JP4504893B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータを用いて操舵力を補助する電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、モータ(3相ブラシレスモータ)で発生した補助トルクをステアリング系に伝達することにより、運転者の手動操舵トルクの軽減化を図っている。この補助トルクを発生させるときに、モータ電流の電流座標変換が行われ、2軸に変換された電流が目標電流に一致するように制御されている。
ところで、モータを制御する制御装置は、モータに流れる相電流を検出する電流検出手段を備え、この電流検出手段が出力する電流検出信号は温度ドリフト等により中点オフセットを発生する。
オフセットした電流検出信号を用いて電流座標変換処理を行った場合、変換された信号は本来の信号に対してリップルが重畳された信号となり、このリップルが重畳された信号を元にモータを駆動することで、モータが発生するトルクにリップルが生じてしまう。
このリップル(以下、「トルクリップル」という。)の発生を抑えるため、サーボモータを駆動する駆動指令が発せられる度に電流供給される前の状態の電流検出値をオフセット値として電流検出手段のオフセットを補正する技術が開示されている(特許文献1)。
また、ブラシレスモータのすべての相電流の消失が生じたとき、特に、デューティ50%の状態が所定時間持続した場合に、各相電流をオフセット値として電流検出手段のオフセットを補償する技術が開示されている(特許文献2)。
特開2000−78887号公報 (0012,0017) 特開2003−164192号公報 (請求項1,請求項3)
しかしながら、特許文献1の技術は、電流供給される前の状態の電流を検出し、特許文献2の技術は、すべての相電流の消失が生じたときの相電流をオフセット値としているので、双方の技術共に、モータに電流が流れていないときの電流検出値を電流検出手段の中点としてオフセットを補正している。
このため、モータに電流が流れて回転し続けるような場合は、中点補正を行うことができず、トルクリップルを抑制することができない。
そこで、本発明は、モータが回転し続けているような場合であってもトルクリップルを抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の電動パワーステアリング装置は、少なくとも操舵入力に基づいて、操舵補助力を与えるモータの目標電流を算出する目標電流算出手段と、前記モータに流れるモータ電流を検出するモータ電流検出手段と、前記目標電流と前記モータ電流との偏差を算出する偏差算出手段と、前記偏差に基づいて前記モータ電流を推定するモータ電流推定手段と、を備える電動パワーステアリング装置であって、前記推定された推定電流と前記検出された検出電流とを比較して、前記検出電流のオフセット方向を判別(判定)するオフセット方向判別手段と、前記オフセット方向が同一であると判別される場合が所定回数あるいは所定時間以上繰り返される場合に、前記モータ電流検出手段の出力信号のオフセット補正を行う電流オフセット補正手段と、を備えることを特徴とする。
モータ電流を推定した推定電流とモータ電流検出手段が検出した検出電流とを比較してモータ電流のオフセット方向を判定し、オフセット方向が同一であると判断される場合が所定回数以上あるいは所定時間以上繰り返される場合に、モータ電流検出手段の出力信号が予め定められた所定値で補正される。これにより、モータが駆動しているときでも、モータ電流検出手段のオフセット補正が行われ、トルクリップルが抑制される。
また、請求項2に係る発明によれば、前記推定電流あるいは前記検出電流が所定値以下であるときに前記補正を行うことを特徴とする。これによれば、所定値以下、特に、推定電流と検出電流とを瞬時値がゼロであるゼロクロス点で比較することができるので、誤差成分が少なくオフセット電流が精度よく検出され、補正の信頼性を高めることができる。
また、請求項3に係る発明によれば、前記モータの回転角を検出する回転角検出手段と、前記モータの回転角から前記モータ電流の電気角を算出する電気角算出手段と、を備え、前記モータの電気角が180°×n(nは0以上の整数)であるときにオフセット補正を行うことを特徴とする。これによれば、推定電流と検出電流とを瞬時値がゼロであるゼロクロス点で比較することができるので、誤差成分が少なくオフセット電流が精度よく検出され、補正の信頼性を高めることができる。
また、請求項4に係る発明によれば、前記推定電流と前記検出電流との大小関係が交互に入れ替わる事象が、設定回数繰り返された場合に前記オフセット補正の補正量を小さな値に変更することを特徴とする。これによれば、検出電流のオフセットが精度よく補正される。
また、請求項5に係る発明によれば、一定期間内に前記補正が設定回数以上行われた場合に、前記オフセット補正の補正量を大きくすることを特徴とする。これによれば、オフセット誤差が大きい場合に効率的にオフセット補正を行うことができる。
本発明によれば、モータが回転し続けているような場合であってもトルクリップルを抑制することができる。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である電動パワーステアリング装置について図を参照して説明する。
図1は、電動パワーステアリング装置1の全体構成図である。図1において、手動操舵力発生手段2は、ステアリングホイール3に一体的に設けられたステアリング軸4に、自在継ぎ手5a,5bを有する連結軸5を介してステアリング・ギアボックス6の内部にあるラック&ピニオン機構7のピニオン7aが連結して構成されている。
さらに、ピニオン7aにかみ合うラック歯7bと、これらのかみ合いにより往復運動するラック軸9とは、その両端にタイロッド10,10を介して転動輪としての左右の前輪W,Wに連結されて、操舵時にはラック&ピニオン式のステアリング系Sを介して左右の前輪W,Wを転動させて車両の方向が変えられるように構成されている。なお、ラック&ピニオン機構7には、ピニオン7aに噛み合うラック歯7bがラック軸9に形成され、ピニオン7aとラック歯7bの噛み合いにより、ピニオン7aの回転運動をラック軸9の横方向(車両幅方向)の往復運動に変換している。そして、ラック軸9には、その両端にタイロッド10,10を介して、操舵輪としての左右の前輪W,Wが連結されている。
また、電動パワーステアリング装置1は、補助操舵力(補助トルク)を発生させるために、電動機8がラック軸9と同軸上に配設されている。そして、電動パワーステアリング装置1は、電動機8の回転をラック軸9と同軸に設けられたボールねじ機構11を介して推力に変換し、この推力をラック軸9(ボールねじ軸11a)に作用させている。
手動操舵力発生手段2による操舵力を軽減するために補助操舵力を供給する電動機8を設け、操舵トルクに応じた補助トルクを制御手段20の制御によって発生させ、この補助トルクをラック軸9に伝達してステアリングホイール3の操舵力を軽減するように構成されている。ここで、電動機8には、3相ブラシレスモータが使用される。
すなわち、ステアリングホイール3から操舵輪である左右の前輪W,Wに至るステアリング系Sが備えられた手動操舵力発生手段2によって、操舵力がアシストされている。そのため、電動パワーステアリング装置1は、制御手段20が生成する電動機制御信号VOに基づいて、電動機駆動手段13が電動機8を駆動して補助トルク(補助操舵力)を発生させ、手動操舵力発生手段2による手動操舵力をアシストする。なお、本実施形態では、電動機8の駆動制御としてD軸(界磁電流軸)とQ軸(トルク軸)を制御するDQ制御を行っている。
モータ電流検出手段である電動機電流検出手段14は、電動機8の各巻線ごとに設けられた電流センサCTを用いて、電動機8の駆動電流IMを各巻線ごとに検出し、図示しないA/D変換器を介してデジタル信号に変換し、基本波電流を推定する。電流センサCTは、ホール素子が使用され、その出力にはオフセット電圧が発生し、電動機電流検出手段14に使用されている図示しないオペアンプもオフセット電圧を発生する。そして、電動機電流検出手段14は、駆動電流IMに対応した電動機電流信号IMOを制御手段20にフィードバック(負帰還)する。回転角検出手段15は、車軸に設けられた歯車の回転角θを磁気的に検出するものであり、回転角信号ANGLEを出力する。
制御手段20には、車速センサVSの車速信号V、操舵トルクセンサTSの操舵トルク信号T、電動機電流検出手段14の検出信号IMO、及び、回転角検出手段15の回転角信号ANGLEが入力される。ここで、電動機8の駆動電流IMを電流センサCT(Current Transformer)が検出し、電動機電流検出手段14に入力されている。さらに、制御手段20は、これらの信号V,T,IMOに基づいて電動機8の駆動電流の大きさ及び方向を決定し、電動機駆動手段13に電動機制御信号VOを出力している。なお、制御手段20は、各種演算や処理等を行うCPUなどで構成されている。
車速センサVSは、車速を単位時間当たりのパルス数として検出し、検出したパルス数に対応したアナログ電気信号を車速信号Vとして制御手段20に送信する。なお、車速センサVSは、電動パワーステアリング装置1の専用センサであってもよいし、他のシステムの車速センサを利用してもよい。
操舵トルクセンサTSは、ステアリング・ギアボックス6の内部に配設され、ドライバによる手動の操舵トルクの大きさ及び方向を検出する。そして、操舵トルクセンサTSは、検出した操舵トルクに対応したアナログ電気信号を操舵トルク信号Tとして制御手段20に送信する。なお、操舵トルク信号Tは、大きさを示す操舵トルクとトルクの向きを示すトルク方向との双方の情報を含む。
電動機駆動手段13は、電動機制御信号VOに基づいて電動機電圧VMを電動機8に印加して電動機8を駆動する。電動機駆動手段13は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号のデューティに応じて電動機駆動手段13内のプリドライブ回路及びFETブリッジを介して電動機8に駆動電流IMを通電してベクトル制御を行う。
次に、制御手段20及びその周辺構成を図2のブロック図を用いて詳細に説明する。制御手段20は、本実施形態の特徴構成である中点オフセット検出手段22、中点オフセット補正手段26及び電流推定手段24と、電流座標変換手段28と、目標電流算出手段30と、電流制御手段32と、駆動信号座標変換手段34と、を備えている。このような制御手段20は、2相回転磁束座標系(以下、DQ座標系という)で表わされるベクトル制御を電動機8に対して行っている。
また、周辺構成として、電動機8、電動機駆動手段13、及び、電流センサCTを有する電動機電流検出手段14を備えている。なお、制御手段20はCPUからの指令信号によって動作を行うが、この図ではCPUは図示されていない。
目標電流算出手段30は、操舵トルク信号T、及び車速信号Vから目標電流を求める。 電流制御手段32は、D軸,Q軸に座標変換された電動機8の電流信号を目標電流に対応するように制御する。すなわち、目標電流とQ軸電流との差分信号を偏差算出手段46が生成して、この差分信号をPI制御手段48がPI制御する。なお、D軸電流は、例えば、一定の目標電流値とD軸電流との差分である偏差に対してPI制御が行われる。
駆動信号座標変換手段34は、電流制御手段32により制御されたD軸電流,Q軸電流を電動機8のU相,V相,W相の各相電流に対応する各相の電動機制御信号VOに変換する。電動機駆動手段13は、電動機制御信号VOに対応するデューティ比の矩形波電圧を発生するPWM制御を行い、電動機8を駆動する。電気角算出手段36は、回転角検出手段15の回転角信号ANGLEを用いて電気角信号に変換するものであり、電動機8の極対数をpとすると、電気角信号はp×ANGLEとなる。言い替えれば、電気角は、p×機械角(回転角θ)である。
電流推定手段(モータ電流推定手段)24は、電動機駆動手段13の入力信号の基本波成分と、電動機8の界磁の角速度ωとを用いて、電動機8に流れる基本波電流を各相毎に推定する。電動機8の各相の印加電圧v,v,vは、相電流をi,i,i、回転による逆起電力をe,e,eとすれば、
Figure 0004504893
となる。ここで、θは電動機8の回転角、Rは巻線抵抗、Lは自己インダクタンス、Mは巻線間の相互インダクタンス、Pは微分演算子、Φは鎖交磁束である。なお、各巻線の巻線抵抗、自己インダクタンス、相互インダクタンスは、同一の値R,L,Mを有している。
また、
Figure 0004504893
より、U相の印加電圧vは、
Figure 0004504893
となる。よって、U相電流iは、
Figure 0004504893
となる。
中点オフセット検出手段22は、中点オフセットのオフセット方向を判別し、判別した方向と逆の所定電圧を出力する。言い換えれば、中点オフセット検出手段22は、オフセット方向判別手段として機能し、電流推定手段24によって推定された基本波電流と、電動機電流検出手段14が出力する基本波電流との差分である中点オフセットを出力する。中点オフセット補正手段(電流オフセット補正手段)26は、電動機電流検出手段14が検出する電流値から中点オフセットを各相毎に減算するものである。これにより、電動機電流検出手段14の出力信号が予め定められた所定値で補正される。また、制御装置20には、オフセットカウンタ40及びオフセット42を格納するメモリが内蔵されている。
電流座標変換手段28は、中点オフセット補正手段26を用いて補正された各相の電動機電流i,iをD軸電流i,Q軸電流iに3相2軸変換する。この変換は、電動機8の回転角θを用いて次式により行われる。なお、電動機電流i,iを用いても、電動機電流i,iを用いても同様である。
Figure 0004504893
電動機電流検出手段14の出力が温度ドリフト等によって中点オフセットδが発生し、例えば、v相電流ivが(iv+δ)となると、D軸電流i´、Q軸電流i´は、
Figure 0004504893
となる。この、
Figure 0004504893
の電流成分が回転角 θに依存し、一次のトルクリップルを生成する。
次に、図3のフローチャートを参照して本実施形態の電動パワーステアリング装置1の動作を説明する。
本ルーチンは、タイマ割り込みにより逐次繰り返して実行される。
S11においては、電動機8に流れる駆動電流を推定する電流推定が行われ、電流推定手段24として機能する。具体的には、電動機駆動手段13の入力信号と電動機8の界磁の角速度ωとから、(4)式を用いて各相の基本波電流が推定される。そして、S12においては、S11において推定された推定電流がゼロクロス点であるか否かが判定される。推定電流の瞬時値がゼロクロス点でなければ、「No」と判定され、本ルーチンが終了する。
一方、S12において、推定電流の瞬時値がゼロクロス点となったときには、「Yes」と判定され、処理はS13に進む。S13においては、検出電流の方が推定電流よりも大きいか否かが判定される。ここで、検出電流は、電動機電流検出手段14が検出した基本波電流である。横軸を電気角[deg]とし、縦軸を電流[A]として、推定電流IE及び検出電流IDを図4(a)に示す。推定電流IEは、電気角180°の整数倍の基準タイミングa,b,c,d,eでゼロクロスしている。これらの基準タイミングで検出電流IDの符号は、プラス方向であり、中点オフセットがプラス方向に発生している(図4(b))。したがって、S13はオフセット方向判別手段として機能する。
S13において、検出電流の方が推定電流よりも大きければ、「Yes」と判定され、処理はS14に進む。S14においては、検出電流が閾値Th1以上であるか否かが判定される。検出電流が閾値Th1以上であれば「Yes」と判定され、処理はS15に進み、オフセットカウンタ40をインクリメントする。そして、処理はS16に進む。また、S14において検出電流が閾値Th1以上でなければ、「No」と判定され、処理はS16に進む。
一方、S13において、検出電流が推定電流よりも大きくなければ、「No」と判定され、処理はS17に進む。S17においては、検出電流が閾値Th2以下であるか否かが判定される。言い換えれば、検出電流の絶対値が正の閾値以上であるか否かが判定される。検出電流が閾値Th2の負の電流値以下であれば、「Yes」と判定され、処理はS18に進み、オフセットカウンタ40がデクリメントされる。そして、処理はS16に進む。一方、S17において、検出電流が閾値Th2の負の電流値以下でなければ、「No」と判定され、処理はS16に進む。
S16においては、オフセットカウンタ40が正の閾値Th3以上であるか否かが判定される。オフセットカウンタ40が正の閾値Th3以上であれば、「Yes」と判定され、処理はS19に進む。S19においては、マイナス方向にオフセット42を補正し、S20において、オフセットカウンタ40をリセットし、本ルーチンが終了する。
一方、S16において、オフセットカウンタ40が正の閾値Th3以上でなければ、「No」と判定され、処理はS21に進む。S21においては、オフセットカウンタ40が負の閾値Th4以下であるか否かが判定される。オフセットカウンタ40が負の閾値Th4以下であれば、「Yes」と判定され、処理はS22に進む。S22においては、プラス方向にオフセット42を補正し、S23において、オフセットカウンタ40をリセットし、本ルーチンが終了する。なお、S19,S22は、中点オフセット補正手段26として機能している。一方、S21においてオフセットカウンタ40が負の閾値Th4以下でなければ、「No」と判定され、本ルーチンは終了する。オフセット方向が同一であると判断される場合が所定回数以上繰り返される場合に、モータ電流検出手段の出力信号が予め定められた所定値で補正される。
以上説明したように、本実施形態によれば、推定された電動機8の駆動電流と検出電流とを比較してオフセット方向を判定しているので、電動機8が駆動しているときでも、電流センサCTのオフセット補正を行うことができる。これにより、電動機8が駆動し続けているときでも、トルクリップルの発生が抑制される。特に、駆動電流のゼロクロス点での検出電流を検出することにより、ノイズ、温度特性成分の影響が少なくなり、補正の信頼性を高めることができる。また、検出電流のオフセット方向が同一である場合が繰り返される定常的なオフセットであるときに、オフセット補正が行われる。また、オフセット量を検出する回路が不要であるので、簡易な構成で補正を行うことが可能である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態である電動パワーステアリング装置について説明する。
図1の全体構成図及び図2のブロック図については同様であるので構成の説明を省略し、図5のフローチャートを参照して動作を説明する。
S31においては、電動機8に流れる各相の基本波電流を推定する電流推定が行われる。S32においては、推定電流の瞬時値がゼロクロス点を通過したか否かが判定される。瞬時値がゼロクロス点を通過していなければ、「No」と判定され、本ルーチンが終了する。
一方、S32において、推定電流がゼロクロス点を通過したときには、「Yes」と判定され、処理はS34に進み、検出電流が閾値Th1以上であるか否かが判定される。言い換えれば、検出電流とゼロである推定電流との差が閾値Th1以上であるか否かが判定される。検出電流が閾値Th1以上であれば「Yes」と判定され、処理はS35に進み、オフセットカウンタ40をインクリメントする。そして、処理はS36に進む。一方、S34において検出電流が閾値以上でなければ、「No」と判定され、処理はS37に進み、検出電流が閾値Th2以下であるか否かが判定される。検出電流が閾値Th2の負の電流以下であれば、「Yes」と判定され、処理はS38に進み、オフセットカウンタ40がデクリメントされ、処理はS36に進む。なお、S36乃至S43の動作は、図3のS16乃至S23の動作と同様であるので説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態によれば、S34において、検出電流とゼロである推定電流との差が閾値Th1以上であるか否かを判定しているので、検出電流と推定電流とを比較した後に、検出電流が閾値以上であるか否かを判定する第1実施形態よりも、フローが簡単である。
(第3実施形態)
前記各実施形態は、オフセット42の補正量を一定にしていたが、補正量を徐々に変更させることができる。
図6(a)は、2LSB(Least Significant Byte)の中点オフセットを0.6LSB以内に補正するために、1.4LSBの補正量を得る方法を示した図である。また、この図はA/D分解能の1倍の補正量と他の補正量とを組み合わせた場合の補正の必要回数を示している。
A/D分解能の1倍である1LSBの補正量であれば2回の補正が必要であり、2.5倍である0.4LSBの補正量と1LSBの補正量であれば2回の補正が必要であり、5倍である0.2LSBと1LSBの補正量であれば、1LSBの補正が1回、0.2LSBの補正が2回の計3回の補正が必要であり、10倍である0.1LSBと1LSBとの補正であれば、1LSBの補正が1回、0.1LSBの補正が4回の計5回の補正が必要である。すなわち、複数回の補正でA/D分解能よりも小さな値の補正量を得ることができる。
これに対して、分解能(補正量)を固定した場合には、図6(b)に示すように、A/D分解能の1倍である1LSBの補正量であれば2回の補正が必要であり、2.5倍である0.4LSBの補正量であれば4回の補正が必要であり、5倍である0.2LSBの補正量であれば7回の補正が必要であり、10倍である0.1LSBの補正量であれば14回の補正が必要である。
すなわち、通常行われる固定分解能とした場合、1倍以外の補正量では3回で補正しきれないが、他の補正量を組み合わせることにより2回の補正で必要な補正量が得られることになる。言い換えれば、0.4LSB、0.2LSBの補正量を使い、少ない回数で補正を行うには複数の補正量を組み合わせる必要がある。
また、図7(a)は、補正量を小さく設定する場合の補正値を示す図である。実際のオフセット量が補正量よりも小さい場合には、オフセット方向の反転が交互に繰り返されるが、このオフセット方向の反転が所定回数繰り返された場合には、補正量を小さな値に設定することで、検出電流が推定電流に近い値に近似する。図7(b)は、補正量が実際のオフセットよりも小さい場合の例を示している。初期状態では何度も一方向の補正を繰り返す必要があり、この補正が所定回数繰り返された場合には補正量を大きくすることで速く、効率的に推定電流まで到達することができる。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記第1実施形態は、推定された駆動電流がゼロクロス点を通過したときの検出電流を用いてオフセット方向を判定したが、ゼロクロス点以外の領域、例えば、電気角で90°の点でも推定された駆動電流と検出電流とを比較してオフセット方向を判定することができる。
(2)前記第1実施形態は、オフセット方向が同一であると判断される場合が1回あるいはN回以上繰り返される場合に、オフセットを補正したが、オフセット方向が同一であると判断される場合が所定時間以上繰り返された場合に補正するようにしてもよい。
(3)前記各実施形態は、S12において、推定電流がゼロクロス点であるか否かを判定したが、検出電流がゼロクロス点を通過したか否かを判定するようにしても良い。
(4)本発明は、ステアリング系Sにおけるステアリングホイールと前輪(転蛇輪)とが機械的に切り離されたステアバイワイヤ(Steer_By_Wire)である電動パワーステアリング装置にも適用可能である。
本発明の一実施形態の電動パワーステアリング装置の全体構成図である。 制御手段及びその周辺構成のブロック図である。 第1実施形態のフローチャートである。 推定電流と検出電流との関係を示す図である。 第2実施形態のフローチャートである。 補正回数を比較する図である。 補正量を小さくする場合と補正量を大きくする場合との補正値を示す図である。
符号の説明
1 電動パワーステアリング装置
8 電動機(モータ)
13 電動機駆動手段
14 電動機電流検出手段(モータ電流検出手段)
15 回転角検出手段
20 制御手段
22 中点オフセット検出手段(オフセット方向判別手段)
24 電流推定手段(モータ電流推定手段)
26 中点オフセット補正手段(電流オフセット補正手段)
28 電流座標変換手段
30 目標電流算出手段
32 電流制御手段
34 駆動信号座標変換手段
36 電気角算出手段
40 オフセットカウンタ
42 オフセット
46 偏差算出手段
CT 電流センサ

Claims (5)

  1. 少なくとも操舵入力に基づいて、操舵補助力を与えるモータの目標電流を算出する目標電流算出手段と、
    前記モータに流れるモータ電流を検出するモータ電流検出手段と、
    前記目標電流と前記モータ電流との偏差を算出する偏差算出手段と、
    前記偏差に基づいて前記モータ電流を推定するモータ電流推定手段と、
    を備える電動パワーステアリング装置であって、
    前記推定された推定電流と前記検出された検出電流とを比較して、前記検出電流のオフセット方向を判別するオフセット方向判別手段と、
    前記オフセット方向が同一であると判別される場合が所定回数あるいは所定時間以上繰り返される場合に、前記モータ電流検出手段の出力信号のオフセット補正を行う電流オフセット補正手段と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記推定電流あるいは前記検出電流が所定値以下であるときに前記オフセット補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記モータの回転角を検出する回転角検出手段と、
    前記モータの回転角から前記モータ電流の電気角を算出する電気角算出手段と、
    を備え、
    前記モータ電流の電気角が180°×n(nは0以上の整数)であるときに前記オフセット補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記推定電流と前記検出電流との大小関係が交互に入れ替わる事象が、設定回数繰り返された場合に前記オフセット補正の補正量を小さな値に変更することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 所定期間内に前記補正が設定回数以上行われた場合に、前記オフセット補正の補正量を大きくすることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
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