JP4100839B2 - 床暖房パネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パネル本体に内蔵された電気ヒータに結線された電源線の両端部にそれぞれコネクタが接続され、一方のコネクタがパネル本体から引出可能に収容される床暖房パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の床暖房パネルとしては、図6に示すようなものがある。この床暖房パネル50は、同図に示すように、長手方向に伸びる擬似溝51aが表面に形成された、平面形状が長方形のパネル本体51に所定のヒータパターンで布線された線ヒータ52が内蔵されていると共に、この線ヒータ52に接続される電源線53がパネル本体51の短手方向を横断するように配設されており、この電源線53の両端部にはそれぞれコネクタ54、55が接続されている。
【0003】
一方のコネクタ54は、図7(a)に示すように、パネル本体51の一方の長辺側に形成された収容凹部56に収容された状態に固定設置されており、他方のコネクタ55は、同図(b)、(c)に示すように、パネル本体51の他方の長辺側に形成された収容凹部57にパネル本体51から引出可能に収容されている。
【0004】
また、図7(b)、(c)及び図8に示すように、コネクタ55を引出可能に収容する収容凹部57の上面には、合成樹脂または金属によって形成された門型形状の補強板58が固着されており、この補強板58によって収容凹部57の上面の略全面が覆われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような構造の床暖房パネル50では、パネル本体51から引出可能にコネクタ55を収容する収容凹部57は、図7(c)に示すように、コネクタ55を引き出すための電源線53の一部を屈曲させた状態でコネクタ55と共に収容することになるため、一方の収容凹部56に比べてその奥行きが大きくなり、収容凹部57の奥行き方向の内端57aが、パネル本体51に形成された擬似溝51aの近傍に位置する場合がある。
【0006】
しかしながら、上述したように、収容凹部57の奥行き方向の内端57aが、パネル本体51に形成された擬似溝51aの近傍に位置する場合、擬似溝51aの近傍部分の肉厚が極端に小さくなるので、こういった構造の床暖房パネル50を敷設した状態で、その収容凹部57が形成されている部分、特に、補強板58の内端部分に衝撃荷重が加わると、その擬似溝51a部分に亀裂が入り、パネル本体51が破壊されるおそれがあった。
【0007】
そこで、この発明の課題は、コネクタを引出可能に収容する収容凹部が形成された部分に衝撃荷重が加わった場合でも、パネル本体が破壊されない床暖房パネルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、長手方向に伸びる擬似溝が表面に形成されたパネル本体と、このパネル本体に内蔵される電気ヒータと、この電気ヒータに結線された状態で前記パネル本体を横断する電源線と、この電源線の両端にそれぞれ接続されたコネクタと、一方の前記コネクタを前記パネル本体の一方の長辺側から引出可能に収容する、前記パネル本体の裏面側に形成された収容凹部と、この収容凹部の上面に固着された補強板とを備えた床暖房パネルにおいて、前記パネル本体の裏面側に形成された前記収容凹部は、前記パネル本体の表面に形成された前記擬似溝と平面的に重なっており、前記収容凹部の奥行き方向の内端が前記擬似溝の前後10mm以内の領域から外れていることを特徴とする床暖房パネルを提供するものである。
【0009】
以上のように構成された床暖房パネルでは、パネル本体の裏面側に形成された収容凹部が、パネル本体の表面に形成された長手方向に延びる擬似溝と平面的に重なっているが、収容凹部の奥行き方向の内端が擬似溝の前後10mm以内の領域から外れているので、パネル本体における擬似溝近傍は、厚みが小さくても補強板の端縁以外の部分によって確実に補強された状態となる。従って、パネル本体における擬似溝の近傍部分の強度が大きくなり、この床暖房パネルを敷設した状態で、その収容凹部が形成されている部分に衝撃荷重が加わったとしても、その擬似溝部分に亀裂が入ってパネル本体が破壊されることを確実に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、この床暖房パネル1は、長方形状のパネル本体10と、このパネル本体10に内蔵される線ヒータ20と、この線ヒータ20に結線された状態でパネル本体10をその短手方向に横断する電源線30と、この電源線30の両端にそれぞれ接続されたコネクタ40a、40bとから構成されている。
【0012】
前記パネル本体10は、表面に突板等の表面化粧材(図示せず)が貼着された、3プライ合板または5プライ合板等の木質板からなるパネル基材11と、このパネル基材11の裏面側に形成された嵌合凹部に嵌め込まれる、合板や中質繊維板(MDF)等からなる裏板15とから構成されており、図1(a)、(b)に示すように、前記パネル基材11の表面には、長手方向に伸びる3本の擬似溝11aが一定間隔で形成されていると共に、その端面には、実結合するための雄実部11bまたは雌実部11cが形成されている(図2(b)参照)。
【0013】
前記パネル基材11の裏面側には、図1(b)に示すような所定のヒータパターンで布線される線ヒータ20を収容するためのヒータ収容溝11d(図2(b)参照)及び電源線30を収容するための電源線収容溝11e(図2(c)参照)がそれぞれ形成されており、図2(a)〜(c)に示すように、ヒータ収容溝11d及び電源線収容溝11eは、線ヒータ20及び電源線30がそれぞれ収容された状態で、裏板15により閉塞されるようになっている。
【0014】
また、パネル基材11の裏面側には、図2(c)に示すように、その長辺部分に前記コネクタ40a、40bをそれぞれ収容するための収容凹部12、13が形成されており、収容凹部13の一部が裏板15によって覆われるようになっている。一方のコネクタ40aは、収容凹部12内に収容された状態で固定設置されているが、他方のコネクタ40bは、図2(c)及び図3(a)に示すように、パネル基材11から引出可能に収容凹部13内に収容されるようになっている。
【0015】
コネクタ40bをパネル基材11から引出可能に収容する収容凹部13には、図2(c)及び図3(a)、(b)に示すように、その上面13aに、門型の補強板14が固着されており、この補強板14によって収容凹部13の上面13aが完全に覆われている。この補強板14は、アルマイト仕上げ(絶縁処理済み)のアルミニウムによって形成されており、図4に示すように、収容凹部13の上面13aを覆う本体部14aと、この本体部14aの両側縁から垂下した垂下部14bとから構成されている。
【0016】
収容凹部13は、図3(a)に示すように、電源線30の一部を屈曲させた状態でコネクタ40bと共に収容しなければならないので、図2(c)に示すように、収容凹部12に比べてその奥行きが大きくなっており、収容凹部13の奥行き方向の内端13bが擬似溝11aを越え、しかも、擬似溝11aとの距離L1が10mm以上になるように設定されている。
【0017】
以上のように構成された床暖房パネル1は、コネクタ40bを引出可能に収容する収容凹部13を、その奥行き方向の内端13bがパネル基材10の表面に形成された擬似溝11aを越えてその擬似溝11aから10mm以上離れた位置にくるように形成したため、収容凹部13を形成することによって擬似溝11aの近傍におけるパネル基材11の厚みが小さくなっても、その厚みの小さい擬似溝11aの近傍部分は、補強板14の端縁以外の部分によって確実に補強された状態となっている。従って、この床暖房パネル1を敷設して床暖房フロアを形成した場合、各床暖房パネル1の収容凹部13が形成されている部分に衝撃荷重が加わったとしても、その擬似溝11a部分でパネル本体10が破壊されにくくなる。
【0018】
図5は他の実施形態を示している。この床暖房パネル1aは、上述した床暖房パネル1と略同一構成ゆえ、同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。この床暖房パネル1aは、コネクタ40bを引出可能に収容する収容凹部13を、その奥行き方向の内端13bがパネル基材10の表面に形成された擬似溝11aから所定距離(L2=10mm)以上手前に位置するように形成した点で、奥行き方向の内端13bがパネル基材10の擬似溝11aを越えてその擬似溝11aから10mm以上離れた位置にくるように、収容凹部13を形成している床暖房パネル1と異なる。なお、この床暖房パネル1aでは、収容凹部13の奥行きを短めに設定することで、収容凹部13内における電源線30の収容領域を十分に確保することができないので、収容凹部13の幅を広げることによって、電源線30の収容領域を確保するようにしている。
【0019】
以上のように、この床暖房パネル1aは、コネクタ40bを引出可能に収容する収容凹部13を、その奥行き方向の内端13bがパネル基材10の表面に形成された擬似溝11aから10mm以上手前に位置するように形成したため、収容凹部13を形成することによって擬似溝11aの近傍におけるパネル基材11の厚みが小さくなることがなく、厚みの小さい収容凹部13の形成部分については、補強板14によって確実に補強された状態となっている。従って、この床暖房パネル1aを敷設して床暖房フロアを形成した場合、各床暖房パネル1aの収容凹部13の形成部分に衝撃荷重が加わったとしても、擬似溝11a部分におけるパネル本体10の破壊が有効に防止される。
【0020】
なお、上述した各実施形態では、パネル本体10に線ヒータ20を内蔵した場合について説明したが、本発明の床暖房パネルは、線ヒータに限定されるものではなく、自己温度制御特性を有する面状発熱体のような種々の電気ヒータを使用することが可能である。
【0021】
また、上述した各実施形態では、捨貼合板等の上に敷設する捨て貼りタイプの床暖房パネルについて説明したが、本発明は、例えば、パネル本体10を構成する裏板15に代えてクッション性の良好な緩衝材を貼着した直貼りタイプの床暖房パネル等についても適用することができる。
【0022】
また、上述した各実施形態は、パネル本体10が長方形状の床暖房パネルであるが、本発明の床暖房パネルは、こういった形状に限定されるものではなく、パネル本体が雁行形状の床暖房パネルについても適用することができることは言うまでもない。
【0023】
また、上述した各実施形態では、アルミニウム製の補強板を使用しているが、アルミニウム以外の金属や合成樹脂によって形成された補強板を使用することもでき、垂下部14bを省略することも可能である。ただし、垂下部14bを設けることによって、補強板14の強度が向上することはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明にかかる床暖房パネルの一実施形態を示す平面図、(b)は同上の床暖房パネルにおける裏板を外した状態を示す裏面図である。
【図2】(a)は同上の床暖房パネルを示す裏面図、(b)は図1(a)のX−X線に沿った断面図、(c)は図1(a)のY−Y線に沿った断面図である。
【図3】(a)はコネクタを収納した状態を示す断面図、(b)はコネクタを収納した状態を示す端面図である。
【図4】同上の床暖房パネルに使用される補強板を示す斜視図である。
【図5】(a)は他の実施形態である床暖房パネルを示す平面図、(b)は同上の床暖房パネルを示す断面図である。
【図6】従来の床暖房パネルを示す平面図である。
【図7】(a)〜(c)は同上の床暖房パネルを示す断面図である。
【図8】同上の床暖房パネルにおけるコネクタを収容した状態を示す端面図である。
【符号の説明】
1 床暖房パネル
10 パネル本体
11 パネル基材
11a 擬似溝
12、13 収容凹部
13b 内端
14 補強板
15 裏板
20 線ヒータ
30 電源線
40a、40b コネクタ
Claims (1)
- 長手方向に伸びる擬似溝が表面に形成されたパネル本体と、このパネル本体に内蔵される電気ヒータと、この電気ヒータに結線された状態で前記パネル本体を横断する電源線と、この電源線の両端にそれぞれ接続されたコネクタと、一方の前記コネクタを前記パネル本体の一方の長辺側から引出可能に収容する、前記パネル本体の裏面側に形成された収容凹部と、この収容凹部の上面に固着された補強板とを備えた床暖房パネルにおいて、
前記パネル本体の裏面側に形成された前記収容凹部は、前記パネル本体の表面に形成された前記擬似溝と平面的に重なっており、
前記収容凹部の奥行き方向の内端が前記擬似溝の前後10mm以内の領域から外れていることを特徴とする床暖房パネル。
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