JP4512037B2 - イオン生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯電物体の静電気を中和して除電するのに適した正及び負の空気イオンをコロナ放電により生成するイオン生成装置に関する。
従来、放電針と対向電極との間に、商用周波(50または60Hz)の交流高圧電源から高電圧を印加して、該放電針からコロナ放電を発生させ、そのコロナ放電により空気をイオン化するイオン生成装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
この種のイオン生成装置では、放電針に交流電圧を印加することで、正に荷電した空気イオンと負に荷電した空気イオンとが交互に生成される。そして、この種のイオン生成装置は、生成した正負の空気イオンによって、帯電体に蓄積されている電荷(静電気)を中和することが可能であることから、一般に、帯電体の静電気を除去する除電装置として使用されている。
また、この種のイオン生成装置では、放電針に人体等が触れたときの短絡電流が考慮され、放電針を交流高圧電源の高圧出力線に対して容量結合することにより短絡電流を抑制するようにしている。この場合、このイオン生成装置では、コロナ放電の発生時(放電針の放電時)に放電針の結合容量のインピーダンスによって放電針が高圧出力線に対して電圧降下を生じる。また、商用周波でコロナ放電を発生させるためには、放電針の針先に約4kVの電圧を必要とする。このため、このイオン生成装置では、放電針の結合容量のインピーダンスにより生じる電圧降下分を上乗せした高電圧を高圧出力線に出力する交流高圧電源が採用されている。
ここで、上記放電針の結合容量は、構造的な制約や短絡電流の抑制効果を確保するために、あまり大きな容量にすることは難しく、実用上、高々10pF程度に留められる。このため、この結合容量に起因する電圧降下分が大きくなる。例えば、結合容量を10pF、商用周波を50Hzとした場合、上記電圧降下分は、約1.6kVに達する。なお、放電針の放電電流は、3μA〜10μA程度であり、上記の電圧降下分の値は、放電電流が5μAであるとしたときの値である。従って、この電圧降下分を補償するために、従来のイオン生成装置では、交流高圧電源に、昇圧トランスとして約6〜9kVの高電圧を生じるように十分な巻数を有する巻線トランスが用いられている。しかしながら、巻線トランスは比較的大型で重いので、イオン生成装置を小型軽量化させることが困難であるという問題がある。
一方、巻線トランスに比べて小型軽量な圧電トランスを採用し、商用周波に代えて数十kHzの高周波の交流高圧電源を用いたイオン生成装置も知られている(例えば、特許文献2を参照)。このイオン生成装置の交流高圧電源は、高周波発振回路から圧電トランスの圧電素子に数十kHzの高周波信号を付与することで、高周波交流電圧を発生するものである。このような高周波電源を用いたイオン生成装置は、商用周波電源を用いたものに比べて、空気イオンのイオンバランス(正イオンの量と負イオンの量とのバランス)を向上させることが出来ると共に、放電針の針先からコロナ放電を発生させるために必要な電圧を約1.8kV程度に低減することができる。
この圧電トランスを用いた高周波電源の出力電圧は、圧電トランスの特性上、高々、約2〜3kVであり、この出力電圧は、その高周波電源を用いてコロナ放電を発生させる上で放電針に必要な電圧(約1.8V)に近い電圧である。従って、放電針の電圧をコロナ放電を発生可能な電圧に確保するために、高周波電源から放電針までの電圧降下を十分に小さなものに抑える必要がある。また、圧電トランスは、一般に、出力可能な電流が小さい(高々100μA程度)ので、放電針を高圧出力線に容量結合せずとも、短絡電流を十分に小さなものにすることができる。
このようなことから、高周波電源を使用した従来のイオン生成装置では、前記高周波電源の高圧出力線と放電針との間で余分な電圧降下が生じないように、該高圧出力線を放電針に直結する(放電針を高圧出力線に容量結合しない)ようにしている。
特開平8−288094号公報 特開2003−22897号公報
ところで、近年、精密な半導体装置の製造ラインなどにおいて、帯電体をできる限り中和することに対する要求が一層、高まっている。この場合、商用周波電源を使用するイオン生成装置よりも、高周波電源を使用するイオン生成装置の方が有利である。しかるに、高周波電源を使用する従来のイオン生成装置では、イオンバランスが不安定になることが多々あり、必ずしも十分に要求を満足することができないものとなっていた。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、装置構成を小型で軽量なものとしつつ、正負の空気イオンの量のバランスとその安定性を高めることができるイオン生成装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために成されたものであり、少なくとも1つの放電針と、該放電針に対向した対向電極と、該放電針と対向電極との間に高電圧を印加する交流高圧電源とから成り、該交流高圧電源により該放電針と対向電極との間に高電圧が印加されたときにコロナ放電を発生させて正及び負の空気イオンを生成するイオン生成装置の改良に関する。
上記目的を達成するために本願発明者らは種々様々の検討、実験を行った。その結果、本願発明者らは、圧電トランスを備える高周波交流電源を備えたイオン生成装置において、放電針を高周波交流電源の高圧出力線に容量結合しても、高周波交流電源の高圧出力線から放電針への電圧降下を十分に小さくして、該放電針から交流コロナ放電を良好に発生させることができると同時に、その容量結合によって、従来の高周波型のイオン生成装置よりも、正負の空気イオンの量をバランスさせつつそのバランスを安定させ、イオンバランスを向上させることが可能であるということを見出した。
そこで、本発明は、該交流高圧電源として、高周波発振器と圧電トランスとを備えて高周波電圧を出力するものを用いる。そして、本発明は、前記交流高圧電源の高圧出力線と該放電針との間に絶縁物を介装し、該放電針から放電可能としたイオン生成装置である。
より詳しくは、本発明は、前記放電針が複数備えられると共に、前記絶縁物としての板状絶縁物と、該板状絶縁物の一方の面上に設けられた第1の導電体パターンと、該板状絶縁物の他方の面上で第1の導電体パターンに対応する位置に設けられ、前記高圧出力線を導通させた第2の導電体パターンとを有し、前記第1の導電体パターンは、各放電針をそれぞれ導通させる複数の部分導電体を、前記板状絶縁物により互いに絶縁させて該複数の放電針の配置に対応するパターンで該板状絶縁物の一方の面上に配置したものであり、前記第2の導電体パターンは、第1の導電体パターンの各部分導電体に該板状絶縁物を介してそれぞれ対向する複数の部分導電体と、この複数の部分導電体を互いに導通させて連接する部分導電体とから構成され、前記複数の放電針は、そのそれぞれの基端部を該板状絶縁物の第1の導電体パターンの各部分導電体に固定して、該板状絶縁物から放射状の配置パターンで該板状絶縁物の周囲に延設されており、前記対向電極は、各放電針の軸心と略直交する方向の軸心を有するように該複数の放電針の周囲に配置された環状の導体により構成されていることを特徴とする
かかる本発明によれば、高圧出力線と放電針との間に絶縁物を介装することにより、該絶縁物により高圧出力線と放電針とが容量結合されることとなる。そして、交流高圧電源として、高周波電圧を出力するものを用いると共に、高圧出力線と放電針とを絶縁物により容量結合することで、商用周波電圧を用いる従来のイオン生成装置や、高圧出力線と放電針とを直接的に接続する従来の高周波型のイオン生成装置に比べて、生成される正負の空気イオンの量のバランスとそのバランスの安定性を高めること、すなわち、イオンバランスを向上させることが出来る。この場合、放電針と高圧出力線との間の容量を、その容量による電圧降下が十分に小さくなるような値に設定しつつ、イオンバランスを向上させることができる。また、交流高圧電源が高周波発振器と圧電トランスとを備える高周波の高圧電源であるので、巻線トランスを備える商用周波の高圧電源に比べて装置を小型軽量とすることができる。さらに、圧電トランスを備える交流高圧電源を使用するので、放電針の短絡電流を十分に抑えることができる。
ここで、前記放電針と交流高圧電源との間の絶縁物の介装形態(結合容量の構造形態)として、次の形態が採用される。その形態は、前記絶縁物としての板状絶縁物の一方の面上に設けられた第1の導電体パターンに前記放電針を導通させると共に、該板状絶縁物の他方の面上で第1の導電体パターンに対応する位置に設けられた第2の導電体パターンに前記高圧出力線を導通させるものである。
この形態では、板状絶縁物を誘電体とし、また、その各面上に設けられた各導電体パターンを電極として機能する平行平板コンデンサが形成され、この平行平板コンデンサにより放電針と高圧出力線とが容量結合されることとなる。この場合、各導電体パターンは、例えば板状絶縁物の面上に溶融固着した金属部材や、板状絶縁物の面上に印刷された回路パターン(導電性の薄膜層のパターン)によって容易に形成できるので、放電針と高圧出力線との容量結合を、回路基板などを板状絶縁物として使用して、安価で簡単な構造で行なうことができる。
このように、板状絶縁部材を使用する場合において、前記第1の導電体パターンは、各放電針をそれぞれ導通させる複数の部分導電体を、前記板状絶縁物により互いに絶縁させて該複数の放電針の配置に対応するパターンで該板状絶縁物の一方の面上に配置したものであり、前記第2の導電体パターンは、第1の導電体パターンの各部分導電体に該板状絶縁物を介してそれぞれ対向する複数の部分導電体と、この複数の部分導電体を互いに導通させて連接する部分導電体とから構成されている。
これによれば、各放電針と高圧出力線とが、該放電針に対応する第1の導電体パターンの部分導電体と、この部分導電体に対向する第2の導電体体パターンの部分導電体との間に部分(板状絶縁物の部分)で容量結合されることとなる。この場合、高圧出力線は、第2の導電体パターンの一部分に導通させるだけで、各放電針と容量結合される。また、各放電針毎に、板状絶縁物を備えることなく、1つの板状絶縁物を使用して、各放電針毎に高圧出力線との容量結合を行なうことができる。従って、複数の放電針を備える場合に、各放電針を、小型且つ簡易な構造で、高圧出力線に前記複数の放電針を容量結合することができる。
このように複数の放電針と板状絶縁物とを備えた本発明では、放電針は例えば次のように配置される。すなわち、前記複数の放電針は、そのそれぞれの基端部を該板状絶縁物の第1の導電体パターンの各部分導電体に固定して、該板状絶縁物から放射状の配置パターンで該板状絶縁物の周囲に延設される。そして、前記対向電極は、各放電針の軸心と略直交する方向の軸心を有するように該複数の放電針の周囲に配置された環状の導体により構成される。
この構成によれば、対向電極と各放電針との間の電界をいずれの放電針についても均一的にすることが可能となるので、各放電針毎の空気イオンの生成状態のばらつきを抑えることが可能となる。また、板状絶縁物から放射状に延在する複数の放電針の周囲に対向電極があるため、これらの放電針および対向電極をケースに収容する場合、必然的に、そのケースの内部の中心部付近に板状絶縁物が配置されることとなる。このため、高電圧が印加される板状絶縁物の第2の導電体パターンやこれに導通させる高圧出力線と、ケースとの間の容量を小さくでき、第2の導電体パターンや高圧出力線とケースとの間の漏れ電流を小さなものとすることが可能となる。
また、以上説明した本発明では、好ましくは、前記対向電極の、放電針に臨む表面を絶縁物で被覆する。このような構成によれば、放電針に対向した対向電極が絶縁物で被覆されているため、放電針と対向電極との間で、該絶縁物が対向電極に接続された容量として機能することとなる。このため、放電針の先端付近から対向電極側に向かう空気イオンの量が正負のいずれかに偏るの抑制して、放出し得る正負の空気イオンのイオンバランスをさらに向上することができる。
また、本発明にあっては、好ましくは、前記環状の導体である対向電極は、前記複数の放電針および板状絶縁物を内部に収容して該環状の導体と同軸心に設けられた筒状絶縁物の外周面に装着され、該筒状絶縁物内に、その軸心方向で空気を供給する手段を備える
これによれば、筒状絶縁部材によって、環状の対向電極を被覆する絶縁物を容易に構成できると共に、各放電針と筒状絶縁物との位置関係をいずれの放電針についても均一的にすることが可能となる。なお、この場合、筒状絶縁物内で生成される空気イオンは、該筒状絶縁物内に、その軸心方向で空気を供給することによって、筒状絶縁物内から送出することができる。
本発明のイオン生成装置に関連する第1の実施形態の概要を示す回路図。 図1に示す高周波交流高圧電源の回路図。 第1の実施形態の空気ノズル式イオン生成装置の外観斜視図。 図3に示す装置の縦断面にて示した説明図。 本発明のイオン生成装置の一実施形態としての第2の実施形態の概要を示す回路図。 第2の実施形態の送風式イオン生成装置の外観斜視図。 図6に示す装置の縦断面にて示した説明図。 図7に示す電極の説明図。 図7に示す電極の説明図。 図7に示す電極の説明図。 図6に示す装置に対する試験装置の構成図。 図6に示す装置の性能を示すグラフ。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に関連する第1の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1を参照して、第1の実施形態のイオン生成装置1は、その電気回路の構成として、放電針2と、該放電針2に対向した対向電極3と、高周波交流高圧電源4と、コンデンサ部(容量部)5とを備えている。
図1では放電針2と対向電極3とはそれぞれ2個ずつ例示されているが、それらは少なくとも1つずつあればよい。また、放電針2の個数と対向電極3の個数とは必ずしも同数でなくてもよく、複数の放電針2に対向させて1つの対向電極3を設けるようにしてもよい。
高周波交流高圧電源4の出力ケーブル(高圧出力線)4aは、コンデンサ部5を介して放電針2に接続されている。対向電極3は、高周波交流高圧電源4の戻りケーブル4bに接続され、該戻りケーブル4bは接地線6を介して大地に接続(接地)されている。従って、対向電極3は接地されている。
コンデンサ部5は、電子部品として一体に形成されたコンデンサ素子でなくともよく、誘電体となる絶縁物を備えた部材(構造的に所要の容量を持たせた部材)でもよい。例えば、単体の薄い絶縁物や、金属部材と絶縁部材とを接続してなる構造体、絶縁部材の両端にそれぞれ金属部材を接続してなる構造体などからコンデンサ部5を構成してもよい。より一般的に言えば、コンデンサ部5は、それが所要の容量を持ち、また、出力ケーブル4aおよび放電針2を接続可能な構造のものであればよい。
高周波交流高圧電源4は、図2に示すように、直流電圧を印加することにより高周波交流電圧を発生する発振回路7と、発生した高周波交流電圧を圧電セラミックスからなる圧電素子8により昇圧して高電圧を得る圧電トランス9とからなる。発振回路7は、商用電源11から直流電圧を生成する直流電源回路10に接続され、この直流電源回路10から直流電圧が印加される。圧電トランス9は、発振回路7の出力を受けて圧電素子8が機械的に振動することにより高周波高電圧を発生し、その高周波高電圧を端子12から出力ケーブル4aに出力する。圧電トランス9から出力される高周波高電圧の周波数は、本実施形態では10kHz〜100kHzの範囲内の高周波である。なお、圧電素子8の振動による騒音を防止する上では、圧電トランス9から出力する高周波高電圧の周波数は、20kHz以上にすることが好ましい。
補足すると、圧電トランス9から出力する高周波高電圧の周波数を高くするに伴い、該高周波高電圧は低下する。そして、その周波数を100kHzにすると、高周波高電圧の大きさ(振幅値)が、放電針2からコロナ放電を発生可能な限界の電圧(約1.8kV)に近づく。そこで、本実施形態では、圧電トランス9から出力する高周波高電圧の周波数の上限を100kHzとした。
上記回路構成のイオン生成装置1は、高周波交流高圧電源4により放電針2に高周波高電圧を印加したときに、放電針2と対向電極3との間に電界が形成され、放電針2からコロナ放電が発生して正及び負の空気イオンを生成することができる。
次に、図1示の回路構成を有する第1の実施形態のイオン生成装置1のより具体的な一実施例として、空気ノズル式イオン生成装置1aを図3および図4を参照して説明する。
図3および図4に示すように、空気ノズル式イオン生成装置1aは、円筒形状で内部に空気通路13が軸方向に貫通して設けられると共に1本の放電針2が植設された絶縁物からなるノズル本体14と、空気通路13の出口縁部(ノズル本体14の一端部)に周状に設けられた対向電極3と、ノズル本体14の外側面部(図3および図4では下側面部)に固設され、高周波交流高圧電源4を内蔵した電源ケース15とを備えている。
ノズル本体14の空気通路13の入口には、不図示の空気供給装置に接続された空気供給管16が螺着されている。また、空気通路13の出口には、空気吹出口17が先端に形成された金属製のノズルキャップ18が螺着され、このノズルキャップ18とノズル本体14との間に対向電極3を挟持するようにしている。従って、対向電極3とノズルキャップ18とは接触して電気的に導通している。
ノズル本体14の空気通路13はその入口から出口まで直状で断面円形であるが、中途から出口までの出口寄りの空気通路13bは、入口寄りの空気通路13aよりも拡径されている。そして、入口寄りの空気通路13aの中心軸は、拡径された出口寄りの空気通路13bの中心軸の上方(ノズル本体14の、電源ケース15と反対側の側面寄り)に位置している。
放電針2は、その軸が空気通路13bおよびノズルキャップ18の中心軸に一致し、且つ、その先端が対向電極3の中心に位置するように、金属製のソケット19を介してノズル本体14に螺着されている。
電源ケース15内の高周波交流高圧電源4の出力ケーブル4aは、絶縁被覆部材20にて覆われて、且つ、該絶縁被覆部材20と共に金属製の集電環21の環内に嵌入されている。そして、これらの出力ケーブル4a、絶縁被覆部材20および集電環21が、電源ケース15側から放電針2の軸と直交する方向でノズル本体14内部に挿入されている。これらの出力ケーブル4a、絶縁被覆部材20および集電環21は、該集電環21の外周面が放電針2の後端およびその後端に装着されたソケット19に接触する(電気的に導通する)ようにしてノズル本体14内部に延設されている。ここで絶縁被覆20と集電環21とは図1示のコンデンサ部5を形成している。つまり、高周波交流高圧電源4の出力ケーブル4aと放電針2との間に絶縁物としての絶縁被覆20が介挿されていることになる。換言すれば、導電体である出力ケーブル4aを芯線にして、絶縁体からなら絶縁被覆20を施し、その外側を覆う導電体からなる集電環21の外周面に放電針2を導通させることで、放電針2が、出力ケーブル4aに対して、集電環21および絶縁被覆部材20により容量結合されている。
また、高周波交流高圧電源4の戻りケーブル4bは、電源ケース15から対向電極3に直接接続されて該対向電極3に導通している。対向電極3は前述のようにノズルキャップ18に接触して導通している。このように、ノズルキャップ18は、金属製で対向電極3と導通しているので、戻りケーブル4bが接続されている対向電極3と共に、放電針2に対向した電極としての機能を果たすことができる。すなわち、放電針2とノズルキャップ18との間でコロナ放電が可能になっている。
上記構成のノズル式イオン生成装置1aは、高周波交流高圧電源4により周波数が10〜100kHzの高周波の高電圧(約2kV)が放電針2に印加されると、放電針2とノズルキャップ18との間に電界が形成される。このとき、放電針2の先端に電界が集中してコロナ放電が発生し、正負の空気イオンが生成される。また、不図示の空気供給装置から空気が、空気供給管16と空気通路13とを介して放電針2の周囲に供給される。このため、放電針2の先端部分の空間で生成された空気イオンを移送するので、該空気イオンを含んだ空気がイオン吹出口17から噴出される。そして、イオン吹出口17の前方に位置する帯電物の静電気を中和(除去)することができる。
上記第1の実施形態によれば、空気イオンを生成するための放電針2が高周波交流高圧電源4の出力ケーブル4aに対して容量結合されている。このため、放電針2の先端付近の空間における正負の空気イオンの生成量がほぼ均等になるようにして、正負の空気イオンのイオンバランスを良好にすることができる。その理由は次のように考えられる。
放電針2の先端付近の空間における負の空気イオンの量が正の空気イオンの量に比べて多い場合には、前記コンデンサ部5が放電針2と高周波交流高圧電源4の出力ケーブル4aとの間に介装されているために、正の空気イオンは放電針2に残留して、放電2の電位を正側に偏らせる。このため、放電針2に正の電圧が印加されたときに、放電針2と対向電極3との間の電位差が大きくなり、正の空気イオンの発生量が増加する。逆に、放電針2に負の電圧が印加されたときには、放電針2と対向電極3との間の電位差が小さくなり、負の空気イオンの発生量が減少する。これにより、放電針2の先端付近の空間における正負の空気イオンの量がほぼ均等になるように調整されると考えられる。そして、放電針2の先端付近の空間における正の空気イオンが負の空気イオンに比べて多い場合にあっても、上記と同様の作用によって、正負の空気イオンの量の偏りが解消されるように調整されると考えられる。
また、コンデンサ部5は、コロナ放電時の電圧降下(コンデンサ部5での電圧降下)が十分に小さくなる容量(放電針2からのコロナ放電を支障なく発生し得る容量)になるように構成できる。
例えば、出力ケーブル4aの直径を2mm、絶縁被覆部材20の厚さを1mm、集電環21の内径を4mm、集電環21の長さを20mmとする。また、絶縁被覆部材20の比誘電率を5.0とする。このとき、コンデンサ部5の容量は、約8.4pFとなり、そのインピーダンスは、10kHz〜100kHzの範囲で、約2MΩ〜0.2MΩである。そして、コロナ放電時の1つの放電針2の放電電流は3μA〜10μA程度であるから、コンデンサ部5における電圧降下は、10kHz〜100kHzの範囲のいずれの周波数でも、2V以下に抑えることができることとなる。そして、この電圧降下は、高周波交流高圧電源4が発生可能な出力電圧(2〜3kV)よりも十分に小さいので、放電針2に、コロナ放電に必要な電圧(約1.8kVの振幅値の電圧)以上の電圧を支障なく印加することができる。
また、圧電トランス9は、出力可能な電流が高々100μA程度であるので、放電針2になんらかの物が接触したときの短絡電流をコンデンサ部5の容量によらずに十分に小さなものに抑えることができる。
また、高周波交流高圧電源4のドリフト等が発生して、高周波交流高圧電源4から放電針2に供給される高圧電流に直流成分が含まれていたとしても、コンデンサ部5によりそれをカットすることができる。このため、イオンバランスの安定性を確保でき、除電能力の優れたイオン生成装置を提供することができる。
なお、上記実施形態では、外部から空気供給管16を通して空気が供給されるノズル式のイオン生成装置を例示したが、図1および図2示の電気回路の構成が同一であれば、生成した空気イオンをファンにより移送する送風式のものでも同一の効果を得ることができる。
次に本発明のイオン生成装置の一実施形態としての第2の実施形態を図5を参照して説明する。第2の実施形態のイオン生成装置1bは、図5に示すように、コンデンサ部5b(容量部)を除いて第1の実施形態のイオン生成装置1と同一の回路構成である。従って、イオン生成装置1と同一の構成部分には同一の参照番号を付与して説明を省略する。
コンデンサ部5bは、放電針2に対向した状態で対向電極3に接続されている。従って、放電針2と対向電極3との間のコロナ放電の発生時の電流はコンデンサ部5bを介して流れるようになっている。このコンデンサ部5bは、コンデンサ部5と同様に電子部品として一体に形成されたコンデンサ素子でなくともよく、誘電体となる絶縁物を備えた部材(例えばコンデンサ部5と同一の構造体)であってもよい。
上記回路構成のイオン生成装置1bは、高周波交流高圧電源4により放電針2に高周波高電圧を印加したときに、放電針2と対向電極3との間にコンデンサ部5bを介してコロナ放電が発生して正及び負の空気イオンを生成することができる。
次に、図5示の回路構成を有する第2の実施形態のイオン生成装置1bのより具体的な一実施例としての送風式イオン生成装置1cを図6〜図10を参照して説明する。
図6〜図10を参照して、第2の実施形態の送風式イオン生成装置1cは、前面に空気吹出口31、後面に空気吸込口32を開設したケース33を備えている。ケース33は、例えば金属製であるが、絶縁体から構成されたものであってもよい。ケース33の前面には、吹出口31を覆うルーバ34と電源スイッチ35とが設けられ、ケース33の後面には、空気吸込口32を覆うフィルタセット36が設けられている。そして、空気をフィルタセット36から吸い込み、ケース33内で生成される空気イオンを含んだ空気をルーバ34から吹き出す。なお、ルーバ34及びフィルタセット36はケース33から取り外し可能に構成されている。また、図7ではルーバ34の図示を省略している。
ケース33内には、後方から順に送風手段37と、イオン生成手段38とが配置されている。送風手段37は、空気吸込口32に固定した筒状のファンハウジング39と、ファンハウジング39に収納した、不図示のモータで駆動されるファン40とから構成され、ファン40の回転駆動により空気吸込口32から空気吹出口31に向けて空気を送風する。
イオン生成手段38は、ファンハウジング39の前方に連設した絶縁体から成る空気案内筒41(筒状絶縁物)と、この空気案内筒41の外周に装着した環状の導体からなる対向電極3と、空気案内筒41内で対向電極3の軸心(空気案内筒41の軸心)の周囲に周方向に間隔を空けて放射状に配置された複数(本実施形態では8本)の放電針2と、これらの放電針2の基端部を保持する電極ホルダ42とを備えている。対向電極3および空気案内筒41の軸心は、ファン40の回転軸心と一致している。
電極ホルダ42は、空気イオン案内筒41内の中心部に配置されており、背面が支持部材43を介して空気イオン案内筒41に支持固定された絶縁体からなる円形の基板44(板状絶縁物)と、放電針2の配置に対応して基板44の前面に放射状に固定配置された8個の金属製(導電性)ソケット19cと、これらのソケット19cの配置に対応するパターンで基板44の背面に形成された回路パターン45(導電性の薄膜層のパターン)とを備えている。8個のソケット19cは、本発明における第1の導電体パターンに相当し、回路パターン45は本発明における第2の導電体パターンに相当するものである。また、各ソケット19cは、第1の導電体パターンを構成する部分導電体に相当するものである。尚、基板44は、両面に回路パターンを形成したものであってもよい。
基板44は、その中心軸(法線方向の軸)を対向電極3および空気案内筒41の軸心と一致させて、空気案内筒41内の中心部に設けられている。
8個のソケット19cは、図9に示すように基板44により相互に絶縁された状態で基板44の前面に固設されている。
回路パターン45は、図10に示すように、前記支持部材43に固定される基板44の背面の中心領域を取り囲む環状部45aと、環状部45aに導通され、基板44の前面の各ソケット19cに対応する箇所(各ソケット19cに基板44の厚み方向で対向する箇所)に形成されて放射状に配列された8個の放射状部45bと、一組の隣り合う放射上部45b,45bの間で環状部45aに導通されたケーブル接続部45cとを備えている。放射状部45bは、環状部45aを介して互いに導通している。なお、環状部45aおよび放射状部45bは、本発明における第2の導電体パターンの部分導電体に相当するものである。
そして、図7に示すように、ケース33の内底部に配置した高周波交流高圧電源4の出力ケーブル4aが回路パターン45のケーブル接続部45cに接続されている。また、各放電針2の基端部が、該放電針2の軸心を基板44の径方向に向けて電極ホルダ42の各ソケット19cにそれぞれ挿入されて固定されている。ここでソケット19cと基板44と回路パターン45とは図5示のコンデンサ部5を形成している。この場合のコンデンサ部5は、ソケット19cと回路パターン45とを電極として、これらの電極間に介挿された基板44を誘電体とする平行平板コンデンサとしての機能を有している。より詳しくは、各ソケット19cとこれに対向する回路パターン45の放射状部45bとを電極、これらの電極の間の基板44を誘電体として、平行平板コンデンサが構成されている。換言すると、各放電針2が、これを固定したソケット19cと該ソケット19cに対向する放射状部45bとの間の絶縁物である基板44によって、高周波交流高圧電源4の出力ケーブル4aに容量結合されている。
また、高周波交流高圧電源4の戻りケーブル4bは対向電極3に接続(導通)されている。ここで対向電極3は、絶縁体から成る空気案内筒41の外周に装着されているので、対向電極3の放電針2に対向した表面が絶縁物(空気案内筒41)により被覆されていることになる。また、空気案内筒41は、放電針2の針先に対向して対向電極3に接続されているので、図5示のコンデンサ部5bを形成していることになる。
上記構成の送風式イオン生成装置1cは、高周波交流高圧電源4により周波数が10〜100kHzの高周波の高電圧(約2kV)が放電針2に印加されると、放電針2と対向電極3との間に空気案内筒41を介してコロナ放電が発生し、正負の空気イオンが生成される。そして、ファン40の回転駆動により、空気吸込口32から空気吹出口31に向けて空気を送風すると、フィルタセット36を介して吸い込まれた空気が空気案内筒41に導かれて放電針2の周囲に供給される。このとき、放電針2の先端付近の空間で生成された空気イオンがケース33の前方に移送されるので、該空気イオンを含んだ空気がルーバ34から供給される。そして、離れた場所に位置する帯電物の静電気を中和、除去することができる。
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同一の効果を奏すると共に、コンデンサ部5bを設けたので、正負の空気イオンのイオンバランス(より詳しくは空気案内筒41などに捕捉されずに、ケース33の前方側移送される正負の空気イオンのバランス)がさらに向上する。この理由は次にように考えられる。
すなわち、放電針2の先端付近の空間で生成される正負の空気イオンが等量にバランスしていても、対向電極3に向かう正負のイオン量が相違すると、ケース33の外部に供給される正負のイオン量のバランスがくずれる。しかるに、本実施形態では、コンデンサ部5bを有するため、対向電極3に向かう正の空気イオンが多くなると、対向電極3を装着したコンデンサ部5bである空気案内筒41の内周面の電位が正側に偏る。このため、放電針2に正の電圧が印加されたときに、放電針2と空気案内筒41の内周面との間の電位差が小さくなり、正の空気イオンの発生量が減少する。その結果、ケース33の外部に供給される正の空気イオンの量が減少する。逆に、対向電極3に向かう負の空気イオンが多くなると、空気案内筒41の内周面の電位が負側に偏る。このため、放電針2に負の電圧が印加されたときに、放電針2と空気案内筒41の内周面との間の電位差が小さくなり、負の空気イオンの発生量が減少する。その結果、ケース33の外部に供給される負の空気イオンの量が減少する。これにより、対向電極3に向かう正負の空気イオンの量がバランスし、ケース33の外部に供給される正負のイオン量もバランスすると考えられる。
補足すると、本実施形態でのコンデンサ部5は、コロナ放電時の電圧降下(コンデンサ部5での電圧降下)が十分に小さくなる容量になるように構成できることはもちろんであり、その例を以下に示す。
例えば、基板44として厚さ1mmのフェノール樹脂製基板(比誘電率は約5)を使用するとし、回路パターン45の各放射状部45b面積を例えば113×10−6とする。このとき、各放電針2毎のコンデンサ部5の容量は、約5pFとなる。このコンデンサ部5のインピーダンスは、10kHz〜100kHzの範囲で、約3MΩ〜0.3MΩである。そして、コロナ放電時の1つの放電針2の放電電流は3μA〜10μA程度であるから、コンデンサ部5における電圧降下は、10kHz〜100kHzの範囲のいずれの周波数でも、3V以下に抑えることができることとなる。この電圧降下は、高周波交流高圧電源4が発生可能な出力電圧(2〜3kV)よりも十分に小さいので、放電針2に、コロナ放電に必要な電圧(約1.8kVの振幅値の電圧)以上の電圧を支障なく印加することができる。
なお、上記第2の実施形態では、送風式のイオン生成装置を例示したが、図5示の電気回路と回路構成が同一であれば、前記第1の実施形態で説明したようなノズル式のものでも同一の効果を得ることができる。
本発明のイオン生成装置は、上記第2の実施形態で例示した装置に限定されるものではなく、コンデンサ部5、5bを構成する絶縁体の材質、形状、サイズを適宜選択することができる。この場合、放電針2からコロナ放電を発生させるために、該放電2に振幅値が約1.8kV以上の電圧を付与する必要がある。また、高周波交流高圧電源4の出力電圧(出力ケーブル4aの発生電圧)は2〜3kV程度であるから、コロナ放電時における該出力ケーブル4aと放電針2との間の電圧降下は、最大で100V程度に留めることが好ましい。そして、コロナ放電時の放電電流は3〜10μA程度であるから、コンデンサ部5の電圧降下を100V程度に留めるためには、コンデンサ部5のインピーダンスは、最大で10MΩ程度に留める必要がある。従って、コンデンサ部5の容量は、10〜100kHzの周波数でインピーダンスが10MΩ以下になるような容量に設定することが望ましい。そのような容量は、前記第2実施形態で説明したコンデンサ部5の構造によって支障なく実現することができる。例えばその容量は、0.1〜10pF程度の容量でよい。なお、コンデンサ部5の容量を大きくするほど、コンデンサ部5の面積(容量に寄与する面積)を大きくする必要があるので、コンデンサ部5の容量は、コンデンサ部5の構造の大きさを考慮すると、実用上は、最大で10pF程度に留めることが望ましい。
上記第2の実施形態に係る送風式イオン生成装置1cのコンデンサ部5が好ましい静電容量の値を有している場合について該装置の性能を説明する。図11を参照して、本願発明者は帯電プレートモニタ50を用いて送風式イオン生成装置1cの除電効果を調べる試験を行った。帯電プレートモニタ50は、絶縁部材51を介して本体52に取り付けられた金属製プレート53を備えると共に、本体52内部に、金属製プレート53の電位を測定する表面電位測定装置54と、金属製プレート53に電荷を付与する高電圧電源55と、金属製プレート53の電位の変化時間を測定するタイマ56とを備えている。
まず、150mm角の金属製プレート53を、送風式イオン生成装置1cと300mmの距離の位置に配置した(実施例)。そして、金属製プレート53を高電圧電源55により+1000V(または−1000V)に帯電させた。
送風式イオン生成装置1cの高周波交流高圧電源4により68kHz、2kV(0−p)の交流電圧を放電針2に印加して、コロナ放電により正負の空気イオンを生成させ、生成した空気イオンを送風式イオン生成装置1cから金属製プレート53に供給した。そして、この供給により金属製プレート53の電荷を中和し、該金属製プレート53の電位が+1000V(または−1000V)の初期電圧から+100V(または−100V)まで減衰するのに要する時間を減衰時間として測定した。その測定結果を表1に示す。なお、実施例と比較するための比較例のイオン生成装置を用いた場合についても上記と同様に減衰時間の測定を行った。測定に用いた比較例の装置は、放電針と出力ケーブル4aとが直接接続された構造の直結型電極を有する点を除いて、送風式イオン生成装置1cと同一の構成であり(対向電極3を被覆する空気案内筒41を備える)、高周波交流高圧電源4を備える送風式のものである。この比較例の測定結果を実施例の測定結果と共に表1に示す。
Figure 0004512037
次に、金属製プレート53を帯電体として、送風式イオン生成装置1cから、空気イオンを含んだ空気を帯電プレートモニタ50の金属製プレート53に連続的に吹き当てた。このとき、金属製プレート53に蓄積された電荷による電圧をオフセット電圧として表面電位測定装置54により逐次測定した。このオフセット電圧は、送風式イオン生成装置1cから金属製プレート53に向けて放出される正負の空気イオン量のバランス(イオンバランス)の指標となるものである。オフセット電圧は、送風式イオン生成装置1cから放出される正負の空気イオンの量に偏りがある場合に、その絶対値が大きくなるので、電圧の絶対値が小さいほどイオンバランスが良好であることを示す。なお、前記比較例の装置を用いた場合についても、上記と同様にオフセット電圧を測定した。
このオフセット電圧の測定結果を前記表1と図12に示す。図12において、縦軸は送風式イオン生成装置の運転時間[h]、横軸はオフセット電圧[V]を表しており、図12(a)は実施例の試験結果、図12(b)は比較例の試験結果をそれぞれ表している。
表1を参照して明らかなように、実施例および比較例のいずれも減衰時間はほぼ同じであるが、オフセット電圧は、その変動幅が実施例の方が比較例よりも格段に小さいことが判る。しかも、実施例のオフセット電圧は、ほぼ0に近い電圧に収まっている。また、オフセット電圧の経時変化は、図12に示すように、比較例よりも実施例の方が明らかに安定している。従って、イオン生成装置1cから金属製プレート53に向けて放出される正負の空気イオンのイオンバランスは前記比較例の装置よりも良好であることが明らかである。
以上のように、本発明のイオン生成装置は、各種の帯電体を効果的に除電し得るように正負の空気イオンを発生することができるものとして有用であり、半導体装置など、高い除電効果が要求される帯電体の除電に適している。

Claims (3)

  1. 少なくとも1つの放電針と、該放電針に対向した対向電極と、該放電針と対向電極との間に高電圧を印加する交流高圧電源とから成り、該交流高圧電源により該放電針と対向電極との間に高電圧が印加されたときにコロナ放電を発生させて正及び負の空気イオンを生成するイオン生成装置において、
    該交流高圧電源は、高周波発振器と圧電トランスとを備えて高周波電圧を出力するものであると共に、前記交流高圧電源の高圧出力線と該放電針との間に介装される絶縁物を介装しし、該放電針から放電可能としたイオン生成装置であり、
    前記放電針が複数備えられると共に、前記絶縁物としての板状絶縁物と、該板状絶縁物の一方の面上に設けられた第1の導電体パターンと、該板状絶縁物の他方の面上で第1の導電体パターンに対応する位置に設けられ、前記高圧出力線を導通させた第2の導電体パターンとを有し、
    前記第1の導電体パターンは、各放電針をそれぞれ導通させる複数の部分導電体を、前記板状絶縁物により互いに絶縁させて該複数の放電針の配置に対応するパターンで該板状絶縁物の一方の面上に配置したものであり、
    前記第2の導電体パターンは、第1の導電体パターンの各部分導電体に該板状絶縁物を介してそれぞれ対向する複数の部分導電体と、この複数の部分導電体を互いに導通させて連接する部分導電体とから構成され、
    前記複数の放電針は、そのそれぞれの基端部を該板状絶縁物の第1の導電体パターンの各部分導電体に固定して、該板状絶縁物から放射状の配置パターンで該板状絶縁物の周囲に延設されており、
    前記対向電極は、各放電針の軸心と略直交する方向の軸心を有するように該複数の放電針の周囲に配置された環状の導体により構成されていることを特徴とするイオン生成装置。
  2. 前記対向電極の、放電針に臨む表面を絶縁物で被覆したことを特徴とする請求項1記載のイオン生成装置。
  3. 前記環状の導体である対向電極は、前記複数の放電針および板状絶縁物を内部に収容して該環状の導体と同軸心に設けられた筒状絶縁物の外周面に装着され、該筒状絶縁物内に、その軸心方向で空気を供給する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のイオン生成装置。
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