JP4498823B2 - 偏心揺動型遊星歯車装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内歯歯車に噛み合う外歯歯車をクランク軸によって偏心揺動させるようにした偏心揺動型遊星歯車装置に関する。
従来の偏心揺動型遊星歯車装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特開平7−299791号公報
このものは、内周に多数の円柱状ピンで構成された内歯が設けられた内歯歯車と、複数のクランク軸孔および貫通孔が形成され、外周にトロコイド歯形からなり前記内歯に噛み合うとともに、該内歯より1個だけ歯数が少ない外歯を有する外歯歯車と、各クランク軸孔に挿入され、回転することで外歯歯車を偏心揺動させるクランク軸と、前記クランク軸を回転可能に支持するとともに、各貫通孔に挿入された複数の柱部を有する支持体とを備えたものである。
近年、このような遊星歯車装置において、大型化、特に外歯歯車を大径化することなく、また、外歯から内歯に付与される駆動分力(接圧)を増大させることなく、出力トルクを増大させることが要求されるようになってきた。
ここで、前述の出力トルクは、外歯と内歯(ピン)との各接触点での駆動分力の接線方向成分に内歯歯車の中心から前記接触点までの距離を乗じた値の合計となるが、内歯歯車の中心から接触点までの距離は、大型化防止の要請から、一定であるので、出力トルクを増大させるには、駆動分力の接線方向成分を増大させることが考えられる。そして、このような駆動分力の接線方向成分の増大は、駆動分力の作用線が集合する集合点を半径方向外側に移動させて、前記作用線を外歯歯車に対して接線方向側に傾斜させることで達成することができる。
しかしながら、前述した集合点の位置(内歯歯車の中心からの半径方向距離)を内歯(ピン)の歯数で除することにより求められる、外歯歯車の内歯歯車に対する偏心量は、外歯の歯先が内歯歯車の内周に干渉するのを回避するためには、内歯(ピン)の半径の 0.5倍未満でなければならず(従来の遊星歯車装置では0.40〜0.45倍程度)、この結果、前述のように集合点を半径方向外側に移動させるには制限があって、出力トルクを充分に増大させることができないという課題があった。
この発明は、大型化を防止しながら出力トルクを増大させることができる偏心揺動型遊星歯車装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、内周に多数の円柱状ピンで構成された内歯が設けられた内歯歯車と、少なくとも1個のクランク軸孔および複数の貫通孔が形成され、外周にトロコイド歯形からなり前記内歯に噛み合うとともに、該内歯より1個だけ歯数が少ない外歯を有する外歯歯車と、各クランク軸孔に挿入され、回転することで外歯歯車を偏心揺動させるクランク軸と、前記クランク軸を回転可能に支持するとともに、各貫通孔に挿入された複数の柱部を有する支持体とを備えた偏心揺動型遊星歯車装置において、前記外歯歯車の内歯歯車に対する偏心量をH、内歯を構成するピンの半径をRとしたとき、前記偏心量Hを半径Rの 0.5〜 1.0倍の範囲内となすとともに、各外歯を歯先から所定量だけ切除して外歯と内歯歯車の内周との干渉を回避するようにした偏心揺動型遊星歯車装置により達成することができる。
第2に、同様の偏心揺動型遊星歯車装置において、前記外歯歯車の内歯歯車に対する偏心量をH、内歯を構成するピンの半径をRとしたとき、偏心量Hを半径Rの 0.5〜 1.0倍の範囲内となすとともに、隣接する内歯間の内歯歯車内周を所定深さだけ切除して、外歯と内歯歯車の内周との干渉を回避するようにした偏心揺動型遊星歯車装置により達成することができる。
前記請求項1に係る発明においては、偏心量Hを半径Rの 0.5倍以上としたので、該偏心量Hに内歯の歯数Zを乗じて求められる、内歯歯車の中心Oから集合点Cまでの半径方向距離Lを従来より大と、即ち、集合点Cを半径方向外側に大きく移動させることができる。これにより、駆動分力Kの作用線Sが外歯歯車に対して接線方向側に大きく傾斜して、駆動分力Kの接線方向成分が増大し、これにより、内、外歯の噛み合い歯数に変化のない場合には、出力トルクが増大するのである。
ここで、前述のように偏心量Hを半径Rの 0.5倍以上とすると、外歯の歯先が内歯歯車の内周に干渉するが、各外歯を歯先から所定量だけ切除することで、このような外歯と内歯歯車の内周との干渉を回避するようにしている。一方、請求項2に係る発明においては、隣接する内歯間の内歯歯車内周を所定深さだけ切除して、外歯と内歯歯車の内周との干渉を回避するようにしている。なお、前記偏心量Hが半径Rの 1.0倍を超えると、前述のいずれの場合も外歯歯車の偏心揺動回転時に外歯と内歯とが干渉する回転位置が生じてしまうため、偏心量Hは半径Rの 1.0倍以下でなければならない。
また、請求項3に記載のように構成すれば、歯面に尖った部位が生じるのを防止しながら、強力に出力トルクを増大させることができる。
また、請求項4に記載のように構成すれば、外歯の曲げ剛性が高くなり、さらに外歯の加工を容易にすることができる。
以下、この発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1、2、3において、11はロボット等に使用される偏心揺動型遊星歯車装置であり、この遊星歯車装置11は、例えば図示していないロボットのアーム、ハンド等に取り付けられた略円筒状の回転ケース12を有する。この回転ケース12の内周でその軸方向中央部には断面が半円形をした多数のピン溝13が形成され、これらのピン溝13は軸方向に延びるとともに周方向に等距離離れて配置されている。
14は多数(ピン溝13と同数)の円柱状をしたピンからなる内歯であり、これらの内歯(ピン)14はそのほぼ半分がピン溝13内に挿入されることで回転ケース12の内周に周方向に等距離離れて設けられている。前述した回転ケース12、内歯(ピン)14は全体として、内周15aに複数の円柱状ピンで構成された内歯14が設けられた内歯歯車15を構成する。この結果、内歯歯車15(固定ケース12)の内周15aは、全ての内歯14を構成するピンの中心を通過するピン円P上またはその極く近傍に位置している。ここで、前記内歯(ピン)14は25〜 100本程度配置されるが、30〜80本の範囲内が好ましい。その理由は、内歯(ピン)14の本数を前述の範囲内とし、後述する外歯歯車18と内歯歯車15との噛み合いの前段に減速比が1/1〜1/7の平歯車減速機を設けて、前段と後段の減速比を組み合わせることにより、高減速比を容易に得ることができるとともに、固有振動数の高い高減速比の遊星歯車装置を構成することができるからである。
前記内歯歯車15内にはリング状をした複数(ここでは2個)の外歯歯車18が軸方向に並べられて収納され、これら外歯歯車18の外周にはトロコイド歯形、詳しくはペリトロコイド歯形からなる多数の外歯19がそれぞれ形成されている。そして、前記外歯歯車18の外歯19の歯数は前記内歯(ピン)14の歯数より1だけ少ない(歯数差が1である)。このように内歯(ピン)14と外歯19との歯数差を1としたのは、これらの歯数差が2以上の値Gである場合に比較し、高減速比とすることができるとともに、加工コストを低減させることができるからである。
ここで、歯数差が2以上の値Gである外歯歯車とは、トロコイド外歯歯車の外形輪郭を、外歯19間ピッチを該Gの値で除した距離だけ周方向にずらすとともに、これら周方向にずれたG個の外形輪郭が重なり合った部分を歯形として取り出した外歯歯車のことである(特開平3−181641号公報参照)。そして、これら外歯歯車18と内歯歯車15とは内接した状態で外歯19と内歯(ピン)14とが噛み合っているが、2つの外歯歯車18の最大噛み合い部(噛み合いの最も深い部位)は 180度だけ位相がずれている。
各外歯歯車18には少なくとも1個、ここでは3個の軸方向に貫通したクランク軸孔21が形成され、これらの複数のクランク軸孔21は外歯歯車18の中心軸から半径方向に等距離離れるとともに、周方向に等距離離れている。22は各外歯歯車18に形成された複数(クランク軸孔21と同数である3個)の貫通孔であり、これらの貫通孔22はクランク軸孔21と周方向に交互に配置されるとともに、周方向に等距離離れて配置されている。そして、前記貫通孔22は半径方向外側に向かって周方向幅が広くなった略ベース形を呈している。
25は回転ケース12内に遊嵌され図示していない固定ロボット部材に取り付けられた支持体(キャリア)であり、この支持体25は外歯歯車18の軸方向両外側に配置された一対の略リング状を呈する端板部26、27と、一端が端板部26に一体的に連結され、他端が複数のボルト28により端板部27に着脱可能に連結された複数(貫通孔22と同数である3本)の柱部29とから構成されている。そして、前記端板部26、27同士を連結する柱部29は軸方向に延びるとともに、外歯歯車18の貫通孔22内に若干の間隙を保持しながら挿入(遊嵌)されている。
31は前記支持体25、詳しくは端板部26、27の外周と回転ケース12の軸方向両端部内周との間に介装された一対の軸受であり、これらの軸受31により内歯歯車15は支持体25に回転可能に支持される。35は周方向に等角度離れて配置された少なくとも1本(クランク軸孔21と同数である3本)のクランク軸であり、これらのクランク軸35は、その軸方向一端部に外嵌された円錐ころ軸受36およびその軸方向他端部に外嵌された円錐ころ軸受37によって支持体25、詳しくは端板部26、27に回転可能に支持されている。
前記クランク軸35はその軸方向中央部にクランク軸35の中心軸から等距離だけ偏心した2個の偏心カム38を有し、これら偏心カム38は互いに 180度だけ位相がずれている。ここで、前記クランク軸35の偏心カム38は外歯歯車18のクランク軸孔21内にそれぞれ遊嵌されるとともに、これらの間には針状ころ軸受39が介装され、この結果、前記外歯歯車18とクランク軸35との相対回転が許容される。また、各クランク軸35の軸方向一端には外歯車40が固定され、これらの外歯車40には図示していない駆動モータの出力軸41の一端部に設けられた外歯車42が噛み合っている。
そして、駆動モータが作動して外歯車40が回転すると、クランク軸35が自身の中心軸回りに回転し、この結果、クランク軸35の偏心カム38が外歯歯車18のクランク軸孔21内において偏心回転し、外歯歯車18が偏心揺動回転をする。このとき、互いに噛み合っている内歯(ピン)14と外歯19との接触点には、図4に示すように、外歯19から対応する内歯(ピン)14に対して作用線S方向の駆動分力Kがそれぞれ付与される。
ここで、前述した各駆動分力Kの作用線Sは前記接触点における歯面に垂直な線上に位置するが、これら複数の作用線Sは、前述のように内歯(ピン)14が円柱状を呈し、外歯19がトロコイド歯形から構成されているので、外歯歯車18上の一点、即ち集合点Cで集合(交差)する。そして、このような遊星歯車装置11の内歯歯車15からロボットのアーム等に出力される出力トルクは、外歯19と内歯(ピン)14との各接触点での駆動分力Kの接線方向成分に、内歯歯車15の中心Oから前記接触点までの距離を乗じた値の合計となる。
そして、この実施形態においては、前述した出力トルクを増大させるため、外歯歯車18の内歯歯車15に対する偏心量Hを、従来の制限を超えて、内歯14を構成するピンの半径Rの 0.5倍以上としたのである。このように偏心量Hを半径Rの 0.5倍以上とすると、内歯歯車15の中心Oから集合点Cまでの半径方向距離L(偏心量Hに内歯(ピン)14の歯数Zを乗じることで求められる)を従来より大と、即ち、集合点Cの位置を半径方向外側に大きく移動させることができる。
これにより、前記作用線Sが外歯歯車18に対して従来より接線方向側に大きく傾斜して、駆動分力Kの接線方向成分が増大し、この結果、内、外歯14、19の噛み合い歯数に変化のない場合には、出力トルクが増大するのである。但し、前記偏心量Hが半径Rの 1.0倍を超えると、外歯歯車18の偏心揺動回転時に外歯19と内歯(ピン)14とが干渉する回転位置が生じてしまうため、前記偏心量Hは半径Rの 0.5〜 1.0倍の範囲内でなければならない。
また、前述のように内歯歯車15の中心Oから集合点Cまでの半径方向距離(偏心量Hに内歯(ピン)14の歯数Zを乗じることで求められる)をLとし、前記内歯14を構成する全てのピンの中心を通過するピン円Pの半径をQとしたとき、これらの比L/Qの値は0.86〜1.00の範囲内であることが好ましい。
その理由は、前記比L/Qの値が0.86以上であると、図5から明らかなように、荷重比率がほぼ一定となって、同一トルクを得るために、外歯19にかかるトルク伝達に関する荷重をほぼ一定で最小とすることができる、O.86未満となると、荷重比率の変化が大きくなって、外歯19にかかるトルク伝達に関する荷重が増大するからであり、一方、前記比L/Qの値が1.00を超えると、外歯19の創成時に歯面に尖った部位が生じてしまうからである。
ここで、前述のグラフは以下の諸元においてシミュレーションを行い求めたものである。即ち、各遊星歯車装置の内歯(ピン)の歯数Z(本数)を40、内歯(ピン)の直径Dを10mm、ピン円Pの半径Qを 120mm、外歯の歯数を39の一定値とする一方、L/Qの値を 0.5から 1.0の範囲で変化させ、集合点Cに作用する駆動分力Kを合成した合力の接線方向成分を求めた。ここで、図5にはL/Qの値が0.75のときの前記接線方向成分を、荷重比率が指数1であるとしてグラフ表示している。
そして、前述のようにL/Qの値が0.86〜1.00の範囲内にあるとき、内歯(ピン)14の直径D(半径R×2)を、ピン円Pの直径M(半径Q×2)を外歯19の歯数Uで除した値、即ち、M/Uの値近傍、具体的にはM/U±2mmの範囲内とすることが好ましい。その理由は、直径DがM/Uの値近傍であると、図6に示すグラフから明らかなように、内歯(ピン)14と外歯19との接触点でのヘルツ応力が、急激に増大を開始する点より内側の低い値に維持され、外歯19の歯面寿命を延ばすことができるからである。
また、前記直径Dは、ヘルツ応力をほぼ一定の最小値とするには、図6から明らかなようにM/U±0.75mmの範囲内がさらに好ましい。なお、この図6に示すグラフも、偏心量Hを 2.7mmとした以外は前記図5のグラフと同様の条件で、内歯(ピン)14の直径Dを変化させながらシミュレーションを行って、外歯19と内歯(ピン)14との接触点におけるヘルツ応力を求め、直径DがM/Uに等しいときのヘルツ応力値を指数1として表示している。
そして、前述のように偏心量Hを半径Rの 0.5倍以上とすると、内歯(ピン)14に両歯面が接触する外歯19が大型、即ち、歯厚、歯丈が共に大きくなるため、該外歯19がほぼピン円P上に位置している内歯歯車15(回転ケース12)の内周15aを越えて侵入し、これらの間で干渉が発生する。このため、この実施例では、前記外歯19を歯先から所定量だけ(図3に仮想線で示す部位分だけ)、外歯歯車18の中心を曲率中心とする円に沿って切除し、外歯19と内歯歯車15の内周15aとの干渉を回避するようにしている。なお、これらの外歯19における切除量は、内歯歯車15と外歯歯車18との最大噛み合い部において、切除後の外歯19の先端と、内歯歯車15の内周15aとの間に僅かな間隙が生じる程度が好ましい。
また、前述のように各外歯19を部分的に切除した場合において、切除後のいずれか1個の外歯19における回転方向前側エッジ19aと回転方向後側エッジ19bとの間の距離をEとするとともに、隣接する2つの外歯19における回転方向前側エッジ19aと回転方向後側エッジ19bとの間の距離をFとしたとき、前記距離Eを距離Fより大とすることが好ましい。その理由は、このようにすると、外歯19の曲げ剛性が高くなり、さらに外歯の加工を容易にすることができるからである。
そして、前述のように各外歯19を歯先から所定量だけ切除すると、内歯(ピン)14と外歯19とはその一部でのみ、前述したL/Qの値が 1.0のときであっても約 1/3、この実施例では約 3/4でのみ噛み合うようになるため、残りの約 1/4の内歯(ピン)14は外歯19に接触せずピン溝13から抜け出ようとする。このため、この実施例では、前記軸受31のアウターレース31aの内端面に前記内歯(ピン)14の両端部が挿入される挿入穴31bを形成し、これにより、内歯(ピン)14がピン溝13から抜け出るのを防止するようにしている。そして、このとき、外歯19から内歯(ピン)14に対して約 3/8の範囲で駆動力が伝達される。
前述した挿入穴31bは全体として外歯19に接触していない内歯(ピン)14がピン溝13から抜け出すのを防止する規制手段43を構成する。なお、前述の規制手段43として、挿入穴31bの代わりに、アウターレース31aの内端面に形成され、幅が内歯(ピン)14の直径と同一である円周溝を用いたり、あるいは、前記2個の外歯歯車18間に配置され、外周が全ての内歯(ピン)14に接触する1個のピン押さえリングを用いてもよい。
次に、この発明の実施例1の作用について説明する。
今、駆動モータが作動し、クランク軸35が自身の中心軸回りに同一方向に同一速度で回転しているとする。このとき、クランク軸35の偏心カム38が外歯歯車18のクランク軸孔21内において偏心回転して外歯歯車18を偏心揺動回転させるが、前記外歯歯車18の外歯19の歯数が内歯(ピン)14の数より1個だけ少ないので、回転ケース12およびロボットのアーム等は外歯歯車18の偏心揺動回転により低速で回転する。
ここで、前述のように偏心量Hを半径Rの 0.5倍以上としたので、内歯歯車15の中心Oから集合点Cまでの距離Lが従来より大と、即ち、集合点Cの位置を半径方向外側に大きく移動させることができ、これにより、前記作用線Sが外歯歯車18に対して従来より接線方向側に大きく傾斜して、駆動分力Kの接線方向成分が増大し、出力トルクが増大するのである。
図7、8は、この発明の実施例2を示す図である。この実施例においては、前記実施例1のように外歯19の切除を行わず、隣接する内歯(ピン)14間の内歯歯車15(回転ケース12)の内周15aおよび各内歯(ピン)14の周囲の内周15aを、所定深さ、ここでは内歯(ピン)14の半径Rにほぼ等しい深さだけ切除して、外歯19と内歯歯車15(回転ケース12)の内周15aとの干渉を回避するようにしている。ここで、この内周15aの切除量は外歯19の前記侵入量に合わせて適宜決定すればよい。
この結果、各内歯(ピン)14の半径方向外端は切除後の内歯歯車15の内周15aに線接触し、これにより、各内歯(ピン)14に付与される駆動分力Kの半径方向成分は回転ケース12が受ける。このとき、ピン溝13が存在しなくなるため、各内歯(ピン)14は自由に移動することができるようになる。このため、この実施例においては、軸受31と外歯歯車18との間に、内歯(ピン)14の両端部が挿入される挿入穴45が形成された規制手段としての2個のピン押さえリング46を介装するとともに、これら2個のピン押さえリング46を内歯歯車15に回転不要に固定し、前述した内歯(ピン)14の移動を規制するようにしている。なお、他の構成、作用は前記実施例1と同様である。
なお、前述の実施例においては、外歯歯車18に複数(3個)のクランク軸孔21を形成するとともに、各クランク軸孔21に同一方向に等速回転するクランク軸35をそれぞれ挿入して外歯歯車18を偏心揺動回転させるようにしたが、この発明においては、外歯歯車18の中心軸上に形成された1個のクランク軸孔に1本のクランク軸を挿入し、このクランク軸の回転により外歯歯車を偏心揺動回転させるようにしてもよい。この場合には、支持体の柱部は貫通孔の内周に線接触する必要がある。
また、前述の実施例においては、支持体25を固定し、内歯歯車15を低速回転させるようにしたが、この発明においては、内歯歯車を固定し、支持体を低速回転させるようにしてもよい。さらに、この発明においては、前記遊星歯車装置11の前段に減速比が 1/7より小さい( 1/1に近い)平歯車減速機を設け、2段で減速するようにしてもよい。このようにすれば、固有振動数の高い高減速比の歯車装置を得ることができる。また、前述の実施例1においては、外歯19を歯先から所定量だけ、実施例2においては、内歯(ピン)14間の内歯歯車15(回転ケース12)の内周15aを所定深さだけ切除するようにしたが、この発明においては、外歯および内歯歯車の内周の双方を切除するようにしてもよい。
この発明は、内歯歯車に噛み合う外歯歯車をクランク軸によって偏心揺動させるようにした偏心揺動型遊星歯車装置に適用できる。
この発明の実施例1を示す側面断面図である。 図1のI−I矢視断面図である。 内歯と外歯との噛み合い状態を示す図2と同様の断面図である。 内歯に付与される駆動分力Kおよびその作用線Sを示す説明図である。 L/Qの値と荷重比率との関係を示すグラフである。 内歯(ピン)の直径Dとヘルツ応力比との関係を示すグラフである。 この発明の実施例2を示す図1と同様の断面図である。 この発明の実施例2を示す図2と同様の断面図である。
符号の説明
11…遊星歯車装置 14…内歯(ピン)
15…内歯歯車 15a…内周
18…外歯歯車 19…外歯
19a…回転方向前側エッジ 19b…回転方向後側エッジ
21…クランク軸孔 22…貫通孔
25…支持体 29…柱部
35…クランク軸 H…偏心量
P…ピン円 C…集合点
S…作用線 K…駆動分力
R…ピン半径 Q…ピン円半径
E…距離 F…距離

Claims (4)

  1. 内周に多数の円柱状ピンで構成された内歯が設けられた内歯歯車と、少なくとも1個のクランク軸孔および複数の貫通孔が形成され、外周にトロコイド歯形からなり前記内歯に噛み合うとともに、該内歯より1個だけ歯数が少ない外歯を有する外歯歯車と、各クランク軸孔に挿入され、回転することで外歯歯車を偏心揺動させるクランク軸と、前記クランク軸を回転可能に支持するとともに、各貫通孔に挿入された複数の柱部を有する支持体とを備えた偏心揺動型遊星歯車装置において、前記外歯歯車の内歯歯車に対する偏心量をH、内歯を構成するピンの半径をRとしたとき、前記偏心量Hを半径Rの 0.5〜 1.0倍の範囲内となすとともに、各外歯を歯先から所定量だけ切除して外歯と内歯歯車の内周との干渉を回避するようにしたことを特徴とする偏心揺動型遊星歯車装置。
  2. 内周に多数の円柱状ピンで構成された内歯が設けられた内歯歯車と、少なくとも1個のクランク軸孔および複数の貫通孔が形成され、外周にトロコイド歯形からなり前記内歯に噛み合うとともに、該内歯より1個だけ歯数が少ない外歯を有する外歯歯車と、各クランク軸孔に挿入され、回転することで外歯歯車を偏心揺動させるクランク軸と、前記クランク軸を回転可能に支持するとともに、各貫通孔に挿入された複数の柱部を有する支持体とを備えた偏心揺動型遊星歯車装置において、前記外歯歯車の内歯歯車に対する偏心量をH、内歯を構成するピンの半径をRとしたとき、偏心量Hを半径Rの 0.5〜 1.0倍の範囲内となすとともに、隣接する内歯間の内歯歯車内周を所定深さだけ切除して、外歯と内歯歯車の内周との干渉を回避するようにしたことを特徴とする偏心揺動型遊星歯車装置。
  3. 前記内歯を構成する全てのピンの中心を通過するピン円Pの半径をQとし、前記内歯歯車の中心Oから、外歯から対応する内歯に対して付与される駆動分力Kの作用線Sが重なり合う集合点Cまでの半径方向距離をLとしたとき、前記半径方向距離Lを前記半径Qの0.86〜1.00倍の範囲内とした請求項1または2記載の偏心揺動型遊星歯車装置。
  4. 前記切除後のいずれか1個の外歯における回転方向前側エッジと回転方向後側エッジとの間の距離をEとするとともに、隣接する2つの外歯における回転方向前側エッジと回転方向後側エッジとの間の距離をFとしたとき、前記距離Eを距離Fより大とした請求項1または3に記載の偏心揺動型遊星歯車装置。
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