JP3721650B2 - 感熱転写記録材料及び感熱転写記録方法 - Google Patents

感熱転写記録材料及び感熱転写記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱転写記録材料及び感熱転写記録方法に関し、更に詳しくは高濃度で画像安定性が良好な画像を得るための画像記録材料、及びこの感熱転写記録材料を用いて効率的に画像安定性の良好な画像を記録することができる感熱転写記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カラーハードコピーを得る方法として、インクジェット、電子写真、感熱転写、ハロゲン化銀感光材料等によりカラー画像記録技術が検討されている。
【0003】
これらのうち、特に感熱転写記録材料は、操作や保守が容易であること、装置の小型化、低コスト化が可能なこと、更にランニングコストが安いこと等の利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、熱転写方式の感熱転写記録においては、感熱転写記録材料に用いられる色素が重要である。
【0005】
得られた画像の安定性、特に定着性や耐光性を改良する目的でキレート化可能な熱拡散性色素(以下後キレート色素と記す)を用いる感熱転写記録材料及び画像形成方法が提案されており、例えば特開昭59−78893号、同59−109349号、同60−2398号の公報に記載されている。
【0006】
上記特許で開示された後キレート色素を用いて形成された画像は耐光性や定着性に優れているが、感熱転写記録材料の感度や材料自体の保存性の点では十分に満足するものではなく更に改良が望まれていた。
【0007】
また、上記特許等で開示された後キレート色素は2座配位又は3座配位のキレート色素を形成するものであり、金属イオンと配位結合する基として発色団のアゾ基を使用される。これらの色素を用いた感熱転写記録においては、後キレート色素とキレート色素の間での色相差が大きい為、画像形成時のキレート反応が不十分な場合には不所望の2次吸収が生じる場合や形成されたキレート色素自体の不整吸収の為にフルカラー画像を得る場合に色再現上更に改良することが望まれている。
【0008】
本発明は上記の事情を改良するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、定着性や耐光性等の画像保存性に優れた画像を得る為の感熱転写記録材料及びこの記録材料を用いた感熱転写記録方法を提供することにある。
【0009】
別の目的はインクシ−トの保存性が良好で且つ高感度記録が可能な感熱転写記録材料及びこの記録材料を用いた感熱転写記録方法を提供することにある。
【0010】
更に別の目的は2次吸収の少ない、色再現上好ましい色相の画像を得ることが出来る感熱転写記録材料及びこの記録材料を用いた感熱転写記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
【0012】
1.支持体上に下記一般式(1)で表される少なくとも2座のキレート色素を形成することができるメチン色素を有することを特徴とする感熱転写記録材料。
【0015】
【化4】
Figure 0003721650
【0016】
式中Xは、後述する一般式(4)〜(11)で表される基を表し、Yは芳香族性炭素環又は複素環を形成する原子の集まりを表し、R1、R2、R3は水素原子、ハロゲン原子又は1価の置換基を表す。nは0、1又は2を表す。
【0019】
式中、Zはキレート化可能な窒素原子を含む基で置換された芳香族性の含窒素複素環を形成する原子の集まりを表す。
【0020】
前記一般式(1)で表されるメチン色素が下記一般式(3)で表されることを特徴とする前記1に記載の感熱転写記録材料。
【0021】
【化6】
Figure 0003721650
【0022】
式中Xは、後述する一般式(4)〜(11)で表される基を表し、Yは芳香族性炭素環又は複素環を形成する原子の集まりを表し、R2、R3は水素原子、ハロゲン原子又は1価の置換基を表す。Gはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、シアノ基又はトリフルオロメチル基を表し、mは0又は1を表す。
【0023】
3.前記一般(1)で表されるメチン色素が後述する化合物(1)〜(56)から選ばれるメチン色素であることを特徴とする前記1に記載の感熱転写記録材料。
【0024】
前記1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写記録材料に受像材料を重ね、前記感熱転写記録材料を画像情報に応じて加熱し、前記キレート色素と金属イオン含有化合物との反応により形成されるキレート色素によって画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
【0029】
本発明を更に詳細に述べる。
【0030】
本発明は下記一般式(1)又は(3)で表されるメチン色素(以下本発明の色素と記す)を用いることを特徴とする。
【0032】
【化7】
Figure 0003721650
【0033】
一般式(1)及び一般式(3)において、式中Xは後述する一般式(4)〜(11)で表される基を表し、Yは芳香族性炭素環又は複素環を形成する原子の集まりを表し、R1、R2、R3は水素原子、ハロゲン原子又は1価の置換基を表し、Gはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、シアノ基又はトリフルオロメチル基を表し、nは0、1又は2を表し、mは0又は1を表す。
【0036】
更に詳しく説明すると、一般式(1)において、R1、R2、R3は水素原子、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子等)又は1価の置換基を表すが、1価の置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
【0037】
Gはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、シアノ基又はトリフルオロメチル基を表し、これらの中でアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、シアノ基又はトリフルオロメチル基が好ましい。
【0039】
【化8】
Figure 0003721650
【0040】
式中Lは炭素原子または窒素原子を表し、QはLとともに含窒素複素環を形成する原子の集まりを表す。QがLとともに形成することの出来る含窒素複素環としては、ピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、キノリン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、インドール環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環等が好ましい。一般式(1)、一般式(3)におけるR1〜R3、および一般式(4)〜一般式(11)におけるR4〜R6は水素原子、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子等)、または一価の置換基を表す。一価の置換基としてはアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(ジメチルスルファモイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えばエチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、フェニルスルホニル基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンオキシド基(例えばピリジン−オキシド基)、イミド基(例えばフタルイミド基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等)が挙げられる。
【0041】
以下に本発明の一般式(1)及び一般式(3)で表される本発明の色素の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
(化合物例)
【0043】
【化9】
Figure 0003721650
【0044】
【化10】
Figure 0003721650
【0045】
【化11】
Figure 0003721650
【0046】
【化12】
Figure 0003721650
【0047】
【化13】
Figure 0003721650
【0048】
【化14】
Figure 0003721650
【0049】
【化15】
Figure 0003721650
【0050】
本発明の感熱転写記録材料は支持体上に本発明の色素を有する感熱転写層から構成される。該感熱転写層は本発明の色素をバインダーと共に溶剤中に溶解することによって、或いは溶媒中に微粒子状に分散させることによって感熱転写層形成用インク液を調整し、該インクを支持体上に塗布して適宜に乾燥することにより形成することができる。
【0051】
感熱転写層の厚さは乾燥膜厚で0.1〜10μmが好ましい。
【0052】
前記バインダーとしてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ニトロセルロース、エチルセルロース等の溶剤可溶性ポリマーが好ましい。これらのバインダーは、一種又は二種以上を有機溶媒に溶解して用いるだけでなく、ラテックス分散の形で使用してもよい。
【0053】
バインダーの使用量としては、支持体1m2当り0.1〜20gが好ましい。
【0054】
前記有機溶媒としては、アルコール類(例えばエタノール、プロパノール)、セルソルブ類(例えばメチルセルソルブ)、芳香族類(例えばトルエン、キシレン)、エステル類(例えば酢酸エステル)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)等が挙げられる。
【0055】
前記支持体としては、寸法安定性がよく、記録の際感熱ヘッド等の加熱に耐えるものであればよいが、コンデンサー紙、グラシん紙のような薄葉紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネートのような耐熱性のプラスチックフィルムが好ましく用いられる。
【0056】
支持体の厚さは、2〜30μmが好ましく、また支持体にはバインダーとの接着性の改良や色素の支持体への転写、染着を防止する目的で選択されたポリマーからなる下引き層を有することが好ましい。更に支持体の裏面(感熱転写層と反対側)には、ヘッドが支持体に粘着するのを防止する目的でスリッピング層を有してもよい。
【0057】
本発明の感熱転写記録材料は、後術する受像材料に普通紙の如く受像層を特に設けていないものを用いる目的で、感熱転写層上又は感熱転写層が塗設されてなる支持体上の別層に特開昭59−106997号公報に記載されているような熱溶融性化合物を含有する熱溶融性層を有していてもよい。この熱溶融性化合物としては、65〜150℃の温度で溶融する無色又は白色の化合物が好ましく用いられ、例えばカルナバロウ、蜜ロウ、カンデリンワックス等のワックス類が挙げられる。
【0058】
なお、これらの熱溶融性層には、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリエステル、酢酸ビニル等のポリマーが含有されていても良い。
【0059】
本発明の感熱転写記録材料をフルカラー画像記録が可能な感熱転写記録材料に適用するには、シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアン感熱転写層、マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタ感熱転写層、イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー色素を含有するイエロー感熱転写層の合計3層を支持体上の同一表面上に順次繰り返して塗設することが好ましい。
【0060】
また、必要の応じて他に黒色画像形成物質を含む感熱転写層の合計4層が同一表面上に順次に繰り返して塗設されていても良い。
【0061】
本発明の感熱転写記録方法においては、前記感熱転写記録材料の感熱転写層と受像材料とを重ね合わせてから、画像情報に応じた熱を感熱転写記録材料に与え、メタルソースと本発明の色素との反応により形成されるキレート色素による画像を受像材料上に形成させる。
【0062】
メタルソースは受像材料中に存在させても良いし、感熱転写記録材料上に設けた熱溶融性層中に存在させても良い。
【0063】
上記感熱転写記録方法を図面で説明すると、図1(a)において、支持体1と受像層2からなる受像材料3の受像層中にメタルソースを存在させたとき、支持体4と感熱転写層5からなる色素供与材料6の感熱転写層中の前記色素は、例えばサーマルヘッド7の発熱抵抗体8からの熱によって受像材料3に拡散移行し、受像層2においてメタルソースと反応してキレート色素画像を形成する。
【0064】
また、図1(b)において、感熱転写層5上に設けた熱溶融性層9中にメタルソースを存在させたとき、支持体4と感熱転写層5と熱溶融性層9とからなる感熱転写記録材料10の感熱転写層5中の色素は、例えばサーマルヘッド7の発熱抵抗体8からの熱によって熱溶融性層9に拡散移行し、そこでメタルソースと反応してキレート色素を形成し、このキレート色素を含む熱溶融性層が凝集破壊もしくは界面剥離によって受像材料3に移行して画像が形成される。
【0065】
前記メタルソースは金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げられ、中でも有機酸の塩及び錯体が好ましい。
【0066】
金属としては、周期律表の第I〜IIIV族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl,Co,Cr,Cu,Fe,Mg,Mn,Mo,Ni,Sn,Ti及びZnが好ましく、特にNi,Cu,Cr,Co及びZnが好ましい。
【0067】
メタルソースの具体例としては、Ni2+,Cu2+,Cr2+,Co2+及びZn2+と酢酸やステアリン酸等の脂肪族の塩、或いは安息香酸、サルチル酸等の芳香族カルボン酸の塩等が挙げられる。
【0068】
また、下記一般式(12)で表される錯体は特に好ましく用いることができる。
【0069】
一般式(12)
[M(Q1)l1(Q2)m1(Q3)n1P+(Y1 -P
但し、上記式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+,Cu2+,Cr2+,Co2+,Zn2+を表す。
【0070】
Q1,Q2,Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていても良い。
【0071】
これらの配位化合物としては、例えばキレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。
【0072】
1は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニルホウ素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等が挙げることができる。
【0073】
1は1、2又は3の整数を表し、m1は1、2又は0を表し、n1は1又は0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、或いはQ1,Q2,Q3の配位子の数によって決定される。Pは0、1又は2を表す。
【0074】
Pが0の時は、Qで表される配位化合物がアニオン性化合物であり、Qで表されるアニオン性化合物とMで表される金属カチオンとが電気的に中和された状態であることを意味する。
【0075】
アニオン性化合物としては下記一般式(13)で表される化合物が好ましい。
【0076】
【化16】
Figure 0003721650
【0077】
7、R8は各々同じであっても異なっていても良いアルキル基又はアリール基を表し、R9はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、水素原子を表す。メタルソースの添加量は、通常、受像材料又は熱溶融性層に対し、0.5〜20g/m2が好ましく、1〜15g/m2がより好ましい。
【0078】
なお、本発明で用いられる前記受像材料は、一般に紙、プラスチックフィルム、又は紙−プラスチックフィルム複合体を支持体としてその上に受像層としてポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えば酢酸ビニル等)との共重合樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート等の一種又は二種以上のポリマー層を形成してなる。
【0079】
また受像材料は受像層の上層に融着防止を目的として保護層を設けてもよく、更に支持体と受像層の間に接着や断熱或いはクッション効果を目的として中間層を設けても良い。また、上記支持体そのものを受像材料にすることもある。
【0080】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0081】
(実施例−1)
−インクの調製−
下記の原料を混合して本発明に係わる色素を含有する均一な溶液のインクを得た。色素の溶解性は良好であり、インク化適性も良好であった。
【0082】
Figure 0003721650
−感熱転写記録材料の作成−
上記インクを、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートベース上にワイヤーバーを用いて乾燥後の塗布量が2.3g/m2になるように塗布乾燥し、ポリエチレンフタレートフィルム上に感熱転写層を形成してなる感熱転写記録材料−1を作成した。
【0083】
なお、上記ポリエチレンテレフタレートベースの裏面には、スティキング防止層としてシリコン変性ウレタン樹脂(SP−2105,大日精化製)を含むニトロセルロース層が設けられている。上記と同様にして表1に示す色素を用いた感熱転写記録材料2〜12を作成した。
【0084】
−受像材料の作成−
紙の両面にポリエチレンをラミネートした支持体(片側のポリエチレン層に白色顔料(TiO2)と青味剤を含む)の上に、下記組成の塗布液を乾燥後の塗布量が7.2gになるように塗布乾燥し、受像材料−1を作成した。
【0085】
更に受像材料−1からメタルソースを除いた以外は受像材料−1と同じ組成の受像材料−2を作成した。
【0086】
メタルソース(下記) 4.0g
【0087】
【化17】
Figure 0003721650
【0088】
ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学工業製) 6.0g
ポリエステル変成シリコン 0.3g
−感熱転写記録方法−
前記感熱転写記録材料と受像材料とを重ね、感熱ヘッドを感熱転写記録材料の裏面からあてて、サーマルプリンターで画像記録を行ない、階調性の優れた画像−1〜12を得た。記録後、画像の最大濃度、記録材料の感度及び画像保存性について下記に従って評価した。結果を表1に示す。
【0089】
最大濃度の評価:X−rit310TRにより画像の最大反射濃度(通常、印加時間が最大の部分)を測定した。
【0090】
感度の評価:感熱転写記録材料−11で形成される画像の濃度が1.0となる時の印加エネルギーを1とした時の各材料の相対的な印加エネルギーを求めた。数字が小さいほど感度が高いことを示す。
【0091】
画像保存性評価:得られた画像に対してキセノンフェードメーターで5日間光照射を行い耐光性を評価した。
【0092】
光照射後の色素残存率(画像保存性)の結果を表1に示す。
【0093】
尚、色素残存率(画像保存性)は光照射前の濃度をD0、光照射後の濃度をDとしてD/D0×100で表す。
【0094】
【化18】
Figure 0003721650
【0095】
【表1】
Figure 0003721650
【0096】
表1に示す通り、本発明の色素を用いた感熱転写記録材料は感度が高く、とくに金属イオン含有化合物と反応さて受像材料上にキレート画像を形成させることで高濃度で画像保存性の良好な画像を得ることが出来る。
【0097】
(実施例−2)
定着性評価:得られた画像の受像面と前記受像材料−2の受像面を重ね合わせて40℃で20kg/m2の加重を加えて48時間放置した後、引きはがして該受像材料−2への色素の転移を目視で観察した。
【0098】
その結果、本発明の感熱転写記録方法で記録した画像はいずれも受像材料−2への色素転移は認められなかったが、画像−2、12では色素の転移が認められた。即ち、本発明の感熱転写記録方法に従えば定着性の優れた画像が得られることが分かる。
【0099】
又、比較感熱転写記録材料10に用いた色素はキレート形成前はマゼンタ色であり、キレート形成によりシアンとなる為、得られた画像11ではキレート前のマゼンタ色素が少量残存することに由来すると推定される不所望の2次吸収が認められた。一方本発明の色素ではいずれもキレート形成前後での色相差が小さいため、不所望の2次吸収は認められなかった。
【0100】
(実施例−3)
−インクの調製−
下記の原料を混合して本発明に係わる色素を含有する均一な溶液のインクを得た。色素の溶解性は良好であり、インク化適性も良好であった。
【0101】
Figure 0003721650
−感熱転写記録材料の作成−
上記インクを、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートベース上にワイヤーバーを用いて乾燥後の塗布量が2.3g/m2になるように塗布乾燥し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に感熱転写層を形成してなる感熱転写記録材料−13を作成した。
【0102】
なお、上記ポリエチレンテレフタレートベースの裏面には、スティッキング防止層としてシリコン変性ウレタン樹脂(SP−2105、大日精化製)を含むニトロセルロース層が設けられている。上記と同様にして表2に示す色素を用いた感熱転写記録材料13〜23を作成した。
【0103】
−受像材料の作成−
紙の両面にポリエチレンをラミネートした支持体(片側のポリエチレン層に白色顔料(TiO2)と青味剤を含む)の上に、下記組成の塗布液を乾燥後の塗布量が7.2gになるように塗布乾燥し、受像材料−3を作成した。
【0104】
更に受像材料−3からメタルソースを除いた以外は受像材料−3と同じ組成の受像材料−4を作成した。
【0105】
メタルソース(前記化17) 4.0g
ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学工業製) 6.0g
ポリエステル変成シリコン 0.3g
−感熱転写記録方法−
前記感熱転写記録材料と受像材料とを重ね、感熱ヘッドを感熱転写記録材料の裏面からあてて、サーマルプリンターで画像記録を行ない、階調性の優れた画像−13〜23を得た。記録後、画像の最大濃度、記録材料の感度及び画像保存性について下記に従って評価した。結果を表2に示す。
【0106】
最大濃度の評価:X−rit310TRにより画像の最大反射濃度(通常、印加時間が最大の部分)を測定した。
【0107】
感度の評価:感熱転写記録材料−22で形成される画像の濃度が1.0となる時の印加エネルギーを1とした時の各材料の相対的な印加エネルギーを求めた。数字が小さいほど感度が高いことを示す。
【0108】
画像保存性評価:得られた画像に対してキセノンフェードメーターで5日間光照射を行い耐光性を評価した。
【0109】
光照射後の色素残存率の結果を表2に示す。
【0110】
尚、色素残存率は光照射前の濃度をD0、光照射後の濃度をDとしてD/D0×100で表す。
【0111】
【表2】
Figure 0003721650
【0112】
表2に示す通り、本発明の色素を用いた感熱転写記録材料は感度が高く、特にメタルソースと反応させることで受像材料上にキレート画像を形成させることで高濃度で画像保存性の良好な画像を得ることが出来る。
【0113】
【発明の効果】
本発明による感熱転写記録材料及びこの記録材料を用いた感熱転写記録方法は定着性や耐光性等の画像保存性に優れた画像を得ることができ、インクシートの保存性が良好で且つ高感度記録が可能で、且つ2次吸収の少ない、色再現上好ましい色相の画像を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は共に本発明の感熱転写記録材料を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 受像層
3 受像材料
4 支持体
5 感熱転写層
6 色素供与材料
7 サーマルヘッド
8 発熱抵抗体
9 熱溶融性層
10 感熱転写記録材料

Claims (4)

  1. 支持体上に下記一般式(1)で表される少なくとも2座のキレート色素を形成することができるメチン色素を有することを特徴とする感熱転写記録材料。
    Figure 0003721650
    (式中Xは、下記一般式(4)〜(11)で表される基を表し、Yは芳香族性炭素環又は複素環を形成する原子の集まりを表し、R 1 、R 2 、R 3 は水素原子、ハロゲン原子又は1価の置換基を表す。nは0、1又は2を表す。)
    Figure 0003721650
    (式中Lは炭素原子または窒素原子を表し、QはLとともに含窒素複素環を形成する原子の集まりを表す。R 4 〜R 6 は水素原子、ハロゲン原子、または一価の置換基を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表されるメチン色素が下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録材料。
    Figure 0003721650
    (式中Xは、下記一般式(4)〜(11)で表される基を表し、Yは芳香族性炭素環又は複素環を形成する原子の集まりを表し、R 2 、R 3 は水素原子、ハロゲン原子又は1価の置換基を表す。Gはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、シアノ基又はトリフルオロメチル基を表し、mは0又は1を表す。)
    Figure 0003721650
    (式中Lは炭素原子または窒素原子を表し、QはLとともに含窒素複素環を形成する原子の集まりを表す。R 4 〜R 6 は水素原子、ハロゲン原子、または一価の置換基を表す。)
  3. 前記一般(1)で表されるメチン色素が下記化合物(1)〜(56)から選ばれるメチン色素であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録材料。
    Figure 0003721650
    Figure 0003721650
    Figure 0003721650
    Figure 0003721650
    Figure 0003721650
    Figure 0003721650
    Figure 0003721650
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写記録材料に受像材料を重ね、前記感熱転写記録材料を画像情報に応じて加熱し、前記キレート色素と金属イオン含有化合物との反応により形成されるキレート色素によって画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
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