JPH08277339A - ポリオレフィン系電子線架橋発泡体 - Google Patents
ポリオレフィン系電子線架橋発泡体Info
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- JPH08277339A JPH08277339A JP8022792A JP2279296A JPH08277339A JP H08277339 A JPH08277339 A JP H08277339A JP 8022792 A JP8022792 A JP 8022792A JP 2279296 A JP2279296 A JP 2279296A JP H08277339 A JPH08277339 A JP H08277339A
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Abstract
優れたポリオレフィン系電子線架橋発泡体を提供する。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂(A)と動的粘弾性測
定で得られるtanδのピ−クが−20℃から40℃の
温度範囲にある共役ジエン系重合体(B)からなること
を特徴とするポリオレフィン系架橋発泡体。
Description
泡体に関する。さらに詳しくは自動車内装材、緩衝材、
建築材、産業資材、家具、家庭用電気器具などに適用で
きる緩衝性、断熱性、衝撃吸収性、振動吸収性に優れた
ポリオレフィン系電子線架橋発泡体に関するものであ
る。
軽量性、断熱性、遮音性に優れていることや各種の加工
法による成形が容易であることから自動車内装用緩衝材
や建築用途、産業資材用途、生活用品用途などで広く利
用されている。
体は架橋度や発泡倍率、厚みを適時選定することにより
耐熱性、緩衝性、衝撃吸収性を変化させて用いられてい
たが、樹脂の結晶性や樹脂の構造的な特性が障害となり
反発弾性が高いため同時に満足することはできず、ま
た、振動吸収性は期待できなかった。一般的傾向として
耐熱性を良くする方向は架橋度を高く、衝撃吸収性は発
泡倍率を高くする方向、振動吸収性は結晶性を低くし、
ブチルゴムのごとき樹脂構造にする方向であるが、これ
らは、いずれも相反する傾向を示し、また、樹脂の加工
性が悪化するため同時に要求を満たすことは難しかっ
た。
レフィン系電子線架橋発泡体を構成する樹脂の検討を行
い、樹脂組成の骨格となるポリオレフィン系樹脂を電子
線により架橋性させるとき配合する樹脂の電子線架橋性
あるいは架橋助剤を検討し、さらに、動的粘弾性測定で
得られるtanδと振動吸収性、樹脂加工性の向上した
共役ジエン系樹脂と混合することにより結晶性の影響が
軽減され、反発弾性が制御された、広範囲の架橋度で緩
衝性、衝撃吸収性、振動吸収性を満足するポリオレフィ
ン系電子線架橋発泡体を見出だし、本発明に至った。
レフィン系樹脂に特定の構造、特定特性を有する樹脂を
混合し、特に電子線照射により架橋状態を制御して広範
囲の架橋度で緩衝性、衝撃吸収性、振動吸収性を満足す
るポリオレフィン架橋発泡体を提供することにある。か
かる本発明の目的は、基本的には下記の構成により達成
される。すなわち、「ポリオレフィン系樹脂(A)と動
的粘弾性測定で得られるtanδのピ−クが−20℃か
ら40℃の温度範囲にある共役ジエン系重合体(B)か
らなることを特徴とするポリオレフィン系架橋発泡体」
である。
(A)とはエチレン、プロピレン、ブテン−1、4メチ
ルペンテン−1などのいわゆるオレフィンモノマ−の単
独重合体、或いは、これらのモノマ−を用いたランダ
ム、ブロック共重合体、或いは、ビニルアセテ−ト、ア
クリル酸(メタ)アルキルアクリレ−ト、無水マレイン
酸などとの共重合体などの融点が70〜165℃、MF
Rが0.5〜20g/10分を満足する公知の製造方法
で得られる樹脂でれば良い。ポリオレフィン系樹脂
(A)の融点は70〜165℃、好ましくは80〜15
5℃である。融点が70℃未満であるとシ−ト製造工程
の押出し機での混練りゾ−ンでの剪断発熱による発泡剤
の分解を止められる点、製品の柔軟性、衝撃吸収性、振
動吸収性の点では好ましいが、融点が低いため製品の腰
がなく巻取、後加工時のハンドリング性が悪化したり、
製品がブロッキングするなど製造面での安定性にかける
ので好ましくない。一方、165℃を越えたものは耐熱
性の点では好ましいが、前述の様にシ−ト製造工程の押
出し機での混練りゾ−ンでの剪断発熱による発泡剤の分
解が生じやすくなり、気泡構造の制御された発泡体が得
られなくなるので好ましくない。MFRは0.5〜20
g/10分、好ましくは1.5〜10g/10分であ
る。MFRが0.5g/10分では樹脂の溶融後の溶融
粘性が高いため、押出しに適した粘度となる様に溶融温
度を上げるか、もしくは高剪断下で押出しする必要が生
じるが前述の様に発泡剤が分解を生じ、気泡構造の制御
された発泡体が得られなくなるので好ましくない。一
方、20g/10分を越えると剪断発熱による発泡剤の
分解の点では好ましいが、溶融後の粘性が低下するた
め、所望の表面形態、厚みのシ−ト成形が特殊な装置
(具体的には急速冷却装置)を備えたシ−ト成形機でな
いと得られなくなるので好ましくない。
れるtanδのピ−クが−20℃から40℃の温度範囲
にある数平均分子量が30000〜500000の共役
ジエン系重合体もしくは水添物(B)とは芳香族ビニル
モノマ−、イソプレン、ブタジエンからなる共重合体も
しくは、その水添物である。共役ジエン系重合体もしく
は水添物中の芳香族ビニルモノマ−の含有量は5〜50
%、好ましくは10〜35%である。芳香族ビニルモノ
マ−の含有量が50%を越えるとtanδのピ−クの範
囲が低温サイドにシフトし、樹脂自体硬くなり、衝撃吸
収性が低下すると共に振動吸収性も低下するので好まし
くなく、また、5%未満であるとtanδのピ−クの範
囲が高温サイドにシフトし、ゴム弾性体として柔軟性が
向上し衝撃吸収性が良くなるように見えるが、本発明の
場合、高発泡倍率の架橋発泡体とするため過度の柔軟性
は、逆に発泡体の過度の変形となり衝撃吸収性が悪化す
るので好ましくない。本発明に用いられる芳香族ビニル
モノマ−としてはスチレン系、ナフタレン系の物が用い
られるが、スチレン系のものが生産性、価格の点で好ま
しい。本発明の共役ジエン系重合体の中のイソプレン、
ブタジエンの割合はいずれも5〜90%の範囲である。
また、本樹脂の水添物の水添率は90%以下に押さえる
方が好ましく、より好ましくは80%以下、さらに好ま
しくは70%以下である。これは、電子線により架橋さ
せるが水添率が90%を越えると共役ジエン系重合体の
架橋性が極端に低下し、発泡体としたとき架橋不足の共
役ジエン系重合体部分に粗大気泡を生じ、気泡径の制御
が難しくなり、結果的に発泡体の衝撃吸収性、振動吸収
性が低下するので好ましくない。
のピ−クは−20℃から40℃の温度範囲であるが、最
も好ましいのは−5℃〜35℃である。この温度範囲外
のものは衝撃吸収性、振動吸収性能に劣るので好ましく
ない。共役ジエン系重合体の数平均分子量は30000
〜500000、好ましくは50000〜200000
である必要があるが30000未満では発泡体としたと
きの機械的強度が低下したり、粘着性が顕著となり、発
泡体としたときブロッキングが発生するので好ましくな
い。一方、500000を越えると樹脂の溶融粘度が高
くなり、ポリオレフィン系樹脂と溶融混合したとき粘度
差により分散性が悪化し、結果的に発泡体の気泡制御が
できなくなるので好ましくない。
製造方法は特に限定されるものではないが特開平5−3
45833号公報に例示されているものも一例である。
(A)が実質的にエチレンで構成されているものである
場合、特に製造方法に限定されるものではないが一般に
高圧重合法によって得られる低密度ポリエチレンや中低
圧イオン重合法によるエチレンと炭素数が4〜12のα
−オレフィンとの共重合体である直鎖状ポリエチレン、
エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、エチレンとアクリ
ル酸アルキルエステルとの共重合体、あるいはさらに無
水マレイン酸を共重合した3元共重合体などが例示され
るが、好ましくは、ジビニルベンゼン等の反応性架橋助
剤を加えることなく電子線照射だけにより架橋するもの
を選定する必要がある。これは、混合する共役ジエン系
重合体が骨格内に2重結合をもっており、電子線照射に
より架橋するが発泡に適した架橋状態を制御するには同
一エネルギ−でおのおのの樹脂の架橋度に大幅な差が生
じないようにするためである。なお、上述、ポリエチレ
ン系樹脂は単独で用いても、混合して用いても架橋度に
大幅な差が生じないものであれば制限されるものではな
い。
0〜135℃、好ましくは80〜130℃である。融点
が70℃未満であると耐熱性の点から用途的に制限が発
生するので好ましくなく、135℃を越えると融点が高
くなり用途的に広範囲をカバ−できる点では好ましい
が、実質的に結晶性の高い樹脂となるため剛性が高くな
り発泡体としたとき緩衝性が悪化するので好ましくな
い。
0.5〜10g/10分、好ましくは1.0〜8g/1
0分である。MFRが0.5g/10分未満であると樹
脂の溶融粘度が高くなるため発泡用シ−ト製造時剪断発
熱により発泡剤の分解が起こりやすくなり粗大気泡を発
生しやすくなるので好ましくない。一方、10g/10
分を越えると溶融粘度が低くなるためシ−ト製造上では
好ましいが発泡体の伸びが低下したり、真空成形など加
熱成形加工時に形状の保持力が悪化し、良好な成形品が
得られにくくなるので好ましくない。
(A)が実質的にプロピレンで構成されたものの場合、
その製造方法は特に限定されるものではないが一般にチ
−グラ型触媒によって重合されるプロピレン単独重合
体、また、エチレン、もしくは炭素数が4〜12のα−
オレフィンが2〜35重量%ランダムもしくはブロック
共重合された融点が125〜165℃、MFRが0.5
〜20g/10分である。共重合されるエチレン、もし
くは炭素数が4〜12のα−オレフィンの種類には特に
制限はないが、エチレン、ブテン、ヘキセン単独、ある
いはエチレン・ブテン、エチレン・ヘキセンなどの併用
が上げられるが、発泡体の強度を維持するには炭素数が
極力大きく、かつ、3元共重合のものが好ましい。共重
合されるエチレン、もしくは炭素数が4〜12のα−オ
レフィンは2〜35重量%、好ましくは3〜20重量%
であるが、2重量%未満であるとポリプロピレン単独重
合樹脂より融点が低下し、耐熱性が悪化するだけで実質
的にはポリプロピレン単独重合樹脂を用いて得た発泡体
と衝撃、振動吸収特性と大差なくなるので好ましくな
い。一方、35重量%を越えると架橋状態の制御および
緩衝性、反発弾性、耐衝撃性の点では好ましいが、融点
が低下するため耐熱性が低下するので好ましくない。
樹脂の融点は125〜165℃、好ましくは130〜1
55℃であるが、融点が125℃未満であると耐熱性の
点から用途的に制限が発生するので好ましくなく、16
5℃を越えると融点が高くなり用途的に広範囲をカバ−
できる点では好ましいが、発泡用シ−ト製造時剪断発熱
により発泡剤の分解が起こりやすくなり粗大気泡を発生
しやすくなるので好ましくない。MFRは0.5〜20
g/10分、好ましくは1.0〜10g/10分であ
る。MFRが0.5g/10分未満であると樹脂の溶融
粘度が高くなるため発泡用シ−ト製造時剪断発熱により
発泡剤の分解が起こりやすくなり粗大気泡を発生しやす
くなるので好ましくない。一方、20g/10分を越え
ると溶融粘度が低くなるためシ−ト製造上では好ましい
が発泡体の伸びが低下したり、真空成形など加熱成形加
工時に形状の保持力が悪化し、良好な成形品が得られに
くくなるので好ましくない。
の電離性放射線を照射すると、プロピレンの3級炭素部
分で主鎖切断を生じ、樹脂劣化するが、本発明の場合、
特にプロピレン系樹脂が樹脂全体の50重量%を越える
場合、この現象を防止するためビニル性2重結合を2個
以上有する反応性モノマ−、或いはダイマ−を架橋助剤
(C)として添加することが好ましい。かかる架橋助剤
(C)は、樹脂成分100重量部に対し0.5〜10重
量部添加することが好ましく、0.5〜5重量部添加す
ることがさらに好ましい。この添加量が0.5重量部未
満であると発泡剤の分解ガスを保持し発泡体とするに必
要な架橋度を共役ジエン系重合体部分のみに頼ることに
なるが、前述の様にポリプロピレン系樹脂部分の架橋が
不足し実質的に広範囲の架橋度を得ることができなくな
るので好ましくなく、10重量部を越えると共役ジエン
系重合体の電子線による架橋と反応性モノマ−の電子線
による架橋差が過多となり、片方の樹脂成分の架橋が優
先し、均一な架橋を得ることができず、従って、均一な
気泡構造の架橋発泡体が得られなくなるので好ましくな
い。本発明に用いるビニル性2重結合を1分子中に2個
以上含有する架橋助剤(C)としての作用を発揮できる
ものであれば特に限定されるものではないが、ジビニル
ベンゼン、なかでもパラ体含有率が25%以上のもの、
あるいはトリアリルトリメリテート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレートやビスフェノール系誘導体などが
例示できるが、液状物を用いる方が均一分散性に優れる
ため架橋の制御には好ましい。なお、共役ジエン系重合
体(B)中の2重結合と架橋助剤(C)の電子線による
架橋性差の影響を小さくし発泡に必要な安定した架橋状
態を得るために共役ジエン系重合体の水添物を用いるの
が更に好ましい。
(A)が実質的にエチレンで構成されたポリエチレン系
樹脂(a)と実質的にポリプロピレンで構成されたポリ
プロピレン系樹脂(b)とからなり、その配合比(a)
/((a)+(b))が0.2〜0.8のものを用いる
場合、この目的は柔軟性や耐熱性、振動吸収性、衝撃吸
収性を任意の範囲に設定する場合有効で、ポリエチレン
系樹脂(a)とポリプロピレン系樹脂(b)は前述の範
囲の樹脂で良い。その場合、配合比(a)/((a)+
(b))は0.2〜0.8であるが、0.2未満である
と前述のポリプロピレン系樹脂の範囲、例えば共重合比
率などから適時選定可能となるので特に必要では無い。
一方、0.8を越えるとポリエチレン系樹脂の範囲、例
えば密度、共重合比率などから適時選定可能となるので
特に必要では無い。
脂(A)に共役ジエン系重合体もしくは水添物(B)の
配合比(B)/((A)+(B))は0.1〜0.5が
好ましく、0.2〜0.4がより好ましい。配合比が
0.1未満の場合、耐熱性、機械物性の点では好ましい
が、結晶性が高くなるため剛性が高くなり硬くなるため
衝撃吸収性、振動吸収性、緩衝性が悪化するので好まし
くない。一方、0.5を越えると理由は不明であるが衝
撃吸収性、振動吸収性、大幅な性能向上は無く、むしろ
非晶性成分の増加により耐熱性、強度など機械物性が低
下するので好ましくない。
〜80%、より好ましくは25〜70%、さらに好まし
くは30〜60%である。架橋度が15%未満であると
柔軟性や伸び、成形性の点では好ましいが、架橋度が不
足し、発泡時に発泡体表面から発泡ガスが逸散しやすく
所定の発泡倍率が得られなかったり、発泡体表面が荒れ
たり、また、耐熱性が低下するので好ましくない。一
方、架橋度が80%を越えると共役ジエン系重合体のゴ
ム成分としての衝撃吸収性、振動吸収性、機械的強度、
耐熱性の点では好ましいが、架橋度過多により任意の発
泡倍率のものが得られなく、特に10倍以上の高発泡倍
率の発泡体が得られなくなったり、実質的に架橋点が増
加するため伸びが低下し、成形性が悪化するため各種の
形状に成形できなくなるので好ましくない。
倍、より好ましくは5〜30倍であるが、発泡倍率が2
倍未満では振動吸収性、機械的強度、成形性の点では好
ましいが、硬い発泡体となるため衝撃吸収性、緩衝性が
低下するので好ましくなく、一方、40倍を越えると柔
軟性が増し、緩衝性の点では好ましいが、機械的強度、
成形性が低下することと、理由は不明であるが振動吸収
性が低下するので好ましくない。
収性の反発弾性率が、好ましくは10〜50%,より好
ましくは15〜35%であるが、反発弾性率が10%未
満であると、衝撃吸収性の点では好ましいが発泡体の腰
がなくなり成形品など加工後、自己形状を保持する事が
困難となるので好ましくなく、一方、50%を越えると
加工後の自己形状保持力は高まり成形性としては好まし
いが、衝撃に対し反発する力が増大し衝撃吸収力が低下
するので好ましくない。
収性(C/Cc)は0.1%以上であるが、振動吸収性
が0.1%未満であると複合品としたとき複合する広範
囲の材料に対し、良好な振動吸収性、すなわち制振性を
与える事ができなくなるので好ましくない。この場合、
振動吸収性は前記衝撃吸収性と同様に発泡体の自己形状
保持力の点から1.5%程度が上限である。
形性(L/D)が、0.4以上,好ましくは0.5〜
0.9である。成形性(L/D)が0.4未満であると
複雑な形状の製品を得ることができず成形法や成形のデ
ザインに制限ができるので好ましくなく、一方、L/D
が大きいほど成形法や成形のデザインの自由度の点では
好ましいが、一般的には成形品の形態保持性、緩衝性の
点から0.9程度が上限と言える。
以下であるが、5%を超えると120℃以上に加熱する
と製品が変形し、形態の保持が困難となり、自動車のエ
ンジンルーム仕切り板など内装材として広範囲に使用で
きないので好ましくない。
入してもよい。具体的には低密度ポリエチレン、エチレ
ン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン
ゴム−ジエンゴム(EPDM)、高密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキルアク
リレート共重合体あるいはこれらのエチレンとの共重合
体に第三成分として無水マレイン酸を共重合した3元共
重合体等が例示される。混入量が30重量部を超えると
柔軟性、緩衝性の点では好ましいが、特に反発弾性の高
いEVA、EPM、EPDMなどは振動吸収性を阻害す
るので好ましくない。
難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、充填剤を添加しても
良いが、特に熱安定剤としてはヒンダ−ドフェノ−ル系
とチオ系安定剤あるいは金属板との複合を考慮して金属
害防止剤の添加は極力添加することが好ましい。振動吸
収性を向上させるためにタルク、炭酸カルシウム、マイ
カ、あるいはカーボン等の微粒子を、発泡体樹脂100
重量部に対して、5〜30重量部添加することが好まし
い。
フィン化の進展に伴い使用部位によっては難燃剤、ある
いは難燃助剤を添加する必要があるが、架橋発泡体には
融点が180〜240℃の難燃剤、中でもリン・ハロゲ
ン系難燃剤や、芳香族ハロゲン化イミド系の難燃剤を用
いる事が望ましい。
しては有機、無機系の各種があるが、有機系ではアゾジ
カルボンアミド、N,N´−ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、P.P´−オキシベンゼンスルフォニルヒ
ドラジド、トリアゾ−ル系、テトラゾ−ル系の有機塩系
のもの単独、或いは混合して用いることが例示され、無
機系の場合は炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭
酸アンモニウム、カルシュウムアジド等が上げられる。
中でも、アゾジカルボンアミド、N,N´−ジニトロソ
ペンタメチレンテトラミンの混合系を用いると発泡温度
の低温側でも安定した発泡体が得られるので樹脂劣化を
最小限にとどめることができるので好ましい。また、
N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミンの代わ
りにアゾジテトラゾ−ル・グアニジン塩を用いても同様
の効果が得られるので好ましい。
されていることが必要であるが、架橋方法としては電離
性放射線を照射して行う放射線架橋法が好ましい。化学
架橋法の場合は、ジクミルパ−オキサイド、t−ブチル
パ−−ベンゾエ−ト、ジタ−シャリ−ブチルパ−オキサ
イド等の過酸化化合物を樹脂成分に対し0.5〜5重量
部添加して架橋させる公知の手法が知られているが、ポ
リオレフィン系樹脂全体への任意適応性に欠ける、具体
的にはポリプロピレン系樹脂を用いた場合、樹脂の劣化
を助長し、ビニル系反応性モノマ−を適用しても、その
劣化度合いは放射線架橋法よりも大きく、実質的に架橋
の制御ができないので好ましくない。
適用できるが、型内発泡法、押出し発泡法などのバッチ
製品や幅・厚さに制限のある方法より、連続シ−ト状と
して製造できる縦型熱風発泡法、横型 熱風発泡法、横
型薬液発泡法などの連続シ−ト状として製造できるもの
が好ましい。
泡体の製造方法の一態様につ いて、電子線架橋発泡体
の例を用いて説明するが、これに何等限定されるもので
はない。
25g/cm3 、融点:112℃、MFR4.8g/1
0)(A)50kg、tanδのピ−クが−3℃、数平均
分子量が55000、スチレン含有量10%のスチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合水添樹脂(B)
30kg、熱安定剤としてIrganox1010を0.
3kg、分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド6.5
kgを内容積450リットルのヘンシェルミキサ−に投入
し、第一次混合し、組成物を得た。この混合原料を発泡
剤の分解しない温度、具体的には130〜150℃に加
熱したベント付き押出し機に導入して、セットされてい
る口径3mmの口金より水冷槽に押し出し、ストランド
ガットとして水冷槽から引き出し、圧力空気を吹き付
け、水切りしながらペレタイザ−に導入して、直径2m
m,長さ3mmのペレットにして、発泡用シ−ト原料を
得た。この原料を130〜150℃に加熱した押出し機
に導入してセットされている口金より押し出し、ロ−ル
温度が65℃のポリシングタイプのシ−ト成形機にかけ
空気巻込みによる気泡のない厚さが3.0mm、幅が5
00mmの連続シ−ト状にして巻き取った。
た架橋、すなわち発泡体としたときに架橋度が15〜5
0%となるように電子線を照射して架橋を付与した。こ
のシ−トを発泡剤の分解温度より30〜100℃高い温
度に加熱した熱媒浴上に連続的に供給して発泡させた。
6.1mm,幅1300mm、発泡倍率が25倍の表面
の平滑な発泡体であった。
系樹脂に特定の共役ジエン系重合体を配合し架橋発泡体
としたことによりポリオレフィン系樹脂の結晶性に起因
する反発弾性を軽減し、広範囲の架橋度でポリオレフィ
ン系樹脂の特性を保持しつつ緩性、衝撃吸収性、振動吸
収性に優れたものとなった。
かではないが、本発明者らの経験ではポリエチレン系樹
脂にゴム系樹脂を混合する場合、ゴム系樹脂の特性を発
揮させるにはゴム系樹脂の配合量がポリオレフィン系樹
脂と等量以上配合する必要があり、したがってポリオレ
フィン系樹脂の特性を保持することは極めて困難であ
り、一方、ゴム系成分を共重合したポリエチレン系樹
脂、例えばEVA樹脂は少量の成分でさらに結晶性を低
下させ、柔軟性を付与できるが衝撃吸収性、振動吸収性
を満足する事はできない。本発明では特定の共役ジエン
系重合体樹脂、ポリオレフィン系樹脂を配合して架橋発
泡体としたことにより樹脂相互間に架橋が発生し、一
見、共役ジエン系重合体樹脂とポリオレフィン系樹脂が
共重合したごとき状態となるため共役ジエン系重合体樹
脂の配合量が少なくてすみ、したがって、ポリオレフィ
ン系樹脂の基本特性の低下をまねくことなく衝撃吸収
性、振動吸収 性が付与できるものと考える。本発明に
よる発泡体は,反発弾性が小さくなっているため衝撃吸
収能力に優れ、さらに振動吸収性にも優れているため、
各種の表皮と張り合わせた自動車内装材として従来の公
知品では得られなかった独特のソフト感および衝撃吸収
性、微妙な振動を吸収し制振性のある内装材が得られ
る。また、振動吸収性を生かし鉄板等の不燃材と張り合
わせた制振性仕切り板、無機、繊維マットと張合わせた
不燃性ボ−ド用裏打ち材等、金属板と粘合わせて折板加
工する洗濯機などの外板やプラスチック板と粘合わせて
成形加工して洗濯槽蓋など振動を発生する部分の振動を
吸収させる制振性複合材や、あるいはゴムやポリ塩化ビ
ニルに金属粉末を配合した制振シ−トと複合した低周波
振動吸収制振性複合材、発泡体の少なくとも片面に粘着
剤を配し、窓など振動による不快感の除去テ−プまた、
合板などとの積層体は制振床材、金属フォイル、フィル
ム、無機繊維等との複合品で各種の成形分野に適応でき
る。
りである。
℃のテトラリン中に浸積し、攪拌しながら3時間加熱し
溶解部分を溶解せしめ、不溶部分を取り出しアセトンで
洗浄してテトラリンを除去後、純水で洗浄しアセトンを
除去して120℃の熱風乾燥機にて水分を除去して室温
になるまで自然冷却する。このものの重量(W1 )gを
測定し、次式で架橋度を求める。
m)と重量W2 (g)を測定し、次式で本発明の発泡倍
率を算出する。
(g/cm3 ) (3)融 点 示差走査熱量計(パ−キンエルマ社DSC−II)で測定
した溶融吸熱カ−ブの最も大きなピ−クを融点とする。
粘弾性スペクトルを測定し、スペクトルカ−ブのピ−ク
温度をtanδの吸収ピ−クとする。
した値を用いる。
mm×250mm)だけでの臨界粘性減衰係数Ccと粘
性減衰係数Cとの比すなわち減衰係数比C/Ccを測定
した後、同サイズの試料を鋼板に貼付け、固定圧縮率7
5%(鋼板の厚さを含む全試料厚さに対する圧縮固定)
で片持ちばりしC/Ccを測定し、試料を鋼板に貼付け
たときの値から鋼板だけでの値を差し引いた値を振動吸
収性とする。
とする。緩衝性は0.30〜1.2kg/cm2 の範囲を適
性とする。
えた真空成形機で成形し、発泡体が破れることなくカッ
プ状に成形されたL/D比を成形性とした。
D)、幅方向(TD)に10cm間隔の測定用標線を書
き、厚み(T)を測定する。このサンプルを120℃の
熱風循環オーブンに入れ2時間加熱後、取出し、室温に
なるまで自然冷却する。この加熱処理サンプルの各方向
の標線間隔(MDx、TDx)、厚み(Tx)を測定
し、下記の式で寸法変化率を算出し、これを耐熱性とし
た。n数は5、平均寸法変化率が±5%以内を合格とす
る。
た融点が134℃、MFR0.8g/10分のポリプロ
ピレン系樹脂(A)の粉体100kg、tanδのピー
クが−3℃、数平均分子量が55000、スチレン含有
量10%のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合水添樹脂(B)50kg、熱安定剤として“Mar
k”AO30を0.5kg、DSTDP1.0kgを内
容積750lのヘンシェルミキサーに投入し、第一次混
合した。更に架橋助剤(C)としてp体含有率48%の
ジビニルベンゼン5kgを投入して十分混合し、ヘンシ
ェルミキサーのモーター負荷が低下した時点で分解型発
泡剤としてアゾジカルボンアミド12kg投入して混合
し、混合原料を発泡剤の分解しない温度、具体的には1
50〜180℃に加熱したベント付き押出し機に導入し
て、セットされているTダイから押し出し、空気巻込み
による気泡のない厚さが2.0mm、幅が450mmの
連続シート状にして巻き取った。
照射し、架橋せしめた。このシートを210℃、220
℃、225℃の順に加熱したシリコーン薬液法の発泡装
置に導入し発泡し連続シート状発泡体として巻き取っ
た。
20倍で厚みが4.2mm、幅1150mmの製品とし
た。
成形性、耐熱性、衝撃吸収性、振動吸収性などの品質に
優れたポリプロピレン系電子線架橋発泡体である。
泡条件で発泡体とし、得られた発泡体の特性を表3に示
した。
4.3g/10分)の粉体50kg、tanδのピーク
が−3℃、数平均分子量が55000、スチレン含有量
10%のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合水添樹脂25kg、熱安定剤として“Mark”AO
30を0.5kg、DSTDP1.0kg、分解型発泡
剤としてアゾジカルボンアミド8kgを内容積450l
のヘンシェルミキサーに投入し、第一次混合した。この
ものを発泡剤の分解しない温度、具体的には130〜1
40℃に加熱したベント付き押出し機に導入して、セッ
トされているTダイから押し出し、空気巻込みによる気
泡のない厚さが2.0mm、幅が450mmの連続シー
ト状にして巻き取った。
射し、架橋せしめた。このシートを205℃、215
℃、220℃の順に加熱したシリコーン薬液法の発泡装
置に導入し発泡し連続シート状発泡体として巻き取っ
た。
25倍で厚みが4.2mm、幅1250mmの製品とし
た。
衝撃吸収性、振動吸収性などの品質に優れたポリエチレ
ン系電子線架橋発泡体である。
泡条件で発泡体とし、得られた発泡体の特性を表6に示
した。
たような発泡条件で発泡体とし、得られた発泡体の特性
を表11に示した。
る発泡体はポリオレフィン系樹脂、特定の動的粘弾性を
有する共役ジエン系重合体を配合し電子線架橋発泡体と
したため、広範囲の架橋度で衝撃吸収性、振動吸収性に
優れたポリオレフィン系電子線架橋発泡体が得られた。
本発明以外の範囲によるポリオレフィン系電子線架橋発
泡体は樹脂、配合剤が適性でないため、衝撃吸収性、振
動吸収性の不足する不満足な発泡体である。
Claims (12)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂(A)と動的粘弾
性測定で得られるtanδのピ−クが−20℃から40
℃の温度範囲にある共役ジエン系重合体(B)からなる
ことを特徴とするポリオレフィン系架橋発泡体。 - 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂(A)100重量
部に対して、共役ジエン系重合体(B)を10〜100
重量部含有することを特徴とする請求項1記載のポリオ
レフィン系架橋発泡体。 - 【請求項3】 25℃における衝撃吸収性が10〜50
%、20℃における振動吸収性(C/Cc)が0.1%
以上であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフ
ィン系架橋発泡体。 - 【請求項4】 該ポリオレフィン系樹脂(A)がポリプ
ロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の
ポリオレフィン系架橋発泡体。 - 【請求項5】 該ポリオレフィン系樹脂(A)がポリエ
チレン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載のポ
リオレフィン系架橋発泡体。 - 【請求項6】 該ポリオレフィン系樹脂(A)のポリエ
チレン系樹脂(a)とポリプロピレン系樹脂(b)の重
量比((a)/(a+b))が0.2〜0.8であるこ
とを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系架橋発
泡体。 - 【請求項7】 成形性(L/D)が0.4以上であるこ
とを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系架橋発
泡体。 - 【請求項8】 架橋度が15〜80%、発泡倍率が2〜
40倍であることを特徴とする請求項1記載のポリオレ
フィン系架橋発泡体。 - 【請求項9】 該共役ジエン系重合体(B)がスチレン
−イソプレン−スチレン系ブロック共重合体であること
を特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系架橋発泡
体。 - 【請求項10】 電子線架橋発泡体であることを特徴と
する請求項1記載のポリオレフィン系架橋発泡体。 - 【請求項11】 衝撃乃至は振動を吸収する緩衝材とし
てに用いることを特徴とする請求項1記載のポリオレフ
ィン系架橋発泡体の使用方法。 - 【請求項12】 ポリオレフィン系樹脂(A)と動的粘
弾性測定で得られるtanδのピ−クが−20℃から4
0℃の温度範囲にある共役ジエン系重合体(B)を混合
し、発泡することを特徴とする請求項1記載のポリオレ
フィン系架橋発泡体の製造方法。
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