JP4458484B2 - 自動車用ガラスラン - Google Patents
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Description
なお、ドア1と車体との間のシールは、図3に示すように、ドアフレーム2の外周に取付けられたドアウエザストリップ108および/または車体の開口部のフランジに取付けられたオープニングトリムウエザストリップ109によりなされている。
ドアガラス5を閉じるとき、パワーウインドのレギュレータによってドアガラス5がドアフレーム2の縦辺部に沿って上昇し、ドアガラス5の上端がドアフレーム2の上辺に装着されているガラスラン110の上辺の本体部内に挿入され、底壁140に当り、底壁140はチャンネル3の底壁140に当り、チャンネル3内でガラスラン110を介して保持される。
さらに、見栄えの向上のためにドアフレーム2の車外側の幅を狭くすることや、ドアフレーム2の車外側部分をなくすることも試みられている。この場合は、ガラスラン110の車外側側壁120の剛性が低いと、自動車の振動等に伴うドアガラス5の振動で、ガラスラン110の車外側側壁120が変形し、ドアガラス5がガラスラン110から外れてしまう恐れがあった。
しかしながら、インサートを埋設するとガラスラン110の重量が増加し、車両の軽量化を損なうこととなるとともに、インサートとゴムとを同時押出するため、製造も複雑となり、コストも増大し、生産効率が低下した。
ドアフレームのガラスランを装着する部分は、断面略L字形で形成され、ガラスランの本体部は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略U字形をなし、底壁の少なくとも上記車内側側壁との連続部位は略L字形に形成され、車内側側壁は、その硬度がIRHD70°〜80°の材料で構成され、車外側側壁と底壁とは、車内側側壁の材料よりも硬度が高いIRHD85°〜95°の材料で略チャンネル状に剛性が高く形成され、
車内側側壁の外面において、その先端付近と、底壁の車内側側壁との連続部分付近でドアフレームの断面略L字形の一方の辺に固着されたチャンネルにより係止され、底壁の外面がドアフレームの断面略L字形の他の辺に当接して保持され、
車外側側壁と車内側側壁の先端から、それぞれ断面略U字状の本体部の内側に向かって延出する車外側ガラスシールリップと車内側ガラスシールリップとがそれぞれ硬度IRHD70°〜80°の材料で形成され、車外側ガラスシールリップと車内側ガラスシールリップによりドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールしたことを特徴とする自動車用ガラスランである。
ガラスランの本体部は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略U字形をなしたため、ドアガラスの上昇時に、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略U字状のガラスランの内側にドアガラスの先端を収納することができ、ドアガラスを確実に保持することができる。
底壁の少なくとも車内側側壁との連続部位は略L字形に形成されたため、ドアフレームのガラスランを装着する部分の形状と適合し、確実に装着することができる。
そして、車外側側壁と底壁とで略チャンネル状にし、しかも硬質材で形成されているため、車外側側壁と底壁の剛性を増加させることができ、少なくとも車外側側壁を変形しにくくし、ドアガラスの先端を保持する力が強く、インサートが埋設されていなくても自動車の振動等でドアガラスの先端も振動し、ガラスランの本体部の内部から外れることを防止することができる。
底壁の外面がドアフレームの断面略L字形の他の辺に当接されるため、底壁がドアフレームに密着して車外側側壁のズレを防止することができる。
車内側側壁の外面において、その先端付近と、底壁の車内側側壁との連続部分付近でドアフレームの断面略L字形の一方の辺に固着されたチャンネルの両側端により係止されため、車内側側壁と底壁を併せて保持することができ、ガラスランを安定して保持することができる。底壁の外面がドアフレームの断面略L字形の他の辺に当接されるため、底壁がドアフレームに密着して車外側側壁のズレを防止することができる。
車外側側壁と車内側側壁の先端から、それぞれ断面略U字状の本体部の内側に向かって延出する車外側ガラスシールリップと車内側ガラスシールリップをそれぞれ、硬度IRHD70°〜80°の材料は軟質材で形成したため、車外側ガラスシールリップと車内側ガラスシールリップが柔軟にドアガラスに当接することができ、車外側ガラスシールリップと車内側ガラスシールリップによりドアフレームとドアガラスとの間のシールを確実にすることができる。
図2は自動車のドア1の側面図である。図1は、本発明の実施の形態におけるドアフレーム2に装着されたガラスラン10の断面図であり、図2のA−A線に沿った部分の断面図である。
直線部11は、ドアフレーム2の上辺に取付けられる部分と、ドアフレーム2のリヤ側縦辺に取付けられる部分と、ドアフレーム2のフロント側縦辺に取付けられる部分とからなり、本実施の形態では、特に、ドアフレーム2の上辺に取付けられる部分に関するものを例にとり説明する。
ドアフレーム2の上辺において、亜鉛製、アルミニウム製またはステンレス製のアウターパネル2bは、断面が略L字形に形成され、L字形の一方の辺はドアフレーム2に対して上部平坦面を形成し、他方の辺は、ドアフレーム2に対して車外側に開口する側部平坦面を形成する。アウターパネル2bの上部平坦面には、後述するように、ガラスラン10がその底壁40を当接させるように配置される。なお、ドアフレーム2の上辺において、アウターパネル2bは、モール部材から形成されてもよい。
アウターパネル2bの断面略L字形の側部平坦面には、断面略U字形のチャンネル3が溶接やビス止めで固着されている。チャンネル3の先端は、それぞれ断面略U字形の内部方向に屈曲しており、ガラスラン10に設けられた凹部に嵌め込まれて、ガラスラン10を保持する。言い換えれば、ガラスラン10の車内側側壁30に設けられたチャンネル保持リップ34、36、37が断面略V字形のチャンネル3内に嵌め込まれ、特に、チャンネル保持リップ34、37が上記チャンネル3の先端の屈曲部位と係合して、ガラスラン10がチャンネル3に保持される。
リンフォース4の車内側には、板金製のインナーパネル2cが形成されている。さらに、インナーパネル2cの内部には、樹脂製のガーニッシュが設けられている。図1ではガーニッシュの下部の先端部分が記載されている。インナーパネル2cの上側の先端には、保護トリム2fとの間に、リップ状のドアウエザストリップ(図示せず)が装着されて、車体開口部との間をシールしている。なお、ガーニッシュの下側の先端は、屈曲してガラスラン10の車内側側壁30を保持している。
車外側側壁20は、先端から断面略U字形の内部方向に斜めに延設された車外側ガラスシールリップ21が形成されている。車外側ガラスシールリップ21は、上記の軟質材で形成されている。この軟質材は、車外側ガラスシールリップ21から連続して、車外側側壁20の外面を被覆し、その先端は、車外側パネルシールリップ22を形成している。
なお、本実施の形態では、底壁チャンネル凹部42を底壁40に形成したが、チャンネル3の一方の先端が嵌挿される凹部を車内側側壁30の外面に設けてもよい。
車内側側壁30の先端には、断面略U字形の内部に向かって車内側ガラスシールリップ31が形成されている。車内側ガラスシールリップ31は、ドアフレーム2の構造上車内側の部分が大きくなるため、車外側ガラスシールリップ21よりも大きく形成されている。
なお、車内側側壁30には、上記したようにチャンネル保持リップ34、36も上記の軟質材で一体に形成されている。
なお、この低摺動部材は、底壁リップ41の表面にも塗布または接着することが好ましい。
なお、車内側カバーリップ32の表面にも低摺動部材を塗布または接着することが好ましい。
車内側カバーリップ32の裏面と車内側側壁30の先端との間に車内側パネル凹部33を設けることができる。車内側パネル凹部33には、ガーニッシュの先端を嵌挿させて、ガラスラン10を保持することができる。
また、上記したように車内側側壁30にチャンネル3に当接するチャンネル保持リップ36を設けてもよい。このチャンネル保持リップ36は、ガラスラン10を保持するとともに、ガラスラン10とチャンネル3の間をシールすることができる。
ガラスラン10の成形においては、直線部11の成形材料の硬度IRHD70°〜80°の材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂が使用され、硬度IRHD85°〜95°の材料硬質材は合成ゴム、熱可塑性エラストマー、合成樹脂が使用される。例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、オレフィン系エラストマー、EVA、軟質合成樹脂では、軟質ポリエチレン等が使用されるが、EPDMゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましく、リサイクルが容易である。
熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、加硫せずに冷却され固化される。合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫が行われる。
なお、上記車外側シールリップと車内側シールリップのドアガラスが当接する表面には、シリコーン樹脂、ウレタン塗料、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の低摺動部材が塗布されたり、押出成形時に薄層押出成形により一体に形成されている。
次に、コーナー部12を形成する型成形部分の成形は、上記により所定寸法に切断された直線部11の端部を、型成形部分を成形する金型に挟持して、その金型のキャビティーに型成形部分を形成するソリッド材を注入する。型成形部分の断面形状は押出成形部分の断面形状と略同じである。成形材料は、押出成形部分に使用した材料と同じ種類のものを使用することが好ましいが、硬度IRHD70°〜80°の材料または硬度IRHD85°〜95°の材料のうちどちらか一方の材料だけで成形する。熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、金型に注入されたときに注入材料は溶融されているため、その熱と圧力とで押出成形部分と型成形部分は一体的に融着される。
3 チャンネル
5 ドアガラス
10 ガラスラン
20 車外側側壁
21 車外側ガラスシールリップ
22 車外側パネルシールリップ
30 車内側側壁
31 車内側ガラスシールリップ
40 底壁
41 底壁リップ
Claims (6)
- 自動車ドアのドアフレームの内周に取付けられ、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランにおいて、
上記ドアフレームのガラスランを装着する部分は、断面略L字形で形成され、
上記ガラスランの本体部は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略U字形をなし、上記底壁の少なくとも上記車内側側壁との連続部位は略L字形に形成され、上記車内側側壁は、その硬度がIRHD70°〜80°の材料で構成され、上記車外側側壁と底壁とは、上記車内側側壁の材料よりも硬度が高いIRHD85°〜95°の材料で略チャンネル状に剛性が高く形成され、
上記車内側側壁の外面において、その先端付近と、上記底壁の車内側側壁との連続部分付近で上記ドアフレームの断面略L字形の一方の辺に固着されたチャンネルにより係止され、上記底壁の外面が上記ドアフレームの断面略L字形の他の辺に当接して保持され、
上記車外側側壁と車内側側壁の先端から、それぞれ上記断面略U字状の本体部の内側に向かって延出する車外側ガラスシールリップと車内側ガラスシールリップとがそれぞれ硬度IRHD70°〜80°の材料で形成され、該車外側ガラスシールリップと車内側ガラスシールリップにより上記ドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールしたことを特徴とする自動車用ガラスラン。 - 上記車外側側壁の外面は、硬度IRHD70°〜80°の材料で被覆されている請求項1に記載の自動車用ガラスラン。
- 上記車外側側壁と底壁との連続部位の外面には、硬度IRHD70°〜80°の材料で形成された車外側パネルシールリップがドアフレーム方向に延出し、該車外側パネルシールリップがドアフレームと当接する請求項1又は請求項2に記載の自動車用ガラスラン。
- 上記底壁の内面には、硬度IRHD70°〜80°の材料で形成された底壁リップが上記断面略U字状の本体部の内側に形成されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
- 上記硬度IRHD70°〜80°の材料は、EPDMゴムまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーであり、上記硬度IRHD85°〜95°の材料はEPDMゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系の合成樹脂である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
- 上記車外側ガラスシールリップおよび車内側ガラスシールリップの表面に低摺動部材が形成されている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
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