JP3928986B2 - 引き戸用鎌錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、引き戸を閉めた際に自動的に鎌部材が出て、戸枠体の掛止金具の掛止部材へ引っ掛かり(仮施錠状態や空締まり状態という)、引き戸を開ける際に鎌部材が自動的に掛止部材から外れて、錠内へ収納されるようにした引き戸用鎌錠の改良に関する。
特に、引き戸を閉めた際に戸枠体との衝突でバウンドし、鎌部材が掛止部材から勝手に外れるのを確実に防止でき、また引き戸を開ける際は軽い力で開けることができ、かつ引き戸を閉めた際に戸枠体との間で衣服等が挟まり、鎌部材の掛止が外れなくなっても、確実に仮施錠状態を解除できることを特徴とするものである。
【0002】
【従来の技術】
引き戸用鎌錠は、かつては和風家屋の出入り口等の引き戸に設けられることが多かったが、近時は家屋内で風呂・トイレ・勉強部屋のような個室の出入り口の引き戸に設けられることも多い。
この引き戸用鎌錠は、従来より用途・機能等によって幾つかのものに分類できるが、大別すると次のようなものがある。
a)第1に、引き戸を閉じた後に手動で鎌部材を突出させて戸枠体の掛止部材に掛止させ、また引き戸を開ける際も手動で鎌部材を掛止部材から外し錠ケース内へ収納させてから、引き戸を開けるようにしたもの(例えば実開平5−47263号公報参照)。
【0003】
b)第2に、引き戸が閉まった際に鎌部材が自動的に錠から出て、戸枠体の掛止部材へ引っ掛かるが、引き戸を開ける際は手動で鎌部材を掛止部材から外し錠ケース内へ収納させてから、引き戸を開けるようにしたもの(例えば実開昭60−135460公報、実開平7−26549号公報参照)。
c)第3に、引き戸が閉まった際に鎌部材が自動的に錠から出て、戸枠体の掛止部材へ引っ掛かり、かつ引き戸を開けると鎌部材が自動的に掛止部材から外れて、錠ケース内へ収納されるようにしたもの(例えば特公昭56−33553公報、実公平3−24778号公報、特開平8−86132号公報等参照)、がある。
【0004】
本発明の引き戸用鎌錠は、上記c)の第3のものに属するので、それらを少し詳しく述べる。
(1) まず特公昭56−33553公報には、錠ケース内に鎌部材を先端部が前・後方向へ回動して出・入自在に軸支し、該鎌部材の支軸を錠ケースの前後方向の長孔に移動自在に係合させて、該支軸を常時は後方へ付勢する引っ張りバネを設け、また錠ケースにトリガーを先端部が前・後方向へ出入自在に設けて、該トリガー部材と鎌部材間にトリガー後退時に鎌部材を前方へ回動させる作動部材を連結し、かつトリガーを常時は前方へ付勢する引っ張りバネを設けたものが記載されている。なお、別のロックレバーにより仮施錠状態時の鎌部材を掛止し、ロックする(本施錠状態にする)ことも可能である。
【0005】
これは、引き戸を閉めた際に、突出したトリガーが戸枠体に当たり錠ケース内へ後退することで、これと連動した作動部材を介して鎌部材の先端部が前方へ回動し始め、引っ張りバネの付勢でさらに前方へ回動して、戸枠体の掛止部材に掛止され、仮施錠状態となる。また引き戸を開けた際には、鎌部材は先端部が掛止部材内面に当たった状態で後方へ引かれて前倒しになるが、さらに引かれて鎌部材は支軸を中心に後方へ回動し、掛止部材から外れて錠内へ没入し仮施錠状態が解かれる。
【0006】
上記の引き戸を閉めた際に、錠は鎌部材で施錠状態になるが、鎌部材はその先端部を掛止部材に引っ掛けた状態で支軸が引っ張りバネで引かれ、引き戸が戸枠体へ引っ張られているため、戸枠体が傾斜していても閉戸状態が維持されると共に、引き戸を閉めた際にバウンド(はね返り)が防止されている。
(2) 次に、実公平3−24778号公報に記載のものは、トリガーが戸枠体から突出したものであるため、それに対応してその構造は上記特公昭56−33553公報に記載のものと少し異なるが、引き戸を閉めた際に後退するトリガーが鎌錠内の第1作動部材を後退させ、これが第2作動部材を介して鎌部材を前方へ回動・突出させて、戸枠体の掛止部材へ掛止させると共に、引き戸を閉じた際にトリガーから外れた第1作動部材が前進し、第2作動部材を介して鎌部材をねじりコイルバネに抗して後方へ回動可能としてある。なお、別のロックレバーにより仮施錠状態時の鎌部材を掛止して、ロックすることも可能である。
【0007】
上記の引き戸を閉めた際に、錠は鎌部材で仮施錠状態になるが、鎌部材は先端部を係止部に係止された状態でねじりコイルバネで後方へ引かれ、引き戸が戸枠体側へ引き寄せられるため、戸枠体が傾斜していても閉戸状態が維持されると共に、引き戸を強い勢いで閉めた際のバウンドも防止されている。
(3) 更に、特開平8−86132号公報の請求項2および図面には、錠ケース内にトリガーバネで出没自在に嵌装されたトリガーと、該トリガーとの間に形成されたラックとピニオンの変換機構を介して、トリガーの後退により突出され、かつトリガーの突出により後退される鎌部材と、回動突出された鎌部材の係止部を施・解錠操作部材の作動により係止して、該鎌部材の後退を阻止し本施錠状態とする係止片とを備え、上記トリガーには係合凹部を形成すると共に、閉戸時にトリガーが後退位置へきた際に係合凹部へ係合するストッパー部材を、バネにより付勢して設けたものが記載されている。
【0008】
これは、引き戸を閉めた際にトリガーが後退することで、変換機構を介して鎌部材が前方へ回動し先端部が戸枠体の掛止部材に掛止されて仮施錠状態となる。また引き戸を開ける際には、先端部が掛止部材に引っ掛かった鎌部材が強制的に引かれるので、鎌部材が後方へ回動し始めるが、それに伴って変換機構によりトリガーは前方へ移動され、かつストッパー部材も係合凹部から外れて前方へ突出し、同時に鎌部材がさらに後方へ回動して掛止部から外れて、錠ケース内へ没入し仮施錠状態が解かれる。
【0009】
上記の引き戸を閉めた際に、錠は鎌部材で施錠状態にあるが、後退位置のトリガーはその係合凹部にストッパー部材が係合して前進を係止されており、ラックとピニオンの変換機構を介して鎌部材も不用意に後方へ回動するのを阻止されている。そのため、戸枠体が傾斜していても閉戸状態が維持されると共に、引き戸を強い勢いで閉めた際のバウンドが防止されている。
なお、室内側の操作部を操作することで、施・解錠操作部材が作動して仮施錠状態時の鎌部材の係止部を係止し、鎌部材の後方への回動を阻止して本施錠状態になるし、かつその係止部の係止を解くことで仮施錠状態に戻すこともできるようにしてある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバウンド防止を考慮した引き戸用鎌錠では、上記(1)(2)で示した錠の如く鎌部材を引っ張りバネやねじりコイルバネで後方へ引っ張って、引き戸を戸枠体側へ引き寄せるようにしたり、で示した錠の如くトリガーを係止するストッパー部材をバネで押圧したりして、引き戸を閉めることで自動的に一旦戸枠体の掛止部材に引っ掛かった鎌部材が、引き戸のバウンドで不用意に後方へ回動して外れることの無いようにしてある。
【0011】
ところで、引き戸を閉めた際のバウンドの大きさは、例えば引き戸の重さや引き戸と敷居やレールとの関係等で違いが生じる。例えば引き戸が軽いものであったり、敷居やレールが滑り易かったりすると、引き戸は大きくバウンドして開く方向へ移動しようとする。そのため、引き戸のバウンドが大きい場合には、引き戸を開ける際に自動的に仮施錠状態が解除されるのと同様に、上記のバネに抗して鎌部材が後方へ回動しまたはトリガーが前進して、鎌部材の先端部が掛止部材から外れてしまうことがある。
【0012】
そこで上記従来の(1)(2)(3)で示した引き戸用鎌錠では、大きなバウンドに対応すべく、鎌部材を後方へ引く引っ張りバネやねじりコイルバネ、あるいはストッパーを押圧するバネを、予めバネ力が強いものに設計しておくことが考えられる。これは確かに引き戸が大きくバウンドしようとしても、該バネの力で鎌部材が不用意に後方へ回動することを阻止し、バウンドを抑えることができる。
しかしそれでは、引き戸を開ける際に先端部が掛止部材に引っ掛かった鎌部材を後方へ回動させるために、その強いバネ力に打ち勝つ大きな力で引き戸を引っ張ることが必要となる。例えば病弱者や老人・子供等には、この引き戸用鎌錠の付いた引き戸を開けられなくなってしまうし、引き戸を開けることで仮施錠状態が自動的に解除できるというこの錠の主要な特徴を失うことになってしまう、という問題点がある。
【0013】
さらに、上記のものの中には、引き戸を閉めた際に戸枠体との間で衣服等が挟まった状態で鎌部材の先端部が掛止部材に掛止されると、掛止部材の掛止状態が解除されなくなる場合が有った。
本発明は、引き戸の閉または開により、自動的に仮施錠状態になったり解除されたりする構造の引き戸用鎌錠において、上記の問題点をシンプルな構成で解決することを課題として開発されたものである。即ち本発明の目的は、引き戸を開けた際に仮施錠状態が自動的に解除される機能を害することなく、引き戸のバウンド防止を確実に行えると共に、軽い力で引き戸を開けることができ、かつ引き戸を閉めた際に戸枠体との間で衣服等が挟まり、鎌部材の掛止が外れなくなっても確実に仮施錠状態を解除できるような、引き戸用鎌錠を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
A 本発明に係る引き戸用鎌錠の第1のものは、
引き戸1の錠ケース3内に、閉戸時に戸枠体2への当接で後退するトリガー9と、その後退時に鎌部材4を前方へ回動させる作動部材10と、前方への回動で戸枠体2の掛止金具7の掛止部材8へ先端部6が掛止可能な鎌部材4と、該鎌部材4を一定の基準線Lを境に前方または後方へ付勢するバネ11を備えた引き戸用鎌錠において、
上記鎌部材4の下方位置に、下部に重り部15を有し上部寄りに係止用部16を有する揺動部材14を、引き戸1を閉めた際の慣性力で前方へ揺動可能に設けて、掛止部材8へ掛止状態になった直後の鎌部材4の周端縁の一部22を一瞬間だけ支承可能とし、
かつ、上記揺動部材14の横軸17を、昇降可能な軸受け部材20で支承させると共に、該軸受け部材20を上方へ付勢する押しバネ21で支承させたものである。
【0015】
B 本発明に係る引き戸用鎌錠の第2のものは、
引き戸1の錠ケース3内に、閉戸時に戸枠体2への当接で後退するトリガー9と、その後退時に鎌部材4を前方へ回動させる作動部材10と、前方への回動で戸枠体2の掛止金具7の掛止部材8へ先端部6が掛止可能な鎌部材4と、該鎌部材4を一定の基準線Lを境に前方または後方へ付勢するバネ11を備えた引き戸用鎌錠において、
上記鎌部材4の下方位置に、下部に重り部15を有し上部寄りに係止用部16を有する揺動部材14を、引き戸1を閉めた際の慣性力で前方へ揺動可能に設けて、掛止部材8へ掛止状態になった直後の鎌部材4の周端縁の一部22を一瞬間だけ支承可能とすると共に、
上記揺動部材14の横軸17を、昇降可能な軸受け部材20で支承させると共に、該軸受け部材20を、上方へ付勢する押しバネ21で支承させ、
かつ、上記鎌部材4を付勢するバネ11を圧縮コイルバネとし、その他端部13を、錠ケース3内下部寄りに設けたバネ力調節用ネジ27で支持させて、該バネ力調節ネジ27を錠ケース3外から回動調節可能としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記構成において、本発明の上記第1のものでは、鎌部材4を前方または後方へ押圧するバネ11は、従来の多くの引き戸用鎌錠の如くねじりコイルバネでもよいが(図2・図4ないし図7参照)、上記第2で示した如く、圧縮コイルバネとしてもよい(図8参照)。
バネ11をねじりコイルバネとしたもの、または圧縮コイルバネでバネ力調節をしないものでは、該バネ11の一端部12を、先端部6が掛止部材8へ掛止状態時における鎌部材4の支軸5の下方位置に掛止させると共に、該バネ11の他端部13を、錠ケース3下部寄りの軸、例えば作動部材10を可回動に軸支する軸25に掛止させればよい(上記図2・図4ないし図7参照)。
【0017】
バネ11として圧縮コイルバネを用い、バネ力調節を可能としたものでは、一端部12を、例えば先端部6が掛止部材8へ掛止状態時の鎌部材4の支軸5の下方位置に設けた連結部材24に掛止させ、また他端部13を、例えば錠ケース3下部寄りの軸25に軸支のバネ受け部材26に螺合したバネ力調節ネジ27に掛止させればよい(図8参照)。
ここで錠ケース3下部寄りの軸25とは、上記と同様に例えば作動部材10を可回動に軸支する軸でもよいが、作動部材10、トリガー9や揺動部材14の動きを妨げぬ位置に設けた別の軸でもよい(上記図8参照)。
【0018】
上記第1ないし第2のものにおいて、バネ11は一定の基準線L、即ち鎌部材4の支軸5とバネ11の他端部13とを結ぶ線を境にして、バネ11の一端部12の中心位置Qが該基準線Lよりも前方(掛止金具7のある方向、例えば図4で左方向)にある際には、バネ力は鎌部材4を前方へ回動させるように付勢し、該基準線Lよりも後方(錠ケース3の奥側への方向、例えば図2で右方向)にある際には、鎌部材4を後方へ回動させるように付勢している。
上記第1または第2のものにおいて、鎌部材4の下方位置に、下部に重り部15を有し上部寄りに係止用部16をもつと共に、引き戸1を閉めた際の慣性力で前方へ揺動可能な揺動部材14を設けてある。該揺動部材14の上部寄りの係止用部16は前部に設けておき、重り部15が前方へ揺動した際に該係止用部16の位置がより上方へ回動するようにしておくことが望ましい。
【0019】
鎌部材4の周端縁の一部22と揺動部材14の係止用部16との関係は、引き戸1を閉めて鎌部材4の先端部6が、戸枠体2の掛止部材8へ掛止状態になった際に、慣性力で下部の重り部15が前方へ揺動した揺動部材14の係止用部16が、上記鎌部材4の周端縁の一部22を一瞬間だけ支承し(図4参照)、その後に重り部15が自重で後方へ揺動した際に、係止用部16が鎌部材4の周端縁の一部22から支承状態を解くもの(図5参照)である。
上記第1または第2のもので、揺動部材14の横軸17は、錠ケース側板18に直接に軸支させず、昇降可能な軸受け部材20で支承させ、該軸受け部材20の下部には、上方へ付勢する押しバネ21を設けてある。
【0020】
該押しバネ21のバネ力は、引き戸1を強い力で開ける際に、鎌部材4の後方への回動による押下げ力を受けた揺動部材14が、軸受け部材20と共に降下し得る程度のものである。換言すれば、引き戸1のバウンド力が鎌部材4を後方へ回動させようとする程度の力では、揺動部材14・軸受け部材20が降下しない程度のバネ力としてある。
上記第2のものにおいては、上記鎌部材4を前方または後方へ付勢するバネ11を圧縮コイルバネとしてある。該圧縮コイルバネ11の一端部12は、先端部6が掛止部材8へ掛止状態時の鎌部材4の支軸5下方位置に設けた連結部材24下端に掛止し、また他端部13は、錠ケース3内下部寄りの軸25で軸支のバネ受け部材26に螺合したバネ力調節用ネジ27上端に掛止させておくのがよい。このバネ力調節ネジ27は、錠ケース3外から回動調節可能としてある。
【0021】
上記第1または第2のものにおいて、鎌部材4の周端縁の一部22は揺動部材14の係止用部16で支承される部分である。該周縁部の一部22は、重り部15の前方への揺動で一瞬間だけ支承した係止用部16が、重り部15の後方への揺動でスムーズにそこから離れるように、係止用部16の側端面が揺動する際の軌跡に対応して、側面図で見て円弧状の凹状部に形成しておくのがよい。
上記鎌部材4を本施錠状態にするために、例えばトリガー9の後部寄り部分にロック用係止部29を形成すると共に、後退位置にあるトリガー9の該ロック用係止部29を掛止すべく、室内側の施錠操作部30の操作で作動可能なロック部材31を設けておけばよい(図1、図5参照)。
【0022】
しかし、バネ11に圧縮コイルバネを用い、バネ力調節調節ネジ27を設けたものでは、バネ力調節用ネジ27が螺合するバネ受け部材26に、室内側の施錠操作部30の操作で作動可能なロック部材31を係合可能としておけばよい(図8参照)。
図において、28は衣服等、32はバネ11を圧縮コイルバネとした場合の通挿ロッドを示す。
上記本発明に係る引き戸用鎌錠の作動状態は、次のようになる。
【0023】
a)本発明の上記第1ないし第2のいずれのものも、引き戸1が開いた状態では、鎌部材4は後方へ回動して錠ケース3内へ没入しており、かつトリガー9はその状態の鎌部材4に対応して作動部材10で前方へ押され、錠ケース3の前面板46の孔部から前方へ突出している。
引き戸1を閉じた際には、まずトリガー9の先端が戸枠体2の前面に当接して後退し始める。該トリガー9の後退に伴い、それと鎌部材7とを連結した作動部材10が、一端部12を鎌部材4に取付けたバネ11のバネ力に抗して鎌部材4を前方へ押し、回動させ始める。
【0024】
該鎌部材4の前方への回動により、バネ11の一端部12の位置Qが、鎌部材4の支軸5と該バネ11の他端部13とを結ぶ基準線L上より前方へ出ると、バネ力は鎌部材4を前方へ回動させる方向へ付勢することになる。そのため、鎌部材4は自動的にさらに前方へ回動され、その先端部6が戸枠体2の掛止金具7内へ入って掛止部材8で掛止され、該引き戸用鎌錠が自動的に仮施錠状態となる。
上記の仮施錠状態を更に本施錠状態にするには、室内側の施錠操作部30を操作し、後退位置にきているトリガー9のロック用係止部29にロック部材31を係合させて、該トリガー9に連結された作動部材10を介して鎌部材4の回動を阻止する(図5参照)。またはバネ受け部材26のロック用係止部29に係合させ、該バネ受け部材26の回動を阻止して鎌部材4の後方への回動を阻止すればよい(図8参照)。
【0025】
b)本発明の上記第1ないし第2のいずれのものも、引き戸1を開ける場合には、引き戸用鎌錠が仮施錠状態ならそのまま引き戸1を開ければよく、また本施錠状態にあるなら施錠操作部30を操作して、ロック部材31による係止を解いた後に、引き戸1を開ければよい。
引き戸1が開けられることで、鎌部材4の先端部6が掛止金具7の掛止部材8に引っ掛かったままで、引き戸1・錠ケース3と一緒に鎌部材4の支軸5が後退し、係止部材8から離れていくので、鎌部材4は遂には支軸5を中心に後方へ回動し始め、先端部6が掛止部材8から外れることになる。
【0026】
上記鎌部材4の後方への回動で、バネ11の一端部12が、基準線L即ち鎌部材4の支軸5と該バネ11の他端部13とを結ぶ線よりも後方位置へ来ると、バネ力はそれまで鎌部材4を前方へ付勢していた状態から、後方へ付勢する状態に変わる。これで、鎌部材4は支軸5を中心にさらに後方へ回動し、錠ケース3内へ自動的に没入し解錠状態となる(図2参照)。
c)ところで、引き戸1を閉めた場合に、戸枠体2との衝突で引き戸1がバウンドし(跳ね返り)、鎌部材4の先端部6が掛止部材8から外れ、引き戸1が開くことがある。通常は、鎌部材4の先端部6が掛止部材8に掛止されておれば、鎌部材4はバネ11で前方へ付勢されているから、引き戸1がバウンドしようとしても鎌部材4は後方へ回動せず、先端部6の掛止は外れないし、引き戸1が開くこともない。
【0027】
しかし、引き戸1を閉める力が強すぎたり、引き戸1が軽かったり、戸車とレール等との滑りが良過ぎたりすると、引き戸1を閉めた際に戸枠体2との衝突によるバウンド力が大きくなる。鎌部材4の先端部6が掛止部材8に一旦掛止されても、バウンド力がバネ11の力より大きいと、上記の引き戸1を開ける場合と同様に、鎌部材4が支軸5を中心に後方へ回動し始め、先端部6が遂には掛止部材8から外れ、引き戸1が開いてしまう。
その防止のために、本発明の上記第1または第2のものでは、鎌部材4の下方位置に、下部に重り部15を有し上部寄りに係止用部16をもつ揺動部材14を横軸17で軸支し、引き戸1を閉めた際の慣性力で揺動する該揺動部材14が、掛止部材8へ掛止状態になった直後の鎌部材4の周端縁の一部22を、係止用部16で一瞬間だけ支承可能としてある。
【0028】
これにより、引き戸1を閉めた際に、上記の如く鎌部材4が前方へ回動して先端部6が掛止部材8へ掛止されると同時に、引き戸1を閉めた際の慣性力で、垂下状態にあった揺動部材14(図2参照)が下部の重り部15を前方へ揺動させる。そのため、該揺動部材14上部寄りの係止用部16がより上方へ回動し、その側端面が上記鎌部材4の周端縁の一部22の後下方へ来て、該周端縁の一部22を後下方から一瞬間だけ支承状態となる(図4・図8参照)。
これで、引き戸1が戸枠体2との衝突でバウンドして後退し、鎌部材4が後方へ回動しようとしても、揺動部材14の掛止用部16が該鎌部材4の後下方の周端縁の一部22を支承しており、鎌部材4は後方への回動を阻止され先端部6の掛止部材8への掛止状態はそのままであり、バウンドで引き戸1が開くようなことは無い。
【0029】
上記で、鎌部材4が係止用部16により回動を阻止されるのはほんの一瞬間だけで、揺動部材14は下部の重り部15がその後直ちに自重で後方へ揺動するから、上部寄りの係止用部16は直ちに前下方へ回動して、鎌部材4の周端縁の一部22の後下方から離れ、支承状態が解除される(図5参照)。
なお上記の場合に、鎌部材4はバネ11で常時上方へ付勢されているから、鎌部材4の周端縁の一部22と揺動部材14の係止用部16の側端面との間に僅かな間隙が生じ、揺動部材14が重り部15の自重で後方へ揺動して係止用部16が前下方へ回動することに支障はない。
【0030】
その後に引き戸1を開ける場合には、鎌部材4は揺動部材14の係止用部16による支承を受けておらず(上記図5参照)、揺動部材14を備えないものと同様の軽い力で引き戸1を開けることができて、老人や子供等でも容易に仮施錠を自動解除できる。
d)次に、上記の如く引き戸1を閉めた際に、戸枠体2との間で衣服等28が挟まることがある。
その際には、衣服等28が挟まった分だけ僅かながら引き戸1が後方へ移動しており、鎌部材4を僅かながら後方へ回動させようとする力が作用して、上記の如く鎌部材4がバネ11で上方へ付勢されていても、鎌部材4の周端縁の一部22と係止用部16の側端面との間に間隙が生じず、支承状態が強くなり係止状態となっている。
【0031】
これでは、揺動部材14が重り部15の自重で後方へ揺動しようとしても揺動できないから、鎌部材4に対する支承・係止状態が保持されたままである。このように鎌部材4が後方へ回動できないと、引き戸1を開けようと後方へ引っ張っても、鎌部材4の先端部6は掛止部材8への掛止が外れない(図6参照)。
このような状態を解除するために、本発明の上記第1または第2のものでは、該揺動部材14の横軸17を軸支した軸受け部材20を昇降可能とすると共に、該軸受け部材20の下部を上方へ付勢する押しバネ21で支承させてある。
【0032】
そのため、引き戸1を開ける方向へ強い力を加えると、先端部6を掛止部材8に掛止された鎌部材4は上記の如く後方へ回動しようとして、該鎌部材4の周端縁の一部22が揺動部材14の係止用部16の側端面を押圧する。この際に揺動部材14は横軸17を軸支した軸受け部材20と共に、押しバネ21のバネ力に抗して降下する(図7参照)。
即ち、引き戸1が開く方向へ移動すると、鎌部材4は支軸5を中心に後方へ回動しようとする。その際、揺動部材14の横軸が固定されていると、鎌部材4の周端縁の一部22と揺動部材14の係止用部16の側端面は支承・係止状態のままで、鎌部材4は後方へ回動しない。しかしここでは、揺動部材14・軸受け部材20が押しバネ21に抗して降下可能であるから、鎌部材4は揺動部材14を下方へ押し下げながら後方へ回動可能となる。
【0033】
これにより、引き戸1を強い力で開けると、鎌部材4の後方への回動に伴って周端縁の一部22と揺動部材14の係止用部16の側端面との支承・係止状態が徐々に外れていき(上記図7参照)、遂には両者22,16が離脱する。その後鎌部材4はバネ11で後方への付勢力を受け、さらに後方へ回動して錠ケース3内へ没入する。その際の揺動部材14は、下部の重り部15の自重と、押しバネ21による軸受け部材20の上昇とにより、後方へ回動して垂下状となる。
これで、鎌部材4の先端部6の掛止状態が解かれると共に引き戸1が開かれることになり、挟まった衣服等28を取り外せる。
【0034】
e)他面で、引き戸1の重さや引き戸1とレールとの滑り状態によっては、引き戸1を閉めた際の衝突によるバウンド力が大きくなり過ぎて、バネ11の力が弱いと掛止部材8に一旦掛止された鎌部材4の先端部6が外れ、引き戸1が開いてしまうような場合がある。逆に、引き戸1がバウンドで開かぬようにバネ11の力を強くしてあると、老人・子供等が引き戸1を開けようとしても、鎌部材4が後方へ回動しない場合がある。
それを防止するため、本発明の上記第2のものでは、鎌部材4を前方または後方へ押圧するバネ11を圧縮コイルバネとし、該バネ11の他端部13を、錠ケース3下部寄りの軸25で軸支のバネ受け部材26に螺合させたバネ力調節ネジ27上端に掛止させてあり、該バネ力調節ネジ27を、錠ケース3外から回動操作可能としてある。
【0035】
これにより、引き戸1を閉めた際に大きくバウンドし、一旦掛止された鎌部材4の先端部6が外れ、不用意に引き戸1が開いてしまうような場合は、上記バネ力調節ネジ27を回動させて、バネ11の力を現状より強めに設定すればよい。これで、一旦掛止部材8に掛止された鎌部材4は、前方へのより強いバネ力を受けることになり、先端部6の掛止状態が外れ難くなるから、バウンドで引き戸1が開くようなことを無くせる。
逆に、バネ11の力が強過ぎて引き戸1を開けようとしても、鎌部材4が後方へ回動せず開けられない場合は、バネ力調節ネジ27を上記とは逆方向に回動させ、バネ力を現状よりも弱めに設定すればよい。これで、バネ11の力が弱くなるから、比較的小さい力で引き戸1を開けられるようになる。
【0036】
【実施例】
図1ないし図7は、本発明に係る引き戸用鎌錠の第1のものの実施例を示すもので、錠ケース3は多くの引き戸用鎌錠と同様に、引き戸1の前側部に形成した凹所内に、その前面板46が露出するように内蔵して取付けられている(図1参照)。
上記錠ケース3内の前上部寄りに、鎌部材4がその基部を支軸5で回動可能に軸支して設けてある。該鎌部材4は、先端部6が錠ケース3の前面板46の開口から出て、戸枠体2の前側部に取り付けた掛止金具7内へ係合し、上部寄りに設けた掛止部材8に掛止可能としてある。
【0037】
また該鎌部材4の支軸5は、錠ケース側板18に形成した前後方向の長孔33に係合させてあり、その上部寄りに設けた短いねじりコイルバネ52で常時は該長孔33の前部寄りへ付勢されている。
錠ケース3内の下部寄りには、トリガー9を前後方向へ移動可能に設けて、後記作動部材10を介して後記バネ11の付勢を受け、周知のものと同様に常時は先部寄りが錠ケース3の前面板46の孔から突出しており、戸枠体2の前面に当接して押された際に、錠ケース3内へ後退・没入可能としてある。
【0038】
上記鎌部材4とトリガー9間には、板状の作動部材10を連結させてあるが、後記揺動部材14を避けて略くの字状をしている。即ち該作動部材10は、下部寄り部分を錠ケース3に固定の軸25で回動可能に軸支してあり、上部寄りに突設したピン34を鎌部材4中央部寄りに形成の長孔35に係合させて連結し、下部に形成した二股状部36を、トリガー9後部寄り側部に突設したピン37を係合させて連結してある。なお、該ピン37の側端部は、錠ケース側板18に形成したガイド用長孔38に係合させて、トリガー9の出入をガイドしている。
【0039】
上記鎌部材4には、該鎌部材4が一定位置から前方へ回動時に前方へ付勢し、後方へ回動時に後方へ付勢する如くバネ11を設けてある。ここでは、バネ11としてねじりコイルバネを用いており、該バネ11の一端部12を、鎌部材4の先端部6が掛止部材8へ掛止状態時の該鎌部材4の支軸5の下方位置にバネ掛止ピン39にて取付け(例えば上記図4参照)、該ピン39の中心点をQとする。そして該ねじりコイルバネ11の他端部13は、ここでは上記作動部材10を軸支する軸25に掛止させてあり、該軸25の中心点をPとしてある。
【0040】
上記バネ11は一定の基準線L、即ち鎌部材4の支軸5の中心とバネ11の他端部13を掛止した軸25とを結ぶ線を境にして、バネ11の一端部12の中心位置Qが該基準線Lよりも前方(掛止金具7のある方向、例えば上記図4で左方向)にある際には、バネ力は鎌部材4を前方へ回動させるように付勢し、該基準線Lよりも後方(錠ケース3の奥側への方向、例えば上記図2で右方向)にある際には、鎌部材4を後方へ回動させるように付勢している。
上記バネ11は、上記の如くねじりコイルバネを用いるのに限らず、図8で示すように、バネ力調節ネジ27を設けるか否かは別として、圧縮コイルバネを用いてもよい。
【0041】
上記トリガー9は、ここでは前部寄り部分44と後部寄り部分45との2部品で構成してある。これは、引き戸1と戸枠体2間に衝突音減少用のクッション材(図示略)を装着した場合に、その厚みで生じる間隙分だけ余分に突出可能とするためである。
そして、上記鎌部材4の下方位置に、下部に重り部15を有すると共に前上部寄りに係止用部16をもつ揺動部材14を設けてあり、引き戸1を閉めた際の慣性力で下部の重り部15が前方へ揺動し、その後自重で後方へ揺動可能としてある。即ち、該揺動部材14は、引き戸1を閉めて鎌部材4の先端部6が掛止部材8へ掛止状態時に、慣性力で重り部15が前方へ揺動することにより、前上部寄りの係止用部16の側端面が鎌部材4の周端縁の一部22の後下部へ来て、後下方から一瞬間だけ支承可能となるものである。
【0042】
ここでの揺動部材14は、上部寄り部分に縦断面ほぼ円形状の軸支部40を形成して横軸17を通挿してあり、該軸支部40の前上部の側端面を鎌部材4の周端縁の一部22を支承可能な係止用部16とすると共に、該軸支部40の下部を後側方から切り欠いた縦長状の凹所41とし、かつ前側の垂下状部42を介して下部に重り部15を形成してある(図3参照)。
また、上記軸支部40の横軸17は錠ケース側板18に軸支するのではなく、昇降可能な別体の軸受け部材20で軸支させてある。即ち該軸受け部材20は、ここでは合成樹脂製とし、揺動部材14の縦長状の凹所41が前方から係合可能に半分程度の高さで、その上部に上記軸支部40の下半部を可回動に支承可能な縦断面半円形状の凹溝53を前後方向へ形成し、かつ横軸17を可回動に支承可能な軸受け溝54を左右方向へ形成してある(上記図3参照)。
【0043】
該軸受け部材20は、錠ケース側板18の前部寄りに形成した縦長溝19に沿って昇降可能であると共に、該軸受け部材20の下端と縦長溝19下端を折り返したバネ受け片23との間で、上方へ付勢する押しバネ21を介装させてある。
該押しバネ21のバネ力は、引き戸1のバウンド力が鎌部材4を後方へ回動させようとする程度の力では、揺動部材14・軸受け部材20が降下しないが、引き戸1を強い力で開ける際には、鎌部材4が後方へ回動しようとして周端縁の一部22で該揺動部材14・軸受け部材20を押し下げ得る程度の力である。43は軸受け部材20下方に突設したバネガイドを示す。
【0044】
上記揺動部材14の係止用部16の側端面は、上記横軸17を中心に回動して鎌部材4の周端縁の一部22へ下方から係合可能に凸円弧状に形成し、それに対応して鎌部材4の後下部の周端縁の一部22は、凹円弧状に形成してある。
なおこの実施例では、鎌部材4の先端部6は、引き戸1を開けた際に鎌部材4が後方への回動をよりスムーズに行えるように、側面図でみて円弧状に形成してあり、また掛止部材8は、鎌部材4の先端部6が掛止される側の下半部を、下部寄りほど鎌部材4が後退する方向へ傾斜状に形成してある。
【0045】
また、錠ケース3の前面板46と戸枠体2の掛止金具7との間で、取付け時やその後の上下位置関係を適切に設定するために、前面板46の一部に位置決め用突起47を突設し、掛止金具7に上記突起47が係合可能な位置決め用凹所48を形成し、かつ該掛止金具7の戸枠体2への取付用孔49を上下方向へ長孔に形成してある。
さらに、上記掛止金具7の掛止部材8は、回動可能な調節ネジ50により、その位置を前後方向へ可変としてある。これは、クッション材を装着し閉戸時に間隙が生じる場合に、トリガー9の前部寄り部分44を前方へ突出させるのに対応して、上記間隙に相当する分だけ該掛止部材8を前方へ移動可能としたものである。
【0046】
仮施錠状態の鎌部材4を本施錠状態にするには、ここではトリガー9の後部寄り部分にロック用係止部29を形成すると共に、室内側の施錠操作部30の操作で作動して、後退位置にあるトリガー9のロック用係止部29へ係合可能にロック部材31を設けてある。
他方、図8ないし図9は、本発明に係る引き戸用鎌錠の第2のものの実施例を示すが、これは上記本発明の第1のものを含む構成であるため、上記第1のものと共通する点は説明を簡略にし、共通の符号を付して示す。
【0047】
ここでも鎌部材4の下方位置に、揺動部材14を設けてある。即ち、鎌部材4の下方位置に、下部に重り部15を有すると共に前上部寄りにここでは前方へ腕片状の係止用部16をもつ揺動部材14を設けてあり、引き戸1を閉めて鎌部材4の先端部6が掛止部材8へ掛止状態時に、慣性力で重り部15が前方へ揺動することにより、前上部寄りの係止用部16の側端面が鎌部材4の周端縁の一部22の後下部へ来て、後下方から一瞬間だけ支承可能となるものである。
ここでの揺動部材14も、上部寄り部分に縦断面ほぼ円形状の軸支部40を形成して横軸17を通挿してあり、該軸支部40の前上部の側端面を鎌部材4の周端縁の一部22を支承可能な係止用部16とすると共に、該軸支部40の下部を後側方から切り欠いた縦長状の凹所41とし、かつ前側の垂下状部42を介して下部に重り部15を形成してある(上記図3参照)。
【0048】
また、上記軸支部40の横軸17は、ここでも錠ケース側板18に軸支するのではなく、昇降可能な別体の軸受け部材20で軸支させてある。即ち該軸受け部材20は、ここでは合成樹脂製とし、揺動部材14の縦長状の凹所41が前方から係合可能に半分程度の高さで、その上部に上記軸支部40の下半部を可回動に支承可能な縦断面半円形状の凹溝53を前後方向へ形成し、かつ横軸17を可回動に支承可能な軸受け溝54を左右方向へ形成してある(上記図3参照)。
該軸受け部材20は、錠ケース側板18の前部寄りに形成した縦長溝19に沿って昇降可能であると共に、該軸受け部材20の下端と縦長溝19下端を折り返したバネ受け片23との間で、上方へ付勢する押しバネ21を介装させてある。
【0049】
そして鎌部材4には、該鎌部材4が一定の基準線Lから前方へ回動時に前方へ付勢し、後方へ回動時に後方へ付勢する如くバネ11を設けてあるが、該バネとしてここでは圧縮コイルバネ11を用いており、かつバネ力調節ネジ27を設けてある。
即ち、鎌部材4の先端部6が掛止部材8へ掛止状態時の該鎌部材4の支軸5の下方位置に、連結ピン51で連結部材24を設けて、圧縮コイルバネ11の一端部12を該連結部材24の下端部に掛止させ、該連結ピン51の中心点をQとしてある。
【0050】
他方圧縮コイルバネ11の他端部13は、錠ケース側板18後下方に設けた軸25で軸支させたバネ受け部材26のバネ力調節ネジ27の上端部に掛止させてあり、この場合も上記軸25の中心点をPとしてある。
上記バネ受け部材26は、側面図でみてL形状で、その縦片部に形成した丸孔を上記軸25に可回動に軸支させてあり、横片部に雌ネジ孔55を形成して、そこにバネ力調節ネジ27の雄ネジ部を螺合させてある(図9参照)。該バネ力調節ネジ27は、上部の頭部56外周にローレット加工を施し、錠ケース側板18の窓孔(図示略)から回動調節操作可能としてある。
【0051】
また上記バネ力調節ネジ27は、中央に通孔を有しており、上記連結部材24の下端部から下方へ設けた通挿ロッド32を遊貫させており、上記圧縮コイルバネ11は該通挿ロッド32でガイドされるように外周に設けてある。
この場合の圧縮コイルバネ11も、一定の基準線L、ここでは鎌部材4の支軸5の中心と該バネ11の他端部13を掛止したバネ力調節ネジ27を支承するバネ受け部材26の軸25とを結ぶ線を境にして、上記連結部材24を軸支した連結ピン51の中心点Qが、該基準線Lよりも前方(掛止金具7のある方向、例えば図8で左方向)にある際に、鎌部材4を前方へ回動させるように付勢し、また後方(錠ケース3の奥側への方向、例えば図8で右方向)にある際に、鎌部材4を後方へ回動させるように付勢している。
【0052】
なお、バネ力調節ネジ27を支承するバネ受け部材26を軸支する軸25は、この図示例と異なり、本発明の第1のものを示す上記実施例のように、作動部材10を可回動に軸支する軸に軸支させてもよく(例えば上記図2参照)、この場合はその軸の中心点をPとする。
また、この実施例で本施錠状態にするには、室内側の施錠操作部30で作動させるロック部材31を、ここでは上記バネ受け部材26上部寄りのロック用係止部29に掛止させて、該バネ受け部材26の後方への回動を阻止し、連結部材24を介して鎌部材4の回動を阻止させるようにしてある。この点も、本発明の第1のものを示す上記実施例のように、トリガー9にロック用係止部31を形成して掛止させてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上で明らかな如く、本発明に係る引き戸用鎌錠は、引き戸の閉または開で自動的に仮施錠または解除される構造の引き戸用鎌錠において、引き戸を開けた際に仮施錠状態が自動的に解除される機能を害することなく、引き戸のバウンド防止を確実に行えると共に、軽い力で引き戸を開けることができ、かつ引き戸を閉めた際に戸枠体との間で衣服等が挟まっても、仮施錠を確実に解除して取り外すことができる。
【0054】
即ち、従来も引き戸を開ける際に仮施錠状態が自動的に解除され、引き戸を閉じた際のバウンドを防止した引き戸用鎌錠は有った。
しかし、引き戸が軽かったり敷居・レール等との滑りが良過ぎるとバウンドが大きくなり、引き戸を閉めた際に一旦掛止された鎌部材の先端部がバネの力に打ち勝って掛止部材から外れ、バウンドを防止できず引き戸が開いてしまった。
また上記バネ等の力を強くすると、鎌部材が後方へ回動し難くなり、老人・子供等が容易に引き戸を開けられなくなり、かつ引き戸を開けることで仮施錠状態が自動解除される機能を損なったりした。さらに、引き戸を閉めた際に衣服等が挟まると、鎌部材が後方へ回動し難くなり、先端部が掛止部材から外れ難くて引き戸を開けられず、衣服等を取り外せない場合があった。
【0055】
イ)これに対して、本発明の引き戸用鎌錠の第1のものでは、鎌部材の周端縁の一部を支承して後方への回動を阻止している揺動部材を、慣性力で揺動可能に設けた構成により、引き戸を閉めた際にバウンド力で鎌部材が後方へ回動し、先端部の掛止状態が解かれ引き戸が開かれようとしても、その際の慣性力で揺動部材の係止用部が、一旦掛止状態になった鎌部材の周端縁の一部を一瞬間だけ支承し、後方への回動を阻止する。
そのため、引き戸を閉めた際のバウンド力で鎌部材が後方へ回動しようとしても、鎌部材の後方への回動は確実に阻止されているから、鎌部材先端部の掛止部材との掛止状態が確実に維持されて、引き戸がバウンドで不用意に開くようなことは確実に防止できる。
【0056】
同じく本発明の第1のものでは、鎌部材の周端縁の一部を支承して後方への回動を阻止している揺動部材が、押しバネに抗して降下可能としてある。これで、引き戸を閉めた際に衣服等が挟まれ、鎌部材の周端縁の一部と揺動部材の係止用部との支承状態が強くて係止状態となっても、引き戸を強く開ければ、揺動部材を押下げながら鎌部材は後方へ回動可能となる。
そのため、鎌部材は揺動部材による支承状態・係止状態が解かれたのと同じことになり、鎌部材が後方へ回動して先端部が掛止部材との掛止を解かれ、引き戸が開けられて、挟まっていた衣服等を取り外せるようになる。
【0057】
ロ)本発明の引き戸用鎌錠の第2のものでは、鎌部材を前方または後方へ押圧するバネを圧縮コイルバネとし、該バネのバネ力を錠ケース外から調節可能としてある。
そのため、引き戸を閉めた際に大きくバウンドし、一旦掛止された鎌部材の先端部が外れて引き戸が開くような場合は、バネ力調節ボルトでバネ力を現状より強めに設定することができ、バウンドで引き戸が開くことを無くせる。逆にバネ力が強過ぎて引き戸を開けられない場合は、バネ力調節ボルトを逆方向に回動させ、バネ力を現状よりも弱めに設定することができ、老人等でも軽い力で引き戸を開けられるようにできる。
【0058】
ハ)この本発明の引き戸用鎌錠の第2のものでは、上記第1の構成をもつから、その効果も上記第1のものを併せ有することになり、引き戸を閉めた際のバウンド力で、引き戸が開くようなことを確実に防止できるし、引き戸を閉めた際に衣服等を挟んでも、引き戸を強く開けることで鎌部材は後方へ回動でき、引き戸が開けられるし、衣服等を取り外すことができる。
また、前述したように、引き戸を閉めた際のバウンド力が大きく、引き戸が開くような場合は、錠ケース外からバネ力調節ネジを操作してバネ力を現状より強めにして、バウンドで引き戸が開かぬようにできると共に、バネ力が強過ぎて引き戸を開けられない場合は、バネ力調節ボルトでバネ力を現状よりも弱めにして、老人等でも軽い力で引き戸を開られるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る引き戸用鎌錠の実施例を示す一部切り欠き側面図である。
【図2】本発明の第1のものの実施例で、開戸時の状態を示す縦断側面図である。
【図3】本発明の第1のものの実施例で、揺動部材近傍の分解斜視図である。
【図4】本発明の第1のものの実施例で、閉戸直後に揺動部材が鎌部材の周端縁の一部を支承する状態を示す縦断側面図である。
【図5】本発明の第1のものの実施例で、閉戸後に揺動部材が鎌部材の周端縁の一部から離れた施錠状態を示す縦断側面図である。
【図6】本発明の第1のものの実施例で、閉戸時に衣服等が挟まれた状態を示す縦断側面図である。
【図7】本発明の第1のものの実施例で、衣服等が挟まれた際に引き戸を強く開けた状態を示す縦断側面図である。
【図8】本発明の第2のものの実施例で、閉戸直後に揺動部材が鎌部材の周端縁の一部を支承する状態を示す縦断側面図である。
【図9】本発明の第2のものの実施例で、バネ力調節ネジ近傍の分解斜視図である。
【符号の説明】
1−引き戸 21−押しバネ 41−凹所
2−戸枠体 22−周端縁の一部 42−垂下状部
3−錠ケース 23−バネ受け片 43−バネガイド
4−鎌部材 24−連結部材 44−前部寄り部分
5−支軸 25−軸 45−後部寄り部分
6−先端部 26−バネ受け部材 46−前板部
7−掛止金具 27−バネ力調節ネジ 47−位置決め用突起
8−掛止部材 28−衣服等 48−位置決め用凹所
9−トリガー 29−ロック用係止部 49−取付用孔
10−作動部材 30−施錠操作部 50−調節ネジ
11−バネ 31−ロック部材 51−連結ピン
12−一端部 32−通挿ロッド 52−ねじりコイルバネ
13−他端部 33−長孔 53−凹溝
14−揺動部材 34−ピン 54−軸受け溝
15−重り部 35−長孔 55−雌ネジ孔
16−係止用部 36−二股状部 56−頭部
17−横軸 37−ピン Q−一端部の位置
18−錠ケース側板 38−ガイド用長孔 P−他端部の位置
19−縦長溝 39−バネ掛止ピン L−基準線
20−軸受け部材 40−軸支部

Claims (4)

  1. 引き戸1の錠ケース3内に、閉戸時に戸枠体2への当接で後退するトリガー9と、その後退時に鎌部材4を前方へ回動させる作動部材10と、前方への回動で戸枠体2の掛止金具7の掛止部材8へ先端部6が掛止可能な鎌部材4と、該鎌部材4を一定の基準線Lを境に前方または後方へ付勢するバネ11を備えた引き戸用鎌錠において、
    上記鎌部材4の下方位置に、下部に重り部15を有し上部寄りに係止用部16を有する揺動部材14を、引き戸1を閉めた際の慣性力で前方へ揺動可能に設けて、掛止部材8へ掛止状態になった直後の鎌部材4の周端縁の一部22を一瞬間だけ支承可能とし、
    かつ、上記揺動部材14の横軸17を、昇降可能な軸受け部材20で支承させると共に、該軸受け部材20を、上方へ付勢する押しバネ21で支承させたことを特徴とする、引き戸用鎌錠。
  2. 引き戸1の錠ケース3内に、閉戸時に戸枠体2への当接で後退するトリガー9と、その後退時に鎌部材4を前方へ回動させる作動部材10と、前方への回動で戸枠体2の掛止金具7の掛止部材8へ先端部6が掛止可能な鎌部材4と、該鎌部材4を一定の基準線Lを境に前方または後方へ付勢するバネ11を備えた引き戸用鎌錠において、
    上記鎌部材4の下方位置に、下部に重り部15を有し上部寄りに係止用部16を有する揺動部材14を、引き戸1を閉めた際の慣性力で前方へ揺動可能に設けて、掛止部材8へ掛止状態になった直後の鎌部材4の周端縁の一部22を一瞬間だけ支承可能とすると共に、
    上記揺動部材14の横軸17を、昇降可能な軸受け部材20で支承させると共に、該軸受け部材20を、上方へ付勢する押しバネ21で支承させ、
    かつ、上記鎌部材4を付勢するバネ11を圧縮コイルバネとし、その他端部13を、錠ケース3内下部寄りに設けたバネ力調節用ネジ27で支持させて、該バネ力調節ネジ27を、錠ケース3外から回動調節可能としたことを特徴とする、引き戸用鎌錠。
  3. 請求項1または2に記載の引き戸用鎌錠において、
    鎌部材4の先端部6を側面図で見て円弧状に形成すると共に、該鎌部材4の先端部6を掛止する掛止部材8の下半部を、鎌部材4の後退する方向へ傾斜状に形成してなる、引き戸用鎌錠。
  4. 請求項1、2または3に記載の引き戸用鎌錠において、
    錠ケース3の前面板46に位置決め用突起47を形成し、他方掛止金具7に上記突起47を係合可能な位置決め用凹所48を形成すると共に、掛止金具7の取付け孔49を上下に長く形成してなる、引き戸用鎌錠。
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