JP3920432B2 - ガードアーム錠におけるストライク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、両開き扉に装着されるガードアーム錠におけるストライクに関する。
【0002】
【従来の技術】
両開き扉の親扉に取り付けられる錠箱に進退可能かつ揺動可能に支承され、先端に係合突部を有するガードアームと、両開き扉の子扉に取り付けられ、ガードアームの作動時ガードアームの係合突部を係合させることができるようにした受孔及び案内孔から成る長孔を有するストライクとを備えたガードアーム錠は、例えば実開平7−10327号公報等に示され公知である。
【0003】
親扉と子扉の間に装着された前記のようなガードアーム錠では、サムターンによりガードアームが作動位置に進出させてあっても、子扉のフランス落しの施錠がうっかり忘れられていると、親扉と子扉を閉鎖状態から同時に開放させた場合、ストライクに対する係合突部によるガードアームの係合が意図に反して解除されることがあり、防犯上好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明のガードアーム錠におけるストライクは、サムターンによりガードアームを作動位置に進出操作させる際に、子扉のフランス落しについて施錠を忘れている場合その操作を不能とすることにより、フランス落しの掛け忘れを防止することを目的として提案されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明のガードアーム錠におけるストライクは、親扉に取り付けられる錠箱に進退可能かつ揺動可能に支承され、先端に係合突部を有するガードアームと、子扉の自由側端縁に装着され、ガードアームの作動時ガードアームの係合突部を係合させることができるようにした受け孔及びこの受け孔に連設された案内孔から成る長孔を有するストライクとを備えたガードアーム錠において、子扉に取り付けられたフランス落しの係止用ロッドを前記ストライクに向け延長させ、その延長部に前記ストライク内で上下方向に摺動できるようにした閉止スライダを連係させ、フランス落しの解錠時ストライクの受孔に対するガードアームの係合突部の進入を阻止するため、前記閉止スライダでストライクの受孔のみを封鎖するようにしたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基いてこの発明について説明する。
図1はこの発明の使用態様を表わす図で、同図において、符号10は両開き扉における親扉、20は子扉、30は蝶番、1は親扉に取り付けられたガードアーム錠の本体側部分である錠箱を夫々示す。
【0007】
また、符号2は子扉に取り付けられた本発明に係るガードアーム錠のストライク、6は子扉20の上方部分に取り付けられた上部フランス落し、7は子扉20の下方部分に取り付けられた下部フランス落しである。
【0008】
図示例にあっては、この発明は、下部フランス落し7とストライク2との間において実施されているが、上部フランス落し6とストライク2との間において、実施するようにすることもできる。
【0009】
下部フランス落し7は、子扉20に固定された装置本体71、本体71内の操作部材で操作されて上下動する係止用ロッド72、及び、扉枠に固定され、係止用のロッド72の先端(下端)が係脱される受金具73等から成り、このような構造は従来より知られている。
【0010】
本発明の主要部である後述のストライク2と共にガードアーム錠を構成するガードアーム3は、図5に示すように、基端の枢軸32をもって錠箱1に進退可能かつ揺動可能に枢支され、先端には前方に向く係合突部31を有する。図5で符号31aは係合突部31の先端に設けたフランジ部である。
【0011】
そして、ガードアーム3は、周知のように、図示しないサムターンの回動操作により、例えばカム及び突き出し部材等を介して錠箱1のフロント板11より突出入される。
【0012】
なお、図5で符号4は前記のガードアーム3に併設したデッドボルトを示し、そのデッドボルト4は周知のようにサムターン又はシリンダ錠に差し込んだ鍵の操作により突出入される。また、符号8はガードアーム3及び/又はデッドボルト4に対するトリガーを示している。
【0013】
一方、子扉20における前記のガードアーム3に対応させた位置にねじ91等で固定されるストライク2は、図2に示すように、ストライク板21及び箱状のトロヨケ22を適当な固定手段で互いに結合して成る。
【0014】
ストライク板21の長さ方向における中央部分にはガードアーム3の係合突部31が嵌め込まれる受け孔23aとそれに連続する案内孔23bとから成る長孔23を有し、更に、ストライク板21における前記長孔23の下方部分にはデッドボルト4の係入孔24を有する。
【0015】
次に、この発明の要部構造について図2〜図4において説明する。
上記したストライク2の空間部には例えば角筒状をなす閉止スライダ5が上下方向に摺動できるように装着させてある。
【0016】
閉止スライダ5は、前面の封鎖部51の下方に本締りとしての施錠時のデッドボルト4を逃がすための逃げ穴52を有し、背面部に後方に向け一体に突出させた連係突片53を有している。この突片53はトロヨケ22の背板に設けたスリット25を通じて外部へ突出させてある。
【0017】
一方、上述のフランス落し7における係止用ロッド72はその内端(上端)が前記のストライク2に向け延長させてあり、その延長部72aで前記の閉止スライダ5の連係突片53を下から押し上げるようにしてそれに連係させてある。
【0018】
要するに、図示例においては、自重でストライク2内を降下しようとする閉止スライダ5は、その連係突片53を介して係止用ロッド72の延長部72aで下から支持させてある。
【0019】
フランス落し7の施・解錠により、係止用ロッド72は下位位置又は上位位置を占めることになるが、係止用ロッド72の上昇の際は閉止スライダ5は延長部72aで押し上げられ、また係止用ロッド72の降下の際は閉止スライダ5は自重で共に降下することになる。
【0020】
閉止スライダ5の自重による降下を確実にするため、ストライク2と閉止スライダ5との間にはばねを施して該閉止スライダ5を下方に向け付勢させてもよい。
【0021】
なお、図示はしないが、前記の閉止スライダ5の連係突片53と係止用ロッド72の延長部72aとの間はピン手段やねじ手段で一体的に連結させることもできる。
【0022】
図中、符号74はストライク2の背部に固設した案内手段で、それに可動に嵌め合わされた係止用ロッド72の延長部72aを直線的に案内させるためのものである。
【0023】
次にこの発明のガードアーム錠におけるストライクの作用について説明する。図1及び図2においては、下部フランス落し7は施錠状態にあって、係止用ロッド72、すなわちその延長部72aは下位位置を占めているので、閉止スライダ5は下方位置に降下している。
【0024】
この際、閉止スライダ5はストライク2の受孔23a内に露出しておらず、受孔23aは完全な開放状態にあるので、サムターンによりガードアーム3を作動位置に進出操作させた場合[図5(A)参照]、その係合突部31はストライク2の受け孔23aに嵌まり込み、ガードアーム3は正常な作動状態を呈する。
【0025】
一方、図2において、フランス落し7が解錠状態にあったとすると、鎖線で示すように、係止用ロッド72の延長部72aは上位位置を占めることになり、それによっ連係突片53を介して閉止スライダ5が押し上げられ、閉止スライダ5の前面の封鎖部51はストライクの受孔23aを封ずることになる。
【0026】
そこで、サムターンによりガードアーム3を作動位置に進出させようとしても、係合突部31の先端が閉止スライダ5の封鎖部51に衝突することになるので、サムラーンの回動操作が不能となり、操作者はフランス落し7が解錠状態にあることを知り得る。従って、操作者はフランス落し7を施錠状態に正すことが可能となる。
【0027】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明のガードアーム錠のストライクによれば、両開き扉のガードアームを作動位置に進出操作させる際に、子扉のフランス落しが非施錠状態にあると、サムターンの操作が不能となるので、フランス落しの掛け忘れを確実に防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のガードアーム錠におけるストライクの使用態様の一例を示す側面から見た概要図。
【図2】この発明の主要部であるストライクの一例を示す図で、(A)は部分縦断側面図、(B)は正面図。
【図3】図2の(B)のIII−III線による横断平面図。
【図4】図2のストライクから取り外した閉止スライダの正面図。
【図5】図2のストライクに対向させて用いられるガードアーム錠の本体側部分の一例を示す正面図。
【符号の説明】
10 親扉
20 子扉
1 錠箱
2 ストライク
23 長孔
23a 受孔
23b 案内孔
5 閉止スライダ
7 フランス落し
72 係止用ロッド
72a 延長部
Claims (1)
- 親扉に取り付けられる錠箱に進退可能かつ揺動可能に支承され、先端に係合突部を有するガードアームと、子扉の自由側端縁に装着され、ガードアームの作動時ガードアームの係合突部を係合させることができるようにした受け孔及びこの受け孔に連設された案内孔から成る長孔を有するストライクとを備えたガードアーム錠において、子扉に取り付けられたフランス落しの係止用ロッドを前記ストライクに向け延長させ、その延長部に前記ストライク内で上下方向に摺動できるようにした閉止スライダを連係させ、フランス落しの解錠時ストライクの受孔に対するガードアームの係合突部の進入を阻止するため、前記閉止スライダでストライクの受孔のみを封鎖するようにしたことを特徴とするガードアーム錠におけるストライク。
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1997
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