JP4710040B2

JP4710040B2 - 伝動装置

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Publication number: JP4710040B2
Application number: JP2000270422A
Authority: JP
Inventors: パンターウルバン
Original assignee: Schaeffler Technologies AG and Co KG
Current assignee: Schaeffler Technologies AG and Co KG
Priority date: 1999-09-09
Filing date: 2000-09-06
Publication date: 2011-06-29
Anticipated expiration: 2020-09-06
Also published as: DE10036256A1; FR2798443A1; JP2001099346A; DE10036255B4; JP4660788B2; DE10036255A1; US6463954B1; FR2798441A1; US6565464B1; DE20023946U1; JP2001108097A; FR2798443B1; DE10038211A1; JP2001088565A; FR2798441B1; JP2001108034A; DE10038212A1; FR2798428B1; US6468171B1; DE10036256B4

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも１つの回転可能な軸に配置された調節部材に、制御された圧力を負荷する液圧装置を備えた伝動装置であって、少なくとも２つの制御プレートと該制御プレートの間における中間層とを備えた液圧式の制御装置と、該制御装置と軸との間における回転導入装置とが設けられている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
自動車の運転中に回転する軸を備えた伝動装置では、調節部材を液圧制御する際に、不動に配置された制御装置と回転可能な軸との間に配置された接続部を、該接続部において液体が実質的に漏れないようにかつ確実にする必要がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の伝動装置を改良して、液圧系の不具合によって自動車の運転に不都合を生ぜしめることのない、単純かつ運転確実な液体接続部を提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の構成では、回転導入装置が、ほぼ同軸的に配置された２つの管エレメントから成っており、両管エレメントがそれぞれ一方の軸方向端部領域で、軸の受容部に係合していて、かつそれぞれ他方の軸方向端部領域で、制御プレートの段付孔に係合しており、しかも中間層が管エレメントの軸方向ストッパとして働くようにした。
【０００５】
【発明の効果】
本発明の有利な構成では、段付孔が、異なった軸方向ポジションに少なくとも２つの異なった直径を有していて、少なくともほぼ同軸的な２つの管エレメントの一方の軸方向端部領域が、この異なった直径の領域においてシール部材を用いてシールされて配置されている。
【０００６】
また、半径方向内側の管エレメントに、中間層に設けられた開口を通して液体流が供給されるようになっていると、有利である。
【０００７】
本発明の別の有利な構成では、半径方向外側の管状エレメントへ液体流を供給するために、１つの制御プレートに設けられた半径方向外側の通路を起点として、傾斜孔又は横孔が、段付孔の中間領域において２つの管エレメントの間に延びていて、液体流を半径方向外側の管エレメントに導入するようになっている。この場合傾斜孔又は横孔は、制御装置の外側から管エレメントを受容する孔を通して、又は中間層の側から、切削によって加工することができる。傾斜孔又は横孔は、絞り作用を有するように選択された小さな直径を有することが可能である。
このことは、例えば中間層における水平な孔に対しても言える。
【０００８】
本発明の別の有利な構成では、傾斜孔又は横孔が、管エレメントの２つのシール部材の間に配置された中間領域のような領域において開口している。
【０００９】
前記課題を解決するために本発明の別の構成では、少なくとも１つの回転可能な軸に配置された調節部材に、制御された圧力を負荷する液圧装置を備えた伝動装置であって、少なくとも２つの制御プレートと該制御プレートの間における中間層とを備えた液圧式の制御装置と、該制御装置と軸との間における回転導入装置とが設けられている形式のものにおいて、回転導入装置が、ほぼ同軸的に配置された２つの管エレメントから成っており、両管エレメントがそれぞれ一方の軸方向端部領域で、軸の受容部にシールされて係合していて、かつそれぞれ他方の軸方向端部領域で、制御装置の管片に設けられた段付孔に係合しており、しかも該管片内部における少なくとも２つの通路が、互いにほぼ平行に配置されていて、管エレメントがこれらの通路を軸における通路と接続しているようにした。
【００１０】
この場合、管片に設けられた段付孔が、異なった軸方向ポジションに少なくとも２つの異なった直径を有していて、少なくともほぼ同軸的な２つの管エレメントの一方の軸方向端部領域が、この異なった直径の領域においてシール部材を用いてシールされて配置されていると、有利である。また、段付孔が４つの異なった直径を有していると有利である。
【００１１】
同様にまた、段付孔が管片の２つの通路と交差していると有利である。
【００１２】
本発明の別の有利な構成では、段付孔の異なった孔直径の間における少なくとも１つの移行部が、段部によって形成されていて、該段部が管エレメントの軸方向ストッパとして働く。
【００１３】
本発明の別の有利な構成では、半径方向内側の管エレメントが、段付孔の１つの領域を通して、管片における第１の通路と接続されていて、半径方向内側の管エレメントに液体流が供給されるようになっている。
【００１４】
本発明のさらに別の有利な構成では、半径方向外側の管状エレメントへ液体流を供給するために、管片に設けられていて段付孔と交差している第２のの通路を起点として、液体流が２つの管エレメントのシール部材の間の領域に達し、該領域から、同軸的に配置された管エレメントの間の領域に導入されるようになっている。この場合、管片における通路が、閉鎖栓体によって閉鎖されると有利である。
【００１５】
本発明の別の有利な構成では、閉鎖栓体の１つの領域が、軸に向かって管エレメントに作用する軸方向力を受け止めることができるように配置されている。
【００１６】
また、少なくとも１つの管エレメントが保持エレメントを用いて軸方向において固定されていると、有利である。
【００１７】
この場合、保持エレメントが金属薄板部品であり、管エレメントに設けられた溝に係合するフォークを有していると有利である。さらにまた、保持エレメントがねじ結合のような結合形式を用いて制御装置と結合されていると、有利である。
【００１８】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【００１９】
図１には本発明の第１実施例が概略的に示されている。特に図示されていない自動車の、無段階式に調節可能な伝動装置１０は、特に液圧装置１２によって制御される。この液圧装置は、弁とスプールと接続導管とを備えた制御装置から成っている。伝動装置は、変速比もしくは伝達比の調節を制御するため及び巻掛け手段の圧着を制御するために、２つの互いに無関係なつまり独立した調節シリンダ系を有しており、図１の実施例では各２つの調節シリンダが、両円錐プーリ対のそれぞれに配置されている。独立した両調節シリンダへの供給のために、円錐プーリ対の軸には少なくとも２つの供給導管３２，３４又は３２，３６が設けられており、これらの供給導管には回転導入装置（Dreheinfuehrung）を用いて制御装置９９から液圧媒体が供給される。
【００２０】
無段階式に調節可能な伝動装置１０は、特に、トルクセンサ１８を備えた第１のプーリセット１４，１６と、第２のプーリセット２０，２２と、両プーリセットに巻き掛けられたチェーン２４の形の巻掛け手段とを有している。
【００２１】
第１のプーリセット１４，１６は、実質的に軸方向不動に配置された円錐プーリ１６と、ここではこのプーリ１６の軸部に沿って可動に配置された円錐プーリ１４とを有している。プーリセット１４，１６とプーリセット２０，２２との間の間隔は、有利には可変である。しかしながらこの間隔が一定であると特に有利である。
【００２２】
特に各プーリセット軸線の間の間隔が不変である場合には、１つのプーリセットの閉鎖、つまり両方のプーリ１４，１６；２０，２２の間隔の減少によって、チェーン２４はこのプーリセット１４，１６；２０，２２において半径方向外側に向かって移動する。チェーンはしかしながら規定された一定の長さを有しているので、この半径方向外側に向かっての移動は、少なくとも両プーリセットの間の軸線間隔が不変である場合には、その都度他方のプーリセット２０，２２；１４，１６に対するチェーンの半径方向内側への移動を生ぜしめる。この半径方向内側への移動は開放動作を、つまりその都度他方のプーリセット２０，２２；１４，１６の両円錐プーリ相互の離反を生ぜしめる。
【００２３】
一方のプーリセット１４，１６；２０，２２の円錐プーリ１４，１６；２０，２２の閉鎖もしくは圧縮はつまり、その都度他方のプーリセットの開放を生ぜしめる。この場合両プーリセット１４，１６；２０，２２においてチェーンの力作用ポイントが変化するので、伝動装置１０の伝達比もまた変化する。どちらのプーリセット１４，１６；２０，２２に外部からの調節力が加えられるかに応じて、伝達比は「オーバドライブ」の方向か又は「アンダドライブ」の方向に調節される。これに関連して記載しておくと、図示の実施例ではプーリセット１４，１６が駆動側に配置されているのに対して、プーリセット２０，２２は被駆動側に配置されている。
【００２４】
また、プーリセットにおける上に述べた調節はそれぞれ合力（resultierende Kraefte）に基づくものである。すなわち特に、一方のプーリセットにおける力負荷は、第２のプーリセットにおいてほぼ等しい力負荷が行われる場合には、調節を生ぜしめない。これについてさらに述べると、さもなくばプーリ対はバランスしているが、可動に配置されたプーリ１４，２０に外部から加えられる力が異なっている場合にも、結果として生じる運動がプーリに対して加えられることはない。
【００２５】
プーリセットの調節もしくは相応な調節力の負荷は、本発明によれば特に液圧装置１２によって行われる。
【００２６】
この液圧装置１２は特に２つの「機能」を有している：
液圧装置１２は一方では、プーリ対１４，１６；２０，２２に対してもしくはチェーン２４に対して「保持圧」を生ぜしめることができる。この保持圧は、調節のための特別な望みが存在しない限りは、前調節された伝達比が特に伝動装置１０の運転時にも変わらないままであることを、保証する。
【００２７】
液圧装置１２は他方では「伝達比の調節」という機能を有している。そのために特に一方のプーリ対に付加的な圧力が負荷される。特にこのプーリ対は、チェーン２４がその瞬間にさらに内側に位置するように、付加的な圧力を負荷される。しかしながら、別の負荷形式が有利なこともある。上に述べた負荷形式は例えば、各円錐プーリ１４，１６；２０，２２がそれぞれ次のように、すなわちチェーンが各プーリ対１４，１６；２０，２２の軸方向負荷時に負荷された側において外側に向かって押圧されるように配置されかつ構成されている場合に、提供される。
【００２８】
保持圧及び調節圧の制御は、弁装置２６によって引き受けられる。この弁装置は一方では液圧源２８と接続され、かつ他方では前制御圧を生ぜしめるために比例弁装置２０と接続されている。弁装置２６の、圧力源とは反対の側に、液圧導管系３２，３４，３６が位置している。
【００２９】
特にこれらの液圧導管系３２，３４，３６を通る容積流及び／又は容積流の方向は、弁装置２６によって制御可能である。
【００３０】
導管系３２，３４，３６は弁とは反対の側で室もしくは室装置と接続されており、これらの室もしくは室装置は伝動装置１０に接続されているかもしくは伝動装置１０によって取り囲まれる。
【００３１】
例えば圧着導管３２及び室系３３ａ，３３ｂ，３３ｃ；３８ａ，３８ｂ，３８ｃを介して、有利には調整可能もしくは調整可能もしくは制御可能な圧着圧がプーリセット１４，１６；２０，２２に対して生ぜしめられる。
【００３２】
有利にはトルクセンサ１８を介して圧着圧は調整もしくは制御もしくは調節され、この場合これは有利には機関トルクに関連して行われる。
【００３３】
例えばトルクセンサは、不動に配置された第１部分４０と可動に配置された第２部分とを有しており、両部分４０，４２は相対的に少なくとも部分的に回動可能に配置されている。そのうちの少なくとも１つの部分がカムディスク（Kurvenscheibe）もしくはランプ（Anlauframpe）を有している、両方の部分の間には、拡開体、図示の実施例では球４４の形をした拡開体が配置されている。
【００３４】
駆動トルクもしくは、トルクセンサ１８に対して作用するトルクに関連して、第２エレメント４２は第１エレメント４０に対して回動し、この際に球４４はランプの上昇方向に運動する。これによって、不動に配置されたエレメント４０とそれに対して可動に配置されたエレメント４２との間における間隔が増大する。この間隔変化によって、少なくとも１つの室３３ａ，３３ｂ，３３ｃの容積、特に室３３ａの容積が変化する。少なくとも部分的にこの容積変化に関連して、室３３ａ，３３ｂのうちの少なくとも１つにおける圧力が変化し、その結果特に圧着圧、すなわち駆動トルクに少なくとも部分的に関連する圧着力を生ぜしめることができる。
【００３５】
このようにして例えば「対称的な」力を両プーリ対１４，１６；２０，２２に対して生ぜしめることができる。これによって、両方のプーリ対１４，１６；２０，２２においてチェーン２４を半径方向外側に向かって離反方向で押圧することが、試みられる。特にチェーン２４に対して対称的な力が負荷されたと仮定すると、これによってチェーンは静的に（半径方向運動に関しても）保たれる。この場合には特にチェーン２４とプーリセット１４，１６；２０，２２との間において摩擦力が作用する。これによってこの摩擦力により、プーリセット１４，１６からプーリセット２０，２２へトルクが伝達される。
【００３６】
軸４６と４８との間もしくはプーリセット１４，１６と２０，２２との間における伝達比の調節は、弁装置２６と液圧導管系３６；３４とを介して生ぜしめられる、プーリセット１４，１６；２０，２２に対する調節圧によって達成することができる。特に、第１の方向における伝達比の調節のためには、液圧導管系３４を介して、少なくとも１つの室から成る装置に圧力を負荷することができる。
【００３７】
上に述べた形式においてこれによって円錐プーリ１４，１６の間隔が減じられる。この場合液圧導管３６を介して円錐プーリ２０，２２に対して作用する圧力はほぼ無圧である。
【００３８】
相応な形式で、逆方向への伝達比に対する調節は次のことによって達成される。すなわちこの場合には導管３６を介して、少なくとも１つの室５４ａ，５４ｂから成る装置に圧力が負荷され、その結果チェーン２４とプーリセット２０，２２の軸線との間の間隔が増大する。同時にチェーンは第１のプーリセット１４，１６においてこの動作に「追従する」（nachziehen）。つまりチェーン２４は第１のプーリセット１４，１６において半径方向でチェーンの中心軸線に向かって運動する。
【００３９】
さらに述べると、液圧導管３４，３６、つまりそれを介して特にプーリセット１４，１６及び２０，２２の一方に対する圧力を高めることができる液圧導管３４，３６を介して、チェーンもしくはプーリセット１４，１６；２０，２２のバランス状態をも保つことができる。例えば、両方のプーリセット１４，１６；２０，２２に対して有利には等しくかつ導管３２を介してもたらされる一定の圧力に、導管３６又は導管３４を介して、前記バランスを保つために付加的な圧力を重畳することができる。このようなことは例えば、プーリセット１４，１６；２０，２２に対して必要な力が例えば調節された伝達比に関連している場合に、行われる。つまり例えば次のような場合、すなわちバランス状態を保つためにプーリセット１４，１６；２０，２２に対して必要な力が異なっているような場合には、プーリセット１４，１６；２０，２２のうちの少なくとも１つに付加的な重畳圧（Ueberlagerungsdruck）を加えることができ、この重畳圧によって、特に伝達比に関してバランス状態が保証される。
【００４０】
弁２６はスプール７０から成っており、このスプール７０は長孔７１内に受容されていて、この長孔７１において軸方向移動可能である。図１の実施例ではスプール７０は、軸方向における圧力負荷によってばね７３の戻し力に抗して負荷可能であり、長孔７１は閉鎖栓体７２を用いて閉鎖可能であり、この場合閉鎖栓体はケーシング７４における孔のねじ山にねじ込み可能である。
【００４１】
破線で示された領域９９は、ケーシング内に液圧制御装置として設けられることができる。そのためにポンプ２８は液圧制御装置に例えばねじ結合されている。
【００４２】
図１に示された制御装置は接続部９８を有しており、この接続部９８を介して、制御装置の図示されていない部分への液圧媒体の供給が行われる。
【００４３】
図２は伝動装置をその軸１８０，１９０と共に示しており、ここには、制御装置１００による、軸１８０，１９０内における通路１８１，１８１ａ，１８２，１９１，１９２への供給部が示されている。
【００４４】
制御装置１００は主として少なくとも２つの制御プレート１０１，１０２から成っており、これらの制御プレートは、例えば中間金属薄板のような中間層１０３を用いて互いに結合されており、この場合中間層１０３は開口１０４ａ，１０５ａを有していて、これらの開口において両制御プレート１０１，１０２の通路１０４，１０５を互いに接続しているか又は、開口が設けられていない場合には、制御プレートを互いにシールしている。軸１８０はこの場合駆動側の円錐プーリ対の軸であり、軸１９０はこの場合被駆動側の円錐プーリ対の軸である。
【００４５】
制御装置１００と通路１０４，１０５との間における液体接続は、同心的又はほぼ同心的に配置された両管エレメント１１０，１１１を介して行われ、両管エレメント１１０，１１１はそれぞれその一方の端部領域で制御装置１００に、かつ他方の端部領域で軸１８０に係合している。
【００４６】
制御装置の通路１０６，１０７による通路１９１，１９２への圧力供給のためには、同心的又はほぼ同心的な２つの管エレメント１２０，１２１が使用され、両管エレメント１２０，１２１は一方の端部領域で軸１９０内に係合し、かつ他方の端部領域で管片１０８内に係合しており、この管片１０８は通路１０６，１０７を有していて、制御装置１００と接続されている。
【００４７】
管エレメント１１０，１１１，１２０，１２１は軸の軸線と制御装置の受容部の軸線との間におけるずれを補償するためにも働き、そのために管エレメント１１０，１１１，１２０，１２１は、カルダン状の懸吊部を生ぜしめることができるように、可動に配置されている。
【００４８】
管エレメント１１０，１１１，１２０，１２１はそれぞれその軸方向の端部領域１１０ａ，１１０ｂ，１１１ａ，１１１ｂ，１２０ａ，１２０ｂ，１２１ａ，１２１ｂに、壁厚を増大された肉厚部を有しており、この場合この領域には各１つの溝が一体成形されており、これらの溝にはシールリング１３０，１３１，１４０，１４１，１３２，１３３，１３４，１３５が挿入されている。
【００４９】
次に図３及び図４を参照しながら詳説する。
【００５０】
図３には、制御装置２００と第１の円錐プーリ対の軸２８０との間における液体接続部が拡大して示されている。制御装置２００は上に述べたように２つの制御プレート２０１，２０２と１つの中間層２０３とから成っている。一方の制御プレートの２つの通路２１０，２１１は、軸における両通路２８１，２８２への液体供給、ひいては一方の円錐プーリ対の調節機構への液体供給のために働く。
【００５１】
通路２１０から管エレメント２２０への液体接続のために、中間層２０３には開口２０３ａが設けられており、管エレメント２２０の制御装置側の端部２２０ａは開口２０３ａの領域に配置されていて、場合によっては軸方向で中間層２０３に支持されている。
【００５２】
そのために制御プレート２０２には開口の領域に段付孔２０４が設けられており、この段付孔２０４は２つの孔２０５，２０６から成っている。孔２０５は孔２０６よりも大きな直径を有しているが、孔２０５の孔深さは孔２０６よりも小さい。
【００５３】
溝にシール部材２２１が挿入されている端部領域２２０ａは、孔２０６にプレス嵌めされており、その結果シール部材は孔の内面に対してシール作用をもって負荷される。これによって管エレメント２２０の通路２２２は制御装置側において通路２１０と接続され、かつ外室に対してシールされ、その結果液体流Ｑ₁は通路２１０から開口２０３ａと通路２２２とを通って軸２８０の通路２８２に流れることができる。そのために管エレメント２２０の軸側の端部２２０ｂもまたシール部材２２３を用いて、受容部にシールされて受容されている。
【００５４】
管部分の端部領域の溝におけるシール部材は次のように、すなわち軸と共に管が一緒に回動することが阻止され、かつ管部分が制御装置内において停止している又は少なくともほぼ停止しているように、予負荷されているもしくはプレロードをかけられている（vorspannen）。
【００５５】
特に有利には管部分のシール箇所は、軸と制御装置の孔との間における中心ずれ又は軸線ずれを補償するカルダン継手を形成している。
【００５６】
開口２０３ａの軸線Ｂと軸２８０の軸線Ｃとの間には、軸線ずれＡの生じることがあり、この軸線ずれＡは管エレメントによって補償される。これによって孔２０３ａは少なくともほぼ軸２８０と同軸的に配置されている。同軸的な配置形式からわずかにずれている場合でも、本発明によればこのようなずれは補償することができる。
【００５７】
管エレメント２２０は、中間層２０３と軸の領域におけるストッパ２２５ａとの間において軸方向で受容されている。ストッパ２２５ａと中間層２０３とは管エレメント２２０を軸方向において固定するために働き、この場合管エレメントは一方又は他方に支持されることができる。したがって中間層２０３は管エレメント２２０の軸方向ストッパとして働く。
【００５８】
容積流Ｑ₁は、一方の制御プレート２０１の通路２１０から、中間層における孔のような開口を通して、管エレメント２２０に供給される。
【００５９】
容積流Ｑ₂は、一方の制御プレート２０１の通路２１１から、孔２３０を通して、他方の制御プレート２０２の通路２１２に供給され、この通路２１２から傾斜孔２５１を通して室領域２５０に供給され、そしてこの室領域２５０から管エレメント２４０に供給される。室領域２５０は有利には段付孔の領域において、管エレメント２４０と２２０との間及び軸方向では孔２０５と２０６との間に形成されている。
【００６０】
傾斜孔２５１の軸線２５２は軸２８０の軸線に対して所定可能な角度を成している。
【００６１】
図示されていない別の実施例では、傾斜孔はやはり通路２１２に開口しているが、この通路２１２は孔のような開口を用いて他方の制御プレート２１０とは接続されていない。
【００６２】
管エレメント２４０はその端部領域２４１で孔２０５内に係合し、かつシール部材２４３で室領域２５０を外室に対してシールしている。同時に管エレメント２４２は軸２８０の孔内に係合し、内室を外室に対してシールしている。
【００６３】
両方の管エレメントを同軸的に配置することによって、制御装置の２つの接続部と回転する軸２８０との間における２つの液体接続部を形成することができる。
【００６４】
管エレメント２４０は、保持プレートのような保持エレメントによって軸方向において固定されている。そのために保持エレメント２９０はフォーク２９２を有しており、このフォーク２９２は管エレメントの溝２９１に係合する。保持エレメントは制御装置のケーシングと、例えばねじ結合のような結合形式で結合されている。
【００６５】
図４には、回転する軸３８０と液圧式の制御装置３００との間における液体接続のための配置形式が断面図で示されている。
【００６６】
制御装置３００は図１、図２及び図３に示されたように例えば２つの制御プレートと１つの中間層とから成っており、そして２つの通路３０１，３０２を備えた接続管片３０３を有している。通路３０１，３０２はほぼ並んで配置されていて、有利な実施例では互いに平行に延びている。両通路の軸線３０４，３０５はほぼ平行であるか又は、互いに平行に対して幾分角度を成して延びている。
【００６７】
通路３０１，３０２と制御プレートの通路とは、図示されていないが接続されている。
【００６８】
通路３０１，３０２は管片の鋳造時に一緒に形成されるか又は後で穿孔されることができる。通路の下側端部領域においては閉鎖栓体３１０，３１１が通路に挿入されており、その結果通路はシールされて閉鎖可能である。
【００６９】
両通路３０１，３０２と軸３８０における通路３８１，３８２との間の接続は、２つの管エレメント３５０，３６０を用いて行われ、両管エレメント３５０，３６０は互いに同軸的又はほぼ同軸的に配置されている。制御装置の管片３０３における管エレメント３５０，３６０の受容は、ほぼ同軸的に段付孔によって行われる。
【００７０】
管片３０３における孔は図５に詳しく示されている。
【００７１】
図５には管片４０１における孔４００が示されており、この孔４００は両通路４１０，４１１の軸線４０２，４０３に対してほぼ垂直に配置されている。本発明の別の実施例では、孔４００の軸線４０４が軸線４０２，４０３との間に９０°とは異なった角度を成していると、有利な場合もある。
【００７２】
孔４００は両通路４１０，４１１を横切っている。
【００７３】
孔４００は個別孔４３０，４３１，４３２，４３３を備えた段付孔として形成されており、この場合互いに孔深さの異なっている４つの異なった直径が生ぜしめられている。最小の直径Ｄ₄を備えた孔４３０は、最大の孔深さを有していて、両通路４１０，４１１と交差している。２番目に小さな直径Ｄ₃を備えた孔４３１は、直径Ｄ₄を備えた孔４３０よりも幾分浅い孔深さを有している。この孔４３１もまた同様に両通路４１０，４１１と交差している。直径Ｄ₃を備えた孔４３１は段部４２０で、直径Ｄ₄を備えた孔４３０に移行している。この段部４２０は管エレメントの軸方向における当接部として働く。
【００７４】
直径Ｄ₃よりも大きな直径Ｄ₂を備えた孔４３２は、直径Ｄ₃を備えた孔４３１も浅い孔深さを有している。孔４３２は通路４１０とだけ交差している。孔４３１と孔４３２との間の移行部４２１は、連続的な経過を備えた傾斜部によって形成されている。この傾斜部は別の実施例では段部として形成されていてよい。
【００７５】
最大の直径Ｄ₁を備えた孔４３３は、最も浅い孔深さを有していて、通路４１０とだけ交差している。孔４３３から孔４３２への移行部は段部４２２によって形成されており、この段部４２２は管エレメントの軸方向当接部として働く。
【００７６】
図４には２つの管エレメント又は管エレメント３５０，３６０の配置形式が示されているが、この場合両端部領域３６１，３５１は段付孔３７０内に配置されている。両端部領域３６１，３５１はその溝内に挿入されたシール部材３５２，３６２と共に、図５に示された孔４３３，４３１内に受容されている。シール部材は孔の円筒形の壁に接触して、この孔もしくは壁をシールしている。管エレメント３６０の軸方向の端面は軸方向で、図５に示された段部４２０に支持されており、管エレメント３５０の端面は軸方向で、図５に示された段部４２２に支持されている。これによって管エレメントの軸方向位置は固定されている。
【００７７】
図５に示された孔４３１内にシール作用をもって配置されたシール部材３６２を配置することによって、液体流Ｑ₄は通路３０１から管エレメント３６０の通路３８３に導入される。
【００７８】
通路３０２が軸方向で両シール部材３５２，３６２の間に配置されていて、シール部材３５２が管エレメントを外室に対してシールしているので、液体流Ｑ₃は管エレメント３５０，３６０の壁の間における通路３８１内にしか流れ込むことができない。
【００７９】
図４にはさらに管片３０３が示されているが、この管片３０３は通路３０１，３０２と管エレメント３５０，３６０とを用いて軸３８０の液体接続部を形成している。通路３０１，３０２は端部において閉鎖栓体３１０，３１１を用いて閉鎖されている。そのために閉鎖栓体３１０，３１１は通路端部のねじ山にねじ込まれている。閉鎖栓体３１０，３１１は端部領域３１０ａ，３１１ａを有しており、これらの端部領域３１０ａ，３１１ａはそれぞれ、管エレメント３５０，３６０のストッパ又は軸方向における固定部として働くことができる。例えば管エレメント３６０は閉鎖栓体３１０を用いて軸方向で固定されることができる。なぜならば端部領域３１０ａは、管エレメント３６１の肉厚の端部よりも、半径方向でさらに内方に向かって延びているからである。管エレメント３６０のカラー又は段部３６２は、これによって端部領域３１０ａに当接して、管エレメントの位置を固定する。
【００８０】
図６には、図３に示された管エレメント２４０の軸方向における固定部が断面図で示されており、制御装置５００の領域における管エレメント５０６の配置形式が示されている。制御装置５００は主として２つのケーシング半部５０１，５０３から成っており、その中には弁、スプール及び接続通路が配置されており、この場合両ケーシング半部はシール層又は中間層５０２を用いて互いにシールされている。このシール層もしくは中間層には、両ケーシング半部を所望のように接続するための開口が設けられている。
【００８１】
少なくとも１つのケーシング半部には通路５０４が設けられており、この通路５０４は外側に向かって開放しており、この通路５０４には管エレメント５０６が少なくとも部分的に軸方向で係合している。この管エレメント５０６はまた少なくとも部分的に伝動装置の軸５０５の孔内に係合しており、かつ伝動装置ケーシングに対して固定的に配置された制御装置５００と回転する軸５０５との間における液体接続部を形成している。
【００８２】
管エレメント５０６は、制御装置５００と軸５０５との間における液体接続部をシールするために、溝内に配置されたシール部材５０７，５０８を備えている。管エレメント５０６を軸方向において固定するために、管エレメント５０６の溝５１１にはフォーク５０９が係合しており、このフォーク５０９は、例えばねじ５１０を用いてケーシング５００とねじ結合されている。管エレメント５０６についてはさらにドイツ連邦共和国特許第１９８２６７４７号明細書に記載されている。フォークは、管状部分を固定するための保持エレメントの一部分である。有利にはばねエレメント及び固定エレメントと一体的に形成された保持エレメントは、制御装置のケーシング及びレバーの支持部とのねじ結合によって、溝内に位置決めされている。
【００８３】
なお付言すれば、本発明は図示の実施例に制限されるものではなく、本発明の枠内において種々様々な実施例が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】伝動装置と液圧装置とを示す図である。
【図２】伝動装置軸と制御装置との配置形式を示す図である。
【図３】制御装置と軸との結合形式を示す図である。
【図４】制御装置と軸との結合形式を示す図である。
【図５】制御装置の一部を示す断面図である。
【図６】制御装置の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
１０伝動装置、１２液圧装置、１４，１６，２０，２２プーリ、１８トルクセンサ、２６弁装置、２８液圧源、３０比例弁装置、３２，３４，３６液圧導管系、３３ａ，３３ｂ，３３ｃ，３８ａ，３８ｂ，３８ｃ室系、４０第１部分、４２第２部分、４４球、４６，４８軸、５４ａ，５４ｂ室、７０スプール、７１長孔、７３ばね、７４ケーシング、９８接続部、１００，２００，３００，５００制御装置、１０１，１０２，２０１，２０２制御プレート、１０３，２０３中間層、１０４ａ，１０５ａ開口、１０６，１０７通路、１０８管片、１１０，１１１，１２０，１２１，２２０，２４０，３５０，３６０管エレメント、１３０，１３１，１４０，１４１，１３２，１３３，１３４，１３５シールリング、１８０，１９０，２８０，３８０軸、１８１，１８１ａ，１８２，１９１，１９２，２８１，２８２，３８１，３８２通路、２０４段付孔、２０５，２０６孔、２１０，２１１，２１２通路、２５０室領域、２５１傾斜孔、２９０保持エレメント、２９１溝、２９２フォーク、３０１，３０２通路、３０３接続管片、３１０，３１１閉鎖栓体、３５２，３６２シール部材、３７０段付孔、４００孔、４０１管片、４０２，４０３，４０４軸線、４１０，４１１通路、５０１，５０３ケーシング半部、５０２中間層、５０４通路、５０６管エレメント、５０９フォーク、５１１溝

Claims

少なくとも１つの回転可能な軸（１８０，１９０）に配置されたプーリ（１４，２２）に、制御された圧力を負荷する液圧装置（１２）を備えた伝動装置（１０）であって、少なくとも２つの制御プレート（１０１，１０２）と該制御プレート（１０１，１０２）の間における中間層（１０３）とを備えた液圧式の制御装置（１００）と、該制御装置（１００）と軸（１８０）との間における回転導入装置とが設けられており、該回転導入装置が、不動に配置された制御装置（１００）と該制御装置（１００）に対して回転可能な軸（１８０）との間における液体接続部を形成している形式のものにおいて、回転導入装置が、ほぼ同軸的に配置された２つの管エレメント（１１０，１１１）から成っており、両管エレメント（１１０，１１１）がそれぞれ一方の軸方向端部領域で、軸（１８０）の受容部に係合していて、かつそれぞれ他方の軸方向端部領域で、制御プレート（１０２）の段付孔（２０４）に係合しており、しかも中間層（１０３）が１つの管エレメント（１１１）の軸方向ストッパとして働くことを特徴とする伝動装置。
段付孔（２０４）が、異なった軸方向ポジションに少なくとも２つの異なった直径（２０５，２０６）を有していて、少なくともほぼ同軸的な２つの管エレメント（２２０，２４０）の一方の軸方向端部領域（２２０ａ，２４１）が、この異なった直径の領域においてシール部材（２４３，２２１）を用いてシールされて配置されている、請求項１記載の伝動装置。
半径方向内側の管エレメント（２２０）に、中間層（２０３）に設けられた開口（２０３ａ）を通して液体流（Ｑ_１）が供給される、請求項１又は２記載の伝動装置。
半径方向外側の管状エレメント（２４０）へ液体流を供給するために、１つの制御プレート（２０２）に設けられた半径方向外側の通路（２１２）を起点として、傾斜孔又は横孔（２５１）が、段付孔の中間領域（２５０）において２つの管エレメント（２２０，２４０）の間に延びていて、液体流（Ｑ_２）を半径方向外側の管エレメント（２４０）に導入する、請求項１又は２記載の伝動装置。
傾斜孔又は横孔（２５１）が、管エレメント（２２０，２４０）の２つのシール部材（２４３，２２１）の間に配置された中間領域（２５０）において開口している、請求項１から４までのいずれか１項記載の伝動装置。
少なくとも１つの回転可能な軸（１８０，１９０）に配置されたプーリ（１４，２２）に、制御された圧力を負荷する液圧装置（１２）を備えた伝動装置（１０）であって、少なくとも２つの制御プレート（１０１，１０２）と該制御プレート（１０１，１０２）の間における中間層（１０３）とを備えた液圧式の制御装置（１００）と、該制御装置（１００）と軸（１８０）との間における回転導入装置とが設けられており、該回転導入装置が、不動に配置された制御装置（１００）と該制御装置（１００）に対して回転可能な軸（１８０）との間における液体接続部を形成している形式のものにおいて、回転導入装置が、ほぼ同軸的に配置された２つの管エレメント（１８０，１９０）から成っており、両管エレメント（１８０，１９０）がそれぞれ一方の軸方向端部領域（２４２，２２０ｂ）で、軸（２８０）の受容部にシールされて係合していて、かつそれぞれ他方の軸方向端部領域（２４１，２２０ａ）で、制御装置の管片に設けられた段付孔（２０４）に係合しており、しかも該管片内部における少なくとも２つの通路（２１０，２１１）が、互いにほぼ平行に配置されていて、管エレメント（２４０，２２０）がこれらの通路（２１０，２１１）を軸における通路（２８１，２８２）と接続していることを特徴とする伝動装置。
管片に設けられた段付孔（２０４）が、異なった軸方向ポジションに少なくとも２つの異なった直径（２０６，２０５）を有していて、少なくともほぼ同軸的な２つの管エレメント（２２０，２４０）の一方の軸方向端部領域（２４１，２２０ａ）が、この異なった直径の領域においてシール部材（２２１，２４３）を用いてシールされて配置されている、請求項６記載の伝動装置。
段付孔（２０４）が４つの異なった直径を有している、請求項７記載の伝動装置。
段付孔（２０４）が管片の２つの通路（２１０，２１２）と交差している、請求項７又は８記載の伝動装置。
段付孔（２０４）の異なった孔直径の間における少なくとも１つの移行部が、段部（２０５）によって形成されていて、該段部（２０５）が管エレメント（２４０）の軸方向ストッパとして働く、請求項７又は８記載の伝動装置。
半径方向内側の管エレメント（２２０）が、段付孔の１つの領域（２０６）を通して、管片における第１の通路（２１０）と接続されていて、半径方向内側の管エレメントに液体流（Ｑ_１）が供給される、請求項６から１０までのいずれか１項記載の伝動装置。
半径方向外側の管状エレメント（２４０）へ液体流を供給するために、管片に設けられていて段付孔（２０４）と交差している第２の通路（２１１）を起点として、液体流（Ｑ_２）が２つの管エレメント（２２０，２４０）のシール部材（２４３，２２１）の間の領域（２５０）に達し、該領域（２５０）から、同軸的に配置された管エレメント（２２０，２４０）の間の領域に導入される、請求項６から１０までのいずれか１項記載の伝動装置。
管片における通路（３０１，３０２）が、閉鎖栓体（３１０，３１１）によって閉鎖される、請求項６から１２までのいずれか１項記載の伝動装置。
閉鎖栓体（３１０）の１つの領域（３１０ａ）が、軸（３８０）に向かって管エレメント（３６０）に作用する軸方向力を受け止めることができるように配置されている、請求項１３記載の伝動装置。
少なくとも１つの管エレメント（５０６）が保持エレメント（５０９）を用いて軸方向において固定されている、請求項１から１４までのいずれか１項記載の伝動装置。
保持エレメントが金属薄板部品であり、管エレメント（５０６）に設けられた溝（５１１）に係合するフォーク（５０９）を有している、請求項１５記載の伝動装置。
保持エレメント（５０９）がねじ結合（５１０）のような結合形式を用いて制御装置（５００）と結合されている、請求項１５又は１６記載の伝動装置。