JP4514395B2 - ボトムレスキャリアテープ、及び電子部品搬送体 - Google Patents

ボトムレスキャリアテープ、及び電子部品搬送体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に実装されるまでチップ型電子部品等を搬送するために用いられる電子部品搬送体と、該電子部品搬送体に用いられるボトムレスキャリアテープに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のキャリアテープは、貫通孔が形成された厚紙からなる紙キャリア(紙台紙)であって、この貫通孔部分に電子部品を収納し、その両面に蓋材を取り付けることにより電子部品搬送体として一般的に利用されている。具体的には、貫通孔を有する紙台紙の片面に蓋材(ボトムカバーテープ)を取り付けて形成された凹部に電子部品を載置した後、紙台紙の他の面へ蓋材(トップカバーテープ)をテーピングし、電子部品が封入された電子部品搬送体とすることができる。
【0003】
前記ボトムカバーテープとしては、例えば、不織布を基材とし、これにポリエチレン(PE)をラミネートしたものが一般的に用いられ、該ボトムカバーテープのPEラミネート面を紙台紙に熱圧着させて底面を塞ぐことにより凹部を形成する。また、トップカバーテープとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材に熱可塑性粘着層を設けたものが一般的に利用される。該トップカバーテープは、熱可塑性粘着層形成面を紙台紙に覆せた後、下駄状熱コテなどを用いて凹部の側面を連続熱圧着して上面を塞ぐことにより電子部品搬送体を構成することができる。
【0004】
しかし、このような搬送体は、電子部品の収納スペースが紙キャリアの厚みにより限定されてしまうため、上記の搬送体とは構成が異なり、ボトムカバーテープを用いない電子部品搬送体が提案されている。このような搬送体は、紙キャリアの厚みに関係なく任意に深さを調節することができ、電子部品の高さに合わせて搬送体を設計できるという特徴を有する。
【0005】
電子部品搬送体からの電子部品の取り出しは、トップカバーテープを引き剥がした後に一つずつ連続的に電子部品を取り出す(ピックアップする)方法によって行われる。しかし、トップカバーテープの剥離時には、収納スペースから電子部品が飛び出しやすく、前記のボトムカバーテープを用いない電子部品搬送体においても同様の問題があった。特に、近年の電子部品の極小化に伴って部品の重量が非常に軽くなったため、トップカバーテープ剥離時に、該テープの有する極弱い粘着力によってテープに部品が付着したり、剥離時に生じる静電気によって収納スペースから飛び出すなどの不具合が生じやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、良好な剥離性と適度な接着性とを兼ね備え、トップカバーテープの剥離時に電子部品の飛び出しを抑制又は防止しうるボトムレスキャリアテープを提供することにある。
本発明の他の目的は、高温下における保存後も電子部品の飛び出しを抑制しうるボトムレスキャリアテープを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、トップカバーテープの剥離時に電子部品の飛び出しを抑制又は防止しうる電子部品搬送体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ボトムレスキャリアテープに熱可塑性粘着層を形成することにより、トップカバーテープの粘着層を省略でき、トップカバーテープを剥離した際の電子部品の飛び出しを抑制又は防止できることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、電子部品収納用孔を形成したキャリアテープ、及び該電子部品収納用孔の上面を覆うトップカバーテープとを備えた電子部品搬送体であって、前記キャリアテープとして、電子部品収納用非貫通孔が形成された電子部品を搬送するためのボトムレスキャリアテープであって、前記電子部品収納用非貫通孔の上面を覆うためのトップカバーテープとの接触面に熱可塑性粘着層が厚み5〜30μmで設けられた紙基材で構成されているボトムレスキャリアテープが用いられ、前記トップカバーテープとして、支持体のキャリアテープ側の表面に帯電防止剤若しくは導電材の塗布層又は帯電防止剤と樹脂からなる帯電防止層が設けられていることにより、帯電防止性又は導電性が付与されている非粘着性であるトップカバーテープが用いられている電子部品搬送体を提供する。前記熱可塑性粘着層には、帯電防止性又は導電性が付与されていてもよい
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明のボトムレスキャリアテープの一例を示す長さ方向の概略断面図である。ボトムレスキャリアテープ1は、基材2と該基材2上に形成された熱可塑性粘着層3とで構成されている。なお、この例では、基材2は、電子部品収納用非貫通孔が形成されており、トップカバーテープと接触する部分にのみ熱可塑性粘着層3が部分的に形成されている。
【0011】
基材2は、自己支持性を有するものであればよく、例えば、和紙、クレープ紙、合成紙、混抄紙、複合紙などの紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、セロハンなどのプラスチックフィルム又はシート;金属箔;これらの積層体などを使用できる。なかでも、紙を用いるのが好ましい。
【0012】
上記プラスチックフィルム又はシートの片面、或いは両面には、易接着処理や放電処理などの処理を施したり、又、和紙、コンデンサクラフト紙、マニラ紙、クレープ紙、フラット紙、ヘンパー紙、グラシン紙、及びポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン等をラミネートして基材2として利用してもよい。
【0013】
基材2は単層又は複層の何れであってもよい。基材2の厚みは一般には100〜1000μm程度であり、好ましくは200〜800μm程度、より好ましくは400〜600μm程度である。
【0014】
熱可塑性粘着層3を構成するベースポリマーとしては、例えば、ポリオレフィン、分子内にカルボキシル基又はアシルオキシ基を含有するオレフィン系共重合体、アイオノマー樹脂、及び芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合物のブロック共重合体から選択された少なくとも1成分以上の重合体を使用できる。これらのポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0015】
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒法ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合樹脂などが挙げられる。
【0016】
前記分子内にカルボキシル基を含有するオレフィン系共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−マレイン酸(又はフマル酸)共重合体などのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;プロピレン−アクリル酸共重合体、プロピレン−メタクリル酸共重合体、プロピレン−マレイン酸(又はフマル酸)共重合体などのプロピレン−不飽和カルボン酸共重合体;エチレン−酢酸ビニル−不飽和カルボン酸共重合体などが挙げられる。これらのポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0017】
このようなエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)としては、例えば、日本ポリケム株式会社製、商品名「ノバテックEAA」;ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名「プリマコール」などが市販されており、前記エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)としては、例えば、三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名「ニュクレル」などの市販品が入手可能である。
【0018】
前記分子内にアシルオキシ基(例えばアセトキシ基)を含有するオレフィン系共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチレンジアセテート共重合体などのエチレン系共重合体;プロピレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−エチレンジアセテート共重合体などのプロピレン系共重合体などが挙げられる。
【0019】
このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)としては、例えば、酢酸ビニル含有量が10重量%以下である三井化学(株)製、商品名「ミラソン」;三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名「エバフレックス」などの市販品が入手可能である。
【0020】
前記分子内にカルボキシル基又はアシルオキシ基を含有するオレフィン系共重合体における、カルボキシル基又はアシルオキシ基含有モノマーユニット含有量(例えば、EAAにおけるアクリル酸部位含有量やEVAにおける酢酸ビニル含有量)は、例えば2〜30重量%、好ましくは6〜15重量%である。4重量%未満の場合には、接着性が乏しくなり、また、架橋起点が少ないため硬化後に耐熱性が低下しやすい(軟化点が高くなりやすい)。30重量%を越える場合には、硬化後の弾性率が大きくなることにより応力緩和性が低下する傾向にあり、また、カルボキシル基又はアシルオキシ基の吸湿性のため、熱接着樹脂の吸湿率も大きくなり、吸湿した水分の気化による蒸気圧により剥離やボイド(空間)が発生しやすくなるという問題が生じる。
【0021】
アイオノマー樹脂としては、例えば、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の一部のカルボキシル基を金属で架橋した樹脂が挙げられる。前記アイオノマー樹脂としては、例えば、三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名「ハイミラン」などが市販されている。
【0022】
前記芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体としては、例えば、ポリスチレンなどの芳香族ビニル化合物によるポリマー部位と、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエン化合物によるポリマー部位からなるブロック共重合体が挙げられる。
【0023】
前記芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体としては、熱的安定性の点から水素添加したものが好ましく、さらにマレイン酸等を付加させ、ポリオレフィン系樹脂との相溶性を高めたものがより好ましい。このようなブロック共重合体としては、例えば、旭化成工業(株)製、商品名「タフテックMシリーズ」;シェルジャパン(株)製、商品名「クレイトンFG1901X」などの市販品が入手可能である。
【0024】
芳香族ビニル化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックの存在割合としては、例えば、芳香族ビニル化合物重合体ブロック/共役ジエン系化合物重合体ブロック=10/90〜60/40(重量比)であり、好ましくは20/80〜50/50(重量比)である。芳香族ビニル化合物重合体ブロックが10重量%より少ないと、高粘度となり接着剤組成物の製膜が困難となる。また、芳香族ビニル化合物重合体ブロックが60重量%より多くなると、テープとしたときの耐溶剤性に劣り、高温時に芳香族ビニル化合物重合体ブロックが流動することにより耐熱性が低下する。
【0025】
熱可塑性粘着層3を構成するベースポリマーとしては、上記重合体のうち、オレフィン系共重合体とブロック共重合体を組み合わせて使用してもよい。この場合の使用割合としては、例えば、オレフィン系共重合体/ブロック共重合体=40/60〜80/20(重量比)であり、好ましくは45/55〜70/30(重量比)である。オレフィン系共重合体の使用割合が40重量%より少ないと、ゴム的性質が強くなるため加工性が低下し、また、接着剤組成物中のカルボキシル基等の官能基の含有量が少なくなる結果、接着性・耐熱性も低下する。オレフィン系共重合体の使用割合が80重量%より多くなると、外観上良好な熱接着樹脂層を形成することが困難となる。
【0026】
また、ポリオレフィンと分子内にカルボキシル基又はアシルオキシ基を含有するオレフィン系共重合体を組み合わせて、ベースポリマーとして用いてもよい。この場合の使用割合は、溶剤への溶解性、耐熱性、接着性を損なわない範囲で適宜選択することができ、例えば、ポリオレフィン/カルボキシル基又はアシルオキシ基含有オレフィン系共重合体=100/0〜70/30(重量比)である。
【0027】
熱可塑性粘着層3には、前記ベースポリマーのほか、粘着付与樹脂等を添加されることが多い。粘着付与樹脂としては、例えば、石油樹脂[脂肪族石油樹脂(C5系)、芳香族石油樹脂(C9系)、前記芳香族石油樹脂を水添した脂環族石油樹脂など]、ロジン系樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂(ジペンテン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、前記テルペン樹脂を水添したテルペン樹脂など)などが挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。熱可塑性粘着層3に粘着付与樹脂を含有させることにより、テーピング作業性が向上するとともに、トップテープに対して安定かつ良好な接着力が得られる。
【0028】
粘着付与樹脂の軟化温度は50℃以上であるのが好ましい。軟化温度が50℃未満の場合には、輸送や保管時に熱接着樹脂層が軟化しやすく、熱接着樹脂層に電子部品が付着、融着して、回路基板等への組み込み時に不具合が生じやすい。
【0029】
粘着付与樹脂の配合量は、ベースポリマー100重量部に対して、1〜100重量部程度、好ましくは5〜50重量部程度である。粘着付与樹脂の配合量が1重量部未満の場合には、接着力が低く、テーピング後、テープが浮いて部品が飛び出す恐れがある。また、粘着付与樹脂の配合量が100重量部を超える場合には、接着力が高すぎてテープ切れが生じたり、熱接着樹脂層が硬くなるため剥離時にスリップステック現象(走り)が生じて部品が飛び出しやすくなるなど、剥離強度のバラツキが大きくなってしまう。
【0030】
熱可塑性粘着層3は、必要に応じて、帯電防止性又は導電性を付与されていてもよい。帯電防止性又は導電性は、慣用の方法、例えば、熱可塑性粘着層3中に帯電防止剤や導電材を練り込むことにより、また、熱可塑性粘着層3表面に帯電防止剤や導電材を塗布することにより付与することができる。帯電防止性又は導電性を付与された熱可塑性粘着層3は、トップカバーテープの剥離時に発生する静電気を抑制又は防止することができる。
【0031】
前記帯電防止剤としては、例えば、アルキルサルフェート、アルキルアリールサルフェートなどのアニオン系界面活性剤;第四級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤;グリセリンモノステアレートなどの非イオン系界面活性剤;ジメチルアルキルベタインなどのベタインなどの両性界面活性剤;三級アミンなどの界面活性剤等が挙げられる。また、前記導電材としては、例えば、金属酸化物、金属粉、ナノカーボン、カーボンブラックなどが挙げられる。帯電防止剤及び導電材の配合量(合計)は、ベースポリマー100重量部に対して、例えば0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部程度である。これらの添加剤の配合量が100重量部を超えると、接着性が低下しやすくなる。
【0032】
前記帯電防止剤又は導電材の配合量や塗布量、又は後述の帯電防止層の厚みを適宜選択することにより、ボトムレスキャリアテープ1表面の表面抵抗率を、例えば1.0×1013Ω/□以下、好ましくは1.0×1012Ω/□以下(23℃、50%RH)に調整できる。
【0033】
熱可塑性粘着層3には、ボトムレスキャリアテープ1の諸特性を劣化させない範囲で、無機充填剤(例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)、有機充填剤、顔料、老化防止剤、発泡剤、マイクロカプセル型発泡剤、パラフィンワックス、カップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤など)などの添加剤を配合してもよい。なお、無機充填剤としては、樹脂との相溶性、密着性向上の点からシランカップリング剤で表面処理をしたものが好ましい。各添加剤の配合量は、ベースポリマー100重量部に対して、例えば0〜50重量部(好ましくは0.01〜10重量部)程度である。添加剤の配合量が50重量部を超えると、接着性が低下しやすくなる。
【0034】
熱可塑性粘着層3の厚みは、1〜100μmである。前記厚みは、接着性やハンドリング性などが損なわれない範囲で適宜選択でき、好ましくは5〜30μm程度である。熱可塑性粘着層3の厚みが1μm未満では十分な粘着性が得られず、搬送中に剥がれるなど信頼性に劣り、100μmを超えるとテープの総厚みの増大や、テーピング時に糊がはみ出すことにより電子部品に付着するなどのテーピング不良が発生しやすくなる。
【0035】
熱可塑性粘着層3の表面は、必要に応じて、コロナ放電処理、プラズマ処理などの慣用の表面処理を施して、活性度を向上させることもできる。
【0036】
熱可塑性粘着層3は、前記ベースポリマーに、必要に応じて、粘着付与樹脂、帯電防止剤、導電材、その他の添加剤を、ニーダー混練機、連続二軸混練機などで溶融混合し、得られた混合物(又はこれをペレット化したもの)を、例えば、押出しラミネート法、Tダイタンデム押出しラミネーター等を用いた共押出し法、ドライラミネート法などの慣用の方法でラミネートすることにより形成できる。
【0037】
なお、本発明のボトムレスキャリアテープ1は、帯電防止層を設けることによって帯電防止性を付与することもできる。帯電防止層は、帯電防止剤を含む樹脂層により構成され、基材2と熱可塑性粘着層3との間、又は熱可塑性粘着層3表面に設けることができる。前記帯電防止剤には、上記に例示のものを使用することができる。前記樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のエチレン系2元共重合体;エチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸共重合体などのエチレン系3元共重合体などが挙げられる。
【0038】
帯電防止層の厚みは、例えば0.005〜5μm程度である。0.005μm未満の場合には、静電防止効果が低下するとともに、積層体の層間破壊が生じやすく、5μmを越えること、静電防止効果は高いものの、接着性が低下するため好ましくない。前記範囲内に厚みを調節することにより、ボトムレスキャリアテープ1表面における表面抵抗率を、例えば1.0×1013Ω/□以下、好ましくは1.0×1012Ω/□以下に制御することができる。
【0039】
上記のボトムレスキャリアテープは、トップカバーテープと組み合わせることにより本発明の電子部品搬送体を構成しうる。図2は本発明におけるトップカバーテープの一例を示す長さ方向の概略断面図である。トップカバーテープ4は、支持体5と該支持体5上に形成された帯電防止層6とで構成されている。
【0040】
本発明におけるトップカバーテープ4は、電子部品搬送体に慣用のトップカバーテープを用いることができるが、低粘着性又は非粘着性のものが好ましく、特に、支持体5に粘着層を設けない非粘着性トップカバーテープがより好ましく用いられる。
【0041】
支持体5としては、自己支持性を有するものであればよく、例えば、和紙、薄葉紙、クレープ紙、合成紙、混抄紙、複合紙などの紙;不織布、布;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、セロハンなどのプラスチックフィルム又はシート;銅、アルミニウムなどの金属で構成された金属箔又は薄板;これらの積層体(ラミネート体)などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。粘着層は、慣用の粘着剤により構成でき、好ましくは低粘着性粘着剤として慣用の粘着剤により構成される。
【0042】
本発明におけるトップカバーテープ4には、特に、支持体5に粘着層を設けない非粘着性トップカバーテープが好適に用いられる。このようなトップカバーテープは、熱可塑性粘着層3を設けた上記のボトムレスキャリアテープ1と組み合わせて電子部品搬送体を構成することができる。このように、粘着性を、トップカバーテープ4側よりむしろボトムレスキャリアテープ1側に付与することにより、電子部品のトップカバーテープへの付着を防止できるので、電子部品搬送体からトップカバーテープ4を剥離する際の電子部品の飛び出しを、より効率よく抑制又は防止することができる。
【0043】
前記トップカバーテープ4は、必要に応じて、帯電防止性又は導電性が付与されていてもよい。帯電防止性又は導電性の付与は、慣用の方法、例えば、トップカバーテープ4の支持体5又は粘着層に帯電防止剤や導電材を練り込む方法、トップカバーテープ4表面(片面又は両面)に帯電防止剤や導電材を塗布する方法、帯電防止剤と樹脂からなる帯電防止層6を設ける方法などの方法により行うことができる。帯電防止剤及び導電材は上記例示のものを使用することができる。トップカバーテープ4の少なくとも片面に帯電防止性又は導電性を付与することにより、トップカバーテープ4を剥離する際の静電気の発生を有効に抑制又は防止することができる。
【0044】
図3は本発明の電子部品搬送体の一例を示す長さ方向の概略断面図である。より具体的には、図1に示したボトムレスキャリアテープを用いた電子部品搬送体の使用状態を示す長さ方向の概略断面図である。電子部品搬送体は、電子部品搬送用非貫通孔が長さ方向に一定の間隔で形成されたボトムレスキャリアテープ1と、ボトムレスキャリアテープ1の上面を覆うトップカバーテープ4とで構成される。この搬送体は、電子部品を収納するための電子部品収納用非貫通孔が幅方向の中央部において長さ方向に所定間隔で形成されているボトムレスキャリアテープ1の収納用ポケットに電子部品7を挿入し、ボトムレスキャリアテープ1の上面をトップカバーテープ4で熱シールした後、リール状に巻き取られ搬送される。
【0045】
この際、熱可塑性粘着層3がボトムレスキャリアテープ1に設けられているので、粘着層を設けない非粘着性トップカバーテープ4を用いることができ、さらに、ボトムレスキャリアテープ1の熱可塑性粘着層3を、トップカバーテープ4との接触面にのみ部分的に形成するため、剥離時のトップカバーテープ4の表面への電子部品の付着が抑制できる。また、トップカバーテープ4の表面に帯電防止層6を設け、トップカバーテープ4の帯電防止層6を、ボトムレスキャリアテープ1の熱可塑性粘着層3と重ねることにより、剥離時に発生する静電気により電子部品がトップカバーテープに付着するのをより効果的に抑制又は防止できる。このため、剥離時の電子部品のずれや飛び出しを減少させ又は無くすることができ、電子部品の実装効率の向上等が可能となる。
【0046】
本発明のボトムレスキャリアテープ及び電子部品搬送体は、チップ固定抵抗器などの抵抗器、積層セラミックコンデンサなどのコンデンサ等の広範なチップ型電子部品などの搬送に好適に使用できる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、ボトムレスキャリアテープに熱可塑性粘着層を設けるため、適度な接着性を有し、且つトップカバーテープを剥離する際には良好な剥離性を発揮することができるため、剥離時の電子部品の飛び出しを抑制又は防止することができる。また、本発明の電子部品搬送体は、このようなボトムレスキャリアテープを有するため、電子部品の搬送から回路基板への組み込み工程に至る一連の工程における種々の工程トラブルを防ぐことができ、部品の信頼性及び実装の信頼性が大きく向上する。
【0048】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)(熱可塑性粘着剤:商品名「エバフレックス P−0607」、三井・デュポンポリケミカル(株)製)100重量部、脂環族系炭化水素樹脂(粘着付与剤;商品名「アルコン P−100」、荒川化学(株)製)25重量部、及び帯電防止剤(商品名「エレクトロストリッパー TS−5」、花王(株)製)1重量部を加熱により溶融混合し、電子部品収納用の非貫通孔が形成された基材としての紙台紙(厚み600μm)のトップカバーテープとの接触面に、厚みが15μmとなるように塗布した後、冷却して熱可塑性粘着層を有するキャリアテープを得た。トップカバーテープとしてのポリエチレンテレフタレート(PET)の片面に、帯電防止剤(エレクトロストリッパー TS−5)を厚みが0.03μmとなるように塗布した後、乾燥させることにより、表面に帯電防止剤が塗布されたトップカバーテープを得た。トップカバーテープの帯電防止剤塗布面を、キャリアテープの熱可塑性粘着層側に重ね、テーピングマシーン(東京ウエルズ社製、TWA−6000)を用い、セラミックコンデンサ(0603サイズ)が収納された電子部品搬送体を得た。
【0049】
実施例2
エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA樹脂)(熱可塑性粘着剤:商品名「ニュクレル N1560」、三井・デュポンポリケミカル(株)製)100重量部、及び脂環族系炭化水素樹脂(粘着付与剤;商品名「アルコン P−100」、荒川化学(株)製)10重量部を加熱により溶融混合し、電子部品収納用の非貫通孔が形成された基材としての紙台紙(厚み500μm)のトップカバーテープとの接触面に、厚みが20μmとなるように塗布した後、冷却して熱可塑性粘着層を有するキャリアテープを得た。トップカバーテープとしてのPETの両面に、カチオン系帯電防止剤(第4級アンモニウム塩基含有共重合体;商品名「レオレックス AS」、第一工業製薬社製)を乾燥後の厚みが0.02μmとなるように塗布、乾燥したものをトップカバーテープとし、これを、キャリアテープの熱可塑性粘着層側に重ね、テーピングマシーン(東京ウエルズ社製、TWA−6000)を用い、セラミックコンデンサ(0603サイズ)が収納された電子部品搬送体を得た。
【0050】
比較例1
実施例1に用いたEVA樹脂100重量部、脂環族系炭化水素樹脂25重量部、及び帯電防止剤1重量部を加熱により溶融混合し、基材としてのPETのキャリアテープとの接触面に、厚みが15μmとなるように塗布した後、冷却して熱可塑性粘着層を有するトップカバーテープを得た。電子部品収納用の非貫通孔が形成された基材としての紙台紙(厚み600μm)のトップカバーテープとの接触面に、帯電防止剤(同上)を厚みが0.03μmとなるように塗布した後、乾燥させることにより、表面に帯電防止剤が塗布されたキャリアテープを得た。キャリアテープの帯電防止剤塗布面を、トップカバーテープの熱可塑性粘着層側に重ね、テーピングマシーン(東京ウエルズ社製、TWA−6000)を用い、セラミックコンデンサ(0603サイズ)が収納された電子部品搬送体を得た。
【0051】
比較例2
実施例2に用いたEMAA樹脂100重量部、及び脂環族系炭化水素樹脂10重量部、及びカチオン系帯電防止剤20重量部を加熱により溶融混合し、基材としてのPETのキャリアテープとの接触面に、厚みが20μmとなるように塗布した後、冷却して帯電防止剤を含む熱可塑性粘着層を有するトップカバーテープを得た。電子部品収納用の非貫通孔が形成されたキャリアテープとしての紙台紙(厚み500μm)を、トップカバーテープの熱可塑性粘着層側に重ね、テーピングマシーン(東京ウエルズ社製、TWA−6000)を用い、セラミックコンデンサ(0603サイズ)が収納された電子部品搬送体を得た。
【0052】
評価試験
実施例及び比較例で得られた電子部品搬送体を、トップカバーテープが下になるようにして下記(A)〜(C)の条件下で14日間保存した後、トップカバーテープ側を上にして、トップカバーテープを剥離したときに凹部収納スペースから飛び出しやはみ出しが生じた部品の個数をカウントした。試験数100個に対して、部品の飛び出しやはみ出しが全く無い場合を○、1〜5個生じた場合を△、6個以上生じた場合は×として評価し、表1に示した。
[保存条件](A)40℃、92%RH、(B)50℃、20%RH、(C)23℃、50%RH
【0053】
【表1】
Figure 0004514395

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボトムレスキャリアテープの一例を示す長さ方向の概略断面図である。
【図2】本発明におけるトップカバーテープの一例を示す長さ方向の概略断面図である。
【図3】本発明の電子部品搬送体の一例を示す長さ方向の概略断面図である。
【符号の説明】
1 ボトムレスキャリアーテープ
2 基材
3 熱可塑性粘着層
4 トップカバーテープ
5 支持体
6 帯電防止層
7 電子部品

Claims (2)

  1. 電子部品収納用孔を形成したキャリアテープ、及び該電子部品収納用孔の上面を覆うトップカバーテープとを備えた電子部品搬送体であって、前記キャリアテープとして、電子部品収納用非貫通孔が形成された電子部品を搬送するためのボトムレスキャリアテープであって、前記電子部品収納用非貫通孔の上面を覆うためのトップカバーテープとの接触面に熱可塑性粘着層が厚み5〜30μmで設けられた紙基材で構成されているボトムレスキャリアテープが用いられ、前記トップカバーテープとして、支持体のキャリアテープ側の表面に帯電防止剤若しくは導電材の塗布層又は帯電防止剤と樹脂からなる帯電防止層が設けられていることにより、帯電防止性又は導電性が付与されている非粘着性であるトップカバーテープが用いられている電子部品搬送体。
  2. 熱可塑性粘着層に、帯電防止性又は導電性が付与されている請求項1記載の電子部品搬送体。
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