JP4133412B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動パワーステアリング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ステアリングハンドルの操舵力を軽減して快適な操舵感を与えるために、電動パワーステアリング装置が多用され、大型車両にも採用されるようになってきた。しかしながら、大型車両に電動パワーステアリング装置を採用した場合には、電動モータによる補助トルクが増大する。このため、大型の電動モータが必要になる。大型電動モータを車両の狭いスペースに配置するには限界がある。しかも、大容量のモータ駆動回路を用いる必要があるので、コストアップの要因となる。
このような点を改良する技術として、1個の大型電動モータを2個の小型電動モータに変更した、電動パワーステアリング装置が開発されてきた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−155343号公報(第2−3頁、図1)
【0004】
特許文献1による従来の電動パワーステアリング装置の概要を、次の図10及び図11で説明する。
図10は従来の電動パワーステアリング装置の概要図であり、特開平5−155343号公報の図1の要部を再掲する。なお、符号は振り直した。
【0005】
従来の電動パワーステアリング装置200は、ステアリングハンドル201の操舵トルクをピニオンギヤ202を介してラック軸203に伝達するとともに、操舵トルクセンサ204で検出した操舵トルクに応じてコントロール装置205が2個の補助モータ206,207を駆動制御し、第1・第2補助モータ206,207が操舵トルクに応じた補助トルクを発生し、これらの補助トルクをそれぞれ第1・第2ラックアンドピニオン機構(ピニオンギヤ)208,209を介してラック軸203に伝達することで、ラック軸203によって左右の車輪211,211を操舵するというものである。212は車速センサである。
【0006】
当然のことながら、第1ラックアンドピニオン機構208は、第1補助モータ206の補助トルクを伝える第1ピニオン軸221に設けたピニオンと、ラック軸203に設けたラックと、の組合わせ構造からなる。また、第2ラックアンドピニオン機構209は、第2補助モータ207の補助トルクを伝える第2ピニオン軸222に設けたピニオンと、ラック軸203に設けたラックと、の組合わせ構造からなる。
【0007】
一般に、このような電動パワーステアリング装置200は、ラック軸203、第1・第2ラックアンドピニオン機構208,209並びに第1・第2ピニオン軸221,222をハウジング230に収納し、このハウジング230を車体に取付けることで、車体に装備することになる。この構成を図11に示す。
【0008】
図11は従来の電動パワーステアリング装置の要部模式図であり、上記図10に概ね対応させて表した。この図において、B21は理論上(設計上)の第1ピニオン軸221の中心、すなわち第1基準線であり、B22は理論上の第2ピニオン軸222の中心、すなわち第2基準線である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実際には図11に示すようにラック軸203、第1・第2ピニオン軸221,222、第1・第2ラックアンドピニオン機構208,209並びにハウジング230の加工精度や組立精度があるので、実際の第1・第2ピニオン軸221,222の中心C21,C22の両方を第1・第2基準線B21,B22に完全に合致させることは難しい。合致していないと、第1・第2ラックアンドピニオン機構208,209の噛合わせが最適な状態にはならない。噛合い状態をより良好にするために、単に精度を高めるのでは、管理工数が大幅に増大するので得策ではなく、更なる改良が求められている。
【0010】
そこで本発明の目的は、2個の電動モータを備えた電動パワーステアリング装置において、管理工数を抑制しつつ、2つのピニオン軸を理論上のピニオン軸中心に容易に合致させて、各ラックアンドピニオン機構の噛合い状態をより良好にすることができる技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、操舵車輪を連結したラック軸と、このラック軸に第1ラックアンドピニオン機構を介して連結した第1ピニオン軸と、この第1ピニオン軸に補助トルクを付加するべく連結した第1電動モータと、ラック軸に第2ラックアンドピニオン機構を介して連結した第2ピニオン軸と、この第2ピニオン軸に補助トルクを付加するべく連結した第2電動モータと、ラック軸、第1・第2ラックアンドピニオン機構並びに第1・第2ピニオン軸を収納するハウジングとを備えた電動パワーステアリング装置であって、
ハウジングを、ラック軸の長手方向に2分割した2分割ハウジングとし、この2分割ハウジングを、第1ラックアンドピニオン機構並びに第1ピニオン軸を収納する側の第1ハウジング部と、第2ラックアンドピニオン機構並びに第2ピニオン軸を収納する側の第2ハウジング部とで構成し、これらの第1ハウジング部と第2ハウジング部とを、ラック軸回りに相対的に角度調整可能に結合したことを特徴とする。
【0012】
第1ハウジング部と第2ハウジング部とを、ラック軸回りに相対的に角度調整可能に結合するようにしたので、理論上のピニオン軸中心に対して、実際の第1・第2ピニオン軸の中心の一方又は両方が偏位している場合であっても、ラック軸回りに第1ハウジング部と第2ハウジング部とを相対的に回すことによって、相対的に角度調整をすることができる。
【0013】
この結果、第1・第2のピニオン軸を理論上のピニオン軸中心に容易に合致させて、第1・第2ラックアンドピニオン機構の噛合い状態を、より良好にすることができる。従って、各ラックアンドピニオン機構の噛合い状態を高めるために、第1・第2ピニオン軸、第1・第2ラックアンドピニオン機構並びにハウジングの加工精度や組立精度を大幅に高める必要はない。
【0014】
このように、加工工数や管理工数を抑制しつつ、2つのピニオン軸を理論上のピニオン軸中心に容易に合致させて、各ラックアンドピニオン機構の噛合い状態をより良好にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る電動パワーステアリング装置の模式図である。電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングハンドル21から操舵車輪29,29に至るステアリング系20と、このステアリング系20に補助トルクを加える補助トルク機構30とからなる。この電動パワーステアリング装置10は、ラック軸26の両端から操舵トルクを取り出すようにしたエンドテイクオフ型操舵装置である。
【0016】
ステアリング系20は、ステアリングハンドル21にステアリング軸22及び自在軸継手23,23を介して第1ピニオン軸24を連結し、第1ピニオン軸24に第1ラックアンドピニオン機構25を介してラック軸26を連結し、ラック軸26の両端に左右のタイロッド27,27及びナックル28,28を介して左右の操舵車輪29,29を連結したものである。
第1ラックアンドピニオン機構25は、第1ピニオン軸24に形成したピニオン25aと、ラック軸26に形成したラック25bとからなる。
【0017】
運転者がステアリングハンドル21を操舵することで、その操舵トルクにより第1ラックアンドピニオン機構25、ラック軸26及び左右のタイロッド27,27を介して、左右の操舵車輪29,29を操舵することができる。
【0018】
補助トルク機構30は、ステアリングハンドル21に加えたステアリング系20の操舵トルクを操舵トルクセンサ31で検出し、この検出信号に基づき制御部32でモータ制御信号を発生し、このモータ制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルク(動力)を第1電動モータ41並びに第2電動モータ51で発生し、これら第1・第2電動モータ41,51の補助トルクを操舵車輪29,29へ伝達するようにしたものである。
【0019】
詳しく説明すると、補助トルク機構30は、操舵トルクセンサ31と制御部32と第1補助トルク機構40と第2補助トルク機構50とからなる。操舵トルクセンサ31は磁歪式トルクセンサである。
【0020】
第1補助トルク機構40は、第1電動モータ41と、第1電動モータ41の補助トルクを第1ピニオン軸24に伝達するトルク伝達部材としての第1ウォームギヤ機構42とからなる。
第1ウォームギヤ機構42は、第1ウォーム軸43に形成した第1ウォーム44と、第1ピニオン軸24に結合した第1ウォームホイール45と、を噛合わせた倍力機構である。第1電動モータ41のモータ軸41aにカップリング46を介して第1ウォーム軸43を連結するようにした。
【0021】
第2補助トルク機構50は、第2電動モータ51を第2ウォームギヤ機構52、第2ピニオン軸57、及び、第2ラックアンドピニオン機構58を介してラック軸26に連結したものである。第2ラックアンドピニオン機構58は、第2ピニオン軸57に形成したピニオン58aと、ラック軸26に形成したラック58bとからなる。
【0022】
第2ウォームギヤ機構52は、第2ウォーム軸53に形成した第2ウォーム54と、第2ピニオン軸57に結合した第2ウォームホイール55と、を噛合わせた倍力機構である。第2電動モータ51のモータ軸51aにカップリング56を介して第2ウォーム軸53を連結するようにした。
【0023】
第1電動モータ41の補助トルクを、カップリング46、第1ウォームギヤ機構42、第1ピニオン軸24及び第1ラックアンドピニオン機構25を介して、ラック軸26に伝達することができる。また、第2電動モータ51の補助トルクを、カップリング56、第2ウォームギヤ機構52、第2ピニオン軸57及び第2ラックアンドピニオン機構58を介して、ラック軸26に伝達することができる。
運転者の操舵トルクに第1・第2電動モータ41,51の補助トルクを加えた複合トルクにより、ラック軸26で操舵車輪29,29を操舵することができる。
【0024】
このように、第1電動モータ41の補助トルクを第1ピニオン軸24を介してラック軸26に付加するとともに、第2電動モータ51の補助トルクを第2ピニオン軸57を介してラック軸26に付加するようにしたので、第1電動モータ41の取付け位置と第2電動モータ51の取付け位置とを分散させることができる。従って、第1・第2電動モータ41,51の配置の自由度が増す。第1・第2電動モータ41,51を、車両のスペースに合わせて比較的自由に配置できるので、第1・第2電動モータ41,51の配置スペースを容易に確保できるとともに、電動パワーステアリング装置10を、より小型にすることができる。
【0025】
以上を要約すると、電動パワーステアリング装置10は、操舵車輪29,29を連結したラック軸26と、このラック軸26に第1ラックアンドピニオン機構25を介して連結した第1ピニオン軸24と、この第1ピニオン軸24に補助トルクを付加するべく連結した第1電動モータ41と、ラック軸26に第2ラックアンドピニオン機構58を介して連結した第2ピニオン軸57と、この第2ピニオン軸57に補助トルクを付加するべく連結した第2電動モータ51と、ラック軸26、第1・第2ラックアンドピニオン機構25,58、第1・第2ピニオン軸24,57並びに第1・第2ウォームギヤ機構42,52を収納する細長いハウジング61とを備える。
【0026】
なお、第1ラックアンドピニオン機構25のピニオン25aとラック25b、並びに、第2ラックアンドピニオン機構58のピニオン58aとラック58bは、「はすば歯車(ヘリカルギヤ)」である。すなわち、ピニオン25a,58aは「はすばピニオン」であり、ラック25b,58bは「はすばラック」である。「はすば歯車」とは、基準ピッチ面となる円筒の周面と歯面との交線である、歯すじが、所定のねじれ角を有したつる巻線である、円筒歯車を言う。
【0027】
図2は本発明に係る電動パワーステアリング装置を正面から見た断面図であり、左端部及び右端部を断面して表した。この図は、電動パワーステアリング装置10のラック軸26を、車幅方向(図左右方向)に延びるハウジング61に軸方向へスライド可能に収容したことを示す。ハウジング61は、図示せぬ車体に取付ける取付部62を備える。図中、63,63はボールジョイント、64,64はダストシール用ブーツである。
【0028】
ハウジング61は、ラック軸26の長手方向(図左右方向)に2分割した2分割ハウジングであり、この2分割ハウジング61は、第1ハウジング部110と第2ハウジング部120とからなる。
第1ハウジング部110は、第1ラックアンドピニオン機構25、第1ピニオン軸24並びに第1ウォームギヤ機構42を収納する側(図右側)の、ハウジング半体である。第2ハウジング部120は、第2ラックアンドピニオン機構58、第2ピニオン軸57並びに第2ウォームギヤ機構52を収納する側(図左側)の、ハウジング半体である。
【0029】
より詳しくは、第1ハウジング部110は、ラック軸26を車幅方向へスライド可能に収納するための管状のラック収納部111に、他の部材24,25,42を収納するギヤ収納部112を一体に形成した一体成形品である。
同様に、第2ハウジング部120も、ラック軸26を車幅方向へスライド可能に収納するための管状のラック収納部121に、他の部材52,57,58を収納するギヤ収納部122を一体に形成した一体成形品である。
【0030】
図3は図2の3−3線断面図であり、第1ラックアンドピニオン機構25、操舵トルクセンサ31及び第1ウォームギヤ機構42周りの縦断面構造を示す。
上述のように、第1ハウジング部110のギヤ収納部112は、第1ピニオン軸24、第1ラックアンドピニオン機構25、操舵トルクセンサ31、第1ウォームギヤ機構42を収納するとともに、上部開口をリッド65で塞いだものである。
このようなギヤ収納部112は、第1ピニオン軸24の上端部、長手中央部及び下端部を、上下3個の軸受66〜68を介して回転可能に支承することで、縦置きにセットしたものであり、ラックガイド70Aを備える。
【0031】
ラックガイド70Aは、ラック軸26のうちラック25bを有する面の背面を押出す押圧手段であって、ラック25bと反対側からラック軸26に当てるガイド部71と、このガイド部71を圧縮ばね72を介して押す調整ボルト73とからなる。
【0032】
このようなラックガイド70Aによれば、第1ハウジング部110にねじ込んだ調整ボルト73で、圧縮ばね72を介してガイド部71を適切な押圧力で押すことにより、ガイド部71でラック25bに予圧を与えて、ラック25bをピニオン25aに押し付けることができる。図中、69はオイルシール、74はラック軸26の背面を滑らせる当て部材、75はロックナットである。
【0033】
図4は図3の4−4線断面図であり、第1ピニオン軸24と第1電動モータ41と第1ウォームギヤ機構42との関係を示す。第1電動モータ41は、モータ軸41aを横向きにしてギヤ収納部112に取付け、ギヤ収納部112内にモータ軸41aを延したものである。
【0034】
この図は、水平に延びる第1ウォーム軸43の両端部を軸受81,82並びに中空偏心スリーブ83を介して、ギヤ収納部112にて回転可能に支承したことを示す。84,85はナットである。偏心スリーブ83を回転させるだけで、第1ウォームホイール45に対する第1ウォーム44のバックラッシを容易に調整することができる。
【0035】
図5は図2の5−5線断面図であり、第2ウォームギヤ機構52及び第2ラックアンドピニオン機構58周りの縦断面構造を示す。
上述のように、第2ハウジング部120のギヤ収納部122は、第2ウォームギヤ機構52、第2ピニオン軸57及び第2ラックアンドピニオン機構58を収納するとともに、上部開口をリッド91で塞いだものである。
このようなギヤ収納部122は、第2ピニオン軸57の上端部、長手中央部及び下端部を、上下3個の軸受92〜94を介して回転可能に支承することで、縦置きにセットしたものであり、ラックガイド70Bを備える。
【0036】
ラックガイド70Bは、上記図3に示すラックガイド70Aと同じ構成であり、ラック軸26のうちラック58bを有する面の背面を押出す押圧手段であって、ガイド部71、圧縮ばね72、調整ボルト73、当て部材74、ロックナット75からなる。
【0037】
図6は図5の6−6線断面図であり、第2電動モータ51と第2ウォームギヤ機構52と第2ピニオン軸57との関係を示す。第2電動モータ51は、モータ軸51aを横向きにしてギヤ収納部122に取付け、ギヤ収納部122内にモータ軸51aを延したものである。
【0038】
この図は、水平に延びる第2ウォーム軸53の両端部を軸受95,96並びに中空偏心スリーブ97を介して、ギヤ収納部122にて回転可能に支承したことを示す。偏心スリーブ97を回転させるだけで、第2ウォームホイール55に対する第2ウォーム55のバックラッシを容易に調整することができる。98,99はナットである。
【0039】
図7は本発明に係るハウジングの断面図であり、第1ハウジング部110と第2ハウジング部120とを結合した構成を示す。
第1ハウジング部110は、ラック収納部111における長手方向の一端に形成した第1フランジ113を備える。第2ハウジング部120も、ラック収納部111における長手方向の一端に形成した第2フランジ123を備える。これらの第1・第2フランジ113,123同士を複数のボルト131・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)にて取外し可能に結合することにより、一体化したハウジング61とすることができる。
【0040】
さらには、第1・第2フランジ113,123のうち、一方のフランジ面114に嵌合凸部115を形成するとともに、他方のフランジ面124に嵌合凹部125を形成することができる。嵌合凸部115に嵌合凹部125を嵌合することで、ハウジング61の中心HC上に第1ハウジング部110と第2ハウジング部120とを正確に配列して一体化することができる。
【0041】
図8は本発明に係る第1・第2ハウジング部の結合部分の分解図であり、第1ハウジング部110と第2ハウジング部120とを、ハウジング61の中心HCを回転中心として、相対的に角度調整可能に結合できることを示す。
すなわち、第1ハウジング部110と第2ハウジング部120とを、中心HCを回転中心として、第1・第2ハウジング部110,120の周方向に相対的に角度を調整することができる。
【0042】
詳しくは、第1フランジ113は、フランジ面114に複数の長孔116・・・を有する。第2フランジ123は、フランジ面124に複数のねじ孔126・・・を有する。複数の長孔116・・・並びに複数のねじ孔126・・・は、ハウジング61の中心HCと同心のピッチ円PC上に、等間隔で配列したものである。
【0043】
さらに複数の長孔116・・・は、ハウジング61の中心HCを円弧中心とした円弧状の長孔である。複数の長孔116・・・並びに複数のねじ孔126・・・にボルト131・・・を通して、ねじ込むことにより、第1・第2フランジ113,123を結合することができる。
さらには、ボルト131・・・を緩め、第1ハウジング部110と第2ハウジング部120とを、中心HCを回転中心として相対的に回すことにより、長孔116・・・の範囲内で相対的に角度調整をすることができる。
なお、複数の長孔116・・・と複数のねじ孔126・・・とは、第1・第2フランジ113,123に逆に配置してもよい。
【0044】
図9(a)〜(c)は本発明に係る電動パワーステアリング装置の作用図であり、(a)は全体構成を示し、(b)は(a)のb−b線断面構成を示し、(c)は(a)のc−c線断面構成を示す。
(a)は、第1ハウジング部110に第1ピニオン軸24及び第1ラックアンドピニオン機構25を組付け、第2ハウジング部120に第2ピニオン軸57及び第2ラックアンドピニオン機構58を組付けた状態を示す。
【0045】
B11は、理論上(設計上)の第1ピニオン軸24の中心、すなわち第1基準線である。B12は、理論上の第2ピニオン軸57の中心、すなわち第2基準線である。C11は、組付け状態における実際の第1ピニオン軸24の中心である。C12も、実際の第2ピニオン軸57の中心である。
【0046】
実際には、第1・第2ピニオン軸24,57、第1・第2ラックアンドピニオン機構25,58並びにハウジング61の加工精度や組立精度がある。このため、実際の第1・第2ピニオン軸24,57の中心C11,C12が、第1・第2基準線B11,B12に完全に合致しているとは限らない。
【0047】
例えば、第1基準線B11に対して実際の第1ピニオン軸24の中心C11が合致しているものの、第2基準線B12に対して実際の第2ピニオン軸57の中心C12が図時計回りRc方向に、角度θだけ偏位している(すなわち、位相がずれている)と、仮定する。第2ラックアンドピニオン機構58の噛合い状態は、(c)に示すように良好ではない。
【0048】
これを調整するには、ボルト131・・・を緩め、第1ハウジング部110に対して第2ハウジング部120を、中心HCを回転中心として図反時計回りTuに相対的に角度θだけ回す。すなわち位相を変える。この結果、第2基準線B12に対して実際の第2ピニオン軸57の中心C12を合致させることができる。その後、再びボルト131・・・を締める。
【0049】
以上の説明をまとめると、図7〜図9に示すように電動パワーステアリング装置10は、第1ハウジング部110と第2ハウジング部120とを、ラック軸26回り(つまり、ハウジング61の中心HC回り)に、相対的に角度調整可能に結合するようにしたので、第1・第2基準線B11,B12に対して、実際の第1・第2ピニオン軸24,57の中心C11,C12の一方又は両方が偏位している場合に、ラック軸26回りに第1ハウジング部110と第2ハウジング部120とを相対的に回して、角度調整することができる。
【0050】
この結果、第1・第2ピニオン軸24,57を理論上の位置である第1・第2基準線B11,B12に容易に合致させて、第1・第2ラックアンドピニオン機構25,58の噛合い状態を、より良好にすることができる。
従って、各ラックアンドピニオン機構25,58の噛合い状態を高めるために、第1・第2ピニオン軸24,57、第1・第2ラックアンドピニオン機構25,58並びにハウジング61の加工精度や組立精度を大幅に高める必要はない。
【0051】
このように、加工工数や管理工数を抑制しつつ、2つのピニオン軸24,57を理論上のピニオン軸中心B11,B12に容易に合致させて、各ラックアンドピニオン機構25,58の噛合い状態をより良好にすることができる。
【0052】
なお、上記本発明の実施の形態において、電動パワーステアリング装置10は、第1ピニオン軸24を自在軸継手23,23でステアリング軸22に直接連結することなく、分離、独立させた構成であってもよい。その場合には、ステアリング軸22に作用した操舵トルクを操舵トルクセンサ31で検出し、その検出信号に基づいて別個の動力源(例えば電動モータ)が操舵トルク分のトルクを発生し、そのトルクを第1ピニオン軸24に伝達するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、第1ハウジング部と第2ハウジング部とを、ラック軸回りに相対的に角度調整可能に結合するようにしたので、理論上のピニオン軸中心に対して、実際の第1・第2ピニオン軸の中心の一方又は両方が偏位している場合であっても、ラック軸回りに第1ハウジング部と第2ハウジング部とを相対的に回すことによって、相対的に角度調整をすることができる。
【0054】
この結果、第1・第2のピニオン軸を理論上のピニオン軸中心に容易に合致させて、第1・第2ラックアンドピニオン機構の噛合い状態を、より良好にすることができる。従って、各ラックアンドピニオン機構の噛合い状態を高めるために、第1・第2ピニオン軸、第1・第2ラックアンドピニオン機構並びにハウジングの加工精度や組立精度を大幅に高める必要はない。
【0055】
このように、加工工数や管理工数を抑制しつつ、2つのピニオン軸を理論上のピニオン軸中心に容易に合致させて、各ラックアンドピニオン機構の噛合い状態をより良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の模式図
【図2】本発明に係る電動パワーステアリング装置を正面から見た断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】図5の6−6線断面図
【図7】本発明に係るハウジングの断面図
【図8】本発明に係る第1・第2ハウジング部の結合部分の分解図
【図9】本発明に係る電動パワーステアリング装置の作用図
【図10】従来の電動パワーステアリング装置の概要図
【図11】従来の電動パワーステアリング装置の要部模式図
【符号の説明】
10…電動パワーステアリング装置、21…ステアリングハンドル、24…第1ピニオン軸、25…第1ラックアンドピニオン機構、25a…ピニオン、25b…ラック、26…ラック軸、29…操舵車輪、41…第1電動モータ、51…第2電動モータ、57…第2ピニオン軸、58…第2ラックアンドピニオン機構、58a…ピニオン、58b…ラック、61…ハウジング、110…第1ハウジング部、113…第1フランジ、120…第2ハウジング部、123…第2フランジ、HC…ハウジングの中心。

Claims (1)

  1. 操舵車輪を連結したラック軸と、このラック軸に第1ラックアンドピニオン機構を介して連結した第1ピニオン軸と、この第1ピニオン軸に補助トルクを付加するべく連結した第1電動モータと、前記ラック軸に第2ラックアンドピニオン機構を介して連結した第2ピニオン軸と、この第2ピニオン軸に補助トルクを付加するべく連結した第2電動モータと、前記ラック軸、前記第1・第2ラックアンドピニオン機構並びに前記第1・第2ピニオン軸を収納するハウジングとを備えた電動パワーステアリング装置であって、
    前記ハウジングは、前記ラック軸の長手方向に2分割した2分割ハウジングであり、この2分割ハウジングは、前記第1ラックアンドピニオン機構並びに前記第1ピニオン軸を収納する側の第1ハウジング部と、前記第2ラックアンドピニオン機構並びに前記第2ピニオン軸を収納する側の第2ハウジング部とからなり、これらの第1ハウジング部と第2ハウジング部とは、前記ラック軸回りに相対的に角度調整可能に結合したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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