JP3632878B2 - 自動注湯方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は取鍋を傾動して溶湯を自動的に注湯する自動注湯方法及びこれを用いる鋳造システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平4−46665に、取鍋の傾動角と出湯量とがリニアな関係にない一般の異形の取鍋を使用しても自動的な自動注湯が行えるとした自動注湯機が開示されている。この自動注湯機は、取鍋を傾動させる駆動手段と、取鍋及びその内部の溶湯を含む取鍋部の総重量を検出する重量検出手段と、検出手段からの出力に基づいて注湯速度及び注湯量を予め設定した所定値とすべく駆動手段をにより取鍋の傾動角度を制御する制御手段を備えている。その注湯制御は、取鍋を一定の速度で傾動し、光電管により溶湯の流れを検出して制御の開始とし、ファジィーコントローラにより予め設定された注湯速度を維持すべく、または予め設定された注湯量を維持すべく取鍋の傾動を制御するとしている。即ち、例えば注湯速度制御に関しては、注湯速度を鋳型側の所用鋳込み速度に常時維持するため、常に重量検出手段からの出力に基づいて注湯速度偏差を0にすべく取鍋を傾動動作させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、鋳物には軽量化に伴う薄肉鋳物の製造を目的に、できるだけ短時間で、しかも目標注湯重量に対して高精度な注湯が要求されている。ところが、生産性の面から造形ラインは高速化の方向にあるため、取鍋内で溶湯が揺れている状態で注湯を開始させる場合が多く、短時間で高精度な注湯を実現するための阻害要因となっている。
これに対して、前記従来例では、フィードバックに伴う取鍋の傾動動作時の反動が重量検出系に現れるため、この間正確な重量検出、言い換えれば注湯速度が検出できなくなり、短時間で目標とする注湯速度に収束させることは困難となる。さらに、光電管が単に溶湯流出を検出した時を制御開始としているため、溶湯の揺れによる溶湯流出状態のばらつきが起こり、これに対してそのままフィードバックをかければ取鍋の傾動制御は実質上不可能となる。即ち、注湯速度を維持することが難しいというだけでなく、所定の注湯量を得ることも難しい
本発明は、薄肉鋳物などの製造のように短時間で注湯することが必要な場合、また取鍋内の溶湯の揺れ等により安定した溶湯の流出状態が得難い場合でも、高精度な注湯が可能な自動注湯方法及びこれを用いた鋳造ラインを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動注湯方法は、取鍋の傾動により内部の溶湯を注湯する自動注湯方法において、取鍋を傾動して溶湯を流出させて注湯を開始した後、注湯残量と注湯速度を計測算出し、予め設定した注湯速度と予測流出量の関係を定めた第1予測流出量関数をもとに逐次該注湯速度における予測流出量を計算して注湯残量と比較し、注湯残量が予測流出量ほぼ等しくなった時に取鍋を反転させる自動注湯方法であって、反転時における計測算出した注湯速度を予め設定した注湯速度の値と比較し、その値以上の場合には反転の途中で傾動を少なくとも1回停止保持する1段反転なる反転動作パターンを選択し、その値より低い場合には反転の途中で傾動を停止保持しない反転動作のパターンを選択し、選択されたパターンで取鍋の反転動作を行うにあたり、前記1段反転のパターンでは、取鍋の停止保持中に、予め設定した注湯速度と予測流出量の関係を定めた第2予測流出量関数をもとに計測算出された注湯速度における予測流出量を計算して注湯残量と比較し、注湯残量が予測流出量とほぼ等しくなった時に、停止保持された取鍋を再度反転させ、注湯速度の大小に影響されずに注湯量精度を維持することを特徴としている。
【0005】
さらに上記自動注湯方法において取鍋が傾動して溶湯が流出し注湯が開始された点であり実質上の注湯制御の開始基準である注湯開始点を該溶湯の流出をセンサで検出して設定するにあたって、前回注湯開始点を設定したときの傾動角度以上に取鍋が傾動し溶湯が流出したときに注湯開始点の設定を行なえば好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の自動注湯制御方法を説明するための鋳造システムの一例を示す概略図である。本鋳造システムは、自動注湯装置と少なくとも一部が3mm以下の肉厚である薄肉鋳物を製造するために最適な鋳型とからなる。
自動注湯装置は、取鍋と、取鍋を傾動する手段と、取鍋部の重量計測手段と、取鍋から流出する溶湯を検出する受光素子と、重量計測手段と受光素子の情報とをもとに取鍋傾動を制御をする注湯制御装置とを主構成要素としている。以下その詳細を説明する。
取鍋1は、回転軸2を中心として回転自在な傾動フレーム3に、その出湯口が回転軸2の近傍に配設されるように取り付けられる。傾動フレーム3は、その下端4に一端を固定しR部5に沿って這わせたチェン6を、回転ドラム7により巻き取りまたは巻き出しを行うことにより傾動制御される。回転ドラム7はサーボアクチュエータ、例えばサーボモータ20で駆動し、サーボモータ20は、注湯制御装置13からの制御指令に従いモータ制御装置14により回転制御される。
傾動フレーム3を支持する固定フレーム9と基台10の間には重量計測手段であるロードセル8を配し、ロードセル8は後述するように注湯制御装置13に電気的に接続される。ロードセル8により計測された取鍋1内の溶湯を含む固定フレーム9上の総重量は、注湯制御装置13による注湯量及び注湯量の単位時間当たりの変化である注湯速度の演算に用いられる。取鍋1の出湯口近傍には受光素子15を設置し、取鍋1から流出する溶湯16が発生する放射光を検出して、注湯の開始の監視を行う。
基台10は固定構造でもよいし、取鍋1の出湯口を鋳型11に設けた湯口18に位置合わせするために、走行車輪21により鋳型11の送り方向に位置制御可能構造としてもよい。
【0008】
図2は注湯制御装置13の構成を示した制御回路図である。ロードセル8の出力値はフィルタ付きアンプにより増幅され重量信号としてA/D変換器を介して、また受光素子15の出力は溶湯検知信号としてI/Oインターフェースを介して、さらに、サーボモータ20の位置信号はカウンタを介して取鍋1の傾動角度としてそれぞれ注湯制御装置13のCPUに取り込まれる。また、これらの入力信号に基づき注湯制御装置13のCPUにより後述する方法で処理された結果は、D/A変換器を介してモータ制御装置14に出力され、サーボモータ20により駆動される取鍋1の動作を制御する。なお、注湯制御装置13はパソコン等を使用して構成するとよい。
【0009】
次に、上記構成による注湯装置の動作について説明する。
まず、造型ラインからの鋳型送り出し完了信号に基づき、取鍋1は後述する注湯制御動作に移り、傾動を開始し鋳型11の湯口18に溶湯16を注湯する。この時取鍋1の傾動角速度は、鋳型11の鋳造方案で規定される湯呑み速度の変化に合わせるように制御することが望ましいが、課題の項で述べたように、重量フィードバックで制御することは難しい。このため後述するように鋳型11に合わせた適切な傾動角度と角速度のパターンを設定し、これに従って取鍋1を傾動させることにする。
なお、基台10が走行車輪21により鋳型11の送り方向に位置制御可能構造である場合、湯口位置検出手段(図示せず)からの未注湯鋳型の湯口位置情報をもとに、取鍋1の出湯口が鋳型11の湯口18と所定の位置関係になるように移動制御することができ好適である。
【0010】
具体的な注湯制御方法を図3、4を用いて説明する。
図3は縦軸に取鍋の傾動角度、横軸に時間をとり注湯時の取鍋の動作を示す。まず、注湯制御装置13は、取鍋1を待機点Aより第1の傾動角速度V0で傾動させる。取鍋1から流出した溶湯16が、受光素子15により検出された角度を注湯開始点(点B)として記憶する。この点Bが実質上注湯制御の開始基準であり、点Bから予め決めた傾動角度Θ1傾動させた点Cまで、さらに第2の傾動角速度V1で取鍋1を傾動させる。ここで、第1の傾動角速度V0、第2の傾動角速度V1及び傾動角度Θ1は前述したように対象の鋳型11に合わせて予め設定した適切な値を用いる。
【0011】
次に、注湯制御装置13は、取鍋1が点Cに到達したら傾動を停止し、停止時の反動によるロードセル8の出力値への影響が無視できるような時間後、例えば2秒経過後から、所定のサンプリング周期Ts毎に、以下に示す方法で注湯量Wp(n)、注湯残量Wr(n)、注湯速度V(n)の算出を行う。
Wp(n)=Wa−W(n)・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
Wa :点A時点でのロードセルによる測定重量
W(n):サンプリング時刻nにおけるロードセルによる測定重量
Wr(n)=We−Wp(n)・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
We :目標注湯量
Vp(n)=(W(n)−W(n−1))/Ts・・・・・・・・・(3)
【0012】
注湯制御装置13は、サンプリング時刻毎に上記式(1)、(2)及び(3)を計算するとともに、注湯残量Wr(n)と第1予測流出量Wf1を比較する。第1予測流出量Wf1は、取鍋を溶湯が流出しなくなるまで反転(湯切り反転と称す)させた時の溶湯の流出量をいい、後述するようにして設定した第1予測流出量関数に、算出した注湯速度V(n)を代入することによって求める。
第1予測流出量関数は、任意の取鍋の傾動角度から任意の傾動速度で傾動を行い、注湯開始後予め設定した各種傾動角度Θ1(Θ1a、Θ1b、・・・Θ1n)だけ取鍋を傾けて停止後保持し、注湯開始から予め決められた所定時間N経過後所定の傾動速度V3で湯切り反転を行うような実験を行い、その時の溶湯の流出量と、湯切り反転直前の注湯速度Vp(N)との関係を近似式で表したものである。図4に注湯速度Vp(N)と第1予測流出量Wf1(Vp(n))の実験結果の例を示す。
【0013】
図5において、実線は上述した実験式をもとに注湯速度Vpと第1予測流出量Wf1との関係の例を示したものであり、破線は実際に注湯中に算出した注湯速度Vpとその時の注湯残量Wrの例を表したものである。交点Dは取鍋反転中の流出量と注湯残量が一致した点であり、このとき湯切り反転を行えば目標注湯量が得られることになる。
Wr(n)≦Wf1(Vp(n))となった時、即ち図5における実線と破線が交わった後に取鍋を湯切り反転させる。図3においては、取鍋が点D1(D2)から点G1へと傾動することになる。点G1は点Bに対し所定の角度Θ3分反転側にある予め決めた点である。
【0014】
最後に、注湯制御装置13は点Bに対して予め決めた点H1まで所定角度取鍋1を傾動し、注湯の1サイクルを終了させる。
以降、上記動作を繰り返し、順次未注湯鋳型へ注湯し、取鍋1の重量が設定した所定量以下になった場合、または、取鍋1の傾動角度が予め決めた制限角度を越えた場合に、該取鍋による注湯を終了する。
【0015】
ところで、注湯速度を短時間で大きくするような、例えば鋳造方案的に高速注湯が可能な鋳型に対して注湯を行う場合、第1予測流出量の値も短時間で大きくなる。即ち、湯切り反転を開始する時の注湯残量の目標注湯量に対する割合が大きくなるため、実際の湯切り中の流出量と第1予測流出量の誤差が大きくなり、注湯精度を悪化させる場合が生じることがある。
この場合には、取鍋を一気に湯切り反転せず、反転動作を段階的に行うことによって対応することができる。例えば、交点Dにおける注湯速度Vpの値によって、しきい値の最小値Vpminと最大値Vpmaxを設定し、これに応じて反転動作を選択する方法がある。以下その方法について説明する。
【0016】
1)注湯速度Vpが閾値Vpmin以上でかつVpmax以下のとき。
注湯速度Vpを減じるため1段反転し、その後湯切り反転する。図3におけるD3−E−F−Gの経路で取鍋を反転させる。点D3から点Eまでの反転動作を1段反転と呼び、所定の傾動速度V2で反転角度Θ2だけ反転させる。反転角度Θ2は1段目の反転開始点Dでの注湯速度Vpから予め実験的に求めた関係式から求める。その関係を図6に示すが比例関係にある。即ち、注湯速度Vpが大きい時は反転角度Θ2も大きく、図3中で点D3から点E2への動作となる。反対にVpが小さい時はΘ2も小さく、図3中で点D3から点E1への動作となる。
【0017】
1段目の反転後図3中の点Eに達した時点から、前述したと同様に所定のサンプリング周期Ts毎に注湯制御装置13は注湯量、注湯残量、注湯速度の算出を行う。
サンプリング時刻m毎に、その時算出した注湯残量Wr(m)と第2予測流出量Wf2を比較する。第2予測流出量Wf2は、後述するようにして設定した第2予測流出量関数に、算出した注湯速度Vp(m)を代入することによって求めることができる。
第2予測流出量関数は、前述した第1予測流出量関数の求め方と同様、任意の取鍋の傾動角度から任意の傾動速度で傾動を行い、注湯開始後予め設定した各種傾動角度Θ1(Θ1a、Θ1b、・・・Θ1n)だけ取鍋を傾けて保持し、注湯開始から所定時間N経過時点で1段目の反転を種々の角度Θ2について行った後、1段目の反転後から所定時間N1経過した後の注湯速度Vp(N1)の時に湯切り反転を行う実験を行い、湯切り反転中の溶湯の流出量と、湯切り反転直前の注湯速度Vp(N1)との関係を近似式で表したものである。
Wr(m)≦Wf2(Vp(m))となった時、取鍋は湯切り反転を行う。即ち図3における点Fから点Gまで、所定の傾動速度V3で点Bに対し所定の角度Θ3まで反転する。
【0018】
2)注湯速度Vpが閾値Vpminよりも小さいとき。
そのまま湯切り反転を行う。図5に交点D1で示すが、この時も図3におけるD1に相当し、点Bに対して予め決めた点G1まで所定の湯切り速度V3で取鍋を反転させる。前述した1段反転を行うと更に注湯速度が落ち、注湯時間が所定の時間以上延びることを防ぐ為である。
3)注湯速度Vpが閾値Vpmaxより大きいとき。
そのまま湯切り反転を行う。図5に交点D2で示すが、これは上記と同じく図3におけるD1に相当し、点Bに対して予め決めた点G1まで所定の湯切り速度V3で取鍋を反転させる。前述した1段反転を行うと注湯速度が十分に低下せず注湯量過多になりやすい為である。なお、注湯速度が増加中である場合は、前記速度V3より速い予め設定した速度で湯切り反転を行ってもよい。
【0019】
最後に、注湯制御装置13は点Bに対して予め決めた点Hまで所定角度取鍋1を傾動し、出湯の1サイクルを終了させる。なお、前記説明では反転動作を2回に分けて行う場合で説明したが、当然ながら3回以上に分けて行うこともでき、この時の考え方は前述したものと同様である。
【0020】
(実施の形態2)
ところで、取鍋が前記第1の傾動角速度V0で傾動中に、取鍋内の溶湯が揺れていると溶湯は揺れに合わせて飛び出すことがあり、取鍋の傾動角が前回注湯時の注湯開始点に達する前でもこれを受光素子15が検出して注湯開始点と判断した場合、前回より傾動角が小さく取鍋からの注湯量が少ない所で前述した注湯制御に入ることになり、全体的に注湯速度が遅くなり、目標注湯量を注湯し終わるまでの時間も延びてしまうことがある。これを防止するためには次のような方法をとると有効である。
該取鍋1を用いた初回の注湯時は、取鍋1から流出した溶湯16が、受光素子15により検出された角度を注湯開始点(点B)として記憶するとともに、点Bから予め決めた傾動角度Θ1傾動させた点Cまで、さらに第2の傾動角速度V1で取鍋1を傾動させ、前述した注湯制御を行う。
【0021】
2回目以降の注湯では、注湯制御装置13は、前回記憶した注湯開始点の角度に予め決めた角度データを加えた角度以上に傾動角度が達し、かつ受光素子15が溶湯16の流出を検出した角度を新たな注湯開始点(点B)として記憶し、この新たな点Bから予め決めた傾動角度Θ1傾動させた新たな点Cまで、さらに第2の傾動角速度V1で取鍋1を傾動させる。その後の注湯制御は前述したと同様である。
これにより2回目以降の注湯開始点の取鍋傾動角度は、必ずその前の注湯開始点の取鍋傾動角度より大きくなるようになる。
なお、初回時においても予め決めた傾動角度以上で受光素子15の検知情報を有効とするようにしてもよい。
【0022】
(実施の形態3)
前述した実施の形態1及び2では、取鍋1から直接鋳型11の湯口18に注湯する例で説明した。実施の形態3では図7に示すように、鋳型11の上方に上部が開放され底部にはノズル17を有する箱状の中間樋12を配設した鋳造システムを例に説明する。中間樋12は、鋳型11の送り方向及びノズル17と鋳型11の上面にある湯口18を密接させるため上下方向に位置決め可能とする。鋳型11は、少なくとも一部が3mm以内の肉厚である薄肉鋳物を製造するためのものとする。
【0023】
次に、上記構成による鋳造システムの動作について説明する。
まず、造型ラインからの鋳型送り出し完了信号に基づき、中間樋12は湯口位置検出手段(図示せず)からの未注湯鋳型の湯口位置情報をもとに、鋳型進行方向に移動制御され、ノズル17が湯口18とその中心位置がほぼ一致する位置で停止し、次に、ノズル17の下面が鋳型11上面の湯溜まり19に密接するように下降停止する。なお、基台10が走行車輪21により鋳型11の送り方向に位置制御可能構造である場合、取鍋1の出湯口が中間樋12の上部開口部範囲内で所定の位置関係になるように中間樋12を基台10に取り付ければ、中間樋12の鋳型進行方向の移動制御は不要となり好適である。
【0024】
次に、中間樋12及び基台10の停止を確認すると、取鍋1は前述したと同様の注湯制御動作に移り、傾動を開始して溶湯を流出し、中間樋12を介し鋳型11の湯口18に溶湯16を注湯する。なおここで、取鍋1からの溶湯の流出は前記と同様注湯と呼ぶが、中間樋12からの溶湯の注出は出湯と称することにする。
本実施の形態においては、取鍋1の注湯速度は、鋳型11の鋳造方案で規定される湯呑み速度以上とすることができ、傾動角速度設定は容易である。
この時溶湯16は、鋳造方案に応じて変化する湯呑み速度に追従して鋳型11内に充填されて行き、余剰な溶湯は中間樋12内にたまって出湯される溶湯のヘッド圧力として作用する。即ち出湯時間の最短化が可能であり、取鍋1から溶湯16を短時間で注湯すればするほど効果的であり、薄肉鋳物製造においては特に有効である。
【0025】
上記の取鍋1の傾動制御は実施の形態1又は2で述べたどちらの方法をとってもよく、取鍋1から所定量の溶湯を中間樋12へ注湯し、予め設定した待機時間経過後に、中間樋12を所定量上昇させ1鋳型分の出湯動作を完了させる。
以降、上記動作を繰り返し、順次未注湯鋳型へ出湯し、取鍋1の重量が設定した所定量以下になった場合、または、取鍋1の傾動角度が予め決めた制限角度を越えた場合に、該取鍋による注湯を終了する。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は次のような効果を有する。
1)予め設定したパターンで取鍋を傾動して停止し、取鍋停止時の反動に伴う振動が制定した状態で注湯重量・注湯残量・注湯速度を計測して、この計測値と予め求めた予測流出量関数から算出した予測流出量をもとに取鍋反転を行うので、通常のフィードバック制御では対応できないような短時間でも高精度な注湯量制御が可能である。
2)前記で示すように短時間で注湯ができるので、少なくとも一部が3mm以下からなる極めて薄い肉厚を有するような薄肉鋳物を良好に鋳造することが可能である。
3)注湯制御開始基準である注湯開始点を、取鍋が前回またはそれ以前の注湯時の注湯開始点の角度以上傾いた状態で設定する場合、取鍋内の溶湯の揺れで溶湯が早めに飛び出しても注湯制御開始と判断しないため、傾動角度が小さいところで注湯動作をすることによる注湯速度の低下及び注湯時間の遅延を防止することができる。
4)溶湯を取鍋から中間樋を介して鋳型に注湯する場合、取鍋の溶湯供給は鋳型の鋳造方案で規定される湯呑み速度に制約されることなく短時間で一気に行うことができ、取鍋傾動制御が簡単である。
5)注湯速度を鋳型の鋳造方案で制約される湯呑み速度以上となるようにすれば、中間樋底部の溶湯流出口と鋳型の湯口を密接連通することにより中間樋が湯だまりとして機能するとともに、注湯中の中間樋内の余剰な溶湯は出湯される溶湯のヘッド圧力として作用し、溶湯は鋳造方案に応じた湯呑み速度の変化に追従して鋳型内に充填されて行くため、出湯時間の短縮化に有効となり、薄肉鋳物の鋳造には特に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自動注湯装置の概略図
【図2】注湯制御装置の構成を示した制御回路図
【図3】本発明の注湯制御方法を説明する取鍋の動作図
【図4】出湯速度と第1予測流出量との関係を示す実験結果の例
【図5】出湯速度と第1予測流出量及び注湯残量の関係を示す図
【図6】出湯速度と1段目の反転角度との関係を示す図
【図7】出湯速度と1段目の反転角度との関係を示す図
【符号の説明】
1 取鍋
3 傾動フレーム
8 ロードセル
10 基台
11 鋳型
12 中間樋
13 注湯制御装置
14 モータ制御装置
15 受光素子
16 溶湯
17 ノズル
18 湯口
20 サーボモータ

Claims (2)

  1. 取鍋の傾動により内部の溶湯を注湯する自動注湯方法において、取鍋を傾動して溶湯を流出させて注湯を開始した後、注湯残量と注湯速度を計測算出し、予め設定した注湯速度と予測流出量の関係を定めた第1予測流出量関数をもとに逐次該注湯速度における予測流出量を計算して注湯残量と比較し、注湯残量が予測流出量ほぼ等しくなった時に取鍋を反転させる自動注湯方法であって、
    反転時における計測算出した注湯速度を予め設定した注湯速度の値と比較し、その値以上の場合には反転の途中で傾動を少なくとも1回停止保持する1段反転なる反転動作パターンを選択し、その値より低い場合には反転の途中で傾動を停止保持しない反転動作のパターンを選択し、選択されたパターンで取鍋の反転動作を行うにあたり、
    前記1段反転のパターンでは、取鍋の停止保持中に、予め設定した注湯速度と予測流出量の関係を定めた第2予測流出量関数をもとに計測算出された注湯速度における予測流出量を計算して注湯残量と比較し、注湯残量が予測流出量とほぼ等しくなった時に、停止保持された取鍋を再度反転させ、注湯速度の大小に影響されずに注湯量精度を維持することを特徴とする自動注湯方法。
  2. 取鍋が傾動して溶湯が流出し注湯が開始された点であり実質上の注湯制御の開始基準である注湯開始点を該溶湯の流出をセンサで検出して設定するにあたって、前回注湯開始点を設定したときの傾動角度以上に取鍋が傾動し溶湯が流出したときに注湯開始点の設定を行なうことを特徴とする請求項1に記載の自動注湯方法。
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