JP4267976B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特に、モータ電流制御手段の電界効果トランジスタ(FET)、ワイヤハーネス、電流センサ等の故障検出手段を備えた電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動パワーステアリング装置は、ブラシ付きモータやブラシレスモータを動力源とする操舵力倍力装置や、マイクロコンピュータユニットおよびモータ駆動装置等からなる制御装置を備え、ステアリングハンドルに付与される操舵力、車速等を検出し、これらの検出信号に基づいて制御装置によってモータを駆動することにより、補助トルクを発生させ、ハンドル操舵力の軽減を図っている。
【0003】
図17は、ブラシレスモータの回転を制御するための従来の制御装置のブロック構成図である。制御装置200は、操舵トルク検出部201からの操舵トルク信号Tと車速検出部202からの車速信号Vを入力として、ブラシレスモータ203を制御する装置であり、目標電流決定部204と電流制御部205と電流センサ206,207と回転速度算出部208から構成される。電流制御部205は、偏差演算部209,210とPI設定部211,212と2軸3相変換部213とモータ駆動部214と、演算部215と、3相2軸変換部216から構成される。ブラシレスモータ203には、ブラシレスモータ203の回転角を検出するためのレゾルバ等の角度センサ217が取り付けられている。
【0004】
目標電流決定部204は、操舵トルク信号Tと車速信号Vと回転速度算出部208から出力されるブラシレスモータ203における回転子の固定子に対する回転角速度ωに基づいて、2相目標電流Idt,Iqtを計算し出力する。目標電流Idt,Iqtは、ブラシレスモータ203の回転子上の永久磁石が作り出す回転磁束と同期した回転座標系において、永久磁石と同一方向のd軸およびこれに直交したq軸にそれぞれ対応するもので、これらの目標電流Idt,Iqtをそれぞれ「d軸目標電流」および「q軸目標電流」という。
【0005】
それらのd軸およびq軸の目標電流Idt,Iqtは偏差演算部209,210において、d軸およびq軸の目標電流Idt,Iqtからd軸およびq軸の検出電流Idr,Iqrをそれぞれ減算することにより偏差DId,DIqを計算して、PI設定部211,212に出力する。
【0006】
PI設定部211,212は偏差DId,DIqを用いた演算の実行により、d軸およびq軸の検出電流Idr,Iqrがd軸およびq軸の目標電流に追従するようにd軸およびq軸の目標電圧Vd,Vqをそれぞれ計算する。d軸およびq軸の目標電圧Vd,Vqは、2軸3相変換部213に出力される。
【0007】
2軸3相変換部213は、d軸およびq軸の目標電圧Vd,Vqを3相目標電圧Vu,Vv,Vwに変換して、3相目標電圧Vu,Vv,Vwをモータ駆動部(モータ駆動回路)214に出力する。
【0008】
モータ駆動部214は、PWM電圧発生部(プリドライブ回路)とインバータ回路を含む。モータ駆動部214は、モータ駆動部214の中の図示しないPWM電圧発生部によって3相目標電圧Vu,Vv,Vwに対応したPWM制御電圧信号(ゲート駆動信号)UU,VU,WUを生成してモータ駆動部214の中の図示しないインバータ回路に出力する。インバータ回路は、PWM制御電圧信号UU,VU,WUに対応した3相の交流駆動電流Iu,Iv,Iwを発生し、これらを3相の駆動電流路218を介してブラシレスモータ203にそれぞれ供給する。3相の交流駆動電流Iu,Iv,Iwはそれぞれブラシレスモータ203をPWM駆動するための正弦波電流である。
【0009】
3相の駆動電流路218のうちの2つにはモータ電流検出部(電流センサ)206,207が設けられ、各モータ電流検出部206,207は、ブラシレスモータ203に対し供給される3相の駆動電流Iu,Iv,Iwのうちの2つの駆動電流Iu,Iwを検出して3相2軸変換部216に出力する。また、演算部215では、検出駆動電流Iu,Iwに基づいて残りの駆動電流Ivが計算され、3相2軸変換部216に出力する。3相2軸変換部216は、これらの3相検出駆動電流Iu,Iv,Iwを2相のd軸およびq軸の検出電流Idr,Iqrに変換し、出力する。
【0010】
角度センサ217は、ブラシレスモータ203における回転子の固定子に対する角度(回転角)θを検出して、検出された角度θに対応する信号を2軸3相変換部213と3相2軸変換部216に供給する。また、回転速度算出部208は、角度センサ217からの信号に基づいてブラシレスモータ203における回転子の固定子に対する回転角速度ωを計算して、計算された回転角速度ωに対応する信号を目標電流決定部204に供給する。
【0011】
上記のように、従来の制御装置200においては、操舵トルク検出部201から出力される操舵トルク信号T、車速検出部202から出力される車速信号V等に基づきブラシレスモータ203に供給する目標電流を設定する。この目標電流と、モータ電流検出部(電流センサ)206,207が出力する検出電流との偏差がゼロになるようにPI制御し、ブラシレスモータ203をベクトル制御している。
【0012】
上記のような制御装置において、電流センサが故障したときに検知する装置として、これまで特許文献1で開示されるブラシレスモータの異常検出装置、特許文献2で開示される電気自動車用電動機の制御装置、特許文献3で開示される電動車両の駆動制御装置が知られている。
【0013】
特許文献1のブラシレスモータの異常検出装置は、3相モータの各相に設けられたモータ巻線の電流を検出する電流センサと、各電流センサの出力値の総和を演算する加算器と、加算値を所定値と比較するコンパレータから構成されており、3相モータに流れる電流の総和がゼロとなることを利用して、総和がゼロにならない場合に故障と判断する。
【0014】
特許文献2の電気自動車用電動機の制御装置は、モータに流れる電流が電流指令値と一致するように制御する電流制御手段と、電流指令値と実電流の偏差を積分する積分手段と、積分値が所定値以上となった場合に異常と判断する異常判定手段から構成されており、電流制御により電流指令値と実電流が一致することを利用し、これらが一致しなくなった場合に故障と判断する。
【0015】
特許文献3の電動車両の駆動制御装置は、モータの回転位置を検出する回転位置検出手段と、回転位置に応じてモータ電流を供給するモータ電流制御手段と、モータの相電流を検出する少なくとも2つの電流検出手段と、回転位置といずれかの相の電流値とに基づいて他の相に流れるはずの電流値を推定するモータ電流推定手段と、検出された他の相の電流と推定手段で推定される推定電流を比較して、両者の差が所定値以上の場合故障と判断する故障検出手段から構成されており、3相モータに流れる電流はそれぞれ120°の位相差を持って通電されていることを利用し、いずれかの相で検出される電流に対して、位相を120°ずらした値から他の相に流れる電流を推定し、推定電流と検出電流を比較して故障検出を行う。
【0016】
【特許文献1】
特開平6−253585号公報
【特許文献2】
特開平11−332002号公報
【特許文献3】
特開2001−8483公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のブラシレスモータの異常検出装置においては、3相分の電流を検出してその総和により判定を行うため、2個の電流センサで制御できるにもかかわらず、3相電流すべてを検出するために3個の電流センサが必要となり、コスト高になるという問題がある。
【0018】
また、特許文献2の電気自動車用電動機の制御装置では、実電流が流れないまたはセンサの出力が固着する等の故障であれば検出が可能であるが、電流センサのオフセットずれやゲインずれのように検出値が真値と異なる値で変化するような場合においては、電流制御によって、電流指令値と検出値が一致するように駆動されるため、電流指令値と検出値が一致するか否かというこの手法では電流センサの故障を検出できないという問題がある。
【0019】
同様に、特許文献3の電動車両の駆動制御装置でも、相電流は電流制御によってそれぞれが120°の位相差を持って流れるよう制御されるため、それぞれの相電流の関係が120°ずつ位相差を持っているか否かでは電流センサの故障を検出できないという問題がある。
【0020】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、電動パワーステアリング装置のアシスト補助用モータにおける電流センサの故障検出を行うにあたり、低コストで確実に故障を検出できる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0022】
第1の電動パワーステアリング装置(請求項1に対応)は、操舵トルクに基づき目標電流を決定する目標電流決定手段と、アシストトルクを発生する3相ブラシレスモータと、3相ブラシレスモータの3相のうち2相の電流を検出する電流センサと、2相の電流から残る1相の電流を算出する3相目標電流演算手段と、3相ブラシレスモータの回転角度を検出する角度センサと、回転角度と検出された電流と目標電流に基づきモータ電流制御信号を生成する電流制御手段と、3相ブラシレスモータの駆動電圧を監視する駆動電圧監視手段と、3相ブラシレスモータの検出駆動電流を監視する検出電流監視手段と、を備える電動パワーステアリング装置において、駆動電圧監視手段に入力される駆動電圧から第1故障検知電流を算出し、検出電流監視手段に入力される電流から第2故障検知電流を算出し、第1故障検知電流と第2故障検知電流との和により電流センサの故障を判定する故障検出手段を備えたことで特徴づけられる。
【0023】
第1の電動パワーステアリング装置によれば、操舵トルクに基づき目標電流を決定する目標電流決定手段と、アシストトルクを発生する3相ブラシレスモータと、3相ブラシレスモータの3相のうち2相の電流を検出する電流センサと、2相の電流から残る1相の電流を算出する3相目標電流演算手段と、3相ブラシレスモータの回転角度を検出する角度センサと、回転角度と検出された電流と目標電流に基づきモータ電流制御信号を生成する電流制御手段と、駆動電圧監視手段と、検出電流監視手段と、を備える電動パワーステアリング装置において、駆動電圧監視手段に入力される駆動電圧から第1故障検知電流を算出し、検出電流監視手段に入力される電流から第2故障検知電流を算出し、第1故障検知電流と第2故障検知電流との和により電流センサの故障を判定する故障検出手段を備えたため、目標電流と実電流が一致するように電流制御が働き、目標電流と実電流が一致している場合においては、駆動電圧監視手段により検出される異常信号により故障が判定され、一方、検出トルクの脈動が無くなるように目標電流が設定され、モータを駆動する電圧に異常信号が現れない場合は、検出電流監視手段により検出される異常信号により電流センサの故障が判定されるので、電動パワーステアリング装置における不感帯かどうか、車速応動による制御の強弱などの電動パワーステアリング装置制御の効き具合によらず、すべてのシチュエーションにおいて電流センサの故障検出が可能となる。また、電流により検出される量と電圧により検出される量の単位を統一して合わせることにより、電流センサの故障量を推定することができ、電流センサの故障の程度に合わせたアクションをとることができる。
【0024】
第2の電動パワーステアリング装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは駆動電圧監視手段は、いずれかの相の駆動電圧とモータの回転角度から他の相の電圧を推定する電圧推定手段と、他の相の駆動電圧と電圧推定手段により推定される推定電圧を比較して駆動電圧の異常信号を生成する駆動電圧異常信号生成手段とから成り、検出電流監視手段は、いずれかの相の検出電流とモータの回転角度から他の相の電流を推定する電流推定手段と、他の相の検出電流と電流推定手段により推定される推定電流を比較して検出電流の異常信号を生成する検出電流異常信号生成手段とから成ることで特徴づけられる。
【0025】
第2の電動パワーステアリング装置によれば、駆動電圧監視手段は、いずれかの相の駆動電圧とモータの回転角度から他の相の電圧を推定する電圧推定手段と、他の相の駆動電圧と電圧推定手段により推定される推定電圧を比較して駆動電圧の異常信号を生成する駆動電圧異常信号生成手段とから成り、検出電流監視手段は、いずれかの相の検出電流とモータの回転角度から他の相の電流を推定する電流推定手段と、他の相の検出電流と電流推定手段により推定される推定電流を比較して検出電流の異常信号を生成する検出電流異常信号生成手段とから成るため、検出電流監視手段を2相の検出電流から算出される信号を用いて構成していることにより、3個目の電流センサを用いずに済み、コスト高になることがない。
【0026】
第3の電動パワーステアリング装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは駆動電圧監視手段は、電流センサの配置されている各々の相の駆動電圧の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電圧最大値最小値検出手段と、電圧最大値最小値検出手段により検出された最大値および最小値から駆動電圧の異常信号を生成する駆動電圧異常信号生成手段とから成り、検出電流監視手段は、電流センサにより検出される各々の相の検出電流の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電流最大値最小値検出手段と、電流最大値最小値検出手段により検出された最大値および最小値から検出電流の異常信号を生成する検出電流異常信号生成手段と、から成ることで特徴づけられる。
【0027】
第3の電動パワーステアリング装置によれば、駆動電圧監視手段は、電流センサの配置されている各々の相の駆動電圧の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電圧最大値最小値検出手段と、電圧最大値最小値検出手段により検出された最大値および最小値から駆動電圧の異常信号を生成する駆動電圧異常信号生成手段とから成り、検出電流監視手段は、電流センサにより検出される各々の相の検出電流の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電流最大値最小値検出手段と、電流最大値最小値検出手段により検出された最大値および最小値から検出電流の異常信号を生成する検出電流異常信号生成手段と、から成るため、検出電流監視手段を2相の検出電流から算出される信号を用いて構成していることにより、3個目の電流センサを用いずに済み、コスト高になることがない。
【0028】
第4の電動パワーステアリング装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは駆動電圧監視手段は、第1の駆動電圧監視手段と第2の駆動電圧監視手段から成り、検出電流監視手段は、第1の検出電流監視手段と第2の検出電流監視手段から成り、第1の駆動電圧監視手段は、いずれかの相の駆動電圧とモータの回転角度から他の相の電圧を推定する電圧推定手段と、他の相の駆動電圧と電圧推定手段により推定される推定電圧を比較して駆動電圧の異常信号を生成する第1の駆動電圧異常信号生成手段とから成り、第2の駆動電圧監視手段は、電流センサの配置されている各々の相の駆動電圧の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電圧最大値最小値検出手段と、電圧最大値最小値検出手段により検出された最大値および最小値から駆動電圧の異常信号を生成する第2の駆動電圧異常信号生成手段とから成り、第1の検出電流監視手段は、いずれかの相の検出電流とモータの回転角度から他の相の電流を推定する電流推定手段と、他の相の検出電流と電流推定手段により推定される推定電流を比較して検出電流の異常信号を生成する第1の検出電流異常信号生成手段とから成り、第2の検出電流監視手段は、電流センサにより検出される各々の相の検出電流の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電流最大値最小値検出手段と、電流最大値最小値検出手段により検出された最大値および最小値から検出電流の異常信号を生成する第2の検出電流異常信号生成手段と、から成り、回転数に応じて第1の駆動電圧監視手段と第1の検出電流監視手段と、第2の駆動電圧監視手段と第2の検出電流監視手段とを切り換える切換手段を備えたことで特徴づけられる。これにより、確実に電流センサの故障を検出することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0030】
図1〜図4を参照して本発明に係る電動パワーステアリング装置の全体的構成、機械的機構の要部構成、および電子回路ユニットのレイアウトを説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図である。電動パワーステアリング装置10は、ステアリングホイール11に連結されるステアリング軸12等に対して補助用の操舵力(操舵トルク)を与えるように構成されている。ステアリング軸12の上端はステアリングホイール11に連結され、下端にはピニオンギヤ13が取り付けられている。ピニオンギヤ13に対して、これに噛み合うラックギヤ14aを設けたラック軸14が配置されている。ピニオンギヤ13とラックギヤ14aによってラック・ピニオン機構15が形成される。ラック軸14の両端にはタイロッド16が設けられ、各タイロッド16の外側端には前輪17が取り付けられる。上記ステアリング軸12に対し動力伝達機構18を介してブラシレスモータ19が設けられている。ブラシレスモータ19は、操舵トルクを補助する回転力(トルク)を出力し、この回転力を、動力伝達機構18を経由して、ステアリング軸12に与える。またステアリング軸12には操舵トルク検出部20が設けられている。操舵トルク検出部20は、運転者がステアリングホイール11を操作することによって生じる操舵トルクをステアリング軸12に加えたとき、ステアリング軸12に加わる当該操舵トルクを検出する。また、20dは舵角を検出する舵角センサであり、21は車両の車速を検出する車速検出部であり、22はコンピュータで構成される制御装置である。制御装置22は、操舵トルク検出部20から出力される操舵トルク信号Tと舵角センサ20dから出力される舵角信号と車速検出部21から出力される車速信号Vを取り入れ、操舵トルクに係る情報と舵角に係る情報と車速に係る情報に基づいて、ブラシレスモータ19の回転動作を制御する駆動制御信号SG1を出力する。またブラシレスモータ19には、レゾルバ等によって構成されるモータ回転角検出部(角度センサ)23が付設されている。モータ回転角検出部23の回転角信号SG2は制御装置22にフィードバックされている。上記のラック・ピニオン機構15等は図1中で図示しないギヤボックス24に収納されている。
【0032】
上記において電動パワーステアリング装置10は、通常のステアリング系の装置構成に対し、操舵トルク検出部20、舵角センサ20d、車速検出部21、制御装置22、ブラシレスモータ19、動力伝達機構18を付加することによって構成されている。
【0033】
上記構成において、運転者がステアリングホイール11を操作して自動車の走行運転中に走行方向の操舵を行うとき、ステアリング軸12に加えられた操舵トルクに基づく回転力はラック・ピニオン機構15を介してラック軸14の軸方向の直線運動に変換され、さらにタイロッド16を介して前輪17の走行方向を変化させようとする。このときにおいて、同時に、ステアリング軸12に付設された操舵トルク検出部20は、ステアリングホイール11での運転者による操舵に応じた操舵トルクを検出して電気的な操舵トルク信号Tに変換し、この操舵トルク信号Tを制御装置22へ出力する。また、舵角センサ20dは、舵角を検出し舵角信号を制御装置22へ出力する。さらに、車速検出部21は、車両の車速を検出して車速信号Vに変換し、この車速信号Vを制御装置22へ出力する。制御装置22は、操舵トルク信号T、舵角信号および車速信号Vに基づいてブラシレスモータ19を駆動するためのモータ電流を発生する。モータ電流によって駆動されるブラシレスモータ19は、動力伝達機構18を介して補助操舵力をステアリング軸12に作用させる。以上のごとくブラシレスモータ19を駆動することにより、ステアリングホイール11に加えられる運転者による操舵力が軽減される。
【0034】
図2は、電動パワーステアリング装置10の機械的機構の要部と電気系の具体的構成を示す。ラック軸14の左端部および右端部の一部は断面で示されている。ラック軸14は、車幅方向(図2中左右方向)に配置される筒状ハウジング31の内部に軸方向へスライド可能に収容されている。ハウジング31から突出したラック軸14の両端にはボールジョイント32がネジ結合され、これらのボールジョイント32に左右のタイロッド16が連結されている。ハウジング31は、図示しない車体に取り付けるためのブラケット33を備えると共に、両端部にストッパ34を備えている。
【0035】
図2において、35はイグニションスイッチ、36は車載バッテリ、37は車両エンジンに付設された交流発電機(ACG)である。交流発電機37は車両エンジンの動作で発電を開始する。制御装置22に対してバッテリ36または交流発電機37から必要な電力が供給される。制御装置22はブラシレスモータ19に付設されている。また38はラック軸の移動時にストッパ34に当たるラックエンド、39はギヤボックスの内部を水、泥、埃等から保護するためのダストシール用ブーツである。
【0036】
図3は図2中のA−A線断面図である。図3では、ステアリング軸12の支持構造、操舵トルク検出部20、動力伝達機構18、ラック・ピニオン機構15の具体的構成と、ブラシレスモータ19および制御装置22のレイアウトとが明示される。
【0037】
図3において、上記ギヤボックス24を形成するハウジング24aにおいてステアリング軸12は2つの軸受け部41,42によって回転自在に支持されている。ハウジング24aの内部にはラック・ピニオン機構15と動力伝達機構18が収納され、さらに上部には操舵トルク検出部20が付設されている。ハウジング24aの上部開口はリッド43で塞がれ、リッド43はボルト44で固定されている。ステアリング軸12の下端部に設けられたピニオン13は軸受け部41,42の間に位置している。ラック軸14は、ラックガイド45で案内され、かつ圧縮されたスプリング46で付勢された当て部材47でピニオン13側へ押さえ付けられている。動力伝達機構18は、ブラシレスモータ19の出力軸に結合される伝動軸48に固定されたウォームギヤ49とステアリング軸12に固定されたウォームホイール50とによって形成される。操舵トルク検出部20は、ステアリング軸12の周りに配置される操舵トルク検出センサ20aから出力される検出信号を電気的に処理する電子回路部20bとから構成されている。操舵トルク検出センサ20aはリッド43に取り付けられている。
【0038】
図4は図3中のB−B線断面図である。図4ではブラシレスモータ19および制御装置22の内部の具体的構成が明示される。
【0039】
ブラシレスモータ19は、回転軸51に固定された永久磁石により成る回転子52と、回転子52の周囲に配置された固定子54とを備える。固定子54は固定子巻線53を備える。回転軸51は、2つの軸受け部55,56によって回転自在に支持される。回転軸51の先部はブラシレスモータ19の出力軸19aとなっている。ブラシレスモータ19の出力軸19aは、トルクリミッタ57を介して、回転動力が伝達されるように伝動軸48に結合されている。伝動軸48には前述の通りウォームギヤ49が固定され、これに噛み合うウォームホイール50が配置されている。回転軸51の後端部には、ブラシレスモータ19の回転子52の回転角(回転位置)を検出する前述のモータ回転角検出部(角度センサ)23が設けられる。モータ回転角検出部23は、回転軸51に固定された回転子23aと、この回転子23aの回転角を磁気的な作用を利用して検出する検出素子23bとから構成される。モータ回転角検出部23には例えばレゾルバが用いられる。固定子54の固定子巻線53にはモータ電流が供給される。以上のブラシレスモータ19の構成要素は、モータケース58の内部に配置される。
【0040】
次に制御装置22について説明する。制御装置22は、図17で示した制御装置200と同様に、目標電流決定部と電流制御部と電流センサと回転速度算出部を備えている。本発明の実施形態では、電流制御部が従来と異なるため、電流制御部について詳細に説明し、目標電流決定部と電流センサと回転速度算出部は従来の制御装置200と同様であるので説明を省略する。
【0041】
図5は電流制御部のブロック構成図である。電流制御部100は、従来の電流制御部205と同様の偏差演算部209,210とPI設定部211,212と2軸3相変換部213とモータ駆動部214と、演算部215と、3相2軸変換部216に加えて、駆動電圧監視部101と検出電流監視部102と故障検出部103を備えている。ブラシレスモータ19には、ブラシレスモータ19の回転角を検出するためのレゾルバ等の角度センサ23が取り付けられている。駆動電圧監視部101は、2軸3相変換部213から出力される3相目標電圧Vu,Vwが入力され、U相の駆動電圧Vuとモータの回転角度からW相の駆動電圧Vwを推定する電圧推定部(図示せず)と、W相の駆動電圧Vwと電圧推定部(図示せず)により推定される推定電圧を比較して、その差の絶対値が所定値以上のとき異常信号を故障検出部103に出力する装置である。検出電流監視部102は、検出駆動電流Iu,Iwが入力され、U相の検出駆動電流Iuとモータの回転角度からW相の検出駆動電流Iwを推定する電流推定部(図示せず)と、W相の検出駆動電流Iwと電流推定部(図示せず)により推定された推定電流を比較して、その差の絶対値が所定値以上のとき異常信号を故障検出部103に出力する装置である。故障検出部103には、駆動電圧監視部101と検出電流監視部102からの信号が入力され、電流センサ206,207の故障を検知するものである。また、故障検出部103には、故障表示部104が接続されている。そして、故障検出部103は、電流センサ206,207の故障を判断したときは1を、故障を判断しないときはゼロを信号として故障表示部104に出力する。偏差演算部209,210とPI設定部211,212と2軸3相変換部213とモータ駆動部214と、演算部215と、3相2軸変換部216は、基本的には、図17において説明したものと同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
【0042】
次に、本発明の制御装置において、駆動電圧および検出電流の両方に対して監視手段を設けた理由について説明する。
【0043】
図6に電流センサがオフセットずれ、ゲインずれなどの故障をした場合の3相2軸変換前後の波形を示す。3相2軸変換においては、式(1)に従って3相電流Iu,Iwは2軸電流Id,Iqに変換される。
【0044】
【数1】
Figure 0004267976
【0045】
図6(a)は正常時の3相電流を示し、横軸は電気角を示し、縦軸は3相電流を示す。曲線C10は電流Iu、曲線C11は電流Iwを示す。図6(b)は、正常時の2軸電流を示し、横軸は電気角を示し、縦軸は2軸電流を示す。曲線C12はd軸電流Id、曲線C13はq軸電流Iqを示す。図6(c)は電流センサのオフセットずれ時の3相電流を示し、横軸は電気角を示し、縦軸は3相電流を示す。曲線C20は電流Iu、曲線C21は電流Iwを示す。図6(d)は、電流センサのオフセットずれ時の2軸電流を示し、横軸は電気角を示し、縦軸は2軸電流を示す。曲線C22はd軸電流Id、曲線C23はq軸電流Iqを示す。図6(e)は電流センサのゲインずれ時の3相電流を示し、横軸は電気角を示し、縦軸は3相電流を示す。曲線C30は電流Iu、曲線C31は電流Iwを示す。図6(f)は、電流センサのゲインずれ時の2軸電流を示し、横軸は電気角を示し、縦軸は2軸電流を示す。曲線C32はd軸電流Id、曲線C33はq軸電流Iqを示す。この図より電流センサにオフセットずれが生じた場合は電気角1周期に対して1次の脈動、電流センサにゲインずれが生じた場合は電気角1周期に対して2次の脈動が検出されるdq軸電流に現れることが分かる。
【0046】
図7は、電動パワーステアリング装置での制御を説明する模式図である。電動パワーステアリング装置における制御は、トルクループ105と電流ループ106の2重の制御がなされている。すなわち、トルク制御部107で設定される目標電流に基づいて電流ループ106内の電流制御部100によって駆動電圧が出力され、それにより、モータ19が駆動される。その駆動するモータ19のモータ電流を電流センサ206,207で検出し、検出電流を電流制御部100にフィードバックさせている。この電流制御部100、モータ19、電流センサ206,207、電流制御部100によって形成されるループが電流ループ106である。また、モータ19の駆動によってギアボックス24内のステアリング軸12にアシストトルクがかかり、トルクセンサ20によって検出されたトルク信号がトルク制御部107にフィードバックされる。このトルク制御部107、電流制御部100、モータ19、ギアボックス24、トルクセンサ20、トルク制御部107によって形成されるループがトルクループ105である。このように、電動パワーステアリング装置10の制御は、モータ19に流れる電流を検出している検出電流が目標電流と一致するように制御する電流ループ106と、操舵補助力を発生するために操舵トルクを検出して目標電流を指示するトルクループ105の2重の制御が働き、このうちトルクループ105は車速、操舵トルク、操舵速度等により制御の度合いを変化させている。
【0047】
図7のように構成されている電動パワーステアリング装置10の制御において、図6で示す電流センサ206,207の故障が生じた場合の各制御の動作について説明する。
【0048】
電流センサ206,207が故障した場合、モータ19内を流れる2軸電流が図6(b)のように正常時の2軸電流のように流れているにもかかわらず、検出される2軸電流が図6(d)と(f)で示されるように、電流センサのオフセットずれ時、ゲインずれ時の2軸電流のように検出されてしまう。そして、この検出された電流が目標電流と一致するように制御が働く。
【0049】
仮に目標電流がゼロの場合を考えると、検出される2軸電流は制御によってゼロとなる。このとき、モータ19内を流れている2軸電流は故障による分だけの脈動が現れ、モータ19を駆動している駆動電圧にも脈動分が現れる。モータ電流の脈動は、これに応じてモータ19の発生するトルクも脈動させ、脈動するモータトルクがドライバーに違和感を感じさせたり、操舵できなくさせてしまう。
【0050】
しかし、電動パワーステアリング装置10には操舵トルクの脈動を低減させるような効果を持つトルク制御があることにより、操舵トルクに現れた脈動を打ち消すように目標電流が調整される。そこで、仮に操舵トルクに脈動が一切現れないような制御がなされた場合を考えると、モータ19内を流れている電流も脈動がなくなり、このモータ19を駆動している駆動電圧の脈動もなくなる。この場合、電流センサ206,207の故障分は検出電流の脈動として現れることになる。
【0051】
このようなことから、電動パワーステアリング装置における電流センサ故障時の故障信号は図8に示すように電流制御とトルク制御の働き度合いによって駆動電圧と検出電流の両方に現れ、それらを合わせた分が電流センサの故障分になると考えられる。すなわち、図8の電流センサの故障している分の駆動電圧に現れる割合と検出電流に現れる割合は、図示するように、電流制御が強くなるほど、発生トルクを乱して検出電流を制御し、駆動電圧に現れる割合が大きくなり、逆に、トルク制御が強い場合には、検出電流を乱して発生トルクを制御し、検出電流に現れる割合が大きくなる。
【0052】
このことに基づき、本発明では、駆動電圧および検出電流の両方に対して監視手段を設け、それらを合わせて故障検出を行うようにしている。ただし、駆動電圧と検出電流では単位が異なるため、単純な加算ができないことから、モータの抵抗値を用いて駆動電圧で検出された成分を電流の単位に換算して処理を行っている。ここで用いるモータの抵抗値は図9に示すような方法で算出され、初期値をモータの設計値、温度変化等に対応するため、保舵時でのvq=R×iqが成立する条件において、この関係式から算出した値にローパスフィルタをかけて計測した値を用いている。すなわち、回路方程式は、(2)式で表され、
【0053】
【数2】
Figure 0004267976
【0054】
保舵状態ではωe=0,PIq=0よりVq=RIqであり、モータ抵抗値の算出のフローチャートは、図9で示すように、まず、Iq微分処理を行いIqの微分値を求め(ステップS10)、Iqローパスフィルタ処理を行いIqLPFを求め(ステップS11)、Vqローパスフィルタ処理を行いVqLPFを求め(ステップS12)、回転速度がしきい値より小さく、Iqの微分値がしきい値より小さく、VqLPFがしきい値より大きく、IqLPFがしきい値より大きいかどうか判断する(ステップS13)。もし、これが満たされなければ、計算は終了し、満たされれば、R=VqLPF/IqLPFを計算し(ステップS14)、RLPF=RLPF処理(ステップS15)を行い、終了する。
【0055】
次に駆動電圧監視部101と検出電流監視部102の説明をする。駆動電圧監視部101は、いずれかの相の駆動電圧とモータ19の回転角度から他の相の電圧を推定する電圧推定部と、他の相の駆動電圧と電圧推定部により推定される推定電圧を比較して駆動電圧の異常信号を生成する駆動電圧異常信号生成部とから成り、検出電流監視部102は、いずれかの相の検出電流とモータの回転角度から他の相の電流を推定する電流推定部と、他の相の検出電流と電流推定部により推定される推定電流を比較して検出電流の異常信号を生成する検出電流異常信号生成部とから成る。
【0056】
図10は、駆動電圧監視部101と検出電流監視部102を示し、駆動電圧監視部101は、2軸3相変換部213からのU相電圧を偏差演算部108に入力し、また、U相電圧を角度センサ23からのモータ回転角度に基づく係数(sin(θ+120°)/sinθ)を掛ける演算部(電圧推定部)109を介して、偏差演算部110に出力する。また、2軸3相変換部213からのW相電圧を偏差演算部110に出力し、また、W相電圧に角度センサ23からのモータ回転角度に基づく係数(sinθ/sin(θ+120°))を掛ける演算部(電圧推定部)111を介して偏差演算部108に出力する。偏差演算部108では、偏差信号を駆動電圧異常信号生成部112に出力する。また、偏差演算部110では、偏差信号を駆動電圧異常信号生成部112に出力する。
【0057】
駆動電圧異常信号生成部112は、偏差演算部108,110からの偏差が所定値より小さければ、正常であることを判断し、正常値信号を故障検出部103に出力し、その偏差が所定値より大きければ、故障と判断し、故障信号(異常信号)、例えば1を故障検出部103に出力する。
【0058】
検出電流監視部102は、電流センサ207からのU相電流を偏差演算部113に入力し、また、U相電流を角度センサ23からのモータ回転角度に基づく係数(sin(θ+120°)/sinθ)を掛ける演算部(電流推定部)114を介して、偏差演算部115に出力する。また、電流センサ206からのW相電流を偏差演算部115に出力し、また、W相電流に角度センサ217からのモータ回転角度に基づく係数(sinθ/sin(θ+120°))を掛ける演算部(電流推定部)116を介して偏差演算部113に出力する。偏差演算部113では、偏差信号を検出電流異常信号生成部117に出力する。また、偏差演算部115では、偏差信号を検出電流異常信号生成部117に出力する。
【0059】
検出電流異常信号生成部117は、偏差演算部113,115から出力される偏差が所定値より小さければ、正常であることを判断し、正常値信号を故障検出部103に出力し、その偏差が所定値より大きければ、故障と判断し、故障信号(異常信号)、例えば1を故障検出部103に出力する。
【0060】
故障検出部103は、駆動電圧異常信号生成部112または検出電流異常信号生成部117から異常信号が出力されたとき故障と判断し、故障信号、例えば1を故障表示部104に出力する。
【0061】
故障表示部104は、電流センサ206,207が故障かどうかを表示する装置であり、例えば、故障検出部103からの入力信号に基づいて点滅する発光ダイオードなどを設けたものである。その発光ダイオードは、故障検出部103からの信号がゼロのときには、点灯しない状態を保ち、故障検出部103からの入力が1のとき、点灯するようにすれば良い。それにより、発光ダイオードが点灯したとき、電流センサ206,207が故障と判断することができる。
【0062】
図11は、センサ故障検出のフローチャートである。舵角速度が20deg/sより小さいかどうか判断する(ステップS20)。舵角速度が20deg/sより小さくないときは、リターンし再びステップS20を実行する。舵角速度が20deg/sより小さいときは、モータ回転角度θが0〜60°、180〜240°の範囲にあるかどうか判断する(ステップS21)。もし、この範囲にモータ回転角度がなければ、ステップS22を実行する。もし、モータ回転角度θがこの範囲にあるならば、Vu*=Vv・(sinθ/sin(θ−120°))を計算する(ステップS23)。次にIu*=Iv・(sinθ/sin(θ−120°))を計算する(ステップS24)。Vw*=Vu・(sin(θ+120°)/sin(θ−120°))を計算し(ステップS25),Iw*=Iu・(sin(θ+120°)/sin(θ−120°))を計算し(ステップS26)、Err1=(Vu−Vu*)/R+(Iu−Iu*)とErr2=(Vw−Vw*)/R+(Iw−Iw*)とを計算し(ステップS27)、Err=Max(Err1,Err2)を計算し(ステップS28)、そして故障判定する(ステップS29)。
【0063】
ステップS21でNoならば、ステップS22を実行し、θが60〜120°、240〜300°の範囲内にあるならば、Vw*=Vu・(sin(θ+120°)/sinθを計算し(ステップS30)、Iw*=Iu・(sin(θ+120°)/sinθ)を計算し(ステップS31)、Err=(Vw−Vw*)/R+(Iw−Iw*)を計算し(ステップS32)、故障判定をする(ステップS29)、ステップS22でNoならば、Vu*=Vw・(sinθ/sin(θ+120°))を計算し(ステップS33)、Iu*=Iw・(sinθ/sin(θ+120°))を計算し(ステップS34)、Err=(Vu−Vu*)/R+(Iu−Iu*)を計算し(ステップS35)、故障判定する(ステップS29)。
【0064】
このように、3相モータを正弦波通電で使用した場合の駆動電圧波形および電流波形は3相がそれぞれ120°ずつの位相差を持った正弦波となる。よってU相電流に対して120°分の位相を変更する係数を掛けてW相電流を推定した値と、検出されるW相電流を比較することで、センサにずれが生じているか否かの判定ができると考える。
【0065】
ただし、推定するための係数はsin(θ+120°)/sin(θ)のようになり、θがゼロとなる角度では無限大の値となる等の問題があることからこれを回避するために、図11に示すように角度により切り換えることで、推定する際の係数は1よりも小さい値となり、推定する際の誤差を低減することができる。
【0066】
図12は、他相推定によるセンサ故障量を示すグラフである。図12(a)は、オフセットずれのときの電気角に対する3相電流の変化を示す。横軸は電気角を示し、縦軸は振幅を示す。曲線C40はU相電流を示し、曲線C41はV相電流を示し、曲線C42はW相電流を示す。また、曲線C43はU相推定電流を示し、曲線C45はW相推定電流を示す。図12(b)は、電気角に対するずれ量を示すグラフである。図12(c)は、ゲインずれのときの電気角に対する3相電流の変化を示す。横軸は電気角を示し、縦軸は振幅を示す。曲線C50はU相電流を示し、曲線C51はV相電流を示し、曲線C52はW相電流を示す。また、曲線C53はU相推定電流を示し、曲線C55はW相推定電流を示す。図12(d)は、電気角に対するずれ量を示すグラフである。
【0067】
このように角度により推定相手を切り換えることで、図12に示すようにずれ量が検出され、駆動電圧のずれ分と検出電流のずれ分をそれぞれ算出し、単位をそろえた上で合わせることで、電流センサのずれ量を検出している。このように検出されたずれをチェックし、ずれ量が閾値を越えた時間が規定時間連続した場合に故障であると判断するようになっている。
【0068】
ただしこの手法では電圧・電流の位相が電気角に対して一致していることが前提となるが、操舵速度が速くなると、駆動電圧の位相が進んでしまうため、操舵速度が充分低い場合に限定して処理を行うようにしている。
【0069】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電動パワーステアリング装置を説明する。第2の実施形態では、図1で示した電動パワーステアリング装置の制御装置22における駆動電圧監視部と検出電流監視部を後に述べるように変更した装置である。他の構成要素は同様なので説明を省略する。
【0070】
第2の実施形態における駆動電圧監視部と検出電流監視部の説明をする。図13に示すように駆動電圧監視部120は、電流センサ206,207の配置されている各々の相の駆動電圧の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電圧最大値最小値検出部121,122と、電圧最大値最小値検出部121,122により検出された最大値および最小値から駆動電圧の異常信号を生成する駆動電圧異常信号生成部123とから成り、検出電流監視部124は、電流センサ206,207により検出される各々の相の検出電流の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電流最大値最小値検出部125,126と、電流最大値最小値検出部125,126により検出された最大値および最小値から検出電流の異常信号を生成する検出電流異常信号生成部127と、から成る。
【0071】
駆動電圧監視部120は、2軸3相変換部213からのU相電圧を電圧最大値最小値検出部121に入力し、駆動電圧の1周期分のデータの最大値および最小値を検出し、それらの値を駆動電圧異常信号生成部123に出力する。駆動電圧異常信号生成部123では、最大値最小値を用いてオフセットずれと振幅ずれを算出し、オフセットずれの値が所定値以上の時、あるいは、振幅ずれの値が所定値以上の時には異常信号を故障検出部103に出力する。また、2軸3相変換部213からのW相電圧を電圧最大値最小値検出部122に入力し、駆動電圧の1周期分のデータの最大値および最小値を検出し、そららの値を駆動電圧異常信号生成部123に出力する。駆動電圧異常信号生成部123では、最大値最小値を用いてオフセットずれと振幅ずれを算出し、オフセットずれの値が所定値以上の時、あるいは、振幅ずれの値が所定値以上の時には異常信号を故障検出部103に出力する。
【0072】
検出電流監視部124は、電流センサ207からのU相電流を電流最大値最小値検出部125に入力し、検出電流の1周期分のデータの最大値および最小値を検出し、それらの値を検出電流異常信号生成部127に出力する。検出電流異常信号生成部127では、最大値最小値を用いてオフセットずれと振幅ずれを算出し、オフセットずれの値が所定値以上の時、あるいは、振幅ずれの値が所定値以上の時には異常信号を故障検出部103に出力する。また、電流センサ206からのW相電流を電流最大値最小値検出部126に入力し、電流センサ206の1周期分のデータの最大値および最小値を検出し、それらの値を検出電流異常信号生成部127に出力する。検出電流異常信号生成部127では、最大値最小値を用いてオフセットずれと振幅ずれを算出し、オフセットずれの値が所定値以上の時、あるいは、振幅ずれの値が所定値以上の時には異常信号を故障検出部103に出力する。
【0073】
図14は、駆動電圧異常信号生成部123と検出電流異常信号生成部124での最大値・最小値からの電流センサ206,207のオフセットずれとゲインずれの検出の原理を示すグラフである。図14(a)は、オフセットずれでの電流、あるいは電圧の変化を示す。曲線C60はU相電流あるいは電圧であり、曲線C61はW相電流あるいは電圧である。横軸は電気角である、縦軸は振幅を示す。オフセットずれはU相電流あるいは電圧の最大値MAX10と最小値MIN10の中央値のゼロからのずれとして求められる。また、オフセットずれはW相電流あるいは電圧の最大値MAX11と最小値MIN11の中央値のゼロからのずれとして求められる。図14(b)は、ゲインずれでの電流、あるいは電圧の変化を示す。曲線C70はU相電流あるいは電圧であり、曲線C71はW相電流あるいは電圧である。横軸は電気角である、縦軸は振幅を示す。ゲインずれはU相電流あるいは電圧の最大値MAX20と最小値MIN20から求まる振幅のW相電圧あるいは電流の最大値MAX21と最小値MIN21から求まる振幅の差として求められる。
【0074】
故障検出部103は、駆動電圧異常信号生成部123または検出電流異常信号生成部127から異常信号が入力されたときは故障と判断し、故障信号、例えば1を故障表示部104に出力する。それにより、故障表示部104の発光ダイオードが点灯したとき、電流センサ206,207が故障と判断することができる。
【0075】
図15は、センサ故障検出のフローチャートである。舵角速度が5deg/s以上かどうか判断する(ステップS40)。舵角速度が5deg/sより小さいときは、リターンしステップS40を実行する。舵角速度が5deg/s以上のときは、電気角1周期分データ収集したかどうか判断する(ステップS41)。もし、1周期分のデータを収集していない場合は、継続してU相電圧Vuの最大値VuMAXと最小値VuMINを検出し(ステップS42)、W相電圧Vwの最大値VwMAXと最小値VwMINを検出し(ステップS43)、U相電流Iuの最大値IuMAXと最小値IuMINを検出し(ステップS44)、W相電流Iwの最大値IwMAXと最小値IwMINを検出する(ステップS45)。ステップS41で電気角1周期分データ収集したならば、U相電圧Vuの最大値VuMAXと最小値VuMINを確定し(ステップS46)、W相電圧Vwの最大値VwMAXと最小値VwMINを確定し(ステップS47)、U相電流Iuの最大値IuMAXと最小値IuMINを確定し(ステップS48)、W相電流Iwの最大値IwMAXと最小値IwMINを確定する(ステップS49)。次に、U相オフセットずれUoffset={(IuMAX+IuMIN)−(VuMAX+VuMIN)/R}/2を計算し(ステップS50)、W相オフセットずれWoffset={(IwMAX+IwMIN)−(VwMAX+VwMIN)/R}/2を計算し(ステップS51)、電圧ゲインずれVpperr={VuMAX−VuMIN)−(IwMAX−IwMIN)}/2を計算し(ステップS52)、電流ゲインずれIpperr={(IuMAX−IuMIN)−(IwMAX−IwMIN)}/2を計算し(ステップS53)、ゲインずれPperr=Vpp/R+Ipperrを計算し(ステップS54)、故障判定する(ステップS55)。
【0076】
このようにして確実に電流センサの故障を検知することができる。
【0077】
次に、本発明の第3の実施形態に係る電動パワーステアリング装置を説明する。第3の実施形態では、図1で示した電動パワーステアリング装置の制御装置22における駆動電圧監視部と検出電流監視部を後に述べるように変更した装置である。他の構成要素は同様なので説明を省略する。
【0078】
図16は第3の実施形態での駆動電圧監視部と検出電流監視部を示した図である。第3の実施形態での駆動電圧監視部は、第1の駆動電圧監視部130と第2の駆動電圧監視部131から成り、検出電流監視部は、第1の検出電流監視部132と第2の検出電流監視部133から成り、第1の駆動電圧監視部130は、いずれかの相の駆動電圧とモータの回転角度から他の相の電圧を推定する電圧推定部109,111と、他の相の駆動電圧と電圧推定部109,111により推定される推定電圧を比較して駆動電圧の異常信号を生成する第1の駆動電圧異常信号生成部112とから成り、第2の駆動電圧監視部131は、電流センサ206,207の配置されている各々の相の駆動電圧の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電圧最大値最小値検出部121,122と、電圧最大値最小値検出部121,122により検出された最大値および最小値から駆動電圧の異常信号を生成する第2の駆動電圧異常信号生成部123とから成り、第1の検出電流監視部132は、いずれかの相の検出電流とモータの回転角度から他の相の電流を推定する電流推定部114,116と、他の相の検出電流と電流推定部114,116により推定される推定電流を比較して検出電流の異常信号を生成する第1の検出電流異常信号生成部117とから成り、第2の検出電流監視部133は、電流センサ206,207により検出される各々の相の検出電流の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電流最大値最小値検出部125,126と、電流最大値最小値検出部125,126により検出された最大値および最小値から検出電流の異常信号を生成する第2の検出電流異常信号生成部127と、から成り、回転数に応じて第1の駆動電圧監視部130と第1の検出電流監視部132と、第2の駆動電圧監視部131と第2の検出電流監視部133とを切り換える切換部134,135を備えた。
【0079】
この構成において、第1の駆動電圧監視部130と第1の検出電流監視部132は、第1の実施形態での駆動電圧監視部101と検出電流監視部102の構成と同様であり、また、第2の駆動電圧監視部131と第2の検出電流監視部133は、第2の実施形態での駆動電圧監視部120と検出電流監視部124の構成と同様であるので符号を同じにして説明を省略し、切換部134,135について説明する。
【0080】
切換部134,135は、回転速度算出部208からの角速度信号ωを入力し、その角速度信号ωが所定の角速度(例えば、20deg/s)以下のときには、第1の駆動電圧監視部130と第1の検出電流監視部132に切り換え、第1の実施形態で説明したように故障検知を行う。また、所定の角速度より大きいときは、第2の駆動電圧監視部131と第2の検出電流監視部133に切り換え、第2の実施形態で説明したように故障検知を行う。
【0081】
これにより、第1の実施形態での故障検知では操舵速度が充分低い場合以外では位相ずれの影響により誤検出してしまい、第2の実施形態での回転していない場合などでの1周期分のデータが取得できないことによる検出できなくなってしまうということを解消できる。すなわち、モータの回転速度が低い場合(ハンドル上20deg/sec以下)には第1の駆動電圧監視部130と第1の検出電流監視部132により検出し、回転速度が高い場合(ハンドル上5deg/sec以上)には第2の駆動電圧監視部131と第2の検出電流監視部133により検出する。これにより、すべての回転速度において検出が可能となる。ハンドル上、5deg/sec〜20deg/secの間では、第1、第2両方で監視し、故障検出中に切り替えが起こり、故障検出の時間が長くなることを防止している。
【0082】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0083】
目標電流と実電流が一致するように電流制御が働き、目標電流と実電流が一致している場合においては、駆動電圧監視手段により検出される異常信号により故障が判定され、一方、検出トルクの脈動が無くなるように目標電流が設定され、モータを駆動する電圧に異常信号が現れない場合は、検出電流監視手段により検出される異常信号により故障が判定されるので、電動パワーステアリング装置における電動パワーステアリング装置制御の効き具合(不感帯かどうか、車速応動による制御の強弱)によらず、すべてのシチュエーションにおいて故障検出が可能となる。また、電流により検出される量と電圧により検出される量の単位を統一して合わせることにより、電流センサの故障量を推定することができ、センサの故障の程度に合わせたアクションをとることができる。
【0084】
また、検出電流監視手段を2相の検出電流から算出される信号を用いて構成していることにより、3個目の電流センサを用いずに済み、コスト高になることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図である。
【図2】電動パワーステアリング装置の機械的機構の要部と電気系の具体的構成を示す図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】図3におけるB−B線断面図である。
【図5】電流制御部のブロック構成図である。
【図6】電流センサが故障した場合の3相2軸変換前後の波形を示すグラフである。
【図7】電動パワーステアリング装置での制御を説明する模式図である。
【図8】電流センサの故障している分の駆動電圧に現れる割合と検出電流に現れる割合を示す図である。
【図9】モータの抵抗値の算出方法の手順を示す図である。
【図10】第1の実施形態での駆動電圧監視部と検出電流監視部のブロック構成図である。
【図11】第1の実施形態での電流センサ故障検出フローチャートである。
【図12】第1の実施形態での電流センサ故障量の検出を説明するグラフである。
【図13】第2の実施形態での駆動電圧監視部と検出電流監視部のブロック構成図である。
【図14】第2の実施形態での電流センサ故障量の検出を説明するグラフである。
【図15】第2の実施形態での電流センサ故障検出フローチャートである。
【図16】第3の実施形態での駆動電圧監視部と検出電流監視部のブロック構成図である。
【図17】従来の電動パワーステアリング装置の制御装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリング軸
18 動力伝達機構
19 ブラシレスモータ
20 操舵トルク検出部
20d 舵角センサ
22 制御装置
23 モータ回転角検出部(角度センサ)
100 電流制御部
101 駆動電圧監視部
102 検出電流監視部
103 故障検出部
104 故障表示部
206 電流センサ
207 電流センサ

Claims (4)

  1. 操舵トルクに基づき目標電流を決定する目標電流決定手段と、アシストトルクを発生する3相ブラシレスモータと、前記3相ブラシレスモータの3相のうち2相の電流を検出する電流センサと、前記2相の電流から残る1相の電流を算出する演算手段と、前記3相ブラシレスモータの回転角度を検出する角度センサと、前記回転角度と検出された電流と前記目標電流に基づきモータ電流制御信号を生成する電流制御手段と、前記3相ブラシレスモータの駆動電圧を監視する駆動電圧監視手段と、前記3相ブラシレスモータの検出駆動電流を監視する検出電流監視手段と、を備える電動パワーステアリング装置において、
    前記駆動電圧監視手段に入力される駆動電圧から第1故障検知電流を算出し、前記検出電流監視手段に入力される電流から第2故障検知電流を算出し、前記第1故障検知電流と前記第2故障検知電流との和により前記電流センサの故障を判定する故障検出手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記駆動電圧監視手段は、いずれかの相の駆動電圧とモータの回転角度から他の相の電圧を推定する電圧推定手段と、前記他の相の駆動電圧と前記電圧推定手段により推定される推定電圧を比較して駆動電圧の異常信号を生成する駆動電圧異常信号生成手段とから成り、
    前記検出電流監視手段は、いずれかの相の検出電流とモータの回転角度から他の相の電流を推定する電流推定手段と、前記他の相の検出電流と電流推定手段により推定される推定電流を比較して検出電流の異常信号を生成する検出電流異常信号生成手段とから成ることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記駆動電圧監視手段は、前記電流センサの配置されている各々の相の駆動電圧の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電圧最大値最小値検出手段と、前記電圧最大値最小値検出手段により検出された前記最大値および前記最小値から駆動電圧の異常信号を生成する駆動電圧異常信号生成手段とから成り、
    前記検出電流監視手段は、前記電流センサにより検出される各々の相の検出電流の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電流最大値最小値検出手段と、前記電流最大値最小値検出手段により検出された前記最大値および前記最小値から検出電流の異常信号を生成する検出電流異常信号生成手段と、から成ることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記駆動電圧監視手段は、第1の駆動電圧監視手段と第2の駆動電圧監視手段から成り、前記検出電流監視手段は、第1の検出電流監視手段と第2の検出電流監視手段から成り、
    前記第1の駆動電圧監視手段は、いずれかの相の駆動電圧とモータの回転角度から他の相の電圧を推定する電圧推定手段と、前記他の相の駆動電圧と前記電圧推定手段により推定される推定電圧を比較して駆動電圧の異常信号を生成する第1の駆動電圧異常信号生成手段とから成り、
    前記第2の駆動電圧監視手段は、前記電流センサの配置されている各々の相の駆動電圧の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電圧最大値最小値検出手段と、前記電圧最大値最小値検出手段により検出された前記最大値および前記最小値から駆動電圧の異常信号を生成する第2の駆動電圧異常信号生成手段とから成り、
    前記第1の検出電流監視手段は、いずれかの相の検出電流とモータの回転角度から他の相の電流を推定する電流推定手段と、前記他の相の検出電流と前記電流推定手段により推定される推定電流を比較して検出電流の異常信号を生成する第1の検出電流異常信号生成手段とから成り、
    前記第2の検出電流監視手段は、前記電流センサにより検出される各々の相の検出電流の1周期分のデータの最大値および最小値を検出する電流最大値最小値検出手段と、前記電流最大値最小値検出手段により検出された前記最大値および前記最小値から検出電流の異常信号を生成する第2の検出電流異常信号生成手段と、から成り、
    回転数に応じて前記第1の駆動電圧監視手段と前記第1の検出電流監視手段と、前記第2の駆動電圧監視手段と前記第2の検出電流監視手段とを切り換える切換手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
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