JP4425706B2 - 部品包装体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電子部品やばね等の機構部品、或いは各種部品からなるモジュールなどの収納、保管、搬送、実装等に用いられる部品包装体およびその製造方法に関するものである。
電子部品等の搬送等に用いられる部品包装体としては、その表面に電子部品等を収納するための凹形の部品収納部(以下、凹部という)が形成されたキャリアテープやトレーなどの部品包装体が用いられている。
キャリアテープとしては、紙、プラスチックフィルム等のシートを所定の幅にスリットして基材を得、(1)基材の一部を打抜き加工により取り除いた後、基材裏面にボトムテープを装着して部品収納部を形成したパンチドキャリアテープ、(2)基材の一部を凹形にエンボス加工して凹部を形成したエンボスキャリアテープ、(3)基材の一部を圧縮加工することによって凹部を形成したプレスキャリアテープ(例えば特許文献1参照)等が一般的である。また、トレーの形態としては、インジェクショントレー、ソフトトレー等が一般的である。
これらの中で、電子部品等の比較的小型の部品については、収納効率、実装信頼性、実装生産性等の点から、エンボスキャリアテープと、その凹部を封止するカバーテープとを備えた、エンボスキャリアテープ/カバーテープ方式(いわゆるテープアンドリール方式)の部品包装体が主流として使用されている。
近年、電子部品の微細化が進み、例えば電子部品の縦、横の寸法が、1.0×0.5mm(1005チップ)、0.6×0.3mm(0603チップ)、0.4×0.2mm(0402チップ)等のような微細電子部品を収納するのに適した凹部を有する電子部品搬送体が用いられるようになってきた。
しかし、キャリアテープは、製造時に、スリット加工や打抜き加工、エンボス加工、圧縮加工等の成形処理が施されるため、スリット端面や打ち抜き端面、凹部の内側等に、基材のせん断により、紙粉等の粉バリや、ひげバリ、繊維くず等の異物が発生するという問題がある。このような異物の問題は、凹部が微細化するほど大きな問題となり、特に、上述のような微細電子部品用のキャリアテープの場合、部品接着信頼性低下や部品電気的接続信頼性低下などの原因となる。すなわち、異物が凹部内に収納された部品に付着すると、実装時に、部品の接着不良や、電気的なショート、電気的接続不良等が発生する。このような問題は、凹部が微細化するほど発生しやすい。
この問題を解決するための手段として、従来、紙原紙を浸漬加工やコーティング加工することにより、表面や裏面に樹脂含浸層を形成し、表面裏面からの紙粉や繊維くずの発生を防止する方法が公知である。例えば特許文献2には、紙製キャリアテープのカバーテープとの接着表面部分に、水分散系樹脂または水溶性樹脂を含浸した後、乾燥して樹脂層を形成することにより、該カバーテープを剥離する際に、カバーテープ側にめり込んだ紙繊維がキャリアテープ側紙繊維との間で引きちぎれることにより発生する静電気を抑える方法が提案されている。
特開平10−338208号公報 特開2003−355364号公報
しかし、表面裏面への樹脂含浸のみでは、スリット端部、打ち抜き端部や、凹部内面からの粉バリやひげバリの発生を防止することはできず、実装工程における実装率低下を招いている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、粉バリやひげバリ、繊維くず等の異物による部品接着信頼性低下、部品電気的接続信頼性低下などの問題が改善された部品包装体およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、当該キャリアテープを生産するための成形加工を終了した後に、該キャリアテープの表面全体を、キャリアテープに対して所定の密着性を有する樹脂層で被覆することによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の部品包装体は、複数の部品収納用凹部が成形されたキャリアテープを備える部品包装体であって、前記キャリアテープの表面全体が、当該キャリアテープを生産するための成形加工の終了後に形成された樹脂層によって被覆されており、前記樹脂層が、ガラス転移温度が60℃以上の樹脂から構成され、前記キャリアテープに対し、JIS H 8602に準拠する碁盤目試験において、剥離を示さないか、または該キャリアテープの表面破壊を伴う剥離を示す密着性を有することを特徴とする。
本発明の部品包装体は、前記キャリアテープが紙製キャリアテープであることが好ましい
本発明の部品包装体は、前記樹脂層がさらに帯電防止剤および/または導電性材料を含有することが好ましい。
本発明の部品包装体は、前記樹脂層が、樹脂エマルションおよび/または樹脂水溶液に、成形されたキャリアテープの表面全体を浸漬させて得られる層であるか、または、樹脂と、該樹脂を溶解する有機溶剤を含有する溶剤との混合溶液に、成形されたキャリアテープの表面全体を浸漬させて得られる層あることが好ましい。
本発明の部品包装体は、前記樹脂層が、該樹脂層により表面全体が被覆された前記キャリアテープにカバーテープを接着した際に、JIS C 0806−3に準拠して測定される、該キャリアテープとカバーテープとの間の、剥離速度300mm/minにおける剥離強度が0.1〜1Nとなるカバーテープ接着性を有することが好ましい。
また、本発明の部品包装体の製造方法は、複数の部品収納用凹部が成形されたキャリアテープを生産するための成形加工の終了後、得られたキャリアテープの表面全体を、ガラス転移温度が60℃以上の樹脂から構成され、該キャリアテープに対し、JIS H 8602に準拠する碁盤目試験において、剥離を示さないか、または該キャリアテープの表面破壊を伴う剥離を示す密着性を有する樹脂層で被覆することを特徴とする。
本発明により、粉バリやひげバリ、繊維くず等の異物による部品接着信頼性低下、部品電気的接続信頼性低下などの問題が改善された部品包装体およびその製造方法が提供される。
かかる本発明の部品包装体を用いることにより、プラスチック製エンボスキャリアテープや、紙製パンチドキャリアテープ、プレスキャリアテープ等のキャリアテープにおけるスリット端面や、送り穴、部品収納用凹部の底穴端面、凹部内面等における粉バリやひげバリ等の異物の発生を防止でき、それにより、異物と、リール内面や実装機送り装置、部品等との接触による静電気の発生とそれに伴う実装不良を防止することが可能となる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の部品包装体は、複数の部品収納用凹部が成形されたキャリアテープを備える部品包装体であって、前記キャリアテープの表面全体が、樹脂から構成される樹脂層によって被覆されており、前記樹脂層が、前記キャリアテープに対し、JIS H 8602に準拠する碁盤目試験において、剥離を示さないか、または該キャリアテープの表面破壊を伴う剥離を示す密着性を有することを特徴とする部品包装体である。
本発明において、複数の部品収納用凹部が成形されたキャリアテープとしては、特に限定されず、例えば、基材の一部を打抜き加工により取り除いた後、基材裏面にボトムテープを装着して部品収納部を形成したパンチドキャリアテープ、プラスチック基材の一部を凹形にエンボス加工して凹部を形成したエンボスキャリアテープ、基材の一部を圧縮加工することによって凹部を形成したプレスキャリアテープなどが挙げられる。
そのようなキャリアテープとしては、一般的にキャリアテープとして市販されているものを使用してもよく、また紙等の基材を成形加工して用いてもよい。
キャリアテープの材質としては、特に限定されず、紙製のもの、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂製のもの等が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアセタール、ナイロン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂およびこれら2種以上を混合したポリマーアロイ等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。これらの中でも、高耐熱性を有するポリイミド等が成形上好ましい。
キャリアテープは、これらの樹脂の単層であってもよく、また多層、たとえば中間層と表面裏面との三層構造であってもよい。
本発明は、特にキャリアテープが紙製キャリアテープである場合に有用である。
さらに、キャリアテープの表面には、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理などにより表面に活性基を設けることにより、濡れ性を高めたり、また、燃焼化学気相蒸着(CCVD)により、nmオーダーの二酸化珪素(SiO)で表面を被覆する、いわゆる「イトロ処理」等の処理が施されていてもよい。これにより、キャリアテープの表面が、後述する樹脂溶液により濡れやすくなり、キャリアテープ表面全体を樹脂層で被覆しやすくなる。
本発明において、樹脂層は、樹脂から構成される層であり、前記キャリアテープに対し、JIS H 8602に準拠する碁盤目試験において、剥離を示さないか、または該キャリアテープの表面破壊を伴う剥離を示す密着性を有する層である。
ここで、「JIS H 8602に準拠する碁盤目試験」とは、以下の手順で行われる試験である。すなわち、まず、試験片の樹脂層に、カッターナイフの刃を用いて、縦横方向に垂直に、1mm間隔で11本ずつの線を引き、100個の碁盤目を作る。この上に、JIS Z1522に規定する幅12mmのテープを指で強く押し、貼り付けてからすぐ真上の方向に強く引き剥がす。このとき樹脂層の碁盤目に剥がれが認められないものを100/100とする。
本発明において、「剥離を示さない密着性を有する」とは、上記試験において、剥離した碁盤目の数が0、すなわち100/100であることを意味する。
また、「キャリアテープの表面破壊を伴う剥離を示す密着性を有する」とは、上記試験において、碁盤目が剥離したとしても、その碁盤目の剥離と同時に、キャリアテープの表面の一部が剥離し、キャリアテープの表面が破壊されるほど強くキャリアテープに密着していることを意味する。
この密着性は、例えば、キャリアテープの材質と樹脂層の材質の溶解度指数(SP値)をできるだけ近いものにする、溶剤によりキャリアテープ表面を溶解しながら樹脂を密着させる、前述した表面処理(コロナ処理、プラズマ処理、イトロ処理等)を行う等により調節することができる。
樹脂層を構成する樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の単独、または混合物、アロイまたはコポリマーであっても良い。これらの中から、キャリアテープの材質等に合わせて適宜選択される。
これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が60℃以上である樹脂が好ましく用いられる。これは、例えばキャリアテープにカバーテープをヒートシール等により接着する際に、実用上、約50℃程度までの温度に曝されることが考えられるためで、Tgが60℃未満であると、例えばキャリアテープを単体で、またはリール等に巻き取って保存、輸送した際に、ブロッキング等が生じるおそれがある。
また、本発明において、樹脂層は、該樹脂層により表面全体が被覆されたキャリアテープにカバーテープを接着した際に、JIS C 0806−3に準拠して測定される、該キャリアテープとカバーテープとの間の、剥離速度300mm/minにおける剥離強度が0.1〜1Nとなるカバーテープ接着性を有することが好ましい。これにより、キャリアテープの部品収納用凹部内に電子部品等の部品を収容した後に、カバーテープをヒートシール等により接着して、保管、搬送、実装等に用いるのに充分なキャリアテープ−カバーテープ間の接着性が得られる。
この剥離強度は、例えばシールこての幅、シール温度の高低、シール時間の長短、シール圧力の強弱等により調節することができる。
樹脂層の厚さとしては、特に限定されず、キャリアテープとしての使用に適する厚さであれば良く、好ましくは1〜50μmである。厚すぎると塗膜の乾燥が不充分となりやすく、残留溶剤によるブロッキングが起きやすい。薄すぎると、少しの擦れで樹脂層に傷が付き、キャリアテープ層が露出してしまうおそれがある。
本発明においては、樹脂層に、さらに、帯電防止剤および/または導電性材料を配合することが好ましい。これにより、静電気によるカバーテープ剥離時の部品付着による実装機の停止、およびそれに伴う調整や部品除去などによる実装生産性低下や、部品位置ずれ、部品回転、部品傾きなどによる実装信頼性低下を防止することが可能である。
この効果は、特に、部品が微細化するほど重要となる。例えばサイズが1005、0603、0402等のような微細電子部品用キャリアテープの場合、該微細電子部品の実装時に、凹部に収納された部品を取り出すためにカバーテープを剥離した際に、剥離帯電により静電気が発生し、凹部内の部品がカバーテープに付着するなどして実装不良を引き起こすことが確認されている。
帯電防止剤としては、非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤等の界面活性剤からなるものが挙げられ、代表的なものとしては、第四級アンモニウム塩が挙げられる。
導電性材料としては、導電性カーボンや、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリチオフェン系等の導電性ポリマー等が挙げられる。
帯電防止剤および/または導電性材料が配合された樹脂層は、上記効果のためには、表面固有抵抗値が10Ω〜1012Ωであることが望ましい。
樹脂層への帯電防止剤および/または導電性材料の配合は、例えば、樹脂層を形成する際に、後述する水系樹脂溶液または非水系樹脂溶液にこれらの帯電防止剤および/または導電性材料を添加、混合することによって行うことができる。
本発明の部品包装体は、さらに、上記キャリアテープの部品収納用凹部を封止するカバーテープを有していてもよい。カバーテープとしては、一般的に使用されているものが使用できる。
本発明の部品包装体は、当該キャリアテープを生産するための成形加工、すなわち、スリット加工や打ち抜き加工、部品収納用凹部の成型等の成形加工を全て終了した後、得られたキャリアテープの表面全体、すなわちスリット端面や打ち抜き端面、凹部内・外面、表面、裏面等の表面全体を、上述した所定の密着性を有する樹脂層で被覆することによって得ることができる。
ここで、「キャリアテープを生産するための成形加工」とは、目的とするキャリアテープの形状に成形するための、変形を伴う加工を意味し、キャリアテープを生産するための成形加工として、より具体的には、紙等のシート状の基材を所定の幅にスリットするスリット工程や、該基材に、打ち抜き加工、エンボス加工、圧縮加工等により部品収納用凹部や送り穴を成形する工程等が挙げられる。
キャリアテープの表面全体を樹脂層によって被覆する方法としては、下記(1)〜(3)等によって、キャリアテープ全体を樹脂溶液で濡らした後、乾燥して樹脂皮膜(樹脂層)を形成する方法等が挙げられる。
(1)水分散性樹脂および/または水溶性樹脂と水との混合液、すなわち樹脂エマルションおよび/または樹脂水溶液(以下、これらをまとめて水系樹脂溶液ということがある)を用い、該水系樹脂溶液中にキャリアテープを浸漬することによって、該水系樹脂溶液をキャリアテープ表面全体に含浸させる。
(2)樹脂と、該樹脂を溶解する有機溶剤(非水系溶剤)を含有する溶剤との混合溶液を用い、該混合溶液中にキャリアテープを浸漬することによって、該混合溶液をキャリアテープの表面全体に含浸させる。
(3)(1)の水系樹脂溶液または(2)の混合溶液(以下、これらをまとめて樹脂溶液ということがある)をキャリアテープ表面全体に塗工する。
これらの中でも、(1)、(2)による方法は、キャリアテープ表面全体に樹脂溶液を行き渡らせやすく好ましい。特に(1)による方法は、安全面からも好ましい。
上記方法のうち、有機溶剤を用いる方法においては、有機溶剤をキャリアテープの材質等に合わせて適宜選択することが好ましい。
例えば、キャリアテープの材質がポリスチレン系樹脂やポリカーボネート樹脂などの場合は、耐有機溶剤性が弱いため、溶剤組成を考慮する必要がある。
また、キャリアテープの材質が紙である場合、有機溶剤を用いる方法は、紙に大量の溶液が含浸されるため、被覆させた樹脂成分を乾燥させて固化するときに引火するおそれがあるなどの危険性が高く、そのため水系樹脂溶液の使用が望まれる。
上記(2)において、有機溶剤としては、イソプロパノール(IPA)、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンなど、樹脂を溶解する溶剤等が挙げられる。
また、該有機溶剤を含有する溶剤中、該有機溶剤以外に含有していてもよい溶剤としては、水などの、樹脂を溶解しない貧溶媒等が挙げられ、貧溶媒の種類は、その使用する樹脂により異なる。
また、キャリアテープの表面全体へ樹脂溶液を含浸させる際は、超音波を当てるなどして、樹脂溶液を、凹部内まで充分に行き渡るように進入させることが好ましい。
また、樹脂溶液の粘度は、ある程度低い方が望ましい。粘度が高いと、凹部内まで充分に行き渡らせるのに時間がかかる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
参考例1
ポリスチレン系樹脂製エンボスキャリアテープ(信越ポリマー(株)製「信越キャリアテープ」)を、アクリルエマルション(三菱レイヨン(株)製「LX196」、Tg45℃)100質量部に水道水:IPA=1:1を100質量部加えた樹脂溶液中に浸漬した。ポケット凹部(部品収納用凹部)や送り穴の打ち抜き部分の内部に樹脂溶液が十分濡れない個所があったため、35kHzの超音波を当てて表面全体を樹脂溶液で濡らし、キャリアテープの表側、裏側、凹部内、スリット端面、打ち抜き穴端面を含む表面全体に付着させた。次に、樹脂溶液中からキャリアテープを引き上げ、温度50℃の熱風で乾燥して、表面全体を樹脂層で被覆したエンボスキャリアテープを得た。
参考例2
王子製紙(株)製「クリーンペーパー」0.5mm厚ロールをスリットマシンにてスリット化工を行い、幅8mmの巻物を得た。これを信越ポリマー(株)製プレス成形機にてプレス成形を行い、ポケット形状0.5mm×0.5mm、深さ0.3mmの凹部を成形した。次いで、直径1.5mmの送り穴を同成形機に設けたプレス打ち抜き金型にて打ち抜き成形を行い、片側に送り穴を有する紙製プレスキャリアテープ(試作品)を得た。これを、参考例1と同様にして、表面全体を樹脂で被覆した紙製プレスキャリアテープを得た。
実施例3
アクリルエマルションとして、「LX196」に代えて、三菱レイヨン(株)製「LX−301」(Tg70℃)を用いた以外は、参考例2と同様にして、表面全体を樹脂で被覆した紙製プレスキャリアテープを得た。
実施例4
アクリルエマルション「LX196」に代えて、アクリル溶液(三菱レイヨン(株)製「LR177」、Tg60℃)を用いた以外は参考例2と同様にして、表面全体を樹脂で被覆した紙製プレスキャリアテープを得た。
実施例5
アクリル溶液に、導電性材料としてポリチオフェン(AGFA製PEDOT)を固形分換算で1.0質量%添加した以外は実施例4と同様にして、表面全体を樹脂で被覆した紙製プレスキャリアテープを得た。
比較例1
参考例1で使用したポリスチレン系樹脂製エンボスキャリアテープを比較例1とした。
比較例2
参考例2で使用した紙製プレスキャリアテープ(試作品)を比較例2とした。
比較例3
参考例1において、アクリルエマルションの代わりにポリビニルアルコール(日本酢ビポバール(株)製JP−04)を使用した以外は参考例1と同様にして、表面全体を樹脂で被覆した紙製プレスキャリアテープを得た。
比較例4
スリット・成形前の紙原反について、参考例2と同様にして、表面全体を樹脂で被覆した後、該紙原反のスリット・成形を行い、参考例2と同じ形状の紙製プレスキャリアテープを得た。
上記実施例および比較例で得られたキャリアテープについて、以下の評価を行った。それぞれの評価結果を表1に示す。
[密着性]
密着性は、JIS H 8602に準拠する碁盤目試験において、剥離したものは×、全く剥離しなかったもの、および、キャリアテープの表面破壊を伴って剥離したものを○とした。
[スリット端部のひげバリ発生]
樹脂被覆されたキャリアテープを一般的に使用されているポリスチレン系樹脂製リールに巻き取り、次いで、該キャリアテープを巻き出しながら、リールと擦れた個所を観察し、ひげバリ発生の有無を確認した。ひげバリがあるものを×、無いものを○とした。
[打ち抜き端部のバリ発生]
各1000mmの長さのキャリアテープを用いて、送り穴を通過させた後、送り穴用ピンロールを観察し、その表面にひげバリや、粉バリが有ったものを×、無かったものを○とした。
[カバーテープ剥離強度]
JIS C 0806−3に準拠して、以下の手順で剥離強度を測定した。すなわち、信越ポリマー(株)製帯電防止タイプカバーテープ「ASS」を使用し、こて幅片側0.5mm、長さ25mmを両サイドに有するこてを用いて、バンガードシステムズ(株)製テーピング機VN1100にて、160℃、0.3MPa、0.4秒のダブルスタンプ方式にてシールした後、300mm/minの剥離速度で180度剥離を行ったときの剥離強度が0.1Nから1Nの範囲に入ったものを○、それ以外のものを×とした。
[カバーテープ剥離時の樹脂層剥離]
上記カバーテープ剥離強度評価において、樹脂層が剥がれたものを×、剥がれなかったものを○とした。
[ブロッキング]
キャリアテープを330φリールに巻き取り、これを50℃×80%Rhの環境試験機に放置し、24時間後に取り出してブロッキングの有無を観察した。
[実装機でのチップ立ち(1608および0603)]
実装機でのチップ立ちについては、実際に1608(1.6×0.8mm)および0603(0.6×0.3mm)サイズのセラミックコンデンサーを挿入し、帯電防止グレードカバーテープ(信越ポリマー(株)製、ASS)でテーピングしたものを用意し、実装機により実装テストを行った結果を示した。
なお、「チップ立ち」とは、カバーテープを引き剥がす際に発生する静電気によって、微小電子部品がカバーテープに付着したり、部品収納用凹部内で立ち上がった状態になるなど、部品収納用凹部内に精確に収納されていない現象を意味し、その評価は、視認により行った。
Figure 0004425706
この結果から明らかなように、キャリアテープの表面全体が、該キャリアテープに対し、JIS H 8602に準拠する碁盤目試験において、剥離を示さないか、または該キャリアテープの表面破壊を伴う剥離を示す密着性を有する樹脂層によって被覆されている参考例1〜2および実施例3〜5のキャリアテープは、加工端部におけるバリの発生がなかった。
また、Tgが60℃以上の樹脂を用いた実施例3〜5のキャリアテープは、50℃×80%Rhの環境中で保存した際にブロッキングが見られず、保存性が良好であった。
さらに、樹脂層に導電性材料を配合した実施例5のキャリアテープは、実装時、0603という微細なサイズにおいても、チップ立ちが見られなかった。
一方、キャリアテープの被覆を行わなかった比較例1,2、樹脂層の密着性が充分でない比較例3、表面全体が樹脂層で被覆されていない比較例4のキャリアテープは、加工端部にバリが発生していた。

Claims (7)

  1. 複数の部品収納用凹部が成形されたキャリアテープを備える部品包装体であって、
    前記キャリアテープの表面全体が、当該キャリアテープを生産するための成形加工を全て終了した後に形成された樹脂層によって被覆されており、
    前記樹脂層が、ガラス転移温度が60℃以上の樹脂から構成され、前記キャリアテープに対し、JIS H 8602に準拠する碁盤目試験において、剥離を示さないか、または該キャリアテープの表面破壊を伴う剥離を示す密着性を有することを特徴とする部品包装体。
  2. 前記キャリアテープが紙製キャリアテープである請求項1記載の部品包装体。
  3. 前記樹脂層がさらに帯電防止剤および/または導電性材料を含有する請求項1または2に記載の部品包装体。
  4. 前記樹脂層が、樹脂エマルションおよび/または樹脂水溶液に、成形されたキャリアテープの表面全体を浸漬させて得られる層である請求項1〜のいずれかに記載の部品包装体。
  5. 前記樹脂層が、樹脂と、該樹脂を溶解する有機溶剤を含有する溶剤との混合溶液に、成形されたキャリアテープの表面全体を浸漬させて得られる層である請求項1〜のいずれかに記載の部品包装体。
  6. 前記樹脂層が、該樹脂層により表面全体が被覆された前記キャリアテープにカバーテープを接着した際に、JIS C 0806−3に準拠して測定される、該キャリアテープとカバーテープとの間の、剥離速度300mm/minにおける剥離強度が0.1〜1Nとなるカバーテープ接着性を有する請求項1〜のいずれかに記載の部品包装体。
  7. 複数の部品収納用凹部が成形されたキャリアテープを生産するための成形加工を全て終了した後、得られたキャリアテープの表面全体を、ガラス転移温度が60℃以上の樹脂から構成され、該キャリアテープに対し、JIS H 8602に準拠する碁盤目試験において、剥離を示さないか、または該キャリアテープの表面破壊を伴う剥離を示す密着性を有する樹脂層で被覆することを特徴とする部品包装体の製造方法。
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