JP3633461B2 - インクジェットプリンタヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電式等のインクジェットプリンタヘッドの構成に係り、より詳しくは、ノズル及びアクチュエータを備えたフロントヘッドユニットと、インク供給通路を備えた本体フレームとの間のインクの漏れのないようにした構造及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先行技術のオンディマンド型の圧電式のインクジェットプリンタヘッドにおいては、例えば、特開平8−276586号公報に記載されているように、積層型のフロントヘッドユニットは、多数のノズルを備えたノズルプレートと、その背面に接着剤にて積層され、インク供給タンクに連通するリザーバ室と前記ノズルの孔径より大径の第1通孔を有するスペーサプレートと、該スペーサプレートの背面に接着され、前記リザーバ室と連通するオリフィスと前記第1通孔に連通する第2通孔を有するインク供給プレートと、該インク供給プレートの背面に接着された補強プレート及び圧力室を構成するための圧力室プレートと、前記圧力室の背面に接着した圧電振動板とから構成されている。他方、合成樹脂製のヘッドケースの凹部内の底部には、インクカートリッジからのインクが前記フロントヘッドユニットにおける複数のインク供給口に流入させる接続口が形成されており、該接続口の先端は、前記複数のインク供給口を囲み、且つそれより外側の底部の面より若干突出した縁部が形成されている。
【0003】
このフロントヘッドユニットを、前記ヘッドケースの下面の凹所内に接着剤にて固定する。その場合、前記縁部より外側の底部の面に接着剤を塗布してから前記凹部内にフロントヘッドユニットを挿入するという構成であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の従来の構成では、ヘッドケースが合成樹脂製の射出成形品であるとしても、フロントヘッドユニットの外周形状に合わせた凹部を正確に形成することができず、また、前記接続口の先端の縁部の高さの平坦度等の精度も高くないから、凹部の内壁面に接着剤を塗布してからフロントヘッドユニットを挿入すると、前記縁部とフロントヘッドユニットの裏面との隙間に介在する接着剤に流通するインクが接触することになる。このため、インクの成分と接着剤の成分との関係から、インク中に粘着性の粒子が分散してフロントヘッドユニットのノズルを詰まらせたり、逆にインクが前記接着剤を侵し、また接着剤中に巻き込まれた気泡のために前記隙間から気泡を介して外にインク漏れを起こすという、いわゆるシール性が低下するという問題があった。
【0005】
また、前記隙間から接続口内方向に接着剤が漏れて、インク供給口もしくはインク供給口に張設したフィルタの有効面積が接着剤にて狭くなるという問題もあった。
【0006】
この問題を避けるため、前記接続口とインク供給口との間にオーリングを介挿し、フロントヘッドユニットをヘッドケースにビス止めするという構成も考えられるが、ビス止めの箇所を多くすることができず、且つ各ビス止め箇所ごとの締結力にバラツキが出るため、前記シール性に問題があり、且つビスの頭が厚さの薄いフロントヘッドユニットの前面に突出するという問題もあった。
【0007】
さらに、前記前者の場合には、前記接続口のシールとフロントヘッドユニットのヘッドケースへの固定とを一種類の接着剤にて一度に実行しようとするものであるからフロントヘッドユニットのノズルの向きをヘッドケースの下面と直交する方向に正確に合わせることも困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題を解消したインクジェットプリンタヘッド及びその製造方法を提供することを技術的課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドは、前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニットの裏面に設けたインクの供給孔と対面するように、前記インク供給通路の開口部を形成し、該開口部の外周の嵌合溝に嵌合したパッキンと、該パッキンの外周側の嵌合溝に充填したシール剤とにより、前記開口部と供給孔との隙間を封止したものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記シール剤は、前記フロントヘッドユニットによる前記パッキンへの押圧により、前記嵌合溝から溢れ出て前記フロントヘッドユニットと本体フレームとの間に達するように、前記嵌合溝に充填されているものである。
【0011】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記嵌合溝を前記開口部毎に形成し、該各嵌合溝毎にパッキンが装着されているものである。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記嵌合溝は、複数の開口部の外周を囲繞するように形成され、該各嵌合溝毎にパッキンが装着されているものである。
【0013】
そして、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記開口部もしくは前記供給孔には、塵濾過用のフィルタを配置させたものである。
【0014】
請求項6に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドの製造方法は、前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニットの裏面に設けたインクの供給孔と対面するように、前記インク供給通路の開口部を形成し、該開口部の外周の嵌合溝にパッキンを嵌合し、該パッキンの外周側の嵌合溝にシール剤を充填した後、前記フロントヘッドユニットの裏面を本体フレーム側へ押圧することにより前記パッキンを押し、前記嵌合溝内の前記シール剤が溢れ出て前記フロントヘッドユニットと本体フレームとの間に達した状態で、前記フロントヘッドユニットを本体フレームに固着したことを特徴とするものである。
【0015】
そして、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記フィルタヘッドユニットにおける供給孔を覆うように予めフィルタを貼着したことを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記本体フレームの底板には、前記複数のフロントヘッドユニットの裏面を並列状に支持するための支持部と、該フロントヘッドユニットの裏面の複数箇所が露出する空所とを設けておき、前記嵌合溝にパッキンを嵌合し、該パッキンの外周側の嵌合溝にシール剤を充填した後、前記複数のフロントヘッドユニットを相互に位置決めして配置し、該複数のフロントヘッドユニットの裏面に前記支持部を対向配置し、前記空所から充填した接着剤にて、前記複数のフロントヘッドユニットを前記支持部に固定することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。図1、図2及び図3は、本発明の実施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドの斜視図を示し、図4は本体フレーム1の下面図、図6はインク流通路のシール部の封止作業を示す図である。
【0018】
これらの図において、記録媒体に沿って走行する公知のキャリッジ(図示しない)に搭載される本体フレーム1は、ポリプロエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材の射出形成品から上面開放の略箱状に形成されており、その上方からインク供給源としての4つのインクカートリッジ(図示せず)を着脱自在に装着できる搭載部3を有し、該搭載部3の一側部位3aには、前記各インクカートリッジ2のインク放出部(図示せず)に接続できるインク供給通路4a,4b,4c,4dが本体フレーム1の底板5の下面まで連通している。
【0019】
前記底板5は、前記搭載部3から一段下に突出するようにして水平状に形成され、該底板5の下面側には、後に詳述するフロントヘッドユニット6を2つ並列させて配置するための2つの支持部8、8を段付き状に形成する。該各支持部8に隣接した部位には、図2、図4及び図5に示すように、前記各インク供給通路4a,4b,4c,4dに連通する開口部50,50,50,50が設けられ、その各開口部50毎の外周を囲繞するように環状の嵌合溝46が凹み形成されている。但し、隣接する開口部の配置間隔の短い箇所では、図5に示すように隣接する嵌合溝46、46との間が連通して平面視8字状に形成しても良い。
【0020】
そして、前記各嵌合溝46に、軟質のゴム製等のシール性の良好なリング状のパッキン47を嵌合する(図5参照)。その場合、パッキン47の内周面47aが前記各嵌合溝46の内周壁46aに密接するように(いわゆるしまり嵌めとなるように)、パッキン47の内径寸法D1が予め設定されている。
【0021】
また、前記底板5の各支持部8、8には、速硬化性の接着剤としてのUV接着剤7にてフロントヘッドユニット6を固定するための複数の空所9a,9bが上下に貫通するように形成されている。
【0022】
そして、図2、図7〜図10に示すように、複数の空所9a,9bは、一つのフロントヘッドユニット6に対してその四隅近傍を固定する箇所に形成されているものであり、実施形態では、前記2つの支持部8、8のうち一辺(実施形態では長辺)が隣接する箇所においては、並設する2つのフロントヘッドユニット6、6の裏面に跨がるように、空所9a,9aを広幅に形成する。
【0023】
なお、前記搭載部3の一側部位3aの上面には、前記インク放出部と密接できるようにしたゴム製等のパッキング53(図3参照)が配置されている。
【0024】
フロントヘッドユニット6は、図13に示すように、複数枚の金属板製の積層型のキャビティープレート10と、該キャビティプレート10に対して接着剤または接着シート41(図17参照)を介して接着・積層されるプレート型の圧電アクチュエータ20と、その上面に外部機器との電気的接続のために、フレキシブルフラットケーブル40が接着剤にて重ね接合されて構成されており、最下層のキャビティープレート10の下面(前面)側に開口されたノズル54から下向きにインクが吐出するものとする。
【0025】
さらに、フロントヘッドユニット6の前面(下面)に沿って、弾性のある薄金属板製のカバープレート44が固着されている。カバープレート44は、中央部分においてノズル54に対応する孔44aを有し、両端において底板5の下面側から本体フレーム1の側面に沿って折曲部分44b,44cが形成され、一方の折曲部分44bで、フレキシブルフラットケーブル40の中途部の下面側を覆うようにしている。
【0026】
カバープレート44の外周は、本体フレーム1に対してシリコーン接着剤等のシール剤45で封止固定されている。すなわち、カバープレート44の左右両側縁と底板5の左右両側に立ち上がったリブ5aとの間、およびカバープレート44の他方の折曲部分44cの先端と本体フレーム1の側面との間に沿って、ほぼU字状にシール剤45が充填され(図10、図11参照)、また、一方の折曲部分44bの内面とフレキシブルフラットケーブル40との間およびそのケーブル40と本体フレーム1の側面との間にそれぞれシール剤45が充填されている(図10参照)。カバープレート44の孔44aの内周とフロントヘッドユニット6の前面との間は、カバープレート44とフロントヘッドユニット6とを接着する接着剤によって封止される。これにより、2個のフロントヘッドユニット6の間は、カバープレート44によって塞がれ、かつ本体フレーム1とフロントヘッドユニット6の外周との間は、カバープレート44およびシール剤45を介して封止されて、本体フレーム1とフロントヘッドユニット6との隙間9cにインクや、紙粉、埃等が侵入することを防止でき、圧電アクチュエータ20とフレキシブルフラットケーブル40との電気的接続箇所の電気的短絡事故が防止できるのである。また、一方の折曲部分44bにより、フレキシブルフラットケーブル40の引き出し方向を案内できるとともに、そのケーブル40の保護もできる。
【0027】
また、後述するように、フロントヘッドユニット6の裏面側であって、最上層のベースプレート14の一端部に穿設された供給孔19aの上面には、その上方のインクカートリッジから供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が予め接着剤にて固定されている(図6(a)参照)。
【0028】
次に、前記フロントヘッドユニット6を本体フレーム1の底板5の支持部8に接着・固定する方法について説明する。
【0029】
まず、図示しない治具に、カバープレート44をその前面を下向きにして置き、前記2つのフロントヘッドユニット6,6を、そのノズル54をカバープレート44の孔44aに対応させ、かつノズル54の開放面(キャビティプレート10の下面(前面))を下向きにして、当該両ノズル54の列が平行状で所定間隔に配置されるように、フロントヘッドユニット6をカバープレート44上に接着剤を介在して載せる。これにより、2つのフロントヘッドユニット6,6の下面(前面)がほぼ正確に同一平面上に配置できる。このとき接着剤は、フロントヘッドユニット6をすぐにカバープレート44に固定するものである必要はなく、以下の工程中に徐々に硬化するものであってもよい。
【0030】
一方、図6(a)に示すように、本体フレーム1を支持部8が上向きとなるように配置し、前記各嵌合溝46にゴム製等のパッキン47を押し込み、当該パッキン47の高さの略半分乃至三分の一が底板5の下面より下に突出するようにしておき、次いで、シリコーン樹脂等の接着剤(シール剤)48を各嵌合溝46内に充填する。その後、フロントヘッドユニット6,6の上方から本体フレーム1を被せる。そのとき、各支持部8の段付きの凹部内に前記各フロントヘッドユニット6が収納されるようにセットすると、底板5のリブ5aの下縁はカバープレート44の下面とほぼ同一平面をなす状態に保持される。また、そのとき、前記各パッキン47の先端が、前述のフロントヘッドユニット6の裏面のうち、前記フィルタ29のうちの濾過部29a(インク供給孔19aに相当)よりも外周箇所に当接するようにセットする。なお、本体フレーム1をフロントヘッドユニット6,6に被せつけるとき、シール剤48は自身の粘性により嵌合溝46内に保持され、落ちてくることはない。またフロントヘッドユニット6,6を図示しない治具に保持したまま、本体フレーム1上に被せつけるようにして組み付けることもできる。次いで、フロントヘッドユニット6と本体フレーム1との一方または双方を相互に押さえ込むと、各パッキン47の内周面47aが前記各嵌合溝46の内周壁46aに密接した状態で、且つパッキン47の先端がインク供給孔19aより外周を囲むようにフィルタ29の外周部に密接しながら、当該各パッキン47は嵌合溝46内に沈み込む。そうすると、嵌合溝46内のシール剤48が当該嵌合溝46のうちパッキン47より外側へ溢れ出るが、前記パッキン47の先端は前以ってフィルタ29の表面に密接しているので、シール剤48は、パッキン47の内径部には浸入し得ず、パッキン47の外周部位においてフロントヘッドユニット6の裏面に接着して確実にシールすることができる。従って、パッキン47とその外周のシール剤48との二重のシール部が構成される結果、各フロントヘッドユニット6における供給孔19aより外周の裏面とパッキン47との当接部(接合部)からインクが確実に外に漏れ出さないようにすると共に、インクが前記開口部50から供給孔19aに流通する間において、シール剤48との接触がパッキン47の箇所で確実に遮断され、インクの成分とシール剤48の成分との化学反応等にてインク中にノズル54に詰まる粒子が発生したり、逆にシール剤48が侵されてシール性が劣化するという問題も無くなるのである。
【0031】
前記嵌合溝46は、各開口部50の単独の外周毎に設けても良い。また、隣接する複数の供給孔19aを同じ色のインクとして使用する場合には、これらの隣接する供給孔19a、19a(開口部50、50)をまとめて囲むような例えば平面視楕円状の嵌合溝を形成し、この嵌合溝に嵌まる楕円状のパッキン(図示せず)にて前記複数の供給孔19a、19a(開口部50、50)をまとめてシールするようにしても良い。さらに、嵌合溝46の内周壁46aを、先端側から嵌合溝の底に向かって抜き勾配を形成しても良い。
【0032】
次いで、本体フレーム1の上面側から前記各空所9a,9bに速硬化性の接着剤としての変性アクリル樹脂系接着剤の粘性のあるUV接着剤7を落とし込み充填し、次いで、本体フレーム1上から前記各空所9a,9bに向かって紫外線を照射する。すると、UV接着剤7は短時間(数十秒以内)で固化するのである。
【0033】
このとき、フロントヘッドユニット6の厚さ寸法H1aを、前記キャビティプレート10の前面からフレキシブルフラットケーブル40の裏面までの厚さとし、カバープレート44の厚さ寸法をH1bとするときには、前記段付き状の各支持部8の深さ寸法H2は、H1a+H1bより若干深く設定すると(図7参照)、各支持部8とフレキシブルフラットケーブル40や圧電アクチュエータ20、さらにはキャビティプレート10の上面(裏面)との間に若干の隙間9cができ、この隙間9cに前記UV接着剤7が浸入した状態で秒単位で固化するから、本体フレーム1でフロントヘッドユニット6のいずれの箇所も押さえ付ける余分な外力が作用しない状態の元で両者を固定することができる。なお、カバープレート44は,2つのフロントヘッドユニット6,6を不動に保持するなどの剛性はない。したがって、キャビティプレート10の前面が治具の面と平行状を保ち、換言すると、ノズル54の軸線(インクの噴射方向に対応する)を治具の表面に対して直交する方向に正確に設定でき、かつ2つのフロントヘッドユニット6,6のノズル列の相互の関係も正確に維持できる。
【0034】
また、前記凹所9a,9bを例えば、平面視矩形状のフロントヘッドユニット6の四隅近傍に配置することにより、UV接着剤7の固化時に、当該接着剤の収縮歪みに伴うフロントヘッドユニット6の位置ずれを極力少なくすることができる。
【0035】
フロントヘッドユニット6の四隅近傍を固化することで、後にインクジェットヘッドをプリンタに搭載した状態での不使用時に、ノズル部分の乾燥を防止すべくゴム製等のキャップでキャビティプレート10の前面を密接すべく押圧したときに当該キャビティプレート10の平面が歪むような変形が起こり難くなるという利点を有する。
【0036】
さらに、図4、図7及び図9に示すように、並列させたフロントヘッドユニット6、6の隣接する辺に跨がって空所9aが広幅で形成されていると、1箇所の空所9aにUV接着剤7を充填し、紫外線照射で、2つのユニット6、6を一度に固化でき、作業速度の短縮及び製造効率の大幅向上に寄与できる。
【0037】
なお、速硬化性の接着剤としては、前記UV接着剤7と成分が類似する湿気硬化型接着剤等も使用できる。
【0038】
その後、図10、図11に示すように、カバープレート44の左右両側縁とリブ5aとの間、およびカバープレート44の折曲部分44cの先端と本体フレーム1の側面との間にシール剤45を塗布する。なお、フレキシブルフラットケーブル40と本体フレーム1との間、フレキシブルフラットケーブル40とカバープレート44との間、およびカバープレート44における折曲部分44cのコーナ部と本体フレーム1との間には、フロントヘッドユニット6に本体フレーム1を被せつける前に、シール剤45をあらかじめ塗布しておく。これにより、前記隙間9cの外周を完全に封止することができ、外部からインクや、紙粉、埃等が侵入することを防止できるのである。
【0039】
次に、フロントヘッドユニット6の各構成部品の詳細について説明する。前記キャビティープレート10は、図12〜図15、図17に示すように構成されている。すなわち、ノズルプレート43、下層プレート11、二枚のマニホールドプレート12、スペーサプレート13及びベースプレート14の五枚の薄い金属板をそれぞれ接着剤にて重ね接合して積層した構造であり、実施形態では、ノズルプレート43を除く各プレートは、42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さを有する。前記ノズルプレート43には、微小径(実施形態では25μm程度)の多数個のインク噴出用のノズル54が、当該ノズルプレート43における第1の方向(長辺方向)に沿って2列の千鳥配列状に設けられている。それに対応する連通孔15が下層プレート11の前記第1の方向に延びる2つの平行状の基準線11a、11bに沿って、微小ピッチPの間隔で千鳥状配列に穿設されている。前記二枚のマニホールドプレート12には、インク通路12a、12bが、前記連通孔15の列の両側に沿って延びるように穿設されている。但し、下層プレート11に対面する下側のマニホールドプレート12におけるインク通路12bは、当該マニホールドプレート12の上側にのみ開放するように凹み形成されている(図15参照)。このインク通路12a、12bは、上側のマニホールドプレート12に対する前記スペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。
【0040】
また、前記ベースプレート14には、その長辺(前記第1の方向)に沿う中心線に対して直交する第2の方向(短辺方向)に延びる細幅の圧力室16の多数個が穿設されている。そして、前記中心線を挟んで左右両側にて平行状の長手基準線14a、14bを設定すると、前記中心線より左側の圧力室16の先端16aは前記左側の長手基準線14a上に位置し、逆に前記長手中心線より右側の圧力室16の先端16aは前記右側の長手基準線14b上に位置し、且つこの左右の圧力室16の先端16aが交互に配置されているので、左右両側の圧力室16は一つおきに互いに逆方向に延びるように交互に配置されていることになる。
【0041】
この各圧力室16の先端16aは、前記ノズルプレート43における前記千鳥状配列のノズル54に、前記スペーサプレート13及び両マニホールドプレート12に同じく千鳥状配列にて穿設されている微小径の貫通路17、17、17及び連通孔15を介して連通している。一方、前記各圧力室16の他端16bは、前記スペーサプレート13における左右両側部位に穿設された貫通孔18を介して、前記両マニホールドプレート12におけるインク通路12a、12bに連通している。
【0042】
前記各圧力室16の他端16bは、図15に示すように、ベースプレート14の下面側にのみ開口するように凹み形成されているものである。また、最上層のベースプレート14の一端部に穿設された供給孔19aの上面には、その上方のインクカートリッジから供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が張設されている。
【0043】
これにより、前記前記ベースプレート14及びスペーサプレート13の一端部に穿設の供給孔19a,19bから前記インク通路12a、12b内に流入したインクは、このインク通路12aから前記各貫通孔18を通って前記各圧力室16内に分配されたのち、この各圧力室16内から前記貫通路17、17、17及び連通孔15を通って、当該圧力室16に対応するノズル54に至るという構成になっている(図17参照)。
【0044】
一方、前記圧電アクチュエータ20は、図12、図13及び図16に示すように、9枚の圧電シート21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,22,23を積層した構造で、前記各圧電シートのうち最下段の圧電シート22とそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シート21b,21d,21fの上面(広幅面)には、前記キャビティープレート10における各圧力室16の箇所ごとに細幅の個別電極24が、第1の方向(長辺方向)に沿って列状に形成され、各個別電極24は前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って各圧電シートの長辺の端縁部近傍まで延びている。下から偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの上面(広幅面)には、複数個の圧力室16に対して共通のコモン電極25が形成されている。
【0045】
実施形態においては、前記各個別電極24の幅寸法は対応する圧力室16における平面視での広幅部より少し狭く設定されている。
【0046】
他方、圧力室16は前記のベースプレート14の短辺の中央部側で、前記第1の方向(長辺)に沿って2列状に配列されているので、前記コモン電極25は、その2列の圧力室16、16を一体的に覆うように、偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの短辺方向の中央において長辺に沿って延びる平面視略矩形状に形成されると共に、該偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの対の短辺の端縁部近傍では当該端縁部のほぼ全長にわたって延びる引出部25a,25aが一体的に形成されている。
【0047】
そして、前記偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの対の長辺の端縁部近傍の表面であって、前記コモン電極25が形成されていない箇所には、前記各個別電極24と同じ上下位置(対応する位置)に、当該個別電極24と略同じ幅寸法で長さの短いダミー個別電極26を形成する。
【0048】
他方、最下段の圧電シート22とそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シート21b,21d,21fの上面(広幅面)のうち、前記引出部25a,25aに対応する位置(同じ上下位置、圧電シートの対の短辺の端縁部近傍)には、ダミーコモン電極27を形成するのである。
【0049】
前記最上段のトップシート23の上面には、その長辺の端縁部に沿って、前記各個別電極24の各々に対する表面電極30と、前記コモン電極25に対する表面電極31とが、設けられている。
【0050】
さらに、前記最下段の圧電シート22を除いて、他の全ての圧電シート21a,21b,21c,21d,21e,21f,21gとトップシート23とには、前記各表面電極30と、それに対応する位置(同じ上下位置)の個別電極24並びにダミー個別電極26とが互いに連通するように、スルーホール32を穿設する。同様に、前記少なくとも1つの表面電極31(実施形態では、トップシート23の4隅の位置の表面電極31)と、それに対応する位置(同じ上下位置)のコモン電極25乃至はその引出部25aが互いに連通するように、スルーホール33を穿設し、スルーホール32、33内に充填された導電性材料を介して、各層の個別電極24同士及びそれと対応する位置の表面電極30とが電気的に接続されているように構成し、同じく、各層のコモン電極25同士及びそれと対応する位置の表面電極31とが電気的に接続されているように構成するものである。
【0051】
前記した構成の圧電アクチュエータ20は、以下に述べるような方法で製造される。即ち、前記一つの圧電アクチュエータ20における圧電シート21b,21d,21fの複数個をマトリックス状に並べて一体化してなる第1素材シート(セラミックグリーンシート)の表面のうち各圧電シートの箇所に、複数個の個別電極24と、捨てパターンの電極としてのダミーコモン電極27を設ける位置に対応して予めスルーホール32を穿設する。同様に、圧電シート21a,21c,21e,21gの複数個をマトリックス状に並べて一体化してなる第2素材シート(セラミックグリーンシート)の表面のうち各圧電シートの箇所に、複数個のコモン電極25と、捨てパターンの電極としてのダミー個別電極26を設ける位置に対応して予めスルーホール33を穿設する。さらに、前記と同様に、トップシート23の複数個をマトリックス状に並べて一体化してなる第3素材シート(セラミックグリーンシート)の表面のうちトップシート23の箇所に、複数個の表面電極30、31を設ける位置に対してスルーホール32、33を穿設する。
【0052】
そして、各圧電シート21b,21d,21f、22の表面に個別電極24及びダミーコモン電極27を、圧電シート21a,21c,21e,21gの表面にコモン電極25及びダミー個別電極26を、トップシート23の表面に表面電極30、31の箇所を、それぞれ、導電ペーストのスクリーン印刷にて形成すると、前記各スルーホール32、33は、第1、第2素材シートの上下広幅面に貫通しているので、各スルーホール32、33内にも前記導電ペーストが浸入し、該各スルーホール32、33を介して各電極部分でシートの上下面で導電通可能となる。次いで、各グリーンシートを乾燥した後、積層し、次いで積層方向にプレスすることで一体化して、一枚の積層体にする。その後焼成する。
【0053】
これにより、上下に積層された複数枚の圧電シート21とトップシートとは上下同じ位置の前記個別電極24及びダミー個別電極26が表面電極30の箇所と電気的に接続されるし、同じく上下複数枚のコモン電極25及びダミーコモン電極27が表面電極31の箇所と電気的に接続されることになる。
【0054】
なお、圧電アクチュエータ20の厚さ方向の外周側面にて個別電極24同士やコモン電極25同士を電気的に接続するように、側面電極(図示せず)を形成しても良い。
【0055】
そして、このような構成のプレート型の圧電アクチュエータ20は、前記キャビティープレート10に対して、当該圧電アクチュエータ20における各個別電極24が前記キャビティープレート10における各圧力室16の各々に対応するように積層固定される(図17参照)。また、この圧電アクチュエータ20における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル40が重ね接着されることにより、このフレキシブルフラットケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表面電極30、31に電気的に接合される。
【0056】
この構成において、前記圧電アクチュエータ20における各個別電極24のうち任意の個別電極24と、コモン電極25との間に電圧を印加することにより、圧電シート21,22のうち前記電圧を印加した個別電極24の部分に圧電による積層方向の歪みが発生し、この歪みにて前記各個別電極24に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、この圧力室16内のインクが、ノズル54から液滴状に噴出して(図17参照)、所定の印字が行われる。
【0057】
また、並列すべきフロントヘッドユニットは2〜4と任意に構成することができ、フロントヘッドユニットにおけるキャビティプレートは金属材料の他、セラミックス材であっても良い。さらに、本発明のインクジェットプリンタの駆動手段は、上記のプレート状の圧電アクチュエータ20の他の形式であっても良いし、静電気により、圧力室の背面を覆う振動板を振動させてインクをノズル54から吐出させる構成であっても良い。
【0058】
また、本体フレーム1にインクカートリッジを搭載することなく、キャリッジ外のインクタンクからチューブを介してインク供給路4a〜4dにインクを供給するものであってもよい。さらに、シール剤48,45は、接着作用を有するものであってもよい。
【0059】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドは、前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニットの裏面に設けたインクの供給孔と対面するように、前記インク供給通路の開口部を形成し、該開口部の外周の嵌合溝に嵌合したパッキンと、該パッキンの外周側の嵌合溝に充填したシール剤とにより、前記開口部と供給孔との隙間を封止したものである。
【0060】
このように構成すれば、パッキンの先端が、フロントヘッドユニットの裏面のインクの供給孔の周囲を囲むように密接して、前記開口部とインクの供給孔との隙間を塞いだ状態で、該パッキンの外周側にシール剤が充填されるから、このシール剤がパッキンを越えてその内周側に浸入することがなく、前記供給孔の有効面積を狭めることがないし、インクとシール剤との接触による化学反応がなくなり、フロントヘッドユニットにおけるノズル等を詰まらせる粒子等も発生しないから、インクジェットプリンタヘッドの性能が低下しないという効果を奏する。
【0061】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記シール剤は、前記フロントヘッドユニットによる前記パッキンへの押圧により、前記嵌合溝から溢れ出て前記フロントヘッドユニットと本体フレームとの間に達するように、前記嵌合溝に充填されていることで、請求項1に記載の発明による効果に加えて、フロントヘッドユニットと本体フレームとの組み付け時に、前記開口部と供給孔との間にシール剤を容易に充填することができるという効果を奏する。
【0062】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記嵌合溝を前記開口部毎に形成し、この嵌合溝毎にパッキンを嵌合しておけば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、1つのフロントヘッドユニットに複数の供給孔がある場合にも、この各供給孔及び開口部毎にパッキンにてシールすることができ、各供給孔毎に異なる色のインクを供給することができるという効果を奏する。
【0063】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記嵌合溝は、複数の開口部の外周を囲繞するように形成され、この嵌合溝毎にパッキンを嵌合しておけば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、1つのフロントヘッドユニットにおける複数の供給孔及び開口部をまとめて1つのパッキンでシールすることができてシール作業及び構成が簡単にできると共に、その複数の供給孔に共通の色のインクを供給することができるという効果を奏する。
【0064】
そして、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記開口部もしくは前記供給孔には、塵濾過用のフィルタを配置させたものである。
【0065】
このように構成すれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明による効果に加えて、インク供給源側に塵があっても、前記フィルタにて塵を除去でき、インクジェットプリンタヘッドの性能を劣化させないという効果を奏する。
【0066】
請求項6に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドの製造方法は、前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニットの裏面に設けたインクの供給孔と対面するように、前記インク供給通路の開口部を形成し、該開口部の外周の嵌合溝にパッキンを嵌合し、該パッキンの外周側の嵌合溝にシール剤を充填した後、前記フロントヘッドユニットの裏面を本体フレーム側へ押圧することにより前記パッキンを押し、前記嵌合溝内の前記シール剤が溢れ出て前記フロントヘッドユニットと本体フレームとの間に達した状態で、前記フロントヘッドユニットを本体フレームに固着したことを特徴とするものである。
【0067】
このような製造工程によると、フロントヘッドユニットと本体フレームとを相対的に押さえ込むことにより、パッキンの内周面が前記嵌合溝の内周壁に密接した状態で、且つパッキンの先端がインクの供給孔より外周を囲むようにフロントヘッドユニットの裏面に密接しながら、当該パッキンは嵌合溝内に沈み込み、嵌合溝内のシール剤が当該嵌合溝のうちパッキンより外側へ溢れ出ても、前記パッキンの先端は前以ってフロントヘッドユニットの裏面に密接しているので、シール剤は、パッキンの内径部には浸入し得ず、パッキンの外周部位においてフロントヘッドユニットの裏面に接着して確実にシールすることができるという効果を奏する。
【0068】
そして、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記フィルタヘッドユニットにおける供給孔を覆うように予めフィルタを貼着したことを特徴とするものである。
【0069】
このようにフィルタを供給孔を覆うように予めに貼着しておけば、このフィルタが妄りに移動せず、前記パッキンとシール剤とによるシール性も阻害しないという効果を奏する。
【0070】
また、請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記本体フレームの底板には、前記複数のフロントヘッドユニットの裏面を並列状に支持するための支持部と、該フロントヘッドユニットの裏面の複数箇所が露出する空所とを設けておき、前記嵌合溝にパッキンを嵌合し、該パッキンの外周側の嵌合溝にシール剤を充填した後、前記複数のフロントヘッドユニットを相互に位置決めして配置し、該複数のフロントヘッドユニットの裏面に前記支持部を対向配置し、前記空所から充填した接着剤にて、前記複数のフロントヘッドユニットを前記支持部に固定することを特徴とするものである。
【0071】
このような製造工程を採用すると、前記パッキンとシール剤とによるインクの供給孔箇所のシール作業とフロントヘッドユニットのヘッドケースへの取付け固定作業とが同時に完了できるから、請求項6または請求項7に記載の発明による効果に加えて、インクジェットプリンタヘッドの組み立て作業効率が大幅に向上すると共に、フロントヘッドユニットの配置位置誤差も極めて小さくできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるインクジェットプリンタヘッドのノズル側を上にした斜視図である。
【図2】インクジェットプリンタヘッドの部品の分解斜視図である。
【図3】本体フレームの上方から見たインクジェットプリンタヘッドの部品の分解斜視図である。
【図4】本体フレームの底板を下面側から見た図である。
【図5】図4のV−V線矢視で見たパッキン等の各部品の拡大断面図である。
【図6】(a)は本体フレームの底板の嵌合溝にパッキンを嵌合し接着剤を充填するシールの工程の図、(b)はパッキンにフロントヘッドユニットを押しつけてシールする状態の工程の図である。
【図7】図4のVII −VII 線矢視で見た各部品の拡大断面図である。
【図8】図4の VIII −VIII線矢視で見た各部品の拡大断面図である。
【図9】図4のVII −VII 線矢視で見た本体フレームとフロントヘッドユニットとの接着部を示す拡大断面図である。
【図10】図4の VIII −VIII線矢視で見た本体フレームとフロントヘッドユニットとの接着部を示す拡大断面図である。
【図11】インク供給のための開口部と供給孔とのシール部を示す拡大断面図である。
【図12】フロントヘッドユニットの各部品の斜視図である。
【図13】キャビティープレートと圧電アクチュエータとの一端部を示す拡大斜視図である。
【図14】キャビティープレートの分解斜視図である。
【図15】キャビティープレートの部分的拡大斜視図である。
【図16】圧電アクチュエータの分解斜視図である。
【図17】フロントヘッドユニットの拡大側断面図である。
【符号の説明】
1 本体フレーム
5 底板
6 フロントヘッドユニット
7 UV接着剤
8 支持部
9a,9b 空所
9c 隙間
10 キャビティープレート
11 下層プレート
12a,12b マニホールドプレート
13 スペーサプレート
14 ベースプレート
16 圧力室
19a,19b インクの供給孔
20 圧電アクチュエータ
29 フィルタ
40 フレキシブルフラットケーブル
43 ノズルプレート
46 嵌合溝
47 パッキン
48 接着剤(シール剤)
50 開口部
54 ノズル

Claims (8)

  1. 前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、
    前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニットの裏面に設けたインクの供給孔と対面するように、前記インク供給通路の開口部を形成し、該開口部の外周の嵌合溝に嵌合したパッキンと、該パッキンの外周側の嵌合溝に充填したシール剤とにより、前記開口部と供給孔との隙間を封止したことを特徴とするインクジェットプリンタヘッド。
  2. 前記シール剤は、前記フロントヘッドユニットによる前記パッキンへの押圧により、前記嵌合溝から溢れ出て前記フロントヘッドユニットと本体フレームとの間に達するように、前記嵌合溝に充填されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記嵌合溝を前記開口部毎に形成し、該各嵌合溝毎にパッキンが装着されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッド。
  4. 前記嵌合溝は、複数の開口部の外周を囲繞するように形成され、該各嵌合溝毎にパッキンが装着されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッド。
  5. 前記開口部もしくは前記供給孔には、塵濾過用のフィルタを配置させたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッド。
  6. 前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、
    前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニットの裏面に設けたインクの供給孔と対面するように、前記インク供給通路の開口部を形成し、該開口部の外周の嵌合溝にパッキンを嵌合し、該パッキンの外周側の嵌合溝にシール剤を充填した後、前記フロントヘッドユニットの裏面を本体フレーム側へ押圧することにより前記パッキンを押し、前記嵌合溝内の前記シール剤が溢れ出て前記フロントヘッドユニットと本体フレームとの間に達した状態で、前記フロントヘッドユニットを本体フレームに固着したことを特徴とするインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  7. 前記フィルタヘッドユニットにおける供給孔を覆うように予めフィルタを貼着したことを特徴とする請求項6に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  8. 前記本体フレームの底板には、前記複数のフロントヘッドユニットの裏面を並列状に支持するための支持部と、該フロントヘッドユニットの裏面の複数箇所が露出する空所とを設けておき、
    前記嵌合溝にパッキンを嵌合し、該パッキンの外周側の嵌合溝にシール剤を充填した後、
    前記複数のフロントヘッドユニットを相互に位置決めして配置し、該複数のフロントヘッドユニットの裏面に前記支持部を対向配置し、前記空所から充填した接着剤にて、前記複数のフロントヘッドユニットを前記支持部に固定することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
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