以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例にかかるリアルタイム型インターネットファクシミリ通信システムの一例を示している。
このリアルタイム型インターネットファクシミリ通信システムは、公衆電話網PSTNに接続されたグループ3ファクシミリ装置FG1,FG2、公衆電話網PSTNに接続されてグループ3ファクシミリ装置FG1,FG2との間でファクシミリ通信を行う機能と、グループ3ファクシミリ端末機能と、インターネットINETに接続されてインターネットINETを介して所定のリアルタイム伝送手順を行う機能を備えたリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1,GW2から構成される。
ここで、グループ3ファクシミリ装置FG1とリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1が同一地域内に設置されるとともに、グループ3ファクシミリ装置FG2とリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2が同一地域内に設置され、それらの設置地域は、相互に遠隔地域である。
したがって、この場合、グループ3ファクシミリ装置FG1については、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1がリアルタイム型インターネットファクシミリ通信システム通信サービスを提供し、また、グループ3ファクシミリ装置FG2については、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2がリアルタイム型インターネットファクシミリ通信システム通信サービスを提供する。
図2は、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW(GW1,GW2)の構成例を示している。
同図において、システム制御部1は、このリアルタイムインターネットゲートウェイ装置の各部の制御処理、ファクシミリ伝送制御手順(ITU−T勧告T.30手順)処理、および、リアルタイム伝送制御手順(ITU−T勧告T.38手順)処理などの各種制御処理を行うものであり、システムメモリ2は、システム制御部1が実行する制御処理プログラム、および、処理プログラムを実行するときに必要な各種データなどを記憶するとともに、システム制御部1のワークエリアを構成するものであり、パラメータメモリ3は、このリアルタイムインターネットゲートウェイ装置に固有な各種の情報を記憶するためのものであり、時計回路4は、現在時刻情報を出力するものである。
スキャナ5は、所定の解像度で原稿画像を読み取るためのものであり、プロッタ6は、所定の解像度で画像を記録出力するためのものであり、操作表示部7は、このファクシミリ装置を操作するためのもので、各種の操作キー、および、各種の表示器からなる。
符号化復号化部8は、画信号を符号化圧縮するとともに、符号化圧縮されている画情報を元の画信号に復号化するためのものであり、この場合には、画情報受信時のエラー検出を主目的として用いられる。また、画像蓄積装置9は、符号化圧縮された状態の画情報を多数記憶するためのものである。
網制御装置10は、このリアルタイムインターネットゲートウェイ装置を公衆電話網PSTNに接続するためのものであり、自動発着信機能を備えている。
グループ3ファクシミリモデム11は、グループ3ファクシミリのモデム機能を実現するためのものであり、伝送手順信号をやりとりするための低速モデム機能(V.21モデム)、および、おもに画情報をやりとりするための高速モデム機能(V.17モデム、V.34モデム、V.29モデム、V.27terモデムなど)を備えている。
インターネット通信制御部12は、このリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GWをインターネットINETへ接続し、インターネットINETを介して種々のデータをやりとりするためのものであり、TCP/IPパケット解析部13は、インターネット通信制御部12が受信したTCP/IPパケットを解析して受信情報を取り出すためのものであり、グループ3プロトコル情報生成部14は、リアルタイム伝送手順において、TCP/IPパケット解析部13から出力される受信情報を対応するグループ3伝送手順信号情報に変換するものである。
グループ3プロトコル情報取出部15は、リアルタイム伝送手順において、送信するグループ3ファクシミリ伝送手順情報を取り出すためのものであり、TCP/IPパケット変換部16は、グループ3プロトコル情報取出部15から出力されるグループ3ファクシミリ伝送手順情報をTCP/IPパケットデータへ変換するためのものであり、その出力データは、インターネット通信制御部12へ加えられる。
これらの、システム制御部1、システムメモリ2、パラメータメモリ3、時計回路4、スキャナ5、プロッタ6、操作表示部7、符号化復号化部8、画像蓄積装置9、網制御装置10、グループ3ファクシミリモデム11、グループ3プロトコル情報生成部14、および、グループ3プロトコル情報取出部15は、内部バス17に接続されており、これらの各要素間でのデータのやりとりは、主としてこの内部バス17を介して行われている。
また、網制御装置10とグループ3ファクシミリモデム11との間のデータのやりとりは、直接行なわれている。
さて、このリアルタイム型インターネットファクシミリ通信システムにおいて、例えば、グループ3ファクシミリ装置FG1からグループ3ファクシミリ装置FG2へ画情報を送信する場合(以下、図1を参照のこと)、勧告T.38手順によるリアルタイム型通信が実行される。
すなわち、まず、グループ3ファクシミリ装置FG1は、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1へ発呼する(S1)。
これにより、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1は、着信応答し、所定のトーン信号をグループ3ファクシミリ装置FG1へ応答する(S2)。
グループ3ファクシミリ装置FG1は、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1からのトーン信号を検出すると、ユーザに対し、宛先ファクシミリ装置(この場合は、グループ3ファクシミリ装置FG2)の電話番号を入力要求し、それにより、ユーザは、宛先ファクシミリ装置の電話番号を操作入力する。
次に、グループ3ファクシミリ装置FG1は、プッシュボタン信号PBにより、ユーザから操作入力された宛先電話番号をリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1に送信する(S3)。
リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1は、グループ3ファクシミリ装置FG1よりプッシュボタン信号PBで宛先電話番号を受信すると、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2に対し、接続要求するとともに、宛先電話番号を通知する(S4)。
リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1より接続要求を受けたリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2は、そのときに通知された宛先電話番号へ発呼する(S5)。
その発呼先のグループ3ファクシミリ装置FG2は、着信検出すると、着信応答し(S6)、それにより、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2は、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1に対して、所定のリアルタイム伝送手順を開始する(S7)。
このようにして、公衆電話網PSTNを介してグループ3ファクシミリ装置FG1とリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1との間に通信パスが形成され、インターネットINETを介してリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1とリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2の間に通信パスが形成され、公衆電話網PSTNを介してリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2とグループ3ファクシミリ装置FG2との間に通信パスが形成されることで、グループ3ファクシミリ装置FG1とグループ3ファクシミリ装置FG2の間にリアルタイム的な通信パスが形成される。
そして、それ以降は、このグループ3ファクシミリ装置FG1とグループ3ファクシミリ装置FG2の間のリアルタイム的な通信パスが使用されて、グループ3ファクシミリ装置FG1からグループ3ファクシミリ装置FG2へ画情報が送信される。
また、このリアルタイム型インターネットファクシミリ通信システムでは、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1,GW2が、グループ3ファクシミリ装置機能を備えているので、例えば、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1からグループ3ファクシミリ装置FG2への画情報送信動作も可能となる。この場合には、インターネットINETを介してリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1とリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2の間に通信パスが形成され、公衆電話網PSTNを介してリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2とグループ3ファクシミリ装置FG2との間に通信パスが形成されることで、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1とグループ3ファクシミリ装置FG2の間にリアルタイム的な通信パスが形成される。また、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1とリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2の間では、勧告T.38手順の通信動作が実行される。ただし、この場合、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1では、プロセス的には、送信側G3FAXの動作を擬似的に実現する処理が実行され、勧告T.38手順を適用できるようにしている。このように、送信側G3FAXの動作を擬似的に実現する処理を実行して、勧告T.38手順を適用する処理を、「(送信側)疑似リアルタイム型処理」という。
また、逆に、グループ3ファクシミリ装置FG1からインターネットゲートウェイ装置GW2への画情報送信動作も可能となる。この場合には、公衆電話網PSTNを介してグループ3ファクシミリ装置FG1とリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1との間に通信パスが形成され、インターネットINETを介してリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1とリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2の間に通信パスが形成されることで、グループ3ファクシミリ装置FG1とリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2の間にリアルタイム的な通信パスが形成される。また、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1とリアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2の間では、勧告T.38手順の通信動作が実行される。ただし、この場合、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2では、プロセス的には、受信側G3FAXの動作を擬似的に実現する処理が実行され、勧告T.38手順を適用できるようにしている。このように、受信側G3FAXの動作を擬似的に実現する処理を実行して、勧告T.38手順を適用する方法を、「(受信側)疑似リアルタイム型処理」という。
図3は、勧告T.38の通信手順の一例を示している。なお、同図において、送信側グループ3ファクシミリ(G3FAX)、送信側ゲートウェイ(GW)、受信側ゲートウェイ、および、受信側グループ3ファクシミリは、それぞれ、図1のグループ3ファクシミリ装置FG1、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW1、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GW2、および、グループ3ファクシミリ装置FG2にそれぞれ相当する。また、送信側GWと受信側GWとの間でやりとりされる信号が、リアルタイム伝送手順(勧告T.38手順)にかかる信号である。
まず、送信側G3FAXは、送信側GWへ発呼し、ユーザから指定された宛先電話番号をプッシュボタン信号PBにより送出する。送信側GWは、着呼検出すると、着呼応答し、次いで、送信側G3FAXよりプッシュボタン信号PBによる宛先電話番号を受信する。
次に、送信側G3FAXは、呼接続を要求するために勧告T.30手順のトーン信号CNGを送信側GWへ送出する。これにより、送信側GWは、受信側GWに対し接続要求パケットを送信して、接続要求するとともに、宛先電話番号を通知する。それにより、受信側GWは、指定された受信側G3FAXへ発呼し、所定のトーン信号CNGを送出して呼接続を要求する一方、接続確認パケットを送信側GWへ送信して、呼接続を確認する。
受信側GWから発呼され、呼接続が要求された受信側G3FAXは、着信応答して、所定のトーン信号CED(被呼局識別信号)を送出し、受信側GWは、このトーン信号CEDを検出すると、信号CEDを検出した旨をあらわす信号(T30IND:CED)を送信側GWへ送信し、それにより、送信側GWは、トーン信号CEDを送信側G3FAXへ送出する。
次いで、受信側G3FAXは、フラグ(Flags)信号に続き、グループ3ファクシミリ伝送手順信号であり、自端末のオプション的な伝送機能を通知するための信号NSF、自端末の識別信号を通知するための信号CSI、および、自端末の標準的な伝送機能を通知するための信号DISを順次送出する。受信側GWは、フラグ信号を検出すると、信号(T30IND:Flags)を送信側GWへ送信するとともに、信号NSF,CSI,DISを順次検出すると、信号NSF,CSI,DISをあらわす信号(V21HDLC:NSF/CSI/DIS)を、送信側GWへと順次送信する。
それにより、送信側GWは、フラグ信号を受信した時点で送信側G3FAXへフラグ信号の送出を開始し、信号(V21HDLC:NSF/CSI/DIS)を受信すると、それぞれ対応する信号NSF,CSI,DISを送信側G3FAXへと送信する。
これによって、送信側G3FAXは、受信側G3FAXの識別信号および伝送機能を知るので、その通知された伝送機能に基づき、そのときに使用する伝送機能およびモデム速度などを設定する。次いで、送信側G3FAXは、フラグ信号に続き、グループ3ファクシミリ伝送手順信号であり、自端末の識別信号を通知するための信号TSI、および、使用する伝送機能を通知するための信号DCSを順次送出し、さらに、通知したモデム速度でモデムトレーニングを行うための信号TCFを送出する。
それにより、送信側GWは、フラグ信号を検出すると、信号(T30IND:Flags)を受信側GWへ送信するとともに、信号TSI,DCS,TCFを順次検出すると、それらの信号TSI,DCSをあらわす信号(V21HDLC:TSI/DCS)を受信側GWへ送信する。
それにより、受信側GWは、フラグ信号を受信した時点で受信側G3FAXへのフラグ信号の送出を開始し、信号(V21HDLC:TSI/DCS)を受信すると、それぞれ対応する信号TSI,DCS、および、信号TCFを受信側G3FAXへと送信する。
受信側G3FAXは、信号TSIを受信すると、相手端末(送信側G3FAX)の識別情報を取得し、信号DCSを受信すると使用する伝送機能を取得し、それによって、モデム速度を設定し、信号TCFを受信する。
そして、受信側G3FAXは、信号TCFの受信結果が良好な場合には、フラグ信号に続き、グループ3ファクシミリ伝送手順信号であり、受信準備が完了した旨を通知するための信号CFRを送出する。受信側GWは、フラグ信号を検出すると、信号(T30IND:Flags)を送信側GWへ送信するとともに、信号CFRを検出すると、信号CFRをあらわす信号(V21HDLC:CFR)を送信側GWへ送信する。
それにより、送信側GWは、フラグ信号を受信した時点で送信側G3FAXへフラグ信号の送出を開始し、信号(V21HDLC:CFR)を受信すると、対応する信号CFRを送信側G3FAXへと送信する。
このようにして、画情報の送信準備が整うと、送信側G3FAXは、モデムのリトレーニングのためのトレーニング(Training)信号を送出した後に、画情報を送出し、画情報の送出を終了すると、フラグ信号に続いて、画情報送信が終了した旨を通知する信号EOPを送出する。
また、送信側GWは、送信側G3FAXよりトレーニング信号を検出すると、信号(T30IND:Speed)を受信側GWへ送信し、続いて、送信側G3FAXより受信した画情報を複数に分割し、それぞれの分割された画情報をパケットデータとして、受信側GWへ送信する。そして、送信側G3FAXよりフラグ信号を検出すると、信号(T30IND:Flags)を受信側GWへ送信するとともに、信号EOPを検出すると、信号EOPをあらわす信号(V21HDLC:EOP)を受信側GWへ送信する。
一方、受信側GWは、信号(T30IND:Speed)を受信すると、対応するトレーニング信号を受信側G3FAXへ送信し、画情報を運ぶパケットを受信すると、それに含まれている分割画情報を順次取り出し、連結した画情報を作成し、その画情報を、受信側G3FAXへ送信する。また、画報の送信を終了した後に、受信側G3FAXへのフラグ信号の送出を開始し、このときには、信号(V21HDLC:EOP)を受信するので、対応する信号EOPを受信側G3FAXへと送信する。
また、受信側G3FAXは、受信側GWより受信したトレーニング信号でモデムのリトレーニングを行った後、画情報を受信し、次いで、フラグ信号に続いて信号EOPを受信すると、画情報の受信が終了したことを認識する。そして、受信側G3FAXは、そのときの画情報の受信結果が良好な場合には、フラグ信号に続いて、その旨を通知する信号MCFを受信側GWに送信する。
受信側GWは、フラグ信号を検出すると、信号(T30IND:Flags)を送信側GWへ送信するとともに、信号MCFを検出すると、信号MCFをあらわす信号(V21HDLC:MCF)を送信側GWへ送信する。
それにより、送信側GWは、フラグ信号を受信した時点で送信側G3FAXへフラグ信号の送出を開始し、信号(V21HDLC:MCF)を受信すると、対応する信号MCFを送信側G3FAXへと送信する。
それにより、送信側G3FAXは、受信側G3FAXで画情報を正常に受信されたことを認識する。この後は、送信側G3FAXは、フラグ信号に続き、回線復旧を指令するための信号DCNを送信側GWへ送出した後に、回線を復旧する。
それにより、上述と同様の手順により、信号(T30IND:Flags)、信号(V21HDLC:DCN)が送信側GWから受信側GWへと送信される。そして、送信側GWからは、フラグ信号および信号DCNが受信側G3FAXへと順次送信され、受信側G3FAXは、信号DCNを受信すると、回線を復旧する。
また、送信側GWは、通信パスを切断する旨を要求する切断要求パケットを受信側GWへ送出し、受信側GWは、切断要求パケットを受信すると、通信パスの切断を確認した旨をあらわす切断確認パケットを送信側GWへ送出して、一連の通信動作を終了する。
これにより、送信側G3FAXと送信側GWとの間の回線、および、受信側G3FAXと受信側GWとの間の回線が復旧され、送信側G3FAXと受信側G3FAXの間に形成されていたリアルタイム的な通信パスが切断される。
このようにして、送信側G3FAXと受信側G3FAXとの間のファクシミリ伝送手順が、送信側GWおよび受信側GWのリアルタイム伝送手順により、リアルタイム的に実行されて、送信側G3FAXから受信側G3FAXへの画情報の送信がなされる。
ここで、図3における信号(T30IND:「信号名」)は、ITU−T勧告T.30に従ったトーナル信号の検出を通知するための信号であり、信号(V21HDLC:「信号名」)は、ITU−T勧告T.30に従ったバイナリ信号を運ぶための信号である。また、「V.21」、ITU−T勧告V.21モデムにより運ばれる信号であることをあらわし、「HDLC」は、HDLCフレーム化されている信号であることをあらわす。
そして、このような信号をやりとりすることで、送信側GWと受信側GWとの間で、リアルタイム伝送手順が実現される。
また、本実施例では、リアルタイムインターネットゲートウェイ装置GWは、図4(a)に示すようなユーザ番号テーブルを備えている。このユーザ番号テーブルは、複数の電話番号情報からなり、おのおのの電話番号情報は、同図(b)に示すように、このリアルタイム型インターネットファクシミリ通信システムを利用するそれぞれのグループ3ファクシミリ装置FGのIDと電話番号を組にしたものである。
図5は、送信側G3FAXの処理の一例を示している。
まず、送信側GWへ発呼し(処理107)、送信側GWより所定のトーン信号を、所定時間内に検出することを監視する(判断102,103のNOループ)。所定時間内に送信側GWより所定のトーン信号を受信できなかった場合で、判断103の結果がYESになるときには、このときの送信動作をエラー終了する。
また、所定時間内に送信側GWより所定のトーン信号を受信できた場合で、判断102の結果がYESになるときには、ユーザに対して、IDと受信側G3FAXの電話番号(宛先番号)を入力させる(処理104)。
次いで、ユーザから操作入力されたユーザ番号と宛先番号を、「(ID)#(宛先電話番号)」なる信号形式のPB信号で送出し(処理105)、そして、所定の伝送前手順を実行して、伝送機能やモデム速度などを設定し(処理106)、モデムトレーニング手順を実行して使用するモデム速度を決定し(処理107)、所定の画情報送信手順を実行して送信画情報を送信する(処理108)。
画情報送信を終了すると、所定の伝送後手順を実行し(処理109)、回線を復旧して、送信側GWに対するファクシミリ通信処理を終了する。
図6は、送信側GWの処理の一例を示す。
着呼検出すると(処理201)、所定のトーン信号を応答し(処理202)、所定信号形式のPB信号からなるIDと宛先番号を受信して保存する(処理203)。
次いで、受信側GWに対し、IDと宛先番号を指定した状態で接続要求し(処理204)、受信側GWから受信する情報に基づいて、受信側G3FAXがビジーであるかどうかを調べる(判断205)。
受信側G3FAXがビジーではなく、判断205の結果がNOになるときには、図3で説明したようなリアルタイム型処理(処理207)を開始し、所定のファクシミリ信号(例えば、DIS)の情報を、所定時間内に受信できたかどうかを調べる(判断207,208のNOループ)。
所定のファクシミリ信号の情報を、所定時間内に受信できた場合で、判断207の結果がYESになるときには、処理206で開始したリアルタイム型処理を継続し(処理209)、そのリアルタイム型処理を終了すると、送信側G3FAXとの間の回線を復旧して(処理210)、この処理を終了する。
また、所定のファクシミリ信号の情報を、所定時間内に受信できなかった場合で、判断207の結果がNOになるときには、処理206で開始したリアルタイム型処理を中断し、蓄積型処理へ移行して(処理211)、この処理を終了する。
また、受信側G3FAXがビジーの場合で、判断205の結果がYESになるときには、受信側GWとの接続を切断し(処理212)、処理211へ移行し、蓄積型処理を実行する。
図8および図9は、蓄積型処理の一例を示している。
まず、送信側G3FAXとの間で、所定のグループ3ファクシミリ伝送前手順を継続実行して、使用する伝送機能やモデム速度などを設定する(処理301)。
次いで、モデムトレーニング手順を実行して使用するモデム速度を決定し(処理302)、送信側G3FAXより画情報を受信して画像蓄積装置6に蓄積する(処理303)。なお、このとき、符号化複号化部5で受信画情報を復号化してエラー検出処理なども行う。
画情報の受信を終了すると、所定の伝送後手順を実行し(処理304)、回線を復旧する(処理305)。
そして、所定時間を待ち(処理306)、受信側GWに対し、宛先番号を指定した状態で接続要求し(処理307)、受信側G3FAXへの回線接続ができたかどうかを調べる(判断308)。
受信側GWからリアルタイム伝送手順の信号を受信した場合で、判断308の結果がYESになるときには、上述したような(送信側)疑似リアルタイム型処理を実行して、蓄積した受信画情報を受信側GWを介して受信側G3FAXへ送信し(処理309)、そのときの送信結果をあらわす所定形式の通信結果レポート(図示略)を作成する(処理310)。
次いで、ユーザ番号テーブルを参照して、そのときに受信しているIDに対応した送信側G3FAXの電話番号を取得し(処理311)、その送信側G3FAXへ発呼し(処理312)、所定の伝送前手順を実行して使用する伝送機能やモデム速度を設定し(処理313)、モデムトレーニング手順を実行して使用するモデム速度を決定し(処理314)、そのときに送信するレポート(上述した通信結果レポートまたは後述するエラー通知レポート)画像を送信する(処理315)。なお、このレポート画像は、作成した通信結果レポートまたはエラー通知レポートの表示画像ファクシミリデータを作成し、その表示画像ファクシミリデータを符号化複号化部5で符号化圧縮して、送信画情報を作成する。
そして、レポート画像の送信を終了すると、所定の伝送後手順を実行し(処理316)、送信側G3FAXとの回線を復旧して(処理317)、この処理を終了する。
また、受信側GWから接続不可が応答された場合で、判断308の結果がNOになるときには、そのときに再発呼が可能であるかどうかを調べる(判断318)。例えば、再発呼回数が設定回数に満たない場合には、判断318の結果がYESになる。
そして、判断318の結果がYESになるときには、処理306へ戻り、所定時間を待った後に、再度、受信側G3FAXへの送信動作を行う。また、判断318の結果がNOになるときには、送信元ユーザに対して、指定された送信動作ができなかった旨を通知するための所定形式のエラー通知レポート(図示略)を作成し(処理319)、処理311へ移行して、それ以降の処理を実行し、エラー通知レポートを送信元ユーザに対して送信する。
図9は、受信側GWが実行する処理の一例を示している。
送信側GWより接続要求され、IDと宛先番号が通知されると(処理401)、宛先へ発呼し(処理402)、上述したリアルタイム型処理を実行し(処理403)、回線を復旧して(処理404)、この処理を終了する。
以上のように、本実施例では、送信側G3FAXから送信要求があり、送信側GWと受信側G3FAXとの間に回線が確立しなかった場合には、送信側GWは、送信側G3FAXから送信画情報を代行受信し、その後、所定間隔で受信側GWに対して、受信側G3FAXへの接続要求を繰り返し発行し、受信側GWと受信側G3FAXとの間に回線を確立できた時点で、疑似リアルタイム伝送手順を実行して、代行受信して蓄積した画情報を受信側G3FAXへ送信するので、無駄に回線を使用することがなく、通信料金がかさむような事態を回避することができる。
また、そのときの蓄積型処理を実行した際の通信結果を通知するレポートを作成して、送信側G3FAXへ送信しているので、送信側G3FAXのユーザは、画情報送信結果を適切に知ることができる。
ところで、上述した実施例では、受信側G3FAXが画情報受信できないとき、送信側GWで送信画情報を代行受信しているが、このとき、受信側GWが送信画情報を代行受信することもできる。
その場合の送信側GWの処理の一例を図10に示す。
着呼検出すると(処理501)、所定のトーン信号を応答し(処理502)、所定信号形式のPB信号からなるIDと宛先番号を受信して保存する(処理503)。
次いで、受信側GWに対し、IDと宛先番号を指定した状態で接続要求し(処理504)、図3で説明したようなリアルタイム型処理(処理505)を実行し、リアルタイム型処理を終了すると、送信側G3FAXとの間の回線を復旧して(処理506)、この処理を終了する。
この場合の受信側GWの処理の一例を図11に示す。
送信側GWより接続要求され、IDと宛先番号が通知されると(処理601)、宛先へ発呼し(処理602)、受信側G3FAXがビジーであるかどうかを調べる(判断603)。
受信側G3FAXがビジーではなく、判断603の結果がNOになるときには、上述したリアルタイム型処理を開始し(処理604)、所定のファクシミリ信号(例えば、DIS)の情報を、所定時間内に受信できたかどうかを調べる(判断605,606のNOループ)。
所定のファクシミリ信号の情報を、所定時間内に受信できた場合で、判断605の結果がYESになるときには、処理604で開始したリアルタイム型処理を継続し(処理607)、そのリアルタイム型処理を終了すると、受信側G3FAXとの間の回線を復旧して(処理608)、この処理を終了する。
また、所定のファクシミリ信号の情報を、所定時間内に受信できなかった場合で、判断606の結果がNOになるときには、処理604で開始したリアルタイム型処理を中断し、蓄積型処理へ移行して(処理609)、この処理を終了する。
また、受信側G3FAXがビジーの場合で、判断603の結果がYESになるときには、受信側G3FAXへの発呼を終了し(処理610)、処理609へ移行し、蓄積型処理を実行する。
図12および図13は、蓄積型処理の他の例を示している。
まず、送信側GWとの間で、上述した(受信側)疑似リアルタイム型処理を実行し(処理701)、送信側G3FAXより画情報を受信して画像蓄積装置6に蓄積する。
そして、所定時間を待ち(処理702)、受信側G3FAXへ発呼し(処理703)、受信側G3FAXがビジーであるかどうかを調べる(判断704)。
受信側G3FAXがビジーではない場合で、判断704の結果がNOになるときには、受信側G3FAXとの間で所定のG3FAX伝送前手順を実行して使用する伝送機能やモデム速度を設定し(処理705)、モデムトレーニング手順を実行して使用するモデム速度を決定し(処理706)、画像蓄積装置6に蓄積した画情報を送信し(処理707)、画情報の送信を終了すると、所定の伝送後手順を実行し(処理708)、受信側G3FAXとの回線を復旧する(処理709)。また、そのときの送信結果をあらわす所定形式の通信結果レポート(図示略)を作成する(処理710)。
次いで、ユーザ番号テーブルを参照して、そのときに受信しているIDに対応した送信側G3FAXの電話番号を取得し(処理711)、その送信側G3FAXへ発呼し(処理712)、所定の伝送前手順を実行して使用する伝送機能やモデム速度を設定し(処理713)、モデムトレーニング手順を実行して使用するモデム速度を決定し(処理714)、そのときに送信するレポート(上述した通信結果レポートまたは後述するエラー通知レポート)画像を送信する(処理715)。なお、このレポート画像は、作成した通信結果レポートまたはエラー通知レポートの表示画像ファクシミリデータを作成し、その表示画像ファクシミリデータを符号化複号化部5で符号化圧縮して、送信画情報を作成する。
そして、レポート画像の送信を終了すると、所定の伝送後手順を実行し(処理716)、送信側G3FAXとの回線を復旧して(処理717)、この処理を終了する。
また、受信側G3FAXがビジーの場合で、判断704の結果がYESになるときには、そのときに再発呼が可能であるかどうかを調べる(判断718)。例えば、再発呼回数が設定回数に満たない場合には、判断718の結果がYESになる。
そして、判断718の結果がYESになるときには、処理702へ戻り、所定時間を待った後に、再度、受信側G3FAXへの発呼動作を行う。また、判断718の結果がNOになるときには、送信元ユーザに対して、指定された送信動作ができなかった旨を通知するための所定形式のエラー通知レポート(図示略)を作成し(処理719)、処理711へ移行して、それ以降の処理を実行し、エラー通知レポートを送信元ユーザに対して送信する。
以上のように、本実施例では、送信側G3FAXから送信要求があり、送信側GWと受信側G3FAXとの間に回線が確立しなかった場合には、受信側GWは、送信側G3FAXからの送信画情報を代行受信し、その後、所定時間間隔で受信側G3FAXへ繰り返し発呼し、受信側G3FAXが着信応答した時点で、所定のG3FAX手順により代行受信して蓄積した画情報を受信側G3FAXへ送信するので、無駄に回線を使用することがなく、通信料金がかさむような事態を回避することができる。