JP7024372B2 - 車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置 - Google Patents

車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置 Download PDF

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Description

本開示は、車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置に関する。
従来、ステアバイワイヤ方式と称される車両のステアリング制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなステアバイワイヤ方式のステアリング制御装置では、操舵ハンドルと転舵輪とが機械的に切り離され、操舵ハンドルの操舵量を検出し、操舵量に応じて転舵輪を転舵させるようにしている。
さらに、この従来技術は、操舵状態を検出するために、操舵ハンドルの操舵に反力を与える操作反力モータと、操舵ハンドルの操作量を検出する操作量検出手段としての操作トルクセンサおよび操作角センサとを備える。
そして、自動運転制御時に、操作トルクセンサが検出する操作トルクと、操作角センサが検出する操作角とが閾値以下の操舵状態の場合は、自動運転の転舵指令を優先する。一方、操作トルクと操作角とのいずれかが閾値を越える操舵状態の場合は、操作ハンドルの操作を優先するようにしている。
特開2004-224238号公報
しかしながら、上記従来技術では、操舵状態を検出するために、操舵ハンドルと操作反力モータとの間に、バネ系の歪み成分を有するトルクセンサを設けている。
このため、トルクセンサを設けない場合と比較して、操舵ハンドルと操作反力モータとの間のトルク伝達性が低下する。これにより、ドライバが操舵を行った場合に、操舵ハンドルに対する操作反力モータからのトルク伝達に遅れが生じ、操舵感の低下を招くおそれがある。また、自動運転時など、操作反力モータの駆動により操舵ハンドルを操舵する場合、操作反力モータの回転角度に対し、操舵ハンドルの回転角度に遅れが生じ、制御に対する操舵ハンドルの応答性の低下を招くおそれがある。
本発明は、上記問題に着目して成されたもので、トルクセンサを用いることなく操舵状態の推定を可能とし、トルクセンサによる操舵感の低下や、制御応答性の低下を防止可能な車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置の提供を目的とする。
本開示の車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置は、
ステアリングホイールへの入力トルクから操舵角を算出するモデルの逆モデルを用いて、操舵角からステアリングホイールへの入力トルクに相当する推定実トルクを算出し、
反力モータ電流に基づいて反力モータの出力トルクである反力モータトルクを算出し、
前記推定実トルクと前記反力モータトルクとの差分から、ドライバによる前記ステアリングホイールへの操舵トルクに相当する推定ドライバ操舵トルクを算出し、
前記推定ドライバ操舵トルクと閾値との比較により前記ドライバの操舵状態を判定する。
ドライバの操舵状態を判定するとき、反力モータとステアリングホイールとのトルク伝達系で生じる機械的な摩擦トルクに基づく値であってドライバがステアリングホイールから手を放した手放し状態であることを判定する値を第1トルク閾値とする。
反力モータとステアリングホイールとのトルク伝達系で生じる機械的な摩擦トルクに、転舵角指令による転舵を許容した範囲内でのドライバの操舵トルクを加算した値を第2トルク閾値とする。
推定ドライバ操舵トルクが、第1トルク閾値以上かつ第2トルク閾値未満の状態の継続時間が所定時間以上の場合は、ドライバがステアリングホイールの保舵状態と判定する。
本開示の車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置では、トルクセンサを用いることなくドライバの操舵状態を求めることができる。したがって、ステアリングホイールと反力モータとの間のトルクセンサが不要であり、トルクセンサを設けることによる操舵感の低下や、制御応答性の低下を防止することが可能となる。加えて、推定ドライバ操舵トルクが、第1トルク閾値と第2トルク閾値の間の値であっても、高精度で保舵状態を判定できる。
実施の形態1の車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置が適用されたステアリングバイワイヤシステムを示す全体システム図である。 実施の形態1におけるドライバ操舵状態判定部の構成を示すブロック図である。 実施の形態1における機械系トルク伝達モデルと、その逆モデルであるトルク算出モデルとの説明図である。 実施の形態1における推定ドライバ操舵トルクから操舵状態を判定する処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1における推定ドライバ操舵トルクと各閾値との関係およびそれに基づく制御態様を示す制御特性図である。 実施の形態1におけるドライバの操舵状態に応じた制御処理を示すフローチャートである。
以下、本開示の車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず、構成を説明する。
実施の形態1の車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置は、ステアリングホイールの動きを電気信号に替えて左右前輪に伝えるステアリングバイワイヤシステムを搭載した車両に適用したものである。以下、実施の形態1の車両の操舵状態判定装置を含むステアリングバイワイヤシステムの構成を、「全体システムの構成」、「制御系の構成」、「ドライバ操舵状態判定部の構成」「ドライバ操舵状態判定処理」「転舵モード切替処理」に分けて説明する。
[全体システムの構成]
図1は、実施の形態1の車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置が適用されたステアリングバイワイヤシステム(以下、SBWシステムと称する)を示す。以下、図1に基づき全体システム構成を説明する。
SBWシステムは、機械系として、ステアリングホイール1と、反力モータ2と、転舵アクチュエータ3と、左前輪(転舵輪)FLと、右前輪(転舵輪)FRと、を備える。
また、SBWシステムは、制御系として、操転舵コントローラ4を備える。さらに、操転舵コントローラ4に転舵指令を与える自動運転コントローラ6および、この自動運転コントローラ6に、自車両の走行環境情報、走行状態情報を与えるセンサ群5を備える。
そして、操転舵コントローラ4は、反力コントロールモジュール41と転舵角コントロールモジュール42とドライバ操舵状態判定部43とを備える。
以下に、構成の詳細について説明する。
反力モータ2は、三相交流モータであり、ステアリングホイール1に対し、シャフト11を介して操舵方向へのトルクである反力モータトルクを与える。この反力モータトルクは、後述する手動転舵モードの際には、反力コントロールモジュール41からの出力に基づいて、路面からの反力に相当する反力モータトルクを発生させる。一方、後述する自動転舵モードでは、反力コントロールモジュール41の出力に基づいて、ステアリングホイール1に左右前輪FL,FRの転舵角に応じた操舵角を与える。
なお、反力モータ2の駆動伝達系には、センサ群5の構成要素として、ステアリングホイール1の操舵角を示す信号を出力する操舵角センサ51と、反力モータ2への反力モータ電流を検出する反力電流センサ53が設けられている。この反力電流センサ53が検出する電流は、反力モータ2に実際に通電される電流の値を検出してもよいし、その指令値としての制御電流の値を検出するものであってもよい。要は、反力モータ2の出力トルクに対応する電流値を検出できればよい。
転舵アクチュエータ3は、左右前輪FL,FRを転舵可能なアクチュエータであり、転舵モータ31と、ステアリングギア機構32と、を有する。
転舵モータ31は、三相交流モータであり、転舵角コントロールモジュール42からの指令によって転舵トルクを発生させる。ステアリングギア機構32は、転舵モータ31によるピニオントルクをラック軸力に変換し、ナックルアームを回転させ、左前輪FLと右前輪FRの向きを変える。
また、転舵モータ31の駆動伝達系には、センサ群5の構成要素として、転舵輪である左右前輪FL,FRの転舵角に相当する信号を出力する転舵角センサ52が設けられている。
なお、センサ群5には、上述した各センサ51~53の他に、走行環境、走行状態を検出するセンサとして、図示は省略するが、カメラ、レーダなどの自車両の前後の他車両や障害物、道路形状などを認識するセンサが含まれる。また、自車両の位置を検出するGPS受信機や、ジャイロセンサ、車速センサなどを含んでよい。
また、本実施の形態1では、ステアリングホイール1と左右前輪FL,FRとは、機械的に切り離されているが、図において点線で示すように、シャフト11と転舵アクチュエータ3のピニオンとを断接するステアリングクラッチ100を設けてもよい。この場合、ステアリングクラッチ100は、通常、解放してステアリングホイール1と左右前輪FL,FRとを機械的に切り離し、必要に応じてステアリングクラッチ100を締結して、両者を機械的に接続することができる。
[制御系の構成]
次に、実施の形態1のSBWシステムにおける制御系、すなわち、操転舵コントローラ4の構成を説明する。
操転舵コントローラ4は、手動転舵モードと自動転舵モードとの2通りの制御モードにより反力モータ2および転舵モータ31を駆動させ、左右前輪FL,FRの転舵およびステアリングホイール1の操舵を含む反力トルクの制御を行う。
手動転舵モードは、いわゆるステアバイワイヤ制御モードであり、転舵角コントロールモジュール42は、ドライバによるステアリングホイール1の操舵に応じて左右前輪FL、FRを転舵させる。この場合、ステアリングホイール1の操舵角に対する左右前輪FL、FRの転舵角には、車速に応じて可変となる可変ギア比を与える。
さらに、手動転舵モード時には、反力コントロールモジュール41は、前述したように、ステアリングホイール1を操舵するドライバに対して路面反力相当の反力を与える反力モータトルクを発生させるように反力モータ2を駆動させる。
一方、自動転舵モードでは、操転舵コントローラ4は、自動運転コントローラ6から出力される転舵角指令に応じて左右前輪FL、FRを転舵させるとともに、ステアリングホイール1を操舵(回動)させる。
すなわち、この自動転舵モードでは、転舵角コントロールモジュール42は、左右前輪FL、FRに転舵角指令に応じた転舵角を与えるよう転舵モータ31に指令を出力する。
また、この自動転舵モードでは、反力コントロールモジュール41は、ステアリングホイール1に自動運転コントローラ6から出力される転舵角指令に応じた操舵角を与えるよう反力モータ2に指令を出力する。
つまり、自動運転制御時(自動転舵モード時)には、転舵輪FL,FRの転舵に応じてステアリングホイール1に操舵角を与え、その動きによりステアリングホイール1を保持するドライバに転舵の有無や転舵方向や転舵角の大きさを感覚的に報せる。
なお、自動運転コントローラ6による自動運転制御としては、いわゆる完全自動運転制御を行うものに限らず、要は転舵輪としての左右前輪FL,FRの転舵を制御するものであればよく、いわゆる運転支援制御も含まれる。
ところで、本実施の形態1では、自動転舵モード時(すなわち、自動運転制御時)では、ドライバが、ステアリングホイール1を保持している保舵状態であることを必要条件としている。
なお、このステアリングホイール1の保舵状態とは、ステアリングホイール1を保持し、かつ、ステアリングホイール1に対して、自動運転コントローラ6からの転舵指令を許容する範囲の操舵トルクの入力しか行っていない状態のことをいう。
また、この自動運転コントローラ6からの転舵指令を許容する範囲の操舵トルクとは、転舵指令による転舵方向とは異なる方向へ転舵する場合(操舵介入状態)の操舵トルクには満たない大きさであり、例えば、修正舵相当の範囲の操舵トルクを含む。
また、上述の保舵状態ではない場合の操舵状態としては、実施の形態1では、2通りの操舵状態を指す。その1つは、ドライバがステアリングホイール1から手を放した手放し状態である。もう1つは、ドライバが、意図的に自動運転制御による転舵方向とは異なる方向に強制的に転舵しようとした状態であり、これを操舵介入状態という。
そして、本実施の形態1では、自動転舵モード(自動運転制御時)に、上記の保舵状態ではない場合には、上記の自動転舵モードをキャンセルして、手動転舵モードに移行する。
[ドライバ操舵状態判定部の構成]
本実施の形態1では、ドライバ操舵状態判定部43が、上述のドライバの操舵状態が、手放し状態、保舵状態、操舵介入状態のいずれかであるかを判定するもので、以下に、その詳細について説明する。
ドライバ操舵状態判定部43は、上記の3態様の操舵状態を判定を、ステアリングホイール1の操舵角と、反力モータ2への反力モータ電流の値とに基づいて行う。
そして、ドライバ操舵状態判定部43は、図2に示すように、反力モータトルク算出部431と、推定実トルク算出部432と、減算部433と、操舵状態判定部434とを備える。
反力モータトルク算出部431は、反力電流センサ53が検出する反力モータ電流に基づいて、反力モータ2において生じている反力モータトルクTmoを算出する。
推定実トルク算出部432は、操舵角センサ51の検出値(操舵角)から後述するトルク算出モデルmd2(図3参照)によりステアリングホイール1の操舵系に作用しているトルクである推定操舵実トルクTrealを推定する。
減算部433は、推定ドライバ操舵トルク算出部として、推定操舵実トルクTrealと反力モータトルクTmoとの差分を推定ドライバ操舵トルクsTdvとして算出する。
操舵状態判定部434は、推定ドライバ操舵トルクsTdvに基づいて、ドライバの操舵状態が、上記の手放し状態、保舵状態、ドライバ操舵介入状態のいずれかを判定する。
なお、図2に示す反力コントロールモジュール41および転舵角コントロールモジュール42では、この操舵状態判定部434の出力に基づいて、自動転舵モードを継続するか、これをキャンセルして手動転舵モードに移行するかを判定する。この手動転舵モードへ移行する場合には、同時に、ドライバにこの移行を行うことを報知する。
次に、反力モータトルク算出部431および推定実トルク算出部432の詳細を、図3に基づいて説明する。
図3は、ステアリングホイール1における機械系のトルク伝達系を表す機械系トルク伝達モデルmd1と、この機械系トルク伝達モデルmd1の逆モデルであって推定操舵実トルクTrealを算出するトルク算出モデルmd2とを示す。
機械系トルク伝達モデルmd1は、その入力として反力モータトルクTmoと、ドライバ操舵トルクTdvと、メカフリクショントルク(摩擦トルク)Tmecとが存在する。すなわち、ステアリングホイール1の機械的伝達系では、反力モータ2による反力モータトルクTmoと、ドライバの操舵によるドライバ操舵トルクTdvとが入力される。さらに、ステアリングホイール1、シャフト11(図1参照)、反力モータ2の回転時には、機械的な抵抗であるメカフリクショントルクTmecが作用するとともに、ステアリングホイール1、シャフト11、反力モータ2に慣性力(1/JsS)が作用する。そして、これらの入力および作用の結果として、実際の動きとして反力モータ角速度(deg/s)が生じ、この反力モータ角速度(deg/s)を積分値である反力モータ角度(deg)が生じる。
そこで、この機械的伝達系の機械系トルク伝達モデルmd1の逆モデルを用いれば、反力モータ角度(deg)から、ステアリングホイール1への入力トルクを求めることができる。なお、ステアリングホイール1への入力トルクは、反力モータトルクTmoとドライバ操舵トルクTdvとメカフリクショントルクTmecとの合算値である。
図3において、トルク算出モデルmd2は、反力モータ角度(deg)からドライバによる操舵トルクの推定値である推定ドライバ操舵トルクsTdvを算出するモデルを表している。
すなわち、このトルク算出モデルmd2では、図において右側から入力される反力モータ角度(deg)を時間微分して反力モータ角速度(deg/s)を取得し、さらに時間微分してステアリングホイール1の操舵系に作用するトルクを算出できる。さらに、この値から、ステアリングホイール1、シャフト11、反力モータ2の慣性モーメント(Js)分を積分することで、ステアリングホイール1およびシャフト11に作用する推定操舵実トルクTrealを得ることができる。
このトルク算出モデルmd2において、反力モータ角度(deg)から推定操舵実トルクTrealを算出する演算を行う部分が、推定実トルク算出部432を表す。
上記の推定操舵実トルクTrealには、メカフリクショントルクTmecと、ドライバ操舵トルクTdvと、反力モータトルクTmoとが含まれる。したがって、推定操舵実トルクTrealと反力モータトルクTmoを減算部433との差分が、ドライバ操舵トルクTdvとメカフリクショントルクTmecとの合計値であり、この値を本実施の形態1では、推定ドライバ操舵トルクsTdvと称する。
ここで、反力モータトルクTmoは、反力モータ電流(A)に予め設定されたトルク定数を積算することにより求める。この演算処理を行う部分が、前述した反力モータトルク算出部431を表す。
[ドライバ操舵状態判定処理]
次に、操舵状態判定部434(図2参照)において図3に示すトルク算出モデルmd2を用いて求めた推定ドライバ操舵トルクsTdvから、ドライバの操舵状態(手放し状態、保舵状態、操舵介入状態)を判定する処理について説明する。
ここで、ドライバ操舵状態判定処理の説明に先立ち、この処理に用いる閾値としての、第1トルク閾値Tlim1、第2トルク閾値Tlim2、第3トルク閾値Tlim3、時間閾値tlimについて、図5に基づいて説明する。
第1~第3トルク閾値Tlim1~3は、図5に示すように、第1トルク閾値Tlim1<第2トルク閾値Tlim2<第3トルク閾値Tlim3の関係にある。
最も小さな値である第1トルク閾値Tlim1は、ステアリングホイール1におけるメカフリクショントルクTmecに基づいてメカフリクショントルクTmec相当の値、あるいはそれよりも僅かに大きな値に設定されている。そして、この第1トルク閾値Tlim1は、ドライバがステアリングホイール1を保持している場合に算出される推定ドライバ操舵トルクsTdvの最下限よりも低い値に設定されている。
すなわち、第1トルク閾値Tlim1は、ドライバがステアリングホイール1から手を放している場合に、推定ドライバ操舵トルクsTdvが確実にこの値未満となるように設定されている。
一方、最も大きな第3トルク閾値Tlim3は、自動運転制御時の反力モータ2の出力である反力モータトルクTmoに抗して、ドライバが意図的に操舵を行う場合に算出される推定ドライバ操舵トルクsTdvの下限値相当の値に設定されている。すなわち、第3トルク閾値Tlim3は、ドライバが自動運転による転舵角とは異なる方向に転舵しようと操舵介入した場合には、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、この値以上となるように設定されている。
第2トルク閾値Tlim2は、第3トルク閾値Tlim3よりも小さく、第1トルク閾値Tlim1よりも大きい値であって、ドライバが、ステアリングホイール1を保舵している(握っている)と確実に判定できる値に設定されている。すなわち、自動運転制御時(自動転舵モード時)に、ステアリングホイール1を保舵している(握っている)場合、操舵に対してある程度の抵抗となる。また、ドライバが、自動運転による転舵は許容するが、例えば、自車両が走行している車線内の位置を補正するような修正舵を加えた場合、ある程度のドライバ操舵トルクTdvが発生する。そこで、第2トルク閾値Tlim2は、このような自動運転制御時に、ドライバがステアリングホイール1を保持ししていることで生じる抵抗や修正舵によるドライバ操舵トルクTdvと判定できる値に設定されている。
さらに、時間閾値tlimは、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、第1トルク閾値Tlim1と第2トルク閾値Tlim2との間の値である場合の判定精度を高めるために設定された値である。すなわち、ドライバがステアリングホイール1を保舵しているが、操舵トルクを加えていない場合、推定ドライバ操舵トルクsTdvは、相対的に低い値となり、第1トルク閾値Tlim1の近傍の値となる。
そこで、第1トルク閾値Tlim1のみにより、手放し状態と保舵状態とを判定しようとした場合、第1トルク閾値Tlim1を低く設定すると、手放し状態であるのに保舵状態と誤判定するおそれが生じる。また、逆に、第1トルク閾値Tlim1を高く設定すると、第2トルク閾値Tlim2に近い値となり、保舵状態であるのに手放し状態と誤判定するおそれが生じる。
そこで、本実施の形態1では、第1トルク閾値Tlim1は、確実に手放し状態を判定できる値に設定している。そして、推定ドライバ操舵トルクsTdvが第1トルク閾値Tlim1と第2トルク閾値Tlim2との間の値である場合には、両閾値のみで判定せずに、その継続時間tに基づいて手放し状態と保舵状態とを判定する。
すなわち、本実施の形態1では、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、第1トルク閾値Tlim1と第2トルク閾値Tlim2との間の継続時間tが、時間閾値tlim未満の場合は手放し状態と判定し、時間閾値tlim以上の場合は保舵状態と判定する。
図4は、上述した推定ドライバ操舵トルクsTdvと、各トルク閾値Tlim1~Tlim3との比較、および時間閾値tlimに基づくドライバ操舵状態判定の処理の流れを示すフローチャートである。なお、このドライバ操舵状態推定処理は、自動運転コントローラ6が自動運転制御を実行し、操転舵コントローラ4が自動転舵モードである場合に実行する。
最初のステップS1では、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、第2トルク閾値Tlim2以上であるか否か判定し、第2トルク閾値Tlim2以上の場合はステップS4に進み、第2トルク閾値Tlim2未満の場合は、ステップS2に進む。
ステップS2では、推定ドライバ操舵トルクsTdvが第1トルク閾値Tlim1未満か否か判定し、第1トルク閾値Tlim1未満の場合はステップS5に進み、第1トルク閾値Tlim1以上の場合はステップS3に進む。
ステップS3では、推定ドライバ操舵トルクsTdvが第2トルク閾値Tlim2未満かつ第1トルク閾値Tlim1以上の状態の継続時間tが、時間閾値tlim以上か否か判定する。そして、第2トルク閾値Tlim2未満かつ第1トルク閾値Tlim1以上の状態の継続時間tが、時間閾値tlim未満の場合は、ステップS5に進む。
ステップS3において継続時間tが時間閾値tlim未満の場合か、ステップS2において推定ドライバ操舵トルクsTdvが第1トルク閾値Tlim1未満の場合かに進むステップS5では、ドライバの操舵状態が、手放し状態と判定する。
一方、ステップS3において、推定ドライバ操舵トルクsTdvが第2トルク閾値Tlim2未満かつ第1トルク閾値Tlim1以上の状態の継続時間tが時間閾値tlim以上の場合には、ステップS6に進む。そして、このステップS6では、ドライバの操舵状態が保舵状態と判定する。
ステップS1において推定ドライバ操舵トルクsTdvが第2トルク閾値Tlim2以上の場合に進むステップS4では、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、第3トルク閾値Tlim3以上であるか否か判定する。そして、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、第3トルク閾値Tlim3以上の場合は、ステップS7に進む。このステップS7では、ドライバの操舵状態が、操舵介入状態と判定する。
一方、ステップS4においてNOとの判定、すなわち、推定ドライバ操舵トルクsTdvが第2トルク閾値Tlim2以上、かつ、第3トルク閾値Tlim3未満の場合は、ステップS6に進んで、前述のようにドライバの操舵状態が保舵状態と判定する。
[転舵モード切替処理]
次に、ドライバ操舵状態判定部43のドライバ操舵状態の判定結果に基づく操転舵コントローラ4における転舵モード切替処理について図6のフローチャートにより説明する。
最初のステップS11では、ドライバ操舵状態判定部43の判定結果が、手放し状態、保舵状態、操舵介入状態のいずれであるか判定する。そして、手放し状態の場合は、ステップS12に進んで、自動転舵モードをフェードアウト解除する。この場合、モード切替の過渡期では、ステアバイワイヤ操舵指令を優先しつつ、手動転舵モードに切り替える。また、自動転舵モードをフェードアウト解除し、手動転舵モードに切り替えるにあたり、例えば、ドライバへの操舵を促す音声や表示などの報知を行いつつ、数秒間自動転舵モードを継続させた後、手動転舵モードに切り替えてもよい。
また、ステップS11において、ドライバ操舵介入状態と判定した場合は、ステップS14に進んで、自動転舵モードを解除し、手動転舵モードに切り替える。
一方、ステップS11において、保舵状態と判定した場合は、ステップS13に進んで、自動転舵モードを継続する。
(実施の形態1の作用)
次に、実施の形態1の作用を説明する。
自動運転制御時には、自動運転コントローラ6は、目標とする転舵角を演算し、操転舵コントローラ4に転舵角指令を出力する。なお、この転舵角指令は、例えば、自車両が走行する車線や道路の白線に沿って走行させるなどの所定の自動運転を実行するために演算された値である。
操転舵コントローラ4では、入力した転舵角指令に応じて、左右前輪FL,FRを転舵せるとともに、ステアリングホイール1に転舵角指令に応じた操舵角を与えるように反力モータ2を駆動させる自動転舵モードで制御を行う。
なお、この場合のステアリングホイール1の操舵角は、ドライバに対して自車両の走行方向ならびに転舵を行っていることを報せるための操舵角であるため、手動操舵モードにおける操舵角と転舵角との関係(可変ギア比)とは必ずしも一致させる必要はない。
上述の自動運転制御時に、本実施の形態1では、ドライバがステアリングホイール1を保舵することを義務付けている。
すなわち、ドライバがステアリングホイール1を保舵している場合は、自動運転制御を継続し、自動転舵モードによる操転舵の制御を行う。しかしながら、ドライバがステアリングホイール1から手を放した場合には、保舵するように促す警告を行うとともに、制御モードを、自動転舵モードをフェードアウト解除しながら手動転舵モードに切り替える。すなわち、直ちに手動転舵モードに切り替えるのではなく、数秒間などの短時間、自動転舵モードを継続し、これを優先させつつ、手動転舵モードに切り替える。また、自動運転制御についても制御出力の制御への反映を中止する。
また、ドライバが、自動運転制御中に、例えば、車線変更を行う場合などのように、転舵角指令に応じた方向とは異なる方向に操舵を行う操舵介入を行った場合も、制御モードを、自動転舵モードから手動転舵モードに切り替える。
本実施の形態1では、上述のようなドライバの操舵状態、すなわち、手放し状態、保舵状態、操舵介入状態の判定を、操舵角と反力モータ電流とから算出した推定ドライバ操舵トルクsTdvに基づいて行う。
すなわち、図3に示すトルク算出モデルmd2を用い、操舵角センサ51が検出する操舵角と反力電流センサ53が検出する反力モータ電流とに基づいて、推定操舵実トルクTrealを算出する。
さらに、この推定操舵実トルクTrealと反力モータトルクTmoとの差分から推定ドライバ操舵トルクsTdvを演算する。
そして、推定ドライバ操舵トルクsTdvからドライバの操舵状態を判定する。
具体的には、上述の推定ドライバ操舵トルクsTdvには、メカフリクショントルクTmecが含まれている。そこで、この推定ドライバ操舵トルクsTdvが、メカフリクショントルクTmec相当の値か、それに何らかの操舵トルクが加わっているかを、閾値と比較することにより、手放し状態か否かを判定することができる。
この場合、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、第1トルク閾値Tlim1よりも小さければ、即、手放し状態と判定する。この第1トルク閾値Tlim1は、予め分かっているメカフリクショントルクTmec相当の値に設定することにより、メカフリクショントルクTmec以上のトルクが作用していないとして、手放し状態であることを即座に判定することができる。
また、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、第1トルク閾値Tlim1よりも大きいが、修正舵を加えた場合の操舵トルク(第2トルク閾値Tlim2)よりも小さい値の場合は、取りあえず手放し状態と判定する。
そして、この状態の継続時間tが所定時間(時間閾値tlim)を越えて継続すれば保舵状態と判定する。
すなわち、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、メカフリクショントルクTmecよりも僅かに高い状態が、時間閾値tlimを越えて継続した場合には、人為的なトルクが継続して加えられているとして、ドライバが保舵あるいは小さな力で操舵していると判定する。
さらに、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、第2トルク閾値Tlim2以上、かつ、第3トルク閾値Tlim3未満の場合は、即、保舵状態と判定する。
このように、ステアリングホイール1に、接触センサなどを設けることなく、ドライバがステアリングホイール1の保舵状態か手放し状態かを判定することができる。
そして、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、第3トルク閾値Tlim3以上の場合は、即、操舵介入状態と判定する。
上述のように、実施の形態1では、ドライバの操舵状態の判定を、演算により求めた推定ドライバ操舵トルクsTdvに基づいて行い、ステアリングホイール1と反力モータ2との間に、トルクセンサを設けない構造としている。
したがって、ステアリングホイール1と反力モータ2との間にトルクセンサが設けられているものと比較して、ステアリングホイール1と反力モータ2との間のトルク伝達性に優れる。このため、SBW制御モードでは、ドライバがステアリングホイール1を操舵した場合に、ステアリングホイール1の操舵に対し反力モータ2からの反力トルクの伝達に遅れが生じにくく、操舵感の低下を招きにくい。
また、自動運転制御時には、反力モータ2の駆動によりステアリングホイール1を操舵させる場合に、反力モータ2の回転角度に対し、ステアリングホイール1の回転角度に遅れが生じにくく、制御に対するステアリングホイール1の応答性に優れる。
これにより、左右前輪FL,FRの転舵と、ステアリングホイール1の動き(操舵)との整合性が高く、ドライバに対して、ステアリングホイール1の応答遅れによる違和感を与えにくい。
(実施の形態1の効果)
以下に、実施の形態1の車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置の効果を列挙する。
1)実施の形態1の車両の操舵状態判定方法は、
車両に設けられたステアリングホイール1と、
ステアリングホイール1にモータ反力トルクを与える反力モータ2と、
ステアリングホイール1から機械的に切り離された転舵輪としての左右前輪FL,FRを転舵させる転舵モータ31と、
ステアリングホイール1の操舵角を検出する操舵角センサ51と、
反力モータ2への反力モータ電流を検出する反力電流センサ53と、
転舵モータ31に、車両制御装置としての自動運転コントローラ6から出力される転舵角指令に応じた転舵角を左右前輪FL,FRに与える指令を出力し、かつ、転舵角指令に応じた操舵角をステアリングホイール1に与える指令としての反力モータ電流を反力モータ2に出力する操転舵コントローラ4と、
を備えた車両の操舵状態判定方法であって、
ステアリングホイール1への入力トルクから操舵角を算出する機械系トルク伝達モデルmd1の逆モデルとしてのトルク算出モデルmd2を用いて、操舵角からステアリングホイール1への入力トルクに相当する推定操舵実トルクTrealを算出し、
反力電流センサ53が検出する反力モータ電流に基づいて反力モータ2の出力トルクである反力モータトルクTmoを算出し、
推定操舵実トルクTrealと反力モータトルクTmoとの差分から、ドライバによるステアリングホイール1への操舵トルクに相当する推定ドライバ操舵トルクsTdvを算出し、
推定ドライバ操舵トルクsTdvと閾値との比較によりドライバの操舵状態を判定する車両の操舵状態判定方法とした。
したがって、ステアリングホイール1と反力モータ2との間にトルクセンサを用いることなくドライバの操舵状態を判定することができ、トルクセンサを設けることによる操舵感の低下や、制御応答性の低下を防止することが可能となる。
2)実施の形態1の車両の操舵状態判定方法は、
推定ドライバ操舵トルクsTdvが、反力モータ2とステアリングホイール1とのトルク伝達系で生じるメカフリクショントルクTmec相当の値であってドライバがステアリングホイール1から手を放した手放し状態であることを判定する値である第1トルク閾値Tlim1未満である場合に、手放し状態と判定する。
したがって、ドライバのステアリングホイール1からの手放し状態を、短時間に高精度で判定することができる。
3)実施の形態1の車両の操舵状態判定方法は、
推定ドライバ操舵トルクsTdvが、反力モータ2とステアリングホイール1とのトルク伝達系で生じるメカフリクショントルクTmecに、転舵角指令による転舵を許容した範囲内での下限値のドライバ操舵トルクTdvを加算した第2トルク閾値Tlim2以上の場合、ドライバがステアリングホイール1の保舵状態と判定する。
したがって、ドライバのステアリングホイール1の保舵状態を、短時間に高精度で判定することができる。
4)実施の形態1の車両の操舵状態判定方法は、
推定ドライバ操舵トルクsTdvが、第1トルク閾値Tlim1以上かつ第2トルク閾値Tlim2未満の状態の継続時間が時間閾値tlim未満の場合は、手放し状態と判定し、前記継続時間が時間閾値tlim以上の場合は、保舵状態と判定する。
したがって、推定ドライバ操舵トルクsTdvが、手放し状態と保舵状態とを明確に判断できる第1トルク閾値Tlim1、第2トルク閾値Tlim2の間の値であっても、高精度で手放し状態と保舵状態とを判定できる。
5)実施の形態1の車両の操舵状態判定方法は、
推定ドライバ操舵トルクsTdvが、ドライバが転舵角指令による転舵方向とは異なる方向に意図的に転舵している判定する値である第3トルク閾値Tlim3以上の場合、操舵介入状態と判定する。
したがって、ドライバが保舵状態で、さらに転舵角指令による転舵方向とは異なる方向に意図的に転舵している操舵介入状態を、短時間に判定することができる。
6)実施の形態1の車両の操舵状態判定方法は、
車両制御装置としての自動運転コントローラ6は、自車両が走行する走行環境と自車両の走行状態とに応じて自動運転制御を実行する。
したがって、自動運転コントローラ6による自動運転制御時に、ドライバの操舵状態を判定することができる。
7)実施の形態1の車両の操舵状態判定装置は、
車両に設けられたステアリングホイール1と、
ステアリングホイール1にモータ反力トルクを与える反力モータ2と、
ステアリングホイール1から機械的に切り離された転舵輪としての左右前輪FL,FRを転舵させる転舵モータ31と、
ステアリングホイール1の操舵角を検出する操舵角センサ51と、
反力モータ2への反力モータ電流を検出する反力電流センサ53と、
転舵モータ31に、車両制御装置としての自動運転コントローラ6から出力される転舵角指令に応じた転舵角を左右前輪FL,FRに与える指令を出力し、かつ、転舵角指令に応じた操舵角をステアリングホイール1に与える指令としての反力モータ電流を反力モータ2に出力する操転舵コントローラ4と、
ステアリングホイール1への入力トルクから操舵角を算出する機械系トルク伝達モデルmd1の逆モデルとしてのトルク算出モデルmd2を用いて、操舵角からステアリングホイール1への入力トルクに相当する推定操舵実トルクTrealを算出する推定実トルク算出部432と、
反力電流センサ53が検出する反力モータ電流に基づいて反力モータ2の出力トルクである反力モータトルクTmoを算出する反力モータトルク算出部431と、
推定操舵実トルクTrealと反力モータトルクTmoとの差分から、ドライバによるステアリングホイール1への操舵トルクに相当する推定ドライバ操舵トルクsTdvを算出する推定ドライバ操舵トルク算出部としての減算部433と、
推定ドライバ操舵トルクsTdvと閾値との比較によりドライバの操舵状態を判定する操舵状態判定部434と、
を備える車両の操舵状態判定装置とした。
したがって、ステアリングホイール1と反力モータ2との間にトルクセンサを用いることなくドライバの操舵状態を判定することができ、トルクセンサを設けることによる操舵感の低下や、制御応答性の低下を防止することが可能となる。
以上、本開示の車両の操舵状態判定方法および車両の操舵状態判定装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られず、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、操舵状態として、手放し状態、保舵状態、操舵介入状態を判定するものを示したが、その判定内容としては、これに限定されるものではない。具体的には、ステアリングホイールを握っているか否か、すなわち、手放し状態か保舵状態かのみを判定するようにしてもよい。この場合も、トルクセンサが不要であるとともに、ステアリングホイールにおける接触センサなどを省略することが可能である。あるいは、手放し状態のみを判定してもよい。
逆に、操舵介入状態と、保舵状態とを判定するようにしてもよい。例えば、自動運転制御時に、手放し状態を許容する場合は、手放し状態を判定しなくてもよい。
また、演算で得られた推定ドライバ操舵トルクを、他の制御に用いてもよい。
1 ステアリングホイール
2 反力モータ
3 転舵アクチュエータ
4 操転舵コントローラ
6 自動運転コントローラ(車両制御装置)
31 転舵モータ
43 ドライバ操舵状態判定部
51 操舵角センサ
52 転舵角センサ
53 反力電流センサ
100 ステアリングクラッチ
431 反力モータトルク算出部
432 推定実トルク算出部
433 減算部(推定ドライバ操舵トルク算出部)
434 操舵状態判定部
FL 左前輪(転舵輪)
FR 右前輪(転舵輪)
Tdv ドライバ操舵トルク
Tlim1 第1トルク閾値
Tlim2 第2トルク閾値
Tlim3 第3トルク閾値
Tmec メカフリクショントルク(摩擦トルク)
Tmo 反力モータトルク
Treal 推定操舵実トルク
md1 機械系トルク伝達モデル
md2 トルク算出モデル
sTdv 推定ドライバ操舵トルク
t 継続時間
tlim 時間閾値

Claims (7)

  1. 車両に設けられたステアリングホイールと、
    前記ステアリングホイールにモータ反力トルクを与える反力モータと、
    前記ステアリングホイールから機械的に切り離された転舵輪を転舵させる転舵モータと、
    前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサと、
    前記反力モータへの反力モータ電流を検出する電流センサと、
    前記転舵モータに、車両制御装置から出力される転舵角指令に応じた転舵角を前記転舵輪に与える指令を出力し、かつ、前記転舵角指令に応じた操舵角を前記ステアリングホイールに与える指令を前記反力モータに出力する操転舵コントローラと、
    を備えた車両の操舵状態判定方法であって、
    前記ステアリングホイールへの入力トルクから前記操舵角を算出するモデルの逆モデルを用いて、前記操舵角から前記ステアリングホイールへの入力トルクに相当する推定実トルクを算出し、
    前記電流センサが検出する前記反力モータ電流に基づいて前記反力モータの出力トルクである反力モータトルクを算出し、
    前記推定実トルクと前記反力モータトルクとの差分から、ドライバによる前記ステアリングホイールへの操舵トルクに相当する推定ドライバ操舵トルクを算出し、
    前記推定ドライバ操舵トルクと閾値との比較により前記ドライバの操舵状態を判定するとき、
    前記反力モータと前記ステアリングホイールとのトルク伝達系で生じる機械的な摩擦トルクに基づく値であって前記ドライバが前記ステアリングホイールから手を放した手放し状態であることを判定する値を第1トルク閾値とし、
    前記反力モータと前記ステアリングホイールとのトルク伝達系で生じる機械的な摩擦トルクに、前記転舵角指令による転舵を許容した範囲内での前記ドライバの操舵トルクを加算した値を第2トルク閾値とし、
    前記推定ドライバ操舵トルクが、前記第1トルク閾値以上かつ前記第2トルク閾値未満の状態の継続時間が所定時間以上の場合は、前記ドライバが前記ステアリングホイールの保舵状態と判定する
    車両の操舵状態判定方法。
  2. 請求項1に記載の車両の操舵状態判定方法において、
    前記ドライバが前記転舵角指令による転舵方向とは異なる方向に意図的に転舵していることを判定する値を第3トルク閾値とし、
    前記推定ドライバ操舵トルクが、前記第2トルク閾値以上かつ前記第3トルク閾値未満の場合、前記ドライバが前記ステアリングホイールの保舵状態と判定する
    車両の操舵状態判定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両の操舵状態判定方法において、
    前記推定ドライバ操舵トルクが、前記第1トルク閾値未満である場合に、前記手放し状態と判定する
    車両の操舵状態判定方法。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の車両の操舵状態判定方法において、
    前記推定ドライバ操舵トルクが、前記第1トルク閾値以上かつ前記第2トルク閾値未満の状態の継続時間が前記所定時間未満の場合は、前記手放し状態と判定する
    車両の操舵状態判定方法。
  5. 請求項2に記載の車両の操舵状態判定方法において、
    前記推定ドライバ操舵トルクが、前記第3トルク閾値以上の場合、操舵介入状態と判定する
    車両の操舵状態判定方法。
  6. 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の車両の操舵状態判定方法において、
    前記車両制御装置は、自車両が走行する走行環境と自車両の走行状態とに応じて自動運転を実行する装置である
    車両の操舵状態判定方法。
  7. 車両に設けられたステアリングホイールと、
    前記ステアリングホイールにモータ反力トルクを与える反力モータと、
    前記ステアリングホイールから機械的に切り離された転舵輪を転舵させる転舵モータと、
    前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサと、
    前記反力モータへの反力モータ電流を検出する電流センサと、
    前記転舵モータに、車両制御装置から出力される転舵角指令に応じた転舵角を前記転舵輪に与える指令を出力し、かつ、前記転舵角指令に応じた操舵角を前記ステアリングホイールに与える指令を前記反力モータに出力する操転舵コントローラと、
    を備えた車両の操舵状態判定装置であって、
    前記ステアリングホイールへの入力トルクから前記操舵角を算出するモデルの逆モデルを用いて、前記操舵角から前記ステアリングホイールへの入力トルクに相当する推定実トルクを算出する推定実トルク算出部と、
    前記電流センサが検出する前記反力モータ電流に基づいて前記反力モータの出力トルクである反力モータトルクを算出する反力モータトルク算出部と、
    前記推定実トルクと前記反力モータトルクとの差分から、ドライバによる前記ステアリングホイールへの操舵トルクに相当する推定ドライバ操舵トルクを算出する推定ドライバ操舵トルク算出部と、
    前記推定ドライバ操舵トルクと閾値との比較により前記ドライバの操舵状態を判定するドライバ操舵状態判定部と、を備え、
    前記ドライバ操舵状態判定部は、
    前記反力モータと前記ステアリングホイールとのトルク伝達系で生じる機械的な摩擦トルクに基づく値であって前記ドライバが前記ステアリングホイールから手を放した手放し状態であることを判定する値を第1トルク閾値とし、
    前記反力モータと前記ステアリングホイールとのトルク伝達系で生じる機械的な摩擦トルクに、前記転舵角指令による転舵を許容した範囲内での前記ドライバの操舵トルクを加算した値を第2トルク閾値とし、
    前記推定ドライバ操舵トルクが、前記第1トルク閾値以上かつ前記第2トルク閾値未満の状態の継続時間が所定時間以上の場合は、保舵状態と判定する
    車両の操舵状態判定装置。
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