JP3928693B2 - インクジェットプリンタヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電式等のインクジェットプリンタヘッド及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先行技術のオンディマンド型の圧電式等のインクジェットプリンタヘッドにおいて、印字方向に対してノズル列を直交方向に配置したインクジェットヘッドユニット(以下単にヘッドユニットという)を、ヘッドの本体フレームに固定する方法として、本出願人は、先に、特願2000−260616号において、本体フレームの底板には、前記ヘッドユニットの側縁及び保護カバープレートの裏面に露出する接着剤流し込み孔を穿設し、前記底板の下面側に複数のヘッドユニットを並列状に配列し、前記接着剤流し込み孔からUV接着剤を垂らして、前記底板に対してヘッドユニット及び保護カバープレートを接着固定する一方、保護カバープレートの周囲を前記底板に対してシール剤にて接着固定することを提案した。
【0003】
ところで、この保護カバープレートにはノズル列を囲む開口窓が穿設されており、該保護カバープレートは、ノズルやその近傍の面をそれに印字用紙等が直接接触しないように保護するためのものであり、また、ノズル面を払拭してノズルやその付近に付着したインク滓や塵を除去するためのワイパーブレードが摺接する箇所でもある。
【0004】
そして、前述のように、保護カバープレートには前述のように開口窓が穿設されており、この開口窓の内径側のノズル列の箇所はインクにて濡れる箇所である一方、底板側から供給したUV接着剤によりヘッドユニットと保護カバープレートとが接着されてシールされる箇所は部分的であから、開口窓の外周部位の保護カバープレートの裏面とヘッドユニットの前面との隙間から前記インクが毛細管現象にて染み込み、ヘッドユニットの裏面側の圧電アクチュエータ部分の電気接点に至ると、電気的短絡事故が発生する。この不都合を無くするため、従来から、前記保護カバープレートの裏面のうち、前記開口窓の外周部位を囲繞するようシール剤(接着剤)を塗布して、インクの浸透を防止するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記UV接着剤による接着作業と、前記シール剤による接着作業とを略同時に実行するとき、固化する前のUV接着剤とシール剤とが混じり合う箇所が発生し、その箇所での固化ができず、シール不完全の箇所が発生するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解消したインクジェットプリンタヘッドを提供することを技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明は、前面に列状に配置された複数個のノズルを有するヘッドユニットと、前記ノズル列を囲むような開口窓を有する保護カバープレートとを、本体フレームの底板の下面に第1接着剤を介して固定し、且つ前記ヘッドユニットと保護カバープレートとの前記開口窓の外周部位を第2の接着剤にて固定してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記底板には、前記ヘッドユニットの側縁及び保護カバープレートの裏面に露出する第1接着剤流し込み孔を穿設し、前記ヘッドユニットの前面もしくは保護カバープレートの裏面には、前記第2の接着剤が前記第1接着剤流し込み孔方向に漏出するのを防止するための溜まり溝を形成したものである。
【0008】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記ヘッドの前面もしくは保護カバープレートの裏面には、前記ノズルの列方向に延びる1又は複数条の前記溜まり溝を凹み形成したものである。
【0009】
他方、請求項3に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドの製造方法は、前面に列状に配置された複数個のノズルを有するヘッドユニットと、前記ノズル列を囲むような開口窓を有する保護カバープレートとを、インクジェットプリンタヘッドの本体フレームの底板の下面に第1接着剤を介して固定し、且つ前記ヘッドユニットと保護カバープレートとを、前記開口窓の外周部位に第2の接着剤にて固定する方法において、前記ヘッドユニットの前面もしくは保護カバープレートの裏面に凹み形成された溜まり溝よりもノズルの列に近い側に、前記開口窓を囲むように第2接着剤を塗布し、次いで、前記ノズル列が前記開口窓から一定間隔で露出するように前記ヘッドユニットと前記保護カバープレートとを位置決めした後、前記ヘッドユニットの前面と、前記保護カバープレートの裏面とを前記第2の接着剤にて固定し、次いで、前記固定されたヘッドユニットの上に前記本体フレームの底板の下面を被せ、その後、前記底板に穿設された第1接着剤流し込み孔から前記ヘッドユニットの側縁及び保護カバープレートの裏面に第1接着剤を供給し、硬化することで、前記本体フレームと前記ヘッドユニットと保護カバープレートとを固定することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。図1、図2及び図3は、本発明の実施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドの斜視図を示し、図5はヘッドユニットの前面図、図6は第1接着剤及び第2接着剤の塗布位置を示す要部断面図、図7は底板とヘッドユニット及び保護カバープレートの接着完了状態を示す要部断面図である。
【0011】
本発明に係るインクジェットプリンタヘッドは、図1〜図7に示すように、ポリプロエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材の射出形成品からなる本体フレーム1と、その底板5の下面側に並設した2つのヘッドユニット6、6と、その各ヘッドユニット6の表面のノズル列が露出するようにした開口窓57、57を有して、ヘッドユニット6、6の表面及び前記本体フレーム1に固定した保護カバープレート44とより構成されている。
【0012】
本体フレーム1は、上面開放の略箱状に形成されており、その上方からインク供給源としての4つのインクカートリッジ2を着脱自在に装着できる搭載部3を有し、該搭載部3の一側部位3aには、前記各インクカートリッジ2のインク放出部(図示せず)に接続できるインク供給通路4a,4b,4c,4dが本体フレーム1の底板5の下面まで連通している。
【0013】
前記底板5は、前記搭載部3から一段下に突出するようにして水平状に形成され、該底板5の下面側には、後に詳述するヘッドユニット6を2つ並列させて当接するための2つの支持部8、8を段付き状に形成する。該各支持部8の一側部位には、図4及び図9に示すように、前記各インク供給通路4a,4b,4c,4dに対応する開口部50,50,50,50が設けられ、その各開口部50毎の外周を囲繞するように略環状の嵌合溝46が凹み形成されている。
【0014】
そして、前記各嵌合溝46に、軟質のゴム製等のシール性の良好なリング状のパッキン47を嵌合する(図2及び図9参照)。
【0015】
また、前記底板5の各支持部8、8には、速硬化性の第1接着剤としてのUV接着剤7の流し込み孔9a,9bが複数上下に貫通するように形成されている。流し込み孔9a,9bから供給されたUV接着剤7にてヘッドユニット6とその前面のノズルプレート43を除いて覆う保護カバープレート44とを固定するものである。
【0016】
なお、前記段付き状の各支持部8、8にヘッドユニット6を固定したときには、その裏面のフレキシブルフラットケーブル40との間に適当な隙間空間9cが形成される。
【0017】
そして、図2、図6、図7に示すように、複数の流し込み孔9a,9bは、一つのヘッドユニット6に対してその四隅近傍の側部を固定する箇所に形成されているものであり、実施形態では、前記2つの支持部8、8のうち一辺(実施形態では長辺)が隣接する箇所においては、並設する2つのヘッドユニット6、6の裏面及び保護カバープレート44の裏面に跨がって露出するように、流し込み孔9a,9aを広幅に形成する。
【0018】
なお、前記搭載部3の一側部位3aの上面には、前記インク放出部と密接できるようにしたゴム製等のパッキン53(図3参照)が配置されている。
【0019】
次に、ヘッドユニット6の前面の構成について説明すると、図2、図5、図11、図12及び図13に示すように、前記キャビティプレート10の前面(下面)の中央部には、ノズル54を有する合成樹脂製等の薄い板状のノズルプレート43が接着剤にて固定(貼設)されている。後述するように、ノズル54は1列に75個あって、2列の千鳥状に配列されており(図11及び図12参照)、下向きにインクを吐出するものである(図13参照)。ノズルプレート43の前面には公知の撥水膜が形成されている。
【0020】
他方、前記2つのヘッドユニット6、6の前面側を保護するための保護カバープレート44は、薄金属板製であって、前記各ヘッドユニット6におけるノズルプレート43の外周縁に対して適宜の隙間寸法(図2及び図3参照)を隔てて囲むようにする2つの開口窓57、57がプレス加工にて穿設されている。その保護カバープレート44は、前記ヘッドユニット6の前面(下面)に対して、前記各開口窓57の外周部位を囲繞してインクシール性を有するシリコーン等の第2接着剤56(図6及び図7参照)にて液シール状態に接着固定(貼設)される。保護カバープレート44の厚さはノズルプレート43よりもわずかに厚いことが望ましい。
【0021】
その場合、前記各ヘッドユニット6の前面(マニホールドプレート12の前面)もしくは保護カバープレート44の裏面には、前記各開口窓57の外周縁より外周寄り部位であって、前記流し込み孔9a,9bの位置よりも内周側に、前記第2接着剤56が第1接着剤7と混じり合わないようにせき止めるための溜まり溝60を1条乃至複数条凹み形成するものである。実施形態では、図5に示すごとく、ヘッドユニット6における下側のマニホールドプレート12の前面であって、ノズルプレート43を接着する領域43aより外側であって、ノズルプレート43におけるノズル54の列、ひいては貫通路17の列に沿って長く形成している。なお、図5に示すように、前記下側のマニホールドプレート12の前面には、前記領域43a内に平面視丸状の凹部58、59が多数形成されており、当該領域43aに塗布した接着剤(図示せず)がノズルプレート43との押圧力で伸展するときに、前記凹部58、59内に接着剤の余剰分が逃げることができるようになっている。
【0022】
また、前記領域43a内であって、貫通路17の列の前後部位には、ノズルプレート43を前記下側のマニホールドプレート12の前面に接着固定するとき、及び複数のヘッドユニット6、6を平行状に本体フレーム1の底位置に接着固定する際における位置決め孔61a、62aが穿設されている。この位置決め孔61a、62aは、図11におけるノズルプレート43における位置決め孔61、62と一致する位置になる。
【0023】
次に、ヘッドユニット6及び保護カバープレート44を本体フレーム1に固定する方法について説明すると、開口窓57、57が穿設された前述の薄金属板製の保護カバープレート44を、位置決めのための治具63(図7二点参照)上に載置し、該保護カバープレート44の裏面であって前記各開口窓57の外周部位を囲繞するように第2接着剤56を塗布する(図6参照)。
【0024】
次いで、該治具63における2つの位置決めピン64(図7で一方のみ示す)に、前記ノズルプレート43における位置決め孔61、62を嵌めて、2個のノズルプレート43が開口窓57から露出するように配置すると共に、両ヘッドユニット6、6におけるノズル54の列の間隔が一定で且つ平行状となるようにセットし、各ヘッドユニット6との前面と保護カバープレート44の裏面とを第2接着剤56にて接着固定する。それらの上に、本体フレーム1を被せ、ヘッドユニット6、6を、支持部8、8の位置に対応させて、流し込み孔9a,9bに第1接着剤であるUV接着剤7を流し込み、紫外線を照射してUV接着剤7を硬化させ、2個のヘッドユニット6、6の位置を一度に固定する。
【0025】
このようにすると、図7に示すように、第2接着剤56は押圧力にてマニホールドプレート12の前面と保護カバープレート44の裏面と間で薄い層状に押し広げられるが、前記1乃至複数条の溜まり溝60の箇所でせき止められて、それより外周方向に漏出し難くなる。他方、第1接着剤であるUV接着剤7も、各ヘッドユニット6の裏面から側縁を伝い、保護カバープレート44の裏面との隙間を通って、開口窓57の内周方向に流れようとするが、UV接着剤7の瞬間的固化により余り流れ込まない。万一、開口窓57の内周方向に流れても、前記溜まり溝60を複数条形成しておけば、第1接着剤7と第2接着剤56とが混じり合う箇所の発生を確実に防止できる。
【0026】
種類の異なる接着剤が混じり合うことで、固化現象が発生しなくなり未硬化の部分が発生して、後にインクのリーク(漏洩)による電気的短絡等の事故を未然に、且つ確実に防止できるのである。
【0027】
なお、前記流し込み孔9a,9bを例えば、平面視矩形状のヘッドユニット6の四隅近傍に配置することにより、UV接着剤7の固化時に、当該接着剤の収縮歪みに伴うヘッドユニット6の位置ずれを極力少なくすることができる。図4及び図5に示すように、並列させたヘッドユニット6、6の隣接する辺に跨がって流し込み孔9aが広幅で形成されていると、1箇所の流し込み孔9aにUV接着剤7を充填し、紫外線照射で、2つのユニット6、6を一度に固化でき、作業時間の短縮及び製造効率の大幅向上に寄与できる。
【0028】
さらに、ヘッドユニット6の四隅近傍を固化することで、後にインクジェットヘッドをプリンタに搭載した状態での不使用時に、ノズル部分の乾燥を防止するためのゴム製等のキャップでヘッドユニット6の前面を密接すべく押圧したときに当該キャビティプレート10の平面が歪むような変形が起こり難くなるという利点を有する。
【0029】
さらに、図8及び図9に示すように、保護カバープレート44の外周と本体フレーム1との間にシール剤45を塗布する。なお、フレキシブルフラットケーブル40と本体フレーム1との間、フレキシブルフラットケーブル40と保護カバープレート44との間、及び保護カバープレート44における折曲部分44bのコーナ部と本体フレーム1との間には、ヘッドユニット6に本体フレーム1を被せ付ける前に、シール剤45を予め塗布しておく。これにより、ヘッドユニット6の圧電アクチュエータ及び電気的な接合部を外部に対して完全に封止し、外部からインクや紙粉、埃等が侵入するのを防止する。
【0030】
次に、ヘッドユニット6及びその各構成部品の詳細について説明する。ヘッドユニット6は、図10〜図13に示すように、複数枚の金属板製の積層型のキャビティープレート10と、該キャビティプレート10に対して接着剤または接着シート41(図13参照)を介して接着・積層されるプレート型の圧電アクチュエータ20と、その上面に外部機器との電気的接続のために、フレキシブルフラットケーブル40が重ね接合されて構成されている。
【0031】
また、後述するように、ヘッドユニット6の裏面側であって、最上層のベースプレート14の一端部に穿設された供給孔19aの上面には、その上方のインクカートリッジ3から供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が予め接着剤にて固定されている(図10、図11参照)。キャビティープレート10を本体フレーム1に組み付けたとき、供給孔19aはその周囲を前記パッキン47に当接し、インク供給通路4aに連通する。
【0032】
前記キャビティープレート10は、図11及び図12に示すように構成されている。すなわち、二枚のマニホールドプレート12、スペーサプレート13及びベースプレート14の4枚の薄い金属板をそれぞれ接着剤にて重ね接合した構造であり、実施形態では、ノズルプレート43を除く各プレートは、42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さを有する。
【0033】
前記下側のマニホールドプレート12にはノズルプレート43が接着され、ノズル54に連通する多数の貫通路17が、上下両マニホールドプレート12及びスペーサプレート13の各々の第1の方向(長辺方向)に沿って2列の千鳥配列状に一定ピッチで設けられている。そして、前記二枚のマニホールドプレート12には、インク通路12a、12bが、前記貫通孔17の列の両側に沿って延びるように穿設されている。但し、下側のマニホールドプレート12におけるインク通路12bは、当該マニホールドプレート12の上側にのみ開放するように凹み形成されている(図12参照)。このインク通路12a、12bは、上側のマニホールドプレート12に対する前記スペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。
【0034】
また、前記ベースプレート14には、その長辺(前記第1の方向)に沿う中心線に対して直交する第2の方向(短辺方向)に延びる細幅の圧力室16の多数個が穿設されている。そして、前記中心線を挟んで左右両側にて平行状の長手基準線14a、14bを設定すると、前記中心線より左側の圧力室16の先端16aは前記左側の長手基準線14a上に位置し、逆に前記長手中心線より右側の圧力室16の先端16aは前記右側の長手基準線14b上に位置し、且つこの左右の圧力室16の先端16aが交互に配置されているので、左右両側の圧力室16は一つおきに互いに逆方向に延びるように交互に配置されていることになる。
【0035】
この各圧力室16の先端16aは、前記スペーサプレート13及び両マニホールドプレート12に同じく千鳥状配列にて穿設されている貫通路17、17、17を介して連通している。一方、前記各圧力室16の他端16bは、前記スペーサプレート13における左右両側部位に穿設された貫通孔18を介して、前記両マニホールドプレート12におけるインク通路12a、12bに連通している。前記各圧力室16の他端16bは、図12、図13に示すように、ベースプレート14の下面側にのみ開口するように凹み形成されているものである。
【0036】
これにより、前記前記ベースプレート14及びスペーサプレート13の一端部に穿設の供給孔19a,19bから前記インク通路12a、12b内に流入したインクは、このインク通路12aから前記各貫通孔18を通って前記各圧力室16内に分配されたのち、この各圧力室16内から前記貫通路17、17、17を通って、当該圧力室16に対応するノズル54に至るという構成になっている(図11参照)。
【0037】
一方、前記圧電アクチュエータ20は、図13に示すように、複数枚の圧電シート21を積層した構造で、特開平4−341851号公報に記載のように、前記各圧電シート21のうち最下段の圧電シート21とそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シート21の上面(広幅面)には、前記キャビティープレート10における各圧力室16の箇所ごとに細幅の個別電極(図示せず)が形成されている。下から偶数段目の圧電シート21の上面(広幅面)には、複数個の圧力室16に対して共通のコモン電極(図示せず)が形成されている。前記最上段のトップシートの上面には、その長辺の端縁部に沿って、前記各個別電極の各々に対して電気的に接続した表面電極30と、前記コモン電極に対して電気的に接続した表面電極とが設けられている(図10参照)。
【0038】
そして、このような構成のプレート型の圧電アクチュエータ20は、前記キャビティープレート10に対して、当該圧電アクチュエータ20における各個別電極が前記キャビティープレート10における各圧力室16の各々に対応するように積層固定される。また、この圧電アクチュエータ20における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル40が重ね押圧されることにより、このフレキシブルフラットケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表面電極30、31に電気的に接合される。
【0039】
この構成において、前記圧電アクチュエータ20における各個別電極のうち任意の個別電極と、コモン電極との間に電圧を印加することにより、圧電シートのうち前記電圧を印加した個別電極に対応した部分に圧電による積層方向の歪みが発生し、この歪みにて前記各個別電極に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、この圧力室16内のインクが、ノズル54から液滴状に噴出して(図13参照)、所定の印字が行われる。
【0040】
前記の並列すべきヘッドユニットの個数は2〜4と任意に構成することができ、ヘッドユニットにおけるキャビティプレートは金属材料の他、セラミックス材であっても良い。さらに、本発明のインクジェットプリンタの駆動手段は、上記のプレート状の圧電アクチュエータ20の他の形式であっても良いし、静電気により、圧力室の背面を覆う振動板を振動させてインクをノズル54から吐出させる構成であっても良い。
【0041】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明は、前面に列状に配置された複数個のノズルを有するヘッドユニットと、前記ノズル列を囲むような開口窓を有する保護カバープレートとを、本体フレームの底板の下面に第1接着剤を介して固定し、且つ前記ヘッドユニットと保護カバープレートとの前記開口窓の外周部位を第2の接着剤にて固定してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記底板には、前記ヘッドユニットの側縁及び保護カバープレートの裏面に露出する第1接着剤流し込み孔を穿設し、前記ヘッドユニットの前面もしくは保護カバープレートの裏面には、前記第2の接着剤が前記第1接着剤流し込み孔方向に漏出するのを防止するための溜まり溝を形成したものである。
【0042】
この構成により、第1接着剤と第2接着剤とが異質のもので混じり合うと固化しない場合であって、流し込み孔から第1接着剤を供給して本体フレームの底板とヘッドユニットと保護カバープレートとの三者を接着固定する作業と、第2接着剤にてヘッドユニットと保護カバープレートとの二者を接着固定する作業とが同時的であっても、前記溜まり溝により第2接着剤がせき止められて、第1接着剤との混じり合いを確実に防止でき、接着剤の未硬化箇所ができないから、後にインクがヘッドユニットの前面から保護カバープレートの裏面との隙間を通って漏洩するという現象を確実に防止できるという効果を奏する。
【0043】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記ヘッドの前面もしくは保護カバープレートの裏面には、前記ノズルの列方向に延びる1又は複数条の前記溜まり溝を凹み形成したものである。このようにノズルの列に沿って長く溜まり溝を形成しておけば、複数のヘッドユニットを前記各ノズルの列が互いに平行条となるように並設する場合にも、隣接するヘッドユニットの前面箇所での保護カバープレート裏面との第2接着剤によるシール性を確保しながら、隣接するヘッドユニットの側縁と保護カバープレート裏面と底板との三者の接着固定も確実に行えるという効果を奏する。
【0044】
他方、請求項3に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドの製造方法は、前面に列状に配置された複数個のノズルを有するヘッドユニットと、前記ノズル列を囲むような開口窓を有する保護カバープレートとを、インクジェットプリンタヘッドの本体フレームの底板の下面に第1接着剤を介して固定し、且つ前記ヘッドユニットと保護カバープレートとを、前記開口窓の外周部位に第2の接着剤にて固定する方法において、前記ヘッドユニットの前面もしくは保護カバープレートの裏面に凹み形成された溜まり溝よりもノズルの列に近い側に、前記開口窓を囲むように第2接着剤を塗布し、次いで、前記ノズル列が前記開口窓から一定間隔で露出するように前記ヘッドユニットと前記保護カバープレートとを位置決めした後、前記ヘッドユニットの前面と、前記保護カバープレートの裏面とを前記第2の接着剤にて固定し、次いで、前記固定されたヘッドユニットの上に前記本体フレームの底板の下面を被せ、その後、前記底板に穿設された第1接着剤流し込み孔から前記ヘッドユニットの側縁及び保護カバープレートの裏面に第1接着剤を供給し、硬化することで、前記本体フレームと前記ヘッドユニットと保護カバープレートとを固定することを特徴とするものである。このようにして第1接着剤及び第2接着剤にて接着固定する場合に、両接着剤の配置箇所が接近していても、前記溜まり溝の箇所で一方の接着剤がせき止められる結果、両接着剤が互い混じり合うことがなく、接着剤の未硬化箇所ができず、後にインクがヘッドユニットの前面から保護カバープレートの裏面との隙間を通って漏洩するという現象を確実に防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるインクジェットプリンタヘッドのノズル側を上にした斜視図である。
【図2】 インクジェットプリンタヘッドの部品の分解斜視図である。
【図3】 本体フレームの上方から見たインクジェットプリンタヘッドの部品の分解斜視図である。
【図4】 本体フレームの底板を下面側から見た図である。
【図5】 ヘッドユニットの下面を拡大した一部切欠き図である。
【図6】 本体フレームとヘッドユニットと保護カバープレートとの接着作業を示す要部拡大断面図である。
【図7】 図4のVII −VII 線矢視で見た本体フレームとヘッドユニットと保護カバープレートとの接着部を示す拡大断面図である。
【図8】 図4の VIII −VIII線矢視拡大断面図である。
【図9】 図4のIX−IX線矢視拡大断面図である。
【図10】 ヘッドユニットの各部品の斜視図である。
【図11】 キャビティープレートの各部品の斜視図である。
【図12】 キャビティープレートの部分拡大斜視図である。
【図13】 ヘッドユニットの拡大側断面図である。
【符号の説明】
1 本体フレーム
5 底板
6 ヘッドユニット
7 第1接着剤としてのUV接着剤
9a,9b 流し込み孔
10 キャビティープレート
12、12 マニホールドプレート
13 スペーサプレート
14 ベースプレート
17 貫通路
20 圧電アクチュエータ20
40 フレキシブルケーブル
43 ノズルプレート
44 保護カバープレート
54 ノズル
56 第2接着剤
57 開口窓
60 溜まり溝

Claims (3)

  1. 前面に列状に配置された複数個のノズルを有するヘッドユニットと、前記ノズル列を囲むような開口窓を有する保護カバープレートとを、本体フレームの底板の下面に第1接着剤を介して固定し、且つ前記ヘッドユニットと保護カバープレートとを、前記開口窓の外周部位に第2の接着剤にて固定してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、
    前記底板には、前記ヘッドユニットの側縁及び保護カバープレートの裏面に露出する第1接着剤流し込み孔を穿設し、
    前記ヘッドユニットの前面もしくは保護カバープレートの裏面には、前記第2の接着剤が前記第1接着剤流し込み孔方向に漏出するのを防止するための溜まり溝を形成したことを特徴とするインクジェットプリンタヘッド。
  2. 前記ヘッドの前面もしくは保護カバープレートの裏面には、前記ノズルの列方向に延びる1又は複数条の前記溜まり溝を凹み形成したことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッド。
  3. 前面に列状に配置された複数個のノズルを有するヘッドユニットと、前記ノズル列を囲むような開口窓を有する保護カバープレートとを、インクジェットプリンタヘッドの本体フレームの底板の下面に第1接着剤を介して固定し、且つ前記ヘッドユニットと保護カバープレートとを、前記開口窓の外周部位に第2の接着剤にて固定する方法において、
    前記ヘッドユニットの前面もしくは保護カバープレートの裏面に凹み形成された溜まり溝よりもノズルの列に近い側に、前記開口窓を囲むように第2接着剤を塗布し、
    次いで、前記ノズル列が前記開口窓から一定間隔で露出するように前記ヘッドユニットと前記保護カバープレートとを位置決めした後、前記ヘッドユニットの前面と、前記保護カバープレートの裏面とを前記第2の接着剤にて固定し、
    次いで、前記固定されたヘッドユニットの上に前記本体フレームの底板の下面を被せ、 その後、前記底板に穿設された第1接着剤流し込み孔から前記ヘッドユニットの側縁及び保護カバープレートの裏面に第1接着剤を供給し、硬化することで、前記本体フレームと前記ヘッドユニットと保護カバープレートとを固定することを特徴とするインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
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