JP2956050B2 - 卵加工品 - Google Patents

卵加工品

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JP2956050B2 JP9285801A JP28580197A JP2956050B2 JP 2956050 B2 JP2956050 B2 JP 2956050B2 JP 9285801 A JP9285801 A JP 9285801A JP 28580197 A JP28580197 A JP 28580197A JP 2956050 B2 JP2956050 B2 JP 2956050B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜状凝固卵が集
合してなる卵加工品に関する。
【0002】
【従来の技術】親子丼やカツ丼といった丼物を手作りす
る場合の調理法としては、1食分の型枠に予め調理した
鶏肉、玉葱あるいはカツなどの具材を入れ、そこにタ
レ、調味料などを加え、さらに卵をほぐした卵液を加え
てその卵液を加熱凝固させ、それを飯の入った丼に盛り
つけるということがなされている。これにより、卵黄の
凝固物の黄色と卵白の凝固物の白色とが入り混じった彩
りのよい手作り特有の丼物を得ることができる。
【0003】しかし、この方法では工程数が多いので、
コンビニエンスストアーやスーパーなどで販売する弁当
用等として、丼物を大量に安価に製造することができな
い。
【0004】そこで、そのような弁当用として大量に丼
物を製造する場合には、5〜30食分程度の卵液と具材
とを矩形の大型の型枠に入れて加熱することにより一度
に長方形状の加熱凝固物を作り、これを1食分の大きさ
にカットし、丼物の具とする。一方、弁当容器内には飯
を入れて予めタレをかけておくか、又は予め全体に均一
に味付けした飯を入れておく。そして、この弁当容器内
の飯の上に上述の1食分の具を載せ、製品とすることが
なされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の弁当用の丼物の製造方法では、弁当容器の隅に具
が載っておらず、飯の露出した隙間が生じるので外観上
好ましくない。また、卵液と具材とを加熱凝固させるこ
とにより具を作るという工程については5〜30食分程
度をまとめて作ることがなされているが、この加熱凝固
の工程とは別個に、予め容器に入れた飯にタレをかけて
おくか、あるいは飯に調味しておくこと等の工程が必要
であるため、工程数をより減らすことが望まれている。
【0006】また、従来の弁当用の丼物の製造方法で
は、卵液として、通常、全卵を均一な卵液に調製したも
のが使用されているので、卵液の加熱凝固部分は黄色一
色となり、卵白液の加熱凝固色である白色がなく、彩り
に欠けたものとなるという問題もある。これに対して
は、特許第2637017号公報に記載されているよう
に、卵白液と卵黄液とが均一に混ざらないように処理す
る方法があるが、この方法によると工数がかかるので製
品を安価に大量に提供することができない。
【0007】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、弁当容器等に入れた飯の上
にかけるだけで飯全体が卵を凝固させた具で覆われ、ま
た、具を飯に載せる際にタレをかける工程を別途とらな
くてもタレを飯にしみこませることができ、さらに卵液
の凝固部分が、卵黄液の凝固である黄色と卵白液の凝固
である白色とが入り混じった、彩りのよい手作り風とな
る卵加工品を提供することを目的とし、また、この卵加
工品からなる丼物の素を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するため、次の本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち、本発明は、卵凝固物からなる卵加工
品であって、該卵凝固物が、面積5〜300mm2、厚
さ2mm以下の薄膜状凝固卵からなり、かつ該卵凝固物
として、少なくとも、黄色を呈する薄膜状凝固卵と、白
色を呈する薄膜状凝固卵の2種が含有されていることを
特徴とする卵加工品を提供する。
【0010】特に、卵凝固物中、面積5〜300m
2、厚さ2mm以下の薄膜状凝固卵が、卵凝固物全体
の固形分に対して70重量%以上である態様を提供す
る。また薄膜状凝固卵がタレ中に分散している態様を
提供し、さらにはそのような薄膜状凝固卵を含有する卵
加工品からなる丼物の素を提供する。
【0011】本発明の卵加工品は、面積5〜300mm
2、厚さ2mm以下という特定の大きさの卵凝固物、即
ち、薄膜状凝固卵からなる。この薄膜状凝固卵を液状の
タレと混合し、分散させたものは流動性を有するものと
なる。そこで、薄膜状凝固卵を多量に液状のタレと混合
し、分散させたものを飯の上にかけると、薄膜状凝固卵
は容器の隅々まで行き渡り、薄膜状凝固卵の集合体が飯
を完全に覆い、飯が露出することを防止する。またこの
とき、液状のタレは薄膜状凝固卵の間隙を通って飯にし
みこむので、薄膜状凝固卵の集合体が飯の上を覆い尽く
すにもかかわらず、タレは飯中にしみこむようになる。
【0012】さらに本発明の卵加工品において、薄膜状
凝固卵として、黄色を呈する薄膜状凝固卵と、白色を呈
する薄膜状凝固卵との少なくとも2種が含有される態様
においては、これを飯の上にかけると、飯上の薄膜状凝
固卵の集合体には、卵黄液の凝固色である黄色が濃い部
分と、卵白液の凝固色である白色が濃い部分とができ、
かつそれらが自然に混ざり合い、彩りのよい手作り風の
丼物を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明の卵加工品は、面積5〜300mm
2、厚さ2mm以下という特定の大きさの薄膜状の卵凝
固物、即ち、薄膜状凝固卵からなることを特徴の一つと
する卵加工品である。
【0015】薄膜状凝固卵の面積が5mm2未満と小さ
すぎると、後述するように、薄膜状凝固卵として、黄色
を呈する薄膜状凝固卵と白色を呈する薄膜状凝固卵との
2種を含有させた場合でも、それらの色の相違が、この
卵加工品を丼物の具として容器に盛りつけたときに明瞭
に識別できなくなる。一方、手作りの丼物の彩りは、卵
黄液の凝固色である黄色が濃い部分と、卵白液の凝固色
である白色が濃い部分とを有する。したがって、薄膜状
凝固卵として黄色を呈するものと白色を呈するものとの
識別ができなくなると、手作りの丼物の彩りから離れた
ものとなるので好ましくない。
【0016】また、薄膜状凝固卵が、面積300mm2
を超え、あるいは厚さ2mmを超える大きな卵凝固物と
なると、黄色を呈する卵凝固物と白色を呈する卵凝固物
との2種を含有させた場合に、この2種の卵凝固物がそ
れぞれブロックの塊として見え、これらに一体感が認め
られなくなり、手作りの丼物の風合いから離れたものと
なるので好ましくない。
【0017】本発明の卵加工品においては、かかる特定
の大きさの薄膜状凝固卵が、卵凝固物中に多量に含まれ
ていることが好ましく、例えば、卵凝固物全体の固形分
に対して70重量%以上という大きな割合とすることが
好ましい。これにより本発明の卵加工品は、薄膜状凝固
卵の集合体としての効果を発揮するようになる。
【0018】即ち、薄膜状凝固卵を多量に寄せ集めた集
合体において、一つ一つの薄膜状凝固卵は独立的に存在
しているので、薄膜状凝固卵の集合体は液状のタレと混
合すると容易に分散し、流動性を有するようになる。そ
して、この薄膜状凝固卵をタレに分散させたものを飯の
上にかけると、薄膜状混合物は飯の上を流れて広がり、
飯上の隅々まで覆い尽くすようになる。一方、このとき
タレは薄膜状凝固卵の隙間を通って飯中にしみこむの
で、薄膜状凝固卵を飯にかけるのと同時に飯にタレをし
み込ませることが可能となる。そして、タレが飯中にし
み込んだ後は、薄膜状凝固卵は、その飯上に留まるの
で、飯が露出することを防止できる。
【0019】また、こうして飯の上に留まった薄膜状凝
固卵の集合体は、個々の薄膜状凝固卵が独立的に存在し
ているにもかかわらず、40〜50cm程度離れた位置
から見ると、個々の薄膜状凝固卵の大部分が重なり、つ
ながって塊状物に見えるので、上述のように飯の上にか
けた薄膜状凝固卵の集合体は、手作りで丼物を作った場
合に得られる卵液の凝固物のように見えることとなる。
【0020】さらに、この薄膜状凝固卵の集合体は、個
々の薄膜状凝固卵が独立しているので、具材や飯粒によ
く絡み付き、食したときに卵の風味を具材や飯粒と同時
に味わうことを可能とする。このような食感は、従来の
親子丼のレトルト食品に入っているような比較的大きい
卵凝固物のブロックが、卵、具材及び飯粒がそれぞれバ
ラバラで大味に感じられるのとは大きく異なり、手作り
の丼物の凝固卵に極めて近いものとなる。
【0021】以上の薄膜状凝固卵は、卵液を、加熱等に
より薄膜状に凝固させ、上述の大きさにカットすること
により得ることができる。
【0022】ここで、卵液を構成する卵としては、食用
にされる卵類である鶏、鶉、アヒル等をあげることがで
き、特に、入手容易性の点から、一般に広く流通してい
る鶏卵を使用することが好ましい。
【0023】また、薄膜状凝固卵としては、全卵液、卵
黄液、あるいは卵白液のいずれからなる薄膜状凝固卵も
使用することができるが、黄色を呈する薄膜状凝固卵と
白色を呈する薄膜状凝固卵との少なくとも2種が含有さ
れていることが好ましい。これにより、飯の上にかけら
れた薄膜状凝固卵の集合体の色味が手作りで丼物を作っ
た場合の卵液の凝固物と同様の色味を呈し、従来の親子
丼のレトルト食品に入っているような黄色単一色の塊状
物とは異なるものとなる。
【0024】この黄色を呈する薄膜状凝固卵の原料とな
る卵液としては、例えば、卵黄液を主成分とする液状物
を使用することができる。ここで、卵黄液としては、全
卵から分離した卵黄液をそのまま使用してもよく、全卵
から分離した卵黄液に濾過、殺菌、凍結、乾燥等の各種
処理を施した後液状に戻した卵黄液を使用してもよい。
成分の一部(例えば、コレステロール、糖分、リチゾー
ム等)を除去した卵黄液を使用してもよい。
【0025】また、この卵凝固物の原料となる卵液に
は、卵黄液の他に全卵液や卵白液が含有されてもよい。
【0026】さらに、この卵液には、凝固物の黄色度を
強めるため、必要に応じてβ―カロチン、クチナシ、ア
ナトー色素などの着色成分を添加してもよい。着色成分
の添加量は、味や色の自然さの点から、卵加工品全重量
に対して0.01〜0.5重量%とすることが好まし
い。
【0027】卵液には、その他の任意成分を添加するこ
ともできる。任意成分としては、例えば、食用油、清
水、ガム質(キサンタンガム、タマリンドガム、グアー
ガム等)、調味料(食塩、砂糖、グルタミン酸ソーダ、
醤油、味噌等)、デンプン(各種加工デンプンを含
む)、乳製品(牛乳、生クリーム等)、ゼラチン等をあ
げることができる。
【0028】一方、白色を呈する卵凝固物の原料となる
卵液としては、例えば、卵白液を主成分とする液状物を
使用することができる。ここで、卵白液としては、全卵
から分離した卵白液をそのまま使用してもよく、上述の
卵黄液と同様に、全卵から分離した卵白液に濾過、殺
菌、凍結、乾燥等の各種処理を施した後液状に戻したも
のを使用してもよく、成分の一部を除去したものを使用
してもよい。また、この卵凝固物の原料となる卵液に
は、卵白液の他に全卵液や卵黄液が含有されてもよい。
【0029】さらに、この卵液には上述の卵黄液の場合
と同様にその他の任意成分を添加することもできる。
【0030】上述したように、本発明において、薄膜状
凝固卵としては、黄色を呈する薄膜状凝固卵と白色を呈
する薄膜状凝固卵の少なくとも2種の薄膜状凝固卵が含
有されていることが好ましいが、より手作りの丼物の卵
液の凝固物の色味に近づけるためには、上述の黄色を呈
する薄膜状凝固卵と白色を呈する薄膜状凝固卵との中間
の色味を有する薄膜状凝固卵も含有させることが好まし
い。
【0031】このような薄膜状凝固卵は、例えば、全卵
液を主成分とする卵液の凝固により得ることができる。
ここで、全卵液とは、卵を割卵したままの全卵液を使用
してもよく、全卵液を濾過、殺菌、凍結、乾燥等の各種
処理を施した後液状に戻した卵液を使用してもよく、一
度、分離した卵黄と卵白とを任意の比率で混合したもの
を使用してもよい。さらに、この卵液にも上述の卵黄液
や卵白液の場合と同様に、その他の任意成分を添加する
こともできる。
【0032】以上のように、薄膜状凝固卵をタレと混合
し、タレ中に分散させたものは、特に、薄膜状凝固卵と
して黄色を呈するものと白色を呈するものとの少なくと
も2種が含有されている場合、それを飯の上にかけると
いう単一工程で、形状、色味共に手作りの丼物と同様の
ものを得ることを可能とし、かつ、タレのかかった状態
の丼物を簡便に得ることを可能とする。それ故、この混
合物は、丼物の素として極めて有用なものとなる。そこ
で本発明は、薄膜状凝固卵がタレ中に分散している卵加
工品を丼物の素として提供する。
【0033】なお、この丼物の素として使用するタレと
しては、通常、常温で液状であって、当該濃度でそのま
ま食される各種調味液を使用することができるが、使用
時に清水で希釈して使用する濃縮タイプのものでもよ
く、また、ゼラチン等の添加により常温では固化してい
るが加熱により液状となるものでもよい。
【0034】本発明の丼物の素には、薄膜状凝固卵及び
タレの他に、必要に応じて、カツ、鶏肉、タマネギ、人
参等の具材を加えてもよい。また、本発明の丼物の素
は、冷凍食品、チルド食品、レトルト食品等に加工する
ことができる。
【0035】本発明の薄膜状凝固卵からなる卵加工品
は、丼物に使用する他、蟹玉、芙蓉蟹、天津飯、中華ス
ープなどにも使用することができる。これら丼物以外の
用途に使用する場合にも、必要に応じて、各種タレある
いは具材と混合して使用することができる。
【0036】次に、本発明の卵加工品の代表的な製造方
法について、より詳細に説明する。
【0037】黄色を呈する薄膜状凝固卵、白色を呈する
薄膜状凝固卵、及びこれらの中間の色を呈する薄膜膜状
凝固卵の各々について、原料となる卵液の構成成分を用
意し、それぞれ撹拌機にて撹拌混合する。この場合、油
脂の分離を防止するため、必要に応じて乳化剤を添加し
て乳化してもよい。また、糖類、塩類、デンプン類、多
糖類、蛋白質類、アミノ酸類、調味料等を添加してもよ
い。
【0038】次に、水槽に80℃以上の清水又は調味液
を流速1〜4m/分程度の速さで流動させながら、これ
に各卵液をそれぞれ別個に、あるいは同時に0.5〜3
kg/分の速さで滴下し、1〜4分程度経過させて厚さ
2mm以下の薄膜状に凝固させ、面積の比較的大きい薄
膜状凝固卵を得る。これをザル等で水切りした後、撹拌
機又はニーダー(加熱撹拌装置)等に投入し、撹拌す
る。これにより、面積の比較的大きい薄膜状凝固卵を細
切れにし、面積5〜300mm2程度の薄膜状凝固卵と
する。また、ニーダー等に投入する際に、必要に応じて
タレ等を添加してもよい。
【0039】なおこのように薄膜状凝固卵を製造する場
合に、その厚さの調整は、水槽への卵液の単位時間あた
りの滴下量と水槽内の清水又は調味液の流速を適宜選択
することにより行うことができる。即ち、卵液の単位時
間あたりの滴下量を少なくするほど、また、水槽内の清
水又は調味液の流速を速めるほど得られる薄膜状凝固卵
の厚さは薄くなる。また、薄膜状凝固卵の面積は、撹拌
機又はニーダーでの撹拌時間により調整することがで
き、撹拌時間を長くするほど小面積の薄膜状凝固卵を得
ることができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0041】実施例1〜10及び比較例1〜3 第1の卵液、第2の卵液及び第3の卵液を、それぞれ表
1〜表3の配合成分を撹拌機にて撹拌混合することによ
り調製した。
【0042】水槽に95℃の清水を流速2m/分程度で
流動させながら、この水槽中に各卵液をそれぞれ別々の
ノズルから1kg/分、1kg/分、2kg/分の速さ
で滴下し、約3分間経過させて厚さ0.5〜1mm程度
の比較的大面積の薄膜状に凝固させた。得られた各卵液
の薄膜状の凝固物を金網にとり、水切りし、ニーダーに
投入して撹拌することにより細切りした。この場合、ニ
ーダーでの撹拌時間を調整することにより、表4に示す
ように、平均面積1〜500mm2程度の薄膜状凝固卵
を得た(実施例1〜7及び比較例1,2)。 また、清
水の流速と単位時間あたりの卵液の滴下量とを調整する
ことにより、表5に示すように、平均面積100mm2
で平均厚さ0.2〜3mmの薄膜状凝固卵を得た(実施
例8〜10及び比較例3)。
【0043】
【表1】第1の卵液(卵黄主成分) 卵黄液 90kg デンプン 3kg キサンタンガム 0.05kg 菜種油 8kg β―カロチン 0.02kg
【0044】
【表2】第2の卵液(卵白主成分) 卵白液 92kg デンプン 3kg キサンタンガム 0.2kg 菜種油 5kg
【0045】
【表3】第3の卵液(全卵主成分) 全卵液 82kg デンプン 3kg キサンタンガム 0.2kg 菜種油 15kg
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】第1、第2及び第3の卵液からそれぞれ得
た薄膜状凝固卵(合計60kg)と、次の表6の配合の
タレ40kgとを混合し、1kgずつ袋詰めし、丼物の
素とした。
【0049】
【表6】タレ 醤油 15kg ミリン 15kg 砂糖 5kg だし汁 65kg
【0050】評価 弁当用容器に飯200gを詰め、常法により作ったカツ
を飯の上に載せ、この上から、上述の実施例1〜10及
び比較例1〜3で得た丼物の素をそれぞれ100gをか
けて弁当を製造した。
【0051】弁当の製造30分後に、パネラーに弁当を
そこから40〜50cm離れた位置から外観観察させ、
その結果を次の基準で判定させた。結果を表4及び表5
に示す。
【0052】判定基準 ◎:飯の上の薄膜状凝固卵の集合体に一体感があり、黄
色の部分と白色の部分とが入りまじって彩りがよく、手
作りの外観によく似ており、印象が大変よい。 ○:手作りの外観に似ており、印象がよい。 △:従来の丼物のレトルト食品に入っている卵凝固物の
ブロックよりは手作り感がある。 ×:彩りに欠ける。または、一体感がない。
【0053】表4及び表5の結果から、薄膜状凝固卵が
面積5〜300mm2、厚さ2mm以下である場合に、
それを用いた丼物の素が手作りの丼物の具に似た外観を
呈し、食する者に良好な印象を与えることがわかる。こ
れに対して、薄膜状凝固卵の面積あるいは厚さがこの範
囲外の丼物の素は、手作りの丼物の具の外観をなさず、
印象の劣ることがわかる。特に、面積が1mm2の薄膜
状凝固卵からなる丼物の素(比較例1)は、黄色の部分
と白色の部分との区別がほとんどつかず、ほぼ均一な色
に感じられ、彩りに欠け、べちゃべちゃした風合いとな
った。また、面積が500mm2の薄膜状凝固卵からな
る丼物の素(比較例2)は、個々の薄膜状凝固卵が目視
されるようになり、薄膜状凝固物の集合物としての一体
感に欠けた物となった。また、厚さが2mmを超える薄
膜状凝固卵からなる丼物の素(比較例3)も薄膜状凝固
物の集合物としての一体感に欠けた物となった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、弁当容器等に入れた飯
の上にかけるだけで飯全体が卵を凝固させた具で覆わ
れ、また、具を飯に載せる際にタレをかける工程を別途
とらなくてもタレを飯にしみこませることができ、さら
に卵液の凝固部分が、卵黄液の凝固色である黄色と卵白
液の凝固色である白色とが入り混じった、彩りのよい手
作り風となる卵加工品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有満 和人 東京都調布市東つつじヶ丘2丁目37番9 号 (56)参考文献 特開 昭64−13974(JP,A) 特開 昭61−3457(JP,A) 特許2637017(JP,B2) 日本放送協会編「NHKきょうの料理 ポケットシリーズ<カラー版>(20)卵 料理」昭和55年第3刷発行,第14頁,第 67頁〜第69頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/32 A23B 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵凝固物からなる卵加工品であって、該
    卵凝固物が、面積5〜300mm2、厚さ2mm以下の
    薄膜状凝固卵からなり、かつ該卵凝固物として、少なく
    とも、黄色を呈する薄膜状凝固卵と、白色を呈する薄膜
    状凝固卵の2種が含有されていることを特徴とする卵加
    工品。
  2. 【請求項2】 卵凝固物中、面積5〜300mm2、厚
    さ2mm以下の薄膜状凝固卵が、卵凝固物全体の固形分
    に対して70重量%以上である請求項1記載の卵加工
    品。
  3. 【請求項3】 薄膜状凝固卵がタレ中に分散している請
    求項1又は2記載の卵加工品。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の卵加工
    品からなる丼物の素。
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