JP4133287B2 - 肘掛け - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、事務用机等に付随して用いられる椅子の肘掛けに関する。
【0002】
【従来の技術】
事務用机等に付随して用いられる椅子の肘掛けは、固定されたものが一般的であるが、最近では、作業能率や疲労度を改善する上で、使用者の体型に応じて、肘掛けを昇降移動できるようにしたものや、パソコン等のキーボードやマウスを操作するなど作業内容に合わせて肘掛けの角度を調節し、肘の支え位置を変更できるようにしたものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、肘掛けの回転機構とスライド機構とを分離して別々に設けることにより、肘掛けの内側方向への回転可能範囲を大きくし、肘をより快適な姿勢で支持できるようにすると共に、どのような向きにあっても、安定して支持できるようにした肘掛けが開示されている。
【0004】
具体的には、着座部の両側から立設する支柱部は中空状となっており、この支柱内には昇降杆が挿通されている。この昇降杆の頂面には、円板状の座板が固着されており、座板の中心には軸体が立設している。
【0005】
また、座板の上面には、円板状の角度保持プレートと、弾性板材と、略円筒状のホルダと、が軸体に順番に挿通されている。ここで、角度保持プレートは軸体に回り止めされており、角度保持プレートの外周側には、放射線状の係合溝が形成されている。
【0006】
一方、弾性板材は、ばね板を打ち抜いて形成されており、リング状部の外周縁には、斜め下方へ向かって一対の弾性片が延出している。この弾性片の先端部裏面には、半球状の突起が形成されており、角度保持プレートに形成された係合溝と係合可能となっている。
【0007】
ここで、肘当てを回転させると、弾性板材は、肘当て支持体及びホルダを介して肘当てと共に回転するが、角度保持プレートは軸体に周り止めされているため、弾性板材に形成された弾性片の突起が、角度保持プレートの係合溝に対して係合及び係合解除を繰り返すと共に、弾性片が弾性変形及び復元を繰り返す。
【0008】
弾性片は上方向へ撓むと共に外方向へ向かって広がるため、角度保持プレートの係合溝を放射線状に形成し、弾性片の突起部同士の離間距離の差を吸収するようにしている。
【0009】
一方、突部を係合溝から係合解除させるためには、弾性片を弾性変形させなければならないが、弾性片は上方向へ撓むと共に外方向へ向かって広がるため、弾性片を弾性変形させるために必要な力は、弾性片が外方向へ向かって広がる分小さくなる。
【0010】
換言すると、僅かな力によって突部を係合溝から解除させることができることとなる。このため、突部が係合溝に係合された状態を保持する保持力が甘く、肘を載置させた状態で肘パッドが不用意に回転してしまうことが懸念される。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−51869公報(第3頁、図4)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、肘パッドを所定の回転角度で確実に保持することができる肘掛けを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、着座部の両側から立設する支柱と、前記支柱の上端部に設けられた座板と、前記座板に支持され肘パッドが取付けられる肘台と、前記肘台に形成され前記座板から立設された軸体と係合し、該座板に対して前記肘台をスライド可能及び回転可能とする長孔と、前記肘台の上に設けられ、前記軸体に中央部が回転不能に固定されると共に、上面に周方向に沿って複数の凹部が形成された円板と、前記軸体の軸方向への移動を拘束された状態で前記肘台と共に軸体へ回転可能に取り付けられ、前記凹部に係合する突部を備えたプレートと、を備え、前記円板の下方に、該円板の外周部の変形を許容する弾性板が配置可能な隙間が設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項1に記載の発明では、軸体に中央部が回転不能に固定された円板の上面には、周方向に沿って複数の凹部を設けている。また、軸体の軸方向への移動を拘束された状態で肘台と共に軸体へ回転可能に取り付けられたプレートは、該凹部に係合する突部を備えている。ここで、円板の下方には、円板の外周部の変形を許容する弾性板が配置可能な隙間を設けている。
【0015】
肘台を回転させると、長孔によって座板及び軸体に対して肘台は回転することとなる。このとき、肘台と共にプレートが回転するが、円板は軸体に対して回転不能なため、円板に形成された凹部と係合可能に設けられたプレートの突部は、凹部に対して、係合及び係合解除の状態を繰り返すこととなる。
【0016】
ここで、プレートは軸体の軸方向への移動を拘束されているため、突部が凹部に対して係合解除された状態では、突部に押圧されて円板の外周側が変形して撓むこととなる。このとき、円板の下方に設けられた隙間によって円板の変形が許容される。
【0017】
円板の変形によって円板には弾性力が蓄積されるため、プレートの突部が、円板の凹部に到達したとき、円板が復元すると共に、突部が凹部に係合され、肘パッドが回転停止する。このように、円板自体を変形させることで、例えば、弾性板材から弾性片を張り出させた場合と比較して、変形させるために必要な力は大きくなる。
【0018】
従って、弾性板材から弾性片を張り出させた場合と比較して、突部が凹部に係合された状態を保持する保持力を高めることができ、肘を載置させた状態で肘パッドが不用意に回転してしまう恐れはない。また、円板自体を変形させることで、弾性片などの板バネのようにへたることもなく、弾性機能を十分に発揮することができる。
【0019】
さらに、プレートの突部が円板の凹部に対して係合解除された状態では、円板の変形によって円板には弾性力が蓄積され、突部が凹部に到達したとき、円板の復元と共に、突部が凹部に係合されるため、クリックが得られ、肘パッドが回転停止した状態が客観的に判るようになっている。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の肘掛けにおいて、前記隙間に前記弾性板が配置されたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の肘掛けにおいて、円板の下方に設けられた隙間に弾性板を配置することで、該弾性板によって円板の外周部の変形を許容している。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の肘掛けにおいて、前記円板との間に前記弾性板を挟んで前記肘台に対する摺動面となる磨耗防止板を有することを特徴としている。
【0021】
磨耗防止板がない状態では、肘台と弾性板とが面接し、肘台が回転すると、肘台によって弾性板は摺動されることとなる。このため、弾性板には磨耗が生じるが、円板と弾性板を挟んで一体に回転する磨耗防止板を設けることで、弾性板が直接肘台に面接することはないので、弾性板が磨耗することはない。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の肘掛けにおいて、前記軸体に回転可能に挿通されると共に、前記肘台に対して回り止めされ、肘台のスライド移動に伴って露出する前記長孔を塞ぐ塞ぎ板を有することを特徴としている。このように、肘台のスライド移動に伴って露出する長孔を塞ぐ塞ぎ板を設けることで、該長孔内に指が入り込んでしまうことを防止している。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の肘掛けにおいて、前記軸体に固定され、前記長孔の周縁部に当接して前記肘台の回転角度を規制するストッパーを有することを特徴としている。このように、肘台の回転角度を規制することで、肘台が着座部に対して、前後逆に配置されないようにしている。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の肘掛けにおいて、前記支柱が、前記座板が固定される中空のサポートと、前記サポートの側壁に形成された長孔から両側へ突出するロック部材と、前記ロック部材を前記長孔に沿って揺動させるロック解除手段と、前記サポートが出入可能に挿入された鞘管と、前記鞘管の内壁に上下方向に沿って形成され前記ロック部材の両端部を係止するラック溝と、を有することを特徴としている。
【0025】
請求項6に記載の発明では、支柱には鞘管を備えており、この鞘管にサポートを出入可能に挿入している。サポートの側壁には長孔を設けており、長孔から両側へロック部材を突出させている。このロック部材は鞘管の内壁に鞘管の上下方向に沿って形成されたラック溝に係止可能としており、ロック部材がラック溝に係止された状態で、鞘管に対してサポートが位置決めされる。
【0026】
一方、支柱にはロック解除手段を備えており、ロック部材を長孔に沿って揺動可能としている。このロック解除手段によって、ロック部材を長孔に沿って揺動させることで、ロック部材がラック溝に係止された状態が解除される。この状態で、サポートを鞘管に対して出入させた後、ロック解除手段を元の状態に戻すと、ロック部材が長孔に沿って揺動し、ラック溝に係止される。
【0027】
このようにして、サポートを鞘管に対して出入させることで、支柱を伸長させることができるため、座板及び肘台を介して、肘パッドの高さを調整することができる。
【0028】
ここで、鞘管の内壁にラック溝を形成することで、鞘管に貫通孔を貫通させ、この貫通孔の縁部にラック溝を形成した場合と異なり、ロック部材が長孔に対して揺動するとき等に、揺動する方向に対して直交する方向へ若干ズレたとしても、ロック部材は内壁によって移動規制されるため、ロック部材の一端部のみがラック溝に係止されるということはない。
【0029】
このため、サポートは常にロック部材の両端部を介して均等にラック溝で支持されるので、ロック部材の一端部支持によるラック溝の破損を防止することができる。
【0030】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の肘掛けにおいて、前記ロック解除手段が、前記サポート内へ揺動可能に装填され前記ロック部材が取り付けられたアームと、前記アームを付勢し前記ロック部材を前記ラック溝と係止状態とする付勢手段と、前記サポートの外側から前記アームを押圧して前記ロック部材と前記ラック溝との係止状態を解除する解除ボタンと、を有することを特徴としている。
【0031】
請求項7に記載の発明では、ロック部材が取り付けられたアームをサポート内へ揺動可能に装填し、このアームを付勢手段によって付勢して、ロック部材をラック溝と係止させるようにしている。一方、サポートの外側からアームを押圧してロック部材とラック溝との係止状態を解除する解除ボタンを設けている。
【0032】
このため、解除ボタンを押圧すると、ロック部材とラック溝との係止状態が解除され、解除ボタンの押圧力を解除すると、付勢手段の付勢力によって、ロック部材がラック溝に係止されると共に、解除ボタンが元の状態に復帰する。
【0033】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れかに記載の肘掛けにおいて、前記円板を樹脂で成形し、前記弾性板を発泡性樹脂又はエラストマーで形成したことを特徴としている。
【0034】
肘台が軸回りを回転するときに肘台と共に回転するプレートによって、軸体に固定された円板は摺動されるが、円板を樹脂で成形することによって、円板の磨耗を少なくすることができる。
【0035】
また、プレートの突部が、円板の凹部に係合するときの摺動抵抗が小さくなり、肘台の回転移動をスムーズにすることができる。ここで、樹脂の中でも、摺動抵抗の低いグレードを選択することで、より良い効果を得ることができる。
【0036】
一方、弾性板を発泡性樹脂又はエラストマーで形成している。弾性板はプレートの突部と円板の凹部との係合及び係合解除による円板の変形に追従して変形するため、プレートの回転に伴って、変形及び復元を繰り返すことになる。このため、弾性板を発泡性樹脂又はエラストマーで形成している。
【0037】
請求項9に記載の発明は、前記凹部の内形と前記突部の外形が球面状とされ、その曲率半径が略同一であることを特徴としている。このように、円板の凹部とプレートの突部を球面状とし、該凹部と該突部の曲率半径を略同一とすることで、突部が凹部に係合して、プレート及び肘台を介して肘パッドが回転停止した状態で、肘パッドがガタつかない。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る肘掛けについて説明する。
【0039】
椅子の着座部の両側部には、図1及び図9に示すように、肘掛け10が設けられており、昇降移動、スライド移動及び回転移動が可能となっている。この肘掛け10は、図示しない着座部の両側部に固定され断面が略楕円形の中実の固定部12に固定可能となっている。
【0040】
固定部12の先端部には、略矩形状に切欠かれ、開放された収容部14が設けられており、収容部14の底面には、略半球状の突設部16が突設されている。この突設部16にはネジ孔16Aが形成されており、固定ネジ18がねじ込み可能となっている。
【0041】
また、収容部14には、一端部が開放され断面が略楕円形の中空状のブッシュ20が外挿可能となっている。このブッシュ20の一端部側には、収容部14にブッシュ20を外挿させたときネジ孔16Aに対応する位置に、挿通孔20Aが形成されており、固定ネジ18が挿通可能となっている。
【0042】
また、ブッシュ20の他端部には、収容部14の内壁に合わせて開口22が形成されており、収容部14と連通可能となっている。さらに、ブッシュ20には、両端部が開放され断面が略楕円形の中空状の楕円パイプ24(鞘管)が外挿可能となっている。
【0043】
この楕円パイプ24の一端側には、楕円パイプ24をブッシュ20に外挿させたとき挿通孔20Aと対応する位置に、ネジ孔24Aが形成されており、固定ネジ18によって、楕円パイプ24、ブッシュ20を固定部12に固定させることができる。
【0044】
ここで、楕円パイプ24には、一組のラック部材26が係止可能(後述する)となっている。この一組のラック部材26は互いに合わさった状態で、外壁面が楕円形状となっており、内壁面は略矩形状を成し、ラック部材26同士で収容部28を構成している。
【0045】
一組のラック部材26が係止された楕円パイプ24をブッシュ20に外挿すると、ラック部材26の下端面がブッシュ20に面接してラック部材26が位置決めされると共に、ラック部材26の収容部28が開口22及び収容部14と連通する。
【0046】
また、図2に示すように、ラック部材26が互いに合わさった状態で対面する収容部28の内壁26Aには、ラック部材26の長手方向に沿ってスライド溝32が形成され、このスライド溝32からは複数の係止溝34が直角に分岐している。
【0047】
また、ラック部材26が、互いに合わさった状態で面接する上面26Bには、肉盗み部36が凹設されており、ヒケによる寸法精度のバラツキを防止している。この肉盗み部36には、複数のリブ38によって外壁面と内壁面とを架け渡しており、ラック部材26を強化している。
【0048】
また、リブ38には、円筒状のボス40が連通されており、図示しないビスがねじ込み可能となっている。このビスによってラック部材26が一体となる。ここで、図1に示すように、ラック部材26の外壁面には、一対の爪部42がラック部材26の軸方向と直交する方向に沿って張り出している。
【0049】
一方、楕円パイプ24の両側面の中央部には、楕円パイプ24の軸方向に対して直交する方向に沿って係止孔44が形成されており、爪部42が係止可能となっている。
【0050】
楕円パイプ24内にラック部材26を内挿させると、爪部42が、内側へ押圧されて縮径し、係止孔44に到達すると、復元して係止孔44に係止される。これにより、ラック部材26と楕円パイプ24とが一体となる。
【0051】
ここで、図1及び図2に示すように、ラック部材26の収容部28には、中空状のサポートとしての角パイプ46及びこの角パイプ46に内挿可能な略直方体状のロックアーム48が収容可能となっている。角パイプ46の下端部の、ラック部材26に内挿された状態で内壁26Aと対面する側壁46Aには、切欠き部50がそれぞれ切り欠かれている。
【0052】
ロックアーム48及び角パイプ46が内挿された状態のラック部材26を、楕円パイプ24に内挿して固定した状態で、楕円パイプ24をブッシュ20に固定すると、角パイプ46の下端部が、ブッシュ20の開口22及び固定部12の収容部14に挿通され、このとき、角パイプ46の下端部に形成された切欠き部50が収容部14の突設部16に当接して、角パイプ46が移動規制される。
【0053】
また、角パイプ46の側壁46Aの中央部下側には、角パイプ46がラック部材26に収容された状態で、側壁46Aの幅方向に沿って、ラック部材26の課端側に位置する係止溝34及びスライド溝32の長さに対応する長孔52が貫通している。
【0054】
また、側壁46Aの中央部上側には、角パイプ46がラック部材26に収容された状態で、ラック部材26の上端側に位置する係止溝34に対応して丸孔54が貫通している。
【0055】
さらに、角パイプ46の側壁46Aと直交する側壁46Bの上方には、挿通孔56が形成されており、後述する解除ボタン58の先端部が挿通可能となっている。
【0056】
一方、角パイプ46に内挿された状態で側壁46Aと対面するロックアーム48の側壁48Aには、ロックアーム48の幅方向に沿って複数のリブ60が設けられており、ロックアーム48の反り及び撓みを防止し、寸法精度を向上させている。
【0057】
また、ロックアーム48の側壁48Aは先細となっており、下端部にはロックアーム48の軸方向に沿って形成された長孔62が貫通している。さらに、ロックアーム48の側壁48Aの中央部には、幅方向端部に丸孔64が貫通している。
【0058】
ここで、長孔62と丸孔64の離間距離は、角パイプ46に形成された長孔52と丸孔54の離間距離と略同一となっており、角パイプ46にロックアーム48を内挿した状態で、丸孔54と丸孔64及び長孔52と長孔62は一致し、略円筒状のロック部材としてのピン66、68をそれぞれ挿通させることができる。
【0059】
一方、角パイプ46の側壁46Aと対面するロックアーム48の側壁48Aからは、円弧板70が張り出している。この円弧板70は角パイプ46の側壁46Bの内壁面に当接し、ピン68を中心にロックアーム48を揺動可能としている。
【0060】
また、ロックアーム48の側壁48Aと直交する周壁48Bの上端部からは、押圧板72が延出しており、この押圧板72は、角パイプ46に形成された挿通孔56の周縁部と対面し、押圧板72の裏面には、装着部74が突設している。
【0061】
この装着部74には、コイルスプリング76の一端部が装着されており、コイルスプリング76の他端部は、角パイプ46の側壁46Bと対面する側壁46Cの内壁面に当接し、ロックアーム48の押圧板72を押圧している。この状態で、ピン66はラック部材26の係止溝34に係止され、角パイプ46がラック部材26によって移動規制される(図9参照)。
【0062】
ところで、楕円パイプ24の外側には、支柱カバー78が設けられており、楕円パイプ24を覆っている。この支柱カバー78の上端側には、装着孔78Aが形成されており、解除ボタン58が装着可能となっている。
【0063】
解除ボタン58の頭部の外壁からは、装着爪58Aが張り出しており、解除ボタン58の先端部に位置する押圧板72をコイルスプリング76の付勢力の抗する方向へ押圧しながら、装着爪58Aを装着孔78A内へ通過させる。
【0064】
解除ボタン58の押圧力を解除すると、コイルスプリング76の付勢力によって、装着爪58Aが装着孔78Aの周縁部に押し付けられ、解除ボタン58が抜け止めされると共に、位置決めされる(図9参照)。
【0065】
ここで、図10に示すように、解除ボタン58を押圧すると、解除ボタン58の先端部が、コイルスプリング76の付勢力に抗する方向へ向かって押圧板72を押圧する。これにより、ピン68を中心にピン66が角パイプ46の長孔52に沿って移動する。
【0066】
長孔52は角パイプ46の幅方向に沿って形成されているため、ロックアーム48の軸方向に沿って形成された長孔62を移動して、ロックアーム48の回動による角パイプ46に対する軸方向へのズレを吸収している。
【0067】
このようにして、移動したピン66は、係止溝34からスライド溝32へ配置されるため、係止状態が解除され、角パイプ46がラック部材26に対して出入可能となる。
【0068】
一方、図1及び図9に示すように、角パイプ46の上端部には、楕円形の座板80が固定されており、この座板80の中央部からは、略円柱状の軸体82が立設している。この軸体82の先端部には、キー溝部82Aが設けられている。
【0069】
また、座板80の上面には、座板80の外形寸法と略同一のストッパー部材84が載置可能となっている。このストッパー部材84の中央には、軸体82が挿通可能な挿通孔84Aが形成されており、軸体82に挿通孔84Aを挿通させ、ビス81によって重ね合わせた状態で固定されている。このストッパー部材84及び座板80は、支柱カバー78の上端部によってその外側を覆われており、ビス83によって固定されている。
【0070】
また、ストッパー部材84の挿通孔84Aの周縁部には、ストッパーリブ86が立設している。このストッパーリブ86の外周壁には、図3(A)に示すように、互いに交わった状態で、かつ対向して直線部86A、86Bが形成されており、直線部86Aと直線部86Bの間には、挿通孔84Aの同心円状の円弧部86Cが設けられている。
【0071】
また、ストッパー部材84の上面には、図1及び図6に示すように、上段部88Bと下段部88Cの二段で構成された楕円状のスライダー88が載置可能となっている。このスライダー88の中央部には、軸体82が挿通可能な挿通孔88Aが形成されており、スライダー88の下段部88C上面には、平面視にて長方形状を成す箱型のスライドレール96が載置可能となっている。
【0072】
このスライドレール96は、金属で形成された補強シャーシ90(肘台)に収容可能となっている。この補強シャーシ90の底面には、補強シャーシ90の長手方向に沿って長孔部90Aが形成されている。また、補強シャーシ90の四隅には、挿通孔92が設けられており、固定ネジ94が挿通可能となっている。
【0073】
一方、図4及び図6に示すように、補強シャーシ90に収容されたスライドレール96の底面には、長手方向に沿って補強シャーシ90の長孔部90Aよりも小径の長孔部96Aが形成されている。
【0074】
この長孔部96Aの周縁部には、嵌合リブ98が全周に渡って垂下しており、この嵌合リブ98が補強シャーシ90の長孔部90Aに内嵌される。また、嵌合リブ98の外側には、装着リブ100が全周に渡って垂下しており、嵌合リブ98と装着リブ100との間には、楕円状に形成されたリングクッション102が装着可能となっている。
【0075】
また、スライドレール96の長手方向の両側壁には、折り曲げ片96Bが上方へ向かって折り曲げられており、折り曲げ片96Bの外壁面が、補強シャーシ90の内壁面に面接した状態で固定可能となっている。
【0076】
ここで、図5及び図6に示すように、スライドレール96の嵌合リブ98の内壁面98Aの幅寸法は、ストッパー部材84に形成されたストッパーリブ86の外径寸法及びスライダー88の下段部88Cの幅寸法と略同一となっており、嵌合リブ98の内壁面98Aには、ストッパーリブ86及びスライダー88の下段部88Cが係合可能となっている。
【0077】
また、スライドレール96の長孔部96Aの幅寸法は、スライダー88の上段部88Bの幅寸法と略同一となっており、長孔部96Aにはスライダー88の上段部88Bが係合可能となっている。このため、スライドレール96はストッパー部材84及びスライダー88を基準にスライド可能となる。
【0078】
ここで、スライダー88の上段部88Bの高さは、スライドレール96の肉厚よりも若干低くされており、スライダー88とスライドレール96とが係合された状態で、スライドレール96の底面からスライダー88の上段部88Bが露出しないようになっている。
【0079】
一方、図1、図4及び図5に示すように、スライドレール96には、平板状の塞ぎ部材104が収容可能となっている。この塞ぎ部材104には、円板部104Aが備えられており、円板部104Aの中央部には、軸体82が挿通可能な挿通孔105が形成されている。また、円板部104Aからは平板部104Bが延出しており、平板部104Bの両側壁には、折り曲げ片104Cが上方へ向かって折り曲げられている。
【0080】
この折り曲げ片104Cの外壁面は、スライドレール96の折り曲げ片96Bの内壁面に面接可能となっており、スライドレール96に対して塞ぎ部材104が回り止めされる。
【0081】
一方、平板部104Bの端部中央からは、塞ぎ片104Dが延出している。この塞ぎ片104Dの幅は、スライドレール96の長孔部96Aの幅よりも大きくなっており、長孔部96Aを閉塞可能としている。
【0082】
以上のような構成により、座板80にストッパー部材84及びスライダー88を固定させ、また、リングクッション102及び塞ぎ部材104を取付けた補強シャーシ90をストッパー部材84の上面に載置させると、スライドレール96とスライダー88及びストッパー部材84とは係合するため、スライドレール96はスライダー88及びストッパー部材84を基準にスライド可能となる。これにより、スライドレール96を介して補強シャーシ90がスライド可能となる。
【0083】
一方、図1及び図7に示すように、塞ぎ部材104の上面には、金属で形成された環状円板の磨耗防止板106が載置可能となっている。この磨耗防止板106は、環状円板のクッション108(弾性板)を介して環状円板のセレクタープレート110(円板)と一体に設けられており、磨耗防止板106、クッション108、セレクタープレート110の外径は略同一となっている。
【0084】
ここで、クッション108は、発泡性樹脂又はエラストマー(例えば、発泡ウレタン又はゴム部材等)で形成され、セレクタープレート110は、摺動抵抗の低い樹脂(例えば、ナイロン66(重量比30%のガラス繊維入り)など)で成形されている。
【0085】
セレクタープレート110の中央部には、キー部110Aが設けられており、このキー部110Aは軸体82に形成されたキー溝部82Aに嵌合可能となっている。このため、軸体82にセレクタープレート110を挿入させると、キー部110Aがキー溝部82Aと嵌合して、セレクタープレート110が軸体82に対して固定される。
【0086】
また、セレクタープレート110の上面には、セレクタープレート110の外周面側に周方向に沿って20°毎に半球状の凹部114が凹設されている。このセレクタープレート110には、金属製のプレート116が対面して配設されている。
【0087】
プレート116の中心部には、軸体82が挿通可能な挿通孔116Aが形成されており、プレート116の両側部には、折り曲げ片116Bが上方へ向かって折り曲げられている。
【0088】
ここで、塞ぎ部材104の折り曲げ片104Cは、プレート116に当接しない高さとされており、折り曲げ片116Bの外壁面が、スライドレール96の折り曲げ片96Bの内壁面に面接可能となっている。これにより、プレート116がスライドレール96に対して回り止めされる。
【0089】
また、プレート116の下面からは、挿通孔116Aを間に置いて、折り曲げ片96Bと平行に、一対の半球状の突部118が突出している。この突部118の曲率半径は、セレクタープレート110に形成された凹部114の曲率半径と略同一となっており、互いに対面した位置において嵌合可能となっている。
【0090】
このプレート116の上面からワッシャー120を介して固定ネジ122を軸体82にねじ込む。この状態で、固定ネジ122の上面が補強シャーシ90の周壁の上端部からはみ出さない高さとされている。
【0091】
このように、固定ネジ122を軸体82にねじ込むことで、セレクタープレート110、クッション108及び磨耗防止板106は軸体82に対して回転不能となった状態で、また、補強シャーシ90、スライダー88、スライドレール96、塞ぎ部材104及びプレート116は軸体82に対して回転可能となった状態で、軸体82の軸方向に対して移動不能とされる。
【0092】
一方、肘パッド124は平面視にて略楕円状を成しており、底面には、開口部124Aが形成され、補強シャーシ90を収容可能となっている。補強シャーシ90に肘パッド124を被せた状態で、肘パッド124の、補強シャーシ90に形成された挿通孔92に対応する位置には、ボス126が垂下しており、固定ネジ94を挿通孔92に挿通させ、ボス126をねじ込むと、肘パッド124が補強シャーシ90に固定される。
【0093】
次に、本発明の実施の形態に係る肘掛けの動作について説明する。
【0094】
まずは、肘掛けの昇降移動について説明する。
【0095】
図9及び図10に示すように、支柱カバー78から突出する解除ボタン58を押圧する。これにより、コイルスプリング76の付勢力の抗する方向に押圧板72が押圧され、ピン68を中心に、ロックアーム48が回転し、ピン66が長孔52に沿って移動する。
【0096】
このため、ラック部材26の係止溝34に係止されていたピン66がスライド溝32へ移動し、ピン66が係止解除された状態となる。この状態で、図11に示すように、肘パッド124は昇降移動(ここでは上昇移動)が可能となる。
【0097】
肘パッド124の所定の高さで解除ボタン58を押圧する押圧力を解除すると、コイルスプリング76の復元力によってピン68を中心に押圧板72が復帰する。これにより、スライド溝32に位置するピン66が長孔52に沿って移動し、係止溝34に係止され、肘パッド124の高さが設定される。
【0098】
このように、肘パッド124を昇降可能とすることで、着座部に着座する使用者の体型(特に腕の長さ)に応じて、肘パッド124の高さを調整することができるため、使用者の疲労感を少なくすることができる。
【0099】
次に、肘掛けのスライド移動について説明する。
【0100】
図6に示すように、スライドレール96は、長孔部96Aが、スライダー88の上段部88Bの長手方向に沿って当接可能となっており、嵌合リブ98の内壁面98Aが、ストッパー部材84のストッパーリブ86の外壁面及びスライダー88の下段部88Cの長手方向に沿って当接可能となっている。
【0101】
このため、図13及び図14に示すように、肘パッド124、補強シャーシ90及びスライドレール96は、スライダー88及びストッパー部材84を介して、スライドレール96の長孔部96Aに沿ってスライド可能となる。このとき、補強シャーシ90の長孔部90A及びスライドレール96の長孔部90Aが露出するが、塞ぎ部材104により、露出部分が塞がれる。
【0102】
ここで、例えば、図示はしないが、肘パッドの長手方向に沿って肘パッドを間欠的にスライドさせる場合、予め肘パッドを位置決めした状態で肘パッドに肘を載置することになるが、肘パッドに肘を載置した状態で、着座部に対する肘パッドの前後方向の位置を変えようとしても、肘パッドを間欠的にスライドさせる部材との係合状態を解除しなければならない。
【0103】
着座部に対する肘パッド124の前後方向の位置関係は、パソコン台と着座部124との離間距離によっても異なってくるため、肘パッド124に肘を載置した状態で肘パッド124の位置決めを行なう方が好ましい。
【0104】
本発明では、図4に示すように、スライドレール96は、スライダー88及びストッパー部材84を介して、単にスライドレール96の長孔部96Aに沿ってスライドさせるだけである。
【0105】
このため、肘パッド124に肘を載置させた状態のまま、肘パッド124を使用者の好適な位置に着座部に対して前後方向にスライドさせることができ、大変便利である。また、間欠的なスライド移動と異なり、微妙な位置ズレにも対応できる。
【0106】
次に、肘掛けの回転移動について説明する。
【0107】
図1に示すように、補強シャーシ90、スライダー88、スライドレール96、塞ぎ部材104、プレート116は、それぞれ軸体82に挿通されており、軸体82の軸方向への移動は規制されるものの、軸体82に対しては、互いに係合した状態で一体に回転可能となっている。
【0108】
肘パッド124が位置決めされた状態では、図3(A)及び図7に示すように、プレート116の突部118とセレクタープレート110の凹部114とは嵌合した状態となっている。
【0109】
この状態から、肘パッド124を回転させると、肘パッド124が固定された補強シャーシ90及びスライドレール96を介してプレート116も一体に回転する。一方、セレクタープレート110は軸体82に固定されているため、図8に示すように、突部118と凹部114の嵌合状態が解除され、セレクタープレート110は突部118によって押圧されて弾性変形する。このとき、クッション108によってセレクタープレート110の弾性変形分が吸収される。
【0110】
そして、図3(B)に示すように、突部118が凹部114と対面する位置に移動すると、セレクタープレート110が復元すると共に、突部118が凹部114と嵌合し、クリック音と共に、肘パッド124が回転停止する。
【0111】
このように、肘パッド124を回転可能とすることで、作業内容等に応じて、肘パッド124を最適位置に調節することができる。特に、パソコン等のキーボード、或いはマウスを操作する際に、左右の肘パッド124をそれぞれ内側へ回転させて、左右の肘を肘パッド124に載置させることができ、快適な姿勢で、疲労感を少なくすることができ、作業性も向上する。
【0112】
ところで、ストッパーリブ86の外周壁には、図3(A)、(B)に示すように、互いに交わった状態で、かつ対向して直線部86A、86Bが形成され、直線部86Aと直線部86Bの間には、内周壁の同心円状の円弧部86Cが設けられている。
【0113】
このため、肘パッド124を回転させるとき、ストッパーリブ86の外周壁は、円弧部86Cがスライドレール96に形成された嵌合リブ98の内壁面98Aに当接しており、直線部86Aが該嵌合リブ98の内壁面98Aに沿って平行に位置すると、肘パッド124の回転は規制される(なお、ここでは、図8(A)を基準に、内側へは80°、外側へは20°回転可能となっている)。
【0114】
次に、本発明の実施の形態に係る肘掛けの作用について説明する。
【0115】
本発明では、図7及び図8に示すプレート116を金属で形成し、セレクタープレート110を樹脂で成形している。これにより、肘パッド124を回転させ(図3(A)、(B)参照)、プレート116に設けた突部118とセレクタープレート110に設けた凹部114との嵌合状態を解除させるとき、セレクタープレート110を弾性変形させる。ここで、セレクタープレート110の変形分を吸収させるクッション108を設けている。
【0116】
セレクタープレート110の変形によってセレクタープレート110には弾性力が蓄積されるため、プレート116の突部118が、セレクタープレート110の凹部114に到達したとき、セレクタープレート110及びクッション108が復元すると共に、突部118が凹部114に嵌合し、肘パッド124が回転停止する。
【0117】
このように、セレクタープレート110を樹脂で成形し、セレクタープレート110自体を変形させることで、例えば、図示はしないが、弾性板材から弾性片を張り出させ、この弾性片を変形させる場合と比較して、変形させるために必要な力は大きくなる。
【0118】
従って、弾性板材から弾性片を張り出させた場合と比較して、プレート116の突部118がセレクタープレート110の凹部114に嵌合された状態を保持する保持力を高めることができる。
【0119】
このため、肘を載置させた状態で肘パッド124が不用意に回転してしまう恐れはない。また、セレクタープレート110自体を変形させることで、弾性片などの板バネのようにへたることもなく、弾性機能を十分に発揮することができる。
【0120】
さらに、プレート116の突部118がセレクタープレート110の凹部114に対して嵌合解除された状態では、セレクタープレート110の変形によってセレクタープレート110には弾性力が蓄積される。
【0121】
このため、突部118が凹部114に到達したとき、セレクタープレート110の復元と共に、突部118が凹部114に嵌合されるので、クリックが得られ、肘パッド124が回転停止した状態が客観的に判るようになっている。
【0122】
また、凹部114と突部118を半球面状とし、凹部114と突部118の曲率半径を略同一とすることで、プレート116、スライドレール96及び補強シャーシ90を介して肘パッド124が回転停止した状態で、肘パッド124がガタつかない。
【0123】
ところで、肘パッド124が回転するとき、肘パッド124と共に回転するプレート116によって、軸体82に固定されたセレクタープレート110は摺動される。
【0124】
このため、セレクタープレート110を摺動抵抗の低い樹脂(例えば、ナイロン66(重量比30%のガラス繊維入り)など)で成形することで、セレクタープレート110の磨耗を少なくすることができる。
【0125】
また、これにより、プレート116の突部118が、セレクタープレート110の凹部114に嵌合するときの摺動抵抗が小さくなり、肘パッド124の回転移動をスムーズにすることができる。
【0126】
一方、クッション108はプレート116の突部118とセレクタープレート110の凹部114との嵌合及び嵌合解除によるセレクタープレート110の変形に追従して変形し、プレート116の回転に伴って、変形及び復元を繰り返すことになるため、発泡性樹脂又はエラストマー(例えば、発泡ウレタン又はゴム部材等)が最適である。
【0127】
また、セレクタープレート110との間にクッション108を挟んで磨耗防止板106を設けており、塞ぎ部材104に面接させている。磨耗防止板106がない状態では、塞ぎ部材104とクッション108とが面接することとなり、補強シャーシ90及びスライドレール96が回転すると、スライドレール96を介して塞ぎ部材104が回転する。このため、これによりクッション108は摺動され、磨耗してしまうこととなる。
【0128】
しかし、セレクタープレート110とクッション108を挟んで一体に回転する磨耗防止板106を設けることで、クッション108が直接塞ぎ部材104に面接することはないので、クッション108が磨耗することはない。
【0129】
ここで、塞ぎ部材104を軸体82に回転可能に挿通すると共に、スライドレール96に対して回り止めしている。この塞ぎ部材104には、図5に示すように、塞ぎ片104Dを設けており、肘パッド124、補強シャーシ90及びスライドレール96のスライド移動に伴って露出する長孔52を塞いでいる(図13及び図14参照)。これにより、長孔52内に指が入り込んでしまうことを防止している。
【0130】
また、図6及び図3(A)、(B)に示すように、ストッパー部材84にストッパーリブ86を立設させており、ストッパーリブ86の直線部86Bをスライドレール96の嵌合リブ98の内壁面98Aに当接させることで、スライドレール96を介して、肘パッド124の回転角度を規制している。これにより、肘パッド124が着座部に対して、前後逆に配置されないようにしている。
【0131】
さらに、図2及び図12に示すラック部材26において、内壁26Aに係止溝34を形成することで、図示はしないが、内壁を貫通させてラック溝を形成した場合と異なり、ピン66が長孔52に対して揺動するとき等に、揺動する方向に対して直交する方向(矢印A方向)へ若干ズレたとしても、ピン66は内壁26Aによって移動規制されるため、ピン66の一端部のみが係止溝34に係止されるということはない。
【0132】
このため、角パイプ46は常にピン66、68の両端部を介して均等にラック部材26によって支持されるため、ピン66の一端部支持によるラック部材26の破損を防止することができる。
【0133】
なお、実施の形態については、これに限るものではないことは勿論のことである。例えば、肘パッド124の回転移動について、図3(A)を基準として内側へ80°、外側へ20°回転可能としたが、ストッパーリブ86の形状を変えることで自由に対応可能である。
【0134】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、請求項1及び2に記載の発明では、弾性板材から弾性片を張り出させた場合と比較して、突部が凹部に係合された状態を保持する保持力を高めることができ、肘を載置させた状態で肘パッドが不用意に回転してしまう恐れはない。また、円板自体を変形させることで、弾性片などの板バネのようにへたることもなく、弾性機能を十分に発揮することができる。さらに、突部が凹部に係合されたとき、クリックが得られ、肘パッドが回転停止した状態が客観的に判るようになっている。
【0135】
請求項3に記載の発明では、弾性板には磨耗が生じるが、円板と弾性板を挟んで一体に回転する磨耗防止板を設けることで、弾性板が直接肘台に面接することはないので、弾性板が磨耗することはない。
【0136】
請求項4に記載の発明では、長孔内に指が入り込んでしまうことを防止している。請求項5に記載の発明では、肘台の回転角度を規制することで、肘台が着座部に対して、前後逆に配置されないようにしている。
【0137】
請求項6に記載の発明では、ロック部材が長孔に対して揺動するとき等に、揺動する方向に対して直交する方向へ若干ズレたとしても、ロック部材は内壁によって移動規制されるため、ロック部材の一端部のみがラック溝に係止されるということはない。このため、サポートは常にロック部材の両端部を介して均等にラック溝で支持されるため、ロック部材の一端部支持によるラック溝の破損を防止することができる。
【0138】
請求項7に記載の発明では、解除ボタンを押圧すると、ロック部材とラック溝との係止状態が解除され、解除ボタンの押圧力を解除すると、付勢手段の付勢力によって、ロック部材がラック溝に係止されると共に、解除ボタンが元の状態に復帰する。
【0139】
請求項8に記載の発明では、円板の磨耗を少なくすることができる。また、プレートの突部が、円板の凹部に係合するときの摺動抵抗が小さくなり、肘台の回転移動をスムーズにすることができる。請求項9に記載の発明では、凹部と突部の曲率半径を略同一とすることで、プレート及び肘台を介して肘パッドが回転停止した状態で、肘パッドがガタつかない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る肘掛けの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る肘掛けを構成するラック部材、角パイプ及びロックアームの分解斜視図である。
【図3】(A)、(B)は、本発明の実施の形態に係る肘掛けの回転移動を示すサポート部材とスライドレールとの関係を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る肘掛けの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る肘掛けを構成するスライダーとスライドレールとの関係を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る肘掛けを構成するストッパー部材及びスライダーとスライドレールとの関係を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る肘掛けを構成するプレート、セレクタープレート及びクッションの関係を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る肘掛けを構成するプレート、セレクタープレート及びクッションの関係を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る肘掛けを示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る肘掛けを示す断面図であり、解除ボタンを押圧した状態を示している。
【図11】本発明の実施の形態に係る肘掛けを示す断面図であり、肘掛けを上昇移動させた状態を示している。
【図12】本発明の実施の形態に係る肘掛けを構成するラック部材とピンの関係を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る肘掛けを示す部分断面図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る肘掛けを示す部分断面図であり、肘掛けをスライド移動させた状態を示している。
【符号の説明】
24 楕円パイプ(鞘管、支柱)
26 ラック部材(ラック溝、支柱)
46 角パイプ(サポート、支柱)
48 ロックアーム(アーム、ロック解除手段、支柱)
58 解除ボタン(解除ボタン、ロック解除手段、支柱)
66 ピン(ロック部材、支柱)
76 コイルスプリング(付勢手段、ロック解除手段、支柱)
80 座板
84 ストッパー部材(ストッパー)
90 補強シャーシ(肘台)
96 スライドレール(肘台)
96A 長孔部(長孔)
104 塞ぎ部材(塞ぎ板)
106 磨耗防止板
108 クッション(弾性板)
110 セレクタープレート(円板)
114 凹部
116 プレート
118 突部
Claims (9)
- 着座部の両側から立設する支柱と、
前記支柱の上端部に設けられた座板と、
前記座板に支持され、肘パッドが取付けられる肘台と、
前記肘台に形成され、前記座板から立設された軸体と係合し、該座板に対して前記肘台をスライド可能及び回転可能とする長孔と、
前記肘台の上に設けられ、前記軸体に中央部が回転不能に固定されると共に、上面に周方向に沿って複数の凹部が形成された円板と、
前記軸体の軸方向への移動を拘束された状態で前記肘台と共に軸体へ回転可能に取り付けられ、前記凹部に係合する突部を備えたプレートと、
を備え、
前記円板の下方に、該円板の外周部の変形を許容する弾性板が配置可能な隙間が設けられていることを特徴とする肘掛け。 - 前記隙間に前記弾性板が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の肘掛け。
- 前記円板との間に前記弾性板を挟んで前記肘台に対する摺動面となる磨耗防止板を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の肘掛け。
- 前記軸体に回転可能に挿通されると共に、前記肘台に対して回り止めされ、肘台のスライド移動に伴って露出する前記長孔を塞ぐ塞ぎ板を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の肘掛け。
- 前記軸体に固定され、前記長孔の周縁部に当接して前記肘台の回転角度を規制するストッパーを有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の肘掛け。
- 前記支柱が、
前記座板が固定される中空のサポートと、
前記サポートの側壁に形成された長孔から両側へ突出するロック部材と、
前記ロック部材を前記長孔に沿って揺動させるロック解除手段と、
前記サポートが出入可能に挿入された鞘管と、
前記鞘管の内壁に上下方向に沿って形成され前記ロック部材の両端部を係止するラック溝と、
を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の肘掛け。 - 前記ロック解除手段が、
前記サポート内へ揺動可能に装填され、前記ロック部材が取り付けられたアームと、
前記アームを付勢し、前記ロック部材を前記ラック溝と係止状態とする付勢手段と、
前記サポートの外側から前記アームを押圧して前記ロック部材と前記ラック溝との係止状態を解除する解除ボタンと、
を有することを特徴とする請求項6に記載の肘掛け。 - 前記円板を樹脂で成形し、前記弾性板を発泡性樹脂又はエラストマーで形成したことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の肘掛け。
- 前記凹部の内形と前記突部の外形が球面状とされ、その曲率半径が略同一であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の椅子の肘掛け。
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