JP3958608B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入出力端子としてのピンを有する配線基板の製造方法に関し、特に、露出部を有するピンパッドが形成された基板本体を備え、その露出部上にハンダによりピンが固着された配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、マザーボードなど他の基板と接続するための入出力端子としてのピンが立設された配線基板が知られている。例えば、図9にピン951近傍の部分拡大断面図を示す配線基板901が挙げられる。
この配線基板901は、絶縁層913等と導体層とが複数層交互に積層され、その表面に多数のピンパッド931が形成され、さらに、ピンパッド931の周縁に掛かるようにしてソルダーレジスト層914が形成された基板本体911を備える。そして、ピンパッド931のうち外部に露出する露出部931R上に、ハンダ935によりピン951が固着されている。このピン951は、ピンパッド931側に向いた略球面状の接合面951KMを有する径大部951Kと、棒状の棒状部951Bとから構成されている。
【0003】
このような配線基板901を製造するにあたり、ピン951は次のようにしてピンパッド931に固着する。即ち、図10に示すように、ピンパッド931の露出部931Rにそれぞれ対応し、この露出部931Rとおよそ同程度の開口径をなす透孔MK1Tが多数形成されたマスクMK1を用意する。そして、このマスクMK1を、各透孔MK1Tと各ピンパッド931の露出部931Rとがほぼ一致するように、基板本体911上に配置する。
次に、スクリーン印刷により、ハンダペースト935PをマスクMK1の透孔MK1T内に押し込み印刷する。そしてその後、図11に示すように、マスクMK1を剥離してハンダペースト935Pを基板本体911に転写する。そうすると、ハンダペースト935Pは、ピンパッド931の露出部931R全体を覆うように塗布される。
次に、図12に示すように、ピンパッド931の露出部931R上に、径大部951Kをピンパッド931側に向けてピン951を載置する。このとき、ピン951の径大部951Kの接合面951KMは、そのほぼ全面がハンダペースト953Pに接触する。
次に、印刷されたハンダペースト935Pを加熱してハンダ935を溶解し、ピンパッド931の露出部931R上にピン951を固着する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ハンダペースト935Pを加熱し、その後ハンダ935を固化させたときに、ハンダ935内にボイドを生じることがある。このボイドは、印刷時にハンダペースト935P内に空気が巻き込まれることにより生じるものではなく、ハンダペースト935Pに含まれる樹脂や活性剤、チキソ剤、溶剤等(フラックス成分等)に起因して生じるものであると思われる。従って、印刷時にハンダペースト935P内に空気が閉じ込められていなくても、ハンダ935内にボイドが生じることがある。
またさらに、ピン付け後にハンダ935のフラックス洗浄を行っても、その後、ハンダ935に生じたボイド内に残ったフラックス成分が外部に浸み出して、外観不良(シミ不良)を生じさせることがある。
【0005】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、ピンパッド上にピンがハンダ固着された配線基板について、ハンダ内にボイドが生じにくく、フラックス洗浄後の外観不良が生じにくい配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、ソルダーレジスト層の開口内において外部に露出する露出部を有するピンパッドが形成された基板本体と、上記ピンパッドの露出部上にハンダにより固着されたピンであって、上記ピンパッド側を向く接合面を有するピンと、を備える配線基板の製造方法であって、ハンダペーストが上記ピンパッドの露出部の一部分にのみ接触すると共に、このピンパッド近傍のソルダーレジスト層にも接触するように、上記基板本体に上記ハンダペーストを印刷するハンダ印刷工程と、上記ハンダペーストが上記ピンパッドの露出部の一部分にのみ接触すると共に、このピンパッド近傍のソルダーレジスト層にも接触した状態で、上記ハンダペーストが上記ピンの接合面の一部分にのみ接触するように、上記ピンパッドの露出部上に上記ピンを載置するピン載置工程と、上記ハンダペーストを加熱してハンダを溶解し、このハンダを上記ピンパッドの露出部全体及び上記ピンの接合面全体に濡れ拡がらせつつ、上記ピンパッドの露出部上に上記ピンを固着させるピン固着工程と、を備える配線基板の製造方法である。
【0007】
本発明によれば、ハンダ印刷工程において、ハンダペーストがピンパッドの露出部の一部分にのみ接触すると共に、このピンパッド近傍のソルダーレジスト層にも接触するように、基板本体にハンダペーストを印刷し、さらに、ピン載置工程において、ハンダペーストがピンパッドの露出部の一部分にのみ接触すると共に、このピンパッド近傍のソルダーレジスト層にも接触した状態で、ハンダペーストがピンの接合面の一部分にのみ接触するように、ピンパッドの露出部上にピンを載置する。即ち、ハンダペーストを印刷した後においても、ピンを載置した後においても、ハンダペーストは、従来のようにピンパッドの露出部全体に接触することはなく、露出部の一部分にのみ接触している。また、ハンダペーストは、従来のようにピンの接合面全体に接触することはなく、接合面の一部分にのみ接触している。
その後、ピン固着工程において、ハンダペーストを加熱してハンダを溶解し、このハンダをピンパッドの露出部全体及びピンの接合面全体に濡れ拡がらせつつ、ピンパッドの露出部上にピンを固着する。即ち、ハンダペーストを加熱してはじめて、ハンダペーストは、ピンパッドの露出部全体とピンの接合面全体に濡れ拡がる。その際、ハンダペーストが移動することによって、ハンダペースト内に含まれる樹脂や活性剤、チキソ剤、溶剤等(フラックス成分等)が揮発したり、ハンダの外側に流出しやすくなる。その結果、ハンダが固化したときに、ハンダ内にフラックス成分等に起因したボイドが生じにくくなる。また、ハンダ内部に残存するフラックス成分等が少なくなるので、ハンダのフラックス洗浄を行った後に、フラックス成分等が外部に浸み出して外観不良となることも抑制される。
【0008】
なお、印刷工程でハンダペーストが接触するピンパッドの露出部の一部分と、ピン載置工程でハンダペーストが接触するピンパッドの露出部の一部分とは、全く同じである必要はない。即ち、ハンダペーストを印刷した後、ピンを載置すると、通常、ピンによりハンダペーストが押さえ付けられ、ピンパッドの露出部との接触面積が増えるからである。このような場合であっても、ピンを載置した状態でハンダペーストがピンパッドの露出部の一部分にのみ接触した状態を保っていれば、即ち、露出部全体に拡がってなければ、ボイドの発生を抑制する等、上述の効果を得ることができる。
【0009】
ここで、ハンダ印刷工程でハンダペーストを基板本体に印刷する方法としては、マスクを用いたスクリーン印刷(孔版印刷)や、グラビア印刷(凹版印刷)などの他、シリンジ等で直接印刷する方法が挙げられる。
基板本体は、外部に露出する露出部を有するピンパッドが形成されたものであればよく、例えば、コア基板の片面または両面に、あるいはコア基板なしで、絶縁層と導体層とを交互に複数層積層した基板本体が挙げられる。また、基板本体には、電子部品の搭載を目的としたパッドやハンダバンプなどが形成されていてもよい。
ピンパッドは、その一部が外部に露出するものの他、全体が外部に露出するものであってもよい。例えば、ピンパッドの周縁部に若干掛かるようにソルダーレジスト層が形成され、中央部が露出部となるピンパッドや、ピンパッドの周縁と若干隙間をあけてソルダーレジスト層が形成され、ピンパッド全体が露出部となるピンパッドなどが挙げられる。
ピンは、ピンパッド側を向く接合面を有するものであれば、いずれの形態であってもよい。例えば、平面状の接合面を有する釘頭状の径大部と棒状の棒状部とからなるピンや、球面状の接合面を有する略半球状の径大部と棒状の棒状部とからなるピンなどが挙げられる。
【0010】
さらに、上記の配線基板の製造方法であって、前記ハンダ印刷工程は、前記ピンパッドの露出部に対応する透孔を有するマスクを、上記ピンパッドの露出部の一部分のみが上記透孔内に位置するように前記基板本体上に配置して、上記基板本体に前記ハンダペーストを印刷する配線基板の製造方法とすると良い。
【0011】
本発明によれば、ハンダペーストは、マスクにより基板本体にスクリーン印刷される。このようにマスクを利用すると、印刷精度よく、また、容易にハンダペーストを印刷することができる。しかも、ピンパッドの露出部の一部分のみがマスクの透孔内に位置するようにマスクを配置して印刷するので、容易に、ハンダペーストがピンパッドの露出部の一部分にのみ接触するように印刷することができる。
ここで、マスクとしては、ステンレスやニッケルなどの金属薄板からなるメタルマスクや、シルク、ナイロン、ポリエステルなどの繊維、あるいは、ステンレスワイヤなどを平織りにした金属繊維等からなるメッシュマスクなどが挙げられる。
【0012】
さらに、上記の配線基板の製造方法であって、前記ピンパッドの露出部は、平面視円形状であり、前記マスクの透孔は、上記ピンパッドの露出部と1対1で対応し、平面視円形状である配線基板の製造方法とすると良い。
【0013】
上述した発明においては、ピンパッドの露出部やマスクの透孔として、様々な形状のものが挙げられる。また、マスクの透孔は、一のピンパッドの露出部に対して、複数形成することもできる。
これに対し、本発明では、ピンパッドの露出部もマスクの透孔も、平面視円形状であり、マスクの透孔は、ピンパッドの露出部と1対1で対応している。このようにピンパッドの露出部とマスクの透孔が平面視円形状であると、ハンダペーストの印刷が容易である。しかも、マスクの透孔がピンパッドの露出部と1対1で対応しているので、容易に、ハンダペーストがピンパッドの露出部の一部分にだけ接触するようにハンダペーストを印刷することができる。また、印刷時及びピン載置時におけるハンダペーストとピンパッドとの接触面積を、容易に小さくすることができるので、ハンダ内にボイドが生じるのをより確実に抑制することができる。
【0014】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、前記ハンダ印刷工程の後、前記ピン固着工程の前に、前記ハンダが溶解しない範囲の温度で前記ハンダペーストを加熱する低温加熱工程を備える配線基板の製造方法とすると良い。
【0015】
本発明によれば、ハンダ印刷工程の後、固着工程の前に、ハンダペースト中のハンダが溶解しない範囲の温度でハンダペーストを加熱する。このような低温加熱を行えば、ハンダを溶解することなく、ハンダペースト内に含まれるフラックス成分等を予め一部揮発させることができる。このため、ピン固着工程において、ピンをハンダ固着させたときに、フラックス成分等が原因となるボイドがハンダ内に生じるのをより確実に抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る配線基板101について、図1に側面図を、図2に基板裏面103側の部分拡大断面図を示す。この配線基板101は、図1に示すように、ICチップ等の電子部品が搭載される基板主面102と、マザーボード等の他の基板に接続される基板裏面103とを有する略矩形の略板形状である。配線基板101は、基板本体111を備え、その基板主面102の略中央には、電子部品の端子と接続されるSn−Ag系のハンダからなるハンダバンプ113が略格子状に多数配置されている。一方、基板裏面103には、他の基板の端子と接続されるピン151が多数立設されている。
【0017】
配線基板101の内部を見ると、図2にその一部を示すように、基板本体111は、エポキシ樹脂等からなるコア基板(図示しない)の両面に、エポキシ樹脂等からなる複数の樹脂絶縁層115,116,117等が積層され、さらに、ソルダーレジスト層118等が積層されている。そして、各絶縁層の層間には、銅からなる配線層等の導体層121,122,123等がそれぞれ形成され、また、各絶縁層には、これらの導体層121,122,123等に接続するスルーホール導体(図示しない)やビア導体125,126等が多数形成されてる。
【0018】
このうち、樹脂絶縁層117とソルダーレジスト層118の層間の導体層123には、直径約1540μm、厚さ約14.5μmのピンパッド131が多数形成され、その中央部が、ソルダーレジスト層118に形成された直径約1400μm、深さ約21μmの裏面側開口118H内に露出している。そして、このピンパッド131の露出部131R上には、Sn−Sb−Pb系のハンダ135によりピン151が固着されている。このピン151は、Cuからなり、球面状の接合面151KMを有し略半球状をなす径大部151Kと、棒状の棒状部151Bとから構成されている。そして、ピン151の径大部151Kをピンパッド131側に向け、径大部151K全体と棒状部151Bの径大部151K側近傍にハンダ135が溶着している。
【0019】
次いで、この配線基板101の製造方法について図を参照しつつ説明する。
まず、公知の手法により、ピンパッド131を有する上記基板本体111を製造する。即ち、コア基板の両面に樹脂絶縁層115,116,117等と導体層121,122,123等とを交互に複数層形成して、さらにソルダーレジスト層118等を形成する。そして、基板主面102側に、ハンダバンプ113を形成する。
【0020】
一方、基板本体111にハンダペースト135Pをスクリーン印刷するためのマスクMKを用意する(図3及び図4参照)。このマスクMKは、厚さ約150μmのステンレス板(SUS−304)からなり、各ピンパッド131の露出部131Rに1対1で対応した直径約1.3mmの平面視円形状の透孔MKTが多数形成されている。これらの透孔MKTは、ステンレス板をエッチングしたり、レーザで穿孔するなどして形成すればよい。なお、図3は、基板本体111にマスクMKを配置した様子を示す説明図であり、図4は、基板本体111にマスクMKを配置した様子をマスクMKの上から見た説明図である。
【0021】
次に、ハンダ印刷工程において、図3及び図4に示すように、基板本体111の基板裏面103上に、マスクMKを位置合わせして配置する。その際、各透孔MKT内には、ピンパッド131の露出部131Rの一部分のみが位置するように配置する。具体的には、各透孔MKTの中心が、各ピンパッド131の露出部131Rの中心からそれぞれ約0.90mmずれるように、マスクMKを配置する。
【0022】
その後、図5に示すように、スクリーン印刷法により、マスクMKの上からスキージ(図示しない)を当てて、約1000〜2000ポイズ(本実施形態では約1000〜1100ポイズ)の粘度をもつハンダペースト135Pを押し運び、マスクMKの透孔MKT内にハンダペースト135Pを押し込み印刷する。その際、ハンダペースト135Pは、ピンパッド131の露出部131R全体に接触することなく、露出部131Rの一部分にのみ接触する。また、ピンパッド131近傍のソルダーレジスト層118にも接触する。
【0023】
その後、図6に示すように、マスクMKを基板本体111から剥がすと、ハンダペースト135Pは、基板本体111に転写される。この状態においても、ハンダペースト135Pは、ピンパッド131の露出部131Rの一部分にのみ接触すると共に、ピンパッド131近傍のソルダーレジスト層118に接触している。
このようにスクリーン印刷でハンダペースト135Pを印刷すると、特に、メタルマスクMKを用いた場合には、印刷時に基板本体111に密着し、基板本体111の所定の位置にハンダペースト135Pを塗布するとともに、ハンダペースト135Pが流れ拡がるのを防止する効果が高いので、印刷精度が特に高い。
【0024】
なお、基板主面102側のハンダバンプ113を形成するときには、ハンダペーストを印刷すると、開口内に空気が閉じこめられ、これが原因でハンダバンプ113内にボイドが生じることがある。しかし、このハンダ印刷工程では、従来においても本実施形態でおいても、そのような空気の巻き込みはほとんどない。ハンダペースト135Pを印刷する裏面側開口118Hがその深さに比して極めて大きいため、空気が閉じ込められ難いからである。従って、空気が閉じ込められることが原因となるボイドの発生は、従来においても本実施形態でおいても、ほとんど見られない。
【0025】
次に、低温加熱工程において、ハンダ135が溶解しない範囲の温度で印刷されたハンダペースト135Pを加熱乾燥する。具体的には、約60℃で約30分間加熱乾燥を行う。これにより、ハンダペースト135Pに含まれる樹脂や活性剤、チキソ剤、溶剤等(フラックス成分等)を一部揮発させることができる。従って、後にピン151をハンダ固着させたときに、ハンダ135内にボイドが生じにくくなる。なお、この低温加熱工程は、N2 雰囲気で加熱乾燥させると、ボイド体積が減少するため好ましい。
【0026】
次に、ピン載置工程において、図7に示すように、ピン151をピンパッド131の露出部131R上に載置する。具体的には、まず、ピン151を図示しないピン立て用治具にセットし、ピン151をそれぞれ同じ方向を向けて立たせる。次に、ピン立て用治具にセットされたピン151を位置合わせして基板本体111に押し当てる。そうすれば、各々のピン151は、その径大部151Kをピンパッド131側に向けて載置される。その際、既に印刷されたハンダペースト135Pがピンパッド131の露出部131Rの一部分にのみ接触した状態で、かつ、ハンダペースト135Pがピン151の接合面151KMの一部分にのみ接触するように、ピン151をピンパッド131の露出部131R上に載置する。
【0027】
次に、ピン固着工程において、図8に示すように、ハンダペースト135Pを加熱してハンダ135を溶解し、このハンダ135をピンパッド131の露出部131R全体及びピン151の接合面151KM全体に濡れ拡がらせつつ、ピンパッド131の露出部131R上にピン151を固着させる。具体的には、約240℃以上(最高約265℃)で約70〜130秒間加熱してハンダ135を溶解し、その後放冷してハンダ135を固化させる。ハンダペースト135Pが加熱され移動すると、ハンダペースト135P内に含まれるフラックス成分等が揮発したり、ハンダ135の外側に流出しやすくなる。その結果、ハンダ135が固化したときに、ハンダ135内にボイドが生じにくくなる。
次に、この基板をフラックス洗浄すれば、上記配線基板101が完成する。
【0028】
以上で説明したように、本実施形態では、ハンダペースト135Pがピンパッド131の露出部131Rの一部分にのみ接触するように、基板本体111にハンダペースト135Pを印刷し、さらに、ハンダペースト135Pがピンパッド131の露出部131Rの一部分にのみ接触した状態で、ハンダペースト135Pがピン151の接合面151KMの一部分にのみ接触するように、ピンパッド131の露出部131R上にピン151を載置する。即ち、ハンダペースト135Pを印刷した後においても、ピン151を載置した後においても、ハンダペースト135Pは、ピンパッド131の露出部131Rの一部分にのみ接触している。また、ハンダペースト135Pは、ピン151の接合面151KMの一部分にのみ接触している。
そして、ピン固着工程において、ハンダペースト135Pを加熱してハンダ135を溶解し、このハンダ135をピンパッド131の露出部131R全体及びピン151の接合面151KM全体に濡れ拡がらせつつ、ピンパッド131の露出部131R上にピン151を固着させる。即ち、ハンダペースト135Pを加熱してはじめて、ハンダペースト135Pは、ピンパッド131の露出部131R全体とピン151の接合面151KM全体に濡れ拡がりながら移動する。その際、ハンダペースト135Pが移動することによって、ハンダペースト135P内に含まれる樹脂や活性剤、チキソ剤、溶剤等(フラックス成分等)が揮発したり、ハンダ135の外側に流出しやすくなる。その結果、ハンダ135内にフラックス成分に起因したボイドが生じにくくなる。また、ハンダ135内に残存するフラックス成分等が少なくなるので、ハンダ135のフラックス洗浄を行った後に、フラックス成分等が浸み出して外観不良を引き起こすことが少ない。
【0029】
さらに、本実施形態では、ハンダペースト135Pは、マスクMKにより基板本体111にスクリーン印刷される。このようにマスクMKを利用すると、印刷精度よく、また、容易にハンダペースト135Pを印刷することができる。しかも、ピンパッド131の露出部131Rの一部分のみがマスクMKの透孔MKT内に位置するようにマスクMKを配置して印刷するので、容易に、ハンダペースト135Pがピンパッド131の露出部131Rの一部分にのみ接触するように印刷することができる。
【0030】
また、本実施形態では、ピンパッド131の露出部131RもマスクMKの透孔MKTも、平面視円形状であり、マスクMKの透孔MKTは、ピンパッド131の露出部131Rと1対1で対応している。このようにピンパッド131の露出部131RとマスクMKの透孔MKTが平面視円形状であると、ハンダペースト135Pの印刷が容易である。しかも、マスクMKの透孔MKTがピンパッド131の露出部131Rと1対1で対応しているので、容易に、ハンダペースト135Pがピンパッド131の露出部131Rの一部分にだけ接触するようにハンダペースト135Pを印刷することができる。また、印刷時においてもピン載置時においても、ハンダペースト135Pとピンパッド131との接触面積を容易に小さくすることができるので、ハンダ135内にボイドが生じるのをより確実に抑制することができる。
【0031】
また、本実施形態では、ハンダ印刷工程の後、ピン固着工程の前に、具体的にはピン載置工程の前に、ハンダペースト135P中のハンダ135が溶解しない範囲の温度でハンダペースト135Pを加熱する。このような低温加熱を行えば、ハンダペースト135Pに含まれる樹脂や活性剤、チキソ剤、溶剤等(フラックス成分等)を一部揮発させることができる。このため、ピン固着工程において、ハンダ135内にボイドが生じるのをより確実に抑制することができる。
【0032】
(調査結果)
上記製造方法により製造した配線基板101(実施例1)について、ハンダ135に生じたボイドの数を調査した。具体的には、X線透過装置によりハンダ135内に生じたボイドの数を数えた。調査したハンダ135の数(パッド数)は、一配線基板につき26個で、2つの配線基板について調査したので、合計52個である。
また、透孔MKTの中心がピンパッド131の露出部131Rの中心から約0.70mmずれるようにマスクMKを配置して製造した配線基板(実施例2)、及び、透孔MKTの中心がピンパッド131の露出部131Rの中心から約0.55mmずれるようにマスクMKを配置して製造した配線基板(実施例3)についても、同様にボイドの数を調査した。さらに、比較として、透孔MKTの中心がピンパッド131の露出部131Rの中心と一致するようにマスクMKを配置して製造した配線基板(従来例)についても、同様にボイドの数を調査した。
またさらに、実施例1〜3と従来例のそれぞれについて、低温加熱工程を行わないで配線基板を製造した場合についても、ボイドの数を調査した。
【0033】
その結果、低温加熱工程を行った場合、従来例におけるボイドの数を基準(100%)にすると、実施例1では、従来例の約22%にまで大きく減少した。また、実施例2では従来例の約31%、実施例3では従来例の約61%といずれもボイドの数が減少した。一方、低温加熱工程を行わない場合であっても、従来例に対して、実施例1では約25%にまで大きく減少した。また、実施例2では約33%、実施例3では約76%といずれもボイドの数が減少した。もっとも、低温加熱工程を行った方が行わないよりもボイドの数が減少し、より良好な結果が得られた。
【0034】
なお、フラックス洗浄後のフラックスの浸み出し不良も、従来例に比べ、実施例1〜3が良好であった。実施例の中では、実施例3よりも実施例2が、実施例2よりも実施例1が良好であった。
以上の結果より、本発明を適用することにより、ハンダ135内にボイドが生じるのを抑制し、また、フラックス洗浄後のフラックスの浸み出しを抑制することができることが判る。
【0035】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、マスクMKの透孔MKTをピンパッド131に1対1で対応させているが、一のピンパッド131に対して複数の透孔MKTが形成されたマスクを利用することもできる。このようなマスクを使用しても、ハンダ印刷工程において、ハンダペースト135Pがピンパッド131の露出部131Rの一部分にのみ接触するように、ハンダペースト135Pを印刷し、さらに、ピン載置工程において、ハンダペースト135Pがピンパッド131の露出部131Rの一部分にのみ接触した状態で、ハンダペースト135Pがピン151の接合面151KMの一部分にのみ接触するように、ピン151を載置すればよい。
また、マスクMKの透孔MKTの形状は、平面視円形状としているが、楕円形状や矩形状など、円形以外の形状とすることもできる。
また、上記実施形態では、ピン151を固着するハンダ135として、Sn−Sb−Pb系のものを使用したが、Sn−Sb系のもの等を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る配線基板の簡略化した側面図である。
【図2】 実施形態に係る配線基板の基板裏面側の部分拡大断面図である。
【図3】 実施形態に係る配線基板の製造方法に関し、基板本体にマスクを配置した様子を示す説明図である。
【図4】 実施形態に係る配線基板の製造方法に関し、基板本体にマスクを配置した様子を、マスクの上から見た説明図である。
【図5】 実施形態に係る配線基板の製造方法に関し、基板本体にハンダペーストを印刷した様子を示す説明図である。
【図6】 実施形態に係る配線基板の製造方法に関し、印刷を終えマスクを剥離した後の様子を示す説明図である。
【図7】 実施形態に係る配線基板の製造方法に関し、ピンを載置した様子を示す説明図である。
【図8】 実施形態に係る配線基板の製造方法に関し、ピンをピンパッドに固着した様子を示す説明図である。
【図9】 従来技術に係る配線基板の要部の部分拡大断面図である。
【図10】 従来技術に係る配線基板の製造方法に関し、基板本体にマスクを配置した様子を示す説明図である。
【図11】 従来形態に係る配線基板の製造方法に関し、印刷を終えマスクを剥離した後の様子を示す説明図である。
【図12】 従来形態に係る配線基板の製造方法に関し、ピンを載置した様子を示す説明図である。
【符号の説明】
101 配線基板
102 基板主面
103 基板裏面
111 基板本体
131 ピンパッド
131R (ピンパッドの)露出部
135 ハンダ
135P ハンダペースト
151 ピン
151K (ピンの)径大部
151KM (ピンパッド側を向くピンの)接合面
MK マスク
MKT (マスクの)透孔
Claims (4)
- ソルダーレジスト層の開口内において外部に露出する露出部を有するピンパッドが形成された基板本体と、
上記ピンパッドの露出部上にハンダにより固着されたピンであって、上記ピンパッド側を向く接合面を有するピンと、
を備える配線基板の製造方法であって、
ハンダペーストが上記ピンパッドの露出部の一部分にのみ接触すると共に、このピンパッド近傍のソルダーレジスト層にも接触するように、上記基板本体に上記ハンダペーストを印刷するハンダ印刷工程と、
上記ハンダペーストが上記ピンパッドの露出部の一部分にのみ接触すると共に、このピンパッド近傍のソルダーレジスト層にも接触した状態で、上記ハンダペーストが上記ピンの接合面の一部分にのみ接触するように、上記ピンパッドの露出部上に上記ピンを載置するピン載置工程と、
上記ハンダペーストを加熱してハンダを溶解し、このハンダを上記ピンパッドの露出部全体及び上記ピンの接合面全体に濡れ拡がらせつつ、上記ピンパッドの露出部上に上記ピンを固着させるピン固着工程と、
を備える配線基板の製造方法。 - 請求項1に記載の配線基板の製造方法であって、
前記ハンダ印刷工程は、前記ピンパッドの露出部に対応する透孔を有するマスクを、上記ピンパッドの露出部の一部分のみが上記透孔内に位置するように前記基板本体上に配置して、上記基板本体に前記ハンダペーストを印刷する
配線基板の製造方法。 - 請求項2に記載の配線基板の製造方法であって、
前記ピンパッドの露出部は、平面視円形状であり、
前記マスクの透孔は、上記ピンパッドの露出部と1対1で対応し、平面視円形状である
配線基板の製造方法。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法であって、
前記ハンダ印刷工程の後、前記ピン固着工程の前に、前記ハンダが溶解しない範囲の温度で前記ハンダペーストを加熱する低温加熱工程を備える
配線基板の製造方法。
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