JP3774077B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板本体とハンダバンプとを有する配線基板の製造方法に関し、特に、ハンダバンプにボイドを内包し難く、確実にハンダバンプを形成することのできる配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子部品を搭載したり、他の基板等に接続したりするために、主面上に多数のハンダバンプを形成した配線基板が知られている。
このような配線基板を製造するにあたり、ハンダバンプは、例えば、次のようにして製造される。即ち、図10(a)に示すように、絶縁層103と配線層(図示しない)とが複数層積層され、その表面に多数の接続パッド105が形成され、更に接続パッド105の周縁に掛かるようにしてソルダーレジスト層107が形成された配線基板本体102を用意する。
【0003】
次に、図10(b)及び(c)に示すように、接続パッド105とソルダーレジスト層107により囲まれた凹部109にそれぞれ対応し、凹部109の開口径109Rよりも径122Rの大きな透孔122が多数形成されたマスク121を用意し、配線基板本体102の主面102A上に配置する。
次に、スクリーン印刷により、図11(a)に示すように、ハンダペースト111Pをマスク121の透孔122内及び配線基板本体102の凹部109内に押し込み、充填する。このとき、ハンダペースト111Pは、凹部109の開口縁109C全体を覆うように凹部109に塗布されるが、通常、凹部109内に完全に充填されることはなく、凹部109内には空気が閉じ込められて、比較的大きな空洞110ができる。
【0004】
その後、マスク121を配線基板本体102から剥がすと、図11(b)に示すように、ハンダペースト111Pが配線基板本体102に転写される。ここでも、ハンダペースト111Pにより塞がれた空洞110はそのまま残る。
次に、印刷されたハンダペースト111Pをリフローすると、図11(c)に示すように、ハンダバンプ111が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ハンダペースト111Pをリフローする際、凹部109内に閉じ込められた空気が、完全に抜けずに、ハンダペースト中に巻き込まれてしまい、図11(c)に示すように、ハンダバンプ111にボイドVDを内包することがある。また、凹部109内に閉じ込められた空気が、リフローの際に熱膨張して、印刷されたハンダペースト111Pを吹き飛ばしてしまい、飛散したハンダによるショートが発生したり、ハンダ量が不足するなど、所定規格に従ったハンダバンプ111が形成されない場合もある。
【0006】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、ハンダバンプにボイドを内包し難く、所定形状のハンダバンプを確実に形成することのできる配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、主面を有する略板形状をなし、少なくとも底面に金属層が露出する凹部が上記主面に複数形成された配線基板本体と、上記金属層に溶着し、上記凹部内から上記主面を越えて膨出するハンダバンプと、を備える配線基板の製造方法であって、上記配線基板本体を主面側から見て、上記配線基板本体の各凹部に、上記凹部の開口縁の少なくとも一部及び上記凹部の開口面積のうちの一部を露出させてハンダペーストを印刷する印刷工程と、上記配線基板本体に印刷された上記ハンダペーストをリフローして、上記ハンダバンプを形成するリフロー工程と、を備えることを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0008】
本発明によれば、印刷工程において、ハンダペーストを配線基板本体に印刷すると、上記配線基板本体を主面側から見て、配線基板本体の凹部の開口縁のうち、少なくとも一部は、ハンダペーストが掛からず露出した状態になる。また、凹部の開口面積のうちの一部は、ハンダペーストが掛かることなく露出する。即ち、従来のように、ハンダペーストが、凹部の開口縁全体を覆うようにして開口全体を塞いで、凹部内に空気を閉じ込めることはない。凹部内に空洞ができても、その空洞は外部につながった状態となる。 このため、その後のリフロー工程において、印刷されたハンダペーストをリフローすると、ハンダペーストが金属層に溶着する際に、凹部内の空気を押し出すようにして濡れ拡がるので、ハンダペースト中に空気が巻き込まれることが少なく、従って、ハンダバンプにボイドを内包し難い。
また、従来のように、ハンダペーストで塞がれた大きな空洞ができないため、凹部内の空気の熱膨張により、ハンダペーストが吹き飛ばされることはない。従って、飛散したハンダによるショートが防止され、凹所内から主面を越えて膨出する所定形状のハンダバンプを確実に形成することができる。
【0009】
ここで、印刷工程において、ハンダペーストを配線基板本体に印刷する方法としては、マスクを用いたスクリーン印刷(孔版印刷)や、グラビア印刷(凹版印刷)などの他、シリンジ等で直接凹部に印刷するようにしても良い。
また、配線基板本体としては、絶縁層と配線層とを備え、更に、少なくとも底面に金属層が露出する凹部を複数備えていれば良く、例えば、コア基板の片面又は両面に、あるいはコア基板なしで、絶縁層と配線層とを交互に複数層積層した積層配線基板等が挙げられる。また、配線基板本体には、その主面上に入出力端子としてのピンなどが立設されていても良い。
【0010】
また、少なくとも底面に金属層が露出する凹部としては、例えば、集積回路チップその他の電子部品等を接続するための接続パッドや、配線基板を他の基板に接続するための接続パッドなどの金属層の周囲を、その周縁に若干掛かるように、あるいは周縁の一部又は全周と若干隙間を開けて、ソルダーレジスト層で取り囲んだものが挙げられる。また、配線基板本体の主面にすり鉢状、椀状、筒状などに形成された低位部を有するビアや、このような低位部を有するビアの周囲に、更にソルダーレジスト層を形成して取り囲んだものなども含まれる。
【0011】
ここで、上記の配線基板の製造方法であって、前記金属層は、前記凹部の底面内に低位部を有し、前記印刷工程は、少なくとも前記凹部の開口縁の一部を露出させるとともに、少なくとも上記低位部の開口縁の一部を露出させて前記ハンダペーストを印刷することを特徴とする配線基板の製造方法とすると好ましい。
【0012】
凹部が、例えば、低位部を有するビアの周囲に、更にソルダーレジスト層を形成して取り囲んだものからなる場合のように、凹部の底面内に更に低位部を有し、複数段の階段状凹部からなる場合がある。
このような凹部を有する配線基板では、凹部の開口縁のうち、少なくとも一部を露出させるようにハンダペーストを印刷すると、ハンダバンプ内へのボイドの内包やハンダペーストが吹き飛ばされるおそれを抑制することができるものの、凹部の底面内にある低位部全体をハンダペーストが塞ぐと、低位部内に空気が閉じ込められてしまうことがある。低位部内に空気が閉じ込められると、リフローの際に、ハンダペースト内に空気が巻き込まれ、ハンダバンプにボイドを内包したり、この空気が熱膨張してハンダペーストを吹き飛ばして、所定形状のハンダバンプが形成されない危険性が増える。
【0013】
しかし、上記のように、印刷工程で、低位部の開口縁のうち、少なくとも一部をも露出させるようにハンダペーストを印刷すれば、ハンダペーストが、低位部の開口縁全体を覆うようにして低位部全体を塞いで、低位部内に空気を閉じ込めることはない。また、低位部内に空洞ができても、その空洞は外部につながった状態となる。
従って、リフロー工程で、ハンダバンプにボイドを内包したり、ハンダペーストが吹き飛ばされることなく、所定形状のハンダバンプをより確実に形成することができる。
【0014】
また、他の解決手段は、主面を有する略板形状をなし、少なくとも底面に金属層が露出する凹部が上記主面に複数形成された配線基板本体と、上記金属層に溶着し、上記凹部内から上記主面を越えて膨出するハンダバンプと、を備える配線基板の製造方法において、上記凹部にそれぞれ対応する複数の透孔を有するマスクであって、いずれの透孔も、最も幅狭部分の寸法が対応する上記凹部の開口径よりも小さい形状にされたマスクを、上記配線基板本体の主面上に配置して、上記凹部の開口縁の一部が露出した状態となるように、ハンダペーストを印刷する印刷工程と、上記配線基板本体に印刷された上記ハンダペーストをリフローして、上記ハンダバンプを形成するリフロー工程と、を備えることを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0015】
本発明によれば、印刷工程において、ハンダペーストは、マスクにより、配線基板本体にスクリーン印刷される。このようにマスクを利用すると、印刷精度良く、また、容易に印刷することができる。
そして、このマスクに形成された透孔は、マスクを配線基板本体の主面上に重ねたとき、凹部にそれぞれ対応し、また、その形状は、最も幅狭部分の寸法が凹部の開口径よりも小さくなっている。
このため、ハンダペーストを配線基板本体に印刷する際、ハンダペーストが凹部の開口縁全体を覆って、開口全体を塞いでしまうことはなく、つまり、配線基板本体の凹部の開口縁のうち少なくとも一部は、ハンダペーストが掛からず、露出した状態になる。従って、凹部内にハンダペーストで覆われた空洞ができたとしても、外部とつながった状態となり、空気が閉じ込められることはない。
【0016】
従って、リフロー工程において、印刷されたハンダペーストをリフローすると、ハンダペーストが金属層に溶着する際に、凹部内の空気を押し出すようにして濡れ拡がるので、ハンダペースト中に空気が巻き込まれることが少なく、ハンダバンプにボイドを内包し難い。また、凹部内の空気が熱膨張しても、外部と通じているために、ハンダペーストを吹き飛ばすことがないので、ショートが防止され、また、所定形状のハンダバンプを確実に形成することができる。
【0017】
なお、透孔の形状のうち最も幅狭部分の寸法とは、平行な2直線でその間の距離が最小となるように、透孔の外周縁を挟んだときのこれら2直線間の距離を指す。透孔の形状が円や楕円である場合のように、上記の2直線間の距離の最小となるところが複数存在するときは、そのうちのいずれを最も幅狭部分としても良い。
ここで、マスクとしては、ステンレスやニッケルなどの金属薄板からなるメタルマスクの他、シルク、ナイロン、ポリエステルなどの繊維、あるいはステンレスワイヤなどを平織りにした金属繊維等からなるメッシュマスクなどが挙げられる。
【0018】
また、他の解決手段は、主面を有する略板形状をなし、少なくとも底面に金属層が露出する凹部が上記主面に複数形成された配線基板本体と、上記金属層に溶着し、上記凹部内から上記主面を越えて膨出するハンダバンプと、を備える配線基板の製造方法において、上記凹部にそれぞれ対応する複数の透孔を有するマスクであって、いずれの透孔も、対応する上記凹部の開口縁の一部が上記マスクで隠れる形状にされたマスクを、上記配線基板本体の主面上に配置して、上記配線基板本体を主面側から見て、上記凹部の開口縁の少なくとも一部及び上記凹部の開口面積のうちの一部を露出させてハンダペーストを印刷する印刷工程と、上記配線基板本体に印刷された上記ハンダペーストをリフローして、上記ハンダバンプを形成するリフロー工程と、を備えることを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0019】
本発明によれば、印刷工程で用いるマスクに形成された透孔は、マスクを配線基板本体の主面上に重ねたとき、凹部にそれぞれ対応し、凹部の開口縁の一部がマスクに隠れる形状とされている。
このため、ハンダペーストを配線基板本体に印刷する際、ハンダペーストが凹部の開口全体を塞いでしまうことはなく、つまり、上記配線基板本体を主面側から見て、配線基板本体の凹部の開口縁のうち少なくとも一部は、露出した状態になる。また、凹部の開口面積のうちの一部は、ハンダペーストが掛かることなく露出する。従って、ハンダペーストと凹部との間に空気が閉じ込められることはない。
印刷後、リフロー工程において、ハンダペーストは凹部内の空気を押し出しながら濡れ拡がるので、ハンダペースト中に空気が巻き込まれることが少なく、ハンダバンプにボイドを内包し難い。また、凹部内の空気が熱膨張しても、外部と通じているため、ハンダバンプを吹き飛ばすようなことはなく、ショートが防止され、所定形状のハンダバンプを確実に形成することができる。
【0020】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、前記マスクの透孔は、それぞれ前記凹部の開口面積のうち25%以上が上記マスクで隠れる形状とされていることを特徴とする配線基板の製造方法とすると良い。
【0021】
本発明によれば、印刷工程において、マスクを配線基板本体の主面上に重ねたとき、凹部の開口のうちマスクに隠れる部分の面積が25%以上である。このため、ハンダペーストを配線基板本体に印刷すると、凹部の開口面積のうち、概略25%以上の部分が、ハンダペーストが掛からずに露出しているから、ハンダペーストと凹部との間に空気が閉じ込められるのを確実に防止することができる。従って、後のリフロー工程において、ハンダバンプにボイドを内包し難く、また、所定形状のハンダバンプを確実に形成することができる。
【0022】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、前記マスクの透孔は、それぞれ前記凹部の開口縁のうち1ヶ所又は2ヶ所が上記マスクで隠れる形状とされていることを特徴とする配線基板の製造方法とすると良い。
【0023】
印刷工程において、マスクを配線基板本体の主面上に重ねたとき、配線基板本体の凹部の開口縁のうちマスクに隠れる部分が、3ヶ所以上に分断されると、マスクに隠れる各々の凹部の開口面積が微小となる。この場合、ハンダペーストを配線基板本体に印刷する際、ハンダペーストにわずかな流動性があるために、マスクを剥がしたとき、ハンダペーストが流れて凹部全体を塞いでしまうことがある。このようにハンダペーストが凹部全体を塞いでしまうと、従来のように、凹部内部に空気が閉じ込められて、リフローの際、ハンダバンプにボイドを内包したり、あるいは、所定形状のハンダバンプが形成されなかったりする危険性が増える。
【0024】
しかしながら、本発明では、印刷工程において、マスクを配線基板本体の主面上に重ねたとき、配線基板本体の凹部の開口縁のうちマスクに隠れる部分が、1ヶ所又は2ヶ所としている。
このため、ハンダペーストを配線基板本体に印刷する際、ハンダペーストがその流動性によって多少流れても、凹部全体を塞いでしまうことはなく、凹部内部に空気が閉じ込められることもない。
従って、リフロー工程において、ハンダバンプにボイドを内包し難く、また、所定形状のハンダバンプを確実に形成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施形態1−1)
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る配線基板の製造方法により製造される配線基板1について、図1(a)に配線基板本体2の上面2A側から見た平面図を、図1(b)に断面図を、図1(c)に部分拡大断面図を示す。
この配線基板1は、主面としての上面2A及び下面2Bを有し、約30×30mmの略正方形板状の配線基板本体2と、集積回路チップ(図示しない)を搭載するために、配線基板本体2の上面2Aの略中央に、略格子状に形成された多数のハンダバンプ11とを備える。
【0026】
このうち配線基板本体2は、コア基板(図示しない)の両面に樹脂絶縁層が形成され、樹脂絶縁層の間に配線層が形成されたものである。詳細には、図1(c)に配線基板本体2の上面2A側を示すように、エポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層3A,3B,3Cと銅からなる配線層4A,4B,4Cとが交互に積層され、上面2A側の表面の樹脂絶縁層3Aには、銅からなる多数の接続パッド5(金属層)が形成されている。そして、この接続パッド5の周縁に若干掛かるようにして、ソルダーレジスト層7(厚さ25μm)が形成され、各接続パッド5とソルダーレジスト層7とにより、直径0.125mmの略円形状の開口を有する凹部9が、それぞれ構成されている。ハンダバンプ11は、共晶ハンダ(37Pb−63Sn)からなり、各凹部9において、その底面に露出する接続パッド5に溶着し、凹部9内から配線基板本体2の上面2Aを越えて膨出している。一方、配線基板本体2の下面2Bには、図1(b)に示すように、この配線基板1を他の配線基板(図示しない)に接続するための電極パッド10が多数形成されている。
【0027】
次に、本実施形態に係る配線基板の製造方法で用いるメタルマスクについて、図2を参照しつつ説明する。図2(a)はメタルマスク21の平面図を示し、図2(b)はメタルマスク21に形成された透孔22の拡大図を示す。
このメタルマスク21は、厚さ50μmのステンレス板からなり、メタルマスク21を配線基板本体2の上面2A上に重ねたとき、配線基板本体2に形成された凹部9にそれぞれ対応する透孔22を多数有する。この透孔22は、直径130〜150μm、内周角270度の略扇形で、角部をR面取りした略豆形状をなす。
【0028】
次に、この配線基板1の製造方法について、図3及び図4を参照しつつ説明する。
まず、図3(a)に部分拡大断面図を示すように、公知の手法により、上記の配線基板本体2を作製する。具体的には、コア基板(図示しない)の両面に樹脂絶縁層3A等と配線層4A等とを交互に複数層積層して、上面2A側(図中上方)の樹脂絶縁層3Aには、集積回路チップを搭載するための接続パッド5を形成し、また、下面2B側の樹脂絶縁層(図示しない)には、他の基板に接続するための電極パッド10を形成する(図1参照)。さらに、上面2A側には、接続パッド5の周縁に若干掛かるようにして、ソルダーレジスト層7を形成する。
【0029】
一方、配線基板本体2にハンダペースト11Pをスクリーン印刷するために、予め上記のメタルマスク21を用意しておく。透孔22を有するメタルマスク21は、圧延されたステンレス板をエッチングして作製する。
【0030】
次に、印刷工程において、図3(b)及び図3(c)に示すように、配線基板本体2の上面2A上にメタルマスク21を位置合わせをして配置する。
その際、図3(c)に示すように、配線基板本体2の上面2A側(図3(b)中上方)から見て、凹部9の開口9A及び開口縁9Cの一部は、メタルマスク21で隠される。具体的には、凹部9の開口面積のうち、約25%の部分がメタルマスク21に隠される。また、凹部9の開口縁9Cのうち、1ヶ所だけがメタルマスク21に隠される。
なお、メタルマスク21の透孔22のうち最も幅狭部分の寸法22Rは、凹部9の開口径9Rよりも小さくされている。
【0031】
次に、図4(a)に示すように、スクリーン印刷法により、メタルマスク21の上からスキージSKを当てて、2500ポイズの粘度をもつハンダペースト11Pを押し運び、メタルマスク21の透孔22内及び配線基板本体2の凹部9内に、ハンダペースト11Pを押し込み、充填する。
その際、ハンダペースト11Pは、メタルマスク21の透孔22内には、隙間なく充填されるが、配線基板本体2の凹部9内には、完全に充填されずに空洞ができることが多い。しかし、このときできる空洞は、外部とつながった状態にあるので、従来のように、ハンダペースト11Pと凹部9との間に空気が閉じ込められてしまうことはない。
【0032】
その後、図4(b)に示すように、メタルマスク21を配線基板本体2から剥がすと、ハンダペースト11Pは、配線基板本体2に転写される。
この状態においても、凹部9内の空洞は、外部とつながった状態にある。
【0033】
また、配線基板本体2を上面2A側から見て、ハンダペースト11Pが凹部9全体を塞ぐことはなく、凹部9の開口縁9Cのうち一部は、ハンダペースト11Pが掛かることなく露出し、また、凹部9の開口面積のうち、およそ25%の部分は、ハンダペースト11Pが掛かることなく、露出している。
このようにして、ハンダペースト11Pが配線基板本体2上に印刷される。スクリーン印刷をすると、特に、メタルマスク21を用いた場合には、印刷時に配線基板本体2に密着し、配線基板本体2の所定の位置にハンダペースト11Pを塗布するとともに、ハンダペースト11Pが横へ流れ出すのを防止する効果が高いので、印刷精度が特に高い。
【0034】
次に、リフロー工程において、図4(c)に示すように、印刷されたハンダペースト11Pを、183℃以上(最高215℃)で120秒間加熱して、ハンダバンプ11を形成する。
リフローされたハンダペースト11Pは、凹部9内の空気を押し出すようにして凹部9内全体に濡れ拡がる。そして、ハンダペースト11Pは、接続パッド5に溶着し、凹部9内から配線基板本体2の上面2Aを越えて膨出して、ハンダバンプ11となる。このとき、上記のように、ハンダペースト11Pと凹部9によって塞がれた大きな空洞は存在しないので、ハンダバンプ11に多数のボイドを内包することはない。
リフロー工程後、配線基板1を洗浄して、配線基板1が完成する。
【0035】
なお、ハンダペースト11Pの粘度については、メタルマスク21の透孔22の形状や、透孔22内及び配線基板本体2の凹部9内に充填するハンダペースト11Pの量などを考慮して適宜調整する。粘度が低すぎると、メタルマスク21を配線基板本体2から剥がしたときに、ハンダペースト11Pが流れて配線基板本体2の上面2Aに濡れ拡がり、隣接する接続パッド5と繋がってショートを起こすことがある。一方、粘度が高すぎると、ハンダペースト11Pを透孔22及び凹部9内に上手く充填することが難しくなり、所定量のハンダペースト11Pが充填されなかったり、充填時に空気が巻き込まれ易くなったりする。
【0036】
(実施形態1−2,3,4,5,6)
ここで、メタルマスクの透孔の形状のみを変更した実施形態1−2〜1−6について、図5(a)〜(e)を参照しつつ説明する。
上記実施形態1−1で用いたメタルマスク21の透孔22の形状以外に、例えば、図5に示す透孔の形状が挙げられる。図5は、配線基板本体2の凹部9にメタルマスクの透孔22A〜22Eを重ねたときの状態を示し、破線部は、凹部9の開口縁9Cのうちメタルマスクに隠れた部分を示す。なお、図5(a)は実施形態1−2、図5(b)は実施形態1−3、図5(c)は実施形態1−4、図5(d)は実施形態1−5、図5(e)は実施形態1−6でそれぞれ用いるメタルマスクの透孔22A〜22Eの形状を示す。
【0037】
ここで、実施形態1−2に係るメタルマスクの透孔22Aは、略半円の角部がR面取りされた形状をなし、最も幅狭部分の寸法22ARは、凹部9の開口径9Rよりも小さくされている。また、透孔22Aの形状は、配線基板本体2の凹部9の開口9Aの一部、具体的には開口面積のうち25%以上の部分が、メタルマスクで隠れる形状とされている。また、凹部9の開口縁9Cのうち、1ヶ所だけがメタルマスクに隠れる形状とされている。
【0038】
実施形態1−3に係るメタルマスクの透孔22Bは、略円形状をなし、略円形の開口縁9Cとその中心がずれた位置になるよう配置される。また、配線基板本体2の凹部9の開口9Aの一部、具体的には開口面積のうち25%以上の部分が、メタルマスクで隠れる形状とされている。また、凹部9の開口縁9Cのうち、1ヶ所だけがメタルマスクに隠れる形状とされている。
【0039】
実施形態1−4に係るメタルマスクの透孔22Cは、角部がR面取りされた2つの略半円の透孔が弦側を所定間隔を開けて対向して配置された形状をなす。また、配線基板本体2の凹部9の開口9Aの一部、具体的には開口面積のうち25%以上の部分が、メタルマスクで隠れる形状とされている。また、凹部9の開口縁9Cのうち、2ヶ所だけがメタルマスクに隠れる形状とされている。
【0040】
実施形態1−5に係るメタルマスクの透孔22Dは、略長方形の角部がR面取りされた形状をなし、最も幅狭部分の寸法22DRは、凹部9の開口径9Rよりも小さくされている。また、透孔22Dの形状は、配線基板本体2の凹部9の開口9Aの一部、具体的には開口面積のうち25%以上の部分が、メタルマスクで隠れる形状とされている。また、凹部9の開口縁9Cのうち、2ヶ所だけがメタルマスクに隠れる形状とされている。
【0041】
実施形態1−6に係るメタルマスクの透孔22Eは、略円の周縁のうち対向する2ヶ所の部分が内側に膨出し、角部がR面取りされた略分銅形状をなし、最も幅狭部分の寸法22ERは、凹部9の開口径9Rよりも小さくされている。また、透孔22Eの形状は、配線基板本体2の凹部9の開口9Aの一部、具体的には開口面積のうち25%以上の部分が、メタルマスクで隠れる形状とされている。また、凹部9の開口縁9Cのうち、2ヶ所だけがメタルマスクに隠れる形状とされている。
【0042】
上記透孔22A〜22Eを有するメタルマスクを用いて、前述したようにして配線基板1を製造しても、上記実施形態1−1の場合と同様に、印刷工程において、凹部9内に空気を閉じ込めることなく、ハンダペースト11Pを透孔22A〜22E内及び凹部9内に印刷することができる。
従って、リフロー工程において、ハンダバンプ11にボイドを内包し難く、所定形状のハンダバンプ11を確実に形成することができる。
【0043】
なお、透孔の形状については、上記実施形態1−1〜1−6(図2及び図5参照)のように、角部を有しないのが好ましい。角部が存在すると、印刷工程において、所定量のハンダペースト11Pを透孔内及び凹部9内に充填することができなかったり、メタルマスクを配線基板本体2から剥がすときに、透孔内に充填されたハンダペースト11Pが、配線基板本体2に所定量転写されないことがあるからである。
【0044】
上記製造方法により製造した配線基板1について、凹部9の開口9Rのうちマスクで隠れる部分の面積とハンダバンプ11の不良との関係について調査した。図3及び図5(d)に示す透孔22,22Dを有するメタルマスクを用いた実施形態1−1及び1−5で製造した配線基板1について、それぞれハンダバンプ11の不良数及び配線基板1の不良数を調査した。
また、比較形態として、従来のように、直径0.14mmの略円形の透孔を有するメタルマスクを用いて、ハンダペースト11Pの印刷時に、ハンダペースト11Pが配線基板本体2の凹部9全体を塞ぐように印刷して製造された配線基板1についても同様に調査した。なお、比較形態に用いた配線基板本体2は、本実施形態と同様であり、また、ハンダペースト11Pの組成及びその充填量も本実施形態と同様である。
測定試料とした配線基板数は各10ヶであり、各配線基板当たり500ヶのハンダバンプ11、従って、5000ヶのハンダバンプ11についてそれぞれ調査し、各配線基板中1ヶでもハンダバンプ11の不良があった配線基板1は不良とした。その結果をまとめて表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003774077
【0046】
上記表1から判るように、実施形態1−1及び1−5では、印刷工程において、配線基板本体2にメタルマスクを重ねたとき、配線基板本体2に形成された凹部9の開口のうち25%がメタルマスクで隠される。これに対し、比較形態では、凹部9の開口9A全体が透孔から露出している。
いずれの実施形態1−1,5も、ボイドを内包したり、所定の形状に形成されなかったりしたハンダバンプ11の不良数は、測定数各5000ヶ中、0ヶ又は3ヶとごく僅かである。また、配線基板単位でみた不良数も、測定試料数10ヶ中、0ヶ又は1ヶと僅かしかない。これに対し、比較形態では、ハンダバンプ11の不良数が135ヶ、配線基板単位でみると8ヶと不良数が極端に多い。
【0047】
このように、実施形態と比較形態の間で、ハンダバンプ11及び配線基板1の不良数に大きな差異が生じたのは、実施形態では、印刷工程の際に、ハンダペースト11と凹部9の間に空気が閉じ込められないのに対し、比較形態では、ハンダペースト11Pが凹部9全体を覆うように塗布されて、ハンダペースト11Pと凹部9の間に空気が閉じ込められてしまうことに起因する。そして、この閉じ込められた空気が、後のリフロー工程で、ハンダペースト中に巻き込まれてボイドとなったり、その熱膨張でハンダペーストを吹き飛ばすなどするものと考えられる。
【0048】
以上のように、本実施形態1の配線基板の製造方法により配線基板1を製造すれば、ハンダペースト11Pは、凹部9の開口縁9Cの一部が露出するようにして、塗布されるので、凹部9内に空洞ができても、外部とつながった状態になる。
また、メタルマスクを用いて、スクリーン印刷をしているので、印刷精度良く、容易に印刷することができる。
【0049】
また、実施形態1−3,4を除く実施形態1−1,2,5,6(図2、図5参照)では、メタルマスクの透孔22,22A,22D,22Eの形状は、最も幅狭部分の寸法22R,22AR,22DR,22ERが、凹部9の開口径9Rよりも小さくなっているので、印刷工程において、ハンダペースト11Pが凹部9全体を塞ぐことはない。
また、いずれの実施形態1−1〜1−6も、透孔22等の形状は、メタルマスクを配線基板本体2の上面2A上に重ねたとき、凹部9の開口9Aの一部がメタルマスクに隠れる形状とされているので、印刷工程において、ハンダペースト11Pが凹部9全体を塞ぐことはない。さらに、凹部9の開口9Aのうちメタルマスクに隠れる部分の面積が25%以上であるので、凹部9の開口面積のうち、概略25%以上の部分はハンダペースト11Pが掛からずに露出している。また、いずれの透孔22等の形状も、凹部9の開口縁9Cのうちメタルマスクに隠れる部分が、1ヶ所又は2ヶ所とされているので、印刷工程において、ハンダペースト11Pがその流動性によって多少流れても、凹部9全体を塞ぐことはない。
【0050】
従って、印刷後のリフロー工程において、ハンダペースト11P中に空気が巻き込まれてハンダバンプ11にボイドを内包したり、あるいは、凹部9内の空気が熱膨張してハンダペースト11Pを吹き飛ばし、ショートを生じさせたりすることはなく、所定形状のハンダバンプ11を確実に形成することができる。
【0051】
(実施形態2)
次いで、実施形態2について、図6及び図7を参照しつつ説明する。
本実施形態で製造する配線基板31(図7(c)参照)は、凹部39が、配線基板本体32の上面32Aに形成されたすり鉢状の低位部36を有するビア35(金属層)からなる点が、上記実施形態1の配線基板1と異なる。従って、上記実施形態1と同様な部分の説明は省略または簡略化する。
【0052】
本実施形態で製造される配線基板31は、主面としての上面32A及び下面(図示しない)を有する略板形状の配線基板本体32と、多数のハンダバンプ41とを備える。
配線基板本体32のうち上面32A側には、図6(a)にその部分拡大断面図を示すように、樹脂絶縁層33A,33Bと配線層34Bとが交互に積層され、上面32A側の表面の樹脂絶縁層33Aには、すり鉢状の低位部36を有するビア35(金属層)が多数形成されている。そして、この低位部36自体が配線基板本体の凹部39となり、内面全面に金属層が露出する凹部39を構成している。
一方、図7(c)に示すように、ハンダバンプ41は、配線基板本体32に形成されたビア35全体に溶着し、凹部39内から配線基板本体32の上面32Aを越えて膨出して形成される。
【0053】
次に、この配線基板31の製造方法について説明する。
本実施形態の配線基板31は、上記実施形態1と同様にして製造される。即ち、まず、図6(a)に示すように、公知の手法により、上記配線基板本体32を作製する。
次に、印刷工程において、図6(b)に示すように、配線基板本体32の上面32A上にメタルマスク51を位置合わせをして配置する。このメタルマスク51は、図6(c)に示すように、配線基板本体32の凹部39に対応した多数の透孔52を有し、透孔52の形状は、図5(b)に示す上記実施形態1−3と同様の形状である。また、メタルマスク51を配線基板本体32に重ねると、凹部39の開口39A及び開口縁39Cの一部は、メタルマスク51で隠される。具体的には、凹部39の開口面積のうち、25%以上の部分がメタルマスク51に隠され、また、凹部39の開口縁39Cのうち、1ヶ所だけがメタルマスク51に隠される。
【0054】
次に、図7(a)に示すように、スクリーン印刷法により、メタルマスク51の透孔52内及び配線基板本体32の凹部39内に、ハンダペースト41Pを押し込み、充填する。
その後、図7(b)に示すように、メタルマスク51を配線基板本体32から剥がすと、ハンダペースト41Pは、配線基板本体32に転写される。
次に、リフロー工程において、図7(c)に示すように、印刷されたハンダペースト41Pを、183℃以上(最高215℃)で120秒間加熱して、ハンダバンプ41を形成する。
リフロー工程後、配線基板31を洗浄して、配線基板31が完成する。
【0055】
本実施形態においても、上記実施形態1と同様に、印刷工程(図7(b)参照)では、配線基板本体32の上面32A側から見て、凹部39の開口縁39Cのうち一部は、ハンダペースト41Pが掛かることなく露出し、また、凹部39の開口面積のうち、およそ25%以上の部分は、ハンダペースト41Pが掛かることなく露出する。このとき、凹部39内に空気が閉じ込められることはない。
【0056】
従って、印刷後のリフロー工程において、ハンダペースト41P中に空気を巻き込んで、ハンダバンプ41にボイドを内包したり、あるいは、凹部39内の空気が熱膨張してハンダペースト41Pを吹き飛ばし、ショートを生じさせたりすることはなく、所定形状のハンダバンプ41を確実に形成することができる。
【0057】
(実施形態3)
次いで、実施形態3について、図8及び図9を参照しつつ説明する。
本実施形態で製造する配線基板61(図9(c)参照)は、凹部69が、配線基板本体62の上面62Aに形成されたすり鉢状の低位部66を有するビア65(金属層)と、このビア65の周縁に若干掛かるようにして形成されたソルダーレジスト層67とによって構成される。即ち、凹部69は、凹部69の底面内に更に低位部66を有する階段状凹部69である点が、上記各実施形態1,2の配線基板1,31と異なる。従って、上記各実施形態1,2と同様な部分の説明は省略または簡略化する。
【0058】
本実施形態で製造される配線基板61は、主面としての上面62A及び下面(図示しない)を有する略板形状の配線基板本体62と、多数のハンダバンプ71とを備える。
配線基板本体62のうち上面62A側には、図8(a)にその部分拡大断面図を示すように、樹脂絶縁層63A,63Bと配線層64A,64Bとが交互に積層され、上面62A側の表面の樹脂絶縁層63Aには、開口が略円形状のすり鉢状の低位部66を有するビア65(金属層)が多数形成されている。そして、この低位部66を有するビア65の周縁に若干掛かるようにして、ソルダーレジスト層67が形成されている。従って、配線基板本体62の凹部69は、略円形状の開口69Aを有し、更にその底面内には開口が略円形状の低位部66を有する階段状の凹部69となっている。
一方、図9(c)に示すように、ハンダバンプ71は、各凹部69において、低位部66を有するビア65に溶着し、凹部69内から配線基板本体62の上面62Aを越えて膨出して形成される。
【0059】
次に、この配線基板61の製造方法について説明する。
本実施形態の配線基板61は、上記実施形態1と同様にして製造される。即ち、まず、図8(a)に示すように、公知の手法により、上記配線基板本体62を作製する。
次に、印刷工程において、図8(b)に示すように、配線基板本体62の上面62A上にメタルマスク81を位置合わせをして配置する。このメタルマスク81は、図8(c)に示すように、配線基板本体62の凹部69に対応した多数の透孔82を有し、透孔82の形状は、図5(d)に示す上記実施形態1−5と同様の形状である。透孔82のうち、最も幅狭部分の寸法82Rは、凹部69の開口径69Rよりも小さく、更には、凹部69内の低位部66の開口径66Rよりも小さくされている。また、メタルマスク81を配線基板本体62に重ねると、凹部69の開口69A及び開口縁69Cの一部は、メタルマスク81で隠される。具体的には、凹部69の開口面積のうち、25%以上の部分がメタルマスク81に隠され、また、凹部69の開口縁69Cのうち、2ヶ所だけがメタルマスク81に隠される。さらに、凹部69内の低位部66の開口縁66Cの一部も、2ヶ所だけメタルマスク81で隠される。
【0060】
次に、図9(a)に示すように、スクリーン印刷法により、メタルマスク81の透孔82内及び配線基板本体62の凹部69内に、ハンダペースト71Pを押し込み、充填する。
その後、図9(b)に示すように、メタルマスク81を配線基板本体62から剥がすと、ハンダペースト71Pは、配線基板本体62に転写される。
次に、リフロー工程において、図9(c)に示すように、印刷されたハンダペースト71Pを、183℃以上(最高215℃)で120秒間加熱して、ハンダバンプ71を形成する。
リフロー工程後、配線基板61を洗浄して、配線基板61が完成する。
【0061】
本実施形態においても、上記各実施形態1,2と同様に、図9(b)に示すように、印刷工程では、配線基板本体62の上面62A側から見て、凹部69の開口縁69Cのうち一部、更には凹部69内にある低位部66の開口縁66Cの一部も、ハンダペースト71Pが掛かることなく露出し、また、凹部69の開口面積のうち、およそ25%以上の部分は、ハンダペースト71Pが掛かることなく露出する。このとき、凹部69内に空気が閉じ込められることはなく、また、凹部69内の低位部66内にも空気が閉じ込められることはなく、空洞ができても、外部に通じた状態にある。
【0062】
従って、印刷後のリフロー工程において、ハンダペースト71P中に空気を巻き込んで、ハンダバンプ71にボイドを内包したり、あるいは、凹部69内の空気が熱膨張してハンダペースト71Pを吹き飛ばし、ショートを生じさせたりすることはなく、所定形状のハンダバンプ71を確実に形成することができる。
【0063】
以上において、本発明を各実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態では、凹部9,39,69の開口9A,39A,69Aの形状はいずれも略円形状とされているが、楕円形状、矩形状など略円形状以外の形状としても良い。
【0064】
また、上記各実施形態では、主面(上面2A,32A,62A)に形成された凹部9,39,69が、同一形状に統一された配線基板本体2,32,62をそれぞれ示したが、形状の異なる複数種の凹部を備える配線基板本体を用いても良い。
また、上記各実施形態では、メタルマスク21,51,81等に形成された透孔22,52,82等が、同一形状に統一されたものをそれぞれ示したが、配線基板本体の主面における凹部同士の位置関係や凹部の形状等を考慮して、形状の異なる複数種の透孔を備えるマスクを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係り、配線基板を示す図であり、(a)は上面から見た平面図を示し、(b)は断面図を示し、(c)は上面側の部分拡大断面図を示す。
【図2】実施形態1に係り、メタルマスクを示す図であり、(a)は平面図を示し、(b)は透孔の拡大図を示す。
【図3】実施形態1に係る配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は配線基板本体を示し、(b)は配線基板本体にメタルマスクを配置した状態を示し、(c)はメタルマスクを配置した状態で、配線基板本体の上面側から見た図を示す。
【図4】実施形態1に係る配線基板の製造方法を示す図であり、(a)はハンダペーストを充填した状態を示し、(b)は配線基板本体にハンダペーストが転写された状態を示し、(c)はハンダバンプが形成された状態を示す。
【図5】実施形態1に係り、メタルマスクの透孔の形状を示す図であり、(a)は実施形態1−2、(b)は実施形態1−3、(c)は実施形態1−4、(d)は実施形態1−5、(e)は実施形態1−6でそれぞれ用いるメタルマスクの透孔の形状を示す。
【図6】実施形態2に係る配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は配線基板本体を示し、(b)は配線基板本体にメタルマスクを配置した状態を示し、(c)はメタルマスクを配置した状態で、配線基板本体の上面側から見た図を示す。
【図7】実施形態2に係る配線基板の製造方法を示す図であり、(a)はハンダペーストを充填した状態を示し、(b)は配線基板本体にハンダペーストが転写された状態を示し、(c)はハンダバンプが形成された状態を示す。
【図8】実施形態3に係る配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は配線基板本体を示し、(b)は配線基板本体にメタルマスクを配置した状態を示し、(c)はメタルマスクを配置した状態で、配線基板本体の上面側から見た図を示す。
【図9】実施形態3に係る配線基板の製造方法を示す図であり、(a)はハンダペーストを充填した状態を示し、(b)は配線基板本体にハンダペーストが転写された状態を示し、(c)はハンダバンプが形成された状態を示す。
【図10】従来技術に係る配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は配線基板本体を示し、(b)は配線基板本体にマスクを配置した状態を示し、(c)はハンダペーストを充填した状態を示し、(c)はマスクを配置した状態で、配線基板本体の上面側から見た図を示す。
【図11】従来技術に係る配線基板の製造方法を示す図であり、(a)はハンダペーストを充填した状態を示し、(b)は配線基板本体にハンダペーストが転写された状態を示し、(c)はハンダバンプが形成された状態を示す。
【符号の説明】
1,31,61 配線基板
2,32,62 配線基板本体
2A,32A,62A (配線基板本体の)上面(主面)
5 接続パッド(金属層)
35,65 ビア(金属層)
9,39,69 凹部
9A,39A,69A (凹部の)開口
9C,39C,69C (凹部の)開口縁
9R,69R (凹部の)開口径
11P,41P,71P ハンダペースト
11,41,71 ハンダバンプ
21,51,81 メタルマスク
22,52,82 (メタルマスクの)透孔
22R,82R (透孔の)最も幅狭部分の寸法

Claims (5)

  1. 主面を有する略板形状をなし、少なくとも底面に金属層が露出する凹部が上記主面に複数形成された配線基板本体と、
    上記金属層に溶着し、上記凹部内から上記主面を越えて膨出するハンダバンプと、
    を備える配線基板の製造方法であって、
    上記配線基板本体を主面側から見て、上記配線基板本体の各凹部に、上記凹部の開口縁の少なくとも一部及び上記凹部の開口面積のうちの一部を露出させてハンダペーストを印刷する印刷工程と、
    上記配線基板本体に印刷された上記ハンダペーストをリフローして、上記ハンダバンプを形成するリフロー工程と、
    を備えることを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 主面を有する略板形状をなし、少なくとも底面に金属層が露出する凹部が上記主面に複数形成された配線基板本体と、
    上記金属層に溶着し、上記凹部内から上記主面を越えて膨出するハンダバンプと、
    を備える配線基板の製造方法において、
    上記凹部にそれぞれ対応する複数の透孔を有するマスクであって、いずれの透孔も、最も幅狭部分の寸法が対応する上記凹部の開口径よりも小さい形状にされたマスクを、上記配線基板本体の主面上に配置して、上記凹部の開口縁の一部が露出した状態となるように、ハンダペーストを印刷する印刷工程と、
    上記配線基板本体に印刷された上記ハンダペーストをリフローして、上記ハンダバンプを形成するリフロー工程と、
    を備えることを特徴とする配線基板の製造方法。
  3. 主面を有する略板形状をなし、少なくとも底面に金属層が露出する凹部が上記主面に複数形成された配線基板本体と、
    上記金属層に溶着し、上記凹部内から上記主面を越えて膨出するハンダバンプと、
    を備える配線基板の製造方法において、
    上記凹部にそれぞれ対応する複数の透孔を有するマスクであって、いずれの透孔も、対応する上記凹部の開口縁の一部が上記マスクで隠れる形状にされたマスクを、上記配線基板本体の主面上に配置して、上記配線基板本体を主面側から見て、上記凹部の開口縁の少なくとも一部及び上記凹部の開口面積のうちの一部を露出させてハンダペーストを印刷する印刷工程と、
    上記配線基板本体に印刷された上記ハンダペーストをリフローして、上記ハンダバンプを形成するリフロー工程と、
    を備えることを特徴とする配線基板の製造方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記マスクの透孔は、それぞれ前記凹部の開口面積のうち25%以上が上記マスクで隠れる形状とされていることを特徴とする配線基板の製造方法。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記マスクの透孔は、それぞれ前記凹部の開口縁のうち1ヶ所又は2ヶ所が上記マスクで隠れる形状とされていることを特徴とする配線基板の製造方法。
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