JP4876634B2 - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者が操作する操作部と操向輪を転舵する転舵部とを機械的に断接するバックアップクラッチを備えたステアバイワイヤシステムによる車両用操舵制御装置の技術分野に属する。
従来、ハンドルと前輪の舵取り機構とが機械的に切り離された、いわゆるステアバイワイヤ(SBW)システムでは、ハンドルと舵取り機構とを機械的に連結するバックアップ手段としてバックアップクラッチを備えている。SBWシステムの一部に異常が発生した場合には、速やかにバックアップクラッチを接続してSBW制御を中止し、運転者の操舵負担を軽減するアシスト制御に切り替えている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−225733号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、バックアップクラッチが誤締結(意図的に締結していない)した場合、転舵側ではSBW制御を継続してしまう。このとき、転舵制御は実転舵角が目標転舵角になるように転舵トルクを与えるが、操作部と転舵部とが連結されているため、ハンドルも共に回転してしまい、偏差が縮まらない状態となり、転舵トルクが増大して、ハンドル操作するドライバーに違和感を与えてしまうおそれがある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、バックアップクラッチの誤締結を短時間にて判定することで、バックアップクラッチの誤締結が発生しても応答良くスムーズに、ハンドル操作を続行することができる車両用操舵制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の車両用操舵制御装置では、
運転者が操作する操作部と、
前記操作部とは機械的に切り離され、操向輪を転舵する転舵部と、
前記操作部に操舵反力を付与する反力アクチュエータと、
前記転舵部に転舵力を付与する転舵アクチュエータと、
前記操作部と前記転舵部とを機械的に断接するバックアップクラッチと、
前記操作部に付与される反力を検出する反力検出手段と、
前記反力アクチュエータに付与した駆動力の方向と、前記反力検出手段により検出される反力検出値の方向と、が異なるとき、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定するクラッチ締結判定手段と、
前記反力アクチュエータに付与した駆動力と、前記反力検出手段により検出される反力検出値との偏差を算出する偏差算出手段と、
を備え
前記クラッチ締結判定手段は、前記偏差算出手段により算出された偏差の絶対値が閾値以上で、かつ、前記反力アクチュエータに付与した駆動力の方向と、前記反力検出手段により検出される反力検出値の方向と、が異なるとき、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定することを特徴とする。

本発明の車両用操舵制御装置にあっては、バックアップクラッチの開放により操作部と転舵部とが切り離された状態でのハンドル操作時、操作部の操作状態に応じた転舵角となるように転舵アクチュエータが駆動制御されると共に、転舵部の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように反力アクチュエータが駆動制御される。このハンドル操作時、クラッチ締結判定手段において、反力アクチュエータに付与した駆動力の方向と、反力検出手段により検出される反力検出値の方向と、が異なるとき、バックアップクラッチが締結状態になったと判定される。
すなわち、バックアップクラッチの開放により操作部と転舵部とが切り離された状態でのハンドル操作時には、転舵部側からバックアップクラッチを介して操作部側へ転舵トルクが入力されることが無いため、操作部側において、反力アクチュエータに付与した駆動力の方向と、反力検出手段により検出される反力検出値の方向と、は一致している。
しかし、バックアップクラッチが誤って締結されると、転舵部側からバックアップクラッチを介して操作部側へ転舵トルクが入力されるし、転舵トルクの方向は反力トルクの方向と逆方向であるため、操作部側において、反力検出値または反力アクチュエータ駆動力の方向が反転し、反力アクチュエータに付与した駆動力の方向と、反力検出手段により検出される反力検出値の方向と、が異なってしまう。
したがって、この関係を利用すれば、バックアップクラッチの誤締結判定を行うことができる。しかも、反力アクチュエータ駆動力の方向と反力検出値の方向とが逆であることを誤締結判定に利用するため、例えば、長い時間をかけてバックアップクラッチの状態を監視することで誤締結を判定する場合に比べ、誤締結の発生時点から2つの力の方向関係を把握した時点までの短い判定時間により、バックアップクラッチが誤締結であると判定することができる。
この結果、バックアップクラッチの誤締結を短時間にて判定することで、バックアップクラッチの誤締結が発生しても応答良くスムーズに、ハンドル操作を続行することができる。
以下、本発明の車両用操舵制御装置を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
[全体構成]
図1は、実施例1の車両用操舵制御装置を適用したステアバイワイヤ(SBW)システムの構成図である。
実施例1のSBWシステムは、図1に示すように、操舵ハンドル1(操作部)と、トルクセンサ2(反力検出手段)と、操舵角センサ3と、反力モータ4(反力アクチュエータ)と、バックアップクラッチ5と、転舵モータ6(転舵アクチュエータ)と、転舵モータ角度センサ7と、舵取り機構8(転舵部)と、左右前輪9,9(操向輪)と、軸力センサ10と、反力コントローラ11と、転舵コントローラ12と、通信ライン13と、を備えている。
実施例1のSBWシステムは、運転者が操作する操舵ハンドル1と、前記操舵ハンドル1とは機械的に切り離され、左右前輪9,9を転舵する舵取り機構8と、前記操舵ハンドル1に操舵反力を付与する反力モータ4と、前記舵取り機構8に転舵力を付与する転舵モータ6と、を備え、操舵ハンドル1と舵取り機構8との間に機械的な繋がりが無い構成となっている。
ただし、機械的なバックアップ機構として、バックアップクラッチ5を備えており、操舵ハンドル1と舵取り機構8との間を機械的に連結することが可能である。つまり、SBWシステムに何らかの異常が発生した場合、バックアップクラッチ5を連結することで安全な走行が可能となる。
実施例1では、操舵ハンドル1の回転操作を操舵角センサ3で検出し、反力コントローラ11で指令転舵角が演算される。この実施例1では、可変ギヤ比制御を行っており、例えば、図2に示すように、車速に応じて指令転舵角/操舵角であらわされるステアリングギヤ比が変化するようにしている。実施例1の可変ギヤ比制御では、車速が低速域では、ステアリングギヤ比を1を超えるクイックな値とし、車速が所定車速を超える高速域では、ステアリングギヤ比を1以下のスローな値に設定している。なお、可変ギヤ比制御を行っていない場合、つまり、バックアップクラッチ5により操舵ハンドル1と舵取り機構8との間を機械的に連結した場合における指令転舵角と操舵角の比を1とする。
前記転舵コントローラ12では、実際の転舵角が指令転舵角に一致するように、転舵モータ6の駆動指令値が演算され、転舵モータ6が駆動されることで転舵動作が行われる。転舵モータ6は、ブラシレスモータ等で構成される。また、操舵ハンドル1に操舵反力を与えるための反力モータ4は、転舵モータ6と同様に、ブラシレスモータ等で構成されており、反力コントローラ11で演算された駆動指令値に基づいて駆動される。反力コントローラ11および転舵コントローラ12で演算される駆動指令値は、反力モータ4および転舵モータ6への電流指令値となる。
実施例1のSBWシステムは、操舵ハンドル1と、左右前輪9,9および転舵モータ6との間に機械的な繋がりが無い構成となっているので、反力モータ4によって操舵反力を発生させている。操舵反力は、舵取り機構8のラックにかかる軸力、操舵角、操舵角速度などに応じて生成される。また、操舵ハンドル1と反力モータ4との間にトルクセンサ2を設け、操舵トルクをモニタできるようになっている。トルクセンサ2は、シャフトのねじれを検出し、そこからトルクを算出する構成となっている。SBW制御時には、このトルクセンサ2の値を用いることはないが、反力モータ失陥時にバックアップクラッチ5を締結し、転舵モータ6をアシストに用いるEPSモード(=電動パワーステアリングモード)では、トルクセンサ2の値を制御に用いるので、通常時もトルクセンサ2の値は監視を行っている。
前記転舵コントローラ12で演算される電流指令値は、指令転舵角に所定の応答特性で実転舵角が追従するように制御演算する角度サーボ系により算出される。例えば、算出された指令転舵角θtaに対し、図3の転舵角制御ブロック図に示すように、予め与えておいた所望の特性に一致させるためのモデルマッチング補償器と、モデル化誤差を含む制御阻害要因を外乱として推定しキャンセルさせるためのロバスト補償器と、で構成されたロバストモデルマッチング手法を採用し、実転舵角θtを得るように転舵モータ6を駆動する。
[クラッチ締結判定手段]
図4は、実施例1の反力コントローラ11および転舵コントローラ12にて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(クラッチ締結判定手段)。なお、この処理は、各コントローラ11,12においてSBW制御演算周期(例えば、5msec)毎に実行される。
ステップS101では、バックアップクラッチ締結判定に用いる各信号の取得、演算を行う。つまり、反力モータ実電流値Ihとトルクセンサ値Thを取得し、反力モータ実電流値Ihに反力モータ4のトルク定数τhを掛けることで、反力モータ4の駆動力Mhを算出し、ステップS102へ移行する。
ステップS102では、ステップS101での反力モータ実電流値Ihとトルクセンサ値Thの取得、反力モータ4の駆動力Mhの算出に続き、トルクセンサ値Thと、反力モータ4の駆動力Mhと、の偏差Δhを算出し、ステップS103へ移行する(偏差算出手段)。
ステップS103では、ステップS102での偏差Δhの算出に続き、偏差Δhの絶対値が第1閾値ω1または第2閾値ω2以上で、かつ、トルクセンサ値Thの符号と、反力モータ4の駆動力Mhの符号が異符号であるか否かを判断し、Yesの場合はステップS104へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
ここで、偏差Δhの絶対値の閾値ω1,ω2は、反力モータ4の応答性(指令電流を受けて実電流に反映させるまでの制御的な遅れ、電流センサの遅れ)とトルクセンサ2の応答性の偏差を考慮して実験的に決定する。
そして、第1閾値ω1は、一方向に切り増し操作や切り戻し操作する時の閾値であり、第2閾値ω2は、操作方向を変更する切り返し操作時の閾値であり、前記第2閾値ω2の値を、前記第1閾値ω1の値よりも大きな値に設定している。
ステップS104では、ステップS103でのトルクセンサ値Th(反力検出値)と反力モータ4の駆動力Mh(アクチュエータ駆動力)との偏差条件と異符号条件が共に成立したとの判断に続き、クラッチ締結診断フラグを立ち上げて指令転舵角を実転舵角にし、ステップS105へ移行する。
つまり、ステップS104は、クラッチ締結診断を行っている間の処理であり、バックアップクラッチ5が締結している場合、指令転舵角と実転舵角の偏差が埋まらないため、操舵ハンドル1が取られるので、具体的には指令転舵角を実転舵角にして操舵ハンドル1が取られるような挙動を抑えるようにする。
ステップS105では、ステップS104でのクラッチ締結診断フラグオンとし指令転舵角を実転舵角にする処理に続き、トルクセンサ値Thと反力モータ4の駆動力Mhとの偏差条件と異符号条件が共に成立している状態が継続し、一定時間t1経過したか否かを判断し、Yesの場合はステップS106へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
ここで、前記一定時間t1は、クラッチ締結診断の待ち時間であり、バックアップクラッチ5の締結によって操舵ハンドル1が取られる状態は可能な限り早期に判定する必要があるが、ノイズによる影響を考慮して、例えば、10msecに設定する。
ステップS106では、ステップS105での一定時間t1経過との判断に続き、バックアップクラッチ5が誤締結であると判定し、クラッチ締結確定フラグを立ち上げ、リターンへ移行する。
次に、作用を説明する。
上記のような構成のSBWシステムにおいて、SBW制御中にバックアップクラッチ5が誤締結されても反力コントローラ11および転舵コントローラ12では、通常のSBW制御が継続される。反力コントローラ11では、操舵ハンドル角(操舵角)に基づいて指令転舵角を演算し、転舵コントローラ12では、実際の転舵角(実転舵角)が、指令転舵角に所望の応答特性(規範応答)で追従するように角度制御される。このとき、操舵ハンドル1と転舵モータ6とがバックアップクラッチ5を介して連結されているため、操舵ハンドル1も操向輪である左右前輪9,9の動きと共に回転してしまう。すると、反力コントローラ11は、回転した操舵角に基づいた指令転舵角を演算することになる。この指令転舵角を受けて転舵コントローラ12は、さらに転舵角を回すように転舵モータ電流指令値を制御するが、そうすることで、さらに操舵ハンドル1が回転してしまう。このように、バックアップクラッチ5が誤締結すると、図5に示すように、指令転舵角と実転舵角との差が縮まらない状態となり、転舵モータ電流指令値が増大し、操舵ハンドル1が取られてしまうおそれがある。なお、バックアップクラッチ5が誤締結した後は、図5に示すように、実転舵角と操舵角(ステアリングギヤ比を掛けた転舵角換算値)との舵角差が一定になる。
これに対し、実施例1の車両用操舵制御装置では、バックアップクラッチ5の誤締結を短時間にて判定することで、バックアップクラッチ5の誤締結が発生しても応答良くスムーズに、ハンドル操作を続行することができるようにした。
すなわち、バックアップクラッチ5の開放により操作部と転舵部とが切り離された状態でのハンドル操作時には、転舵部側からバックアップクラッチ5を介して操作部側へ転舵トルクが入力されることが無いため、操作部側において、反力モータ4に付与した駆動力Mh(以下、「反力モータ駆動力Mh」という)の方向と、トルクセンサ2により検出されるトルクセンサ値Th(以下、「トルクセンサ値Th」という。)の方向と、は一致している。
しかし、バックアップクラッチ5が誤って締結されると、転舵部側からバックアップクラッチ5を介して操作部側へ転舵トルクが入力されるし、転舵トルクの方向は反力トルクの方向と逆方向であるため、操作部側において、トルクセンサ値Thまたは反力モータ駆動力Mhの方向が反転し、反力モータ駆動力Mhの方向と、トルクセンサ値Thの方向と、が異なってしまう。
実施例1では、上記のようにバックアップクラッチ5が誤締結されると、反力モータ駆動力Mhの方向と、トルクセンサ値Thの方向と、が一致する状態から異なる状態へと状態遷移する点に着目し、反力モータ駆動力Mhの方向と、トルクセンサ値Thの方向と、が異なるとき、バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定する手段を採用した。
したがって、反力モータ駆動力Mhの方向と、トルクセンサ値Thの方向と、が異なるという関係を利用すれば、この関係が成立しているか否かの診断を行うことにより、バックアップクラッチ5の誤締結判定を行うことができる。
しかも、反力モータ駆動力Mhの方向とトルクセンサ値Thの方向とが逆であることを誤締結判定に利用するため、例えば、長い時間をかけてバックアップクラッチの状態を監視することで誤締結を判定する場合に比べ、誤締結の発生時点から2つの力の方向関係を把握した時点までの短い判定時間により、バックアップクラッチ5が誤締結であると判定することができる。
そして、上記のように、バックアップクラッチ5の誤締結を短時間にて判定することで、バックアップクラッチ5の誤締結が発生しても応答良くスムーズに、ハンドル操作を続行することができる。
以下、実施例1の車両用操舵制御装置における、[一方向操作時のクラッチ誤締結作用]、[切り返し操作時のクラッチ誤締結作用]、[クラッチ誤締結時のハンドル手放し操作作用]、[クラッチ後締結判定作用]について説明する。
[一方向操作時のクラッチ誤締結作用]
バックアップクラッチ5を開放して正常にSBW制御を行っている場合で、例えば、操舵ハンドル1を右方向に切り増し操作をしている時には、図6の誤締結時刻TOまでのトルクセンサ特性(トルクセンサ値Th)と反力電流からの推定トルク特性(反力モータ駆動力Mh)から明らかなように、同符号であり、かつ、両値はほぼ一致している。
しかし、バックアップクラッチ5が誤締結すると、トルクセンサ2には、転舵モータ6の回転トルクが締結されたバックアップクラッチ5を介して操作部に入力されることで、バックアップクラッチ5の開放時とは逆方向のトルクがかかる。一方、操舵ハンドル1は誤締結前と同方向に回転するので、反力コントローラ11は、誤締結前と同方向のトルクを発生するように反力モータ4の指令電流値を算出する。
したがって、バックアップクラッチ5の誤締結時には、図6の誤締結時刻TO以降の特性から明かなように、反力モータ4の電流値から求めた反力モータ駆動力Mhの値は、反力MAX値に向かって増大するのに対し、トルクセンサ値Thの値は、負のトルク値まで減少し、誤締結前に出ていたトルクと逆方向の値となる。
[切り返し操作時のクラッチ誤締結作用]
バックアップクラッチ5を開放して正常にSBW制御を行っている場合で、例えば、操舵ハンドル1を右方向に切り増し操作をしている時には、図7の誤締結時刻TOまでのトルクセンサ特性(トルクセンサ値Th)と反力電流からの推定トルク特性(反力モータ駆動力Mh)から明らかなように、同符号であり、かつ、両値はほぼ一致している。
しかし、操舵ハンドル1を左方向に切り返し操作をしたときにバックアップクラッチ5が誤締結すると、トルクセンサ2には、切り返し操作により操舵ハンドル1は誤締結前と逆方向に回転するので、転舵コントローラ12は誤締結前と逆方向のトルクを発生するように転舵モータ6の指令電流値を算出することで、バックアップクラッチ5の開放時のトルクに転舵トルクが加えられて増大する。一方、操舵ハンドル1は誤締結前と逆方向に回転するので、反力コントローラ11は、誤締結前に対し逆方向のトルクを発生するように反力モータ4の指令電流値を算出する。
したがって、バックアップクラッチ5の誤締結時には、図7の誤締結時刻TO以降の特性から明かなように、トルクセンサ値Thの値は、誤締結前に反力として出ていたトルクと同方向で増大するのに対し、反力モータ4の電流値から求めた反力モータ駆動力Mhの値は、反力MAX値に向かって減少し、誤締結前に出ていた反力モータ駆動力Mhとは逆方向の値となる。
[クラッチ誤締結時のハンドル手放し操作作用]
バックアップクラッチ5を開放して正常にSBW制御を行っている場合で、例えば、操舵ハンドル1を右方向に切り増し操作をしている時には、図8の誤締結時刻TOまでのトルクセンサ特性(トルクセンサ値Th)と反力電流からの推定トルク特性(反力モータ駆動力Mh)から明らかなように、同符号であり、かつ、両値はほぼ一致している。
しかし、バックアップクラッチ5が誤締結すると、トルクセンサ2には、転舵モータ6の回転トルクが締結されたバックアップクラッチ5を介して操作部に入力されることで、バックアップクラッチ5の開放時とは逆方向のトルクがかかる。一方、操舵ハンドル1は誤締結前と同方向に回転するので、反力コントローラ11は、誤締結前と同方向のトルクを発生するように反力モータ4の指令電流値を算出する。
したがって、バックアップクラッチ5の誤締結時には、図8の誤締結時刻TOから手放し操作時刻T1までの特性から明かなように、反力モータ4の電流値から求めた反力モータ駆動力Mhの値は、反力MAX値に向かって増大するのに対し、トルクセンサ値Thの値は、負のトルク値まで減少し、誤締結前に出ていたトルクと逆方向の値となる。
そして、時刻T1にて手放し操作に移行すると、図8の手放し操作時刻T1以降の特性から明かなように、トルクセンサ値Thの値は、操舵ハンドル1を手で押さえていないので、ハンドル慣性力と釣り合うところでその値が落ち着くが、仮に誤締結の瞬間に手を放したとしても依然として誤締結前に出ていたトルクとは逆方向の値となる。
一方、反力モータ駆動力Mhの値は、手放しにより操舵ハンドル1が切り増し方向に取られるので、締結前のトルクを出す方向に指令電流が出て(反力制御の特性上、逆に出ることはない)、実電流はそれに追従するように反力MAX値となるまで出る。
[クラッチ後締結判定作用]
上記[一方向操作時のクラッチ誤締結作用]、[切り返し操作時のクラッチ誤締結作用]、[クラッチ誤締結時のハンドル手放し操作作用]で述べたように、バックアップクラッチ5が誤締結されると、反力モータ駆動力Mhの方向と、トルクセンサ値Thの方向と、が異なるという関係は、様々なハンドル操作状況においても成立することが裏付けられた。
したがって、バックアップクラッチ5を開放し、SBW制御を行っている場合に、バックアップクラッチ5が誤締結されると、図4のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103へと進み、ステップS103では、偏差Δhの絶対値が第1閾値ω1または第2閾値ω2以上で、かつ、トルクセンサ値Thの符号と、反力モータ駆動力Mhの符号が異符号であると判断され、ステップS104へ進む。
ステップS104では、クラッチ締結診断フラグを立ち上げて指令転舵角を実転舵角にし、ステップS105へ進み、ステップS105では、トルクセンサ値Thと反力モータ駆動力Mhとの偏差条件と異符号条件が共に成立している状態が継続し、一定時間t1経過したか否かが判断され、一定時間t1経過することで、ステップS106へ進む。
ステップS106では、バックアップクラッチ5が誤締結であると判定し、クラッチ締結確定フラグを立ち上げられる。
すなわち、バックアップクラッチ5の誤締結が発生した後、
(a) Δh≧ω1,ω2による偏差条件
(b) ThとMhとが異符号であるという力の方向条件
(c) (a),(b)の条件成立継続時間がt1という時間条件
の3条件が成立すると、バックアップクラッチ5が誤締結であると短時間にて判定することができる。この結果、バックアップクラッチ5の誤締結が発生した場合、クラッチ誤締結判定後に、バックアップクラッチ5の締結解除を行ったり(実施例3参照)、または、バックアップクラッチ5を締結し反力モータ4または転舵モータ6をアシストモータとするEPSモードへの移行を行う、または、バックアップクラッチ5を締結し機械的に直結する、の何れかを選択することで、応答良くスムーズに、ハンドル操作を続行することができる。
上記のように、実施例1の車両用操舵制御装置において、前記反力モータ4に付与した駆動力Mhと、前記トルクセンサ2により検出されるトルクセンサ値Thとの偏差Δhを算出する偏差算出手段(ステップS102)を設け、前記クラッチ締結判定手段(図4)は、前記偏差算出手段により算出された偏差Δhの絶対値が閾値ω以上で、かつ、前記反力モータ4に付与した駆動力Mhの方向と、前記トルクセンサ2により検出されるトルクセンサ値Thの方向と、が異なるとき(ステップS103でYes)、前記バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定する。
例えば、反力モータ駆動力とトルクセンサ値との偏差条件を含めないで、バックアップクラッチの誤締結診断を行うと、修正操舵時のように反力モータ駆動力もトルクセンサ値も小さな切り返し操作状況においては、反力モータ応答性とトルクセンサ応答性との偏差を原因とし、偏差量は小さいながらも反力モータ駆動力とトルクセンサ値の方向が異符号になる場合があり、バックアップクラッチが誤締結とはなっていないのに、誤締結したと誤って診断される可能性がある。
これに対し、実施例1では、反力モータ駆動力Mhとトルクセンサ値Thの異符号条件に偏差条件を加えたため、反力モータ駆動力Mhとトルクセンサ値Thとの異符号条件が成立していても、偏差量Δhが小さいときの誤診断が回避され、精度良くバックアップクラッチ5の誤締結を判定することができる。
実施例1の車両用操舵制御装置において、前記クラッチ締結判定手段(図4)は、偏差絶対値|Δh|の閾値ωとして、一方向に切り増し操作や切り戻し操作する時の第1閾値ω1と、操作方向を変更する切り返し操作時の第2閾値ω2と、を設定し、かつ、前記第2閾値ω2を、前記第1閾値ω1よりも大きな値とした。
例えば、バックアップクラッチが誤締結する場合、反力モータ駆動力とトルクセンサ値との偏差が急激に広がる(図6,図7,図8参照)。短時間での判定を行うという目的から考えると、偏差閾値は小さい方がいいが、その場合、誤診断の可能性が高くなる。一方、切り返し操作時は、反力モータの電流値の応答時間などが原因で、誤締結をしていなくても偏差がある程度まではついてしまう。
これに対し、実施例1では、切り返し操作時の第2閾値ω2を、一方向に切り増し操作や切り戻し操作する時の第1閾値ω1よりも大きな値としたため、切り返し操作時の誤診断を回避しつつ、可能な限り短時間でバックアップクラッチ5の誤締結を判定することができる。
実施例1では、車両用操舵制御装置において、前記クラッチ締結判定手段(図4)は、反力モータ駆動力Mhとトルクセンサ値Thとの偏差条件と異符号条件が共に成立した場合、クラッチ締結診断フラグを立ち上げて指令転舵角を実転舵角にする(ステップS104)。
例えば、誤診断を回避するには、条件成立状態が継続していることを確認した後、クラッチ誤締結を判定する手法が採られる。しかし、条件成立状態のままで待っている間においてもバックアップクラッチは誤締結しているため、指令転舵角と実転舵角の偏差が埋まらず、操舵ハンドルが取られることになる。
これに対し、実施例1では、条件成立の場合、クラッチ締結診断フラグを立ち上げて指令転舵角を実転舵角にするため、条件成立状態のままで待っている間において指令転舵角と実転舵角の偏差を無くすことで、クラッチ誤締結であると確定する判定タイミングより早期のタイミングから、操舵ハンドル1が取られるという挙動を抑制することができる。
実施例1では、車両用操舵制御装置において、前記クラッチ締結判定手段(図4)は、クラッチ締結診断フラグを立ち上げた状態が一定時間t1以上継続した場合(ステップS105でYes)、前記バックアップクラッチ5が誤締結であると判定してクラッチ締結確定フラグを立ち上げる(ステップS106)。
例えば、偏差条件と異符号条件が共に成立すると直ちにバックアップクラッチが誤締結であると判定するようにした場合、バックアップクラッチは誤締結していないが、ノイズ影響により瞬間的に偏差条件と異符号条件が共に成立した場合、誤診断となってしまう。
これに対し、実施例1では、偏差条件と異符号条件が共に成立した状態が一定時間t1以上継続という時間条件を付加し、バックアップクラッチ5の誤締結を判定するため、ノイズ影響により瞬間的に偏差条件と異符号条件が共に成立しても、誤診断を回避することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 運転者が操作する操舵ハンドル1と、前記操舵ハンドル1とは機械的に切り離され、左右前輪9,9を転舵する舵取り機構8と、前記操舵ハンドル1に操舵反力を付与する反力モータ4と、前記舵取り機構8に転舵力を付与する転舵モータ6と、前記操舵ハンドル1と前記舵取り機構8とを機械的に断接するバックアップクラッチ5と、前記操舵ハンドル1に付与される反力を検出するトルクセンサ2と、前記反力モータ4に付与した駆動力Mhの方向と、前記トルクセンサ2により検出されるトルクセンサ値Thの方向と、が異なるとき、前記バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定するクラッチ締結判定手段(図4)と、を備えたため、バックアップクラッチの誤締結を短時間にて判定することで、バックアップクラッチの誤締結が発生しても応答良くスムーズに、ハンドル操作を続行することができる。
(2) 前記反力モータ4に付与した駆動力Mhと、前記トルクセンサ2により検出されるトルクセンサ値Thとの偏差Δhを算出する偏差算出手段(ステップS102)を設け、前記クラッチ締結判定手段(図4)は、前記偏差算出手段により算出された偏差Δhの絶対値が閾値ω以上で、かつ、前記反力モータ4に付与した駆動力Mhの方向と、前記トルクセンサ2により検出されるトルクセンサ値Thの方向と、が異なるとき(ステップS103でYes)、前記バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定するため、反力モータ駆動力Mhとトルクセンサ値Thとの異符号条件が成立していても、偏差量Δhが小さいときの誤診断が回避され、精度良くバックアップクラッチ5の誤締結を判定することができる。
(3) 前記クラッチ締結判定手段(図4)は、偏差絶対値|Δh|の閾値ωとして、一方向に切り増し操作や切り戻し操作する時の第1閾値ω1と、操作方向を変更する切り返し操作時の第2閾値ω2と、を設定し、かつ、前記第2閾値ω2を、前記第1閾値ω1よりも大きな値としたため、切り返し操作時の誤診断を回避しつつ、可能な限り短時間でバックアップクラッチ5の誤締結を判定することができる。
(4) 前記クラッチ締結判定手段(図4)は、反力モータ駆動力Mhとトルクセンサ値Thとの偏差条件と異符号条件が共に成立した場合、クラッチ締結診断フラグを立ち上げて指令転舵角を実転舵角にする(ステップS104)ため、条件成立状態のままで待っている間において指令転舵角と実転舵角の偏差を無くすことで、クラッチ誤締結であると確定する判定タイミングより早期のタイミングから、操舵ハンドル1が取られるという挙動を抑制することができる。
(5) 前記クラッチ締結判定手段(図4)は、クラッチ締結診断フラグを立ち上げた状態が一定時間t1以上継続した場合(ステップS105でYes)、前記バックアップクラッチ5が誤締結であると判定してクラッチ締結確定フラグを立ち上げる(ステップS106)ため、ノイズ影響により瞬間的に偏差条件と異符号条件が共に成立しても、誤診断を回避することができる。
実施例2は、バックアップクラッチの誤締結が起こり得る状況でのみバックアップクラッチの誤締結判定を行うようにした例である。
なお、システム構成については、図1〜図3に示した実施例1の構成と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
[クラッチ締結判定手段]
図9は、実施例2の第1例における反力コントローラ11および転舵コントローラ12にて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(クラッチ締結判定手段)。なお、ステップS212〜ステップS216については、図4に示すフローチャートのステップS102〜ステップS106とそれぞれ同じ処理であるため、説明を省略する。
ステップS211では、バックアップクラッチ締結判定に用いる各信号の取得、演算を行う。つまり、操舵角θ、反力モータ実電流値Ihとトルクセンサ値Thを取得し、操舵角θを時間により微分演算処理することで操舵角速度θ'を算出すると共に、反力モータ実電流値Ihに反力モータ4のトルク定数τhを掛けることで、反力モータ4の駆動力Mhを算出し、ステップS217へ移行する。
ステップS217では、ステップS211でのバックアップクラッチ締結判定に用いる各信号の取得・演算に続き、操舵角速度θ'が第1速度閾値λ1以上であるか否かを判断し、Yesの場合はステップS212へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する(締結判定必要状況検出手段)。
ここで、第1速度閾値λ1は、急激な操作時(約2Hz)での操舵角速度の値とする。
図10は、実施例2の第2例における反力コントローラ11および転舵コントローラ12にて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(クラッチ締結判定手段)。なお、ステップS222〜ステップS226については、図4に示すフローチャートのステップS102〜ステップS106とそれぞれ同じ処理であるため、説明を省略する。
ステップS221では、バックアップクラッチ締結判定に用いる各信号の取得、演算を行う。つまり、反力モータ実電流値Ihとトルクセンサ値Thを取得し、反力モータ実電流値Ihを時間により微分演算処理することで反力モータ実電流値変化量Ih'を算出すると共に、反力モータ実電流値Ihに反力モータ4のトルク定数τhを掛けることで、反力モータ4の駆動力Mhを算出し、ステップS227へ移行する。
ステップS227では、ステップS221でのバックアップクラッチ締結判定に用いる各信号の取得・演算に続き、反力モータ実電流値変化量Ih'が第2速度閾値λ2以上であるか否かを判断し、Yesの場合はステップS222へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する(締結判定必要状況検出手段)。
ここで、第2速度閾値λ2は、急激な操作時(約2Hz)での反力モータ実電流値変化量の値とする。
図11は、実施例2の第3例における反力コントローラ11および転舵コントローラ12にて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(クラッチ締結判定手段)。なお、ステップS232〜ステップS236については、図4に示すフローチャートのステップS102〜ステップS106とそれぞれ同じ処理であるため、説明を省略する。
ステップS231では、バックアップクラッチ締結判定に用いる各信号の取得、演算を行う。つまり、反力モータ実電流値Ihとトルクセンサ値Thを取得し、トルクセンサ値Thを時間により微分演算処理することでトルクセンサ値変化量Th'を算出すると共に、反力モータ実電流値Ihに反力モータ4のトルク定数τhを掛けることで、反力モータ4の駆動力Mhを算出し、ステップS237へ移行する。
ステップS237では、ステップS231でのバックアップクラッチ締結判定に用いる各信号の取得・演算に続き、トルクセンサ値変化量Th'が第3速度閾値λ3以上であるか否かを判断し、Yesの場合はステップS232へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する(締結判定必要状況検出手段)。
ここで、第3速度閾値λ3は、急激な操作時(約2Hz)でのトルクセンサ値変化量の値とする。
次に、作用を説明する。
実施例1では、常にバックアップクラッチ5の誤締結診断を行う例としているが、バックアップクラッチ5の誤締結が起こり得る状況は、操作部で非常に早い操舵を行った場合や素早い切り返しを行った場合なので、そのような状況のときにのみ誤締結診断を行うことで、誤診断を回避するようにしたのが実施例2である。
具体的には、実施例2の第1例では、図9のフローチャートに示すように、操舵角速度θ'が第1速度閾値λ1以上であり、ステップS211→ステップS217→ステップS212へと進む場合である。
あるいは、実施例2の第2例では、図10のフローチャートに示すように、反力モータ実電流値変化量Ih'が第2速度閾値λ2以上であり、ステップS221→ステップS227→ステップS222へと進む場合である。
あるいは、実施例2の第3例では、図11のフローチャートに示すように、トルクセンサ値変化量Th'が第3速度閾値λ3以上であり、ステップS231→ステップS237→ステップS232へと進む場合である。
これらの誤締結診断を行うための条件は、バックアップクラッチ5の誤締結が起きる可能性が高い、急激な操作時(約2Hz以上)の操舵角速度θ'、反力モータ実電流値変化量Ih'、トルクセンサ値変化量Th'が計測される場合である。
上記のように、実施例2の車両用操舵制御装置では、前記バックアップクラッチ5の締結判定が必要な状況を検出する締結判定必要状況検出手段を設け、前記クラッチ締結判定手段(図9,図10,図11)は、前記バックアップクラッチ5の締結判定が必要な状況が検出されたとき、前記バックアップクラッチ5の締結判定を行う。
例えば、常にバックアップクラッチの誤締結判定を行うようにした場合、バックアップクラッチの誤締結が起こり得ないような状況で、センサノイズなどの影響があると、その影響を受けて、誤診断してしまうことになる。
これに対し、実施例1では、上記のように、バックアップクラッチ5の締結判定が必要な状況が検出されたとき判定を行う、つまり、締結判定が不必要な状況ではクラッチ締結判定を実行しないため、締結判定が不必要な状況においてバックアップクラッチ5が締結状態であると誤診断するのを回避することができる。
実施例2の車両用操舵制御装置において、前記締結判定必要状況検出手段(ステップS217)は、前記操舵ハンドル1の操作速度である操舵角速度θ'が第1速度閾値λ1以上であるとき、前記バックアップクラッチ5の締結判定が必要な状況であると検出する。
例えば、バックアップクラッチとしては、内外輪により楔状空間を形成し、その楔状空間に保持器により拘束されたローラを配置し、保持器の拘束を解くことで楔状空間にローラを挟持し、クラッチ締結状態とするものが用いられる。このような構造を持つバックアップクラッチの誤締結が起こる状況としては、操作部の操作速度がある程度以上速くなり、バックアップクラッチの内輪のローラが自由回転できずに動き出す場合が考えられ、それ以外の状況では起こり得ない。
これに対し、実施例2の第1例では、操舵角速度θ'が第1速度閾値λ1以上であるとき、バックアップクラッチ5の締結判定を行うようにしたため、操作部の操作速度が速い場合の診断が必要な状況でのみ的確に診断を行うことができる。
実施例2の車両用操舵制御装置において、前記締結判定必要状況検出手段(ステップS227)は、前記反力モータ4の駆動力の変化速度である反力モータ実電流値変化量Ih'が第2速度閾値λ2以上であるとき、前記バックアップクラッチ5の締結判定が必要な状況であると検出する。
例えば、バックアップクラッチの誤締結が起こる状況としては、ある程度の操作速度でハンドルを切り返したときなどがある。切り返し時は、反力モータの電流値が急激に変化することになる。
これに対し、実施例2の第2例では、反力モータ実電流値変化量Ih'が第2速度閾値λ2以上であるとき、バックアップクラッチ5の締結判定を行うようにしたため、切り返し操作により反力モータ実電流値Ihが変化する診断が必要な状況でのみ的確に診断を行うことができる。
実施例2の車両用操舵制御装置において、前記締結判定必要状況検出手段(ステップS237)は、前記トルクセンサ2からのトルクセンサ値の変化速度Thであるトルクセンサ値変化量Th'が第3速度閾値λ3以上であるとき、前記バックアップクラッチの締結判定が必要な状況であると検出する。
例えば、バックアップクラッチの誤締結が起こる状況としては、ある程度の操作速度でハンドルを切り返したときなどがある。切り返し時は、反力トルクの検出値であるトルクセンサ値が反転することになる。
これに対し、実施例2の第3例では、トルクセンサ値変化量Th'が第3速度閾値λ3以上であるとき、バックアップクラッチ5の締結判定を行うようにしたため、切り返し操作によりトルクセンサ値Thが変化する診断が必要な状況でのみ的確に診断を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵制御装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(5)に加え、下記に列挙する効果が得られる。
(6) 前記バックアップクラッチ5の締結判定が必要な状況を検出する締結判定必要状況検出手段を設け、前記クラッチ締結判定手段(図9,図10,図11)は、前記バックアップクラッチ5の締結判定が必要な状況が検出されたとき、前記バックアップクラッチ5の締結判定を行うため、締結判定が不必要な状況においてバックアップクラッチ5が締結状態であると誤診断するのを回避することができる。
(7) 前記締結判定必要状況検出手段(ステップS217)は、前記操舵ハンドル1の操作速度である操舵角速度θ'が第1速度閾値λ1以上であるとき、前記バックアップクラッチ5の締結判定が必要な状況であると検出するため、操作部の操作速度が速い場合の診断が必要な状況でのみ的確に診断を行うことができる。
(8) 前記締結判定必要状況検出手段(ステップS227)は、前記反力モータ4の駆動力の変化速度である反力モータ実電流値変化量Ih'が第2速度閾値λ2以上であるとき、前記バックアップクラッチ5の締結判定が必要な状況であると検出するため、切り返し操作により反力モータ実電流値Ihが変化する診断が必要な状況でのみ的確に診断を行うことができる。
(9) 前記締結判定必要状況検出手段(ステップS237)は、前記トルクセンサ2からのトルクセンサ値の変化速度Thであるトルクセンサ値変化量Th'が第3速度閾値λ3以上であるとき、前記バックアップクラッチの締結判定が必要な状況であると検出するため、切り返し操作によりトルクセンサ値Thが変化する診断が必要な状況でのみ的確に診断を行うことができる。
実施例3は、バックアップクラッチの誤締結が判定されたとき、転舵モータあるいは反力モータを用いてバックアップクラッチの締結を解除するようにした例である。
なお、システム構成については、図1〜図3に示した実施例1の構成と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
[バックアップクラッチ締結解除手段]
図12は、実施例3の第1例における操舵反力コントローラ10及び転舵コントローラ11にて実行されるバックアップクラッチ締結解除処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(バックアップクラッチ締結解除手段)。なお、この処理は、各コントローラ11,12においてSBW制御演算周期(例えば、5msec)毎に実行される。
ステップS311では、実施例1,2のバックアップクラッチ締結判定処理により、クラッチ締結確定フラグが立っているか否かを判断し、Yesの場合はステップS312へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
ステップS312では、ステップS311でのクラッチ締結確定フラグオンとの判断に続き、実転舵角を指令転舵角として転舵モータ6を駆動し、ステップS313へ移行する。
ここで、実転舵角を指令転舵角として転舵モータ6を駆動すると、転舵モータ6により締結方向とは逆方向の駆動トルクがかかるので、バックアップクラッチ5の誤締結を解除することができる。
ステップS313では、ステップS312での実転舵角を指令転舵角にする処理に続き、転舵モータ角度センサ7からの実転舵角θtを時間により微分演算処理することにより転舵角速度θt'を算出し、ステップS314へ移行する。
ステップS314では、ステップS313での転舵角速度算出に続き、転舵角速度θt'の前回値と現在値とが異符号が否かを判断し、Yesの場合はステップS315へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
すなわち、ステップS314では、転舵角速度θt'の符号が逆転(正→負、負→正)した場合に転舵モータ6によって逆方向トルクが与えられたと判断する。ここで、転舵角速度θt'の符号を監視しているのは、転舵モータ6の慣性や電流制御の応答性等を考慮し、実際の転舵モータ6が動き出したことを検出することで、確実にバックアップクラッチ5の締結が解除されたことを判断するという目的がある。
ステップS315では、ステップS314での転舵角速度θt'の前回値と現在値とが異符号、つまり、バックアップクラッチ5の締結が解除されたとの判断に続き、クラッチ締結確定フラグをクリアし、可変ギヤ比を1対1にしたSBW制御を行い、リターンへ移行する。
図13は、実施例3の第2例における操舵反力コントローラ10及び転舵コントローラ11にて実行されるバックアップクラッチ締結解除処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(バックアップクラッチ締結解除手段)。なお、この処理は、各コントローラ11,12においてSBW制御演算周期(例えば、5msec)毎に実行される。
ステップS321では、実施例1,2のバックアップクラッチ締結判定処理により、クラッチ締結確定フラグが立っているか否かを判断し、Yesの場合はステップS322へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
ステップS322では、ステップS311でのクラッチ締結確定フラグオンとの判断に続き、ステアリングギア比が1以下か否かを判断し、Yesの場合はステップS323へ移行し、Noの場合はステップS324へ移行する。
ステップS323では、ステップS322でのステアリングギア比が1以下であるとの判断に続き、反力モータ4により締結方向とは逆方向のトルクを付与し、ステップS324へ移行する。
すなわち、バックアップクラッチ5の誤締結時にギア比が1以下になるような可変ギヤ比制御を行っている場合(図2参照)、反力モータ4の指令電流値を、締結方向とは逆方向のトルクがかかる値にすることで、バックアップクラッチ5に逆方向のトルクがかかり、バックアップクラッチ5の誤締結を解除することができる。
ステップS324では、ステップS322でのステアリングギア比が1を超えているとの判断に続き、実転舵角を指令転舵角として転舵モータ6を駆動し、ステップS324へ移行する。
すなわち、実転舵角を指令転舵角として転舵モータ6を駆動すると、転舵モータ6により締結方向とは逆方向の駆動トルクがかかるので、バックアップクラッチ5の誤締結を解除することができる。
ステップS325では、ステップS323またはステップS324でのバックアップクラッチ5の誤締結を解除するトルクの付与に続き、バックアップクラッチ解除判定に用いる各信号の取得、演算を行う。つまり、反力モータ実電流値Ihとトルクセンサ値Thを取得し、反力モータ実電流値Ihに反力モータ4のトルク定数τhを掛けることで、反力モータ4の駆動力Mhを算出し、ステップS326へ移行する。
ステップS326では、ステップS325での反力モータ実電流値Ihとトルクセンサ値Thの取得、反力モータ4の駆動力Mhの算出に続き、トルクセンサ値Thと、反力モータ4の駆動力Mhと、の偏差Δhを算出し、ステップS327へ移行する。
ステップS327では、ステップS326での偏差Δhの算出に続き、偏差Δhの絶対値が第3閾値ω3以下で、かつ、トルクセンサ値Thの符号と、反力モータ4の駆動力Mhの符号が同符号であるか否かを判断し、Yesの場合はステップS328へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
ここで、偏差Δhの絶対値の第3閾値ω3は、バックアップクラッチ5の締結状態が解除されたか否かを判定するための閾値なので、締結状態の判定に用いる上記第1閾値ω1や第2閾値ω2に比べ、より小さい値に設定する。例えば、バックアップクラッチ5が非締結状態でドライバーが操舵可能な速度で操舵している状態での反力モータ4の駆動力とトルクセンサ値との偏差を実験で測定し、それを第3閾値ω3とする。
ステップS328では、ステップS327でのΔh≦ω3、かつ、ThとMhが同符号であるとの判断に続き、クラッチ締結確定フラグをクリアし、可変ギヤ比を1対1にしたSBW制御を行い、リターンへ移行する。
次に、作用を説明する。
まず、実施例3の第1例におけるバックアップクラッチ5の締結解除作用を説明する。
実施例1,2のバックアップクラッチ締結判定処理により、クラッチ締結確定フラグが立てられた場合、図12のフローチャートにおいて、ステップS311→ステップS312へと進み、ステップS312では、実転舵角を指令転舵角として転舵モータ6を駆動し、転舵モータ6により締結方向とは逆方向の駆動トルクをかけて、バックアップクラッチ5の誤締結を解除する。
そして、次のステップS313では、転舵角速度θt'を算出し、次のステップS314では、転舵角速度θt'の前回値と現在値とが異符号が否かを判断する。そして、転舵角速度θt'の符号が逆転(正→負、負→正)した場合、転舵モータ6によって逆方向トルクが与えられたと判断し、次のステップS315では、クラッチ締結確定フラグをクリアし、可変ギヤ比を1対1にしたSBW制御を行う。
次に、実施例3の第2例におけるバックアップクラッチ5の締結解除作用を説明する。
実施例1,2のバックアップクラッチ締結判定処理により、クラッチ締結確定フラグが立てられた場合、ステップS322へ進み、ステップS322では、ステアリングギア比が1以下か否かを判断する。
ステアリングギア比が1以下の場合には、ステップS323へ進み、ステップS323では、反力モータ4により締結方向とは逆方向のトルクを付与し、バックアップクラッチ5の誤締結を解除する。
一方、ステアリングギア比が1を超えている場合には、ステップS324へ進み、ステップS324では、実転舵角を指令転舵角として転舵モータ6を駆動し、転舵モータ6により締結方向とは逆方向の駆動トルクをかけて、バックアップクラッチ5の誤締結を解除する。
そして、次のステップS325では、反力モータ実電流値Ihとトルクセンサ値Thの取得、反力モータ4の駆動力Mhの算出をし、次のステップS326では、トルクセンサ値Thと反力モータ駆動力Mhとの偏差Δhを算出し、次のステップS327では、偏差Δh≦ω3、かつ、ThとMhが同符号であるか否かの判断をする。そして、ステップS327の条件が成立したと判断した場合、反力モータ4あるいは転舵モータ6によって逆方向トルクが与えられたと判断し、次のステップS328では、クラッチ締結確定フラグをクリアし、可変ギヤ比を1対1にしたSBW制御を行う。
ここで、ステアリングギア比が1以下の場合に反力モータ4により締結方向とは逆方向のトルクを付与する理由について説明する。
ステアリングギア比が1以下の場合には、バックアップクラッチ5が締結したときの操舵角と実転舵角および操舵角に対する指令転舵角の比により決まる角度に戻るように転舵モータ6を駆動することになるので、ドライバーがその角度から切り増しするのは困難となる。このときは、転舵モータ6によって締結方向と逆方向のトルクを与える方法の他に、反力モータ4によって逆方向のトルクを与えることも可能である。SBW制御時は、反力モータ4は角度制御(=反力コントローラ11によって指令操舵角を算出し、反力モータ4の実操舵角を追従させる制御)を行っていないので、指令電流値を逆方向のトルクを与える方向に設定する。
上記のように、実施例3の車両用操舵制御装置において、前記クラッチ締結判定手段(図4,図9,図10,図11)により前記バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定したとき、転舵モータ6または反力モータ4を用い、前記バックアップクラッチ5の締結方向とは逆方向にトルクを付与するクラッチ締結解除手段(図12,図13)を設けた。
例えば、バックアップクラッチの誤締結が判定された場合、直ちにバックアップクラッチを締結してのEPS制御などに移行してしまうと、今まで実行されてきた可変ギヤ比によるSBW制御のメリットを損なう。また、バックアップクラッチの誤締結は、ローラが動き出すなどのクラッチ作動不良を原因とする場合が多く見受けられる。
これに対し、実施例1では、上記のように、バックアップクラッチ5の誤締結が判定された場合、転舵モータ6または反力モータ4を用い、バックアップクラッチ5の締結方向とは逆方向にトルクを付与するようにしたため、クラッチ作動不良を原因とするバックアップクラッチ5の誤締結判定後、直ちに誤締結を解除することができるし、その後、再びSBW制御を継続することで、SBW制御のメリットを最大限に享受することができる。
実施例3の車両用操舵制御装置において、前記クラッチ締結解除手段(図12)は、前記バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定した時点での実転舵角を指令転舵角として転舵モータ6を駆動する(ステップS312)。
例えば、バックアップクラッチの誤締結を解除するためには、バックアップクラッチの締結方向と逆方向のトルクをバックアップクラッチに加える必要がある。
これに対し、実施例3では、上記のように、バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定した時点での実転舵角を指令転舵角として転舵モータ6を駆動するため、バックアップクラッチ5に逆方向のトルクを加えて、バックアップクラッチ5の誤締結を解除することができる。
実施例3の車両用操舵制御装置において、前記クラッチ締結解除手段(図13)は、前記バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定した時点で、クラッチ締結ギヤ比(ギヤ比=1)以下となるような可変ギヤ比制御を行っている場合(ステップS322でYes)、反力モータ4によりクラッチ締結とは逆方向にトルクを付与する(ステップS323)。
例えば、ステアリングギア比が1以下の場合には、上記のように、バックアップクラッチが締結したときの舵角比に戻るように転舵モータを駆動するため、クラッチ解除のために転舵モータを用いることができない。
これに対し、実施例3では、上記のように、ギヤ比1以下となるような可変ギヤ比制御を行っている場合、反力モータ4によりクラッチ締結とは逆方向にトルクを付与するため、バックアップクラッチ5に逆方向のトルクを加えて、バックアップクラッチ5の誤締結を解除することができる。
実施例3の車両用操舵制御装置において、前記クラッチ締結解除手段(図13)は、前記反力モータ4に付与した駆動力Mhと、前記トルクセンサ2により検出されるトルクセンサ値Thとの偏差Δhの絶対値が第3閾値ω3以下で、かつ、前記反力モータ駆動力Mhの方向と、前記トルクセンサ値Thの方向と、が同じとなったとき(ステップS327でYes)、前記バックアップクラッチ5の締結が解除されたと判定する。
例えば、バックアップクラッチの誤締結を解除するためには、バックアップクラッチの締結方向と逆方向のトルクをバックアップクラッチに加える必要がある。
これに対し、実施例3では、上記のように、偏差Δh≦ω3、かつ、ThとMhが同符号であるとき、バックアップクラッチ5の締結が解除されたと判定するため、反力モータ4が逆方向に回転を始めたときに逆方向のトルクが加わったとの判定に基づき、短時間にてバックアップクラッチ5の締結解除の診断を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用操舵制御装置にあっては、実施例1,2の効果に加え、下記に列挙する効果が得られる。
(10) 前記クラッチ締結判定手段(図4,図9,図10,図11)により前記バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定したとき、転舵モータ6または反力モータ4を用い、前記バックアップクラッチ5の締結方向とは逆方向にトルクを付与するクラッチ締結解除手段(図12,図13)を設けたため、クラッチ作動不良を原因とするバックアップクラッチ5の誤締結判定後、直ちに誤締結を解除することができるし、その後、再びSBW制御を継続することで、SBW制御のメリットを最大限に享受することができる。
(11) 前記クラッチ締結解除手段(図12)は、前記バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定した時点での実転舵角を指令転舵角として転舵モータ6を駆動する(ステップS312)ため、バックアップクラッチ5に逆方向のトルクを加えて、バックアップクラッチ5の誤締結を解除することができる。
(12) 前記クラッチ締結解除手段(図13)は、前記バックアップクラッチ5が締結状態になったと判定した時点で、クラッチ締結ギヤ比(ギヤ比=1)以下となるような可変ギヤ比制御を行っている場合(ステップS322でYes)、反力モータ4によりクラッチ締結とは逆方向にトルクを付与する(ステップS323)ため、バックアップクラッチ5に逆方向のトルクを加えて、バックアップクラッチ5の誤締結を解除することができる。
(13) 前記クラッチ締結解除手段(図13)は、前記反力モータ4に付与した駆動力Mhと、前記トルクセンサ2により検出されるトルクセンサ値Thとの偏差Δhの絶対値が第3閾値ω3以下で、かつ、前記反力モータ駆動力Mhの方向と、前記トルクセンサ値Thの方向と、が同じとなったとき(ステップS327でYes)、前記バックアップクラッチ5の締結が解除されたと判定するため、反力モータ4が逆方向に回転を始めたときに逆方向のトルクが加わったとの判定に基づき、短時間にてバックアップクラッチ5の締結解除の診断を行うことができる。
以上、本発明の車両用操舵制御装置を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1,2,3では、操舵反力を検出する手段として、トルクセンサ2を用いた例を示したが、操作部に付与される反力を検出する反力検出手段であれば、トルクセンサ2に限定されることなく、反力検出値の方向が変わったことを検出することができる手段であれば、他の手段を用いても良い。
実施例3では、誤締結を転舵モータ6にて解除する場合、解除する実転舵角を指令転舵角として転舵モータ6を駆動する例を示したが、実転舵角を指令転舵角とするのに代え、例えば、転舵モータ6の指令電流値を逆方向に最大のトルクを発生させるような値とする方法としても良く、この場合、短時間でバックアップクラッチ5の誤締結を解除できるようになる。
実施例1では、クラッチ締結判定手段として、偏差条件、異符号条件、時間条件の3条件により判定する例を示し、実施例2では、クラッチ締結判定手段として、実施例1の3条件に判定必要状況検出条件を加えて判定する例を示した。しかしながら、クラッチ締結判定手段としては、要するに、反力アクチュエータに付与した駆動力の方向と、反力検出手段により検出される反力検出値の方向と、が異なるとき、バックアップクラッチが締結状態になったと判定する手段であれば本発明に含まれる。
実施例1〜3では、バックアップ機構としてバックアップクラッチのみを備えたステアバイワイヤシステムへの適用例を示したが、例えば、バックアップクラッチとバックアップケーブルを有するSBWシステムであっても適用することができる。要するに、バックアップクラッチの開放により操作部と転舵部を切り離し、操作部の操作状態に応じた転舵角となるように転舵アクチュエータを駆動する制御指令を出力すると共に、転舵部の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように反力アクチュエータを駆動する制御指令を出力するステアバイワイヤ制御を実行する車両用操舵制御装置であれば適用できる。
実施例1の車両用操舵制御装置を適用したステアバイワイヤシステムの構成図である。 実施例1のステアバイワイヤ制御で実行される可変ギヤ比制御の一例を示す車速に対するギヤ比特性図である。 実施例1のステアバイワイヤ制御のうち転舵制御としてロバストモデルマッチング手法を採用した場合の制御ブロック図である。 実施例1の操舵反力コントローラ及び転舵コントローラにて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートである。 バックアップクラッチが誤締結した場合の操舵角・実転舵角・指令転舵角の関係の一例を示す特性図である。 一方向操作時にクラッチ誤締結した場合の反力モータ駆動力とトルクセンサ値の特性およびクラッチ誤締結前とクラッチ誤締結後の力や回転の方向の変化作用を示す作用説明図である。 切り返し操作時にクラッチ誤締結した場合の反力モータ駆動力とトルクセンサ値の特性およびクラッチ誤締結前とクラッチ誤締結後の力や回転の方向の変化作用を示す作用説明図である。 一方向操作時にクラッチ誤締結した後にハンドル手放し操作した場合の反力モータ駆動力とトルクセンサ値の特性およびクラッチ誤締結前とクラッチ誤締結後の力や回転の方向の変化作用を示す作用説明図である。 実施例2の第1例における操舵反力コントローラ及び転舵コントローラにて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の第2例における操舵反力コントローラ及び転舵コントローラにて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の第3例における操舵反力コントローラ及び転舵コントローラにて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3の第1例における操舵反力コントローラ及び転舵コントローラにて実行されるバックアップクラッチ締結解除処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3の第2例における操舵反力コントローラ及び転舵コントローラにて実行されるバックアップクラッチ締結解除処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 操舵ハンドル(操作部)
2 トルクセンサ(反力検出手段)
3 操舵角センサ
4 反力モータ(反力アクチュエータ)
5 バックアップクラッチ
6 転舵モータ(転舵アクチュエータ)
7 転舵モータ角度センサ
8 舵取り機構(転舵部)
9,9 左右前輪(操向輪)
10 軸力センサ
11 反力コントローラ
12 転舵コントローラ
13 通信ライン

Claims (13)

  1. 運転者が操作する操作部と、
    前記操作部とは機械的に切り離され、操向輪を転舵する転舵部と、
    前記操作部に操舵反力を付与する反力アクチュエータと、
    前記転舵部に転舵力を付与する転舵アクチュエータと、
    前記操作部と前記転舵部とを機械的に断接するバックアップクラッチと、
    前記操作部に付与される反力を検出する反力検出手段と、
    前記反力アクチュエータに付与した駆動力の方向と、前記反力検出手段により検出される反力検出値の方向と、が異なるとき、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定するクラッチ締結判定手段と、
    前記反力アクチュエータに付与した駆動力と、前記反力検出手段により検出される反力検出値との偏差を算出する偏差算出手段と、
    を備え、
    前記クラッチ締結判定手段は、前記偏差算出手段により算出された偏差の絶対値が閾値以上で、かつ、前記反力アクチュエータに付与した駆動力の方向と、前記反力検出手段により検出される反力検出値の方向と、が異なるとき、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結判定手段は、偏差絶対値の閾値として、一方向に切り増し操作や切り戻し操作する時の第1閾値と、操作方向を変更する切り返し操作時の第2閾値と、を設定し、かつ、前記第2閾値を、前記第1閾値よりも大きな値としたことを特徴とする車両用操舵制御装置。
  3. 請求項1または2に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結判定手段は、アクチュエータ駆動力と反力検出値との偏差条件と異符号条件が共に成立した場合、クラッチ締結診断フラグを立ち上げて指令転舵角を実転舵角にすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結判定手段は、クラッチ締結診断フラグを立ち上げた状態が一定時間以上継続した場合、前記バックアップクラッチが誤締結であると判定してクラッチ締結確定フラグを立ち上げることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記バックアップクラッチの締結判定が必要な状況を検出する締結判定必要状況検出手段を設け、
    前記クラッチ締結判定手段は、前記バックアップクラッチの締結判定が必要な状況が検出されたとき、前記バックアップクラッチの締結判定を行うことを特徴とする車両用操舵制御装置。
  6. 請求項5に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記締結判定必要状況検出手段は、前記操作部の操作速度が第1速度閾値以上であるとき、前記バックアップクラッチの締結判定が必要な状況であると検出することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  7. 請求項5に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記締結判定必要状況検出手段は、前記反力アクチュエータの駆動力の変化速度が第2速度閾値以上であるとき、前記バックアップクラッチの締結判定が必要な状況であると検出することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  8. 請求項5に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記締結判定必要状況検出手段は、前記反力検出手段からの反力検出値の変化速度が第3速度閾値以上であるとき、前記バックアップクラッチの締結判定が必要な状況であると検出することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結判定手段により前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定したとき、転舵アクチュエータまたは反力アクチュエータを用い、前記バックアップクラッチの締結方向とは逆方向にトルクを付与するクラッチ締結解除手段を設けたことを特徴とする車両用操舵制御装置。
  10. 請求項9に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結解除手段は、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定した時点での実転舵角を指令転舵角として転舵アクチュエータを駆動することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  11. 請求項9に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結解除手段は、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定した時点で、クラッチ締結ギヤ比以下となるような可変ギヤ比制御を行っている場合、反力アクチュエータによりクラッチ締結とは逆方向にトルクを付与することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  12. 請求項9乃至11の何れか1項に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結解除手段は、前記反力アクチュエータに付与した駆動力と、前記反力検出手段により検出される反力検出値との偏差の絶対値が第3閾値以下で、かつ、前記反力アクチュエータに付与した駆動力の方向と、前記反力検出手段により検出される反力検出値の方向と、が同じとなったとき、前記バックアップクラッチの締結が解除されたと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  13. 運転者が操作する操作部と、
    前記操作部とは機械的に切り離され、操向輪を転舵する転舵部と、
    前記操作部に操舵反力を付与する反力アクチュエータと、
    前記転舵部に転舵力を付与する転舵アクチュエータと、
    前記操作部と前記転舵部とを機械的に断接するバックアップクラッチと、
    を備えた車両用操舵制御装置において、
    前記操作部に付与される反力を検出する反力検出手段と、
    前記反力アクチュエータに付与した駆動力と、前記反力検出手段により検出される反力検出値との偏差を算出する偏差算出手段と、
    を備え、
    記偏差算出手段により算出された偏差の絶対値が閾値以上で、かつ、前記反力アクチュエータに付与した駆動力の方向と、前記反力検出手段により検出される反力検出値の方向と、が異なるとき、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
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