波形を、実験等により予め取得しておく。減衰係数Erと、算出した各オリフィス42aの減衰係数E1~E4とに基づいて、基準となるオリフィス42aの前段脈動のモデル波形及び開弁脈動のモデル波形を補正することができる。
図8は、減衰係数E1~E4の算出、及び前段脈動のモデル波形・開弁脈動のモデル波形の補正の手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、燃料噴射システムを搭載する車両の組立完了時に、ECU30又は他の制御装置(燃料通過特性取得装置)によって実行される。なお、この一連の処理が、燃料噴射システムを搭載する車両の運転時に、ECU30(燃料通過特性取得装置)により実行されてもよい。
まず、噴射気筒の燃料噴射弁10により燃料の噴射制御を開始する(S200)。噴射気筒の燃圧センサ20及び非噴射気筒の燃圧センサ20によりそれぞれ検出された燃圧を取得する(S210)。取得した噴射気筒の燃圧及び取得した非噴射気筒の燃圧の微分値を算出する(S220)。
続いて、噴射気筒の燃圧、非噴射気筒の燃圧、噴射気筒の燃圧の微分値、及び非噴射気筒の燃圧の微分値に基づいて、噴射気筒の極値間の圧力幅A、非噴射気筒の極値間の圧力幅Aa、噴射気筒の極大値の出現時期、及び非噴射気筒の極大値の出現時期を取得する(S230)。例えば、図7に示すように、噴射気筒のセンサ波形(第1波形)の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅A1(振幅情報)を取得する。非噴射気筒のセンサ波形(第2波形)の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅A2a~A4a(振幅情報)を取得する。噴射気筒のセンサ波形の脈動において最初の極大値が出現した時期t1(時期情報)を取得する。非噴射気筒のセンサ波形の脈動において最初の極大値が出現した時期t2~t4(時期情報)を取得する。
続いて、所定組み合わせの噴射気筒と非噴射気筒とにおいて、上記圧力幅推定式を作成する(S240)。詳しくは、噴射気筒の隣に位置する非噴射気筒と噴射気筒との組み合わせ、及び噴射気筒から1つ隔てた非噴射気筒と噴射気筒との組み合わせのみで、複数の関係式を作成する。例えば、気筒(#1)を噴射気筒とすると、気筒(#1)と気筒(#2)との組み合わせ、気筒(#1)と気筒(#3)との組み合わせで、圧力幅推定式を作成する。気筒(#2)を噴射気筒とすると、気筒(#2)と気筒(#1)との組み合わせ、気筒(#2)と気筒(#3)との組み合わせ、気筒(#2)と気筒(#4)との組み合わせで、圧力幅推定式を作成する。なお、噴射気筒のセンサ波形の脈動において最初の極大値が出現した時期から、非噴射気筒のセンサ波形の脈動において最初の極大値が出現した時期までを、上記伝播時間tとする(例えば図7の伝播時間t12)。
続いて、噴射カウント数に1を加算する(S250)。なお、噴射カウント数の初期値は1である。噴射カウント数が気筒数N(=4)よりも大きくないと判定した場合(S260:NO)、噴射順序が次の気筒に噴射気筒を変更してS200の処理から再度実行する。
一方、噴射カウント数が気筒数Nよりも大きいと判定した場合(S260:YES)、作成した複数の圧力幅推定式の連立方程式を解いて各オリフィス42aの減衰係数E1~E4を算出する(S270)。
続いて、算出した減衰係数E1~E4に基づいて、各気筒の前段脈動のモデル波形及び開弁脈動波形のモデル波形を補正する(S280)。例えば、基準となるオリフィス42aの減衰係数Erと各オリフィス42aの減衰係数E1~E4との比(又は偏差)に基づいて、各気筒の開弁脈動波形Wdのモデル波形Wmにおける圧力上昇量ΔPを補正する。詳しくは、減衰係数Erに対して減衰係数E1~E4が大きくなるほど、各気筒の開弁脈動波形Wdのモデル波形Wmにおける圧力上昇量ΔPを大きくする。また、基準となるオリフィス42aの減衰係数Erと各オリフィス42aの減衰係数E1~E4との比(又は偏差)に基づいて、各気筒の閉弁脈動波形のモデル波形における極小値から極大値までの圧力幅を補正する。詳しくは、減衰係数Erに対して減衰係数E1~E4が大きくなるほど、各気筒の閉弁脈動波形のモデル波形における極小値から極大値までの圧力幅を大きくする。その後、この一連の処理を終了する。
なお、S210の処理が第1波形取得部及び第2波形取得部としての処理に相当し、S230の処理が第1情報取得部及び第2情報取得部としての処理に相当し、S240の処理が作成部としての処理に相当し、S270の処理が特性取得部としての処理に相当し、S280の処理が第1補正部及び第2補正部としての処理に相当する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・噴射気筒(#1)において噴射が実行される時に、噴射気筒(#1)に対応する燃圧センサ20により検出された燃料圧力に基づいて、燃料圧力の変化を表す第1波形が取得される。噴射気筒において噴射が実行される時に、非噴射気筒(#2等)に対応する燃圧センサ20により検出された燃料圧力に基づいて、燃料圧力の変化を表す第2波形が取得される。すなわち、第2波形は、噴射気筒(#1)における燃料圧力の変化が、噴射気筒(#1)のオリフィス42a、コモンレール42、及び非噴射気筒(#2等)のオリフィス42aを介して、非噴射気筒(#2等)の燃圧センサ20により検出された波形である。このため、第2波形は、噴射気筒(#1)のオリフィス42aを通過する際の第1減衰、非噴射気筒(#2等)のオリフィス42aを通過する際の第2減衰、及び非噴射気筒(#2等)の燃圧センサ20までの伝播時間t12等の経過による第3減衰を受けていると推定することができる。
・第1波形に基づいて、第1波形の脈動の振幅を反映する圧力幅A1(振幅情報)と第1波形の伝播時期t1等(時期情報)とが取得される。第2波形に基づいて、第2波形の脈動の振幅を反映する圧力幅A2a等(振幅情報)と第2波形の伝播時期t2等(時期情報)とが取得される。ここで、第1波形の圧力幅A1と第2波形の圧力幅A2a等との相違は、上記第1~第3減衰に相関している。また、第1波形の伝播時期t1と第2波形の伝播時期t2等との相違(伝播時間t12等)は、第3減衰に相関している。そして、第1減衰は噴射気筒(#1)のオリフィス42aの減衰係数E1(通過特性)に相関し、第2減衰は非噴射気筒(#2等)のオリフィス42aの減衰係数E2等(通過特性)に相関していると推定することができる。
・取得された圧力幅A1及び伝播時期t1と、取得された圧力幅A2a等及び伝播時期t2等と、各オリフィス42aを燃料が通過する通過特性との関係を規定する複数の関係式(圧力幅推定式)が作成される。このとき、噴射気筒と非噴射気筒との各組み合わせで関係式を作成することができるとともに、エンジンの運転に伴って噴射気筒は順次変更される。したがって、作成された複数の関係式の連立方程式を用いて解くことにより、各オリフィス42aの通過特性をまとめて取得することができる。
・通過特性は、各オリフィス42aを燃料が通過する際に、燃料圧力の脈動の振幅が減衰する度合を表す減衰係数E1~E4である。こうした構成によれば、オリフィス42aの通過特性として、オリフィス42aの基本的な特性である減衰係数E1~E4が取得されるため、種々の燃圧のモデル波形の補正に減衰係数E1~E4を適用することが可能となる。
・第1波形の脈動の振幅を反映する圧力幅として、第1波形の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅A1が取得される。また、第2波形の脈動の振幅を反映する圧力幅として、第2波形の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅A2a等が取得される。このため、圧力幅A1,A2a等を容易に取得することができるとともに、最も振幅が大きい部分を用いて圧力幅A1,A2a等を取得することができるため、圧力幅A1,A2a等の精度を向上させることができる。
・第1波形の伝播時期として、第1波形の脈動において最初の極大値が出現した時期t1が取得され、第2波形の伝播時期として、第2波形の脈動において最初の極大値が出現した時期t2等が取得される。このため、伝播時期を容易に取得することができるとともに、最も振幅が大きい部分の極大値の出現時期を用いることができるため、伝播時期の精度を向上させることができる。
・例えば噴射気筒(#1)の隣に位置する非噴射気筒(#2)と噴射気筒(#1)との組み合わせ、及び噴射気筒(#1)から1つ隔てた非噴射気筒(#3)と噴射気筒(#1)との組み合わせのみで、複数の関係式が作成される。このため、互いに近い噴射気筒と非噴射気筒との組み合わせのみで、各関係式を作成することができ、燃圧ノイズや信号ノイズが関係式に及ぼす影響を抑制することができる。
・噴射気筒において噴射が実行される時に、コモンレール42からオリフィス42aを介して燃料噴射弁10に供給される燃料によって発生する開弁脈動のモデル波形Wmが算出される。取得された各オリフィス42aの通過特性に基づいて、開弁脈動のモデル波形Wmが補正される。取得された第1波形から、補正された開弁脈動のモデル波形Wmを差し引いた波形に基づいて、噴射気筒の燃料噴射弁10による燃料の噴射状態が検出される。したがって、各オリフィス42aの通過特性に基づいて補正された開弁脈動のモデル波形Wmを用いて、燃料噴射弁10による燃料の噴射状態を正確に検出することができる。さらに、開弁脈動のモデル波形Wmの精度が向上するため、2段目以降の微小なパイロット噴射の状態を検出することが可能となる。
・噴射気筒における噴射が終了される時に、噴射孔11bが閉じられることで発生する閉弁脈動のモデル波形が算出される。取得された各オリフィス42aの通過特性に基づいて、閉弁脈動のモデル波形が補正される。取得された第1波形から、補正された閉弁脈動のモデル波形を差し引いた波形に基づいて、噴射気筒の燃料噴射弁10による燃料の噴射状態が検出される。したがって、各オリフィス42aの通過特性に基づいて補正された閉弁脈動のモデル波形を用いて、燃料噴射弁10による燃料の噴射状態を正確に検出することができる。さらに、閉弁脈動のモデル波形の精度が向上するため、2段目以降の微小なパイロット噴射の状態を検出することが可能となる。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・ECU30(第1情報取得部)は、第1波形の脈動の振幅を反映する圧力幅として、第1波形の脈動における最初の極大値から2番目の極小値までの圧力幅を取得することもできる。そして、ECU30(第2情報取得部)は、第2波形の脈動の振幅を反映する圧力幅として、第2波形の脈動における最初の極大値から2番目の極小値までの圧力幅を取得することもできる。
・ECU30(第1情報取得部)は、時期情報として、第1波形の脈動において最初の極小値が出現した時期を取得し、ECU30(第2情報取得部)は、時期情報として、第2波形の脈動において最初の極小値が出現した時期を取得してもよい。こうした構成によれば、時期情報を容易に取得することができるとともに、最も振幅が大きい部分の極小値の出現時期を用いることができるため、時期情報の精度を向上させることができる。
・ECU30(第1情報取得部)は、時期情報として、第1波形の脈動において2番目の極小値が出現した時期を取得し、ECU30(第2情報取得部)は、時期情報として、第2波形の脈動において2番目の極小値が出現した時期を取得することもできる。
・図4のS30,S31の前段脈動補正、及びS40,S41の開弁脈動補正の一方あるいは双方を省略することもできる。
・例えば噴射気筒(#1)から2つ隔てた非噴射気筒(#4)と噴射気筒(#1)との組み合わせを含む複数の関係式を作成することもできる。
・複数の関係式を行列式で表して、行列式を変換することにより、減衰係数E1~E4を算出することもできる。この場合も、各オリフィス42aの減衰係数E1~E4をまとめて取得することができる。
・各オリフィス42aの減衰係数E1~E4(通過特性)が第1所定範囲から外れた場合は、オリフィス42a、オリフィス42aを介して燃料が供給される燃料噴射弁10、及びオリフィス42aから燃料噴射弁10の噴射孔11bまでの燃料配管42b及び高圧通路11a(燃料通路)のいずれかに、異常が生じている可能性がある。第1所定範囲は、異常が生じたことを判定することのできる値であり、正常時には取り得ない値に設定されている。そこで、ECU30は、特性取得部により取得された各オリフィス42aの通過特性のうち、1つのオリフィス42aの通過特性のみが第1所定範囲から外れた場合に、1つのオリフィス42aに対応する気筒において異常が生じたと判定する第1判定部を備えていてもよい。こうした構成によれば、取得した各オリフィス42aの通過特性を利用して、オリフィス42aに対応する気筒に異常が生じたことを判定することができる。
・複数のオリフィス42a又は全てのオリフィス42aの通過特性が第2所定範囲から外れた場合は、オリフィス42a等の異常ではなく、燃料が異常である可能性がある。第2所定範囲は、異常が生じたことを判定することのできる値であり、正常時には取り得ない値に設定されている。なお、第2所定範囲は、上記第1所定範囲と同じでもよいし、異なっていてもよい。そこで、ECU30は、特性取得部により取得された各オリフィス42aの通過特性のうち、複数のオリフィス42a又は全てのオリフィス42aの通過特性が第2所定範囲から外れた場合に、燃料が異常であると判定する第2判定部を備えていてもよい。こうした構成によれば、取得した各オリフィス42aの通過特性を利用して、燃料が異常であることを判定することができる。なお、ECU30は、複数のオリフィス42a又は全てのオリフィス42aの通過特性が第2所定範囲から外れた場合に、燃料が異常であるか否か判定する他の処理を実行してもよい。
・ECU30(特性取得部)は、オリフィス42aを燃料が通過する通過特性として、オリフィス42aを通過する燃料の流量の大小を表す流量係数を取得することもできる。そして、ECU30(第1補正部)は、基準となるオリフィス42aの流量係数と各オリフィス42aの流量係数との比(又は偏差)に基づいて、各気筒の開弁脈動波形Wdのモデル波形Wmにおける圧力上昇量ΔP等を補正してもよい。
・燃料噴射システムが搭載されるエンジンは、4気筒エンジンに限らず、3気筒エンジンや6気筒以上のエンジンであってもよい。また、エンジンは、ディーゼルエンジンに限らず、デリバリパイプ(蓄圧容器)を備える直噴ガソリンエンジンであってもよい。
10…燃料噴射弁、11a…高圧通路、11b…噴射孔、20…燃圧センサ、30…ECU、42…コモンレール、42a…オリフィス、42b…燃料配管。

Claims (10)

  1. 燃料を蓄圧保持する蓄圧容器(42)と、内燃機関の各気筒に設けられ、前記蓄圧容器から各オリフィス(42a)を介して燃料が供給される燃料噴射弁(10)と、前記蓄圧容器から前記燃料噴射弁の噴射孔(11b)までの燃料通路(42b、11a)内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(20)と、を備える燃料噴射システムに適用される燃料通過特性取得装置(30)であって、
    前記燃料噴射弁により前記燃料の噴射が実行される噴射気筒において前記噴射が実行される時に、前記噴射気筒に対応する前記燃圧センサにより検出された前記燃料圧力に基づいて、前記燃料圧力の変化を表す第1波形を取得する第1波形取得部と、
    前記噴射気筒において前記噴射が実行される時に、前記燃料噴射弁により前記燃料の噴射が実行されない非噴射気筒に対応する前記燃圧センサにより検出された前記燃料圧力に基づいて、前記燃料圧力の変化を表す第2波形を取得する第2波形取得部と、
    前記第1波形取得部により取得された前記第1波形に基づいて、前記第1波形の脈動の振幅を反映する振幅情報と前記第1波形の伝播時期を反映する時期情報とを取得する第1情報取得部と、
    前記第2波形取得部により取得された前記第2波形に基づいて、前記第2波形の脈動の振幅を反映する振幅情報と前記第2波形の伝播時期を反映する時期情報とを取得する第2情報取得部と、
    前記第1情報取得部により取得された前記振幅情報及び前記時期情報と、前記第2情報取得部により取得された前記振幅情報及び前記時期情報と、前記各オリフィスを燃料が通過する通過特性との関係を規定する複数の関係式を作成する作成部と、
    前記作成部により作成された前記複数の関係式に基づいて、前記各オリフィスの前記通過特性を取得する特性取得部と、
    を備える燃料通過特性取得装置。
  2. 前記通過特性は、前記各オリフィスを燃料が通過する際に、前記燃料圧力の脈動の振幅が減衰する度合を表す減衰係数である、請求項1に記載の燃料通過特性取得装置。
  3. 前記第1情報取得部は、前記振幅情報として、前記第1波形の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅を取得し、
    前記第2情報取得部は、前記振幅情報として、前記第2波形の脈動における最初の極小値から最初の極大値までの圧力幅を取得する、請求項1又は2に記載の燃料通過特性取得装置。
  4. 前記第1情報取得部は、前記時期情報として、前記第1波形の脈動において最初の極大値が出現した時期を取得し、
    前記第2情報取得部は、前記時期情報として、前記第2波形の脈動において最初の極大値が出現した時期を取得する、請求項1~3のいずれか1項に記載の燃料通過特性取得装置。
  5. 前記第1情報取得部は、前記時期情報として、前記第1波形の脈動において最初の極小値が出現した時期を取得し、
    前記第2情報取得部は、前記時期情報として、前記第2波形の脈動において最初の極小値が出現した時期を取得する、請求項1~3のいずれか1項に記載の燃料通過特性取得装置。
  6. 前記作成部は、前記噴射気筒の隣に位置する前記非噴射気筒と前記噴射気筒との組み合わせ、及び前記噴射気筒から1つ隔てた前記非噴射気筒と前記噴射気筒との組み合わせのみで、前記複数の関係式を作成する、請求項1~5のいずれか1項に記載の燃料通過特性取得装置。
  7. 前記特性取得部により取得された前記各オリフィスの前記通過特性のうち、1つのオリフィスの前記通過特性のみが第1所定範囲から外れた場合に、前記1つのオリフィスに対応する気筒において異常が生じたと判定する第1判定部を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の燃料通過特性取得装置。
  8. 前記特性取得部により取得された前記各オリフィスの前記通過特性のうち、複数のオリフィス又は全てのオリフィスの前記通過特性が第2所定範囲から外れた場合に、前記燃料が異常であると判定する第2判定部を備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の燃料通過特性取得装置。
  9. 前記噴射気筒において前記噴射が実行される時に、前記蓄圧容器から前記オリフィスを介して前記燃料噴射弁に供給される燃料によって発生する開弁脈動のモデル波形を算出する第1モデル算出部と、
    前記特性取得部により取得された前記各オリフィスの前記通過特性に基づいて、前記開弁脈動のモデル波形を補正する第1補正部と、
    前記第1波形取得部により取得された前記第1波形から、前記第1補正部により補正された前記開弁脈動のモデル波形を差し引いた波形に基づいて、前記噴射気筒の前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射状態を検出する第1検出部と、
    を備える請求項1~8のいずれか1項に記載の燃料通過特性取得装置。
  10. 前記噴射気筒における前記噴射が終了される時に、前記噴射孔が閉じられることで発生する閉弁脈動のモデル波形を算出する第2モデル算出部と、
    前記特性取得部により取得された前記各オリフィスの前記通過特性に基づいて、前記閉弁脈動のモデル波形を補正する第2補正部と、
    前記第1波形取得部により取得された前記第1波形から、前記第2補正部により補正された前記閉弁脈動のモデル波形を差し引いた波形に基づいて、前記噴射気筒の前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射状態を検出する第2検出部と、
    を備える請求項1~9のいずれか1項に記載の燃料通過特性取得装置。
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