JP4751667B2 - 逐次比較型ad変換器。 - Google Patents

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Description

本発明は逐次比較型AD変換器に関し、詳しくは容量DA変換器を利用した逐次比較型AD変換器に関する。
逐次比較型AD変換器は、比較的簡単な回路構成で実現され、CMOSプロセスとの整合性が高く比較的安価に製造可能であり、且つ中庸の変換時間と中庸の変換精度を実現できるために、広く様々な用途において用いられる。図1は、逐次比較型AD変換器の代表的な構成として、従来の電荷再分配型AD変換器の差動容量DACを示す(特許文献1に同様の回路が開示される)。
以下に、図1の回路の構成・動作について簡単に説明する。図1の回路は、スイッチSW1乃至SW14、容量C1乃至C12、及びコンパレータCOMP1を含む。VIN+は差動入力のプラス側(+)のアナログ入力を、VIN−は差動入力のマイナス側(−)のアナログ入力を示す。また更にTOP+は容量アレイのプラス側トッププレートを、TOP−は容量アレイのマイナス側トッププレートを示す。Vref+はプラス側の基準電位(5V)であり、Vref−はマイナス側の基準電位(0V)である。またGNDはこの回路の信号グラウンドの電位(2.5V)である。更にVCM2はサンプリング時のトッププレートのバイアス電位であり、COUT1はコンパレータの出力である。
容量C1乃至C6はそれぞれ1C、1C、2C、4C、8C、及び16Cの相対的な容量値の容量を有する。また同様に容量C7乃至C12はそれぞれ1C、1C、2C、4C、8C、及び16Cの相対的な容量値の容量を有する。
図1に図示されるスイッチの状態は、サンプリング時の状態を示しており、サンプリング時には、容量C1乃至C6にVIN+の電位が充電され、容量C7乃至C12にVIN−の電位が充電される。サンプリング終了後、スイッチSW13及びSW14を開放し、スイッチSW1乃至SW12を切り替える。このスイッチSW1乃至SW12の切り替えにより、容量C1乃至C12のボトムプレート(スイッチSW1乃至SW12に繋がる電極側)の電位を、Vref+、Vref−、GNDの何れかに選択的に設定する。
具体的な例としてプラス側について説明すると、まずサンプリング時には、容量C1乃至C6の全てがアナログ入力電位VIN+に充電される。サンプリング後に、スイッチSW13を開放してTOP+を浮遊状態とし、例えば容量C1乃至C5をスイッチSW1乃至SW5を介してGNDに接続すると共に、容量C6をスイッチSW6を介して基準電位Vref+に接続する。この接続により、サンプリング時に入力電位VIN+によって蓄えられた電荷が、サンプリング容量C1乃至C6間で再分配されて、TOP+の電位は((Vref+)−GND)/2−VIN+となる。即ちこの場合、容量C1乃至C5の計16Cの容量値と容量C6の16Cの容量値とにより、Vref+とGNDとの間を1/2に分割し、その分圧値から入力電位VIN+を差し引いた電位がTOP+の電位となる。
スイッチSW1乃至SW6の接続を制御することで、Vref+とGNDとの間を容量分割する比率を変化させて、TOP+の電位を調整することができる。同様にマイナス側についても、スイッチSW7乃至SW12の接続を制御することで、Vref−とGNDとの間を容量分割する比率を変化させて、TOP−の電位を調整することができる。コンパレータCOMP1は、TOP+の電位とTOP−の電位とを入力として、両電位の差に応じた出力COUT1を生成する。出力COUT1に応じてスイッチSW1乃至SW12の接続状態を順次変化させて、所定の出力が実現されるようにスイッチの接続状態を制御する。このようにして、アナログ入力電位VIN+及びVIN−の差に対応したデジタルコード(スイッチの状態)を、出力COUT1に基づいた制御により検索する。
図2は、逐次比較型AD変換器の別の回路例を示す図である。図2において、図1と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。
図2の回路構成では、アンプAMP1が入力側に設けられている。このアンプAMP1は、アナログ入力電位VIN+及びVIN−を増幅することにより、増幅電位IVINP及びIVINNを出力する。この増幅電位IVINP及びIVINNを容量アレイでサンプルすることにより、前述と同様のAD変換動作を実行する。この図2に示すような回路構成を用いれば、サンプリング時にアンプAMP1を介して容量C1乃至C12を充電することで、サンプリング動作を高速化することが可能となる。
逐次比較型AD変換器は、中庸の変換時間と中庸の変換精度を実現可能な用途の広いAD変換器であるが、より高速(より高いサンプリングレイト)且つ低電力が求められる用途においては、パイプライン型AD変換器が適用される。パイプライン型AD変換器では、高いサンプリングレイトを実現するために、アナログ信号をサンプリングするサンプルホールドアンプ回路が用いられることが多い。
図3は、従来のサンプルホールドアンプ回路の構成の一例を示す図である。同様の回路が非特許文献3に示される。
図3の回路は、スイッチSW15乃至SW23、容量C13乃至C16、及びアンプAMP2を含む。VIN+はプラス側のアナログ入力電位、VIN−はマイナス側のアナログ入力電位を示す。VOPはプラス側出力であり、VONはマイナス側出力である。またNODE1乃至NODE4は内部のノードを示す。更に、BIAS1はサンプリング時における容量C15及びC16のボトムプレートのバイアス電位である。
図3に図示されるスイッチの状態は、サンプリング時の状態を示しており、サンプリング時には、容量C13にVIN+の電位が充電され、容量C14にVIN−の電位が充電される。ホールド状態では、スイッチSW18、SW19、SW20、SW21を開放し、スイッチSW17、SW22、SW23を閉じる。これにより、容量C13及びC14に蓄えられた電荷のVIN+とVIN−との差電位に相当する部分が容量C15及びC16に転送され、VIN+とVIN−との差電位が、プラス側出力VOP及びマイナス側出力VONとして出力される。
図3に示すようなサンプルホールドアンプ回路により、パイプライン型AD変換器では、高速なサンプリング動作が達成されていた。
また逐次比較型AD変換器に、サンプルホールドアンプの機能を組み込んだ回路構成も試みられている。サンプルホールドアンプの機能を組み込んだ逐次比較型AD変換器の回路例を図4に示す(特許文献2)。
図4の回路は、スイッチSW24乃至SW26、容量C17乃至C24、及びアンプAMP3及びAMP4を含む。VINはアナログ入力であり、COUT2はコンパレータの出力である。NODE5乃至NODE7は内部のノードを示し、BOT1乃至BOT5は容量のボトムプレートである。またVdd/2は電源電圧の1/2の電位を示す。また図1及び図2の場合と同様に、容量C17乃至C24に併記されたnC(nは整数)の値はそれぞれの容量の相対的な大きさを示す。
図4の回路では、容量C17、C18、及びアンプAMP3で構成される反転増幅回路がサンプルホールドアンプ回路として働く。この部分を設けることにより、容量C19乃至C24で構成される容量DACの容量を、直接にアナログ入力信号で充電する必要がなくなり、容量C17を小さくすることで、VINから見た入力容量を小さく設計することが可能となる。これにより、サンプリング高速化の効果が得られる。
回路の微細化が進むとともに、CMOSデジタル回路とCMOSアナログ回路とを同一のチップ上へ搭載することへの要求が増大している。微細CMOSデジタル回路の高速性に見合った性能を確保したCMOSアナログ回路を、可能な限り低コストで集積することが求められている。
このため、小面積かつ低価格で中庸の変換時間と中庸の変換精度を実現する逐次比較型AD変換器についても、高速化への要求が増大している。逐次比較型AD変換器を高速化するためには、コンパレータでの判定を高速化するとともに、サンプリング時間を短縮することが重要となる。
しかしながら、例えば、図1に示される従来技術のような構成では、サンプリング容量を外部アナログ入力信号で充電するために、サンプリング容量の容量値によりサンプリング時間が制限され、サンプリング時間を十分に短縮することが困難である。また図2の従来回路のような構成では、サンプリング時にバッファアンプを介して容量を充電することにより、サンプリングの高速化が可能であるが、バッファアンプの出力信号範囲を超える入力信号をサンプリングすることができないという問題点がある。最も一般的な回路構成では、バッファアンプの電圧利得は1となる。この場合、電源電圧に等しい電圧の入力信号を入力しても、バッファアンプの出力信号振幅は電源電圧と等しくはならず、僅かに電圧が低減した信号となってしまう。このため、電源電圧と等しい信号振幅を入力してAD変換を実行することは不可能であった。
また図3に示す従来のサンプルホールドアンプ回路は、図2の従来回路と同様、アナログ入力信号のバッファアンプとして機能し、サンプリングを高速化することができる。しかしながら、非特許文献3ではパイプライン型AD変換器への応用例が示されるにとどまり、逐次比較型AD変換器に適用する場合の構成、問題点、解決策については触れられていない。
また図4の従来回路を開示する特許文献2では、アンプの電圧利得は1の場合のみ示されており、図2の従来回路の場合と同様、電源電圧と等しい信号振幅を入力してAD変換しようとする場合の問題点、解決策は開示されていない。また、single-endedのスイッチトキャパシタ型のバッファアンプの場合についてのみ回路構成が示されており、システムLSIにおいてデジタル回路から発生するノイズに対して有利である差動回路への適用例が示されていない。
米国特許第4,803,462号公報 特開平10−336033号公報 R. K. Hester et al.," Fully Differential ADC with Rail-to-Rail Common-Mode Range and Nonlinear Capacitor Compensation," IEEE Journal of Solid-State Circuits, Vol. 25, No. 1, pp.173-183, Feb. 1990. G. Promitzer," 12-bit Low-Power Fully Differential Switched Capacitor Noncalibrating Successive Approximation ADC with 1 MS/s," IEEE Journal of Solid-State Circuits, Vol. 36, No. 7, pp.1138-1143, July 2001. L.A.Singer et al.," A 14-Bit 10-MHz Calibration-Free CMOS Pipelined A/D Converter," Symposium on VLSI Circuits, pp.94-95, 1996.
本発明の第1の目的は、サンプリング時間を短縮するためのサンプルホールドアンプ回路を備え、電源電圧と等しい信号振幅の信号を入力してAD変換することが可能な逐次比較型AD変換器を提供することである。
また本発明の第2の目的は、上記のサンプルホールドアンプ回路の具体的な回路構成を提供することである。
更に本発明の第3の目的は、第1の目的に対応する逐次比較型AD変換器に適したダブルステージ型DA変換器を提供することである。
本発明による逐次比較型AD変換器は、入力アナログ電圧をサンプルホールドし1未満の電圧利得で該入力アナログ電圧に比例した内部アナログ電圧を出力端に生成するサンプルホールドアンプ回路と、該サンプルホールドアンプ回路の該出力端に結合され該内部アナログ電圧に応じた電荷を蓄える複数の容量を含み、該複数の容量の接続を制御信号に応じて切り換えることにより該内部アナログ電圧及び該制御信号に応じた比較アナログ電圧を出力端に生成する容量DA変換器と、該容量DA変換器の該出力端に結合され該比較アナログ電圧に応じた比較結果信号を出力端に生成する比較器と、該比較器の該出力端に結合され該比較結果信号に応じて該制御信号を該容量DA変換器に供給する制御回路を含み、該容量DA変換器の該複数の容量は、該制御信号に応じて2つの基準電位の何れかに選択的に接続される第1の容量と、該制御信号に無関係に該2つの基準電位の何れか所定の一方に接続される第2の容量を含み、該第2の容量により該比較アナログ電圧を調整することにより、該サンプルホールドアンプ回路の該1未満の電圧利得を補償するように該容量DA変換器が構成されることを特徴とする。
また本発明の少なくとも1つの実施例によれば、スイッチトキャパシタ型サンプルホールドアンプ回路の入力端子に結合される容量より出力端子に結合される容量の値を大きくすることにより、電圧利得が1未満のサンプルホールドアンプ回路を実現する。
また本発明の少なくとも1つの実施例によれば、容量DA変換器の複数の容量のうち最小の容量値の容量に、抵抗DA変換器の出力を結合することで、ダブルステージ型DA変換器を実現する
本発明の少なくとも1つの実施例によれば、電圧利得が1未満のサンプルホールドアンプ回路と、その出力電位をサンプリングする容量DA変換器を設けることにより、アナログ入力電位差が電源電圧に等しい場合であっても、アナログ入力電位差に比例した電位差をアンプ回路から容量DA変換器に供給することが可能となる。またサンプルホールドアンプ回路によりアナログ信号をサンプリングする構成とすることにより、容量DA変換器とは独立に、サンプルホールドアンプ回路の入力容量を設計できる。従ってこの入力容量を小さくすることにより、逐次比較型AD変換回路を高速化することが可能となる。
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
図5は、本発明による逐次比較型AD変換回路の第1の実施例を示す回路図である。図5(a)にはサンプルホールドアンプ回路部分が示され、図5(b)にはサンプルホールドアンプ回路部分の出力に接続される容量アレイ部分が示される。この容量アレイ部分の出力は、図1と同様に比較器に結合される。
図5(a)及び(b)に示す回路は、スイッチSW13、SW14、SW15乃至SW23、SW27乃至SW42、容量C25乃至C28、容量C30乃至C45、及びアンプ回路AMP2を含む。VIN+はプラス側のアナログ入力電位であり、VIN−はマイナス側のアナログ入力電位である。またVOP及びVONは、それぞれサンプルホールドアンプ回路出力のプラス側及びマイナス側の内部アナログ信号である。TOP+は容量アレイのプラス側トッププレートを示し、TOP−は容量アレイのマイナス側トッププレートを示す。またVref+はプラス側の基準電位(5V)であり、Vref−はマイナス側の基準電位(0V)である。更に、VCMはサンプリング時のトッププレートのバイアス電位(例えば2.5V)であり、NODE1乃至NODE4は内部のノードである。各容量Cn(nは整数)に併記されたkC(kは整数)の値はそれぞれの容量値の相対的な大きさを示す。
図5(a)に図示されるスイッチの状態は、サンプルホールドアンプ回路のサンプリング状態を示している。サンプルホールドアンプ回路のサンプリング状態について以下に説明する。
スイッチSW18、SW19を閉じた状態とすることで、例えば、NODE3、NODE4の電位を電源電圧Vddの1/2程度の電位とする。また、スイッチSW20、SW21を閉じて、容量C27、C28のボトムプレートに、電源電圧Vddの1/2のバイアス電位VCM(2.5V)を供給する。アンプAMP2が完全に理想的で、オフセットが0であれば、NODE3、NODE4の電位はVddの1/2になるものとする。このとき、容量C27、C28には電荷は蓄えられない(C27、C28に蓄えられる電荷は0となる)。アンプAMP2が理想的でない場合、NODE3とNODE4の電位は一致せず、その電位差は、アンプAMP2の入力換算オフセット電圧程度の値となる。容量C27、C28のボトムプレートにVCMの電位を供給するのは、容量C27、C28にこのオフセット電圧を記憶し、あとでこのオフセット電圧の影響を取り除くためである。
同時に、スイッチSW15とスイッチSW16とを閉じて、容量C25とC26のボトムプレートにVIN+とVIN−の電位を供給する。アンプAMP2が完全に理想的な場合、NODE3、NODE4の電位は、Vddの1/2で同電位になるので、容量C25とC26とに、VIN+とVIN−との電位差に相当する電荷が蓄えられる。
Vddの1/2の電位をVCMで表わすと、容量C25のトッププレートに蓄えられる電荷Q25は以下のようになる。
Q25=−16C((VIN+)−VCM) (1)
同様に容量C26のトッププレートに蓄えられる電荷Q26は以下のようになる。
Q26=−16C((VIN−)−VCM) (2)
次に、電荷転送により出力VOP及びVONに電圧を取り出す状態について説明する。
上記のサンプリング状態から、スイッチを操作することにより、電荷を転送して出力VOP及びVONに所望の出力電位を取り出す。容量C25と、C26にVIN+と、VIN−の電位差を記憶した後、スイッチSW18、SW19を開いて、NODE3とNODE4(容量C25乃至C28のトッププレート)を浮遊状態とする。また、スイッチSW20、SW21を開いて容量C27、C28のボトムプレートへのVCM電位の供給をとめる。さらにスイッチSW17、SW22、SW23を閉じる。
これにより、NODE1の電位とNODE2の電位が等しくなる。この等しくなったNODE1の電位とNODE2の電位をVCMBと表わすことにする。また、AMP2の電圧利得は十分大きく、NODE3の電位とNODE4の電位はサンプルホールドアンプ回路のサンプリング時の電位VCMから変化しないと近似できるものとする。NODE3とNODE4の電位はVCMから変化せず、また、NODE1、NODE2の電位は、VCMBとなる。また、NODE3とNODE4の電荷は保存されるので、容量C25については、以下の式(3)が成り立つ。
−16C((VIN+)−VCM)
=−16C(VCMB−VCM)−24C(VOP−VCM) (3)
また容量C26については、以下の式(4)が成り立つ。
−16C((VIN−)−VCM)
=−16C(VCMB−VCM)−24C(VON−VCM) (4)
ここで端子VOPの電位をVOPで表わし、端子VONの電位をVONで表わしてある。式(3)から式(4)を引くと、以下の式(5)及び式(6)が得られる。
−16C((VIN+)−(VIN−))=−24C(VOP−VON) (5)
16((VIN+)−(VIN−))/24=(VOP−VON) (6)
つまり、容量C25、C26から容量C27、C28への電荷転送により、アナログ入力信号の差電圧((VIN+)−(VIN−))に比例した電位差をVOP、VONにとりだすことができる。またその電圧利得は、容量C25、C26、C27、C28の大きさを適切に設計することで、1未満とすることができる。この例の場合は、16/24=2/3としたが、一般には、(n/m、n<m)とできることはいうまでもない。また、VOP、VONのコモン電位がVCMに一致するように制御するものとする。
このように、サンプルホールドアンプ回路の電圧利得を1未満に設計することで、アナログ入力信号の差電圧が電源電圧に等しい場合でも、アンプAMP2の出力の飽和を避けることができる。従って、電源電圧に等しいアナログ入力電位差、即ちrail-to-rail範囲でのアナログ入力信号を扱うことができるようになる。
アンプAMP2が理想的ではなく、オフセットがある場合について説明する。サンプリング時に容量C25のトッププレートに蓄えられる電荷Q25は以下の式(7)となる。
Q25=−16C((VIN+)−VCMNODE3) (7)
ここでVCMNODE3はサンプリング時のNODE3の電位である。同様に容量C26のトッププレートに蓄えられる電荷Q26は以下の式(8)となる。
Q26=−16C((VIN−)−VCMNODE4) (8)
ここでVCMNODE4はサンプリング時のNODE4の電位である。
この理想的ではない状況においては、容量C27、C28のトッププレートにも電荷が蓄えられる。これらの電荷Q27、Q28は以下の式(9)、式(10)となる。
Q27=24C(VCMNODE3−VCM) (9)
Q28=24C(VCMNODE4−VCM) (10)
このサンプリング状態から、スイッチを操作することにより電荷を転送し、出力VOP、VONに所望の出力電位を取り出す。
これにより、NODE1の電位とNODE2の電位とが等しくなる。この等しくなったNODE1の電位とNODE2の電位とをVCMBと表わすことにする。また、アンプAMP2の電圧利得は十分大きく、NODE3の電位とNODE4の電位とはサンプルホールドアンプ回路のサンプリング時の電位VCMNODE3、VCMNODE4から変化しないと近似できるものとする。
NODE3とNODE4の電位はVCMNODE3、VCMNODE4から変化せず、また、NODE1、NODE2の電位は、VCMBとなる。また、NODE3とNODE4の電荷は保存されるので、NODE3については、以下の式(11)が成り立つ。
−16C((VIN+)−VCMNODE3)+24C(VCMNODE3−VCM)
=−16C(VCMB−VCMNODE3)−24C(VOP−VCMNODE3)
(11)
またNODE4については、以下の式(12)が成り立つ。
−16C((VIN−)−VCMNODE4)+24C(VCMNODE4−VCM)
=−16C(VCMB−VCMNODE4)−24C(VON−VCMNODE4)
(12)
なお端子VOPの電位はVOPで表わし、端子VONの電位をVONで表わしてある。
式(11)から式(12)を引くことにより、以下の式(13)、式(14)が得られる。
−16C((VIN+)−(VIN−))+16C×VCMNODE3+24C×VCMNODE3−16C×VCMNODE4−24C×VCMNODE4
=16C×VCMNODE3+24C×VCMNODE3−16C×VCMNODE4−24C×VCMNODE4−24C(VOP−VON) (13)
16((VIN+)−(VIN−))/24=(VOP−VON) (14)
即ち、オフセットがある非理想的な場合であっても、アンプAMP2の電圧利得が十分大きければ、容量C25、C26から容量C27、C28への電荷転送により、アナログ入力信号の差電圧((VIN+)−(VIN−))に比例した電位差をVOP、VONに取り出すことができる。
上記説明のようにして、サンプルホールドアンプ回路により、アナログ入力信号の差電圧((VIN+)−(VIN−))に比例した電位差を、サンプルホールドアンプ回路の出力VOP及びVONに転送する。この出力VOP及びVONの電位差を、図5(b)に示す容量DACでさらにサンプリングする。
図5(b)に図示されるスイッチの状態は、サンプルホールドアンプ回路出力VOP、VONを容量DACでサンプリングする状態を示している。以下に、サンプルホールドアンプ回路出力VOP、VONを容量DACでサンプリングする動作について説明する。
スイッチSW27乃至SW34は全て、容量C30乃至C37のボトムプレートがVOPにつながるように制御される。またスイッチSW13は閉じられて、容量C30乃至C37のトッププレート(TOP+)にはVCMが供給される。つまり、容量C30乃至C37には、VCMとVOPの差電圧に相当する電荷が蓄えられる。
また、スイッチSW35乃至SW42は、容量C38乃至C45のボトムプレートがVONにつながるように制御される。スイッチSW14は閉じられて、容量C38乃至C45のトッププレート(TOP−)にはVCMが供給される。つまり、容量C38乃至C45には、VCMとVONの差電圧に相当する電荷が蓄えられる。
上記のサンプリング動作の終了後、スイッチSW13、SW14を開放し、スイッチSW27乃至SW32、スイッチSW35乃至SW40を切り替えることで、容量C30乃至C35、容量C38C43のボトムプレート(SW27乃至SW32、SW35乃至SW40につながる電極側)の電位を、Vref+、Vref−の何れかに選択的に結合させる。これにより、サンプリングしたアナログ電位差((VIN+)−(VIN−))に対応したデジタルコードを検索する。
前述のように、図5(a)に示すサンプルホールドアンプ回路において電圧利得を1未満としたので、これによる電位差減少を補正する必要がある。この補正について、以下に説明する。
なお説明を簡単にするために、電源電圧Vddが5V、リファレンス電圧Vref+が5V、Vref−が0V、VCMが2.5V、VIN+=5V、VIN−=0Vの場合について説明する。基準電圧Vref+(5V)、Vref−(0V)の電位差、つまり電源電圧5Vに等しい電位差を、VIN+、VIN−に入力した場合でも、図5のアンプAMP2の出力が飽和しないように、図5の例では、電圧利得を2/3(=n/m)とした。このため、図6に示すように、(理想的には)サンプルホールドアンプ回路出力VOP、VONはバイアス電位VCMを中心に、電源電圧の2/3の信号振幅となる。
VIN+=5V、VIN−=0Vの場合には、図6に示すように、VOPの電位は、(1/2+n/2m)×Vdd=5Vdd/6(n=2、m=3)となる。また同様にVONの電位はVdd/6となり、その電位差は2Vdd/3となる。容量DACのサンプリング時には、このVOP、VONの電位が容量DACにサンプリングされる。Vref+(5V)=Vdd=VIN+の場合について、図7にVOPの電位をサンプリングするプラス側容量DACの動作の概要を図示する。
図7の左部分は、VIN+=5Vの場合のプラス側容量DACの動作を示している。サンプリング時には容量DACのトッププレート(TOP+)はVCM=2.5Vとなっている。また、ボトムプレートは、5Vdd/6となっている。図7のCsはプラス側容量DACのサンプリング容量の合計(図5のC30乃至C37)を示している。
サンプリング終了後、ボトムプレートの電位をVref+(5V)、あるいは、Vref−(0V)とすることで、等価的にボトムプレートの電位がVOPとなるデジタルコードを検索し、これをAD変換結果とする。図7の右部分でXと表記されているのは、容量の合計Csのうち、変換終了時にボトムプレートがVref+(5V)=Vddに接続される容量部分を示している。従って、ボトムプレートがVref−(0V)に接続される容量部分は、Cs−Xとなる。この変換終了時に、プラス側容量DACのトッププレートの電位は、サンプリング時のトッププレートの電位VCM=2.5Vに一致するように設計される。
マイナス側DACは、プラス側容量DACのVref+をVref−に、Vref−をVref+に置き換え、電位に対して、VCMを中心に対称な動作をするように設計する。これにより、変換終了時には、プラス側容量DACのトッププレートの電位(TOP+)と、マイナス側容量DACのトッププレートの電位(TOP−)が一致するように設計できる。
図7においてXが最終値より小さい場合には、プラス側のトッププレートの電位が最終値より小さく、またマイナス側トッププレートの電位が最終値より大きくなる。従って、その差電圧をコンパレータにより検出して、次の比較サイクルで、Xをより大きくすることで、最終値にトッププレート電位差をゼロに近づけていくことができる。この動作は、図5のTOP+及びTOP−をコンパレータに入力し、大小関係を判定することで実行される。
また、図7においてXが最終値より大きい場合は、プラス側のトッププレートの電位が最終値より大きく、またマイナス側トッププレートの電位が最終値より小さくなる。従って、その差電圧をコンパレータにより検出して、次の比較サイクルで、Xをより小さくすることで、最終値に、トッププレート電位差をゼロに近づけていくことができる。このようにトッププレート電位差を検出しながら、最終的な容量配分を検索することで、AD変換値を決定することができる。
図8は、VIN+=VIN−=VCMの場合における、プラス側容量DACの動作の概要を示す図である。VIN+=VIN−=VCMの場合、VOP=VON=VCM=Vdd/2=2.5Vとなるので、サンプリング時の容量DACのボトムプレートはVdd/2となる。サンプリング時の容量DACのトッププレート(TOP+)はVCM=2.5Vとなっている。
図8の右側部分は、変換終了時の容量の接続関係を示しており、Yと表記されているのは、容量の合計Csのうち、変換終了時にボトムプレートがVref+(5V)=Vddに接続される容量部分を示している。従って、ボトムプレートがVref−(0V)に接続される容量部分は、Cs−Yとなる。この変換終了時に、プラス側容量DACのトッププレートの電位は、サンプリング時のトッププレートの電位VCM=2.5Vに一致するように設計される。なおマイナス側DACは、プラス側容量DACのVref+をVref−に、Vref−をVref+に置き換え、電位に対して、VCMを中心に対称な動作をするように設計することは既に説明した通りである。
図8より、電圧利得n/m=2/3(n=2、m=3)の場合には、Y=Cs/2となることが分かる。図9はプラス側容量DACの容量内訳を一般的に示している。
図9のAは、比較入力コードに依存せず、ボトムプレートがVref+(5V)=Vddに接続される容量部分を示している。図9のBは、比較入力コードに依存せず、ボトムプレートがVref−=0Vに接続される容量部分を示している。残りのDは、比較入力コードに依存して、ボトムプレートがVref+(5V)=Vdd、あるいは、Vref−=0Vに繋ぎ換えられる容量部分を示している。
図9、図8、図7を比較することで、図9のA、B、Dを決定することができる。図8は、VIN+=VIN−=VCMの場合なので、VIN+とVIN−の電位差は0である。従って、プラス側容量DACの最終的な入力コードは全ビット0となる。つまり、VIN+とVIN−の電位差が0の場合、図9のDは全て、Vref−=0Vに接続される。図8より、Y=Cs/2でなければならないので、A=Cs/2となる。
一方、図7のように、VOP=5Vdd/6の場合、X=5Cs/6となる。A=Cs/2で、VOP=5Vdd/6の場合、プラス側容量DACの最終的な入力コードはフルスケール(全ビット1)となるように設計するので、B=Cs/6と決定できる。従って図9において、容量DAC入力コードに依存して、ボトムプレートがVref+(5V)=Vdd或いはVref−=0Vに繋ぎ換えられる容量部分Dは、Cs−Cs/2−Cs/6=Cs/3となる。
ここで図5に戻る。図5では、容量DACが5ビットの場合を例として示している。最も基本的な2進に重み付けされた5ビット容量DACを実現する場合、図5に示すように、C30、C31を1C、C32を2C、C33を4C、C34を8C、C35を16Cとすることが一般的である。この部分が図9のDに相当する部分なので、この部分の合計容量32Cが上記のようにして求めたCs/3に等しい、即ちCs/3=32Cとすることにより、Cs=96C、A=Cs/2=48C、B=Cs/6=16Cと各部の容量を決定することができる。
このように定めた、比較入力コードに依存せずにボトムプレートがVref+(5V)=Vddに接続される容量部分A=48Cが、図5(b)において容量C36として示されている。また比較入力コードに依存せずにボトムプレートがVref−=0Vに接続される容量部分B=16Cが、容量C37として示されている。
VOP及びVONの電位をサンプリング後、スイッチSW13、SW14を開いてTOP+、TOP−を浮遊状態とし、コンパレータでの比較動作に入る。この際、スイッチSW33を操作して容量C36のボトムプレートをVref+(5V)に結合し、スイッチSW34を操作して容量C37のボトムプレートをVref−=0Vに結合する。またこれと対称に、マイナス側においては、容量C44のボトムプレートをVref−=0Vに結合し、容量C45のボトムプレートをVref+(5V)に結合する。
容量DACの入力コードに対応して、容量C30乃至C35のボトムプレートをVref+(5V)或いはVref−(0V)に選択的に結合する。例えば容量DACの入力コードが01000の場合には、容量C35、C33、C32、C31、C30のボトムプレートをVref−=0Vに、容量C34のボトムプレートをVref+(5V)に結合する。この動作と対称に、マイナス側DACでは、容量DACの入力コードが01000の場合には、容量C43、C41、C40、C39、C38のボトムプレートをVref+(5V)に、容量C42のボトムプレートをVref−(0V)に結合する。
このDACへの入力コードを順次変化させながら、TOP+とTOP−の電位差が最小になるデジタルコードを検索する。検索されたデジタルコードの値を、AD変換結果とする。
図9のA、Bを求める過程で説明したように、VIN+=5V、VIN−=0Vの場合には、VOPの電位は、(1/2+n/2m)×Vdd=5Vdd/6(n=2、m=3)となる。容量C36を48C、容量C37を16C(更に容量C44を48C、容量C45を16C)として構成しておけば、容量C31乃至C35のボトムプレートをVref+(5V)、容量C39乃至C43をVref−(0V)に結合することで、TOP+とTOP−の電位がほぼ等しくなる。従って、サンプルホールドアンプ回路の電圧利得をn/m=2/3としても、デジタル変換値11111を得ることができる。
この構成においては、容量C36、C37、C44、C45が、VOP、VONの(最大)値を容量DACにとってのフルスケールに変換する(電圧)スケーリング回路として働くためである。同様に、VIN+=VIN−=VCMの場合も、上の説明と同様に正しく動作することを示すことができる。
以上説明したように、図5の回路においては、電圧利得が1未満のサンプルホールドアンプ回路と、その出力VOP、VONの電位をサンプリングする容量DACを設け、更にサンプルホールドアンプ回路に参照電圧(Vref+とVref−の電位差)を入力したときのサンプルホールドアンプ出力がAD変換器のデジタル出力の最大値となるように、AD変換器デジタル出力を調整(スケーリング)する容量(C36、C37、C44、C45)を設ける。これにより、参照電圧(Vref+とVref−の電位差)及びアナログ入力電位差が、電源電圧に等しい場合であっても、アナログ入力電位差に比例した電位差をアンプ回路から容量DACに供給することが可能となり、また1未満の電圧利得を補正して正しいデジタル出力値を得ることができる。
またサンプルホールドアンプ回路によりアナログ信号をサンプリングする構成とすることにより、容量DACとは独立に、サンプルホールドアンプ回路の入力容量を設計できる。従ってこの入力容量を小さくすることにより、逐次比較型AD変換回路を高速化することが可能となる。
図5の説明では、電圧利得がn/m=2/3である例を示したが、他の電圧利得の場合であっても同様の原理で回路を構成できることは明らかである。
図10は、図5(a)のサンプルホールドアンプ回路のより具体的な回路構成の一例を示す図である。図10において、図5(a)と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。
図10の回路は、スイッチSW15乃至SW23、スイッチSW43乃至SW46、容量C25乃至C28、容量C46乃至C49、及びアンプ回路AMP5及びAMP6を含む。VIN+はプラス側のアナログ入力を、VIN−はマイナス側のアナログ入力を示す。VOP、VONはそれぞれサンプルホールドアンプ回路出力のプラス側、マイナス側(内部アナログ信号(+)、内部アナログ信号(−))であり、VCMはサンプリング時の容量C27、C28のボトムプレートのバイアス電位(例えば2.5V)である。またNODE1乃至NODE4、NODE8、NODE9は内部のノードであり、vocmはVOP、VONのコモン電位である。更にφ1、φ2、φ3は図11に示すタイミング信号であり、対応するスイッチの開閉を制御する。各容量Cn(nは整数)に併記されたkC(kは整数)の値は、それぞれの容量値の相対的な大きさを示す。
図5(a)では、アンプ回路は単一のアンプAMP2として示されたが、図10に示すように、AMP5とAMP6とに分割して実現することもできる。図10に図示するスイッチの状態は、VIN+、VIN−の電位をサンプリングする際のスイッチの状態を示している。このサンプリング時の状態についてまず説明する。
サンプリング時にはφ1がHとなっており、φ1、φ2が併記されたスイッチが閉じており、/φ3が併記されたスイッチは開いている。図5(a)の説明で述べたのと同様に、サンプリング時には、SW15、SW16を閉じて、C25、C26のボトムプレート、NODE1、NODE2に、VIN+、VIN−の電位を供給する。図5と図10の回路の違いは、NODE3、NODE4の電位をSW18、SW19によりAMP5の出力、NODE8、NODE9とした点である。SW18、SW19によりアンプの出力を入力に供給することで、オフセット電圧を記憶する動作を図5で説明した。アンプの出力を入力に供給する場合、フィードバックループが形成されるので、その利得、位相特性は、発振に対して安定となるように設計しなければならない。図5の説明において、AMP2の電圧利得は十分大きいとして説明を進めたが、十分大きな電圧利得と、ループの安定性を両立させることが実用上困難な場合がある。
このような場合には、図10のように、図5のAMP2をAMP5とAMP6に分割して設計することができる。VOP、VONに出力電位を転送する場合には、図5のAMP2に相当する部分の電圧利得は十分大きくなければならないので、AMP5とAMP6の電圧利得の積で全体の利得が定まるように回路を設計し、また、NODE3、NODE4に電位を供給するフィードバック動作では、AMP5の出力をSW18、SW19でNODE3、NODE4に供給する。このようにすることで、サンプリング時には、AMP5の利得、位相特性がフィードバックに対して安定であればよく、AMP6の利得、位相特性とは無関係に、ループの安定性を実現できる。
図10の回路では、(図5のAMP2に対して)比較的小さな利得を持つAMP5の出力をSW18、SW19により、NODE3、NODE4に供給するので、ループの安定性を確保しやすい。NODE8、NODE9のコモン電位がVCMに近い値となるようにフィードバック制御を行なうことで、理想的な状態では、サンプリング時のNODE8、NODE9の電位はVCMとなる(この詳細については、後ほど説明する)。
サンプルホールドアンプ回路のサンプリング時には同時に、NODE8、NODE9の電位がほぼVCMとなるので、VOP、VONの値もほぼVCMとなる(VOP、VONの値もそのコモン電位がVCMとなるようにフィードバック制御されるものとする)。SW45、SW46が閉じているので、vocmには、VOP、VONの電位の中心電位が供給されている。
以下、図10の回路におけるサンプリング終了後のVOP、VONへの電位出力動作を説明する。
NODE3、NODE4にほぼVCMの電位を供給して、C25、C26、C27、C28に電荷を記憶した後、まずSW18、SW19が開放される。これによりNODE3、NODE4が浮遊状態となり、NODE3、NODE4の電荷が保存される。次にSW20、SW21が開放され、SW45、SW46も開放される。SW45、SW46が開放されることで、vocmの電位は、VOPとVONの電位をC46とC47で容量分割した電位、すなわちVOPとVONのコモン電位が与えられる(C46とC47の容量は等しく、それぞれvocmにトッププレートが接続されているものとする)。
SW17が閉じられ、また、SW43、SW44、SW22、SW23が閉じられる。SW43、SW44が閉じられることで、C48、C49がアンプの1段目出力、NODE8、NODE9と、VOP、VONの間に接続される。これら容量は、2段アンプのミラー補償容量と同様に働き、ループの安定性を確保するミラー容量として働く(ここではC48、C49は32Cの大きさとして図示したが、ループの安定性を保てるよう、負荷容量を考慮して決めなければならないことはもちろんである)。SW22、SW23を閉じることで、NODE3、NODE4の電荷を保存し、かつ、NODE3、NODE4の電位が仮想接地点となるように、VOP、VONの電位が定まることは図5の回路と同様である。
図10の回路のように、図5のAMP2をAMP5、AMP6に分割して実現することで、ループの安定性を設計しやすいという利点が得られる。
図12は、図10のAMP5のトランジスタレベルの回路例を示している。図12の回路は、PMOSトランジスタPM1乃至PM12、NMOSトランジスタNM1乃至NM11を含む。VDDは正の電源(例えば5V)を、GNDは0Vを、inp、innはアンプの入力を、out1m、out1pはアンプの出力を、NB、NBCはNMOSのバイアス電位を、PB、PBCはPMOSのバイアス電位を、VCMはコモンモードフィードバックのためのコモン電位入力を、ND1、ND2、PD1、PD2、PG1、PG2、NG1はアンプ内部のノードを示す。MOSトランジスタに併記された×d(dは整数)は、それぞれのMOSトランジスタのサイズの相対値の設計例を、回路の枝に併記された電流の値は、電流の設計例を示す。
図12において、図10の回路端子及び回路要素に相当する回路端子及び回路要素には、同一の記号を与えて示した。図10のAMP5に必要な機能は、入力inp、innの電位差を増幅して、out1m、out1pに出力すること、及びその出力電圧のコモン電位を(例えば)VCMに制御することである。主にこの動作について以下に説明する。
図12の回路は、折り返しカスコード回路にコモンモードフィードバック回路を組み合わせた回路となっている。PM1、PM2、PM3、PM4、PM5、PM6、PM7、NM3、NM4、NM5、NM6が折り返しカスコード回路(folded cascode)を構成し、残りの部分がコモンモードフィードバック回路を構成している。折り返しカスコード回路は、入力inp、innの電位差を増幅して、out1m、out1pに出力する回路部分として働く。
折り返しカスコード回路(folded cascode)自体は一般的な回路なので、詳細な説明は省略し、付加されているコモンモードフィードバック回路の動作について説明する。NM8、NM9のゲートに出力電位out1m、out1pを入力し、ゲートにVCMを入力するNM10と差動回路を構成する。サンプルホールドアンプ回路のサンプリング時には、out1m、out1pの電位はほぼ等しい電位となるので、out1m、out1pの電位は等しいものとして説明する。out1m、out1pの電位とVCMの電位が等しい場合には、PM10、PM11には等しい電流が流れる。図12の例では100uAの電流がそれぞれ流れる。PM11には、100uAの電流が流れるので、PM8、PM9には200uAの電流が流れる。PM10に100uAの電流が流れるので、NM1、NM2には200uAの電流が流れる。
PM8、PM9から200uAの電流が供給され、NM1、NM2に200uAの電流が流れる。従って、PM8、PM9、NM1、NM2は、この場合には、out1m、out1pの電位に影響を及ぼさない。通常の折り返しカスコード回路から、この電流を流すために、PM6、PM7、NM3、NM4のサイズが変更されて、電流の増加分大きくなっている。
out1m、out1pの電位がVCMの電位より低い場合には、NM10により大きな電流が流れる。このため、NM1、NM2に流れる電流より、PM8、PM9の電流が大きくなる。従って、out1m、out1pの電位が上昇する。逆に、out1m、out1pの電位がVCMの電位より高い場合には、NM10に流れる電流が減少する。つまり、PM8、PM9の電流より、NM1、NM2に流れる電流が大きくなる。
このように、コモンモード電位のフィードバック作用により、アンプの出力電位out1m、out1pのコモンモード電位がVCMに一致するように回路が働く。以上一例として説明したように、図12に示すような回路構成により、図10のAMP5の回路を具体化することができる。また略同様な考え方で、図10のAMP6を具体化した回路例を図13に示す。
図13の回路は、PMOSトランジスタPM24乃至PM28、NMOSトランジスタNM12乃至NM28を含む。VDDは正の電源(例えば5V)を、GNDは0Vを、out1m、out1pはアンプの入力を、out2m、out2pはアンプの出力を、NB、NBCはNMOSのバイアス電位を、PB、PBCはPMOSのバイアス電位を、VCMはコモンモードフィードバックのためのコモン電位入力を、ND3、ND4、PD3、PD4、PG3、PG4、PG5、NG2、NG3、NG4はアンプ内部のノードを示す。またMOSトランジスタに併記された×d(dは整数)は、それぞれのMOSトランジスタのサイズの相対値の設計例を、回路の枝に併記された電流の値は、電流の設計例を示す。
図13において、図10の回路端子及び回路要素に相当する回路端子及び回路要素には、同一の記号を与えて示した。図13のPM13、PM14、PM15、PM16、NM12、NM13、NM14、PM19、PM20、PM21、NM15、NM16、NM17、NM18、PM22、PM23、PM24、PM25、NM19、NM21、NM20、NM22で構成される部分は、入力信号out1m、out1pを増幅し、out2m、out2pに出力する差動増幅回路として働く。出力への負荷電流の供給を増やすために、プッシュプル構成となっている点、出力をプッシュプル構成とするのに対応して、入力差動対が、NMOSとPMOSそれぞれについて設けられている点に注意すれば、回路の動作が比較的容易に理解されると考えられるので、この部分の動作の詳細な説明は省略する。以下に、コモンモードフィードバック回路として動作する残りの回路部分の動作について説明する。
NM23のゲートに出力電位のコモン電位vocmを入力し、ゲートにVCMを入力するNM24と差動回路を構成する。vocmの電位とVCMの電位が等しい場合には、PM26、PM27には等しい電流が流れる。図13の例では100uAの電流がそれぞれ流れる。PM27には、100uAの電流が流れるので、PM17、PM18には200uAの電流が流れる。PM26に100uAの電流が流れるので、NM26、NM27には200uAの電流が流れる。
PM17、PM18乃至200uAの電流が供給され、NM26、NM27に200uAの電流が流れる。従って、PM17、PM18、NM26、NM27は、この場合には、出力out2m、out2pの電位に影響を及ぼさない。vocmの電位がVCMの電位より低い場合には、NM24により大きな電流が流れる。このため、NM26、NM27に流れる電流より、PM17、PM18の電流が大きくなる。従って、out2m、out2pの電位が上昇する。逆に、vocmの電位がVCMの電位より高い場合には、NM24に流れる電流が減少する。つまり、PM17、PM18の電流より、NM26、NM27に流れる電流が大きくなる。
このように、コモンモード電位のフィードバック作用により、アンプの出力電位out2m、out2pのコモンモード電位がVCMに一致するように回路が働く。以上一例として説明したように、図13に示すような回路構成により、図10のAMP6の回路を具体化することができる。
図14は、図12、図13の回路にバイアス電位を供給する回路の一例を示す図である。図14の回路は、PMOSトランジスタPM29乃至PM33、NMOSトランジスタNM29乃至NM32、及び抵抗R1乃至R3を含む。VDDは正の電源を、GNDは0Vを、NB、NBCはNMOSのバイアス電位を、PB、PBCはPMOSのバイアス電位を、PDはパワーダウンのための制御信号入力を示す。MOSトランジスタに併記された×d(dは整数)は、それぞれのMOSトランジスタのサイズの相対値の設計例を、回路の枝に併記された電流の値は、電流の設計例を、抵抗に併記された抵抗値は抵抗値の設計例を示す。
図14の回路は、図12、図13の回路のPB、PBC、NB、NBCに電位を供給するバイアス回路として働く。
抵抗R1に流れる電流をカレントミラー回路でPM32に流し、NBを発生する。また抵抗R2によりNBをレベルシフトし(図14の例の場合10k×50uA=500mV)、カスコード用のバイアスNBCを発生する。PB、PBCについても同様にバイアスを発生している。図14に一例を示すようなバイアス回路により、図12、図13のアンプ回路にバイアス電位を供給することが可能である。
図15は、図5、図10、図12、図13の回路にバイアス電位VCMを供給するバイアス回路の一例を示している。VCMは、すでに説明したように、電源電圧Vddの1/2程度の電位とするバイアス電位である。原理的には抵抗により電源電圧を分割することで、所望の電位を簡単に発生することができるが、図5の回路構成から分かるように、容量DACのサンプリング中の全てのトッププレート、サンプルホールドアンプ回路のサンプリング中のC27、C28のボトムプレート等をVCMの電位に充電しなければならず、これらのノードの時定数を十分小さく設計するには、電源電圧を2分割する抵抗の抵抗値を十分小さく設計しなければならず、消費電力が増加する問題がある。そこで、消費電力を小さく保ったまま、VCMの等価抵抗を小さくするために、図15のようなバイアス回路を用いることが好ましい。
図15の回路は、PMOSトランジスタPM34乃至PM37、NMOSトランジスタNM33及びNM34、及び抵抗R4乃至R7を含む。VDDは正の電源を、GNDは0Vを、VCMは電源電圧Vddの1/2程度のバイアス電位を、PDはパワーダウンのための制御信号入力を、NODE10は内部のノードを示す。またMOSトランジスタに併記された×d(dは整数)は、それぞれのMOSトランジスタのサイズの相対値の設計例を、抵抗に併記された抵抗値は抵抗値の設計例を示す。
NODE10の電位は抵抗R4、抵抗R5により、ほぼ電源電圧の1/2に定まる。PM34、PM35の実効の抵抗は十分小さいものとする。R6、NM33、PM36、R7に流れる電流は、R4、R5に流れる電流より小さいので、R6、NM33、PM36、R7がNODE10に与える影響は小さく、NODE10の電位はほぼ電源電圧の1/2に定まると考えられる。NODE10の電位をそれぞれPMOS、NMOSのソースホロワで出力したものがVCMなので、VCMの電位も、ほぼ電源電圧の1/2に定まる。プッシュプル型のソースホロワ出力を用いることで、定常電流は小さく、充電時の時定数は小さく設計できる。
図16は、図5の逐次比較型AD変換回路を一般化した回路の構成を示す図である。図16において、図5と同一の構成要素は同一の番号で参照する。
図16の回路は、スイッチSW13、SW14、SW27乃至SW42、容量C30乃至C45、及びサンプルホールドアンプ回路AMP7を含む。VIN+はプラス側のアナログ入力を、VIN−はマイナス側のアナログ入力を示す。VOP、VONはそれぞれサンプルホールドアンプ回路出力のプラス側、マイナス側(内部アナログ信号(+)、内部アナログ信号(−))である。TOP+は容量アレイのプラス側トッププレートを、TOP−は容量アレイのマイナス側トッププレートを示す。Vref+はプラス側の基準電位(5V)であり、Vref−はマイナス側の基準電位(0V)である。VCMはサンプリング時のトッププレートのバイアス電位(2.5V)を、CDAC+はプラス側容量DACを、CDAC−はマイナス側容量DACを示す。SCL1は、サンプルホールドアンプ回路に参照電圧(Vref+とVref−の電位差)を入力したときのサンプルホールドアンプ出力が、AD変換器のデジタル出力の最大値となるようにAD変換器デジタル出力をスケーリングする回路である。各容量Cn(nは整数)に併記されたkC(kは整数)の値はそれぞれの容量値の相対的な大きさを示す。
図16のアンプAMP7は、図5のサンプルホールドアンプ回路(AMP2、C25乃至C28とスイッチ等)を一般的に示したものである。容量の相対比で電圧利得が決定できるスイッチトキャパシタ型のサンプルホールドアンプ回路が、精度の観点から望ましい。しかし直流的に抵抗比で電圧増幅率を決定する増幅回路をAMP7として使用しても、動作上問題はない。ここで、重要な点は電圧増幅率を1未満とする点である。電圧増幅率をn/m(n<m)とし、VOP、VONのコモン電位がVCMに一致するように制御すれば、AMP7の具体的な回路構成によらず、図16の回路においても図5の回路と同様の効果を得ることができる。
即ち、アンプAMP7の電圧利得を1未満に設計することで、アナログ入力信号の差電圧が電源電圧に等しい場合でも、アンプAMP7の出力飽和を避けることができるので、電源電圧に等しいアナログ入力電位差つまりrail-to-rail範囲のアナログ入力信号を扱うことができるようになる。またサンプルホールドアンプ回路に参照電圧(Vref+とVref−の電位差)を入力したときのサンプルホールドアンプ出力が、AD変換器のデジタル出力の最大値となるように、AD変換器デジタル出力を調整(スケーリング)するための容量(C36、C37、C44、C45)(SCL1)を設ける。これにより、電圧利得が1未満(n/m、n<m)のアンプAMP7を使用しても、適正なデジタル出力値(容量DACで直接アナログ信号をサンプリングする場合と同じデジタル出力値)を得ることができる。
またアンプAMP7を介してアナログ信号を容量DACに伝達することで、容量DACとは独立に、アンプAMP7の入力容量を設計できる。従ってこの入力容量を小さくすることにより、逐次比較型AD変換回路を高速化することが可能となる。
なお図16において、アンプAMP7に併記されたA=n/mは、AMP7の電圧利得を表わし、図5と同じ設計の場合はA=2/3となる。このA=2/3の条件で、プラス側(或いはマイナス側)容量DACの合計容量が32Cの場合、容量C36、C44が48C、容量C37、C45が16Cとなることは、図5、図6、図7、図8、図9の説明で述べた。以下において、スケーリングのための容量を決定する方法を一般化して説明する。
図16の回路においても、図5の回路と同様に、VOP、VONのコモン電位がVCMに一致するように制御するものとする。またアンプAMP7により、アナログ入力信号の差電圧((VIN+)−(VIN−))に比例した電位差をVOP、VONに転送し、この電位差を容量DACでさらにサンプリングする。図16に図示されるスイッチの状態は、図5の場合と同様、VOP、VONを容量DAC(プラス側容量DAC、マイナス側容量DAC)でサンプリングする状態を示している。
図6を再度用いて、電圧利得とVOP及びVONの電位との関係を説明する。アンプAMP7の電圧利得をn/mとする。説明を簡単にするために、電源電圧Vddが5V、リファレンス電圧Vref+が5V、Vref−が0V、VCMが2.5V、VIN+=5V、VIN−=0Vの場合について説明する。
VOPの電位は、アンプAMP7の電圧利得をn/mとしたとき、1/2+n/2m=(m+n)/2m(×Vdd)となる。図7のVOPの電位を(m+n)/2mで置き換えて考えると、フルスケール時(入力電位差が電源電圧に等しい場合)の容量DACのトッププレート電位はVdd/2、ボトムプレート電位はVdd(m+n)/2mとなる。
トッププレートに蓄えられる電荷は、
−CsVdd((m+n)/2m−1/2)=−CsVdd×n/2m (15)
となる。この電荷が保存されるとして、図7のXを求めれば、フルスケール入力時の変換終了時の容量接続比が求まる。
(−X+Cs−X)Vdd/2=−CsVdd×n/2m (16)
を解くと、
X=Cs(m+n)/2m (17)
が得られる。
また、アナログ入力信号の差電圧((VIN+)−(VIN−))が0の場合、VOPはVCMに等しく、Y=1/2(Cs/2)が明らかである(図8参照)。
図9のBは、図7のCs−Xに等しいので(図9のDに相当する部分はデジタルコードが全ビット1の時には全てVddに接続される)、
B=Cs−X=Cs−Cs(m+n)/2m=Cs(m−n)/2m (18)
が得られる。また図8のY=1/2は、B+Dに等しい。何故ならば、図9のDに相当する部分はデジタルコードが全ビット0の時に、全て0Vに接続されるからである。従って、
Cs/2=Cs(m−n)/2m+D (19)
より、
D=Cs×n/2m (20)
が得られる。
ここで図16に再び参照する。式(20)より容量DACのデジタルコードに依存してボトムプレートが繋ぎ換えられる部分の容量Dと全体の容量Csの関係が一般的に求まったので、例えば、Dの部分をCBと表わすと、全体の容量は以下のように表される。
Cs=CB×2m/n (21)
この式(21)を式(18)に代入すると、Bすなわち、図16の容量C37、C45の容量値を一般的に求めることができる。
B=Cs(m−n)/2m
=CB×2m/n×(m−n)/2m
=CB×(m−n)/n (22)
式(22)の結果が、図16中にも示されている。CB=32C、m=3、n=2の場合には、B=16Cとなり、図5で説明した容量C37、C45の値に一致する。
また、図8のY=1/2は、図9のAに等しい。何故ならば、図9のDに相当する部分はデジタルコードが全ビット0の時に、全て0Vに接続されるからである。従って、
A=Cs/2=CB×m/n (23)
が得られる。これが図16の容量C36、C44の容量値に相当する。図16中にこの結果も示してある。CB=32C、m=3、n=2の場合には、A=48Cとなって、図5で説明した容量C36、C44の値に一致する。
このような考え方で、アンプAMP7の電圧利得が一般にn/mの場合に、スケーリング回路SCL1の容量C36、C37、C44、C45の大きさを、プラス側容量DAC、マイナス側容量DACの合計容量に基づいて決定することができる。図16の回路のサンプリング動作及びデジタル値検索動作は、図5の回路の場合と同様であるので、説明を省略する。
図17は、本発明による逐次比較型AD変換回路の他の実施例の構成を示す回路図である。図17の回路は、図17(a)に示されるスイッチSW13、SW14、SG3、SG4、SG1、SG2、容量C30乃至C45、及び図17(b)に示される抵抗DAC(RDAC1)を含む。VOP、VONはそれぞれサンプルホールドアンプ回路出力のプラス側、マイナス側(内部アナログ信号(+)、内部アナログ信号(−))である。TOP+は容量アレイのプラス側トッププレートを、TOP−は容量アレイのマイナス側トッププレートを示す。またVref+はプラス側の基準電位(5V)、Vref−はマイナス側の基準電位(0V)、VCMはサンプリング時のトッププレートのバイアス電位(2.5V)である。抵抗DAC(RDAC1)は、抵抗RD0乃至RD7及びセレクタSEL1及びSEL2を含み、RDACP及びRDACNを生成する。NRD1乃至NRD7は抵抗DACの内部のノードである。各容量Cn(nは整数)に併記されたkC(kは整数)の値はそれぞれの容量値の相対的な大きさを示す。
図17に図示されるスイッチの状態は、VOP、VONをサンプリングする状態を示している。図17において、図5、図16の回路と同一の働きをする回路部分は、同一の符号で参照する。図17の回路が図5、図16の回路と異なる点は、図5、図16の回路では、容量DACのみでAD変換回路が構成されていたのに対して、図17の回路では、上位ビットを容量DACで決定し、下位ビットを抵抗DACで決定するように回路が構成されている点である。図17に示すように容量と抵抗からなる複合DACにおいても、本発明の考え方を適用できる。
図5、図16の回路では、アナログ入力に相当するデジタルコードを検索する場合に、容量C30のボトムプレートをVref−に固定するとともに容量C38のボトムプレートをVref+に固定した状態で、容量C31乃至C35のボトムプレートをデジタルコードの対応ビットが1ならVref+に接続し、デジタルコードの対応ビットが0ならVref−に接続する。またマイナス側の容量DACにおいては、プラス側容量DACと対称に、デジタルコードの対応ビットが1ならVref−に、デジタルコードの対応ビットが0ならVref+に接続する。
従って、例えば10ビットの分解能が必要な場合には、片側だけで1024個の単位容量が必要となり、占有面積が大きくなるという問題があった。この占有面積の問題はDACをダブルステージDACとすることで解決できる。
図17のように、容量C30のボトムプレートに抵抗DAC出力RDACPを接続することで、CRダブルステージDACを構成することができる。また、マイナス側容量DACの容量C38のボトムプレートに抵抗DAC出力DRACNを接続することで、マイナス側容量DACについても、CRダブルステージDACを構成することができる。
RDAC1は下位3ビットを変換するための抵抗DACの一例を示し、単位抵抗RD0乃至RD7により基準電圧(Vref+とVref−の電位差)を8等分する(低い電位から順番にNRD1乃至NRD7まで符号を与えた)。セレクタSEL1はVref−と、抵抗DACの内部ノードNRD1乃至NRD7のうちの1つの電位を入力デジタル値により選択し、RDACPに出力する。例えば、入力デジタル値が000のときにVref−を出力し、デジタル値が順次大きくなるに従って、NRD1からNRD7までの値を出力する。
セレクタSEL2は、Vref+とNRD7乃至NRD1までの電位のうちの1つの電位を入力デジタル値により選択し、RDACNに出力する。例えばRDACPと対称に、入力デジタル値が000のときにVref+を出力し、デジタル値が順次大きくなるに従って、NRD7からNRD1までの値を出力する。
図17に示される回路のように、DACを容量と抵抗とで構成されるダブルステージDACとして構成しても、VOP、VONの最大値と必要な変換結果との関係は図5、図16の回路の場合と変わらない。従って、図5、図16で説明したスケーリング回路SCL1の構成の原理を、そのまま適用することができる。例えば、図17の回路においても、VOP、VONを出力する回路の電圧利得が2/3の場合には、容量C36、C44の値は48C、容量C37、C45の値は16Cとなる。
以上説明したように、CRダブルステージDACを用いた場合でも、本発明の電圧利得及びスケーリング回路の原理をそのまま適用できる。従って、占有面積を小さく抑えられるというダブルステージDACの利点と、入力容量を小さく保つことができるという本発明の逐次比較ADCの利点とを両立させることができる。
図18は、本発明による逐次比較型AD変換回路の他の実施例の構成を示す回路図である。図18の回路は、図18(a)に示されるスイッチSW13、SW14、SG5、SG6、SG1、SG2、容量C31乃至C37、C39乃至C45、C50乃至C53、図18(b)に示される抵抗DAC(RDAC2)を含む。VOP、VONはそれぞれサンプルホールドアンプ回路出力のプラス側、マイナス側(内部アナログ信号(+)、内部アナログ信号(−))である。TOP+は容量アレイのプラス側トッププレート、TOP−は容量アレイのマイナス側トッププレート、Vref+はプラス側の基準電位(5V)、Vref−はマイナス側の基準電位(0V)、VCMはサンプリング時のトッププレートのバイアス電位(2.5V)である。抵抗DAC(RDAC2)は、抵抗RU1乃至RU14、RH1乃至RH8、及びセレクタSEL3、SEL4、SEL5、SEL6を含む。RDACUP、RDACUN、RDACLP、RDACLNは抵抗DACの出力であり、VOFFP、VOFFNは変換結果にオフセットを与えるためのバイアス電位である。またNRU1乃至NRU4、NRU8、NRU12乃至NRU15は抵抗DACの内部のノードを示す。各容量Cn(nは整数)に併記されたkC(kは整数)の値はそれぞれの容量値の相対的な大きさを示す。
図18に図示されるスイッチの状態は、VOP、VONをサンプリングする状態を示している。図18において、図5、図16、図17の回路部分と同一の働きをする回路部分は、同一の符号で参照する。図17の回路では、容量C30、C38のボトムプレートに抵抗DAC出力を供給する回路例を示したが、図18の回路では、容量C30、C38のかわりに、容量C50、C51、C52、C53を設けて、容量C50、C51、C52、C53のボトムプレートに抵抗DAC出力を供給している。容量C50、C51或いはC52、C53により、それぞれの抵抗DAC出力を容量により加算する回路構成となっている。
まず、抵抗DACの構成について説明する。図18のRDAC2は下位4ビットを変換するための抵抗DACとして働く。RU1乃至RU14、RH1乃至RH8は同じ抵抗値をもつ単位抵抗を表わしている。RH1乃至RH4は単位抵抗を2つ並列接続したものを直列接続しているので、結局4つの抵抗で1つの単位抵抗と等価となる。RH5乃至RH8についても同様に4つの抵抗で合成抵抗は、単位抵抗と等価となる。従って、RU1乃至RU14とRH1乃至RH8で、基準電圧(Vref+とVref−の電位差)は16等分される。抵抗DACの内部ノードには、電位の低い方から順にNRUe(eは整数)という符号を与えた。ここで、NRUeのeは、16等分した基準電位のe/16の電位に対応している。
抵抗RH5乃至RH8でNRU15とVref+との電位差をさらに2分割して得られるVOFFNは、Vref+から、((Vref+)−(Vref−))/32だけ低い電位となる。同様に、抵抗RH1乃至RH4でNRU1とVref−との電位差をさらに2分割して得られるVOFFPは、Vref−から、((Vref+)−(Vref−))/32だけ高い電位となる。
RDAC2は4ビットのデジタル信号を入力して、上位2ビットに相当する電位をRDACUNとRDACUPに出力し、また下位2ビットに相当する電位をRDACLNとRDACLPに出力する。即ち、4ビット入力4出力DAC回路として動作する。
Vref−、NRU1、NRU2、NRU3の電位から1つがセレクタSEL5により選択されて、RDACLPに出力される。RDAC2の入力下位2ビットが00のときには、Vref−が出力され、01、10、11に対応してそれぞれ、より高い電位NRU1、NRU2、NRU3が選択される。
RDACLNはRDACLPと対称な電位を出力する。Vref+、NRU15、NRU14、NRU13の電位から1つがセレクタSEL4により選択されて、RDACLNに出力される。RDAC2の入力下位2ビットが00のときには、Vref+が出力され、01、10、11に対応してそれぞれ、より低い電位NRU15、NRU14、NRU13が選択される。
RDACUPの電位について説明する。Vref−、NRU4、NRU8、NRU12の電位から1つがセレクタSEL6により選択されて、RDACUPに出力される。RDAC2の入力上位2ビットが00のときには、Vref−が出力され、01、10、11に対応してそれぞれ、より高い電位NRU4、NRU8、NRU12が選択される。
RDACUNの電位について説明する。RDACUNはRDACUPと対称な電位を出力する。Vref+、NRU12、NRU8、NRU4の電位から1つがセレクタSEL3により選択されて、RDACUNに出力される。RDAC2の入力上位2ビットが00のときには、Vref+が出力され、01、10、11に対応してそれぞれ、より低い電位NRU12、NRU8、NRU4が選択される。
上記のようにして得られるRDACUP、RDACLP、RDACUN、RDACLNを、図18のように容量DACの最小の容量C51、C53、C50、C52のボトムプレートに供給する。これにより、抵抗DAC出力を容量加算するCRダブルステージDACを構成することができる。
容量C51、C53は図17の容量C30、C38に相当し、サンプリング容量としても働く。これと並列に容量C50、C52を設ける。この容量C50、C52はVOP、VONをサンプリングする容量ではないので、容量DACの動作自体は容量C51、C31乃至C35、C53、C39乃至C43を考えると、図17の回路と等価となる。このため、電圧スケーリングのための容量C36、C37、C44、C45は図17の回路と同じ考え方で設計できる。
図18の回路は、これらの回路部分に容量C50、C52が付加されて、トッププレート電位TOP+とTOP−とに、容量C50、C52でRDACLPの電位とRDACLNの電位とを加算していると考えることができる。図7或いは図8において、トッププレートと所定の電位との間に寄生容量があったとしても、結果に影響を与えない。つまり、容量DACの動作及びAD変換結果は、図18において、容量C50、C52がある場合とない場合で、大略一致する。従って、容量C50、C52を別途設け、そのボトムプレートに抵抗DAC出力を加え、トッププレート電位TOP+とTOP−とにRDACLPの電位とRDACLNの電位とを(全体の容量と1Cで決まる重みにより)加算しても、特に問題はない。
以下に、VOFFPとVOFFNの意義について説明する。AD変換回路においては、アナログ入力電位とデジタル変換結果の入出力特性において、デジタルコード(変換結果)の遷移点を、図5、図16などの回路で実現される特性から1/2×LSBずらすことが望まれる場合がある。図18の容量C50、C52とサンプリング時にこれらのボトムプレートに供給されるVOFFPとVOFFNは、そのためのものである。既に述べたように、VOFFNの電位は、Vref+から、((Vref+)−(Vref−))/32だけ低い電位となる。またVOFFPは、Vref−から、((Vref+)−(Vref−))/32だけ高い電位となる。RDAC2で16分割されたそれぞれの電圧NRUe(eは整数)が、図18のAD変換回路のLSBに相当するので、VOFFP、VOFFNは正負の基準電圧から1/2×LSB相当の電圧を、サンプリング時に容量C50、C52のボトムプレートに供給している。これにより、サンプリング結果を、変換開始とともに1/2×LSB相当の電位ずらすことができる。
図18では容量DACの分解能が5ビット、抵抗DACの分解能が4ビット(2ビット+2ビット)の場合を例として示したが、図18の構成に限らず、図5、図16、図17の回路も含めて、任意の分解能の構成に対して一般に本発明を適用できる。
以上説明した図5、図16、図17、図18においては、主に容量DACまでの回路の構成例について示した。図19は、容量DAC出力であるTOP+とTOP−との電位差を検出するコンパレータの回路構成の一例を示す図である。
図19の回路は、スイッチSW47乃至SW56、容量CC1乃至CC5、及び増幅回路AMP8乃至AMP11を含む。TOP+は容量アレイのプラス側トッププレートを、TOP−は容量アレイのマイナス側トッププレートを示す。VCMはサンプリング時のトッププレートのバイアス電位(2.5V)である。early、late、convは図20に示すタイミング信号である。NC1乃至NC12は内部のノードを、COUT3はコンパレータの比較結果を示す。図19に図示されるスイッチの状態は、VOP、VONの電位を容量DACにサンプリングする際のスイッチの位置を示している。
まず、図19のVOP、VONを容量DACにサンプリングする状態について説明する。容量DACのトッププレートTOP+とTOP−は、スイッチSW48によって同電位になるように制御される。容量DACのサンプリングの最終時点では、TOP+とTOP−の電位はVCMになるので、この状態でコンパレータのオフセット電圧をなんらかの手段で記憶し、オートゼロを実行することが望ましい。
このとき、TOP+とTOP−とを直接コンパレータに入力する構成としてもよい。しかし直接入力する構成では、TOP+とTOP−とを充電するための時定数とコンパレータのオートゼロのための時間の和だけ、VOP、VONを容量DACにサンプリングするための時間が必要になる。
この時間を短縮するために、図19の回路例では、VOP、VONのサンプリング中は、コンパレータには別途VCMを入力しておき、変換が始まる時点でTOP+と、TOP−をコンパレータ入力に接続するよう回路を構成している。こうすることで、TOP+と、TOP−の電位が十分安定するまで、VOP、VONの電位を容量DACにサンプリングすれば、それと平行して、コンパレータのオートゼロのためのオフセット電圧の記憶も終了できるようになる。
図19のスイッチSW47、SW49、SW50、SW51は、この目的のために設けられた回路部分である。スイッチSW47、SW49により、コンパレータ入力をTOP+とTOP−から切り離して、別途VCMを与えられるようになっている。
AMP8にオフセットがあると、NC1、NC2に同じVCMの電位を与えても、その出力NC3、NC4は同電位とはならない。これをCC1、CC2に記憶しておくことで、オフセット電圧を相殺することができる。VOP、VONを容量DACにサンプリングする期間には、SW52、SW53、SW54、SW56を閉じておく。SW52、SW53を閉じておくことで、NC5とNC6の電位差は、AMP9のオフセット電圧程度の値となる。AMP10、AMP11についても、同様に、それぞれの結合容量にオフセット電圧が記憶される。
VOP、VONを容量DACにサンプリングした後、earlyが併記されたスイッチSW48、SW52、SW53が開放される。次に、lateが併記されたスイッチSW50、SW51、SW54、SW55、SW56が開放され、convが併記されたスイッチSW47、SW49が閉じられる。
図19に例として示すような回路により、容量DACの出力TOP+とTOP−の電位差を検出し、その大小関係を判定することができる。即ち、本発明の逐次比較型AD変換回路のコンパレータとして使用することができる。
図21は、本発明による逐次比較型AD変換回路の構成の一例を示すブロック図である。図22は、図21の回路の動作タイミング例を示すタイミング図である。
図21の逐次比較型AD変換回路は、電圧利得A=n/mであるサンプルホールドアンプ回路SHA1、容量DA変換器(CDAC)CDAC1、コンパレータCOMP、抵抗DA変換器(RDAC)RDAC3、及び逐次比較を制御する制御回路CNTを含む。この構成例では、抵抗DA変換器が含まれるが、抵抗DA変換器がない構成であってもよい。
VIN+はプラス側のアナログ入力、VIN−はマイナス側のアナログ入力である。VOP、VONはそれぞれサンプルホールドアンプ回路出力のプラス側、マイナス側(内部アナログ信号(+)、内部アナログ信号(−))である。TOP+は容量アレイのプラス側トッププレート、TOP−は容量アレイのマイナス側トッププレートである。
COUTはコンパレータ回路出力、RDOは抵抗DAC出力である。制御回路CNTは、コンパレータ回路出力COUTに応じて動作し、制御信号CNTRにより抵抗DACを制御するとともに、制御信号CNTCにより容量DACを制御する。具体的には、制御信号CNTCにより容量DA変換器CDAC1の容量アレイの各容量に接続されたスイッチの開閉を制御する。
CLKはAD変換回路のタイミング全般を規定するクロック入力であり、SPC1はサンプルホールドアンプ回路のサンプリング期間を規定する信号である。またSPC2はVOP、VONを容量DACにサンプリングする期間(VOP、VONを容量DACに転送する期間)を規定する信号であり、D[11:0]は例えば12ビットのAD変換結果を示す。
図21の回路の動作を、図22を用いながら説明する。図22に示すようにCLKが入力されているものとする。制御信号SPC1がHである期間、サンプルホールドアンプ回路SHA1にVIN+、VIN−がサンプリングされる。次に、SPC1がLに変化すると、サンプルホールドアンプ回路の出力VOP、VONにサンプリングした電位差が出力され、これが容量DAC(CDAC1)にサンプリングされる。これにより、サンプルホールドアンプ回路の出力VOP、VONがCDAC1に転送される。この転送動作の期間を、図22に転送期間として示す。
制御信号SPC2をHからLに変化させて1クロックサイクル後に、転送期間(VOP、VONをCDAC1にサンプリングする期間)が終了する。それに引き続き、容量DAC(CDAC1)及び抵抗DAC(RDAC3)の入力信号を制御することにより、MSBから順番にLSBまで決定していく。この動作の期間を、図22にcompare期間として示す。LSBの決定が終了した後、変換結果D[11:0]が有効となる。
図22に示す動作例では、コンパレータでの各ビットの比較の時間を十分確保するために、MSB(D11)の比較だけ2クロックサイクル使用するタイミングとなっている。転送期間(VOP、VONをCDAC1にサンプリングする期間)から、コンパレータでの比較の開始に遷移する時点で、記憶した電荷を失わないようなタイミングの余裕が必要になる場合が多い。そのような場合に、MSBからLSBまで、均等に比較時間を割り当てると、実効的にMSBでの比較のための時間が減少する場合がある。これを避ける目的で、転送期間(VOP、VONをCDAC1にサンプリングする期間)から、コンパレータでの比較の開始に遷移した最初の比較期間だけ、長い比較時間を割り当てる構成としてよい。
図21の発明の回路を、図22のタイミングで動作させるように設計し、各部の波形を回路シミュレーションにより求めた例を図23、図24、図25に示す。
図23は、電源電圧4.5V、Vref+=4.5V、Vref−=0V、VIN+=3V、VIN−=0Vの場合の各部の波形を示す波形図である。図24は、電源電圧4.5V、Vref+=4.5V、Vref−=0V、VIN+=4.5/4096V、VIN−=0Vの場合の各部の波形を示す波形図である。この場合VIN+には、4.5Vを4096分割した1/4096を入力している。また図24は、電源電圧4.5V、Vref+=4.5V、Vref−=0V、VIN+=4.5×4094/4096V、VIN−=0Vの場合の各部の波形を示す波形図である。この場合VIN+には、4.5Vを4096分割した4094/4096を入力している。
12ビットのAD変換の例なので、期待される変換結果は、図23の場合が101010101010、図24の場合が000000000001、図25の場合が、111111111110となる。
図23(a)の波形は、図5のサンプルホールドアンプ回路のNODE1、NODE2に相当する部分の波形を示している。サンプルホールドアンプ回路のサンプリング期間(図23中でサンプリング期間として示した期間)に、NODE1が3V、NODE2が0Vとなる。サンプルホールドアンプ回路から容量DACへの転送期間(図23では「サンプルホールドアンプ回路からCDACへの転送」として示した)に、NODE1とNODE2の電位は(図5のSW17により)等電位となり、図23の波形でも、NODE1とNODE2の電位が等しくなっていることがわかる。
同時に、VOP、VONにサンプリング電位差に相当する電位差が出力される。これは図23(b)の波形図に示される。サンプルホールドアンプ回路の電圧利得がこの例では2/3なので、3Vをサンプリングした場合、サンプルホールドアンプ回路出力VOP、VONの電位差は2Vとなる。
転送期間の後、コンパレータによる比較を開始する。この比較動作によって、図23(d)に示されるように、コンパレータ結果が101010101010と変化していることがわかる。これは上記の変換結果の期待値に一致している。
図23(c)に示す容量DAC出力の波形は、TOP+、TOP−の波形を示している。コンパレータ出力が101010101010と変化するのに対応して、その電位差の符号が交互に変化し、比較の終了時点では、TOP+、TOP−の電位が略一致する。
別の動作条件に対して、図24(a)にVOP及びVON、図24(b)にTOP+及びTOP−、図24(c)にコンパレータ出力を示す。コンパレータ出力は期待値000000000001に一致していることがわかる。また、入力電位差が4.5/4096Vと非常に小さいので、VOP、VONは略等しい電位となっている。TOP+、TOP−は電位差が大きい状態からしだいに電位差が小さい状態に変化していき、最終的には、TOP+の電位とTOP−の電位とが略一致する。
別の動作条件に対して、図25(a)にVOP及びVON、図25(b)にTOP+及びTOP−、図25(c)にコンパレータ出力を示す。図24と対照的に、入力電位差は4.5V程度と略最大の振幅であるので、VOP、VONの信号振幅は図25(a)に示されるように大きい。サンプルホールドアンプ回路の電圧利得がこの例では2/3であるので、サンプルホールドアンプ回路出力VOP、VONの電位差は約3Vとなる。この様子が図25(a)に示されている。
コンパレータ出力は、期待値111111111110に一致している。またTOP+及びTOP−は電位差が大きい状態からしだいに電位差が小さい状態に変化していき、最終的には、TOP+の電位とTOP−の電位とが略一致する。符号は図24の場合と逆となる。
図26は、本発明による逐次比較型AD変換回路の他の実施例の構成を示す回路図である。図26の回路は、図26(a)に示されるサンプルホールドアンプ回路(或いは増幅回路)AMP7、スイッチSW13、SW14、SG3、SG4、容量C30乃至C35、容量C38乃至C43、及び図26(b)に示される抵抗DA変換器RDAC4を含む。VIN+はプラス側のアナログ入力であり、VIN−はマイナス側のアナログ入力である。VOP、VONはそれぞれサンプルホールドアンプ(サンプルホールドアンプ回路)回路出力のプラス側、マイナス側(内部アナログ信号(+)、内部アナログ信号(−))である。TOP+は容量アレイのプラス側トッププレート、TOP−は容量アレイのマイナス側トッププレート、Vref+はプラス側の基準電位(5V)、Vref−はマイナス側の基準電位(0V)、VCMはサンプリング時のトッププレートのバイアス電位(2.5V)である。RDAC4は抵抗RR0乃至RR5を含む。VREFD+、VREFD−、VREFHは抵抗DAC(RDAC4)で発生するリファレンス電位である。
図26に図示されるスイッチの状態は、VOP、VONをサンプリングする状態を示している。図26において、図5、図16、図17、図18の回路と同一の働きをする回路部分は、同一の符号で参照する。図26の回路が図16の回路と異なる点は、図16の回路で用いられるスケーリング回路SCL1の代わりに、図26の回路では抵抗DAC(RDAC4)が設けられている。この抵抗DAC(RDAC4)によりリファレンス電位VREFD+、VREFD−、VREFHを発生し、これらのリファレンス電位を利用することにより、適切なAD変換結果が得られる構成となっている。
図16の回路では、アナログ入力に相当するデジタルコードを検索する場合に、容量C31乃至C35及びC39乃至C43のボトムプレートをVref+或いはVref−に接続する。一方、図6、図7、図8に示されるように、例えばサンプルホールドアンプ回路の電圧利得が2/3の場合、VOPの電位は、全ビット0に対応するアナログ入力に対してVCM(Vdd/2)、全ビット1に対応するアナログ入力に対して5Vdd/6となる。従って、これらの電位を直接抵抗DACで発生し、容量DACのボトムプレート電位を操作することにより、所望のデジタル変換結果を得ることができる。
抵抗RR0乃至RR5は、Vref+とVref−の電位差を6等分する。即ち、VREFD+は5/6相当の電位、VREFD−は1/6相当の電位、VREFHは1/2相当の電位となる。
図6の電位の関係と、VREFD+、VREFD−、VREFHの関係から、図26の回路においても、図16と同様のデジタル変換結果が得られることが容易に理解できる。図26の構成はアンプの電圧利得が2/3の場合の一例であるが、同様の原理に基づいて、任意の電圧利得に対して一般に、図16の回路の構成を拡張できる。
図27の回路は、本発明による逐次比較型AD変換回路の他の実施例の構成を示す回路図である。図27の回路は、スイッチSW13、SW14、SW27乃至SW42、容量C30乃至C35、C38乃至C43、C54乃至C57、及び増幅回路AMP12を含む。VIN+はプラス側のアナログ入力であり、VIN−はマイナス側のアナログ入力である。VOP、VONはそれぞれAMP12出力のプラス側、マイナス側(内部アナログ信号(+)、内部アナログ信号(−))である。TOP+は容量アレイのプラス側トッププレート、TOP−は容量アレイのマイナス側トッププレート、Vref+はプラス側の基準電位(5V)、Vref−はマイナス側の基準電位(0V)、VCMはサンプリング時のトッププレートのバイアス電位(2.5V)である。CDAC+はプラス側容量DAC、CDAC−はマイナス側容量DACを示す。またC54乃至C57はスケーリング回路SCL2を構成する。スケーリング回路SCL2は、サンプルホールドアンプ回路に参照電圧(Vref+とVref−の電位差)を入力したときのサンプルホールドアンプ出力が、AD変換器のデジタル出力の最大値となるように、AD変換器デジタル出力を調整する。各容量Cn(nは整数)に併記されたkC(kは整数)の値はそれぞれの容量値の相対的な大きさを示す。
図27において、図16の回路と同一の働きをする回路部分は、同一の符号で参照する。図27は、図16の回路のアンプAMP7の電圧利得を4/5に変更した回路例を示している。
図27のアンプAMP12に併記されたA=n/mは、アンプAMP12の電圧利得を表わし、この例ではA=4/5である。A=4/5の条件において、プラス側(或いはマイナス側)容量DACの合計容量が32Cの場合、容量C54、C56の容量値は40Cとなる。また容量C55、C57の容量値は8Cとなる。この例に具体的に示すように、電圧利得2/3に限らず他の電圧利得の場合にも、本発明の回路を構成することができる。
以上説明したように、本発明では、電圧利得が1未満のサンプルホールドアンプ回路と、サンプルホールドアンプ出力をサンプリングする容量DACを設けることで、参照電圧(Vref+とVref−の電位差)及びアナログ入力電位差が電源電圧に等しい場合であっても、アンプ回路が正常に動作し、rail-to-rail範囲(電源電圧範囲)のアナログ入力信号をAD変換することができる。またサンプルホールドアンプ回路に参照電圧(Vref+とVref−の電位差)を入力したときのサンプルホールドアンプ出力が、AD変換器のデジタル出力の最大値となるように、AD変換器デジタル出力を調整(スケーリング)するための容量を設ける。これにより、電圧利得が1未満のサンプルホールドアンプ回路を使用しても、適切なデジタル出力値(容量DACで直接アナログ信号をサンプリングする構成と同じデジタル出力値)を得ることができる。
またサンプルホールドアンプ回路によりアナログ信号をサンプリングする構成とすることにより、容量DACとは独立に、サンプルホールドアンプ回路の入力容量を設計できる。従ってこの入力容量を小さくすることにより、逐次比較型AD変換回路を高速化することが可能となる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
従来の電荷再分配型の差動容量DACの図である。 従来の電荷再分配型の差動容量DACの他の回路例を示す図である。 従来のサンプルホールドアンプ回路の図である。 従来の逐次比較型AD変換回路を示す図である。 本発明の一実施例である逐次比較型AD変換回路の例を示す図である。 図5の回路の電位の関係を示す図である。 容量DACの動作の説明のための図である。 容量DACの動作の説明のための図である。 容量DACの動作の説明のための図である。 本発明に適した電荷転送型サンプルホールドアンプ回路の図である。 図10のタイミング信号を示すタイミング図である。 図10の回路に適したオペアンプ回路(1段目)の図である。 図10の回路に適したオペアンプ回路(2段目)の図である。 バイアス回路の例を示す回路図である。 電源電圧の半分程度の電圧を発生する回路例を示す図である。 本発明の一実施例である逐次比較型AD変換回路の例を示す図である。 本発明の他の実施例である逐次比較型AD変換回路の例を示す図である。 本発明の他の実施例である逐次比較型AD変換回路の例を示す図である。 本発明に適したコンパレータ回路を示す図である。 図19のタイミング信号を示すタイミング図である。 本発明の逐次比較型AD変換回路のブロック図である。 本発明の逐次比較型AD変換回路の動作タイミングの一例を示す図である。 図21の回路の動作波形の一例を示す図である。 図21の回路の動作波形の一例を示す図である。 図21の回路の動作波形の一例を示す図である。 本発明の他の実施例である逐次比較型AD変換回路の例を示す図である。 本発明の他の実施例である逐次比較型AD変換回路の例を示す図である。
符号の説明
SW13、SW14、SW15〜SW23、SW27〜SW42 スイッチ
C25〜C28、C30〜C45 容量
AMP2 アンプ回路
SHA1 サンプルホールドアンプ回路
CDAC1 容量DA変換器
COMP コンパレータ
RDAC3 抵抗DA変換器
CNT 制御回路

Claims (7)

  1. 入力アナログ電圧をサンプルホールドし1未満の電圧利得で該入力アナログ電圧に比例した内部アナログ電圧を出力端に生成するサンプルホールドアンプ回路と、
    該サンプルホールドアンプ回路の該出力端に結合され該内部アナログ電圧に応じた電荷を蓄える複数の容量を含み、該複数の容量の接続を制御信号に応じて切り換えることにより該内部アナログ電圧及び該制御信号に応じた比較アナログ電圧を出力端に生成する容量DA変換器と、
    該容量DA変換器の該出力端に結合され該比較アナログ電圧に応じた比較結果信号を出力端に生成する比較器と、
    該比較器の該出力端に結合され該比較結果信号に応じて該制御信号を該容量DA変換器に供給する制御回路
    を含み、該容量DA変換器の該複数の容量は、
    該制御信号に応じて2つの基準電位の何れかに選択的に接続される第1の容量と、
    該制御信号に無関係に該2つの基準電位の何れか所定の一方に接続される第2の容量
    を含み、該第2の容量により該比較アナログ電圧を調整することにより、該サンプルホールドアンプ回路の該1未満の電圧利得を補償するように該容量DA変換器が構成される
    ことを特徴とする逐次比較型AD変換器。
  2. 該第2の容量により該比較アナログ電圧を調整することにより、該入力アナログ電圧が該2つの基準電位の差に等しいときに該第1の容量の全てが該2つの基準電位の一方である同一の基準電位に接続されるように該容量DA変換器が構成されることを特徴とする請求項記載の逐次比較型AD変換器。
  3. 該サンプルホールドアンプ回路は、
    アンプ回路と、
    該アンプの入力端子側に結合される第1の容量と、
    該アンプの出力端子側に結合される第2の容量
    を含むスイッチトキャパシタ型サンプルホールドアンプであり、該第1の容量の容量値よりも該第2の容量の容量値が大きいことを特徴とする請求項1記載の逐次比較型AD変換器。
  4. 該アンプ回路は、
    該入力端子側に接続される入力端と該入力端子側にフィードバックされる出力端とを有する第1のアンプ回路と、
    該第1のアンプ回路の該出力端に入力端が接続され該内部アナログ電圧を出力端に生成する第2のアンプ回路
    を含むことを特徴とする請求項記載の逐次比較型AD変換器。
  5. 該複数の容量のうちで最小の容量値を有する容量に出力端が結合される抵抗DA変換器を更に含むことを特徴とする請求項1記載の逐次比較型AD変換器。
  6. 該抵抗DA変換器は、
    2つの基準電圧間に直列に接続された複数の抵抗と、
    該複数の抵抗により生成された複数の分圧値の1つを選択するセレクタ
    を含むことを特徴とする請求項記載の逐次比較型AD変換器。
  7. 入力アナログ電圧をサンプルホールドし1未満の電圧利得で該入力アナログ電圧に比例した内部アナログ電圧を出力端に生成するサンプルホールドアンプ回路と、
    該サンプルホールドアンプ回路の該出力端に結合され該内部アナログ電圧に応じた電荷を蓄える複数の容量を含み、該複数の容量の接続を制御信号に応じて切り換えることにより該内部アナログ電圧及び該制御信号に応じた比較アナログ電圧を出力端に生成する容量DA変換器と、
    該容量DA変換器の該出力端に結合され該比較アナログ電圧に応じた比較結果信号を出力端に生成する比較器と、
    該比較器の該出力端に結合され該比較結果信号に応じて該制御信号を該容量DA変換器に供給する制御回路と、
    前記容量DA変換器に供給するリファレンス電位を操作して前記サンプルホールドアンプ回路の1未満の電圧利得を補償する抵抗DAC
    を含むことを特徴とする逐次比較型AD変換器
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