JP4261844B2 - マイナスイオン発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイナスイオン発生装置に関し、特に、大気中にマイナスイオンを供給させるために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、マイナスイオン発生装置を用いてマイナスイオンを発生させて、大気中のマイナスイオンの濃度を高くし、快適な空間をユーザーに提供することが行われている。
【0003】
そして、従来のマイナスイオン発生装置では、放電電極と、上記放電電極と対向する位置に配設される対向電極との間に、上記放電電極が相対的に負となるような高電圧を印加して上記放電電極でコロナ放電を起こすようにし、マイナスイオンを発生させるようにしていた。
【0004】
ところで、このようにして発生させたマイナスイオンの多くは、上記放電電極と上記対向電極との間に発生する電気力線(電界)の作用により上記対向電極に向かって移動し、外部(大気中)に供給されない。そこで、上記従来のマイナスイオン発生装置では、送風用のファンを用いて気流を生じさせることにより、上記放電電極で発生させたマイナスイオンを外部(大気中)に供給するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のマイナスイオン発生装置には、以下のような問題点があった。
第1に、上記従来のマイナスイオン発生装置では、上記送風用のファンを用いてマイナスイオンを外部(大気中)に供給するようにしているので、装置が大きくなってしまうという問題があった。
第2に、上記従来のマイナスイオン発生装置では、上記送風用のファンに備えられている羽根の回転音が発生し、装置を静かに動作させることができないという問題があった。
第3に、上記従来のマイナスイオン発生装置では、使用に際し、上記送風用のファンや上記対向電極を電源に接続しなければならず、煩雑な配線を行わなければならないという問題があった。
【0006】
このように、上記従来のマイナスイオン発生装置では、送風用のファンと対向電極を使用しているため、装置の小型化、静穏化、及び簡略化などを図ることが極めて困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、送風用のファンと対向電極を設けなくても、マイナスイオンを大気中に安定して供給することができるマイナスイオン発生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のマイナスイオン発生装置は、コロナ放電を起こすための放電電極と、上記放電電極を支持するための支持材とを有し、上記支持材は、上記放電電極が取り付けられる第1の部材と、上記第1の部材と体積固有抵抗率の異なる第2の部材との2つの部材が組み付けられて成り、上記第2の部材は、前面に窓が形成されたケースであり、上記放電電極は、上記第1の部材の上に載せられており、上記第1の部材及び上記第2の部材のうち、体積固有抵抗率が小さい方の部材を、基材となる絶縁性の樹脂に、吸水性を有する樹脂を混合した半絶縁性の合成樹脂で形成し、体積固有抵抗率が大きい方の部材を、絶縁性の樹脂で形成し、上記第1の部材に取り付けられた放電電極と、上記窓とが対向するように、上記第1の部材と上記第2の部材とを組み付けるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
次に、添付の図面を参照しながら、本発明のマイナスイオン発生装置の第1の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態のマイナスイオン発生装置を搭載した乗用車の車室の概略構成を示した図であり、図1(a)は、上記車室内に配設されているダッシュボードを正面から見た概念図、図1(b)は、上記車室を側方から見た概念図である。
図1に示すように、本実施の形態のマイナスイオン発生装置1は、運転席2の前方に配設されているステアリング3の近傍で、ダッシュボード4に埋設される。
【0011】
そして、マイナスイオン発生装置1でマイナスイオンを発生させ、上記発生させたマイナスイオンを、マイナスイオン発生装置1から運転席2や車両ボディ6に向けて延びる電気力線(電界)7に乗せて、運転席2に着席した運転手5に与えるようにしている。
【0012】
図2は、マイナスイオン発生装置1の具体的な構成を示す構成図であり、図2(a)はマイナスイオン発生装置1を上方から見た図、図2(b)はマイナスイオン発生装置1を側方から見た図、図2(c)はマイナスイオン発生装置1を前方から見た図である。
図2において、マイナスイオン発生装置1は、放電電極21と、高圧電源22と、高圧線23と、放電電極取り付け部材24と、螺子25と、ケース26とを有している。
【0013】
放電電極21は板状の電極である。具体的な形状を説明すると、放電電極21の一端側は、先端に向けて先細りとなるように加工され針形状になっている。また、放電電極21の央部には、螺子25を貫挿するための図示しない第1の孔が設けられている。さらに、放電電極21の他端側は、湾曲した形状になっている。このような形状の放電電極21は、金属または導電処理を施した樹脂などの材料により形成される。
【0014】
高圧電源22は、放電電極21の針先でコロナ放電を起こしてマイナスイオンを発生させるように、例えば−3kV程度の直流高電圧を放電電極21に与えるための電源である。
高圧線23は、放電電極21と高圧電源22とを電気的に接続するためのものである。すなわち、高圧線23の一端側が、放電電極21に接続され、他端側が高圧電源22に接続される。
なお、上述したように、放電電極21の一端側を針形状にすれば、−3kV程度の比較的絶対値の小さい電圧でコロナ放電を起こすことができ好ましいが、コロナ放電を発生させることができれば放電電極21の形状は図1に示したものに限定されず、例えば棒状であってもよい。
【0015】
第1の部材として配設される放電電極取り付け部材24は、放電電極21を取り付けるための板であり、央部に螺子25を螺挿するための図示しない第2の孔を有している。そして、放電電極21に設けられている第1の孔と、放電電極取り付け部材24に設けられている第2の孔とを合わせ、螺子25を用いて放電電極21と放電電極取り付け部材24とを固定すると、放電電極21の一端側の先端部(針先部)が放電電極取り付け部材24の端よりも外側に突出されるように構成されている。
このような構成の放電電極取り付け部材24は、1015Ω・cm以上の体積固有抵抗率を有する絶縁性の材料(絶縁物)により形成される。上記絶縁性の材料としては、例えばABS樹脂などが挙げられる。
【0016】
第2の部材として配設されるケース26は、上面と後面とが開口し、さらに前面の一部も保護用窓27により開口した形状を有する。この保護用窓27は、指を入れることはできないが、空気分子が通過するのには十分な大きさを有している。また、図2(b)に示すように、ケース26の側面には段差が設けられており、この段差により、ケース26の前面側上部が後面側上部よりも低くなるように成されている。このような形状を有するケース26は、体積固有抵抗率が108Ω・cm以上1015Ω・cm未満の範囲を有する半絶縁性の材料(半絶縁物)により形成される。
【0017】
上記半絶縁性の材料としては、例えば、絶縁性の樹脂に吸水性を有する樹脂を混合した合成樹脂が挙げられる。
また、上記絶縁性の樹脂の基材としては、例えば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂のような熱可塑性樹脂を用いる。これらのうち、特に、ABS樹脂を基材として用いると成形性、難燃性、耐熱性、耐衝撃性に優れたものが得られ、また、製造コストの面でも安価となり好ましい。
【0018】
一方、吸水性を有する樹脂としては、アクリル酸塩系、ポバール系、ポリアミド系などがあり、吸水能、抵抗値の持続性、および基材となる上記絶縁性の樹脂との相溶性などを考慮して選択するのが好ましい。
【0019】
そして、ケース26の内部には、高圧線23が接続された高圧電源22が収容される。また、上述したケース26の前面側上部には、放電電極21が取り付けられた放電電極取り付け部材24が組み付けられる。このようにして放電電極取り付け部材24がケース26に組み付けられると、放電電極21と保護用窓27とが対向するようになる。具体的に説明すると、放電電極21の針先が、保護用窓27の方向を向き、且つ保護用窓27の中心部と略同じ高さに位置するようになる。そして、高圧線23の一端側を放電電極21に接続する。以上のように、本実施の形態では、放電電極支持部材24とケース26により支持材が構成される。
なお、ケース26の形状は、図2に示したものに限定されず、前面に保護用窓27を有していればどのような形状であってもよい。例えば、図2に示したケース26の後面を開口させないようにしてもよい。
【0020】
図3は、上述した構成のマイナスイオン発生装置1の動作原理を説明する図である。
なお、図3では、説明の便宜上、マイナスイオン発生装置1を簡略化して示しているが、図3に示すマイナスイオン発生装置1と図2に示したマイナスイオン発生装置1とは同様の構成のものである。
【0021】
図3において、高圧電源22を動作させ、例えば−3kV程度の電圧を放電電極21に印加すると、放電電極21の針先でコロナ放電が起こり、マイナスイオンが発生する。
【0022】
すなわち、本実施の形態のマイナスイオン発生装置1では、放電電極取り付け部材24の体積固有抵抗率をケース26の体積固有抵抗率よりも大きくしているので、放電電極21に電圧を印加したときに放電電極21に与えられる電位と、仮想電極31に与えられているグランド電位との間の中間電位がケース26に与えられ、図3に示すような電気力線(電界)7が生じる。これにより、放電電極21の針先でコロナ放電を起こすのに十分な電位差が放電電極21とケース26との間に発生し、マイナスイオンが安定して発生する。なお、上記においてマイナスイオンが安定して発生するとは、マイナスイオンが継続して長期間発生することを意味する。
【0023】
そして、上記発生したマイナスイオンは、放電電極21の針先から仮想電極31の方向に延びる電気力線7の作用によって、保護用窓27の方向に加速する。このとき、上記マイナスイオンは、大気中の空気分子の一部を引き連れながら加速するので、上記マイナスイオンが加速する方向に空気流(イオン風)が発生する。
【0024】
このように、上記放電電極21の針先で発生したマイナスイオンは、電気力線7と上記イオン風の作用によって十分な速度に加速されて、保護用窓27を通り抜ける。そして、保護用窓27を通り抜けたマイナスイオンは、放電電極21及びケース26から仮想電極31に向けて延びる電気力線7の作用により、一層加速されてグランド電位が与えられている仮想電極31の方向に移動する。こうして、マイナスイオン発生装置1で発生したマイナスイオンが大気中に安定して供給される。
【0025】
ところで、図1に示した乗用車の運転席2や車両ボディ6には、略グランド電位が与えられているので、運転席2や車両ボディ6は、図3に示した仮想電極31と略同等であると見なせ、ダッシュボード4に埋設されたマイナスイオン発生装置1で発生したマイナスイオンは、上述したような原理により運転席2や車両ボディ6に向けて移動する。したがって、図1に示したようにしてマイナスイオン発生装置1を乗用車の車室内に搭載するようにすれば、運転席2に着席している運転手5にマイナスイオンを与えることができることになる。
【0026】
以上のように、本実施の形態では、放電電極21が取り付けられる放電電極取り付け部材24の体積固有抵抗率を、ケース26の体積固有抵抗率よりも大きくしたので、放電電極21の針先でコロナ放電を起こすのに十分な電位差を放電電極21とケース26との間に安定して発生させることができる。これにより、放電電極21からマイナスイオンを安定して発生させることができるようになるとともに、上記発生したマイナスイオンを電気力線7と上記イオン風の作用により高速に加速させ、大気中に供給することができる。したがって、従来のように送風用のファンや対向電極を設けなくても、マイナスイオンを大気中に安定して供給することができる。
【0027】
そして、送風用のファンや対向電極を設ける必要がないため、マイナスイオン発生装置を従来よりも大幅に小さくすることができるとともに、マイナスイオン発生装置を構成する際の配線を大幅に簡単にすることができる。
さらに、送風用のファンを設けないので、動作中にほとんど音が発生しない。したがって、マイナスイオン発生装置を可及的に静かに動作させることができる。
【0028】
また、本実施の形態では、絶縁性の樹脂に吸水性を有する樹脂を混合した合成樹脂を用いてケース26を形成するようにしたので、周囲の温度や湿度によりマイナスイオンの供給量が減少してしまうことを可及的に防止することができる。すなわち、冬場などの低温、低湿度の使用環境下であっても、放電電極21で発生したマイナスイオンがケース26に付着してしまうことを可及的に防止することができ、放電電極21で発生したマイナスイオンを周囲の使用環境に拘わらず安定して大気中に供給することができる。
【0029】
さらに、ケース26の前面に人の指が入らない大きさを有する保護窓27を設けるようにしたので、人の指が放電電極21に触れてしまうことを防止することができる。
【0030】
また、従来のように、放電電極21の近傍に導電性の金属体(対向電極)を設けると、上記金属体(対向電極)の周りに大気中の塵や埃が付着してしまったり、リーク電流などの異常な電流が流れてしまったりする虞があったが、本実施の形態のマイナスイオン発生装置1では、放電電極21の近傍に導電性の金属体(対向電極)を設けていないので、大気中の塵や埃が装置に付着するのを可及的に防止することができるとともに、リーク電流などの異常な電流が流れることを可及的に防止することができる。
【0031】
なお、本実施の形態では、マイナスイオン発生装置1を乗用車の車室内に搭載するようにしたが、これは本実施の形態のマイナスイオン発生装置1の好ましい使用形態の一例を挙げたに過ぎず、必ずしもマイナスイオン発生装置1を乗用車の車室内に搭載する必要はない。例えば、マイナスイオン発生装置1をオーディオ機器などに搭載するようにしてもよい。
【0032】
(第2の実施の形態)
次に、本発明のマイナスイオン発生装置の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態のマイナスイオン発生装置は、図2に示した第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1に対し、放電電極取り付け部材24の体積固有抵抗率と、ケース26の体積固有抵抗率との大小関係を異ならせるようにしたものである。
【0033】
具体的に説明すると、本実施の形態のマイナスイオン発生装置における放電電極取り付け部材は、体積固有抵抗率が108Ω・cm以上1015Ω・cm未満の範囲を有する半絶縁性の材料により形成される。上記半絶縁性の材料としては、例えば、ABS樹脂などの絶縁性の樹脂に、吸水性を有する樹脂を混合した合成樹脂が挙げられる。
【0034】
また、ケースは、1015Ω・cm以上の体積固有抵抗率を有する絶縁性の材料により形成される。上記絶縁性の材料としては、例えばABS樹脂などが挙げられる。
【0035】
このように、放電電極取り付け部材の体積固有抵抗率よりもケースの体積固有抵抗率を大きくし、放電電極取り付け部材を半絶縁性の材料で、ケースを絶縁性の材料で形成するようにしても、放電電極の針先でコロナ放電を起こすのに十分な電位差を放電電極とケースとの間に発生させることができ、送風用のファンや対向電極を設けずに大気中にマイナスイオンを供給することができる。さらに、絶縁性の材料でケースを形成するようにしたので、ABS樹脂などの成形性に優れた材料により複雑な形状を有するケースを形成することができ、第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1よりも、容易且つ安価にマイナスイオン発生装置を製造することができる。
【0036】
(実験例)
本願発明者らは、上述した第1または第2の実施の形態のマイナスイオン発生装置を用いた場合に、どの位の量のマイナスイオンを大気中に供給することができるのかを検証した。以下にその結果について述べる。
【0037】
図4は、上記検証を行う際に使用したイオン数密度測定装置の構成を示した図である。
図4に示すように、イオン数密度測定装置41は、ゲルディエンコンデンサ42と、ポンプ43と、直流電源44と、エレクトロメータ45とを有している。
【0038】
図5は、ゲルディエンコンデンサ42の構成を示した図である。
図5に示すように、ゲルディエンコンデンサ42は、外極42aと、外極42aと同軸上にある棒形状の内極42bとからなる2重円筒方式のコンデンサであり、円筒軸が地面から略1mの高さとなるように設置されている。
ポンプ43は、ゲルディエンコンデンサ42の外極42aと内極42bとの間の領域の空気を吸い込むためのものである。
直流電源44は、ゲルディエンコンデンサ42の外極42aに直流電圧を供給するためのものである。なお、ここではマイナスイオンの数密度を測定するので、ゲルディエンコンデンサ42の外極42aに負の電位を、内極42bにエレクトロメータ45を接続しグランド電位を与えるようにする。
【0039】
エレクトロメータ45は、ゲルディエンコンデンサ42の内極42bに流れる電流値を求め、通過風量と電気素量からからゲルディエンコンデンサ42内のマイナスイオンの数密度を測定するためのものである。
【0040】
そして、マイナスイオン発生装置(例えば第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1)を、ゲルディエンコンデンサ42から0.6m程度離隔させて設置する。このとき、ゲルディエンコンデンサ42とマイナスイオン発生装置は、地面とは電気的に絶縁状態となるように支持台などに載置して設置すると共に、マイナスイオン発生装置の保護用窓27の中心位置と、ゲルディエンコンデンサ42の円筒軸とを略一致させるようにする。
【0041】
以上のようにイオン数密度測定装置41とマイナスイオン発生装置とを構成して、各装置を動作させることにより、上記マイナスイオン発生装置から供給されるマイナスイオンを、ゲルディエンコンデンサ42で捕獲し、上記捕獲したマイナスイオンの数密度をエレクトロメータ45で測定するようにする。
【0042】
そして、本願発明者らは、このような測定を、温度が20℃、湿度が65%の環境下で行った。その評価結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004261844
【0044】
表1において、▲1▼は、第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1を用いたことを表している。▲2▼は、第2の実施の形態のマイナスイオン発生装置を用いたことを表している。▲3▼は、放電電極取り付け部材及びケースを上記絶縁性の材料(絶縁物)により形成したマイナスイオン発生装置を用いたことを表している。▲4▼は、放電電極取り付け部材及びケースを上記半絶縁性の材料(半絶縁物)により形成したマイナスイオン発生装置を用いたことを表している。
【0045】
第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1または第2の実施の形態のマイナスイオン発生装置を用いた場合には、多くのマイナスイオンを大気中に供給できることが確認された(表1の▲1▼、▲2▼)。具体的に説明すると、第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1または第2の実施の形態のマイナスイオン発生装置を用いた場合には、ゲルディエンコンデンサ42内のマイナスイオンの数密度が10000〜30000個/cm3程度になった。
【0046】
これに対し、体積固有抵抗率が同じ材料で放電電極取り付け部材及びケースを形成したマイナスイオン発生装置を用いた場合には、多くのマイナスイオンを大気中に供給できないことが確認された(表1の▲3▼、▲4▼)。具体的に説明すると、体積固有抵抗率が同じ材料で放電電極取り付け部材及びケースを形成したマイナスイオン発生装置を用いた場合には、ゲルディエンコンデンサ42内のマイナスイオンの数密度が1000〜5000個/cm3程度になった。
【0047】
このように、異なる体積固有抵抗率の材料を用いて放電電極取り付け部材とケースを形成することにより、大気中に十分な量のマイナスイオンを供給することができるということが確認された。
【0048】
さらに、第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1と第2の実施の形態のマイナスイオン発生装置では、0.6m離隔したところまで十分な量のマイナスイオンを供給することができることが確認された。一般に乗用車のダッシュボードから運転席2に着席した運転手5までの距離は0.6m程度であるので、上記各実施の形態のマイナスイオン発生装置を図1に示したようにして乗用車の車室内に搭載すると、十分な量のマイナスイオンを運転手5に与えることができるということが実証された。
【0049】
また、第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1を用いた場合の方が、第2の実施の形態のマイナスイオン発生装置を用いた場合よりも、ゲルディエンコンデンサ42内のマイナスイオンの数密度が5000〜10000個/cm3程度大きくなり、より多くのマイナスイオンを大気中に供給できることも確認された。
【0051】
(第3の実施の形態)
次に、本発明のマイナスイオン発生装置の第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態のマイナスイオン発生装置は、上述した第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1における放電電極取り付け部材24とケース26に相当する箇所が異なるだけで、その他の構成についてはマイナスイオン発生装置1と同様である。したがって、上述した第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1と同一部分については図1〜図3に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0052】
図6は、本実施の形態のマイナスイオン発生装置の具体的な構成を示す構成図であり、図6(a)はマイナスイオン発生装置を上方から見た図、図6(b)はマイナスイオン発生装置を側方から見た図、図6(c)はマイナスイオン発生装置を前方から見た図である。
図6において、マイナスイオン発生装置51は、放電電極21と、高圧電源22と、高圧線23と、放電電極取り付け部材52と、螺子25と、連結部材53と、放電電極保護部材54とを有している。
【0053】
図6に示すように、本実施の形態のマイナスイオン発生装置51は、放電電極21が取り付けられる放電電極取り付け部材52と、保護用窓27を有する放電電極保護部材54とを、連結部材53を挟んで組み付けることにより、図2に示した第1の実施の形態のマイナスイオン発生装置1と同様の外形を有するように成されている。
【0054】
具体的に説明すると、第1の部材として配設される放電電極取り付け部材52は、図2に示した放電電極取り付け部材24とケース26の後面側の所定領域とが一体的に形成された形状を有し、体積固有抵抗率が108Ω・cm以上1015Ω・cm未満の範囲を有する半絶縁性の材料により形成される。
【0055】
放電電極保護部材54は、図2に示したケース26の前面側の所定領域と同様の形状を有し、体積固有抵抗率が108Ω・cm以上1015Ω・cm未満の範囲を有する半絶縁性の材料により形成される。
【0056】
第2の部材として配設される連結部材53は、図2に示したケース26が占有する領域のうち、放電電極取り付け部材52と放電電極保護部材54とにより占有される領域以外の領域と同様の形状有し、1015Ω・cm以上の体積固有抵抗率を有する絶縁性の材料により形成される。
【0057】
ここで、上記半絶縁性の材料としては、例えば、ABS樹脂などの絶縁性の樹脂に、吸水性を有する樹脂を混合した合成樹脂が挙げられ、また、上記絶縁性の材料としては、例えばABS樹脂などが挙げられる。
【0058】
このように、本実施の形態では、放電電極取り付け部材52と、連結部材53と、放電電極保護部材54とにより支持材が構成される。
なお、図6に示すように、放電電極取り付け部材52と、放電電極保護部材54とを、連結部材53を挟んで組み付けた際に、連結部材53の少なくとも一部の領域が、放電電極21の先端(針先)よりも前方側に位置するように放電電極21、放電電極取り付け部材52、連結部材53、及び放電電極保護部材54を構成するのが好ましい。
【0059】
以上のように本実施の形態では、放電電極21が取り付けられる放電電極取り付け部材52と、保護用窓27を有する放電電極保護部材54とを、絶縁性の材料により形成される連結部材53を挟んで組み付けるようにしたので、放電電極21の針先でコロナ放電を起こすのに十分な電位差を、放電電極21と連結部材53(放電電極保護部材54)との間に発生させることができる。これにより、送風用のファンや対向電極を設けなくても、放電電極21からマイナスイオンを安定して発生させることができるようになるとともに、上記発生したマイナスイオンを、上述した第1の実施の形態で説明したのと同様の原理で大気中に供給することができる。
【0060】
なお、上述した第1〜第3の実施の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。したがって、本発明はその精神、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0061】
すなわち、上述した第1〜第3の実施の形態は、送風用のファンや対向電極を設けずにマイナスイオンを安定して大気中に供給するためのマイナスイオン発生装置の構成の例を挙げたに過ぎず、放電電極を支持するための支持材を、上記放電電極が取り付けられる第1の部材と、上記第1の部材と体積固有抵抗率の異なる第2の部材とを含む複数の部材を組み付けて構成し、上記放電電極と上記第2の部材との間に、上記放電電極でコロナ放電を起こすのに必要な電位差を与えるようにしていれば、マイナスイオン発生装置の構成は、上述した第1〜第3の実施の形態で示したものに限定されない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、放電電極でコロナ放電を起こすのに必要な電位差を、放電電極と第2の部材との間に長期間安定して発生させることができる。これにより、放電電極からマイナスイオンを安定して発生させることができるとともに、上記発生したマイナスイオンを第2の部材に印加されている電位よりも高い電位の方向に移動させることができる。したがって、従来のように送風用のファンや対向電極を設けなくても、マイナスイオンを大気中に安定して供給することができる。更に、周囲の温度や湿度によりマイナスイオンの供給量が減少してしまうことを可及的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、マイナスイオン発生装置を搭載した乗用車の車室の概略構成を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示し、マイナスイオン発生装置の具体的な構成を示す構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示し、マイナスイオン発生装置の動作原理を説明する図である。
【図4】本発明の第1及び第2の実施の形態を示し、マイナスイオン発生装置から供給されるマイナスイオンの数密度を測定するイオン数密度測定装置の構成を示した図である。
【図5】本発明の第1及び第2の実施の形態を示し、ゲルディエンコンデンサの構成を示した図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示し、マイナスイオン発生装置の具体的な構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1、51 マイナスイオン発生装置
21 放電電極
22 高圧電源
24、52 放電電極支持部材
26 ケース
27 保護用窓
53 電位付与部材
54 放電電極保護部材

Claims (6)

  1. コロナ放電を起こすための放電電極と、
    上記放電電極を支持するための支持材とを有し、
    上記支持材は、上記放電電極が取り付けられる第1の部材と、上記第1の部材と体積固有抵抗率の異なる第2の部材との2つの部材が組み付けられて成り、
    上記第2の部材は、前面に窓が形成されたケースであり、
    上記放電電極は、上記第1の部材の上に載せられており、
    上記第1の部材及び上記第2の部材のうち、体積固有抵抗率が小さい方の部材を、基材となる絶縁性の樹脂に、吸水性を有する樹脂を混合した半絶縁性の合成樹脂で形成し、体積固有抵抗率が大きい方の部材を、絶縁性の樹脂で形成し
    上記第1の部材に取り付けられた放電電極と、上記窓とが対向するように、上記第1の部材と上記第2の部材とを組み付けるようにしたことを特徴とするマイナスイオン発生装置。
  2. 上記第1の部材の体積固有抵抗率の方が、上記第2の部材の体積固有抵抗率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生装置。
  3. 上記第2の部材は、108Ω・cm以上1015Ω・cm未満の範囲内の体積固有抵抗率を有することを特徴とする請求項2に記載のマイナスイオン発生装置。
  4. 上記第1の部材は、1015Ω・cm以上の体積固有抵抗率を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のマイナスイオン発生装置。
  5. 上記窓は、人の指が入るのを防止するが、空気分子が通過するのには十分な大きさを有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のマイナスイオン発生装置。
  6. 上記ケースに収容され、上記放電電極に負の電位を与える電源を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のマイナスイオン発生装置。
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