JP4001774B2 - 電子部品搬送用キャリア基体および電子部品搬送体 - Google Patents
電子部品搬送用キャリア基体および電子部品搬送体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に実装されるまでチップ型電子部品等を搬送するのに用いられる電子部品搬送体と、該電子部品搬送体に用いられる電子部品搬送用キャリア基体に関し、より詳細には、電子部品搬送用カバーテープを剥離させる際の静電気発生量が少なく、また剥離性も良好であり、信頼性が向上している電子部品搬送体と、該電子部品搬送体に用いられる電子部品搬送用キャリア基体に関する。
【0002】
【従来の技術】
チップ固定抵抗器、積層セラミックコンデンサ等のチップ型電子部品の一般的な搬送形態として、電子部品搬送用テープ(電子部品搬送体)を用いるテーピングリール方式が知られている。このテーピングリール方式では、プラスチックや紙製のキャリア基体の長さ方向に一定の間隔で設けられた電子部品収納用ポケット(電子部品収納部)に電子部品をパーツフィーダー自動機などにより挿入し、基材(支持体)上に熱可塑性接着樹脂からなる熱接着樹脂層を設けたカバーテープで上面を熱シールして電子部品を封入した後、リール状に巻取られ搬送される。これらの工程は一般にテーピングマシーンを用いて行われる。そして、搬送先の回路基板等の作製工程においては、前記カバーテープを剥離後、挿入された電子部品をエアーノズルで自動的に吸着して基板上に供給する自動組入れシステムが主流となっている。
【0003】
このような電子部品の搬送工程に使用されるカバーテープに求められる機能としては、具体的には、(i)各種紙台紙材に対する接着強度が一定範囲内(例えば0.1〜0.9N/mm、好ましくは0.1〜0.2N/mm)であること、(ii)熱圧着などの環境下において剥離強度の安定性、及び温度や被着体を選ばず適正な接着力が得られること、(iii)テーピングマシーンの停止時の熱コテの糊付着、はみ出しなどによるマシーントラブルを回避しうる耐熱性の要求を満たすこと、(iv)電子部品収納後のカバーテープの接着層との付着、融着の無いこと、(v)テープ剥離時の静電気によって生じる電子部品の障害や部品の飛び出しなどによる実装不具合などを回避しうること、(vi)テーピング速度の短縮により生産効率を上げることなどを挙げることができる。
【0004】
近年、電子部品は、軽量化、薄型化や小型化等の軽薄短小化が進み、部品サイズは、非常に小さくて且つ軽いものに移行してきている。そのため、僅かな静電気でも生じると、電子部品がキャリア基体に容易に付着し易くなっている。そのため、電子部品がエアーノズルで吸着できない現象がしばしば発生し、電子部品の実装時の信頼性の低下が問題となっている。従って、電子部品搬送体として、カバーテープの接着性や帯電防止性を向上させて、電子部品の実装時の信頼性を高めることが求められている。
【0005】
なお、前記カバーテープは、一般に、押出しラミネート機、Tダイス押出し機、インフレーション押出し機などによって成膜された熱接着樹脂と、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの基材とを、接着剤を介して貼り合わせるドライラミネート法などによって製造されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、キャリア基体に対するカバーテープの接着性を高いレベルで保持しつつ、カバーテープの剥離時の静電気の発生を抑制又は防止することができる電子部品搬送用キャリア基体および電子部品搬送体を提供することにある。
本発明の他の目的は、電子部品のピックアップ性に優れ、電子部品の実装時の信頼性を高めることができる電子部品搬送用キャリア基体および電子部品搬送体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、電子部品搬送用キャリア基体を、特定の成分を表面又は内部に含有する基材により構成すると、カバーテープの耐熱性を低下させずに、キャリア基体に対するカバーテープの接着性を高めつつ、カバーテープの剥離時の静電気の発生を抑制又は防止することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、電子部品搬送用キャリア基体と、該電子部品搬送用キャリア基体における該電子部品収納部の上面を覆うように電子部品搬送用キャリア基体と接着される電子部品搬送用カバーテープとにより構成される電子部品搬送体であって、前記電子部品搬送用キャリア基体が、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂およびワックス類から選択された少なくとも1種の成分を表面又は内部に含有するキャリア基体用基材により構成されているとともに、前記電子部品搬送用カバーテープが、分子内にカルボキシル基又はアシルオキシ基を含有するオレフィン系共重合体、アイオノマー樹脂、及び芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体から選択された少なくとも1種の重合体を含む樹脂組成物により形成された接着樹脂層を有しており、且つ前記キャリア基体用基材が、表面又は内部に、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂およびワックス類から、前記接着樹脂層又は該接着樹脂層を構成するベースポリマーと帯電列上の位置が近似するように選択された少なくとも1種の成分を、下記の(1)〜(3)の含有形態から選択された少なくとも一種の含有形態で含有していることを特徴とする電子部品搬送体を提供する。
(1)キャリア基体用基材としての樹脂製基材又は紙製基材の表面上に、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂およびワックス類から選択された少なくとも1種の成分を塗布や噴霧によりコーティング又は積層して層を形成することによって、キャリア基体用基材の表面に層の状態で含有している形態
(2)キャリア基体用基材としての樹脂製基材の樹脂組成物中に、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂およびワックス類から選択された少なくとも1種の成分を混合することによって、キャリア基体用基材の内部に分散した状態で含有している形態
(3)キャリア基体用基材としての紙製基材に、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂およびワックス類から選択された少なくとも1種の成分を含浸することによって、キャリア基体用基材の内部に含浸した状態で含有している形態
前記キャリア基体用基材は、その表面又は内部に、アクリル系樹脂とともに、ポリアルキレングリコールを含有していることが好ましい。
【0009】
前記キャリア基体用基材としては、ポリエステル製基材、ポリオレフィン系樹脂製基材、ポリスチレン製基材または紙製基材を好適に用いることができる。
【0010】
前記電子部品搬送用カバーテープの接着樹脂層を形成する樹脂組成物としては、重合体100重量部に対して、1〜100重量部の接着付与樹脂、および0.05〜50重量部の帯電防止剤を含有していることが好ましい。
【0011】
本発明では、ポリスチレン製基材又は紙製基材に対して、電子部品搬送用カバーテープの剥離力(23℃×65%RH、剥離角度180°、剥離速度300mm/分)を測定した際の測定値の最大値と最小値との差が、0.3N未満であることが好ましく、また、電子部品搬送用カバーテープを、電子部品搬送用キャリア基体から剥離させた際の接着樹脂層に生じる剥離帯電圧(23℃×65%RH、剥離角度180°、剥離速度5000mm/分、電極と接着樹脂層との距離5mm)の絶対値が、1500V以下であることが好ましい。
【0012】
電子部品は、電子部品搬送用キャリア基体の電子部品収納部に収納されていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の電子部品搬送用キャリア基体の一例を示す概略断面図である。この電子部品搬送用キャリア基体1aでは、キャリア基体用基材3aの一方の表面にエンボス加工等により形成された凹部2a1による電子部品収納部2aを有している。図2は本発明の電子部品搬送用キャリア基体の他の例を示す概略断面図である。この電子部品搬送用キャリア基体1bでは、キャリア基体用基材3bの電子部品収納用孔3b1の底面が電子部品搬送用ボトムカバーテープ3cによって覆われて形成された凹部2b1による電子部品収納部2bを有している。このように、電子部品搬送用キャリア基体(「キャリア基体」と称する場合がある)の電子部品収納部は、キャリア基体用基材に、必要に応じて電子部品搬送用ボトムカバーテープを用いて、形成された凹部からなっている。
【0014】
本発明では、キャリア基体用基材は、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂、ワックス類などの成分(「帯電列近似成分」と称する場合がある)を表面又は内部に含有していることが重要である。帯電列近似成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0015】
このような帯電列近似成分をキャリア基体用基材含有させることにより、電子部品搬送用カバーテープの接着樹脂層(又は該接着樹脂層を構成するベースポリマー)と、キャリア基体との帯電列差(又は位置)、帯電極性または帯電非極性を近似化することができる。従って、キャリア基体から電子部品搬送用カバーテープを剥離させる際の静電気の発生を抑制又は防止することができる。
【0016】
なお、帯電列とは、電子を放ちやすいもの又は電子を受け取りやすいものの序列を意味している。本発明では、電子部品搬送用カバーテープの接着樹脂層を構成するベースポリマーと帯電列上の位置が近い成分を、キャリア基体用基材に含有させているので、キャリア基体から電子部品搬送用カバーテープを剥離させる際の帯電量(摩擦帯電量等)を低減させることができる。
【0017】
帯電列近似成分のキャリア基体用基材への含有形態としては、例えば、(1)キャリア基体用基材が下記に示されるように樹脂製基材又は紙製基材である場合、キャリア基体用基材の表面上に帯電列近似成分を塗布や噴霧等によりコーティング又は積層して帯電列近似成分層を形成することによって、キャリア基体用基材の表面に層の状態で含有している形態、(2)キャリア基体用基材が樹脂製基材である場合、キャリア基体用基材としての樹脂組成物中に帯電列近似成分を混合することによって、キャリア基体用基材の内部に分散した状態等で含有している形態、(3)キャリア基体用基材が紙製基材である場合、キャリア基体用基材としての紙に帯電列近似成分を含浸することによって、キャリア基体用基材の内部に含浸した状態等で含有している形態などが挙げられる。
【0018】
帯電列近似成分において、ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルを主モノマー成分として含有している樹脂であれば特に制限されない。従って、この主モノマー成分としての酢酸ビニルは、ポリ酢酸ビニル系樹脂における全モノマー成分に対して50モル%以上(好ましくは80モル%以上)の割合で用いられていてもよい。なお、ポリ酢酸ビニル系樹脂における他のモノマー成分としては、酢酸ビニルと共重合可能なモノマー成分であれば特に制限されないが、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸等のカルボン酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有共重合性モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のアミノ基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有共重合性モノマー;スチレン等のスチレン系モノマー;ブタジエン、イソプレン等のジエン類などが挙げられる。
【0019】
また、帯電列近似成分としてのエチレン系共重合体としては、エチレンを主モノマー成分として含有している樹脂であれば特に制限されない。従って、この主モノマー成分としてのエチレンは、エチレン系共重合体の全モノマー成分に対して50モル%以上(好ましくは80モル%以上)の割合で用いられていてもよい。なお、エチレン系共重合体における他のモノマー成分としては、エチレンと共重合可能なモノマー成分であれば特に制限されないが、例えば、プロピレン等のエチレン以外のオレフィン系モノマー;酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸等のカルボン酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有共重合性モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のアミノ基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有共重合性モノマー;スチレン等のスチレン系モノマー;ブタジエン、イソプレン等のジエン類などが挙げられる。
【0020】
さらにまた、帯電列近似成分としてのアクリル系樹脂としては、アクリル系モノマーを主モノマー成分として含有している樹脂であれば特に制限されない。従って、この主モノマー成分としてのアクリル系モノマーは、アクリル系樹脂における全モノマー成分に対して50モル%以上(好ましくは80モル%以上)の割合で用いられていてもよい。このようなアクリル系モノマーには、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステルなどの各種(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。アクリル系モノマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0021】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルには、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステルなどが含まれ、(メタ)アクリル酸アリールエステルには、(メタ)アクリル酸フェニルエステルなどが含まれる。
【0022】
なお、アクリル系樹脂における他のモノマー成分としては、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマー;酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸等のカルボン酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有共重合性モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のアミノ基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有共重合性モノマー;スチレン等のスチレン系モノマー;ブタジエン、イソプレン等のジエン類などが挙げられる。
【0023】
アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
【0024】
なお、帯電列近似成分としての各種樹脂(ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂など)は、モノマー成分として酢酸ビニルが用いられている場合、ケン化されていてもよい。すなわち、帯電列近似成分としての各種樹脂は、モノマー単位としてビニルアルコール単位を有していてもよい。
【0025】
さらに、帯電列近似成分としてのワックス類には、ポリエチレンワックスなどのパラフィン系ワックス類が含まれる。
【0026】
キャリア基体用基材としては、特に制限されず、各種樹脂(プラスチック)による樹脂製基材(「プラスチック体」と称する場合がある)や、各種紙による紙製基材(「紙台紙」と称する場合がある)を好適に用いることができる。プラスチック体の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ポリアミド;ポリイミド;セロハン;ポリ塩化ビニルなどの各種樹脂(熱可塑性樹脂など)が挙げられる。また、紙台紙の素材としては、例えば、和紙、薄葉紙、クレープ紙、合成紙、混抄紙、複合紙などの各種紙が挙げられる。なお、プラスチック体や紙台紙の素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、キャリア基体用基材は単層の形態を有していてもよく、積層体の形態を有していてもよい。例えば、キャリア基体用基材は、単層や多層の形態のプラスチック体や紙台紙であってもよく、プラスチック体と紙台紙との積層体であってもよい。
【0027】
キャリア基体用基材(特に、プラスチック体)又は帯電列近似成分には、必要に応じて、帯電防止剤、導電剤、繊維状物質(カーボンファーバーなど)、界面活性剤(非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの各種の界面活性剤)、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体など)、極小導電性微粒子、充填剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが配合されていてもよい。帯電列近似成分がアクリル系樹脂である場合、プラスチック体等のキャリア基体用基材は、その表面又は内部に、アクリル系樹脂とともに、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体など)を含有していることが好ましい。
【0028】
図3は、本発明の電子部品搬送体の一例を示す概略断面図である。この電子部品搬送体4では、キャリア基体1と、該キャリア基体1における該電子部品収納部2の上面を覆うようにキャリア基体1と接着される電子部品搬送用カバーテープ5とにより構成されている。なお、キャリア基体1は、図1に示されるようなエンボス状の凹部による電子部品収納部2を有している。また、電子部品搬送体4には、電子部品収納部2にチップ型電子部品(「電子部品」と称する場合がある)6が収納されている。
【0029】
電子部品搬送用カバーテープ(「カバーテープ」と称する場合がある)5は、例えば、図4で示されるように、支持基材5bと、該支持基材5b上に形成された接着樹脂層5aとにより構成することができる。カバーテープ5は、接着樹脂層5aを利用して、キャリア基体1と接着することができる。従って、接着樹脂層5aとしては、優れた接着性(剥離安定性、保存安定性など)とともに、優れた帯電防止性を有していることが重要である。そのため、接着樹脂層5aとしては、分子内にカルボキシル基又はアシルオキシ基を含有するオレフィン系共重合体、アイオノマー樹脂、芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体などの重合体(「ベースポリマー」と称する場合がある)を含む樹脂組成物により形成されていることが好ましい。すなわち、カバーテープは、前述のようなベースポリマーを含む樹脂組成物により形成された接着樹脂層5aを有していることが重要である。ベースポリマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0030】
このようなベースポリマーを用いることにより、カバーテープのキャリア基体に対する接着性を高いレベルで保持させることができ、具体的には、カバーテープをキャリア基体に接着させた際の保存安定性が優れ、またカバーテープをキャリア基体から剥離させる際の剥離安定性などが優れている。しかも、耐熱性も良好である。
【0031】
ベースポリマーにおいて、分子内にカルボキシル基又はアシルオキシ基を含有するオレフィン系共重合体(「カルボキシル/アシルオキシ基含有オレフィン系共重合体」と称する場合がある)としては、モノマー成分として、エチレンやプロピレン等のオレフィン系モノマーと、カルボキシル基含有モノマー及び/又はアシルオキシ基含有モノマーとを含有している。オレフィン系モノマー、カルボキシル基含有モノマーやアシルオキシ基含有モノマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0032】
カルボキシル/アシルオキシ基含有オレフィン系共重合体において、オレフィン系モノマーとしては、エチレンを好適に用いることができる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸などが挙げられる。該カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸が好ましく、さらにはアクリル酸、メタクリル酸が好適である。さらにまた、アシルオキシ基含有モノマーにおいて、アシルオキシ基としては、アセトキシ基が好適である。アシルオキシ基含有モノマーとしては、酢酸ビニルが好適である。
【0033】
カルボキシル/アシルオキシ基含有オレフィン系共重合体中のカルボキシル基含有モノマー及び/又はアシルオキシ基含有モノマーのモノマー単位(モノマーユニット)の割合(含有量)としては、例えば、モノマー単位全量に対して2〜30重量%(好ましくは6〜15重量%)である。カルボキシル基含有モノマー及び/又はアシルオキシ基含有モノマーのモノマー単位の割合がモノマー単位全量に対して2重量%未満であると、接着性が低下し、さらに軟化点が高くなり、一方、30重量%を超えると、硬化後の弾性率が大きくなることにより応力緩和性が低下する傾向にあり、また、カルボキシル基やアセテート基による吸湿性のため、接着樹脂層の吸湿性が大きくなり、吸湿した水分の気化による蒸気圧によって剥離やボイドが発生しやすくなる。
【0034】
カルボキシル/アシルオキシ基含有オレフィン系共重合体としては、例えば、(i)エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−フマル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;プロピレン−アクリル酸共重合体、プロピレン−メタクリル酸共重合体、プロピレン−マレイン酸共重合体、プロピレン−フマル酸共重合体等のプロピレン−不飽和カルボン酸共重合体などの分子内にカルボキシル基を含有するオレフィン系共重合体、(ii)エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチレンジアセテート共重合体等のエチレン−アシルオキシ基含有ビニル化合物共重合体;プロピレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−エチレンジアセテート共重合体等のプロピレンエチレン−アシルオキシ基含有ビニル化合物共重合体などの分子内にアシルオキシ基を含有するオレフィン系共重合体、(iii)エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−フマル酸共重合体等のエチレン−アシルオキシ基含有ビニル化合物−不飽和カルボン酸共重合体;プロピレン−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、プロピレン−酢酸ビニル−メタクリル酸共重合体、プロピレン−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、プロピレン−酢酸ビニル−フマル酸共重合体等のプロピレン−アシルオキシ基含有ビニル化合物−不飽和カルボン酸共重合体などの分子内にカルボキシル基及びアシルオキシ基を含有するオレフィン系共重合体などが挙げられる。
【0035】
カルボキシル/アシルオキシ基含有オレフィン系共重合体としては、エチレン単位をモノマー単位として含有するエチレン系共重合体が好ましい。このようなエチレン系共重合体としては、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を好適に用いることができる。エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)としては、例えば、商品名「ノバテックEAA」(日本ポリケム株式会社製)、商品名「プリマコール」(ダウ・ケミカル日本株式会社製)などが市販されている。また、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)としては、例えば、商品名「ニュクレル」(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)などが市販されている。さらにまた、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)としては、例えば、商品名「ミラソン」(三井化学株式会社製)、商品名「エバフレックス」(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)などの市販品が入手可能である。
【0036】
また、ベースポリマーにおけるアイオノマー樹脂としては、例えば、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の一部のカルボキシル基を金属で架橋した樹脂が挙げられる。アイオノマー樹脂としては、例えば、商品名「ハイミラン」(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)などが市販されている。
【0037】
さらにまた、ベースポリマーにおける芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体(「ブロック共重合体」と称する場合がある)としては、例えば、ポリスチレンなどの芳香族ビニル化合物によるポリマー部位(「芳香族ビニルブロック」と称する場合がある)と、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエン系化合物によるポリマー部位(「共役ジエンブロック」と称する場合がある)からなるブロック共重合体が挙げられる。ブロック共重合体としては、熱的安定性の点から水素添加したものが好ましく、さらにマレイン酸等を付加させ、ポリオレフィン系樹脂との相溶性やエポキシ樹脂との反応性を高めたものがより好ましい。具体的には、ブロック共重合体としては、例えば、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)などのスチレン系ブロック共重合体が挙げられる。このようなブロック共重合体としては、例えば、商品名「タフテックMシリーズ」(旭化成工業株式会社製)、商品名「クレイトンFG1901X」(シェルジャパン株式会社製)などが市販されている。
【0038】
なお、ブロック共重合体において、芳香族ビニルブロックと、共役ジエンブロックとの割合としては、芳香族ビニルブロック/共役ジエンブロック=10/90〜60/40(重量比)であることが好ましい。ブロック共重合体中の芳香族ビニルブロックの割合が、10重量%未満であると、高粘度となって、接着樹脂層の形成が困難となり、一方、60重量%を超えると、カバーテープとした時の耐溶剤性が低下して、高温時での芳香族ビニルブロックの流動により耐熱性が低下する。
【0039】
ブロック共重合体は、カルボキシル/アシルオキシ基含有オレフィン系共重合体(特に、分子内にカルボキシル基又はアシルオキシ基を含有するエチレン系共重合体)と組み合わせて用いることが好ましい。この両者の割合としては、例えば、カルボキシル/アシルオキシ基含有オレフィン系共重合体/ブロック共重合体=40/60〜80/20(重量比)であり、好ましくは45/55〜70/30(重量比)である。カルボキシル/アシルオキシ基含有オレフィン系共重合体の割合がベースポリマー全量に対して40重量%より少ないと、ゴム的性質が強くなるため加工性が低下し、また、ベースポリマー中のカルボキシル基やアシルオキシ基等の官能基の含有量の低下により接着性や耐熱性も低下する。一方、カルボキシル/アシルオキシ基含有オレフィン系共重合体の割合がベースポリマー全量に対して80重量%より多くなると、溶剤に対する溶解性の低下等により、外観上良好な接着樹脂層を形成することが困難となる。
【0040】
接着樹脂層5aを構成する樹脂組成物には、剥離安定性、保存安定性などの接着性等を向上させるため、粘着付与樹脂が含まれていることが望ましい。該粘着付与樹脂としては、例えば、石油樹脂[脂肪族石油樹脂(C5系石油樹脂)又は脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族石油樹脂(C9系石油樹脂)又は芳香族系炭化水素樹脂、前記芳香族石油樹脂を水添した脂環族石油樹脂又は脂環族系炭化水素樹脂など]、スチレン系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂(ジペンテン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、前記テルペン樹脂を水添したテルペン樹脂など)、フェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。粘着付与樹脂を用いることにより、キャリア基体に対して安定かつ良好な接着力が得られるとともに、テーピング作業性を向上させることができる。粘着付与樹脂は、ベースポリマー100重量部に対して、例えば、100重量部以下(例えば、1〜100重量部)、好ましくは5〜50重量部程度である。粘着付与樹脂の割合がベースポリマー100重量部に対して1重量部未満の場合には、接着力が低く、テーピング後、テープが浮いて部品が飛び出す恐れがあり、一方、100重量部を超える場合には、接着力が高すぎてテープ切れが生じたり、接着樹脂層が硬くなるため剥離時にスリップステック現象(走り)が生じて部品が飛び出しやすくなるなど、剥離強度のバラツキが大きくなってしまう。
【0041】
また、接着樹脂層5aを構成する樹脂組成物には、帯電防止性が付与されていることが望ましい。帯電防止性の付与方法としては、特に制限されないが、例えば、樹脂組成物中に帯電防止剤や導電剤を配合する方法、接着樹脂層の表面又は内部に帯電防止層を形成する方法などが挙げられる。本発明では、接着樹脂層5aを構成する樹脂組成物に、帯電防止剤や導電剤が含まれていることが好ましい。帯電防止剤としては、例えば、アルキルサルフェート、アルキルアリールサルフェートなどのアニオン系界面活性剤;第四級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤;グリセリンモノステアレートなどの非イオン系界面活性剤;ジメチルアルキルベタインなどのベタインなどの両性界面活性剤;三級アミンなどの界面活性剤等が挙げられる。また、前記導電剤としては、例えば、金属酸化物、金属粉、カーボンブラックなどが挙げられる。帯電防止剤及び導電剤の配合量(合計)は、ベースポリマー100重量部に対して、例えば50重量部以下(例えば、0.05〜50重量部)、好ましくは0.1〜10重量部程度である。帯電防止剤及び導電剤の配合量がベースポリマー100重量部に対して50重量部を超えると、接着性が低下しやすくなる。
【0042】
接着樹脂層5aには、必要に応じて、カバーテープの諸特性を劣化させない範囲で、無機充填剤(例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)、有機充填剤、顔料、老化防止剤、カップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤など)、発泡剤(マクロカプセル型発泡剤など)、ワックス(パラフィンワックスなど)などの添加剤が含まれていてもよい。なお、無機充填剤としては、ベースポリマー等の樹脂との相溶性、密着性向上の点からシランカップリング剤で表面処理をしたものが好ましい。各添加剤の配合量は、ベースポリマー100重量部に対して、例えば0〜10重量部(好ましくは0.01〜1重量部)程度である。添加剤の配合量がベースポリマー100重量部に対して10重量部を超えると、接着性が低下しやすくなる。
【0043】
接着樹脂層5aの厚みは、接着性やハンドリング性などが損なわれない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜150μm、好ましくは5〜50μm程度である。接着樹脂層5aの厚みが1μm未満では接着力が弱く、150μmを超えるとカバーテープの総厚みの増大やテーピング時の糊はみ出しによるテーピング不良が発生しやすくなる。
【0044】
接着樹脂層5aの表面は、必要に応じて、コロナ放電処理、プラズマ処理などの慣用の表面処理を施して、活性度を向上させることもできる。
【0045】
接着樹脂層5aの作製方法は特に制限されない。例えば、ベースポリマーに、必要に応じて、粘着付与樹脂、帯電防止剤、導電材、その他の添加剤を、ニーダー混練機、連続二軸混練機、バンバリミキサーなどで溶融混合し、得られた混合物(又はこれをペレット化したもの)を、例えば、押出しラミネート法、Tダイタンデム押出しラミネーター等を用いた共押出し法、ドライラミネート法などの慣用の方法でラミネートすること等により、支持基材上に接着樹脂層を形成できる。
【0046】
支持基材5bを構成する支持基材としては、自己支持性を有するものであればよく、例えば、和紙、薄葉紙、クレープ紙、合成紙、混抄紙、複合紙などの紙;不織布、布;ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリカーボネート、スルホン系樹脂(例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォンなど)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリイミド、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレンなど)などで構成されたプラスチックフィルム又はシート;銅、アルミニウムなどの金属で構成された金属箔又は薄板;これらの積層体などが挙げられる。
【0047】
支持基材5bには、その片面或いは両面に、易接着処理、易滑処理、帯電防止処理、導電処理、ラミネート処理、保水性処理、放電処理(オゾン処理、コロナ処理等)などの各種表面処理が施されていてもよい。
【0048】
支持基材5bには、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤、防錆剤、無機粒子、帯電防止剤(例えば、第4級アンモニウム塩系等)、導電性金属粉末、有機導電性高分子剤、チタン系やシラン系などのカップリング剤等が添加されていてもよい。
【0049】
支持基材5bは、融点が90℃以上であるのが好ましい。融点が90℃未満の場合には、電子部品のテーピング時に、支持基材が収縮したり溶融して、テーピングの状態が不安定となり、電子部品がこぼれたり、飛び出したりする恐れがある。
【0050】
支持基材5bは単層又は複層の何れであってもよい。支持基材5bの厚みは機械的強度、ハンドリング性などが損なわれない範囲で用途に応じて広い範囲で選択できるが、一般には2〜250μm程度であり、好ましくは20〜200μm程度である。
【0051】
なお、接着樹脂剤層5aは、支持基材5b上に直接形成されていてもよいが、必要に応じて、下塗り層や該下塗り層以外の他の層(例えば、中間層)を介して形成されていてもよい。すなわち、カバーテープは、必要に応じて、下塗り層や中間層などを備えていてもよい。
【0052】
前記下塗り層は、例えば、ウレタン系接着剤、イソシアネート系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、オキサザリン系接着剤、有機系静電誘導防止接着剤などの公知乃至慣用の接着剤(アンカーコート剤)により形成することができる。下塗り層の厚みは、例えば、0.05〜30μm程度である。下塗り層は、例えば、接着剤を支持基材上に、キスロールコーター等を用いて塗布する方法等、慣用のコーティング方法等で形成される。
【0053】
また、前記中間層は、例えば、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒法ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、エチレン共重合体(例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体など)等のポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂;熱可塑性エラストマー;ゴム等により形成することができる。中間層は、前記熱可塑性樹脂樹脂などの構成成分を、押出しラミネート法、Tダイタンデム押出しラミネーター等を用いた共押出し法、ドライラミネート法などの慣用の方法でラミネートすることにより形成できる。
【0054】
本発明では、キャリア基体1は、通常、長尺帯状の形態を有しており、電子部品収納部2が長さ方向に一定の間隔で形成されている。この電子部品収納部2に電子部品6を挿入し、カバーテープ5でカバー(例えば、熱シールによりカバー)した後、リール状に巻き取られて、電子部品搬送体4が搬送される。
【0055】
本発明の電子部品搬送体では、キャリア基体とカバーテープとの接着性(剥離安定性、保存安定性など)が優れており、特に剥離性が良好である。具体的には、例えば、キャリア基体用基材が樹脂製基材(プラスチック体)である場合、カバーテープを剥離した際には、カバーテープの接着樹脂層の凝集破壊、キャリア基体の帯電列近似成分層の破壊、帯電列近似成分層とキャリア基体又は接着樹脂層との界面破壊、キャリア基体と接着樹脂層との界面破壊などが生じて、容易に剥離させることができる。一方、キャリア基体用基材が紙製基材(紙台紙)である場合、カバーテープの接着樹脂層の凝集破壊、紙繊維の破壊(繊維ほぐれ)、紙台紙に含浸された帯電列近似成分層の破壊、帯電列近似成分層とキャリア基体又は接着樹脂層との界面破壊、キャリア基体と接着樹脂層との界面破壊などが生じて、容易に剥離させることができる。
【0056】
具体的には、電子部品搬送用カバーテープの剥離力(又は接着力)(23℃×65%RH、剥離角度180°、剥離速度300mm/分、対ポリスチレン製基材又は紙製基材)は、例えば、0.3N以下(好ましくは0.25N以下、さらに好ましくは0.20N以下)である。電子部品搬送用カバーテープの剥離力が0.3Nを超えると、振幅による振動より、部品の飛び出し等があり、実装率が低下する場合がある。
【0057】
本発明では、特に、ポリスチレン製基材又は紙製基材に対して、電子部品搬送用カバーテープの剥離力(又は接着力)(23℃×65%RH、剥離角度180°、剥離速度300mm/分)を測定した際の測定値の最大値と最小値との差(振幅)は、例えば、0.3N未満(好ましくは0.20N未満、さらに好ましくは0.15N未満)であることが望ましい。このように、剥離力(23℃×65%RH、剥離角度180°、剥離速度300mm/分、対ポリスチレン製基材又は紙製基材)を測定した際の測定値の最大値と最小値との差(振幅)を0.3N未満とすることができ、剥離安定性が優れている。
【0058】
また、帯電防止性が優れている。具体的には、電子部品搬送用カバーテープを、電子部品搬送用キャリア基体から剥離させた際の接着樹脂層に生じる剥離帯電圧(23℃×65%RH、剥離角度180°、剥離速度5000mm/分、電極と接着樹脂層との距離5mm)の絶対値は、例えば、1500V以下(好ましくは500V以下、さらに好ましくは100V以下、特に50V以下)である。剥離帯電圧が1500V(絶対値)を超えると、電子部品がキャリア基体に付着しやすくなり、エアーノズルによる電子部品の吸着率が低下して、基板上への電子部品の実装性が低下する。
【0059】
このように、本発明の電子部品搬送体は、カバーテープとキャリア基体との接着性(保存安定性や剥離安定性)が優れているので、容易に剥離させることができ、しかも、カバーテープをキャリア基体から剥離させる際の帯電防止性とが極めて優れているので、電子部品搬送用カバーテープを剥離させる際の静電気発生量が少なく、電子部品のキャリア基体等への付着を防止することができる。従って、回路基板等の作製工程において、自動組入れシステムにおけるエアーノズルの電子部品の吸着率が著しく向上し、電子部品を確実に取り出して、基板上に円滑に供給でき、基板上への電子部品の実装性が高められている。すなわち、従って、本発明の電子部品搬送体を用いると、電子部品の搬送から回路基板への組み込み工程に至る信頼性を顕著に向上させることができる。
【0060】
なお、チップ型電子部品としては、例えば、チップ固定抵抗器などの抵抗器、積層セラミックコンデンサなどのコンデンサ等の広範なチップ型電子部品を用いることができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の電子部品搬送体によれば、キャリア基体に対するカバーテープの接着性を高いレベルで保持しつつ、カバーテープの剥離時の静電気の発生を抑制又は防止することができる。そのため、電子部品のピックアップ性に優れ、電子部品の実装時の信頼性を高めることができる。
すなわち、輸送時あるいは剥離時等における帯電によるチップ部品の付着やチップ部品の飛び出しなどの不具合が解消され、自動組入れシステムにおいてのエアーノズルの吸着ミスがなくなり、基板への円滑なチップ部品の供給が可能となる。
【0062】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0063】
(実施例1)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA;商品名「エバフレックスP−0607」三井・デュポンポリケミカル株式会社製)100重量部、脂環族系炭化水素樹脂(商品名「アルコンP−100」荒川化学株式会社製)25重量部、帯電防止剤として商品名「エレクトロストリッパーTS−5」(花王株式会社製)0.5重量部を、ニーダー混練機にて140℃で、20分間混練を行った後、ペレット化して接着樹脂を得た。支持基材としてポリエステル製フィルム(商品名「E7415」東洋紡社製)の表面にアンカーコート剤(ウレタン系接着剤)を塗布し乾燥して下塗り層を形成し、その上に低密度ポリエチレン(商品名「ミラソン10P」三井化学株式会社製)を溶融押し出しして中間層を形成した。さらに中間層上に、前記ペレット化した接着樹脂を押し出しラミネート機にて溶融押出しし、接着樹脂層を形成して、支持基材(帯電防止ポリエステル製フィルム;厚さ25μm)/下塗り層(厚み0.5μm)/中間層(厚み15μm)/接着樹脂層(EVA+脂環族系炭化水素樹脂+帯電防止剤;厚み15μm)の層構成を有する積層体(総厚み約55μm)を得た。その後、巻き上げて、電子部品搬送用カバーテープを作製した。
【0064】
また、キャリア基体用基材としての紙台紙に、ポリ酢酸ビニル系樹脂(商品名「C−965」ニッセツ社製)を含浸させ、さらに図1で示されるようにエンボス加工を施して、電子部品収納部としての凹部が形成された電子部品搬送用キャリア基体を作製した。
【0065】
0603サイズのチップ型電子部品を、テーピングマシーン(東京ウエルズ社製「TWA−6000」)にて、前記電子部品搬送用キャリア基体の電子部品収納部に収納し、前記電子部品搬送用カバーテープでシールによりカバーして、電子部品が収納されている電子部品搬送体を得た。
【0066】
(実施例2)
キャリア基体用基材としてポリスチレン製基材(樹脂製基材)を用い、該ポリスチレン製基材の表面にポリ酢酸ビニル系樹脂(商品名「C−965」ニッセツ社製)を塗布してコーティングし、さらに図1で示されるようにエンボス加工を施して、電子部品収納部としての凹部が形成された電子部品搬送用キャリア基体を作製した。この電子部品搬送用キャリア基体を用いたこと、およびチップ型電子部品として1608サイズのチップ型電子部品を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電子部品が収納されている電子部品搬送体を得た。
【0067】
(実施例3)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA;商品名「エバフレックス420」三井・デュポンポリケミカル株式会社製)70重量部とスチレン系ブロックポリマー(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体;商品名「カリフレックスTR1186」シェル化学株式会社製)30重量部との混合樹脂100重量部、脂肪族系炭化水素樹脂(商品名「アルコン P100」荒川化学株式会社製)20重量部、帯電防止剤として商品名「エレクトロストリッパーTS−5」(花王株式会社製)0.5重量部を、ミキシングロールを用いて混合分散し、さらに、押出しラミネート機を用いて、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの積層フィルム(厚み40μm)上に溶融押出しラミネートして、積層体(総厚み50μm;接着樹脂層の厚み10μm)を得た。その後、巻き上げて、電子部品搬送用カバーテープを作製した。
【0068】
また、キャリア基体用基材としてポリスチレン系樹脂製基材(樹脂製基材)を用い、該ポリスチレン系樹脂基材の表面に、ポリ酢酸ビニル系樹脂(商品名「C−965」ニッセツ社製)を塗布してコーティングし、さらに図1で示されるようにエンボス加工を施して、電子部品収納部としての凹部が形成された電子部品搬送用キャリア基体を作製した。
【0069】
前記電子部品搬送用カバーテープおよび電子部品搬送用キャリア基体を用いたこと、およびチップ型電子部品として1608サイズのチップ型電子部品を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電子部品が収納されている電子部品搬送体を得た。
【0070】
(実施例4)
エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA;商品名「ニュクレルN1560」三井・デュポンポリケミカル株式会社製)100重量部、脂肪族系炭化水素樹脂(商品名「アルコン P100」荒川化学株式会社製)20重量部、帯電防止剤として商品名「レオレックスAS」(第一工業製薬株式会社製;カチオン系:第4級アンモニウム塩基含有共重合体)20重量部を、ミキシングロールを用いて混合分散し、さらに、押出しラミネート機を用いて、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの積層フィルム(厚み40μm)上に溶融押出しラミネートして、積層体(総厚み50μm;接着樹脂層の厚み10μm)を得た。その後、巻き上げて、電子部品搬送用カバーテープを作製した。
【0071】
また、キャリア基体用基材としての紙台紙の表面に、アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体99重量部およびポリエチレングリコール1重量部の混合物を塗布してコーティングし、さらに図1で示されるようにエンボス加工を施して、電子部品収納部としての凹部が形成された電子部品搬送用キャリア基体を作製した。
【0072】
前記電子部品搬送用カバーテープおよび電子部品搬送用キャリア基体を用いたこと、およびチップ型電子部品として1005サイズのチップ型電子部品を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電子部品が収納されている電子部品搬送体を得た。
【0073】
(比較例1)
キャリア基体用基材としての紙台紙に、ポリ酢酸ビニル系樹脂を含浸させなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子部品収納部としての凹部が形成された電子部品搬送用キャリア基体を作製するとともに、電子部品が収納されている電子部品搬送体を得た。すなわち、該比較例1では、キャリア基体には、ポリ酢酸ビニル系樹脂が含有されていない。
【0074】
(比較例2)
キャリア基体用基材としてのポリスチレン製基材の表面に、ポリ酢酸ビニル系樹脂を塗布してコーティングしなかったこと以外は、実施例2と同様にして、電子部品収納部としての凹部が形成された電子部品搬送用キャリア基体を作製するとともに、電子部品が収納されている電子部品搬送体を得た。すなわち、該比較例2では、キャリア基体には、ポリ酢酸ビニル系樹脂が含有されていない。
【0075】
(比較例3)
キャリア基体用基材としての紙台紙の表面に、ポリ酢酸ビニル系樹脂を塗布してコーティングしなかったこと以外は、実施例4と同様にして、電子部品収納部としての凹部が形成された電子部品搬送用キャリア基体を作製するとともに、電子部品が収納されている電子部品搬送体を得た。すなわち、該比較例3では、キャリア基体には、ポリ酢酸ビニル系樹脂が含有されていない。
【0076】
(評価試験)
実施例及び比較例で得られたカバーテープ又は電子部品搬送体について、下記の引張強度及び伸び評価方法、帯電防止性評価方法、接着強度測定方法、剥離状態の観察方法による試験を行い、引張強度、伸び、帯電防止性、接着性、剥離性を評価した。なお、評価結果は表1に示す。
【0077】
[引張強度及び伸び評価方法]
電子部品搬送体のカバーテープ(幅:5.25mm、長さ:100mm)を、23℃、65%RHの雰囲気下で、JIS C 2107に準じて、引張試験機を用いて、引張強度および伸びを測定した。
【0078】
[接着強度測定方法]
下記の方法により、カバーテープのポリスチレン製基材または紙製基材に対する接着強度を測定した。
(対ポリスチレン製基材)
カバーテープ(幅:9mm)を、ポリスチレン製基材に、日本ガーター社製のテーピングマシーンを用いて、設定温度180℃、圧力0.25MPa、時間0.2分間の条件で圧着を行い、その後、常温にて1時間以上エージングした後、テンシロン型引張り試験機にて300mm/minの引張速度にて180°方向に引っ張って、そのときの剥離強度を測定し、この剥離試験結果より、平均値(X−BAR)、最大値(MAX)と最小値(MIN)との差(R)を求める。なお、測定結果は、表1の「対Pst接着力」の欄に示した。
【0079】
(対紙製基材)
カバーテープ(幅:5.25mm)を、紙製基材(紙台紙)に、東京ウエルズ社製のテーピングマシーンを用いて、設定温度200℃、圧力0.25MPa、時間0.1分間の条件で圧着を行い、その後、常温にて1時間以上エージングした後、テンシロン型引張り試験機にて300mm/minの引張速度にて180°方向に引っ張って、そのときの剥離強度を測定し、この剥離試験結果より、平均値(X−BAR)、最大値(MAX)と最小値(MIN)との差(R)を求める。なお、測定結果は、表1の「対紙台紙接着力」の欄に示した。
【0080】
[帯電防止性評価方法]
電子部品搬送体のカバーテープ(幅:5.25mm、長さ:150mm)を、23℃、65%RHの雰囲気下で、高速引張試験機にて180°方向に剥離速度5000mmm/minの速度で100mm引き剥がし、その時の接着樹脂層表面(各3箇所)の静電気発生量[剥離帯電量(V);表面電位]を、表面電位測定器(商品名「ELECTROSTATIC VOLTMETER」トレック・ジャパン株式会社製)を用いて測定した。なお、表面電位測定用プローブの高さは、接着樹脂層表面から約5mmとした。表面電位(表面の静電気発生量)の測定値(V)の数値は実測値である(絶対値ではない)。なお、測定結果は、表1の「剥離帯電圧」の欄に示した。
【0081】
[剥離状態の観察方法]
前記帯電防止性評価方法による測定後、光学顕微鏡(倍率100倍)、またはフーリエ変換赤外分析装置(FT−IR)にての表面分析により、カバーテープを剥離した際の状態を観察する。なお、観察結果は、表1の「剥離モード」の欄に示した。この剥離モード欄において、「台紙/接着面の界面破壊」は、「キャリア基体用基材とカバーテープの接着樹脂層との界面での破壊」を意味している。また、「含浸樹脂の凝集破壊」は、「キャリア基体用基材に含有させた帯電列近似成分層における凝集破壊」を意味している。
【0082】
【表1】
【0083】
表1より、実施例に係るカバーテープ又は電子部品搬送体は、カバーテープの剥離性が優れており、容易に且つ安定してカバーテープをキャリア基体から剥離することができる。また、キャリア基体からのカバーテープの剥離時における剥離帯電圧も極めて低く、帯電防止性が効果的に発現している。従って、電子部品の実装時の信頼性が高められている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品搬送用キャリア基体の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の電子部品搬送用キャリア基体の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の電子部品搬送体の一例を示す概略断面図である。
【図4】図3に係る電子部品搬送体における電子部品搬送用カバーテープを示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 電子部品搬送用キャリア基体
1a、1b 電子部品搬送用キャリア基体
2 電子部品収納部
2a、2b 電子部品収納部
3a、3b キャリア基体用基材
3c 電子部品搬送用ボトムカバーテープ
4 電子部品搬送体
5 電子部品搬送用カバーテープ
5a 接着樹脂層
5b 支持基材
6 チップ型電子部品
Claims (7)
- 電子部品搬送用キャリア基体と、該電子部品搬送用キャリア基体における該電子部品収納部の上面を覆うように電子部品搬送用キャリア基体と接着される電子部品搬送用カバーテープとにより構成される電子部品搬送体であって、前記電子部品搬送用キャリア基体が、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂およびワックス類から選択された少なくとも1種の成分を表面又は内部に含有するキャリア基体用基材により構成されているとともに、前記電子部品搬送用カバーテープが、分子内にカルボキシル基又はアシルオキシ基を含有するオレフィン系共重合体、アイオノマー樹脂、及び芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体から選択された少なくとも1種の重合体を含む樹脂組成物により形成された接着樹脂層を有しており、且つ前記キャリア基体用基材が、表面又は内部に、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂およびワックス類から、前記接着樹脂層又は該接着樹脂層を構成するベースポリマーと帯電列上の位置が近似するように選択された少なくとも1種の成分を、下記の(1)〜(3)の含有形態から選択された少なくとも一種の含有形態で含有していることを特徴とする電子部品搬送体。
(1)キャリア基体用基材としての樹脂製基材又は紙製基材の表面上に、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂およびワックス類から選択された少なくとも1種の成分を塗布や噴霧によりコーティング又は積層して層を形成することによって、キャリア基体用基材の表面に層の状態で含有している形態
(2)キャリア基体用基材としての樹脂製基材の樹脂組成物中に、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂およびワックス類から選択された少なくとも1種の成分を混合することによって、キャリア基体用基材の内部に分散した状態で含有している形態
(3)キャリア基体用基材としての紙製基材に、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂およびワックス類から選択された少なくとも1種の成分を含浸することによって、キャリア基体用基材の内部に含浸した状態で含有している形態 - キャリア基体用基材が、表面又は内部に、アクリル系樹脂とともに、ポリアルキレングリコールを含有している請求項1記載の電子部品搬送体。
- キャリア基体用基材が、ポリエステル製基材、ポリオレフィン系樹脂製基材、ポリスチレン製基材または紙製基材である請求項1又は2記載の電子部品搬送体。
- 電子部品搬送用カバーテープの接着樹脂層を形成する樹脂組成物が、重合体100重量部に対して、1〜100重量部の接着付与樹脂、および0.05〜50重量部の帯電防止剤を含有する請求項1〜3の何れかの項に記載の電子部品搬送体。
- ポリスチレン製基材又は紙製基材に対して、電子部品搬送用カバーテープの剥離力(23℃×65%RH、剥離角度180°、剥離速度300mm/分)を測定した際の測定値の最大値と最小値との差が、0.3N未満である請求項1〜4の何れかの項に記載の電子部品搬送体。
- 電子部品搬送用カバーテープを、電子部品搬送用キャリア基体から剥離させた際の接着樹脂層に生じる剥離帯電圧(23℃×65%RH、剥離角度180°、剥離速度5000mm/分、電極と接着樹脂層との距離5mm)の絶対値が、1500V以下である請求項1〜5の何れかの項に記載の電子部品搬送体。
- 電子部品が、電子部品搬送用キャリア基体の電子部品収納部に収納されている請求項1〜6の何れかの項に記載の電子部品搬送体。
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