JP3358006B2 - 静電潜像現像用被覆キャリア - Google Patents

静電潜像現像用被覆キャリア

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JP3358006B2 JP33893393A JP33893393A JP3358006B2 JP 3358006 B2 JP3358006 B2 JP 3358006B2 JP 33893393 A JP33893393 A JP 33893393A JP 33893393 A JP33893393 A JP 33893393A JP 3358006 B2 JP3358006 B2 JP 3358006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法又は静電印刷法等で形成された静電潜像を顕像化する
ための二成分式乾式現像剤用キャリアに関するものであ
る。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来より、キャリア粒子と
トナー粒子との混合物からなる二成分系乾式現像剤はよ
く知られている。この二成分系乾式現像剤は、比較的大
きなキャリア粒子表面上に、微小なトナー粒子が両粒子
の摩擦で発生した電気力によって保持されており、該現
像剤が静電潜像に近づくと該潜像で形成される電界によ
ってトナー粒子が潜像方向へ吸引され、この引力がトナ
ー粒子とキャリア粒子間の結合力に打ち勝って、トナー
粒子が静電潜像上に吸引付着されて静電潜像が可視化さ
れる。そして、現像剤は現像で消費されたトナーを補充
しながら反復使用される。従って、キャリアは長期間の
使用中常にトナー粒子を所望の極性で、充分な帯電量に
摩擦帯電しなければならない。一方、従来の現像剤では
粒子間の衝突や粒子と現像装置部品との衝突など、及び
これらの衝突による発熱等でキャリア表面にトナー膜が
形成されるスペント化が起り易く、そのためにキャリア
の帯電特性が使用時間と共に低下するから、現像剤全体
を取換える必要が生じる。
【0003】スペント化防止のために、従来よりキャリ
ア表面に種々の樹脂を被覆する方法が提案されている
が、いまだ満足できるものは得られていない。例えば、
スチレン−メタクリレート共重合体や、スチレン単独重
合体等の樹脂で被覆されたキャリアは帯電特性が優れて
いるが、表面の表面張力が比較的高いために繰り返し使
用するとスペント化が起り、現像剤としての寿命がそれ
ほど長くない。また、四フッ化エチレン重合体を被覆し
たキャリアは、表面張力が低いのでトナーのスペント化
が起り難いが、四フッ化エチレン重合体が摩擦帯電系列
において最も負側に位置しているために、トナーを負極
性に帯電しようとする場合には使えない。
【0004】低い表面張力をもつものとしては、シリコ
ーン樹脂を含む被覆層で被覆されたキャリアが提案され
ている。例えば、不飽和シリコーン樹脂とオルガノシリ
コーン、シラノール等をスチレン−アクリル樹脂と混合
してキャリア表面を被覆したもの(米国特許第3562
533号);ポリフェニレン樹脂とオルガノシリコーン
ターポリマー樹脂とで表面を被覆されたキャリア(米国
特許第3847127号);スチレン−アクリレート−
メタクリレート樹脂と、オルガノシラン、シラノール、
シロキサン等で表面を被覆されたキャリア(米国特許第
3627522号)、シリコーン樹脂と正帯電特性を持
つ窒素含有樹脂とで被覆されたキャリア(特開昭55−
127567号公報);及び変性シリコーン樹脂で表面
を被覆されたキャリア(特開昭55−157751号公
報)等が挙げられる。さらに、特開昭60−20135
9号公報では、長期間の使用中にシリコーン被覆層が減
少し、そのためにシリコーン被覆キャリアの帯電能力が
変化するのを防ぐために、有機スズ化合物を触媒とする
シリコーン樹脂で被覆層を形成する際に、被覆層の厚さ
方向に対し触媒濃度の勾配をつける方法が提案されてい
る。
【0005】一般に、被覆キャリアに使われる芯材の抵
抗は低く、被覆層に使われる材料の抵抗は高いから、キ
ャリア表面の被覆で該キャリアの抵抗調節も可能であ
る。そこで、被覆層の厚さで抵抗を調節するために、被
覆層中にカーボンブラック(特開昭56−126843
号、特開昭62−45984号公報等);酸化スズ、酸
化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物(特開昭64−35
561号公報等);等を分散させて被覆層の抵抗を調整
する方法でキャリアの抵抗を調節し、高バイアス現像時
に現像領域のエッジ部へキャリアが付着するのを防ぐと
共に、低バイアス現像時に画像領域へキャリアが付着す
るのを防ぐ方法が提案されている。しかしながら、この
ような方法で初期のキャリア抵抗を調節しても、長時間
の使用中に被覆層が摩擦・脱落等で減少して行くから、
キャリアの抵抗が徐々に低下して画像領域へキャリアが
付着してしまう問題が残されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、現像剤の寿
命とキャリアの抵抗及び帯電能力が密接な関係にあるこ
とから、現像剤を長期間使用してもキャリアの抵抗及び
帯電能が常に安定し、そのために現像特性が劣化せずに
安定的に高品位画像を形成し得る高耐久性の現像剤用キ
ャリアを提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、表面に少なくと
も樹脂と抵抗調節剤からなる被覆層を持つ被覆キャリア
において、該被覆層の比抵抗が、該被覆層を単一膜とし
て連続的に、被覆層の表面ほど低くなるように形成され
ていることを特徴とする静電潜像現像用キャリアが提
供される。また、本発明によれば、前記の被覆キャリア
において、測定電界が5,000V/cmの場合に、所
定膜厚の被覆層を持つ被覆キャリアの比抵抗が、所定膜
厚より0.5μm薄い膜厚の被覆層を持つ被覆キャリア
の比抵抗の1倍以上104倍以下であることを特徴とす
る静電潜像現像用被覆キャリアが提供される。なお、
被覆キャリアの比抵抗とは、被覆キャリアの集合体を均
質なブロックとして取扱った場合の比抵抗なので、被覆
層の材質が全被覆層で均質な場合であっても、被覆層の
膜厚によって測定される比抵抗値は変動する。
【0008】さらに、本発明によれば、被覆層の抵抗調
節剤がカーボンブラックであることを特徴とする前記の
静電潜像現像用被覆キャリアが提供される。更にまた、
本発明によれば、カーボンブラックを抵抗調節剤とする
前記の被覆キャリアにおいて、被覆層がシランカップリ
ング剤を含むシリコーン樹脂で形成され、該シランカッ
プリング剤の濃度が被覆層表面ほど高濃度に形成されて
いること及び/又は含まれていても良い触媒用有機スズ
化合物の濃度が被覆層の厚さ方向に対して濃度匂配を持
つことを特徴とする静電潜像現像用被覆キャリアが提供
される。すなわち、本発明のキャリアでは、被覆層の芯
材付近には抵抗調節剤を殆ど加えないで高抵抗の樹脂膜
を形成させ、被覆層の表面ほど抵抗調節剤量を多くして
徐々に樹脂膜抵抗を下げて行くことを基本にしている。
また、被覆層にシリコーン樹脂を使うと共に、該樹脂で
被覆層を形成する際に添加されるシランカップリング剤
量や、該被覆層の形成に使われる有機スズ化合物触媒量
を調節し、これによって被覆層が長期間の使用で摩耗し
てもキャリアの抵抗が変らないようにし、同時にトナー
の摩擦帯電量等の帯電特性が変らないようにしている。
【0009】次に、本発明のキャリアと従来の被覆キャ
リアの比抵抗差を図で説明する。図1は、本発明のキャ
リアと従来の被覆キャリアの被覆層の比抵抗を模型的に
示しており、従来品では被覆層の比抵抗が全層一定なの
に、本発明のキャリアでは被覆層の比抵抗が該層の外側
表面ほど低くなっていることが分る。図2は、本発明の
キャリアと従来の被覆キャリアの比抵抗を模型的に示し
ており、従来品では被覆層が薄くなるに従って被覆キャ
リア集合体の比抵抗が急激に下がり、そのために所定膜
厚より0.5μm薄い被覆層を持つ被覆キャリアの比抵
抗は、通常品のそれより数オーダー低いことが分る。
【0010】本発明のキャリアは、前記のように被覆層
の比抵抗が表面ほど低いから、被覆層が摩耗して薄くな
っても比抵抗が従来品ほど低下しない。そして、測定電
界が5,000V/cmの際に、所定膜厚の被覆層を持
つキャリアの比抵抗が、該膜厚より0.5μm薄い膜厚
の被覆層を持つ場合のそれの1倍以上104倍以下、好
ましくは1倍以上102倍以下となるように被覆層の比
抵抗を調節するのが良い。なお、測定電界を特定する理
由は、高抵抗粉体の比抵抗が電界に依存し易いためであ
る。本発明のキャリアは、被覆層を多層構成として段階
的に各層の抵抗調節剤の種類や量を代える方法、又は単
一膜中の抵抗調節剤の種類や量を被覆中に連続的に変え
る方法で得られるが、後者が好ましい。また、本発明で
はカーボンブラックや金属酸化物等の導電性材料が抵抗
調節剤に使われるが、小量で有効な前者が好ましい。そ
して、前記抵抗調節剤の一種又は二種以上を分散させた
被覆層形成液を使って、噴霧法や浸漬法等でキャリア表
面に被覆層を形成させれば良い。
【0011】本発明のキャリアは、被覆層をシリコーン
樹脂で形成させると、表面エネルギーが低下してトナー
のスペント化が抑制される。また、被覆層に抵抗調節剤
を添加している場合には、シランカップリング剤を添加
して抵抗調節剤の安定微分散化を行っている。従って、
抵抗調節剤量を表面ほど多くした場合には、抵抗調節剤
量に応じてシランカップリング剤量も表面ほど多くする
のが望ましく、このようにすれば抵抗調節剤の微分散化
がより安定的になって帯電能が安定化する。また、被覆
層に抵抗調節剤が含まれている場合、その量が多くなる
と被覆層の抵抗が下がるために帯電能の絶対値が小さく
なる。しかし、被覆層がシランカップリング剤を含むシ
リコーン樹脂で形成されている場合は、有機スズ化合物
触媒量を変えることで帯電能の絶対値を調整することが
できる。これは、遊離のシランカップリング剤がキャリ
アの帯電能を変え、シリコーン樹脂と反応したシランカ
ップリング剤はキャリアの帯電能に影響しないからであ
り、触媒量の増加で遊離のシランカップリング剤量が減
るからである。従って、キャリアの正帯電性を増加させ
るアミノシランカップリング剤と負帯電性トナーより成
る現像剤では、触媒量増加で負帯電性が向上し、負帯電
性トナーと組み合せた場合は触媒量の減少で正帯電性が
増える。一方、キャリアの不帯電性を増加させるクロロ
シランカップリング剤の使用時は、前記と逆の結果が得
られる。それゆえ、使用するトナーの帯電性やシランカ
ップリング剤の種類によって触媒量を変化させれば、帯
電能を安定化させることができる。
【0012】前記のように、本発明のキャリアの被覆層
単一膜として連続的に比抵抗が変えてあり、単一膜中
の抵抗を連続的に変える方法としては、低濃度の抵抗調
節剤を分散させた被覆層形成液を使って被覆層形成を開
始後、被覆層形成中に高濃度の抵抗調節剤を含む液を徐
々に前記被覆層形成液中に添加し、これによって該形成
液中の抵抗調製剤濃度を徐々に高めて行く等の方法で被
覆層を形成させれば良い。この場合、抵抗調節剤は一種
類でも二種類以上を混合使用しても良いし、抵抗調節剤
の分散助剤等の添加物を加えても良い。また、被覆層形
成材料としてシランカップリング剤や有機スズ化合物触
媒を含むシリコーン樹脂を使用する場合に、シランカプ
リング剤や有機スズ化合物触媒の濃度に勾配を持たせて
も良い。
【0013】本発明のキャリアの被覆層形成に好適な樹
脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチ
レン、クロルスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィ
ン系樹脂;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等
のポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニ
ルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチ
ラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポ
リビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及び
ポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体やスチレン−アクリル酸共重合体等の共重合体;オル
ガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変
成樹脂(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成樹脂);ポリテ
トラクロルエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリクロルトリフルロルエチレン等のフッ素
樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリ
カーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ
樹脂;エポキシ樹脂等である。なお、トナーのスペント
化防止の点で好ましい樹脂は、シリコーン樹脂又はその
変成樹脂あるいはフッ素樹脂であり、特に前者が好まし
い。
【0014】被覆層形成には既知のシリコーン樹脂が使
われるが、下記式(I)で示されるオルガノシロキサン
結合を持つストレートシリコーンや、アルキッド、ポリ
エステル、エポキシ、ウレタン等で変成した変成シリコ
ーン樹脂が特に好ましい。
【化1】
【0015】上記式(I)中のR1は水素原子、炭素数
1〜4のアルキル基又はフェニール基を表し、R2及び
3は同一でも異なっていても良いが、これらは水素原
子、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノール基、フェ
ノキシ基、炭素数2〜4のアルケニル基又はアルケニル
オキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エポキシ
環、グリシジル基又は下記式(II)で示される基を表し
ている。
【化2】 上記式(I)及び(II)中のR4、R5、R6、R7は同一
でも異なっていても良いが、これらはヒドロキシ基、カ
ルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキ
シ基、炭素数2〜4のアルケニル基又はアルケニルオキ
シ基、或いはフェニル基を表し、k、l、m、n、o、
pは1以上の整数を表している。
【0016】上記の各置換基は未置換のもののほか、ア
ミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト
基、アルキル基、フェニル基、エポキシ環、グリシジル
基、ハロゲン原子等の置換基を持っていてもよい。以上
に記した被覆層形成用シリコーン樹脂の商品名を具体的
に記すと以下のとおりである。すなわち、ストレートシ
リコーン樹脂の市販品は、信越化学社製のKR271及
びKR125、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製
のSR2411及びSR2405等であり、変性シリコ
ーン樹脂の市販品は、信越化学社製のKR206(アル
キッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1
001N(エポキシ変性)及びKR305(ウレタン変
性)、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2
115(エポキシ変性)及びSR2110(アルキッド
変性)等がある。
【0017】本発明で使われるシランカップリング剤
は、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルア
ミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン
塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリアセトキシシラン、r−クロルプロピルトリメ
トキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノ
プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリ
ル)プロピル〕アンモニウムクロライド、r−クロルプ
ロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラ
ン、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン
(以上、トーレ・シリコン社製)、アリルトリエトキシ
シラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザ
ン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキ
シシリルプロピル)アンモニウムクロライド(以上、チ
ッソ社製)等である。
【0018】シランカップリング剤の添加量は、シリコ
ーン樹脂固形分に対し0.1〜10重量%が好ましく、
シランカップリング剤の含有量が0.1重量%より少な
い場合には効果が発揮されないために、核体粒子や抵抗
調節剤とシリコーン被覆層の接着性が低下して長期間の
使用中に被覆層が脱落する。また、含有量が10重量%
を超えるとシリコーン樹脂の持つ耐スペント性が低下
し、長期間の使用中にトナーのスペント化が起る。
【0019】本発明では、シランカップリング剤を含む
シリコーン樹脂で被覆層を形成させる場合に、シリコー
ン樹脂とシランカップリング剤との間の反応用触媒に有
機スズ化合物を使うのが好ましい。該触媒は、シリコー
ン樹脂の炭化水素基水素とシランカップリング剤との反
応促進に有効である。有機スズ化合物の添加量は、シラ
ンカップリング剤添加量の1〜100重量倍、好ましく
は2〜50重量倍であり、添加量過少では添加効果が発
揮されず、過大の場合はシリコーン樹脂本来の性能が発
揮されないために耐スペント性が低下する。また、前記
のように有機スズ化合物触媒濃度を被覆層の厚み方向で
変えれば、該触媒による帯電能調整とスペント化の進行
による帯電能低下をバランスさせることが可能であり、
これによって該被覆キャリアの帯電能を長期間安定的に
保持することができるし、触媒添加量の変化で帯電量を
変えることも可能である。以上に詳記した有機スズ化合
物の具体例を示すと表1のとおりである。
【0020】
【表1】
【0021】本発明で使われる核体粒子は既存の磁性体
でよく、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、
ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合
物;これら磁性体の微粉を結着剤樹脂中に分散させた樹
脂核体粒子;等である。これらのうち、樹脂核体粒子を
使った場合は、画質が向上するから特に好ましい。樹脂
核体粒子は、以下の方法等で製造されるが、これらに限
定されない。 (1)熱可塑性樹脂と磁性体微粉末を溶融・混練後、粉
砕して適度に分級する。さらに熱風処理すれば球状化す
ることもできる。 (2)熱硬化性樹脂と磁性体微粉末を溶融・混練後、硬
化剤を加えて熱硬化させてから、得られた硬化物を粉砕
・分級する。 (3)結着樹脂と磁性体微粉末を溶融・混練後、その混
練物を固化させない状態で比較的低温の空気流中に噴霧
して冷却・固化する。 (4)熱硬化性樹脂を溶剤に溶解してから磁性体微粉末
を分散した後、噴霧造粒乾燥し、さらに加熱硬化後に分
級する。 (5)磁性体微粉末と懸濁安定剤と塩基触媒の存在下
で、フェノール類とアルデヒド類とを水性媒体中で反応
・硬化させる。すなわち、反応法で製造する。
【0022】本発明の静電潜像現像用キャリアと共に現
像剤を構成するトナーには、公知の方法で製造されたも
のを使用すれば良い。具体的には、結着樹脂、着色剤、
極性制御剤及び必要に応じて添加される任意の添加物よ
りなる混合物を、熱ロールミルで溶融・混練後に冷却・
固化させ、これを粉砕・分級して得られる。前記の極性
制御剤にも公知のものを使えば良く、モノアゾ染料の金
属錯塩;ニトロフミン酸及びその塩;サリチル酸、ナフ
トエ酸及び各種ジカルボン酸とコバルト、クロム、鉄等
との金属錯体;アミノ化合物;第4級アンモニウム化合
物及び有機染料等が使用される。極性制御剤の使用量
は、結着樹脂の種類、添加剤の有無及び量、分散方法を
含めたトナーの製造方法等で定まるから一義的に決定さ
れないが、一般的には結着樹脂100重量部当り、0.
1〜20重量部の範囲が好ましい。0.1重量部未満で
はトナーの帯電量が不足して実用的でないし、20重量
部を越えるとトナーの帯電量過大のために、トナーとキ
ャリアとの間の静電的吸引力が増加して現像剤の流動性
低下や画像濃度の低下を招く。
【0023】前記の結着樹脂には公知品の全部が使用で
きる。例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン系単量合体;スチ
レン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピ
レン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、ス
チレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共
重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重
合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメ
チルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸
共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等の
スチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート;ポリ
ブチルメタクリレート;ポリ塩化ビニル;ポリ酢酸ビニ
ル;ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリエステル;ポ
リウレタン;ポリアミド;エポキシ樹脂;ポリビニルブ
チラール;ポリアクリル酸樹脂;ロジン;変性ロジン;
テルペン樹脂;フェノール樹脂;脂肪族炭化水素樹脂;
芳香族系石油樹脂;塩素化パラフィン;パラフィンワッ
クス等を単独又は混合して使えば良い。そして、ポリエ
ステル樹脂を結着樹脂にすると塩ビマット融着性がな
く、カラートナーの本来の色が失われない現像剤用トナ
ーが得られる。
【0024】着色剤も既存品で良く、黒色の着色剤とし
ては、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネ
スブラック、ランプブラック等が、シアン色の着色剤と
しては、フタロシアニンブルー、ビクトリアブルー、メ
チルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブ
ルー等が使用できる。また、マゼンタ色の着色剤として
は、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウ
ォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、ア
リザリンレーキ等が、イエロー色の着色剤としては、ク
ロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、
ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイ
エロー、タートラジン等が使用できる。トナーへの添加
剤としては、テフロンやステアリン酸亜鉛等の滑剤、酸
化セリウムや炭化ケイ素等の研磨剤、コロイダルシリカ
や酸化アルミニウム等の流動性付与剤、ケーキング防止
剤、カーボンブラックや酸化スズ等の導電性付与剤、低
分子量ポリオレフィン等の定着助剤等がある。本発明の
キャリア及びトナーの使用量は、トナー粒子がキャリア
粒子表面に付着して、その表面積の30〜90%を占め
る程度にするのが好ましい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を下記の実施例によって更に具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、以下の部数はすべて重量部である。
【0028】 〔トナーの製造例1〕 スチレン−アクリル樹脂(ハイマー70:三洋化成社製) 90部 カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 8部 含金属アゾ染料(S−34:オリエント化学社製) 2部 上記処方の混合物を120℃の熱ロールで混練し、冷却
・固化後に該混練物をジェットミルで粉砕・分級して平
均粒径10μmの負帯電性トナーaを得た。 〔トナーの製造例2〕 スチレン−アクリル樹脂(ハイマー70:三洋化成社製) 90部 カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 8部 ニグロシン染料(ニグロシンEX:オリエント化学社製) 2部 上記処方の混合物を120℃の熱ロールで混練し、冷却
・固化後に該混練物をジェットミルで粉砕・分級して平
均粒径10μmの正帯電性トナーbを得た。
【0029】実施例1 被覆層形成液1の組成 アクリル樹脂(BR−83:三菱レーヨン社製) 100部 トルエン 100部 酸化チタン(ECT−52:チタン工業社製) 8部 被覆層形成液2の組成 アクリル樹脂(BR−83:三菱レーヨン社製) 100部 トルエン 100部 酸化チタン(ECT−52:チタン工業社製) 12部 上記二種類の被覆層形成液調製用混合物をホモミキサー
で撹拌・混合して、被覆層形成液液1及び2を得た。
【0030】別途、平均粒径100μmのフェライト核
粒子1,000gを用意し、流動床型被覆層形成装置を
使って被覆キャリアを作成した。すなわち、被覆層形成
液1を槽Aに100g入れて撹拌しながら5g/分のス
ピードで前記のフェライト核粒子に供給し、フェライト
核粒子の被覆を開始した。開始直後から被覆層形成液2
を槽Bより2.5g/分のスピードで槽Aに供給し、被
覆層形成液2を100g供給した時点(所用時間40
分)で被覆層形成を終了した。被覆層の形成終了後、被
覆層が形成されているフェライト核粒子を乾燥して、膜
厚1μmの被覆層を持つ実施例1の被覆キャリアを得
た。なお、流動床型被覆層形成装置を使用する被覆層形
成の途中で、乾燥膜厚0.5μmの被覆層を持つ被覆キ
ャリアを採取した。
【0031】実施例2 被覆層形成液1の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 酸化チタン(ECT−52:チタン工業社製) 8部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.2部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 2部 被覆層形成液2の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 カーボンブラック(BP−2000:キャボット社製) 4部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.2部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 2部 上記二種類の被覆層形成液調製用混合物をホモミキサー
で撹拌・混合して、被覆層形成液1及び2を得た。
【0032】別途、平均粒径100μmのフェライト核
粒子1,000gを用意し、流動床型被覆層形成装置を
使って被覆キャリアを作成した。すなわち、被覆層形成
液1を槽Aに100g入れて撹拌しながら5g/分のス
ピードで前記のフェライト核粒子に供給し、フェライト
核粒子の被覆を開始した。開始直後から被覆層形成液2
を槽Bより2.5g/分のスピードで槽Aに供給し、被
覆層形成液2を100g供給した時点(所用時間40
分)で被覆層形成を終了した。被覆層の形成終了後、被
覆層が形成されているフェライト核粒子を乾燥して、膜
厚1.1μmの被覆層を持つ実施例2の被覆キャリアを
得た。なお、流動床型被覆層形成装置を使用する被覆層
形成の途中で、乾燥膜厚0.6μmの被覆層を持つ被覆
キャリアを採取した。
【0033】実施例3 被覆層形成液1の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 カーボンブラック(BP−2000:キャボット社製) 2部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.2部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 2部 被覆層形成液2の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 カーボンブラック(BP−2000:キャボット社製) 4部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.2部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 2部 上記二種類の被覆層形成液調製用混合物をホモミキサー
で撹拌・混合して、被覆層形成液1及び2を得た。
【0034】別途、平均粒径100μmのフェライト核
粒子1,000gを用意し、流動床型被覆層形成装置を
使って被覆キャリアを作成した。すなわち、被覆層形成
液1を槽Aに100g入れて撹拌しながら5g/分のス
ピードで前記のフェライト核粒子に供給し、フェライト
核粒子の被覆を開始した。開始直後から被覆層形成液2
を槽Bより2.5g/分のスピードで槽Aに供給し、被
覆層形成液2を100g供給した時点(所用時間40
分)で被覆層形成を終了した。被覆層の形成終了後、被
覆層が形成されているフェライト核粒子を乾燥して、膜
厚1.0μmの被覆層を持つ実施例3の被覆キャリアを
得た。なお、流動床型被覆層形成装置を使用する被覆層
形成の途中で、乾燥膜厚0.5μmの被覆層を持つ被覆
キャリアを採取した。
【0035】実施例4 被覆層形成液1の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 カーボンブラック(BP−2000:キャボット社製) 2部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.1部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 2部 被覆層形成液2の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 カーボンブラック(BP−2000:キャボット社製) 4部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.6部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 2部 上記二種類の被覆層形成液調製用混合物をホモミキサー
で撹拌・混合して、被覆層形成液1及び2を得た。
【0036】別途、平均粒径90μmのフェライト核粒
子1,000gを用意し、流動床型被覆層形成装置を使
って被覆キャリアを作成した。すなわち、被覆層形成液
1を槽Aに100g入れて撹拌しながら5g/分のスピ
ードで前記のフェライト核粒子に供給し、フェライト核
粒子の被覆を開始した。開始直後から被覆層形成液2を
槽Bより2.5g/分のスピードで槽Aに供給し、被覆
層形成液2を100g供給した時点(所用時間40分)
で被覆層形成を終了した。被覆層の形成終了後、被覆層
が形成されているフェライト核粒子を乾燥して、膜厚
1.1μmの被覆層を持つ実施例4の被覆キャリアを得
た。なお、流動床型被覆層形成装置を使用する被覆層形
成の途中で、乾燥膜厚0.6μmの被覆層を持つ被覆キ
ャリアを採取した。
【0037】実施例5 被覆層形成液1の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 カーボンブラック(BP−2000:キャボット社製) 2部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.2部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 1部 被覆層形成液2の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 カーボンブラック(BP−2000:キャボット社製) 4部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.2部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 4部 上記二種類の被覆層形成液調製用混合物をホモミキサー
で撹拌・混合して、被覆層形成液1及び2を得た。
【0038】別途、平均粒径100μmのフェライト核
粒子1,000gを用意し、流動床型被覆層形成装置を
使って被覆キャリアを作成した。すなわち、被覆層形成
液1を槽Aに100g入れて撹拌しながら5g/分のス
ピードで前記のフェライト核粒子に供給し、フェライト
核粒子の被覆を開始した。開始直後から被覆層形成液2
を槽Bより2.5g/分のスピードで槽Aに供給し、被
覆層形成液2を100g供給した時点(所用時間40
分)で被覆層形成を終了した。被覆層の形成終了後、被
覆層が形成されているフェライト核粒子を乾燥して、膜
厚1.0μmの被覆層を持つ実施例5の被覆キャリアを
得た。なお、流動床型被覆層形成装置を使用する被覆層
形成の途中で、乾燥膜厚0.5μmの被覆層を持つ被覆
キャリアを採取した。
【0039】実施例6 被覆層形成液1の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 カーボンブラック(BP−2000:キャボット社製) 2部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.1部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 3.5部 被覆層形成液2の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 カーボンブラック(BP−2000:キャボット社製) 4部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.6部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 1.5部 上記二種類の被覆層形成液調製用混合物をホモミキサー
で撹拌・混合して、被覆層形成液1及び2を得た。
【0040】別途、平均粒径90μmのフェライト核粒
子1,000gを用意し、流動床型被覆層形成装置を使
って被覆キャリアを作成した。すなわち、被覆層形成液
1を槽Aに100g入れて撹拌しながら5g/分のスピ
ードで前記のフェライト核粒子に供給し、フェライト核
粒子の被覆を開始した。開始直後から被覆層形成液2を
槽Bより2.5g/分のスピードで槽Aに供給し、被覆
層形成液2を100g供給した時点(所用時間40分)
で被覆層形成を終了した。被覆層の形成終了後、被覆層
が形成されているフェライト核粒子を乾燥して、膜厚
1.0μmの被覆層を持つ実施例6の被覆キャリアを得
た。なお、流動床型被覆層形成装置を使用する被覆層形
成の途中で、乾燥膜厚0.5μmの被覆層を持つ被覆キ
ャリアを採取した。
【0041】比較例1 被覆層形成液の組成 アクリル樹脂(BR−83:三菱レーヨン社製) 100部 トルエン 100部 酸化チタン(ECT−52:チタン工業社製) 15部 上記組成の混合物をホモミキサーで混合して被覆層形成
液を調製後、流動床型被覆層形成装置を使って、平均粒
径100μmのフェライト核粒子1,000gに、前記
の被覆層形成液200gを撹拌しながら5g/分のスピ
ードで供給して被覆層を形成させ、得られた微粒子を乾
燥して膜厚1.0μmの被覆層を持つ比較例1の被覆キ
ャリアを得た。なお、被覆層形成の途中で乾燥膜厚0.
5μmの被覆層を持つ被覆キャリアを採取した。
【0042】比較例2 被覆層形成液の組成 シリコーン樹脂(SR−2411:東レ・ダウコー ニング・シリコーン社製) 100部 トルエン 100部 カーボンブラック(BP−2000:キャボット社製) 3部 シランカップリング剤〔r−(2−アミノエチル) アミノプロピルメチルトリメトキシシラン〕 0.2部 有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート) 2部 上記組成の混合物をホモミキサーで混合して被覆層形成
液を調製後、流動床型被覆層形成装置を使って、平均粒
径90μmのマグネタイト核粒子1,000gに、前記
の被覆層形成液200gを撹拌しながら5g/分のスピ
ードで供給して被覆層を形成させ、得られた微粒子を乾
燥して膜厚1.1μmの被覆層を持つ比較例2の被覆キ
ャリアを得た。なお、被覆層形成の途中で乾燥膜厚0.
5μmの被覆層を持つ被覆キャリアを採取した。
【0043】以上の実施例1〜6、比較例1及び2で使
用した被覆層形成液の組成を表2に示す。なお、実施例
の被覆キャリアは、100gの被覆層形成液1に100
gの被覆層形成液2を徐々に添加して該形成液の組成を
経時的に変化させ、全量で200gの被覆層形成液を核
粒子1,000gに被覆して形成される。比較例の被覆
キャリアは、一定組成の被覆層形成液200gを核粒子
1,000gに被覆して形成される。また、実施例1〜
6、比較例1及び2に示した所定膜厚の被覆層を持つキ
ャリアと、それぞれのキャリアの所定膜厚よりも0.5
μm薄い被覆層を持つ被覆キャリアの比抵抗を表3に示
す。なお、比抵抗は、電極面積10cm2、電極間距離
2mmのセルにキャリアを充填し、直流電圧1,000
Vを印加したとき(測定電界;1,000V/2mm=
5,000V/cm)の数値である。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】実施例1〜5、及び比較例1、2のキャリ
ア97部にトナー粒子aを3部加え、ボールミルで30
分混合して現像剤を作製した。また、実施例6及び比較
例2のキャリアにはトナー粒子bを加えて、同一条件で
現像剤を作製した。トナー粒子aを使った現像剤はリコ
ー社製複写機FT−6960Lで、トナー粒子bを使っ
た現像剤は複写機FT−3350を使って複写実験を行
った。両機械は、測定電界が5,000V/cmで、キ
ャリアの比抵抗が1×108〜109Ωcm以下になると
キャリア現像が多くなって現像剤の寿命が尽きるため、
実寿命としてキャリアの測定電界が5,000V/cm
の時の比抵抗が5×108Ωcmとなるまで複写を繰り
返し、それまでのコピー枚数、画像濃度、中間調再現性
及び膜厚を評価した。結果を表4に示す。 なお、ここ
で言う比抵抗は、長期間使用してキャリアの被覆層が変
質した状態での比抵抗である。
【0047】
【表4】
【0048】表4において、画像濃度は画像の上部、中
央部、下部にそれぞれ3ヶ所ずつ配置した20φの測定
点、計9ヶ所の画像濃度をマクべス反射濃度計で測定
し、その平均値から求めたものである。中間調再現性は
コダック社製グレイスケール(No.Q−13)を複写
して、その階調可能な数を次のようにして表した。 ◎;≧13、 ○;10〜12、 △;6〜2、 ×;
≦5 また、表4では帯電量及び膜厚が重複して記載されてい
るが、前記のように被覆キャリア製造過程で被覆層が一
部形成されているキャリアをサンプリングしており、膜
厚の異なる二種類のキャリアを評価したからである。そ
して、複写枚数や画像濃度や中間調再現性は、膜厚の厚
い方のキャリアを使った場合のデータを示している。
【0049】本発明の被覆キャリアと比較例のそれをく
らべると、前者では被覆層が一部脱落しても脱落前の1
/102ぐらいの比抵抗値を示すのに、比較例のキャリ
アでは1/105以下になることが表3から分る。そし
て、被覆層の一部脱落による比抵抗値低下の割合は、被
覆層形成用樹脂の種類や抵抗調節剤の種類等の諸因子で
異なっているが、シリコーン樹脂とシランカップリング
剤とカーボンブラックと有機スズ化合物触媒で形成され
る被覆層に利点が多く、特にシランカップリング剤の表
面濃度が高いと効果的と云える(実施例4と3の比
較)。また、触媒濃度を厚み方向で変えた場合も効果を
示すことが分かる(実施例5及び6と3の比較)。な
お、表面層の抵抗調節剤に主としてカーボンブラックを
使用し、核体粒子に近い部分には酸化チタンを主とする
抵抗調節剤を使っている実施例2のキャリアが、比抵抗
値の変動幅の点で特に優れた成績を示していることが注
目されるが、得られる画像濃度や中間調再現性等の点も
含めて検討すると実施例5及び6のキャリアが特に好ま
しく、これらのキャリアはシランカップリング剤及び/
又は有機スズ化合物触媒の濃度に匂配を付けたキャリア
である。
【0050】
【発明の効果】被覆層の抵抗が被覆層表面ほど低くなる
ようにした本発明の被覆キャリア、特に抵抗調節剤にカ
ーボンブラックを使った被覆キャリアを使用した現像剤
では、長期間使用してもキャリアの抵抗が安定している
ために、高画質の画像を長期間連続して得ることができ
る。また、被覆層形成用樹脂にシリコーン樹脂を使い、
シランカップリング剤及び有機スズ化合物触媒を併存さ
せると共に、これらの添加物に濃度匂配を付けた被覆層
では、長期間使用してもキャリアの帯電特性(例えば、
トナーの摩擦帯電量等)が変らないようにすることがで
き、現像特性を劣化させずに長期間にわたり安定した高
品位画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャリアと従来の被覆キャリアの被覆
層の比抵抗を模型的に示したものである。
【図2】本発明のキャリアと従来の被覆キャリアの比抵
抗を模型的に示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−29865(JP,A) 特開 平5−204189(JP,A) 特開 昭60−201359(JP,A) 特開 昭61−284775(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に、少なくとも樹脂と抵抗調節剤か
    らなる被覆層を持つ被覆キャリアにおいて、該被覆層の
    比抵抗が、該被覆層を単一膜として連続的に、被覆層の
    表面ほど低くなるように形成されていることを特徴とす
    る静電潜像現像用被覆キャリア。
  2. 【請求項2】 測定電界が5,000V/cmの場合
    に、所定膜厚の被覆層を持つ被覆キャリアの比抵抗が、
    所定膜厚より0.5μm薄い膜厚の被覆層を持つ被覆キ
    ャリアの比抵抗の1倍以上104倍以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用被覆キャリ
    ア。
  3. 【請求項3】 被覆層の抵抗調節剤がカーボンブラック
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜
    像現像用被覆キャリア。
  4. 【請求項4】 被覆層の樹脂がシランカップリング剤を
    含むシリコーン樹脂で形成され、該シランカップリング
    剤の被覆層中の濃度が被覆層の表面ほど大きいことを特
    徴とする請求項3に記載の静電潜像現像用被覆キャリ
    ア。
  5. 【請求項5】 被覆層の樹脂が有機スズ化合物を触媒と
    してシランカップリング剤を含むシリコーン樹脂で形成
    され、該触媒の濃度が被覆層の厚さ方向に対して濃度匂
    配を持つことを特徴とする請求項3に記載の静電潜像現
    用被覆キャリア。
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