JP3687302B2 - 卵黄様食感を持つ食品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、卵黄様の食感を持つ食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
卵を殻付のまま加熱して得られる、かた茹(ゆで)卵の卵黄や、割卵する時に卵黄膜を破らずに加熱して得られる凝固卵黄で感じるホクホクとした食感は、独特である。
しかしながら、割卵し卵黄膜を破壊した後加熱凝固した卵黄は、弾力に富むゴム様の食感となり卵黄独特の食感が感じられない。
【0003】
従来より、特公昭49−48747号公報にみられるように、卵黄液を加熱凝固させた後粉砕破砕し、次にこの破砕した卵黄を成形し、再び加熱処理をして食感のよい凝固卵を得ることが提案されている。しかしこの方法では、加熱→粉砕→成型→加熱の工程で作られており、また成分は全て卵黄であったため、工程が煩雑であったり、生活習慣病の原因の一つと考えられるコレステロールが高いままであるなどの難点があった。
【0004】
また特開平1−304866号公報にみられるように、卵液と平均粒子径50〜500 μmとした水不溶性蛋白質を混合し加熱凝固させて、茹卵の卵黄部と同等のホクホク感を有する凝固卵を得ることが提案されているが、平均粒子径が50〜500 μmとそろった不水溶性蛋白質を安価に入手することは難しいと考えられる。
その点、豆類、いも類由来の細胞を使用すれば、豆類、いも類とも比較的安価な食材で細胞をそのまま利用することで自然と平均粒子径が50〜500 μmと揃ったものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、かた茹卵の卵黄部の様な細粒感がありその細粒同士は強い力で結合していない、ホクホクした食感を持つ食品を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決するために種々の検討を行い、個々に分離した壊れていない細胞壁に囲まれた植物性の粒子(A)が結着剤(B)により結着した食品が、かた茹卵の卵黄部の様な食感になるという意外な効果を見出し、この発明に到達した。
【0007】
【発明の実施の形態】
使用する個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた植物性の粒子としては、小豆や馬鈴薯等を煮て、裏ごしした物、特に大豆においては、脱皮・脱胚軸した実質的に吸水膨張していない大豆を、アルカリを添加した熱水中にLog(Hr)+0.333Temp ≧2.4 となる条件下に浸漬加熱し〔但しLog(Hr) は浸漬時間の常用対数値、Tempは浸漬温度℃を指す〕、細胞壁が壊れないように破砕することにより調製すること、例えば、石ロールなどで破砕する方法が望ましいがこの方法に限定される物ではない。しかし細胞壁が壊れてしまっているものでは、風味や食感ともに満足できる品質のものは得難い。
【0008】
大豆の破砕法としては、例えば石ロール若しくはセラミック製ロールなどで処理し、ロール間にあまり圧力をかけないで(ロール間隔を接する程度に設定することで足りる。)処理することで簡便に、個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれたものが調製できる。
また、この石ロール若しくはセラミック製ロールなどで処理するのに、ロール間隔に圧力をかけてロールを設定すると、大豆細胞の内容物が細胞の外に出たものが容易に調製できる。
各々の細胞粒子の平均粒子径は50〜500 μm程度が好ましく、更に好ましくは100 〜200 μmである。一般的に粒子が細かすぎると細粒感が感じられず、大きすぎるとざらつきとして感じられてしまう。一方、細胞壁が壊れてしまっているものでは、上記の平均粒子径が50〜500 μmであっても風味や食感ともに満足できる品質のものは得難い。
【0009】
個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた植物性の粒子の含有量は食品中に25〜90% ( 乾燥固形分としては約30〜90% となる) 含まれていることが好ましく、更に好ましくは40〜85% 、最も好ましくは50〜80% である。この範囲を超えて植物性の粒子が少ないと、細粒感が感じられずホクホクした食感にならない。またこの範囲を超えて植物性の粒子を多く含むと、細粒同士が結合しなくなり、重い食感になる。なお、上記の% 値は特にことわらない場合は、その食材そのままの水分を含んだ量である。各食材の水分%は広く分布する(各水分値は省略。)ので、各植物性の粒子の含有量は含水のままでの%で表現した。次に述べる結着剤の含有量の場合も同様である。
【0010】
一方、本発明の食品を構成する結着剤の含有量は上記の植物性の粒子の含有量に概して逆比例するものであり、結着剤の含有量は食品中に75〜10% (乾燥固形分としては約70〜10% となる)含まれていることが好ましく、更に好ましくは60〜15% 、最も好ましくは50〜20% である。
【0011】
個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた植物性の粒子を結着する結着剤としては分離大豆蛋白のような熱凝固性蛋白の種子蛋白、卵のような鳥獣魚介肉蛋白が好ましいがゼラチンのような冷却凝固性蛋白や常温で固形の油脂でも支障はない。それぞれを添加撹拌後、好みや用途により脱気し成型する。
【0012】
結着剤として熱凝固性蛋白を使用する場合の加熱条件としては、80〜100 ℃、5 分以上が望ましいい。例えばφ9cm のシャーレを用いる場合、5 分以上の蒸しが、折り径35mmの合成樹脂製のチューブを用いる場合、80〜100 ℃、20〜60分の加熱が適当である。また結着剤として冷却凝固性蛋白を使用する場合は、成型後水中や冷蔵庫などで冷却し凝固させる。
【0013】
色、味等を付けたい場合は、色素液、着味液等を水と置換すればよい。又、これらに添加剤として糖やアルコールを使用する場合は、入れすぎると食感がねちゃつき好ましくなくなるので、添加量としては全素材中の50% 未満、好ましくは30% 以下、最も好ましくは10% 以下が適当である。
【0014】
こうして得られた本発明品は、かた茹卵の卵黄部のようにホクホクとした食感を有する。
【0015】
尚、この卵黄様食感を有する食品はそのまま食べても良いが、茹卵の卵黄部と置換していろいろな卵製品を作ること、また予め具材を添加して成型、凝固することも可能である。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を例示して本発明の効果をより一層明確にするが、これらは例示であってこの発明の精神がかかる例示によって限定されるものではない。
【0017】
実施例1
脱皮・脱胚軸した実質的に吸水膨張していない大豆を、0.3 % 重曹を添加した大豆の5.5 倍重量の熱水(95 ℃) で35分間、浸漬加熱し、脱水後、石の3 段ロール(株式会社セイカイドウ製マジパンローラー)にて破砕した。これにより、大豆由来の個々に分離した壊れていない(顕微鏡で確認した。以下の例でも同様。)細胞壁に囲まれた粒子を調製した。液卵黄20gに上記大豆細胞粒子30g、水3 gを撹拌・混合し、ペースト状の物を得た。これを薬包紙を敷いたφ9cm のシャーレ3 個に流し入れ、30分間蒸し、冷却したところ卵黄様食感の食品を得た。
この例では、個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた植物性の粒子(A)と結着剤(B)の含有量は、(A):(B)=30:(20+3)=56%:44% であった。
【0018】
実施例2
分離大豆蛋白質( 不二製油製、ニューフジプロ−SE)40gに水200 g、大豆白絞油40g、食塩4.2 gをフードカッター(象印株式会社製フードチョッパーきざみっこ)で撹拌・混合しエマルジョンを調製した。このエマルジョン240 gを実施例1と同様に調製した大豆由来の個々に分離した壊れていない細胞壁に囲まれた粒子360 g及び卵白31.2gを撹拌・混合し、ペースト状の物を得た。このペースト状の物を脱気し、折り径35mmの合成樹脂製ケーシングチューブに200 gずつ充填・密封した後、80℃の湯浴中で30分間加熱し、冷却後袋詰め卵黄様食感の食品を得た。
この例では、(A)と(B)の含有量は、(A):(B)=360:( エマルジョン240 +卵白31.2)=57%:43% であった。
【0019】
実施例3
市販の乾燥マッシュポテトに4倍重量の水を添加して予め戻しておき、その戻したマッシュポテト300 gに全卵液200 g、卵黄油(卵黄より分離された油)少々を添加し、折り径35mmの合成樹脂製ケーシングチューブに約200 gずつ充填・密封した後、80℃の湯浴中で30分間加熱し、冷却後袋詰め卵黄様食感の食品を得た。
この例では、(A)と(B)の含有量は、(A):(B)=加水マッシュポテト300:全卵液200 =52%:48% であった。
【0020】
実施例4
分離大豆蛋白質( 不二製油製、ニューフジプロ−SE)40gに水200 g、大豆白絞油40g及び食塩4.2 gを実施例1と同じフードカッターで撹拌・混合しエマルジョンを調製した。このエマルジョン240 gを実施例1と同様に調製した大豆由来の個々に分離した壊れていない細胞壁に囲まれた粒子360 g、卵白液31.2g、黄色色素液少量を撹拌・混合し、ペースト状の物を得た。このペースト状の物に玉葱のみじん切りを30g、及び食酢を数滴加え、折り径35mmの合成樹脂製ケーシングチューブに約200 gずつ充填・密封した後、80℃の湯浴中で30分間加熱し冷却後、袋詰め卵黄様食感の食品を得た。
この例では、(A)と(B)の含有量は、(A):(B)=360:( エマルジョン240 +卵白31.2)=54%:41% であった。
【0021】
実施例5
上記実施例1で調製した卵黄様食感の食品を5mm 角に切り、卵白を型に流し加熱凝固させた物も同様に切った物を各200 g合わせ、塩 1g、コショウ少々、マヨネーズ 30 gで和え、卵スプレッドを得た。同様に実施例2〜4の調製卵黄様食感の食品でも各々上記と同様にして卵スプレッドを得た。これら4品のスプレッドは、かた茹した卵の卵黄部を使ったスプレッドと同様の風味食感を有し、美味であり大量生産も可能であると判断される。
【0022】
比較例1
実施例1と同じ石ロールで圧力を上げて大豆を細胞壁が潰れる様に破砕したものを使って、その他は実施例1と同様にして、個々の細胞が壊れて潰れているもので調製してみたところ、組織がしまり、食感も好ましいものは得られなかった。
【0023】
【発明の効果】
以上説明した通り、個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた植物性の粒子(A)を結着剤(B)で結着させることにより、かた茹した卵の卵黄様の食感を持つ食品を得ることが出来た。これにより、従来得られなかった美味な食感やコレステロールが低い乃至含まない卵黄様食品及び、その活用で新規な食品が安価に出来て、公衆の健康や、その向上に寄与出来る様になった。

Claims (8)

  1. 個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた植物性の粒子(A)が結着剤(B)により結着したものであることを特徴とする卵黄様の食感を持つ食品。
  2. (A)が食品中に25〜90% 含まれる請求項1記載の食品。
  3. (B)が熱凝固性蛋白を含んでなる請求項1記載の食品。
  4. 熱凝固性蛋白が種子蛋白、鳥獣魚介肉蛋白である請求項1記載の食品。
  5. (B)が冷却凝固性蛋白を含んでなる請求項1記載の食品。
  6. (B)が食品中に75〜10% 含まれる請求項1記載の食品。
  7. (A)が豆類、いも類由来である請求項1記載の食品。
  8. 糖類やアルコール50% 未満含む請求項1記載の食品。
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