JP2007198089A - 鎌錠の自動施錠機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動施錠時に於いて、カマが不用意に施錠方向に回転してストライクに衝突する可能性を回避すること。
【解決手段】引戸の閉戸時に戸枠体側に押されて後退変位するトリガー部材と、該トリガー部材の後退力によって作動する動力伝達手段と、該動力伝達手段と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転するカマとを備える鎌錠の自動施錠機構であって、前記トリガー部材と動力伝達手段との間にカマ作動障害部材21を配設し、該カマ作動障害部材は、錠箱に軸支され、かつ、前記トリガー部材の後端部の可動軸に軸支された押圧片10と係脱する第1係合片21と、この第1係合片21の一端部に設けられ、かつ、前記動力伝達手段と係脱する障害子25とから成り、該カマ作動障害部材21は、前記押圧片が所定位置まで後退動することを条件として、動力伝達手段の作動を許容する方向へ回転すること。
【選択図】図1
Description
本発明は、引戸を閉めるだけで、カマがストライクに対して自動的に施錠(掛合)する鎌錠の自動施錠機構に関する。
特許文献1は、出願人が提案したものである。この特許文献1に記載の従来例は、本発明と同様の目的(閉戸時、キー又は室内側操作部材を用いることなく、カマが自動的に施錠すること)であり、その基本的構成は、「引戸の閉戸時に戸枠体側に押されて後退変位するトリガーと、該トリガーの後退力によって作動する動力伝達手段と、該動力伝達手段と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転可能なカマとを備える引戸用鎌錠」である。
特許文献1は、引戸を閉めるだけで、カマがストライクに対して自動的に施錠(掛合)するという利点があるものの、トリガーの先端面が戸枠体側に当たるや否やカマが不用意に施錠方向に回転してストライクに衝突する可能性があるという問題点があった。
特許文献2も、閉戸時にカマがストライクに対して自動的に施錠(掛合)する引戸用鎌錠に関するものであるが、該従来例の目的は、閉戸操作時における引戸のバウンド状態を防止することである。そのために、閉戸操作時の慣性力によって揺動変位する揺動部材によって一瞬だけ上記鎌体の掛止状態を保持させるストッパーを構成要件としている。しかし、特許文献2も特許文献1と同様に自動施錠時に於いて、カマが不用意に施錠方向に回転してストライクに衝突する可能性があるという問題点がある。
実用新案公開平7−26549
特開2002−13331
本発明の第1の目的は、鎌錠の自動施錠機構に於いて、カマが不用意に施錠方向に回転してストライクに衝突する可能性を回避することである。第2の目的は、閉扉時に錠箱からカマが出るタイミングの時期をより一層に遅らせ、本発明の主たる目的を十分(より確実)に達成することができることである。第3の目的は、各構成部材を簡単に組み合わせることができることである。その他、解錠時にカマ作動障害部材がスムース作動することである。
本発明の鎌錠の自動施錠機構は、引戸の閉戸時に戸枠体側に押されて後退変位するトリガー部材7と、該トリガー部材の後退力によって作動する動力伝達手段31と、該動力伝達手段と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転するカマ40とを備える鎌錠の自動施錠機構に於いて、前記トリガー部材7に、基端部が錠箱3に軸支されたトリガー共働片18を係合し、閉戸する際、トリガー部材の先端面12が戸枠体側に当たる瞬間の第1段階では、トリガー共働片の係合端部18aが錠箱内に位置するカマの被係合部に係合しており、次に、トリガー共働片が傾倒方向へ作動した第2段階では、前記係合端部はカマの被係合部から離れ、さらに、カマに対するトリガー共働片の係止状態が解消した後の第3段階では、錠箱に軸支されたカマ作動障害部材21は、前記トリガー部材を介して、前記動力伝達手段の作動を許容する方向へ回転することを特徴とする。
また、本発明の鎌錠の自動施錠機構は、引戸の閉戸時に戸枠体側に押されて後退変位するトリガー部材7と、該トリガー部材の後退力によって作動する動力伝達手段31と、該動力伝達手段と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転するカマ40とを備える鎌錠の自動施錠機構であって、前記トリガー部材と動力伝達手段との間にカマ作動障害部材21を配設し、該カマ作動障害部材は、錠箱に軸支され、かつ、前記トリガー部材の後端部の可動軸に軸支された押圧片10と係脱する第1係合片21と、この第1係合片21の一端部に設けられ、かつ、前記動力伝達手段と係脱する障害子25とから成り、該カマ作動障害部材21は、前記押圧片が所定位置まで後退動することを条件として、動力伝達手段の作動を許容する方向へ回転することを特徴とする。
後者の発明は、本発明の目的との関係で、「基端部が錠箱3に軸支され、かつ、トリガー部材7に係合すると共に、カマ40と係脱するトリガー共働片18」は、必ずしも発明の特定(限定)要件ではない。
次に列挙するような効果を得ることができる。
(1)請求項1に記載の発明は、カマは、第1段階と第2段階と第3段階を経てストライクに掛合するので、自動施錠時に於いて、カマが不用意に施錠方向に回転してストライクに衝突する事態を確実に回避することができる。また、請求項7に記載の発明は、第2段階は存在しないものの、カマが不用意に施錠方向に回転してストライクに衝突する事態を回避することができる。
(2)各構成部材を簡単に組み合わせることができる。
(3)その他解錠時にカマ作動障害部材がスムース作動する。
(1)請求項1に記載の発明は、カマは、第1段階と第2段階と第3段階を経てストライクに掛合するので、自動施錠時に於いて、カマが不用意に施錠方向に回転してストライクに衝突する事態を確実に回避することができる。また、請求項7に記載の発明は、第2段階は存在しないものの、カマが不用意に施錠方向に回転してストライクに衝突する事態を回避することができる。
(2)各構成部材を簡単に組み合わせることができる。
(3)その他解錠時にカマ作動障害部材がスムース作動する。
以下、図1乃至図9に示す本発明を実施するための最良の形態により説明する。
(1)戸枠体、引戸等
図1は、戸枠体Xに対して、引戸Yを矢印A方向に閉める際に、引戸Y側のトリガー部材7の先端面12が、戸枠体Xのストライク1に当たり始めた状態(ここでは「第1段階」という。)を示す。この第1段階では、指状のトリガー共働片(係止片)18がONの状態である。ここで「ONの状態」とは、トリガー共働片18の係合端部18aがカマ40の先端部40bの外周に形成した被係合部(切欠溝)41に係合しており、キー、サムターン等の図示しない外部操作手段の操作力により、カマ40を少なくとも完全施錠方向へ動かすことができない状態をいう。それ故に、閉戸時に於いて、不用意にカマ40が施錠方向に回転しまってストライク1の外面に衝突する事態を回避できる。
図1は、戸枠体Xに対して、引戸Yを矢印A方向に閉める際に、引戸Y側のトリガー部材7の先端面12が、戸枠体Xのストライク1に当たり始めた状態(ここでは「第1段階」という。)を示す。この第1段階では、指状のトリガー共働片(係止片)18がONの状態である。ここで「ONの状態」とは、トリガー共働片18の係合端部18aがカマ40の先端部40bの外周に形成した被係合部(切欠溝)41に係合しており、キー、サムターン等の図示しない外部操作手段の操作力により、カマ40を少なくとも完全施錠方向へ動かすことができない状態をいう。それ故に、閉戸時に於いて、不用意にカマ40が施錠方向に回転しまってストライク1の外面に衝突する事態を回避できる。
まず、Xは建具の戸枠体、Yは引戸、Zは鎌錠の自動施錠機構である。鎌錠の自動施錠機構Zは、引戸Yを閉める時に、戸枠体Xにトリガー部材7の先端面12が当たること前提として、トリガー部材7が後退動し始めると、トリガー部材7に交差状に係合するトリガー共働片18が倒れるように回転してカマ40から離れ、次いで、引戸Yの閉める量に対応してトリガー部材7がさらに錠箱3内に後退動すると、ラック32の移動を阻止しているカマ作動障害部材21が、トリガー部材7を構成する押圧片10の後端部に押されて係止を解消する方向へ回転する。
本実施例では、カマ作動障害部材21は「二物品」で構成され、第1係合片24の先端部に設けられたブロック状の障害子25の位置が変位(例えば下降)する。その結果、前記ラック32が付勢バネ33のバネ力でフロント板4側へ移動し始め、他の伝動歯車34,35が作動する点に特徴がある。
以下、該特徴部分に関係のない事項(受け座、ダルマユニット、操作部材など)は、図面と共に省略している。
そこで、図1を参照にして、主な環境部材を説明する。1は受け金具のストライク、2はストライク1のカマ用係入孔、3は引戸の戸先側に固定された錠箱、4はフロント板、5はフロント板に形成されたカマ用開口、6はトリガー部材用開口、7は引戸Yの閉戸時に戸枠体X側に押されて後退変位するトリガー部材、31は該トリガー部材7の後退力によって作動する動力伝達手段、40は該動力伝達手段31の転動歯車35と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転するカマである。錠箱3、動力伝達手段31及びカマ40の具体的構成については後述する。
(2)トリガー部材7
主たる部材について説明する。まず、本実施例のトリガー部材7は、図1及び図6で示すように、トリガー本体8と、該トリガー本体8の後端部に可動軸9を介して軸支されたカマ作動障害部材用押圧片10と、前記可動軸9に巻装された押圧片用バネ11とから成る。
主たる部材について説明する。まず、本実施例のトリガー部材7は、図1及び図6で示すように、トリガー本体8と、該トリガー本体8の後端部に可動軸9を介して軸支されたカマ作動障害部材用押圧片10と、前記可動軸9に巻装された押圧片用バネ11とから成る。
トリガー部材7の具体的構成は、本発明の独立項の限定要件ではないが、トリガー部材7のトリガー本体8は、図6で示すように、フロント板4の開口6から突出する先端部8aと、該先端部8aに連設する中間部8bと、該中間部8bに連設する後端部(支持部)8cに区分することができる。
しかして、前記先端部8aの山形状先端面12は、図1で示すように、第1段階ではストライク1の前面に当たる。また、前記中間部8bには、トリガー共働片用の開口13が形成されている。さらに、前記後端部8cには、可動軸9用の軸孔14や切欠状支持部分15が形成されている。その他錠箱3に形成された水平案内部45に係合する突起(省略)が中間部8bの左右の側壁に形成されている。
一方、前記カマ作動障害部材用押圧片10は、トリガー本体8の後端部8cの切欠状支持部分15に支持されるように可動軸9を介して該トリガー本体8に一体的に装着されている。この押圧片10の先端部側10aは、切欠状支持部分15に支持される部分であり、一方、後端部側10bは、自動施錠時、カマ作動障害部材21の第1係合片24の後端部を押圧する反面、解錠時、前記第1係合片24により押される部分でもある。16は押圧片10に形成された軸孔である(図6参照)。
押圧片用バネ11は、例えば図1で示すように、一端部がトリガー本体8の後端部の切欠内面に、他端部が押圧片10の凹所状内面にそれぞれ圧接し、該バネ11で付勢されている押圧片10は、常態では水平状態になっている。したがって、自動施錠時、トリガー部材7は後退動しても、押圧片10は回転することなく、トリガー本体8と共にそのまま水平移動する(図3、図4参照)。
(3)トリガー共働片18
トリガー共働片18は、その基端部(実施例では下端部)が錠箱3に第1固定軸19を介して軸支され、一方、係合端部(実施例では上端部)18aはカマ40の先端部の被係合部41に係脱する。このトリガー共働片18は、本実施例では、トリガー部材7に対して交差状態に係合していると共に、第1固定軸19に設けられたトリガー共働片用バネ20で係合方向に常時付勢されている。
トリガー共働片18は、その基端部(実施例では下端部)が錠箱3に第1固定軸19を介して軸支され、一方、係合端部(実施例では上端部)18aはカマ40の先端部の被係合部41に係脱する。このトリガー共働片18は、本実施例では、トリガー部材7に対して交差状態に係合していると共に、第1固定軸19に設けられたトリガー共働片用バネ20で係合方向に常時付勢されている。
付言すると、トリガー共働片18は、閉戸する際、トリガー7の先端面12が戸枠体側(実施例ではストライク2)に当たる瞬間の第1段階では、カマ40の被係合部41に係合しており、トリガー7の後退動により、トリガー共働片18が傾倒方向へ作動した第2段階では、その係合端部18aはカマ40の被係合部41から離れる。
(4)カマ作動障害部材
カマ作動障害部材21は、第2固定軸22を介して錠箱3に軸支されている。本実施例のカマ作動障害部材21は、トリガー部材7と動力伝達手段31を構成するラック部材32との間に配設され、前記第2固定軸22に巻装されたカマ作動障害部材用バネ23により、前記ラック部材32に係合する方向に常時付勢されている。
カマ作動障害部材21は、第2固定軸22を介して錠箱3に軸支されている。本実施例のカマ作動障害部材21は、トリガー部材7と動力伝達手段31を構成するラック部材32との間に配設され、前記第2固定軸22に巻装されたカマ作動障害部材用バネ23により、前記ラック部材32に係合する方向に常時付勢されている。
このカマ作動障害部材21は、カマ40に対するトリガー共働片18の係止状態が解消した後の第3段階では、トリガー部材7を介して、動力伝達手段31の作動を許容する方向へ回転する。付言すると、カマ40を自動施錠する場合、カマ作動障害部材21は、ラック部材32の前面から、その障害子25が下降して離れる(図4参照)。
しかして、本実施例のカマ作動障害部材21は、施錠時にはトリガー部材7の押圧片10に押される反面、解錠時には前記押圧片10を押す第1係合片24と、この第1係合片24の一端部に設けられ、ラック部材32が所定の位置(カマ解錠位置)へと移動した時に該ラック部材32に係合する障害子25とから成る。
上面弧状の障害子25は、連結可動ピン26を介して第1係合片24の先端部に連結されている。そして、前記連結可動ピン26は、錠箱3に形成された垂直案内部分に係合している。
ここで、図7を参照にして、カマ作動障害部材21の具体的構成を説明する。24は人差し指形状の第1係合片で、この第1係合片24は、中央部の軸孔24aに挿入されかつ錠箱3に横設軸架された第2固定軸22を介して軸支されている。
しかして、第1係合片24の先端部には連結可動ピン26用の連結孔24bが形成され、一方、その後端部にはバネ23の一端部を受けるピン状の突起24cが設けられている。そして、前記バネ23の他端部は、錠箱3に後壁付近に設けたバネ受けピン27に支持されている。このバネ23の強さは、押圧片用バネの強さを考慮して適宜に設定されている。
また、本実施例の障害子25は、例えば下向きコ字形状に形成され、第1係合片24に先端部に跨ぐように乗っかっている。そして、左右の対向側壁25aには連結可動ピン26用の案内長孔28が一対形成され、該案内長孔28を介して第1係合片24に先端部に多少可動できるように連結されている。さらに、前記左右の対向側壁25aの外面には、錠箱3に形成した垂直案内部分46と係合する単数又は複数個(本実施例)の係合突起29が設けられている。
(5)動力伝達手段31
図1を参照にして、動力伝達手段31を構成する各部材を簡単に説明する。32は水平方向へ往復動するラック部材で、該ラック部材32は、カマ自動施錠用の付勢バネ33を備えている。付勢バネ33は、本実施例では、図1で示すようにラック部材32に組み込まれている。
図1を参照にして、動力伝達手段31を構成する各部材を簡単に説明する。32は水平方向へ往復動するラック部材で、該ラック部材32は、カマ自動施錠用の付勢バネ33を備えている。付勢バネ33は、本実施例では、図1で示すようにラック部材32に組み込まれている。
34はカマ40を施・解錠方向へと回転させるための第1伝動歯車で、該第1伝動歯車34は、ラック部材32とカマ40に係合する第2伝動歯車35との間に介在している。
なお、第1伝動歯車34の具体的構成については特に図示しないが、例えば一芯軸36を介して複数個併設されている。この一芯軸36には、図示しない操作手段(例えばレバーハンドル、ノブ)を直接又は間接的に連結することも可能である。その他の細部的事項の説明は割愛する。
なお、第1伝動歯車34の具体的構成については特に図示しないが、例えば一芯軸36を介して複数個併設されている。この一芯軸36には、図示しない操作手段(例えばレバーハンドル、ノブ)を直接又は間接的に連結することも可能である。その他の細部的事項の説明は割愛する。
(6)カマ40
カマ40は、幅広の基端部40aがカマ軸47を介して軸支されている。また、カマ40は不番の連係手段(ガイド長孔、伝動歯車35の係合ピン)を介して回転自在となっている。その他必要に応じて不番のバネを設けている。カマ40の先端部40bの外面には、前述したように被係合部(切欠溝)41が形成されている。
カマ40は、幅広の基端部40aがカマ軸47を介して軸支されている。また、カマ40は不番の連係手段(ガイド長孔、伝動歯車35の係合ピン)を介して回転自在となっている。その他必要に応じて不番のバネを設けている。カマ40の先端部40bの外面には、前述したように被係合部(切欠溝)41が形成されている。
(7)錠箱の詳細
図5は錠箱の一例を示す概略説明図である。48はラック部材用の水平案内部分、49は操作部材(キー、サムターンなど)の操作力で作動する駆動手段(シリンダー、ダルマ等)を取付けるための嵌合孔である。
図5は錠箱の一例を示す概略説明図である。48はラック部材用の水平案内部分、49は操作部材(キー、サムターンなど)の操作力で作動する駆動手段(シリンダー、ダルマ等)を取付けるための嵌合孔である。
なお、この嵌合孔49の空間部分には、錠前が電動式である場合には、ソレノイド、駆動モータ、駆動歯車などの駆動源が適宜に配設される。したがって、本発明の適用範囲は、手動式の錠前に限定されるものではない。
この欄では、主な図面を参照にして、本発明の自動施錠の作用について説明する。繰り返しになるが、図1は「第1段階」である。この第1段階は、引戸Y側のトリガー部材7の先端面12が、戸枠体Xのストライク1に当たり始めた瞬間である。第1段階では、トリガー共働片18がONの状態である。したがって、カマ40の先端部40bは錠箱3内に位置している。また、ラック部材32は付勢バネ33に付勢されているものの、カマ作動障害片21の障害子25により、その移動が阻止されている。
図2は「第2段階」である。この第2段階では、トリガー共働片18が「OFF」の状態となる。トリガー部材7が矢印B方向へ水平移動すると、トリガー共働片18は第1固定軸19を支点に回転するから傾倒状態となり、その係合端部18aがカマ40の被係合部41から離れる。この第2段階の後、或いは第2段階と同時に、トリガー部材7の押圧片10はカマ作動障害部材21の第1係合片24の下端部を押圧し始める。この時、押圧片10の先端部10aの下面はトリガー本体8の切欠状支持部分15に支持されているから、反時計方向へ回転することができない。
したがって、押圧片10はトリガー本体8と共にそのまま後退動する。そうすると、作動障害部材21の第1係合片24は、第2固定軸22を支点に反時計方向へと回転することから、障害子25は錠箱3の垂直案内部分46に案内されて下降する。しかし、この第2段階では、まだラック部材32は作動障害部材21の障害子25に阻止されている。
図3、図4は、「第2段階から第3段階に入った状態」である。カマ40に対するトリガー共働片18の係止状態が解消した後の第3段階では、カマ作動障害部材21は、前記トリガー部材7を介して、動力伝達手段31の作動を許容する方向へ回転する。
すなわち、第1係合片24が反時計方向へ回転し続けると、矢印方向へ位置移動変位中の障害子25の上部弧状面25bがラック部材32の下面32aに潜る込むことが可能な状態となる。
そこで、本実施例の第3段階では、前記障害子25がラック部材32の下面32aに入り込み、その結果、ラック部材32が付勢バネ33のバネ力により矢印方向へ移動し始める。
図8は、ラック部材32が前進した結果、カマ40が複数個の伝動歯車34、35を介して施錠方向へ回転し、自動施錠の状態になったことを示す。
図9は、図示しない操作部材又は駆動手段により、各構成部材が解錠方向へ作動して解錠状態になった説明図である。
解錠時、カマ作動障害部材21の第1係合片24の後端部はトリガー部材7の押圧片10を押し付けることから、押圧片10はバネ11のバネ力に抗して時計方向へと回転している。したがって、押圧片用のバネ11のバネ力は、障害片用のバネ23のそれよりも「弱く」設定する必要がある。
本発明は、主に錠前や建具の業界で利用される。
図1乃至図9は本発明の最良の実施例を示す各説明図。
本発明の一例を示す概略断面説明図(第1段階)。
第2段階の概略説明図。
第2段階から第3段階に入る寸前の概略説明図。
図3に於いて、第3段階に突入した概略説明図。
錠箱の主要部分の概略説明図。
トリガー部材の分解斜視図。
カマ作動障害部材の分解斜視図。
自動施錠状態の概略説明図。
解錠状態の概略説明図。
X…戸枠体、Y…引戸、3…錠箱、7…トリガー部材、8…トリガー本体、9…可動軸、10…押圧片、11…押圧片用バネ、12…トリガー部材の先端面、18…トリガー共働片、18a…トリガー共働片の係合端部、19…第1固定軸、20…トリガー共働片用バネ、21…カマ作動障害部材、23…障害片用バネ、24…第1係合片、25…障害子、31…動力伝達手段、32…ラック部材、33…カマ自動施錠用の付勢バネ、34,35…伝動歯車、40…カマ、41…被係合部。
Claims (8)
- 引戸の閉戸時に戸枠体側に押されて後退変位するトリガー部材7と、該トリガー部材の後退力によって作動する動力伝達手段31と、該動力伝達手段と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転するカマ40とを備える鎌錠の自動施錠機構に於いて、前記トリガー部材7に、基端部が錠箱3に軸支されたトリガー共働片18を係合し、閉戸する際、トリガー部材の先端面12が戸枠体側に当たる瞬間の第1段階では、トリガー共働片の係合端部18aが錠箱内に位置するカマの被係合部に係合しており、次に、トリガー共働片が傾倒方向へ作動した第2段階では、前記係合端部はカマの被係合部から離れ、さらに、カマに対するトリガー共働片の係止状態が解消した後の第3段階では、錠箱に軸支されたカマ作動障害部材21は、前記トリガー部材を介して、前記動力伝達手段の作動を許容する方向へ回転することを特徴とする鎌錠の自動施錠機構。
- 請求項1に於いて、カマ作動障害部材21は、トリガー部材7と動力伝達手段を構成するラック部材32との間に配設され、障害片用バネ23により、前記ラック部材に係合する方向に常時付勢されていることを特徴とする鎌錠の自動施錠機構。
- 請求項1に於いて、トリガー部材7は、トリガー本体8と、該トリガー本体の後端部に可動軸9を介して軸支されたカマ作動障害部材用押圧片10と、前記可動軸に巻装された押圧片用バネ11とから成ることを特徴とする鎌錠の自動施錠機構。
- 請求項1に於いて、カマ作動障害部材21は、施錠時にはトリガー部材の押圧片10に押され、一方、解錠時には前記押圧片を押す第1係合片24と、この第1係合片の一端部に設けられ、動力伝達手段を構成するラック部材32が所定の位置へと移動した時に該ラック部材に係合する障害子25とから成ることを特徴とする鎌錠の自動施錠機構。
- 請求項1に於いて、カマ自動施錠用の付勢バネ33は、動力伝達手段を構成するラック部材32に組み込まれていることを特徴とする鎌錠の自動施錠機構。
- 請求項1に於いて、トリガー共働片18は、トリガー部材に対して交差状態に係合していると共に、トリガー共働片用バネ20で係合方向に常時付勢されていることを特徴とする鎌錠の自動施錠機構。
- 引戸の閉戸時に戸枠体側に押されて後退変位するトリガー部材7と、該トリガー部材の後退力によって作動する動力伝達手段31と、該動力伝達手段と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転するカマ40とを備える鎌錠の自動施錠機構であって、前記トリガー部材と動力伝達手段との間にカマ作動障害部材21を配設し、該カマ作動障害部材は、錠箱に軸支され、かつ、前記トリガー部材の後端部の可動軸に軸支された押圧片10と係脱する第1係合片21と、この第1係合片21の一端部に設けられ、かつ、前記動力伝達手段と係脱する障害子25とから成り、該カマ作動障害部材21は、前記押圧片が所定位置まで後退動することを条件として、動力伝達手段の作動を許容する方向へ回転することを特徴とする鎌錠の自動施錠機構。
- 請求項7に於いて、動力伝達手段31は、付勢バネ33で常時付勢されているラック部材32を含むことを特徴とする鎌錠の自動施錠機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006020898A JP2007198089A (ja) | 2006-01-30 | 2006-01-30 | 鎌錠の自動施錠機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006020898A JP2007198089A (ja) | 2006-01-30 | 2006-01-30 | 鎌錠の自動施錠機構 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007198089A true JP2007198089A (ja) | 2007-08-09 |
Family
ID=38452955
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007198089A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009299432A (ja) * | 2008-06-17 | 2009-12-24 | Shin Nikkei Co Ltd | 框内蔵型施錠装置及び該施錠装置を備えたサッシ窓 |
CN105011589A (zh) * | 2015-06-30 | 2015-11-04 | 圣指通科技(北京)有限公司 | 一种齿轮式锁柜 |
-
2006
- 2006-01-30 JP JP2006020898A patent/JP2007198089A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009299432A (ja) * | 2008-06-17 | 2009-12-24 | Shin Nikkei Co Ltd | 框内蔵型施錠装置及び該施錠装置を備えたサッシ窓 |
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A761 | Written withdrawal of application |
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