JP3285169B2 - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JP3285169B2
JP3285169B2 JP20175193A JP20175193A JP3285169B2 JP 3285169 B2 JP3285169 B2 JP 3285169B2 JP 20175193 A JP20175193 A JP 20175193A JP 20175193 A JP20175193 A JP 20175193A JP 3285169 B2 JP3285169 B2 JP 3285169B2
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映保 楊
英彦 高梨
恵理子 松居
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶、プラズマ、EL
(エレクトロルミネッセンス)等の如く画素が離散的な
ディスプレイや、撮像画素が離散的なCCD(電荷結合
素子)により代表される固体撮像素子に好適な光学装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶、プラズマ、EL等の如くモザイク
状、ドット状等の離散的な画素配列を持った表示素子に
対して、NTSC方式等で線順次走査の画素表示を行う
際、本来アナログ信号であるべき輝度信号が粗くサンプ
リングされて水平方向の位置情報が欠落してしまう。ま
た、垂直方向の画素分解能が走査線数だけ実装できない
場合、走査線の情報を欠落するか、あるいは同一画素上
に上書きするために、輝度信号等の位置分解能(即ち、
ディスプレイの解像度)を低下させていた。
【0003】例えば、NTSC方式で駆動するTFT(T
hin-Film-Transistor)−TN(Twisted Nematic)の液晶
ビューファインダーにおいて、NTSC方式では、1フ
レーム(つまり、ビューファインダーが表示する一枚の
絵)は、偶数本目の走査線と奇数本目の走査線からそれ
ぞれ成る二つのフィールドで形成され、フレーム周波数
は30Hz(つまり、フィールド周波数は60Hz)である。現
状のTFTビューファインダーは、NTSC方式の走査
線数 525本を実装できないため、奇数フィールドと偶数
フィールドを同一画素に書き込む等の方法をとってい
る。このため、垂直分解能がNTSC方式の原理よりも
低下しているのが現状である。
【0004】また、画素サイズが大きく、さらにブラッ
クマトリックス等の非表示画素部分のつなぎ目の存在に
より、離散的画素配列のモザイク状の画面が目立ち、画
面の質感を低下させていた。
【0005】上記の現象は、CCDによる撮像において
も同様に生じる。即ち、CCDを構成している撮像画素
が離散的なために、被写体の画像情報が構成画素ピッチ
でサンプリングされてしまうため、水平及び垂直の空間
分解能を低下させていた。
【0006】そこで、ウォブリング技術を採用して、絵
素ずらし素子を導入し、奇数フィールドと偶数フィール
ドの画像を空間的にずらすことにより、垂直分解能を向
上させる方法が提案されている。これは、水平方向にも
適用され、水平分解能の向上も可能である。
【0007】しかし、これまで提案されているウォブリ
ング素子では、応答速度が遅く、ビデオレートでは駆動
できないため、実用的ではなく、また、デバイスの構成
条件も不十分であった。また、従来の素子では空間分解
能も限界があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、離散
的画素からなるディスプレイや、離散的受光画素からな
る固体撮像素子等に対して高速でビデオレート対応の容
易なウォブリング(絵素ずらし)を可能にし、高解像度
化を効率よく達成でき、モザイク状の点描画的画面等を
継ぎ目のない連続的な画面に向上させることができる光
学装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、高解像
度化されるべき表示素子と観察位置との間、又は被写体
と撮像素子との間の光路中に、位相変調光学素子と光学
的に透明な複屈折媒体とが順次配置されてなるウォブリ
ング素子の組み合わせ体が配置され、前記表示素子又は
前記撮像素子が一次元又は二次元にウォブリングされる
ようにした光学装置であって、前記位相変調光学素子と
して、光学的に透明な電極と配向膜とをこの順に設けた
光学的に透明な基体の複数個が前記電極及び前記配向膜
の側で互いに所定の間隙を隔てて対向配置され、強誘電
性液晶(FLC)と反強誘電性液晶(AFLC)と電傾
効果を示すスメクチック液晶(SmA)とから選ばれた
少なくとも1種の液晶(混合液晶であってもよい。)が
前記間隙内に注入されており、前記複数の基体の少なく
とも一方における前記電極が、前記表示素子の水平走査
線数をNとしたとき、N/2或いは(N+1)/2以下
の整数分割で走査方向に分割されている位相変調光学素
子が用いられていることを特徴とする光学装置に係るも
のである。
【0010】本発明の光学装置によれば、1つのウォブ
リング素子において上記の位相変調光学素子により光の
位相を変化させて偏光面をずらし、更に上記の複屈折媒
体によって入射光を選択的に屈折させ、かつ、こうした
動作を組み合わせられた他のウォブリング素子において
更に行え、しかも走査方向にN/2又は(N+1)/2
以下に分割された上記電極による駆動を対応する領域に
有効に行えるので、離散的画素に対して効果的に一次元
のみならず二次元のウォブリングを行え、解像度を一層
向上させること(垂直、水平方向ともに高解像度化)が
可能となる。また、モザイク状の点描画的画面を継ぎ目
のない連続的な画面に向上させることができ、画質も良
好にすることができる。
【0011】そして、上記の位相変調光学素子に用いる
強誘電性液晶等の液晶はいずれも、電界の作用に対して
液晶ダイレクタの方向が変化し易く、応答速度が非常に
速い(例えば、立ち上がり及び立ち下がり時間ともにμ
sec オーダー〜数msec であって、ツイストネマチック
液晶の特に立ち下がり時間に比べてはるかに速い)の
で、ビデオレートでの駆動が十分可能となる。
【0012】
【0013】また、複屈折媒体が、入射光の偏光方向に
より光軸のずれを与える水晶等の透明基板からなってい
てウォブリング方向に等価的に一軸性の異常光軸の成分
を有するように配置されてよい。この場合、異常光軸は
ウォブリング光学系に対し10〜80度の角度をなしている
のがよい。
【0014】また、高解像度化されるべき表示素子又は
撮像素子が離散的画素から構成されるツイストネマチッ
ク液晶、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶等の液晶表示
素子、発光ダイオード等の自発光型表示素子又はCCD
等であってよい。
【0015】高解像度化されるべき表示素子又は被写体
からの光が偏光していない場合、ウォブリング素子の組
み合わせ体と前記表示素子又は被写体との間の光路中
に、偏光を与える素子が配置されるのがよい。
【0016】本発明において、n個(nは整数)のウォ
ブリング素子が組み合わされ、複屈折媒体の光軸のずれ
が2n 点に亘るようにして、高解像度化を図ることがで
きる。この場合、厚さの異なる複屈折媒体の組み合わせ
によって、更に空間解像度を向上させることができる。
【0017】また、ウォブリング素子の組み合わせ体と
観察位置又は撮像素子との間の光路中に、偏光面を90度
±45度回転させる位相変調素子(例えばカイラルスメク
チック液晶素子)が配置され、この位相変調素子をウォ
ブリング時の偏光方向の変化と同期してスイッチングす
ることによってウォブリング時の偏光面を揃えるように
構成されると、ウォブリング素子組み合わせ体の光出射
側に偏光スクリーン等を配置するときに、反射率の偏光
度依存性がある場合に有利である。
【0018】また、ウォブリング素子の組み合わせ体に
おいて各位相変調光学素子を駆動するに際し、その駆動
周期がウォブリング周期の少なくとも4倍とすると、駆
動周期を長くしてビデオレートでの駆動に対応させるこ
とが容易となる。
【0019】この場合、組み合わされた2個のウォブリ
ング素子の各位相変調光学素子を駆動するに際し、これ
らの各位相変調光学素子の駆動周期をウォブリング周期
の4倍とし、かつその駆動周期の位相を互いに90度ずら
すようにすると、液晶素子のスイッチング回数を減ら
し、その駆動速度の条件を緩和することができる。
【0020】なお、本発明において、上記の「光学装
置」とは、上記のウォブリング素子の組み合わせ体のみ
を意味することは勿論であるが、この組み合わせ体を配
した表示装置、撮像装置等も包含する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0022】〔1〕1次元の2点絵素ずらし まず、図6について、1 次元の2点絵素ずらしを説明す
る。
【0023】表示素子のウォブリングの場合:液晶表示
素子(図示せず)からの偏光6はカイラルスメクチック
液晶光学素子からなる液晶位相変調素子3(変調素子A
と称することもあり)に入射し、偏光面を変えない場合
(これを「スイッチ状態1」とする。)、偏光面は複屈
折媒体4の異常光軸10と平行になるために屈折して光軸
が上方にずれ、この出射光12を位置aの絵素として直接
眼で知覚するか、レンズ系を通した後に直接あるいはス
クリーン等の反射系で受けた後、眼で知覚する。
【0024】次に、液晶位相変調素子3で偏光面をほぼ
90度回転させた場合(これを「スイッチ状態2」とす
る。)、偏光面は複屈折媒体4の異常光軸と垂直になる
ために屈折せず、光軸がずれることなく、位置bの絵素
が知覚される。
【0025】このウォブリング素子7によれば、上記の
2つの状態の間で光学的なずれが生じ、この操作を1フ
レーム内で行うため、感覚的に高解像度化される。
【0026】撮像素子のウォブリングの場合:被写体
(図示せず)からの光はあまり偏光成分を含まないた
め、偏光板を被写体と位相変調素子3との間に挿入する
ことが必要である。このようにすれば、被写体からの光
は一方向に偏光後、カイラルスメクチック液晶光学素子
からなる液晶位相変調素子3に入射され、偏光面を変え
ない「スイッチ状態1」の時、偏光面は複屈折媒体の異
常光軸と平行になるために屈折して光軸が上方にずれ、
撮像素子に入射する。
【0027】次に、液晶位相変調素子3で偏光面をほぼ
90度回転させた「スイッチ状態2」の時、偏光面は複屈
折媒体4の異常光軸10と垂直になるために屈折せず、光
軸がずれることなく撮像素子に入射する。
【0028】この2つの状態の間で光学的なずれが生
じ、被写体の異なる場所の光を、同一の撮像絵素で撮像
できるため、2つのフィールドの画像を逐次フレームメ
モリに転送し、1フレームを形成すれば、撮像の空間分
解能が絵素ずらし方向に向上する。
【0029】〔2〕2次元の4点絵素ずらし 図1に示すように、カイラルスメクチック液晶光学素子
3−1、3−2からなる位相変調素子A、Bをそれぞれ
有する1次元の2点絵素ずらし素子を2組(7−1と7
−2)用意し(図中の4−1、4−2は複屈折媒体、10
−1、10−2はその異常光軸)、一方の素子Aに対して
他方の素子Bを入射光軸の回りに90度回転させて組み合
わせ、積層したものであり、2枚の位相変調素子のスイ
ッチ状態の組み合わせにより、垂直及び水平方向の高解
像度化を行う。ここでは、入射光の偏光面をほぼ変化さ
せないものを「スイッチ状態1」、約90度回転させるも
のを「スイッチ状態2」とした。
【0030】図2には、そのスイッチ状態と絵素ずらし
位置の関係を示すが、絵素位置のずれにより、垂直方
向、水平方向に高解像度化されることが分かる。
【0031】このようなウォブリングでは、4回の絵素
ずらしを1フレーム、あるいは1フィールド内で行うた
め、1/30秒、あるいは1/60秒の間に全ての操作を終
えなければならない。そこで、1/120 秒(約8.3ms)、
1/240 秒(約4.2ms)の時間の20%以内にスイッチング
が完了していることが必要である。即ち、立ち上がり、
立ち下がり応答速度が約 0.8〜1.6ms 以下であることが
必要となるが、実用的に−10℃から70℃の間でこの条件
を満足するためには、高速応答性を示すカイラルスメク
チック液晶素子を用いて初めて実現可能になる。
【0032】但し、図2に示したスイッチングパターン
では、図3にその波形図を示すように、変調素子Aのス
イッチ状態は1周期に4回のスイッチングを行わなけれ
ばならない。
【0033】そこで、スイッチングのパターンを図4及
び図5のように変更することにより、変調素子Aの駆動
を1周期に2回のスイッチングだけで行え、上記と同等
に垂直、水平方向の絵素ずらしを達成することができ
る。即ち、積層した2組のウォブリング素子からなる素
子の駆動において、2組の素子の駆動周期が絵素ずらし
周期の4倍で、駆動周期の位相が互いに90度ずれた駆動
法を用いれば、液晶駆動速度のスペックを緩和できる。
この場合、駆動周期を長くできるため、ビデオレート対
応が一層容易となる。
【0034】〔3〕偏光スクリーン等に投写する場合 ウォブリング動作時の光の偏光面は、上述の〔1〕、
〔2〕で述べたようにして単にウォブリング素子7−1
と7−2を組み合わせるだけでは、偏光面が約90度スイ
ッチされた光が混在することになる。高輝度対応のため
に、図7のように偏光スクリーン70を使用したとき、偏
光方向が揃っていないと、十分な高解像度特性が得られ
ない。
【0035】しかし、ウォブリング素子と観測者とを結
ぶ光路中に、さらに偏光面を約90度回転できる位相変調
素子73(ここでは、カイラルスメクチック液晶素子X)
を入れることにより、ウォブリング時の偏光面を揃える
ことができる。
【0036】図8には、そうした位相変調素子73を2次
元の4点ウォブリングに適用した例を示す。これによっ
て、図9に示すように、位相変調素子73のスイッチング
で、ウォブリング素子の出射光の偏光面を一方向(即
ち、垂直方向又は水平方向)に揃えることができる。こ
のように偏光面を揃えることによって、偏光スクリーン
の如く反射率の偏光度依存性のある場合に、反射率を向
上させ、偏光スクリーンを介するときでも、ウォブリン
グによる高解像度化を実現できる。
【0037】 〔4〕2n フィールド1フレーム用の1次元絵素ずらし 図10には、液晶位相変調素子と複屈折媒体を組み合わせ
たウォブリング素子を複数枚7−1、7−2・・・7−
nとn枚積層して構成されたウォブリング素子を示す。
この場合、原理的には、複屈折媒体の与える光軸のずれ
がL、L/2、L/4、・・・L/2n となるように、
ウォブリング素子を積層する。具体的には、水晶板4−
1、4−2・・・4−nの厚みをd/2n とし、d、d
/2、d/4・・・d/2n と順次小さくなるようにす
る。更に、この積層時に複屈折媒体の異常光軸の向きを
揃えることにより、各液晶位相変調素子を駆動すると、
長さL(2−1/2n )の距離の間を2n 点の空間分解
能を持つ絵素ずらしを行うことができる。
【0038】より具体的には、n=3の場合、図11に示
すように、8フィールド1フレーム用の1次元絵素ずら
し素子を実現できる。即ち、厚さdの水晶板の与える光
軸のずれをLとすれば、 1.875Lの距離を8点に分割し
た絵素ずらしにより高解像度化することができる。こう
して、厚さの異なる複屈折媒体の積層によって、空間解
像度を一層向上させることができる。
【0039】〔5〕2n ×2n フィールド1フレーム用
の2次元絵素ずらし この絵素ずらしについては、上述した〔1〕から〔2〕
への拡張の方法を上述した〔4〕に適用して行えば良
い。これにより、2n ×2n 点の2次元の絵素ずらしが
可能となる。
【0040】具体的には、図12に示すような厚さの異な
る水晶基板を用いた4組(但し、n=2)のウォブリン
グ素子の積層により、4×4点の絵素ずらしが行え、高
解像度化できる。さらに、図13では、高解像度化効果
が、透過光のずれの大きさの異なる複屈折媒体の積層順
序には依存しないことを示している。
【0041】次に、上述したウォブリング動作について
より詳細に説明する。図14及び図15は、図6に示した1
つのウォブリング素子7について説明するものである
が、これは、図1、図7、図8、図10〜図13の素子の動
作原理として理解されよう(以下、同様)。
【0042】ここでは、ウォブリング素子を液晶光学表
示装置1に適用した場合を説明するが、同一光路中に光
の進行方向に沿って順次配置された液晶表示素子(LC
D)2と、位相変調光学素子としての強誘電性液晶素子
(FLC)3と、水晶板等の透明基板からなる複屈折媒
体4との組み合わせによって構成されている。ここで、
理解容易のために、各構成素子は、液晶表示素子LCD
の1つの構成表示画素5に対応した区画についてそれぞ
れ示されている(以下、同様)。
【0043】上記のLCD2の画素5は全体としてモザ
イク状等の離散的な画素配列からなっており、また、使
用される液晶はTN(ツイストネマチック)、STN
(超ツイストネマチック)、SH(スーパーホメオトロ
ピック)、更にはFLC等からなっている。このLCD
2は、図示省略したが、公知の如くにパネル自身に偏光
板を有し、出力光6は直線偏光を有している。
【0044】そして、この直線偏光6に対し、上記のF
LC3と複屈折媒体4とで構成されるウォブリング素子
(絵素ずらし素子)7によって平行方向又は垂直方向に
絵素ずらしが行われる。
【0045】このためには、FLC素子3の一つの異常
光軸8を表示画素5の偏光面9と平行あるいは垂直とな
るように配置し、更に、等価的に一軸性の光学軸(一軸
的な光学異方性)を有する透明基板4の異常光軸10のX
−Y面(入射側)への射影成分を偏光面9に対し、平行
(Y方向)あるいは垂直(X方向)に配置している。
【0046】FLC素子3に用いる液晶は、ビデオレー
トで高速スイッチング可能なものであって、カイラルス
メクチック液晶等が挙げられ、また、複屈折媒体4には
水晶板等が使用可能である。但し、後述するように、F
LCに代えて反強誘電性液晶(AFLC)や、電傾効果
を示すスメクチック液晶(例えばスメクチックA)も有
効であり、また、水晶板以外の複屈折素子も勿論使用可
能である。
【0047】次に、この表示装置1におけるウォブリン
グ動作を概略的に説明する。
【0048】まず、図14のように、強誘電性液晶素子3
のスイッチ状態が状態1の場合、表示素子2側から照射
される光6の偏光面9と強誘電性液晶素子3の異常光軸
8が平行のため、透過光11は偏光面を維持したまま複屈
折を有する水晶板4に照射される。水晶板4では、入射
偏光面内に水晶の異常光軸10を含むため、Y軸方向に偏
光している光は水晶板4の異常光軸10の傾いている方向
へ屈折し、再び空気層へ12として出るとき光軸と平行に
なり、入射光の光軸とのずれがY方向に生じる。
【0049】一方、図15のように、強誘電性液晶素子3
のスイッチ状態が状態2の場合、偏光面9と異常光軸8
が約45度の角をなしているため、透過光11は異常光軸の
向きに回転し、直線偏光(Y軸方向)→楕円偏光→円偏
光→楕円偏光→直線偏光(X軸方向)と強誘電性液晶素
子3内を変化し、偏光面は初期状態から90度回転し、水
晶板4に照射される。水晶板4では、入射偏光面内に水
晶の異常光軸10を含まないため、光11は屈折しないでそ
のままの光軸を維持し、再び空気層へ出射光12として出
る。
【0050】このように、FLC3のスイッチ状態、即
ち、状態1と状態2での水晶板4による屈折の有無で光
軸をずらし、この光軸のずれを絵素ずらしの動作原理と
して用いることができる。
【0051】ここで、FLC3(上述の素子3−1〜3
−nについても同様:以下、同様)における上記スイッ
チ状態を決める液晶のコーン角について説明する。強誘
電性液晶(反強誘電性液晶でも同様)では、電界印加に
よる液晶ダイレクタのスイッチング挙動としては、「液
晶辞典」(培風館発行)のP150 に記載されている南部
−ゴールドストーンモードに従って液晶分子が仮想的な
コーン上を動く。さらに、電傾効果を有するスメクチッ
クA液晶(同液晶辞典のP145)では、同液晶辞典のP11
9 に記載されているソフトモードを利用した場合でも、
コーン角に類似した各液晶組成物に固有のコーン角を有
している。
【0052】即ち、図16に示すようなITO(インジウ
ムにスズをドープしたIndium tin oxide) からなる透明
電極13−14間に挟まれた液晶15のコーンモデルを考え
る。コーンの開き角をコーン角θrと呼び、このコーン
角の透明電極の付いたガラス基板への投影を見かけのコ
ーン角θと呼ぶ。光学的にはこの見かけのコーン角θに
ついて考えれば良い。
【0053】次に、液晶光学装置を構成する各素子の具
体的な組み合わせ例のスイッチ状態を図17に示す。ここ
で組み合わせる液晶表示素子2としては、アクティブマ
トリックスTN液晶、STN液晶表示素子、強誘電性液
晶表示素子、反強誘電性液晶表示素子、SH表示素子
等、その種類を問わない。ここではその一例として、T
N液晶との組み合わせ例を示す。
【0054】図18に示すノーマリーホワイトのTN液晶
表示素子の場合、TN液晶に電界が印加されない状態で
光源からの光が透過するものである。ここでは、バック
ライト17−偏光板18−TN液晶2−偏光板19の組み合わ
せ、或いは、反射板−偏光板18−TN液晶2−偏光板19
の組み合わせが従来と同様のTN液晶表示素子を示す。
そして、TN液晶素子2、強誘電性液晶素子3にはそれ
ぞれ、透明電極がその両面に配置してあるのは言うまで
もない。
【0055】この場合、電界強度が増大するにつれてT
N液晶2のねじれが解除され、徐々に偏光板を通して光
がもれ、階調表示が実現されるが、いずれの透過光も強
誘電性液晶素子3の前で偏光板19により同一の直線偏光
になるため、上述した動作原理に従って絵素ずらしを行
うことができる。
【0056】図19に示すノーマリーブラックのTN液晶
表示素子の場合、TN液晶に電界が印加された状態で光
が透過するモードであり、電界強度が減少するにつれて
TN液晶2のねじれが徐々に復帰し、徐々に暗くなり、
階調表示が実現されるが、いずれの透過光も強誘電性液
晶素子3の前で偏光板19により同一の直線偏光になるた
め、上述した動作原理に従って絵素ずらしを行うことが
できる。
【0057】このように、どのようなタイプの液晶表示
素子でも、表示素子から出てくる光がほぼ直線偏光であ
れば、本発明を適用できることが明確である。
【0058】上述した例は、偏光を有する表示素子につ
いてのものであるが、本発明は無偏光の表示素子にも勿
論適用できる。
【0059】図20に示すように、表示画素5からの光の
偏光度が小さい場合、偏光にするために、表示素子2と
絵素ずらし素子7を結ぶ光路中に偏光板19を挿入すれば
良い。光学的配置条件は上述の液晶表示素子の場合と同
様である。
【0060】ここで使用可能な無偏光ディスプレイ2と
しては、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイ等
の自発光型表示素子がある。
【0061】上述した如く、ビデオレートで駆動可能な
カイラルスメクチック液晶をはじめとした位相変調素子
(強誘電性液晶、反強誘電性液晶、あるいは電傾効果を
有するスメクチックA液晶)3を用いたウォブリング素
子7を離散的な画素から構成される液晶、プラズマ、L
ED等のディスプレイと観測者の網膜とを結ぶ光路中に
配置し、ウォブリング(絵素ずらし)を行うことができ
るが、ここで、位相変調素子3を詳細に説明する。
【0062】使用可能な素子3としては、下記の〔1〕
又は〔2〕が挙げられる。 〔1〕ビデオレートで駆動可能な強誘電性液晶、反強誘
電性液晶あるいは電傾効果を有するスメクチックA液晶
のスイッチ状態において、少なくとも2つの状態が存在
し、そのうち少なくとも2つの状態の異常光軸が26〜64
度の角をなすカイラルスメクチック液晶素子で偏光面を
回転できるように光学配置した素子。
【0063】〔2〕透明な複屈折媒体が入射された光の
偏光方向により光軸のずれを与える透明基板であり、具
体的には、ウォブリング方向に等価的に一軸性の異常光
軸の成分を有するように配置した素子。
【0064】次に、素子3の構成要素(セル)の具体的
な作製方法及び動作特性について記述する。
【0065】強誘電性液晶スイッチング素子 セルの構成は図21に示す通りである。即ち、透明ガラス
基板20、21上に透明電極(例えば 100Ω/□のITO)
13、14を設け、さらにその上に、液晶配向膜としてSi
Oの斜方蒸着膜22、23を形成した。SiO斜方蒸着膜の
形成方法は、真空蒸着装置内に、SiO蒸着源から鉛直
上に基板を配し、鉛直の線と基板法線のなす角を85度と
して設置した。SiOを基板温度 170℃で真空蒸着後、
300℃、1時間の焼成を行った。
【0066】このようにして作製した配向膜付きの基板
を、その配向処理方向が対向面で反平行となるように組
み、そのスペーサとして、目的ギャップ長に応じたガラ
スビーズ(真糸球:直径 0.8〜3.0μm(触媒化成工業
製))24を用いた。スペーサは、透明基板の大きさによ
り、小さい面積の場合は周囲を接着するシール材(UV
硬化型の接着材(フォトレック:セキスイ化学(株)
製))25中に例えば0.3wt%程度分散させることによ
り、基板間のギャップを制御した。基板面積が大きい場
合には、上記真糸球を基板上に平均密度で 100個/mm2
散布したのち、ギャップをとり、セルの周囲に液晶の注
入孔を確保して上記シール材でセル周囲を接着した。
【0067】その後、強誘電性液晶(例えばチッソ
(株)製のCS−1014)15を等方相温度あるいはカ
イラルネマチック相温度の流動性を示す状態で減圧下で
注入した。液晶注入後、徐冷し、注入孔周囲のガラス基
板上の液晶を除去したのち、エポキシ系の接着剤で封止
し、強誘電性液晶素子を作製した。本発明で用いる強誘
電性液晶はチッソ(株)製、メルク(株)製、BDH社
製、あるいは例えば下記の強誘電性液晶化合物又はそれ
らを含む非カイラル液晶からなる組成物でも可能である
が、その制限はなく、また、その相系列の制限も必要と
せず、必要なのは使用温度範囲でカイラルスメクチック
液晶相をとることである。
【0068】ここで用いたカイラルスメクチック液晶素
子の液晶層構造は、配向処理方向の組み合せにより、反
平行でブックシェルフ構造、平行でシェブロン構造ある
いは疑似ブックシェルフ構造を有していることがX線構
造解析により明確となった。
【0069】
【化1】
【0070】
【化2】
【0071】
【化3】
【0072】
【化4】
【0073】
【化5】
【0074】更に、カイラルスメクチック液晶以外で
も、スイッチングスピードが高速で有れば、例えば、下
記の反強誘電性液晶(AFLC)や電傾効果を示すスメ
クチックA相でも適用可能である。
【0075】<反強誘電性液晶>反強誘電性液晶は、C
handani らにより1988年に見出されたものであって、次
の3点を特徴としている。 (1)反強誘電状態と2つの強誘電状態の3安定状態間
のスイッチングを利用する。 (2)明確なしきい値特性を示し、マルチプレクス駆動
した時のコントラストを高くとれる。 (3)プラスとマイナスのヒステリシスを交互に使い、
内部分極の発生が抑えられるため、焼き付き現象が起こ
りにくい。
【0076】この反強誘電性液晶材料の特徴としては、
強誘電性液晶と異なり、カイラル液晶がその組成物のほ
とんどであるということ(自発分極が大きく、強誘電性
液晶のほぼ10倍)、不斉炭素に関する置換基はCH
3 基、CF3 基、C2 5 基をもつ化合物は容易に反強
誘電性を示し、コア構造が拡張する。例えば、チッソ社
製のCS−4000がある。
【0077】<電傾効果を示すスメクチック液晶>電傾
効果とは、カイラル分子によって構成されるスメクチッ
クA相において、温度を一定としたときに電場によって
配向ベクトルの傾き角が誘起される現象である。スメク
チックA相において、配向ベクトルはスメクチック層の
法線方向を向き、長軸回りに自由回転しているが、層に
沿った電場を印加することによって自由回転が阻害さ
れ、電場方向の分極Pが誘起される。
【0078】分極Pと傾き角θの線形結合をP=kθと
仮定すれば、 P=(ε⊥* −ε⊥0)εO Ε 従って、θ=(ε⊥* −ε⊥0)εO Ε/k のように、印加電場Eに比例した傾き角が生じる。ここ
で、ε⊥* とε⊥0は光学活性物質のラセミ体の誘電
率、εO は真空の誘電率である。このことから、カイラ
ル液晶のラセミ体のそれぞれの誘電率の差が大きいほ
ど、大きな電傾効果を現す。
【0079】FLCの高速応答性:立ち上がり(10−90
%T)及び立ち下がり(90−10%T)とも、いずれもμ
sec オーダーの高速応答を示し、1フィールド内での十
分な応答を保証し、ビデオレートでの有効な絵素ずらし
効果が初めて達成される。
【0080】特に、ウォブリング(絵素ずらし)では、
立ち上がりと立ち下がりの応答時間がフィールド時間の
1/3以下で、かつ、立ち上がり時間と立ち下がり時間
との比が互いに2倍を越えないものが好ましい。
【0081】この点、ネマチック液晶を用いた場合は、
高速のものでも電界印加時の立ち上がり時間は比較的短
いが、オフ時の立ち下がり時間は長いために、フィール
ド内でのスイッチングが十分でなく、有効な絵素ずらし
効果が得られない。ツイストネマチックの絵素ずらし素
子では、透過率変化0〜90%での立ち上がり+立ち下が
り時間は最小で15msec 程度(室温)であり、NTSC
の2:1線飛越走査方式(1フィールド当たり1/60秒
(16.7ms))でもかなり実現が困難であり、さらにフ
レーム数が同じで4:1線飛越走査方式を適用すれば、
1フィールド当たり1/120 秒(8.3ms)であり、全く
追従できなくなる。
【0082】これに対し、強誘電性液晶素子を用いた絵
素ずらし法は、そのスイッチング時間がTN液晶よりも
短いため、有効であることがわかる。ちなみに、強誘電
性液晶素子の立ち上がり+立ち下がり時間はμsec オー
ダーから、最も遅いものでも数ms以下である。
【0083】下記の表1には、各種液晶の応答時間を比
較して示すが、本発明に使用可能な液晶の応答速度は著
しく早い。
【0084】入射された光の偏光方向により光軸のず
れを与える複屈折性透明基板 等価的に一軸性の異常光軸10が図14のようにZ軸と同一
面上に存在し、かつ、軸に対して平行でない素子:
【0085】例えば水晶板での光学軸のずれLを下記の
式により計算する。図22のように、複屈折透明媒体4の
異常光軸10がウォブリング光学系の光軸となす角をβと
し、水晶板4の厚みをdとする。ここで、水晶板4の常
光の屈折率no と異常光の屈折率ne は、ne =1.5533
6 、no =1.54425 である。ここでは、 0.7インチ、1
0.3万画素のアクティブマトリックスTN液晶ディスプ
レイを垂直方向に高解像度化するために、L=24.5μm
のずれを与える値としてβ=45度、d=4.17mmとした。
【0086】
【数1】
【0087】ここで、光軸のずれLを発現させるのに効
果的なβの範囲は10〜80度であった。この光学軸のずれ
は、構成画素ピッチにより異なる。
【0088】絵素ずらし動作における駆動電極分割数の
範囲:上述したような、高解像度化されるべき素子は、
原理的には、1画素当たりの各々のスイッチングに同期
させた絵素ずらしを必要とする。この場合には、点順次
走査の場合はTFT(Thin Film Transistor) のマトリ
ックスのように画素数分の絵素ずらし素子が必要とな
る。さらに、線順次走査の場合は、水平走査線の数の電
極分割が必要であることになる。
【0089】従って、高解像度化したい表示素子の水平
走査線数をNとした場合、線順次走査の時は透明電極を
垂直方向に1/N分割するのが理想的である。しかし、
高解像度化のためには、コスト的に同等の絵素ずらし素
子が必要となってしまう。そこで、本発明者は、ヒュー
マンファクタによりこの電極分割上限を低下させ、コス
トダウンを行えると考え、次に示す実験を行った。
【0090】上記のTFTカラー液晶表示素子と組み合
わせ、垂直同期信号に同期させて強誘電性液晶素子のス
イッチングのタイミングをとったところ、時系列データ
を考慮しないで、パネル全面のFLC素子のスイッチン
グを行っても、パネル垂直方向の約1/4が 240TV本
から 370TV本へと高解像度化された。
【0091】ここでの実験から、1/4程度までの垂直
方向の分割でも高解像度化が有効であることが判った。
即ち、高解像度化のためには、水平走査線数Nの表示素
子と組み合わせる絵素ずらし素子の電極は垂直方向にN
分割〜1分割すればよいが、パネル全面の高解像度化を
行うためには、N分割〜3分割が好ましい。さらに、電
極加工精度、コスト等を考慮すれば、N/2或いは(N
+1)/2以下の整数分割が好ましい。
【0092】5分割電極構成によるFLC絵素ずらし素
子の高解像度化の具体例:図23に分割電極の組み合わせ
例を示す。この分割電極はガラス基板上に透明電極(I
TO)13、14を形成し、電極を5分割するようにエッチ
ングした。ITO電極間距離(エッチング部分)を10μ
mとした。この電極間距離はセルギャップよりも大きい
(更には、非表示部位よりは短い)ことが電極間電位差
による絶縁破壊防止、即ち、耐圧等の点で必要である。
ここでは、セルギャップは1μm〜3.0μmとした。分
割電極の組み合わせは、片側をコモン電極としてもよ
く、また、両側を分割電極としてもよいことは容易に判
る。
【0093】さらに、配向膜としてはSiO配向膜を用
い、セル組み立て方法及び液晶注入方法は単極セルの場
合と同様である。液晶配向方向については絵素ずらし方
向を考慮して設定した。
【0094】絵素ずらし素子の同期信号について: 飛越走査法(インターレース) 動画像、例えば映画では毎秒24こま、テレビでは毎秒25
枚または30枚の画像を送っている。しかし、毎秒24枚か
ら30枚ではフリッカー妨害が大きく、使用に絶えない。
このため、映画では1こまを2回ずつ照射し、毎秒48こ
まの繰り返しを行い、テレビでは飛越走査法を用いて伝
送帯域幅を増加しないで毎秒の繰り返し回数を増やして
いる。日本国内標準では2:1線飛越走査法を使用して
いる。
【0095】即ち、図24に示すように、a点から開始し
た走査はN/2回の水平走査でb点に達して、垂直帰線
期間にc点に移り、さらにN/2回の水平走査でd点に
達し、垂直基線期間に再びa点に戻る。dからbに至る
期間を第1(奇数)フィールドといい、bからdに至る
期間を第2(偶数)フィールドという。2:1線飛越走
査方式では2フィールドで完全な一つの画面(1フレー
ム)ができる。この他、3:1、5:1線飛越走査方式
などがある。
【0096】NTSC方式等の線順次走査の画面表示を
行う際に、現在のCRTではアナログ的なためにその解
像度においては問題が少ないが、液晶、プラズマ、EL
等の如く画素が離散的なディスプレイについては、離散
的画素配列のためにかなりの水平方向の位置情報が欠落
したり、走査線の情報を欠落するか、あるいは輝度信号
の位置分解能を低下させる(即ち、ディスプレイの解像
度を低下させる)ことについては、既述した通りであ
る。
【0097】ここで、絵素ずらし(ウォブリング)のタ
イミングをとる具体的方法を示す。テレビ信号は、図25
に示すように各フィールドの輝度信号と垂直同期パル
ス、水平同期パルス、色信号、色同期パルスから構成さ
れている。ここでは、奇数フィールド(第1フィール
ド)及び偶数フィールド(第2フィールド)の垂直同期
パルスを検出し、ここからFLCドライバに同期信号を
送り、続いて、ドライバ内で各チャンネル毎にディレイ
を与えたドライブ波形をFLCセルに送れば良い。
【0098】分割FLC素子とFLCドライブ回路とビ
デオ信号処理系との同期について:図26に、電極の構成
とドライブ回路、ビデオ信号処理系の接続と同期方法に
ついて示した。即ち、ビデオ信号処理装置40によって、
奇数フィールド(第1フィールド)及び偶数フィールド
(第2フィールド)の各同期パルスとRGB信号を表示
素子2に供給すると同時に、各フィールドの垂直同期パ
ルスを検出してFLCドライバ41に同期信号を送り、続
いて、ドライバ41内で各チャンネル毎にディレイを与え
たドライブ波形をFLCセル3に送る。
【0099】上記の5分割FLC素子において、ドライ
ブ条件、光学的配置、絵素ずらし量を考慮して高解像度
化の検討を行ったところ、 0.7インチ、10.3万画素のア
クティブマトリックスTN液晶ディスプレイにおいてパ
ネル全面に亘って 240TV本から 370TV本以上へと高
解像度化し、更に、非表示部位であるブラックマトリッ
クスが目立たなくなり、高解像度でかつ滑らかな画面が
達成できた。
【0100】なお、ここでの解像度評価は、NTSCの
解像度評価用パターン(ビデオシグナルパターンジェネ
レータ:ソニー社製MTSG−1000)からの信号を
ビデオ入力し、白黒のラインの解像性を観測により判別
した。
【0101】これらの高解像度化技術は直視型、反射
型、投射型等、様式を問わずに使用できる。このうち、
図27〜図29に本発明に基づくウォブリング素子を組み込
んだ投射型ディスプレイの三例をそれぞれ示した。但
し、簡略化のために、素子3や4は複数あっても同じ符
号を付している。
【0102】図27の例では、ハロゲンランプ17からの光
をコールドフィルタ43を通してバックライトとして表示
素子2に導き、上述したウォブリング処理後にレンズ系
44からスクリーン45へと画像が投影される。
【0103】図28はミラー型ディスプレイを示し、光源
17からの光をフィルタ46を通し、各ダイクロイックミラ
ー47によって所定の波長光(R、G、B)にそれぞれ分
離し、コンデンサーレンズ48から各ウォブリング素子に
入射され、ここでウォブリングされた後、再び合成され
てスクリーン45上に投影される。
【0104】図29は、プリズム型ディスプレイを示し、
各波長光がダイクロイックプリズム48を介して合成され
ること以外は、図28のものと基本的には同様である。
【0105】上述した高解像度化技術は、ディスプレイ
として応用するため、可視光の波長範囲で使用する。
【0106】本発明は、上述した表示素子2に限らず、
離散的な画素から構成されるCCD等の撮像素子と被写
体とを結ぶ光路中に上述したウォブリング素子7を配置
する場合にも適用される。これは、本発明に基づく素子
7−1〜7−nについても同様である。
【0107】本発明を図30及び図31に示した撮像装置71
に適用する場合も、上述した表示装置において述べた各
種の条件及び原理、説明が同様にして採用されることが
望ましい。以下においては、上述した表示装置について
の内容と同様のものは特に繰り返して説明しないが、そ
れに比べて、撮像装置に特有のものを主として説明する
こととする。
【0108】撮像素子、例えばCCDを用いるとき、例
えば1/3インチCCDを水平方向、垂直方向あるいは
水平及び垂直方向に同時に高解像度化するため、β=45
度として水晶板の厚さdを調整することにより、絵素ず
らしの量を調節した。1/3インチCCDの水平方向の
ピッチが6.35μm、垂直方向のピッチが 7.4μmである
ので、各方向への高解像度化のための絵素ずらし量は、
各ピッチの約1/2の3.18μm、 3.7μmとすれば良
い。更に、斜め方向の絵素ずらしの場合は水平、垂直方
向成分を各辺とした長方形の対角線の長さのシフトが必
要となり、この時は、4.88μmとすれば良い。
【0109】例えば、L=3.7 μmのずれを与えるた
め、β=45度、d=0.63mmとした。ここで、光軸のずれ
Lを発現させるのに効果的なβの範囲は10〜80度であっ
た。
【0110】撮像素子を使用する際、被写体と撮像素子
53を結ぶ光路中に、被写体−偏光子−FLC素子−複屈
折基板−撮像素子の順序で配置される。この場合、レン
ズ系、アイリス、波長制限フィルタは被写体と撮像素子
を結ぶ光路中のどこに配してもよい。
【0111】図30、図31に示すように、強誘電性液晶素
子3のスイッチ状態が状態1の場合、被写体50の側から
の照射光成分aは、レンズ51、絞り52を通った後、偏光
板19により絵素ずらし方向に偏光される。光の偏光面と
強誘電性液晶素子3の異常光軸8が平行のため、透過光
は偏光面を維持したまま複屈折を有する水晶板4に照射
される。水晶板4では、入射偏光面内に水晶の異常光軸
を含むため、Y軸方向に偏光している光は水晶板の異常
光軸の傾いている方向へ屈折し、再び空気層へ出るとき
光軸と平行になり、入射光の光軸とのずれが生じ、CC
D撮像素子53の各絵素に照射される。
【0112】一方、強誘電性液晶素子3のスイッチ状態
が状態2の場合、偏光面と異常光軸8が約45度の角をな
しているため、透過光は異常光軸の向きに回転し、直線
偏光(Y軸方向)→楕円偏光→円偏光→楕円偏光→直線
偏光(X軸方向)と強誘電性液晶素子内を変化し、偏光
面は初期状態から90度回転し、水晶板4に照射される。
水晶板4では、入射偏光面内に水晶の異常光軸を含まな
いため、屈折しないでそのままの光軸を維持し、再び空
気層へ出て、CCD撮像素子53の各絵素に照射される。
即ち、被写体のa’部分を撮像することになる。この状
態1と状態2の光軸のずれを絵素ずらしの動作原理とし
て用いることができる。
【0113】素子環境温度のために、見かけのコーン角
が45度から外れる(例えば45+γ度:ここでγは45>γ
>−45)場合、ウォブリング動作において、スイッチ状
態の片方の液晶ダイレクタの光軸を理想的に偏光板の偏
光面に平行あるいは直交して合わせると、このスイッチ
状態では透過光の偏光面は変化しない。この場合には、
偏光面が回転していないため、例えば図30のように水晶
板4の異常光軸の方向に 100%の光が屈折し、光軸から
のずれを与える。この時、a点以外の成分はほとんどな
い。
【0114】もう一方のスイッチ状態では、45+γ度と
なるために、γが正の場合は透過光の偏光面は90度以上
の回転をし、γが負の場合は偏光面は90度まで回転しな
い。偏光面が完全に90度回転した時には、図49に示した
ようにa’の成分がほぼ 100%となる。しかし、図50に
示したように偏光面の回転が90度からγの角度ずれる場
合、偏光成分としてY軸方向の成分も増加して来るの
で、Y方向の隣接撮像画素に若干のもれが生じる。従っ
てこの場合には、本来高解像度化すべき画素ずらしの効
果が若干減ぜられてしまう。
【0115】図32には、具体的な配置例を示した。ビデ
オカメラ、スチルビデオカメラ等の光学系の場合、外界
からの入射光は概ね偏光していないので、外界(被写
体)と強誘電性スイッチング素子の間に偏光板を入れる
ことを特徴とし、レンズ、絞りに対しての位置関係を問
わない。その他の光学配置は、被写体−レンズ−絞り−
偏光板−強誘電性スイッチング素子−一軸的な光学異方
性を有する透明基板−撮像素子の順である。ここで組み
合わせる撮像素子としては、CCD、MOS型素子等、
その種類を問わない。
【0116】こうした撮像素子は、表示素子とは異な
り、受光素子であるために、被写体の空間解像度(空間
分離能)を向上させることができる。ここでは、表示素
子のように順次方式ではなく、同時方式で行えるため、
FLC素子3のスイッチング部はCCD素子全面に同時
に作用してよく、位相変調素子3の空間的な電極分割を
必要としない。
【0117】即ち、例えばCCD撮像素子の画素も、離
散的なために光軸のずれがない場合には各画素にa、
b、cの位置分解能しかないが、フレームを分割し、ま
ずこのa、b、cの情報を同時方式で蓄積後、転送し、
次のフィールドで強誘電性液晶素子3の絵素ずらしによ
り、a’、b’、c’の位置情報を同時方式で蓄積後、
転送し、最初のフィールドとの再合成を行うことによ
り、垂直分解能が2倍に向上する。
【0118】上記したセルのビデオカメラ:ハンディカ
ムTR−1(ソニー社製)への具体的実装例を説明する
が、まず、それに使用可能な赤外カットフィルタ及びロ
ーパスフィルタについて説明する。
【0119】通常の可視光の撮像の場合 CCD撮像素子などの半導体撮像素子は、その感度域が
380〜1200nmにまで広がっている。通常の可視光の画像
を撮像する場合には、本来人間の眼で感知できない近赤
外光域まで撮像してしまうため、画像に対して悪影響を
及ぼす。従って、図33のように赤外カットフィルタ61を
被写体50とCCD53との間に入れる必要がある。
【0120】ここでは、絵素ずらし素子に赤外カットフ
ィルタ(700nm以上の波長をカットする。)61を組み合わ
せる場合の例を示す。さらに、ウォブリング素子に用い
られている水晶板だけでは、高周波成分のカットが不十
分であるため、光学ローパスフィルタが必要である。そ
こで、一般に高画質のCCDビデオカメラに用いられて
いる7点ボケ用の水晶ローパスフィルタ(複数の水晶板
64からなる。)を組み込んだ(図33、図34)。
【0121】このローパスフィルタは、1枚の水晶板中
で入射光をその複屈折を利用して2点ボケにし、さらに
光軸の周りに回転させた他の水晶板の積層により2点像
を4点像に、さらに3枚目の水晶板で7点像としてぼか
し、ローパスフィルタ特性を向上させることができるも
のである。
【0122】即ち、このように入射光をぼかすことによ
り、画像情報の空間周波数の高い成分を除去でき、モア
レ縞及び色偽信号等の問題を回避することができる。但
し、水晶板1枚の場合は、y方向のみ高周波成分をカッ
ト若しくは分散できるが、上記ではx、yの両方向にお
いて高周波成分をカット若しくは分散でき、低周波成分
の感度を保持したまま高周波成分の画像への影響(結像
した画像出力にモアレ縞パターンや色偽信号が生じるこ
と)を一層なくすことができる。
【0123】こうしたローパスフィルタを用いない実装
例を図35に、同ローパスフィルタを用いた実装例を図36
に示した。いずれも、絵素ずらし素子(ウォブリング素
子)7はCCD53の前位に設けられている。
【0124】ローパスフィルタ64を用いる場合、ローパ
スフィルタの第1の異常光軸がウォブリング時の偏光と
30〜60°の角度をなすときは、ローパスフィルタの効果
は得られるが、それ以外ではローパスフィルタ特性がフ
ィールドで変化してしまう。このとき、絵素ずらし素子
7と光学ローパスフィルタとの間にλ/4板(図示せ
ず)を入れることにより、フィールド間でのローパスフ
ィルタ特性の差を低減し、ローパスフィルタ特性を十分
発揮できるようになる。
【0125】図37には、CCDを3つ用いた色分解カメ
ラシステムを示している。但し、CCDドライブ回路、
ウォブリング素子ドライブ回路は省略した。
【0126】赤外光の撮像の場合 CCD撮像素子などの半導体撮像素子の近赤外光域を利
用し、本来人間の眼で感知できない近赤外光域のみを撮
像することができる。この場合、敢えて、赤外カットフ
ィルタを入れる必要はない。
【0127】この場合、赤外光だけを撮像するには、可
視光カットフィルタ(760nm以下をカットする。)を被写
体とCCDとの間に入れる必要がある。これにより、被
写体の温度分布等を撮像することができる。このときの
撮像波長は 700〜1200nmにまで及ぶため、絵素ずらし素
子の位相差はその半波長の 350〜600nm が必要である。
【0128】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基いて更に変形が可能
である。
【0129】例えば、図1において、積層する両ウォブ
リング素子は光軸の回りに90度回転させて組み合わせる
以外にも、その回転角度は種々に変更することができ
る。場合によっては、両素子を光軸に対し同じ角度とし
てもよい。また、両素子は完全に密着して組み合わせな
くても(即ち、積層しなくても)、一定の間隙を置いて
対向配置してもよい。また、素子の組み合わせ数も適宜
変化させてよい。
【0130】また、図4、図5において、素子Bの状態
1、状態2での印加電圧の極性を上述したものとは逆に
することもできる。更に、図8の例に用いる位相変調素
子73による偏光面の回転角度も90度に限らず、90度±45
度としてもよい。
【0131】上述の実施例はいずれも、ウォブリングに
好適なものであるが、例えば図8の如き例の場合はウォ
ブリング以外の光学的用途にも応用可能である。
【0132】その他、上述した液晶素子をはじめ、各構
成部分の構造、材質や形状、組み立て方法等は種々変更
してよい。基板もガラス板ではなく、他の光学的に透明
な材質であればよい。液晶についても、種々のものが採
用可能である。
【0133】本発明が適用される対象は、上述した表示
装置、撮像装置の如き光学システムと共に、同システム
に組み込み可能なウォブリング素子も包含することは勿
論である。
【0134】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、高解像度化
されるべき表示素子と観察位置との間、又は被写体と撮
像素子との間の光路中に、位相変調光学素子と光学的に
透明な複屈折媒体とが順次配置されてなるウォブリング
素子の組み合わせ体が配置され、前記表示素子又は前記
撮像素子が一次元又は二次元にウォブリングされるよう
にした光学装置であって、前記位相変調光学素子とし
て、光学的に透明な電極と配向膜とをこの順に設けた光
学的に透明な基体の複数個が前記電極及び前記配向膜の
側で互いに所定の間隙を隔てて対向配置され、強誘電性
液晶と反強誘電性液晶と電傾効果を示すスメクチック液
晶とから選ばれた少なくとも1種の液晶が前記間隙内に
注入されており、前記複数の基体の少なくとも一方にお
ける前記電極が、前記表示素子の水平走査線数をNとし
たとき、N/2或いは(N+1)/2以下の整数分割で
走査方向に分割されている位相変調光学素子が用いられ
ているので、上記の位相変調光学素子により光の位相を
変化させて偏光面をずらし、更に上記の複屈折媒体によ
って入射光を選択的に屈折させることを2次元(垂直、
水平とも)に行える。従って、離散的画素に対して効果
的にウォブリングを行え、解像度を向上させ、かつ、画
質も良好にすることができる。
【0135】そして、上記の位相変調光学素子に用いる
強誘電性液晶等の液晶はいずれも、電界の作用に対して
液晶ダイレクタの方向が変化し易く、応答速度が非常に
早いので、ビデオレートでの駆動が十分可能となる。し
かも、複数のウォブリング素子の組み合わせであるた
め、その駆動周期を長くでき、ビデオレート対応が容易
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくウォブリング素子の概略斜視図
である。
【図2】同ウォブリング素子のスイッチ状態と絵素シフ
ト位置及びシフト後の偏光方向を示す表と概略図であ
る。
【図3】同ウォブリング素子によるウォブリング時の駆
動波形図である。
【図4】同ウォブリング素子のスイッチ状態を変えたと
きの図2と同様の表である。
【図5】同ウォブリング時の駆動波形図である。
【図6】同ウォブリング動作を説明するための原理図で
ある。
【図7】他のウォブリング素子の概略側面図である。
【図8】本発明に基づく他のウォブリング素子の概略斜
視図である。
【図9】同ウォブリング素子の動作を示す表である。
【図10】本発明に基づく他のウォブリング素子の概略斜
視図である。
【図11】同ウォブリング素子の具体例の概略斜視図及び
側面図である。
【図12】同ウォブリング素子の概略斜視図である。
【図13】本発明に基づく更に他のウォブリング素子の概
略斜視図である。
【図14】本発明が適用可能な表示装置の状態1での概略
図である。
【図15】同表示装置の状態2での概略図である。
【図16】同表示装置に用いる強誘電性液晶(FLC)の
コーン角の説明図である。
【図17】同表示装置の具体例の各スイッチ状態での概略
図である。
【図18】同表示装置にノーマリーホワイトのTN液晶表
示素子を用いた場合の概略図である。
【図19】同表示装置にノーマリーブラックのTN液晶表
示素子を用いた場合の概略図である。
【図20】偏光度の小さい表示素子を用いた表示装置の概
略図である。
【図21】FLC液晶素子を用いた位相変調素子としての
液晶セルの断面図である。
【図22】複屈折媒体による光軸のずれの説明図である。
【図23】位相変調素子における分割電極を示す概略斜視
図である。
【図24】インターレース走査法の説明図である。
【図25】テレビの各フィールドでの同期信号の波形図で
ある。
【図26】上記表示装置の各素子間の接続関係を示すブロ
ック図である。
【図27】上記表示装置を適用したディスプレイの断面図
である。
【図28】ディスプレイへの他の適用例の断面図である。
【図29】ディスプレイへの更に他の適用例の断面図であ
る。
【図30】本発明が適用可能な撮像装置の状態1での概略
図である。
【図31】同撮像装置の状態2での概略図である。
【図32】同撮像装置の具体例の概略図である。
【図33】水晶光学ローパスフィルタの実装状態の概略図
である。
【図34】同水晶フィルタ3枚により生じるボケを説明す
る原理図である。
【図35】上記撮像装置の実装例の断面図である。
【図36】他の実装例の断面図である。
【図37】更に他の実装例の断面図である。
【符号の説明】
1・・・(液晶光学)表示装置 2・・・(液晶)表示素子 3、3−1〜3−n・・・強誘電性液晶素子 4、4−1〜4−n・・・複屈折媒体 5・・・表示画素 6・・・偏光 7、7−1〜7−n・・・ウォブリング素子(絵素ずら
し素子) 8、10、10−1、10−2、10−3・・・異常光軸 9・・・偏光方向 13、14・・・透明電極 15・・・液晶 18、19・・・偏光板 20、21・・・透明基板 22、23・・・配向膜 50・・・被写体 53・・・CCD素子 61・・・赤外カットフィルタ 64・・・光学ローパスフィルタ 70・・・偏光スクリーン 71・・・撮像装置 73・・・位相変調素子 d、d/2…d/2n ・・・厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楊 映保 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社 内 (72)発明者 高梨 英彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社 内 (72)発明者 松居 恵理子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社 内 (72)発明者 片岡 延江 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社 内 (56)参考文献 特開 平4−113308(JP,A) 特開 平5−27255(JP,A) 特開 昭62−206522(JP,A) 特開 平4−115786(JP,A) 特開 平2−52580(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1347 G02F 1/13 505 H04N 5/335 H04N 5/66 102

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高解像度化されるべき表示素子と観察位
    置との間、又は被写体と撮像素子との間の光路中に、位
    相変調光学素子と光学的に透明な複屈折媒体とが順次配
    置されてなるウォブリング素子の組み合わせ体が配置さ
    れ、前記表示素子又は前記撮像素子が一次元又は二次元
    にウォブリングされるようにした光学装置であって、 前記位相変調光学素子として、 光学的に透明な電極と配向膜とをこの順に設けた光学的
    に透明な基体の複数個が前記電極及び前記配向膜の側で
    互いに所定の間隙を隔てて対向配置され、強誘電性液晶
    と反強誘電性液晶と電傾効果を示すスメクチック液晶と
    から選ばれた少なくとも1種の液晶が前記間隙内に注入
    されており、前記複数の基体の少なくとも一方における
    前記電極が、前記表示素子の水平走査線数をNとしたと
    き、N/2或いは(N+1)/2以下の整数分割で走査
    方向に分割されている位相変調光学素子が用いられてい
    ることを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 高解像度化されるべき表示素子又は被写
    体からの光が偏光していない場合、ウォブリング素子の
    組み合わせ体と前記表示素子又は前記被写体との間の光
    路中に、偏光を与える素子が配置される、請求項1に記
    載した光学装置。
  3. 【請求項3】 ウォブリング素子がビデオレートで駆動
    される、請求項1又は2に記載した光学装置。
  4. 【請求項4】 n個(nは整数)のウォブリング素子が
    組み合わされ、複屈折媒体の光軸のずれが2点に亘る
    ようにした、請求項1〜3のいずれか1項に記載した光
    学装置。
  5. 【請求項5】 ウォブリング素子の組み合わせ体と観察
    位置又は撮像素子との間の光路中に、偏光面を90度±45
    度回転させる位相変調光学素子が配置され、この位相変
    調光学素子をウォブリング時の偏光方向の変化と同期し
    てスイッチングすることによってウォブリング時の偏光
    面を揃えるように構成された、請求項1〜4のいずれか
    1項に記載した光学装置。
  6. 【請求項6】 ウォブリング素子の組み合わせ体の光出
    射側に偏光スクリーンが配置される、請求項5に記載し
    た光学装置。
  7. 【請求項7】 位相変調光学素子に使用される液晶がカ
    イラルスメクチック液晶である、請求項5又は6に記載
    した光学装置。
  8. 【請求項8】 ウォブリング素子の組み合わせ体におい
    て各位相変調光学素子を駆動するに際し、その駆動周期
    がウォブリング周期の少なくとも4倍とする、請求項1
    〜7のいずれか1項に記載した光学装置。
  9. 【請求項9】 組み合わされた2個のウォブリング素子
    の各位相変調光学素子を駆動するに際し、これらの各位
    相変調光学素子の駆動周期をウォブリング周期の4倍と
    し、かつその駆動周期の位相を互いに90度ずらす、請求
    項8に記載した光学装置。
  10. 【請求項10】 複屈折媒体が、入射光の偏光方向によ
    り光軸のずれを与える透明基板からなっていてウォブリ
    ング方向に等価的に一軸性の異常光軸の成分を有するよ
    うに配置される、請求項1〜9のいずれか1項に記載し
    た光学装置。
  11. 【請求項11】 複屈折媒体の異常光軸がウォブリング
    光学系の光軸に対し10〜80度の角度をなしている、請求
    項10に記載した光学装置。
  12. 【請求項12】 複屈折媒体が水晶からなる、請求項1
    〜11のいずれか1項に記載した光学装置。
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