JP3331575B2 - 光学装置 - Google Patents
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Description
(エレクトロルミネッセンス)等の如く画素が離散的な
ディスプレイや、撮像画素が離散的なCCD(電荷結合
素子)により代表される固体撮像素子に好適な光学装置
に関するものである。
状、ドット状等の離散的な画素配列を持った表示素子に
対して、NTSC方式等で線順次走査の画素表示を行う
際、本来アナログ信号であるべき輝度信号が粗くサンプ
リングされて水平方向の位置情報が欠落してしまう。ま
た、垂直方向の画素分解能が走査線数だけ実装できない
場合、走査線の情報を欠落するか、あるいは同一画素上
に上書きするために、輝度信号等の位置分解能(即ち、
ディスプレイの解像度)を低下させていた。
hin-Film-Transistor)−TN(Twisted Nematic)の液晶
ビューファインダーにおいて、NTSC方式では、1フ
レーム(つまり、ビューファインダーが表示する一枚の
絵)は、偶数本目の走査線と奇数本目の走査線からそれ
ぞれ成る二つのフィールドで形成され、フレーム周波数
は30Hz(つまり、フィールド周波数は60Hz)である。現
状のTFTビューファインダーは、NTSC方式の走査
線数 525本を実装できないため、奇数フィールドと偶数
フィールドを同一画素に書き込む等の方法をとってい
る。このため、垂直分解能がNTSC方式の原理よりも
低下しているのが現状である。
クマトリックス等の非表示画素部分のつなぎ目の存在に
より、離散的画素配列のモザイク状の画面が目立ち、画
面の質感を低下させていた。
も同様に生じる。即ち、CCDを構成している撮像画像
が離散的なために、被写体の画像情報が構成画素ピッチ
でサンプリングされてしまうため、水平及び垂直の空間
分解能を低下させていた。
素ずらし素子を導入し、奇数フィールドと偶数フィール
ドの画像を空間的にずらすことにより、垂直分解能を向
上させる方法が提案されている。これは、水平方向にも
適用され、水平分解能の向上も可能である。
ング素子では、応答速度が遅く、ビデオレートでは駆動
できないため、実用的ではなく、また、デバイスの構成
条件も不十分であった。
的画素からなるディスプレイや、離散的受光画素からな
る固体撮像素子等に対して高速のウォブリング(絵素ず
らし)を可能にし、高解像度化を効率よく達成でき、モ
ザイク状の点描画的画面等を継ぎ目のない連続的な画面
に向上させることができる光学装置を提供することにあ
る。
て、更に高コントラスト化、高解像度化、色ムラの抑制
を可能とし、性能の良好なデバイスを低コストに提供す
ることにある。
に透明な電極と配向膜とをこの順に設けた光学的に透明
な基体の複数個が前記電極及び前記配向膜の側で互いに
所定の間隙を隔てて対向配置され、強誘電性液晶(FL
C)と反強誘電性液晶(AFLC)と電傾効果を示すス
メクチック液晶(SmA)とから選ばれた少なくとも1
種の液晶(混合液晶であってもよい。)が前記間隙内に
注入されている位相変調光学素子と;前記位相変調光学
素子を透過する偏光を受け入れる位置に配置され、光の
偏光方向に応じて前記光の光軸を選択的にシフトさせる
光学的に透明な複屈折媒体と;前記位相変調光学素子の
後位及び/又は前位に配置され、広い波長範囲で偏光面
を約90度回転させて光軸をシフトさせるための位相調整
媒体と;の組み合わせからなり、前記位相変調光学素子
と前記複屈折媒体と前記位相調整媒体とが、観察位置と
高解像度化されるべき表示素子との間、又は被写体と撮
像素子との間の光路中に配置されてウォブリング素子を
構成し、前記表示素子又は前記撮像素子が一次元又は二
次元にウォブリングされるように構成した光学装置に係
るものである。
調光学素子により光の位相を変化させて偏光面をずら
し、更に上記の複屈折媒体によって入射光を選択的に屈
折させるので、離散的画素に対して効果的にウォブリン
グを行え、解像度を向上させ、かつ、画質も良好にする
ことができる。特に、ビデオレートでの空間分解能を向
上させ、モザイク状の点描画的画面を継目のない連続的
な画面に向上させることができる。
強誘電性液晶等の液晶はいずれも、電界の作用に対して
液晶ダイレクタの方向が変化し易く、応答速度が非常に
速い(例えば、立ち上がり及び立ち下がり時間ともにμ
sec オーダーであって、ツイストネマチック液晶の特に
立ち下がり時間に比べてはるかに速い)ので、ビデオレ
ートでの駆動が十分可能となる。
表示素子と観察位置との間、又は被写体と撮像素子との
間の光路中に、位相変調光学素子と複屈折媒体と位相調
整媒体とが配置されてウォブリング素子を構成し、前記
表示素子又は前記撮像素子が一次元又は二次元にウォブ
リングされる。
より光軸のずれを与える水晶等の透明基板からなってい
てウォブリング方向に等価的に一軸性の異常光軸の成分
を有するように配置されるか、或いは光が透過する基板
対向面が平行でなく、見掛けの異常光軸が両平面に垂直
な平面に平行又は垂直であってよい。
の後位及び/又は前位に、広い波長範囲で偏光面を約90
度回転させて光軸をシフトさせるための位相調整媒体が
更に配置されていることが重要である。
て偏光面を約90度回転させる光の波長範囲を広げること
ができ、高コントラスト化、高解像度化の向上、更に色
ムラの抑制を達成できる。また、ウォブリング効果が得
られる波長範囲を可視光領域全域に拡大できるために、
特に赤(R)、緑(G)、青(B)の3板から構成され
る表示素子、或いは撮像素子の高解像度化を1枚のウォ
ブリング素子で行うことができ、コストの低減をはかる
ことができる。
ラルスメクチック素子の位相差の偏差、即ちギャップ精
度の偏差の条件が緩和するため、歩留りが向上する。そ
して、撮像素子において、ローパスフィルタの効果を十
分に発揮できるため、高解像度かつモアレ縞や色偽信号
等を低減した画像を撮像することができる。
む液晶材料からなる素子と、少なくとも透明電極に液晶
が挟まれたアクティブ液晶素子と、π電子系を含む高分
子フィルムとのうちのいずれかによって構成され、ウォ
ブリング時のフィールド間における使用波長範囲での積
分量としてのクロストークを位相調整の行われないウォ
ブリング素子よりも減少させるものであることが望まし
い。
向したスメクチック液晶(カイラル液晶を含む。)素子
と、ネマチック液晶素子と、主鎖型高分子液晶と、側鎖
型高分子液晶と、芳香族ポリエステル系フィルムと、ポ
リカーボネートフィルムと、ポリスチレン又はスチレン
系樹脂フィルムと、メタクリル系樹脂フィルムと、ビニ
ル系樹脂フィルムと、セルロース系フィルムと、ポリア
ミド系樹脂フィルムと、ポリフェニレン系フィルムと、
ポリフェニレンスルフィド系フィルムと、ポリスルフォ
ン系フィルムと、非晶ポリアレートフィルムと、ポリエ
ーテルスルフォン系フィルムと、ポリエーテルイミド系
フィルムと、ポリエーテルケトン系フィルムと、ポリア
ミドイミド系フィルムと、ポリイミド系フィルムとのう
ちのいずれかによって構成されてよい。
成する位相調整用のフィルムが、カイラルスメクチック
液晶からなる位相変調光学素子に直接貼り付けられてい
ないこと、撮像素子用のウォブリング素子を構成する位
相調整用のフィルム及び偏光板がカイラルスメクチック
液晶からなる位相変調光学素子に直接貼り付けられてい
ないことがよい。
転させ、ウォブリングのクロストークを最小にするよう
に、カイラルスメクチック液晶からなる位相変調光学素
子の位相差と位相調整媒体の位相差、更には入射偏光の
軸、前記位相変調光学素子の遅相軸、前記位相調整媒体
の遅相軸、光軸ずらしのための複屈折媒体の異常光軸の
方向をそれぞれ調節することができる。
調光学素子の配向処理方向が画素ずらし方向に平行或い
は垂直であってよく、その配向処理が、ラビング又は真
空蒸着によって行われてよい。
位相変調光学素子の632.8nmでの位相差が160nm〜380nm
であること、位相調整媒体が160nm〜380nmのレタデーシ
ョンを示し、カイラルスメクチック液晶からなる位相変
調光学素子の632.8nmでの位相差と同じ位相差を有する
こと、位相変調光学素子の液晶ダイレクタの2つのスイ
ッチング状態のうちのどちらかの状態の遅相軸に対し
て、位相調整媒体の遅相軸をほぼ直交させることが望ま
しい。
撮像素子が離散的画素から構成されるツイストネマチッ
ク液晶、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶等の液晶表示
素子、発光ダイオード等の自発光型表示素子又はCCD
等であってよい。
からの光が偏光していない場合、ウォブリング素子と前
記表示素子又は被写体との間の光路中に、偏光を与える
素子が配置されるのがよい。
フ、疑似ブックシェルフ又はシェブロン構造の液晶層構
造のカイラルスメクチック液晶であってよい。
レチルト角は0〜45度であるのが望ましい。また、使用
される液晶の見かけのコーン角θは26〜64度であるのが
望ましい。
る液晶の2つのスイッチ状態における各ダイレクタ間の
2等分線が、表示素子からの光の偏光面(P1)又はそ
れに直交する線(P2)とのなす角δは、位相調整(又
は補償)を行わない場合にはδ=22.5±10度であること
が望ましい。または、位相調整(又は補償)を行った位
相変調光学素子において液晶の2つのスイッチ状態にお
ける位相補償後の各スイッチ状態のうち、絶対値の大き
な複屈折の遅相軸とP1又はP2との間の2等分線が、
表示素子からの光の偏光面(P1)又はそれに直交する
線(P2)とのなす角δ1は、δ1=22.5±10度の範囲
であることが望ましい。
しての液晶ディスプレイ又は撮像素子が、赤、緑及び青
のトリオ画素を1絵素とする単板である場合、 632.8nm
の光源を用いて測定した位相差が 130nm〜370nm の範囲
にあるのがよい。
ての液晶ディスプレイ又は撮像素子が3板の場合、組み
合わせる各フィルタの透過率特性の波長範囲の上限をλ
Maxとし、下限をλMin とすると、許容できる位相差は
λMax /2〜λMin /2の範囲にあり、光源として赤、
緑、青の蛍光体の発光を用いる場合には、それぞれの有
効位相差範囲は中心波長をλC としたときに(λC −10
0)/2〜(λC +100)/2の範囲にある(但し、上記の
各位相差の単位はnmである。)のがよい。
長が赤外光を含む(波長 700〜1200nm)場合、632.8nm
の光源を用いて測定した位相差が 350nm〜600nm の範囲
であるのがよい。
駆動等の双極性の印加電圧を用いて駆動されることがで
きる。
立ち上がりと立ち下がりの各応答時間がフィールド時間
の1/3以下であり、かつ、立ち上がり時間と立ち下が
り時間との比が互いに2倍を超えないことが望ましい。
素口径(モノクロ画面或いは3板の時は画素アパーチ
ャ、単板では赤、緑、青の画素トリオを1つとする。)
をLA、絵素ピッチをLP とするとき、絵素ずらし量L
は、 Min(LP −LA 、LA /2) ≦ L ≦ Max(LA 、
LP −LA /2) (但し、Min(x、y)、Max(x、y)はそれぞ
れ、x、yの内の小さい値、大きい値を与える関数とす
る。)とするのがよい。
表示素子の画面垂直方向にN分割〜1分割(好ましくは
N分割〜3分割、更にはN/2分割又は(N+1)/2
分割以下、3分割以上がよい。)した駆動電極を有する
位相変調光学素子とが組み合わされているのがよい。
ャップよりも長い(更には、ブラックマトリックス部の
如き非表示部位よりは短い)のがよい。
同期信号を基準とし、表示素子の駆動と位相変調光学素
子の駆動とを同期させ、1フィールドの時間を必要電極
数分割し、位相変調光学素子の各チャンネルでシーケン
シャルにフィールド内での時間遅れを与え、駆動するこ
とができる。
動と位相変調光学素子の駆動とを同期させ、各フィール
ド内で撮像し、データを転送して1フレームを形成する
ことができる。
の複屈折媒体と位相変調光学素子とが光学用接着剤で貼
り合わせられたり、或いは、複屈折媒体としての水晶板
に透明電極及び配向膜を設け、液晶素子と一体化するこ
とができる。
レイ装置として構成されたり、可視光の波長範囲で使用
されることが可能である。
組み合わせ、可視光或いは赤外光撮像装置として構成さ
れることができる。
ィルタと固体撮像素子とが組み合わされることができ、
この場合、ウォブリング素子と光学ローパスフィルタと
の間の光路中に、4分の1波長板が配置されるのがよ
い。
グ素子を組み込んだ光学装置の一例を概略的に示すもの
である。
適用したものであって、同一光路中に光の進行方向に沿
って順次配置された液晶表示素子(LCD)2と、位相
変調光学素子としての強誘電性液晶素子(FLC)3
と、水晶板等の透明基板からなる複屈折媒体4との組み
合わせによって構成されている。ここで、理解容易のた
めに、各構成素子は、液晶表示素子LCDの1つの構成
表示画素5に対応した区画についてそれぞれ示されてい
る(以下、同様)。
イク状等の離散的な画素配列からなっており、また、使
用される液晶はTN(ツイストネマチック)、STN
(超ツイストネマチック)、SH(スーパーホメオトロ
ピック)、更にはFLC等からなっている。このLCD
2は、図示省略したが、公知の如くにパネル自身に偏光
板を有し、出力光6は直線偏光を有している。
LC3と複屈折媒体4とで構成されるウォブリング素子
(絵素ずらし素子)7によって平行方向又は垂直方向に
絵素ずらしが行われる。
光軸8を表示画素5の偏光面9と平行あるいは垂直とな
るように配置し、更に、等価的に一軸性の光学軸(一軸
的な光学異方性)を有する透明基板4の異常光軸10のX
−Y面(入射側)への射影成分を偏光面9に対し、平行
(Y方向)あるいは垂直(X方向)に配置している。
トで高速スイッチング可能なものであって、カイラルス
メクチック液晶等が挙げられ、また、複屈折媒体4には
水晶板等が使用可能である。但し、後述するように、F
LCに代えて反強誘電性液晶(AFLC)や、電傾効果
を示すスメクチック液晶(例えばスメクチックA)も有
効であり、また、水晶板以外の複屈折素子も勿論使用可
能である。
グ動作を概略的に説明する。
のスイッチ状態が状態1の場合、表示素子2側から照射
される光6の偏光面9と強誘電性液晶素子3の異常光軸
8が平行のため、透過光11は偏光面を維持したまま複屈
折を有する水晶板4に照射される。水晶板4では、入射
偏光面内に水晶の異常光軸10を含むため、Y軸方向に偏
光している光は水晶板4の異常光軸10の傾いている方向
へ屈折し、再び空気層へ12として出るとき光軸と平行に
なり、入射光の光軸とのずれがY方向に生じる。
のスイッチ状態が状態2の場合、偏光面9と異常光軸8
が約45度の角をなしているため、透過光11は異常光軸の
向きに回転し、直線偏光(Y軸方向)→楕円偏光→円偏
光→楕円偏光→直線偏光(X軸方向)と強誘電性液晶素
子3内を変化し、偏光面は初期状態から90度回転し、水
晶板4に照射される。水晶板4では、入射偏光面内に水
晶の異常光軸10を含まないため、光11は屈折しないでそ
のままの光軸を維持し、再び空気層へ出射光12として出
る。
ち、状態1と状態2での水晶板4による屈折の有無で光
軸をずらし、この光軸のずれを絵素ずらしの動作原理と
して用いることができる。
態を決める液晶のコーン角について説明する。強誘電性
液晶(反強誘電性液晶でも同様)では、電界印加による
液晶ダイレクタのスイッチング挙動としては、「液晶辞
典」(培風館発行)のP150に記載されている南部−ゴ
ールドストーンモードに従って液晶分子が仮想的なコー
ン上を動く。さらに、電傾効果を有するスメクチックA
液晶(同液晶辞典のP145)では、同液晶辞典のP119 に
記載されているソフトモードを利用した場合でも、コー
ン角に類似した各液晶組成物に固有のコーン角を有して
いる。
ムにスズをドープしたIndium tin oxide) からなる透明
電極13−14間に挟まれた液晶15のコーンモデルを考え
る。コーンの開き角をコーン角θrと呼び、このコーン
角の透明電極の付いたガラス基板への投影を見かけのコ
ーン角θと呼ぶ。光学的にはこの見かけのコーン角θに
ついて考えれば良い。このコーン角は、以下に示すよう
に温度依存性を示すために、有効なウォブリング効果を
得るために例えば25℃でコーン角45度を得ていても、そ
の環境温度により低温側ではコーン角が大きく、高温側
ではコーン角が小さいという現象がある。
に、チッソ石油化学社製のFLC液晶CS−1014を
用いたSiO斜方蒸着配向膜付きの反平行セルでは、25
℃近傍では見かけのコーン角は約45度であるが、0℃で
は約51.6度と大きく、55℃では7度にまで低下してい
る。また、下記の表2及び図5に示すように、メルク社
製のFLC液晶ZLI−3774を用いた同様のセルで
は、25℃で見かけのコーン角は約45度であるが、低温側
では−10℃で54.8度と大きくなる。
イッチング前後での液晶の異常光軸8のなす角が45度か
らずれると、上記した如き理想的な90度の偏光面の回転
は達成できず、種々の問題が生ずる。
℃でコーン角の大きな液晶としてチッソ石油化学社製の
CS−2003(コーン角60度)、CS−2002(コ
ーン角64度)、CS−2004(コーン角88度)が使用
可能である。これらはいずれも、Iso−N* −SmC
* −Crystを示す組成物である。そして、コーン角65〜
80度の組成物は、CS−2002(コーン角64度)とC
S−2004(コーン角88度)をブレンドすることによ
り調製する。
状態における液晶ダイレクタのなす角を測定するもので
あり、具体的には、偏光子が直交した偏光顕微鏡下で液
晶セルを観察し、消光位(回転して暗くなる位置)での
ステージの回転角から求めた。
述べる光軸の組み合わせが有効であることを見出した。
45度から外れる(例えば45+γ度:ここでγは45>γ>
−45)場合、ウォブリング動作において、スイッチ状態
の片方の状態での液晶ダイレクタの光軸を理想的に表示
素子側偏光面に平行あるいは直交して合わせると、この
スイッチ状態では透過光の偏光面は変化しない。この場
合には、偏光面が回転していないため、例えば図1のよ
うに、水晶板4の異常光軸10の方向に 100%の光が屈折
し、光軸からのずれを与える。この時、Z軸上の成分は
ほとんどない。
γ度となるために、γが正の場合は透過光の偏光面は90
度以上の回転をし、γが負の場合は偏光面は90度まで回
転しない。偏光面が完全に90度回転した時には、図2に
示したようにZ軸上の成分がほぼ 100%となるが、図6
に示したように、偏光面の回転が90度からγの角度ずれ
る場合、偏光成分としてY軸方向の成分も増加してくる
ので、Z軸上以外に、Y方向にずれた成分が含まれるよ
うになる。従って、この場合には、本来高解像度化する
べき画素ずらしの効果が減ぜられてしまう。
ては、画素ずらし時の漏れ成分によるものであることが
わかった。
いて更に説明する。液晶のコーン角が45度でない場合、
図7に示すように、奇数フィールド、偶数フィールド間
での光の漏れ(即ち、クロストーク)が生じる。この結
果、例えば奇数フィールドが白、偶数フィールドが黒の
場合、完全にウォブリングが行われれば、十分なコント
ラストで縞が観察されるが、漏れ成分が存在すると白が
暗くなり、黒が明るくなり、コントラストが低下する。
例えば、本来の表示素子のコントラストが 100:1あれ
ば、フィールド間のクロストークが10%あると、 100%
白レベルは90.1%となり、0%白レベル(黒レベル)は
10.9%となり、90.1:10.9=8.27:1となり、コントラ
ストがかなり低下してしまう。
はコントラスト8:1以上は必要なため、フィールド間
のクロストークを約10%以下に抑えることが重要となる
(コントラストが保証されてのみ、高解像度化の効果が
確認されるのである)。
めの光学系を図8に示す。この光学システムは、偏光顕
微鏡(ニコン社製のOPTIPHOTO−POL)70、
可視分光光度計(大塚電子株式会社100)71、パーソ
ナルコンピュータとモニタ72から構成される。
LC素子7/検光子75を通り、石英ファイバー76を経由
して可視分光器71により分光され、そのスペクトルを得
ることができる。ここで、偏光子74と検光子75は平行に
設置してあり、FLC7により偏光面の回転を受けない
場合は、偏光子74を透過した光は 100%検光子75を透過
し、分光器71に導入される。しかし、FLC分子ダイレ
クタのY軸からのずれをζとし、ζがゼロでない場合、
偏光子74からの光は偏光面の回転を受ける。ζ=45度
で、さらにギャップを調整すると、偏光面を丁度90度回
転できるようになる。その結果、検光子75で透過せず、
透過率0%となる。
変化に対応させて回転させたときの、偏光面の回転特性
を評価した。即ち、透過率が0%であれば、十分なウォ
ブリングが行え、透過率が例えば10%であれば、入射光
のうちの10%が反対側のフィールド成分に漏れることに
なるわけである。そこで、実際の実験結果を以下に示
す。
変化を示している。さらに、最小透過率の波長に対し
て、ζを変えたときの透過率変化を最大透過率を 100%
としてプロットすると図11(A)又は(B)のようにな
る。
るいは45度以上は45度で鏡像関係にある。コントラスト
8以上を確保するためには(即ち、透過率が10%以下、
或いは90%以上)、ζが約±10度以下、36度〜54度であ
ることが必要となる。
透過率は、 I/IO =sin2(2ζ)・cos2(πΔn・d/λ) で表される。ここで、λは波長、Δnは複屈折率、dは
セルギャップである。位相の項πΔn・d/λ=πとし
て透過光強度を計算し、プロットすると、ほぼ実測値に
対応するが、実測値の方が制約条件が緩くなっているの
がわかる(図11(B)参照)。
とするには透過率 1.5%以下であることが必要となり、
そのためにはζが約±5度以下、41度〜49度であること
が必要となる。即ち、これを見かけのコーン角で換算す
ると、ウォブリングで高解像度化が可能な範囲はθが26
〜64度、さらに好ましくは36〜54度が必要であることが
判った。これは、図12に示す他の象限でも同様であるこ
とは明らかである。
し時の解像度の低下(非対称性)を改善するために、上
記2つのスイッチ状態のなす角の2等分線16が、表示素
子からの光の偏光面(Y方向)あるいは偏光面に対して
直交した線(X方向)に対してなす角δが、理想的には
22.5度の角度をなしていれば良いことがわかった。
置することにより、図14、図15に示されるように、両方
のスイッチ状態でクロストークを生じるようになるが、
各スイッチ状態でのクロストークは小さく、かつ、その
和は片側だけクロストークが生じる場合よりも平均化さ
れて少なくなるため、高解像度化の効果を減ずることは
ないことがわかった。
と、見かけのコーン角θが26度あるいは64度の場合はδ
=22.5度のみとなるが、見かけのコーン角θが45度の
時、δの範囲はδ=22.5±10度が良く、更に好ましくは
δ=22.5±5度が必要であることを示している。
スイッチ状態の2等分線が表示素子からの光の偏光面或
いはそれに直交する線とのなす角δは、以下のウォブリ
ングの実験結果から明確となった。
64度の範囲で、ウォブリング効果により高解像度化すべ
き元の液晶表示素子の 240TV本から 370TV本以上へと高
解像度化できた。さらに、θ=36〜54度の範囲で、色付
きの少ない高解像度化ができた。そして、θ=36〜54度
の範囲でδ軸の位置を検討した結果、δ=22.5±10度
で、色付きがほとんどなく、 370本以上へと高解像度化
できることがわかった。さらに、θ=36〜54度、δ=2
2.5±5度の範囲で、フィールド間のクロストークが少
なくなり、フィールド間のコントラスト比が高まるた
め、さらに 390本以上へと高解像度化することが目視に
より確認された。
解像度評価用パターン(ビデオシグナルパターンジェネ
レータ:ソニー社製MTSG−1000)からの信号を
ビデオ入力し、白黒のラインの解像性を観測により判別
した(以下、同様)。
複屈折量に波長依存性を有するので、全波長域にわたっ
てのマッチングは難しい。高解像度化する液晶ディスプ
レイがRGBトリオ画素(1絵素を形成)(但し、白黒
の場合は1画素=1絵素)の単板である場合について検
討した。ここで用いたRGBフィルタは図16に示すよう
に、それぞれ透過の主波長が650nm(R)、550nm(G)、450n
m(B)に存在している。ここで、人間の目の解像度に対す
る視感度を考慮すると、その感度比はR(赤):G
(緑):B(青)=3:6:1であるので、これらの主
波長に感度の重み付けを行った加重平均波長に対しての
半波長の位相差を与えれば良い。
0nm × 0.6+650nm × 0.3=570nmとなり、従って半波
長 285nmに調整すれば良い。半波長の位相のずれは、後
述するように偏光面を有効に回転させる上で重要であ
る。
晶素子を用いて画素ずらしを検討した結果を下記の表3
に示す。これによれば、632.8nm の光源(He−Neレ
ーザー光)を用いて測定した位相差 130nm〜370nm の範
囲で、高解像度化の効果が認められた。この高解像度化
したセルの中でも、 137nm以下の位相差と 350nmを超え
る位相差では、画面の色付きが大きく、使用に耐え難く
なった。従って、RGBがモザイク状に散在している単
板のパネルの高解像度化の際には、632.8nm の光源(H
e−Neレーザー光)を用いて測定した位相差が 140nm
〜350nm の範囲が更に好ましい。
が3板の投射型ディスプレイの場合、R、G、Bの各カ
ラーフィルタ特性の各々に対して位相差を設定すれば良
い。この場合、各フィルタの透過率特性の波長範囲の上
限をλMax とし、下限をλMin とすると、許容できる位
相差はλMax /2〜λMin /2の範囲が好ましい。
る場合には、R、G、Bは輝線スペクトルとなるため、
この条件では非常に狭くなってしまう。通常、R、G、
Bフィルタでは各フィルタの波長範囲がクロスオーバー
しており、中心波長λC に対して±100nm の幅を持って
いる。従って、ここでは、その波長範囲として各光源の
中心波長に対して±100nm の幅が有効である。すなわ
ち、その有効位相差範囲は、中心波長をλC としたと
き、(λC −100)/2〜(λC +100)/2の範囲(それ
ぞれの単位はnm)が好ましい。
する各素子の具体的な組み合わせ例のスイッチ状態を図
17に示す。ここで組み合わせる液晶表示素子2として
は、アクティブマトリックスTN液晶、STN液晶表示
素子、強誘電性液晶表示素子、反強誘電性液晶表示素
子、SH表示素子等、その種類を問わない。ここではそ
の一例として、TN液晶との組み合わせ例を示す。
表示素子の場合、TN液晶に電界が印加されない状態で
光源からの光が透過するものである。ここでは、バック
ライト17−偏光板18−TN液晶2−偏光板19の組み合わ
せ、或いは、反射板−偏光板18−TN液晶2−偏光板19
の組み合わせが従来と同様のTN液晶表示素子を示す。
そして、TN液晶素子2、強誘電性液晶素子3にはそれ
ぞれ、透明電極がその両面に配置してあるのは言うまで
もない。
N液晶2のねじれが解除され、徐々に偏光板を通して光
がもれ、階調表示が実現されるが、いずれの透過光も強
誘電性液晶素子3の前で偏光板19により同一の直線偏光
になるため、上述した動作原理に従って絵素ずらしを行
うことができる。
表示素子の場合、TN液晶に電界が印加された状態で光
が透過するモードであり、電界強度が減少するにつれて
TN液晶2のねじれが徐々に復帰し、徐々に暗くなり、
階調表示が実現されるが、いずれの透過光も強誘電性液
晶素子3の前で偏光板19により同一の直線偏光になるた
め、上述した動作原理に従って絵素ずらしを行うことが
できる。
素子でも、表示素子から出てくる光がほぼ直線偏光であ
れば、本発明を適用できることが明確である。
いてのものであるが、本発明は無偏光の表示素子にも勿
論適用できる。
偏光度が小さい場合、偏光にするために、表示素子2と
絵素ずらし素子7を結ぶ光路中に偏光板19を挿入すれば
良い。光学的配置条件は上述の液晶表示素子の場合と同
様である。
しては、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイ等
の自発光型表示素子がある。
ートで駆動可能なカイラルスメクチック液晶をはじめと
した位相変調素子(強誘電性液晶、反強誘電性液晶、あ
るいは電傾効果を有するスメクチックA液晶)3を用い
たウォブリング素子7を離散的な画素から構成される液
晶、プラズマ、LED等のディスプレイと観測者の網膜
とを結ぶ光路中に配置し、ウォブリング(絵素ずらし)
を行うことができるが、ここで、位相変調素子3として
は下記の〔1〕、複屈折媒体としては下記の〔2〕が挙
げられる。
液晶、反強誘電性液晶あるいは電傾効果を有するスメク
チックA液晶のスイッチ状態において、少なくとも2つ
の状態が存在し、そのうち少なくとも2つの状態の異常
光軸が26〜64度の角をなすカイラルスメクチック液晶素
子で偏光面を回転できるように光学配置した素子。 〔2〕入射された光の偏光方向により光軸のずれを与え
る透明基板であり、具体的には(a)ウォブリング方向
に等価的に一軸性の異常光軸の成分を有するように配置
したもの(b)光が透過する基板対向面が平行でない基
板であり、見かけの異常光軸が両平面に垂直な平面に平
行あるいは垂直である素子。
な作製方法及び動作特性について記述する。
基板20、21上に透明電極(例えば 100Ω/□のITO)
13、14を設け、さらにその上に、液晶配向膜としてSi
Oの斜方蒸着膜22、23を形成した。SiO斜方蒸着膜の
形成方法は、真空蒸着装置内に、SiO蒸着源から鉛直
上に基板を配し、鉛直の線と基板法線のなす角を85度と
して設置した。SiOを基板温度 170℃で真空蒸着後、
300℃、1時間の焼成を行った。
を、その配向処理方向が対向面で反平行となるように組
み、そのスペーサとして、目的ギャップ長に応じたガラ
スビーズ(真糸球:直径 0.8〜3.0 μm(触媒化成
製))24を用いた。スペーサは、透明基板の大きさによ
り、小さい面積の場合は周囲を接着するシール材(UV
硬化型の接着材(フォトレック:セキスイ化学(株)
製))25中に例えば 0.3wt%程度分散させることによ
り、基板間のギャップを制御した。基板面積が大きい場
合には、上記真糸球を基板上に平均密度で 100個/mm2
散布したのち、ギャップをとり、セルの周囲に液晶の注
入孔を確保して上記シール材でセル周囲を接着した。
(株)製のCS−1014)を等方相温度あるいはカイ
ラルネマチック相温度の流動性を示す状態で減圧下で注
入した。液晶注入後、徐冷し、注入孔周囲のガラス基板
上の液晶を除去したのち、エポキシ系の接着剤で封止
し、強誘電性液晶素子を作製した。用いる強誘電性液晶
はチッソ(株)製、メルク(株)製、BDH社製、ある
いは例えば下記の強誘電性液晶化合物又はこれらを含む
非カイラル液晶からなる組成物でも可能であるが、その
制限はなく、また、その相系列の制限も必要とせず、必
要なのは使用温度範囲でカイラルスメクチック液晶相を
とることである。
子の液晶層構造は、配向処理方向の組み合せにより、反
平行でブックシェルフ構造、平行でシェブロン構造ある
いは疑似ブックシェルフ構造を有していることがX線構
造解析により明確となった。
も、スイッチングスピードが高速で有れば、例えば、下
記の反強誘電性液晶(AFLC)や電傾効果を示すスメ
クチックA相でも適用可能である。
handani らにより1988年に見出されたものであって、次
の3点を特徴としている。 (1)反強誘電状態と2つの強誘電状態の3安定状態間
のスイッチングを利用する。 (2)明確なしきい値特性を示し、マルチプレクス駆動
した時のコントラストを高くとれる。 (3)プラスとマイナスのヒステリシスを交互に使い、
内部分極の発生が抑えられるため、焼き付き現象が起こ
りにくい。
強誘電性液晶と異なり、カイラル液晶がその組成物のほ
とんどであるということ(自発分極が大きく、強誘電性
液晶のほぼ10倍)、不斉炭素に関する置換基はCH
3 基、CF3 基、C2 H5 基をもつ化合物は容易に反強
誘電性を示し、コア構造が拡張する。例えば、チッソ社
製のCS−4000がある。
効果とは、カイラル分子によって構成されるスメクチッ
クA相において、温度を一定としたときに電場によって
配向ベクトルの傾き角が誘起される現象である。スメク
チックA相において、配向ベクトルはスメクチック層の
法線方向を向き、長軸回りに自由回転しているが、層に
沿った電場を印加することによって自由回転が阻害さ
れ、電場方向の分極Pが誘起される。
仮定すれば、 P=(ε⊥* −ε⊥0)εO Ε 従って、θ=(ε⊥* −ε⊥0)εO Ε/k のように、印加電場Eに比例した傾き角が生じる。ここ
で、ε⊥* とε⊥0は光学活性物質のラセミ体の誘電
率、εO は真空の誘電率である。このことから、カイラ
ル液晶のラセミ体のそれぞれの誘電率の差が大きいほ
ど、大きな電傾効果を現す。
に用いた強誘電性液晶の複屈折率、相転移温度を下記の
表4に示す。
の偏光面を90度回転させるためには位相を 180度ずらせ
ば良い。複屈折率(ne −no )、セルギャップdと位
相差δの間には以下の関係がある。 δ=2πd(ne −no )/λ
は、セルギャップdを d=λ/2(ne −no ) とすれば良いことになる。しかし実際には、液晶分子の
基板とのなす角α(プレチルト角)は0度でないため
に、ne は小さくなり、ギャップ長dをさらに長くとら
なければならない。
晶分子短軸方向の屈折率n⊥に等しい。即ち、no =n
⊥である。
あり、
る。 d=λ/2〔ne (α)−no 〕
関係式をもとに最適ギャップdを計算できる。従って、
配向膜はSiO等の様な無機系配向膜、あるいはポリイ
ミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール(PVA)な
どの有機系配向膜の種類を問わず使用できる。
式によりギャップ長dは無限大となってしまうため、0
〜89度のプレチルト角が必要である。但し、プレチルト
角を45度を超えて制御するのは難しいため、実用的には
0〜45度のプレチルト角が好ましい。
蒸着膜)での電気光学特性の一例を示す。位相差δ(R
etardation)の測定は、オーク社の自動複屈折計を用
い、位相差の値がλ/4を越えるために、He−Ne
〔632.8nm 〕と半導体レーザ光源〔780nm 〕の2波長を
用いて測定した。
の位相差を示しており、入射光の偏光面を約90度回転で
きるスペックを有していることがわかる。
セルギャップを調整することにより、種々の位相差を有
するウォブリングセルを作製した。測定波長 632.8nmで
の結果を下記の表6に示す。これらのデータをプロット
すると、図22のようにほぼ直線関係になり、ギャップ制
御により位相差が任意に設定できることがわかる。これ
らのセルは上述した位相差の範囲の検討に使用した。
来の一般的なFLCの駆動法を適用できる。図23に、1
フレーム、2フィールドの駆動波形の1例を示す。
ス駆動であり、書込み直前にリセットパルスを加えてフ
ィールド内での電気的中性条件を保つ方法であり、液晶
に長時間の直流成分が印加されにくい。FLCの他、A
FLCにも使用できる。
ス駆動であり、1フレーム内での電気的中性条件を保つ
方法である。FLCの他、AFLCにも使用できる。
ームで電気的中性条件を保つ方法であって、パルス駆動
に比べDC電圧が印加されている時間が長いが、素子の
絶縁性が高い場合には信頼性の高い駆動法である。FL
Cの他、AFLC、電傾効果型スメクチックAにも使用
できる。
るスイッチング特性を上記の表5に示した。立ち上がり
(10−90%T)及び立ち下がり(90−10%T)とも、い
ずれもμsec オーダーの高速応答を示しており、1フィ
ールド内での十分な応答を保証し、ビデオレートでの有
効な絵素ずらし効果が初めて達成される。
立ち上がりと立ち下がりの応答時間がフィールド時間の
1/3以下で、かつ、立ち上がり時間と立ち下がり時間
との比が互いに2倍を越えないものが好ましい。
高速のものでも電界印加時の立ち上がり時間は比較的短
いが、オフ時の立ち下がり時間は長いために、フィール
ド内でのスイッチングが十分でなく、有効な絵素ずらし
効果が得られない。ツイストネマチックの絵素ずらし素
子では、透過率変化0〜90%での立ち上がり+立ち下が
り時間は最小で15msec 程度(室温)であり、NTSC
の2:1線飛越走査方式(1フィールド当たり1/60秒
(16.7ms))でもかなり実現が困難であり、さらにフ
レーム数が同じで4:1線飛越走査方式を適用すれば、
1フィールド当たり1/120 秒(8.3ms)であり、全く
追従できなくなる。この点、強誘電性液晶素子を用いた
絵素ずらし法は、そのスイッチング時間がTN液晶より
も短いため、有効であることがわかる。ちなみに、強誘
電性液晶素子の立ち上がり+立ち下がり時間はμsec オ
ーダーから、最も遅いものでも数ms以下である。
較して示すが、本発明に使用可能な液晶の応答速度は著
しく早い。
のずれを与える複屈折性透明基板 (a)等価的に一軸性の異常光軸10が図1のようにZ軸
と同一面上に存在し、かつ、軸に対して平行でない素
子。
式により計算する。図24のように、複屈折透明媒体4の
異常光軸10がウォブリング光学系の光軸となす角をβと
し、水晶板4の厚みをdとする。ここで、水晶板4の常
光の屈折率no と異常光の屈折率ne は、ne =1.5533
6 、no =1.54425 である。ここでは、 0.7インチ、1
0.3万画素のアクティブマトリックスTN液晶ディスプ
レイを垂直方向に高解像度化するために、L=24.5μm
のずれを与える値としてβ=45度、d=4.17mmとした。
果的なβの範囲は10〜80度であった。この光学軸のずれ
は、後述する構成画素ピッチにより異なる。また、光学
軸を偏光のスイッチを用いてずらす方法として次の
(b)も適用できる。
基板で、見かけの異常光軸が両平面に垂直な平面に平行
あるいは垂直である素子。
に構成する。このセル34は、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルム30をスペーサとして両基板31、32
間を角度αで固定したものであり、その基板間に液晶33
が注入されている。
異常光との光軸のずれLが30.7μmとなるように設計し
た。
I−2008−000 ne =1.707 no =1.517 (注)メルク社測定値
性質:配向膜としては液晶の複屈折を最大限に生かすた
めに、プレチルト角の小さいポリイミド系のラビング膜
(宇部U−ワニス)を用いた。プレチルト角は実測で約
1度以下である。
ビ型セルの中に図26、図27のように矢印35で示した。ま
た、配向の組み合わせは、タイプ1ではパラレル配向、
タイプ2ではアンチパラレル配向とした。セル組み立て
後、ネマチック液晶を注入し、周囲を接着剤で封止し
た。
αrad 、セルからスクリーンまでの距離をlとすれば、
光軸からのずれはDi となる。屈折率ni は次式で与え
られる。
Di =De −Do =30.7μmとなる。また、実際に、l
=6450mmとしたとき、下記の表8の結果が得られた。
を用いたが、これに代えて、ポリカーボネート等の如き
複屈折の大きな樹脂の射出成形あるいはフィルムの積層
によっても、複屈折媒体を形成できる。この場合の異常
光の光軸は液晶の場合と同様である。
ーボネートフィルムの一般的なポリカーボネートの分子
構造は下記の通りである。
クス成型機(図28に80で示す型)に入れ、クサビ型のポ
リカーボネート板81を作製した。即ち、ポリカーボネー
ト樹脂を約 300℃で溶融し、金型温度60℃で手動で射出
成型した。この成型時の金型温度を低下させ、溶融粘度
を上げ、ポリカーボネート分子の配向を十分にさせるこ
とを考慮してある。ポリカーボネートの溶融粘度と分子
配向性と複屈折の関係は永井らによって報告されている
(" Melt Viscosity and Flow Birefringenceof Polyca
rbonate" J. Appl. Polym. Sci., Vol.44(1992)pp.1171
-1177)。
げにしてあり、その型の形状は図28に示す通りであり、
15mm×20mmの寸法を有している。得られたクサビ型のポ
リカーボネート81は傾きαが24度となっており、27mm当
たり40μmの光軸のずれを与えることができた。
を更に具体的に説明する。
完全な一つの画面(1フレーム)ができる。そして、第
1(奇数)フィールドと第2(偶数)フィールドでは、
垂直方向の位置情報に関して互いに補間しあっており、
1秒間のフィールド枚数を多くして解像度を維持する方
法である。しかし、液晶表示素子の如く、特に垂直画素
数が少ない場合に、奇数フィールドと偶数フィールドを
同一走査線上に上書きしてしまうために、本来有してい
る解像度を低下させている。
ドで同期をとって絵素ずらしを行い、高速な映像の置き
換えによる残像効果を応用して、垂直方向の高解像度化
を図った。以下に、その絵素ずらしのシフト量について
述べる。実際には、液晶には点順次あるいは線順次走査
があり、時系列的に走査されるが、ここでの説明では原
理が理解し易いように同時刻で取り扱う。
表示素子或いはカラーシーケンシャル表示素子の場合:
1つのスイッチング素子が1絵素に相当するので、単純
に1絵素の絵素ずらし方向の重心点間距離(構成表示画
素間の中心間距離)の半分の長さの光軸の絵素ずらし方
向へのシフトにより、高解像度化され、同時に画素間の
非表示部位(例えばブラックマトリックス)が目立たな
くなる。しかし、シフトは絵素の重心点間距離の正確に
半分でなくてもよい。
ックス部と構成画素部の口径の大きさの違いにより、そ
の有効なシフト量が異なる。ブラックマトリックス部が
構成画素口径と同じか大きい場合、高解像度化を行いた
い方向の構成画素ピッチの半分の長さのシフト(a)が
最適であるが、その許容度は画素位置のシフトが認識さ
れる構成画素口径の半分が必要である。さらに、ブラッ
クマトリックス部が構成画素口径よりも小さい場合、最
低限、ブラックマトリックス部の長さのシフトが有効と
なる(b、c)。
ックマトリックス部の長さをLB 、構成画素口径をLA
とすると、画素ピッチはLP =LA +LB となり、絵素
ずらし量Lは、 Min(LB 、LA /2)≦ L ≦ Max(LP −LB 、L
P −LA /2) で表される。
P −LA /2) となる。なお、上記の各式におけるMin(x、y)、Max
(x、y)はそれぞれ、x、yの内の小さい値、大きい
値を与える関数とする。
しを行えば、図30のように垂直方向が高解像度化され
る。同様にして、水平方向に絵素ずらしを行えば、水平
方向が高解像度化される(図31)。更に、斜め方向に絵
素ずらしを行えば、垂直及び水平方向が高解像度化され
る(図32)。
子の場合:通常のカラー表示素子では、R、G、Bカラ
ーフィルタのトリオにより1絵素を構成している。R、
G、Bの配置法は、インライン配列(図33)、デルタ配
列(図34)等があるが、ここでの光軸のシフト量は絵素
ずらし方向の最近接RGBトリオ面積重心間距離の1/
2の長さにすれば良い。
向は、垂直方向だけでなく、水平方向或いは斜め方向も
含む2次元の絵素ずらしにより、ずらした方向の解像度
を向上させることができる。更に、絵素ずらし範囲は、
絵素ずらし方向の長さ成分に対する構成画素口径LA を
RGBの画素トリオのものとし、ブラックマトリックス
部の長さをLB とすることにより、上記したモノクロマ
チック表示素子と同様の条件とすることができる。
範囲:上述したような、高解像度化されるべき素子は、
原理的には、1画素当たりの各々のスイッチングに同期
させた絵素ずらしを必要とする。この場合には、点順次
走査の場合はTFT(Thin Film Transistor) のマトリ
ックスのように画素数分の絵素ずらし素子が必要とな
る。さらに、線順次走査の場合は、水平走査線の数の電
極分割が必要であることになる。
走査線数をNとした場合、線順次走査の時は透明電極を
垂直方向に1/N分割するのが理想的である。しかし、
高解像度化のためには、コスト的に同等の絵素ずらし素
子が必要となってしまう。そこで、本発明者は、ヒュー
マンファクタによりこの電極分割上限を低下させ、コス
トダウンを行えると考え、次に示す実験を行った。
わせ、垂直同期信号に同期させて強誘電性液晶素子のス
イッチングのタイミングをとったところ、時系列データ
を考慮しないで、パネル全面のFLC素子のスイッチン
グを行っても、パネル垂直方向の約1/4が 240TV本
から 370TV本へと高解像度化された。
方向の分割でも高解像度化が有効であることが判った。
即ち、高解像度化のためには、水平走査線数Nの表示素
子と組み合わせる絵素ずらし素子は垂直方向にN分割〜
1分割すれば良いが、パネル全面の高解像度化を行うた
めには、N分割〜3分割が好ましい。さらに、電極加工
精度、コスト等を考慮すれば、N/2或いは(N+1)
/2のうちのいずれかの整数分割以下が好ましい。
子の高解像度化の具体例:図35に分割電極の組み合わせ
例を示す。この分割電極はガラス基板上に透明電極(I
TO)13、14を形成し、電極を5分割するようにエッチ
ングした。ITO電極間距離(エッチング部分)を10μ
mとした。この電極間距離はセルギャップよりも大きい
(更には、非表示部位よりは短い)ことが電極間電位差
による絶縁破壊防止、即ち、耐圧等の点で必要である。
ここでは、セルギャップは1μm〜3.0μmとした。分
割電極の組み合わせは、片側をコモン電極としてもよ
く、また、両側を分割電極としてもよいことは容易に判
る。
い、セル組み立て方法及び液晶注入方法は単極セルの場
合と同様である。液晶配向方向については絵素ずらし方
向を考慮して設定した。
枚または30枚の画像を送っている。しかし、毎秒24枚か
ら30枚ではフリッカー妨害が大きく、使用に絶えない。
このため、映画では1こまを2回ずつ照射し、毎秒48こ
まの繰り返しを行い、テレビでは飛越走査法を用いて伝
送帯域幅を増加しないで毎秒の繰り返し回数を増やして
いる。日本国内標準では2:1線飛越走査法を使用して
いる。
た走査はN/2回の水平走査でb点に達して、垂直帰線
期間にc点に移り、さらにN/2回の水平走査でd点に
達し、垂直基線期間に再びa点に戻る。dからbに至る
期間を第1(奇数)フィールドといい、bからdに至る
期間を第2(偶数)フィールドという。2:1線飛越走
査方式では2フィールドで完全な一つの画面(1フレー
ム)ができる。この他、3:1、5:1線飛越走査方式
などがある。
行う際に、現在のCRTではアナログ的なためにその解
像度においては問題が少ないが、液晶、プラズマ、EL
等の如く画素が離散的なディスプレイについては、離散
的画素配列のためにかなりの水平方向の位置情報が欠落
したり、走査線の情報を欠落するか、あるいは輝度信号
の位置分解能を低下させる(即ち、ディスプレイの解像
度を低下させる)ことについては、既述した通りであ
る。
イミングをとる具体的方法を示す。テレビ信号は、図37
に示すように各フィールドの輝度信号と垂直同期パル
ス、水平同期パルス、色信号、色同期パルスから構成さ
れている。ここでは、奇数フィールド(第1フィール
ド)及び偶数フィールド(第2フィールド)の垂直同期
パルスを検出し、ここからFLCドライバに同期信号を
送り、続いて、ドライバ内で各チャンネル毎にディレイ
を与えたドライブ波形をFLCセルに送れば良い。
デオ信号処理系との同期について:図38に、電極の構成
とドライブ回路、ビデオ信号処理系の接続と同期方法に
ついて示した。即ち、ビデオ信号処理装置40によって、
奇数フィールド(第1フィールド)及び偶数フィールド
(第2フィールド)の各同期パルスとRGB信号を表示
素子2に供給すると同時に、各フィールドの垂直同期パ
ルスを検出してFLCドライバ41に同期信号を送り、続
いて、ドライバ41内で各チャンネル毎にディレイを与え
たドライブ波形をFLCセル3に送る。
側をコモン電極とし、5分割電極側をCh1〜Ch5に
分けて、図示したようにパルス駆動した。即ち、検出し
た垂直同期信号を基準とし、1フィールドの時間を5分
割し、各チャンネルでシーケンシャルに遅れを与えた。
従って、TN液晶表示素子2の駆動とFLC素子3の駆
動は同期していることが重要である。なお、これらの駆
動波形は、一般的なFLCの駆動法及び矩形波駆動を適
用できる。
方法を説明する。表示素子2の垂直方向を高解像度化す
る場合(図40)と、垂直、水平方向を高解像度化する方
法(図41)を示す。この結果、各目的とした方向の高解
像度化が確認できた。
ブ条件、光学的配置、絵素ずらし量を考慮して高解像度
化の検討を行ったところ、 0.7インチ、10.3万画素のア
クティブマトリックスTN液晶ディスプレイにおいてパ
ネル全面に亘って 240TV本から 370TV本以上へと高
解像度化し、更に、非表示部位であるブラックマトリッ
クスが目立たなくなり、高解像度でかつ滑らかな画面が
達成できた。
カイラルスメクチック液晶素子3は、図42に明示するよ
うに透明ガラス基板20、21を用いて作製したが、さらに
コスト、容積、重量を低減させるため、図43〜図44のよ
うに透明基板の一方20を水晶板4に置き換え、この水晶
板に透明電極13、配向膜22を付け、カイラルスメクチッ
ク液晶素子3との一体化も可能である。そして、屈折率
の整合により反射を抑制し、光の透過率をも向上でき
る。図44では、更に、表示素子2側に反射板42を設け、
表示性能を向上させている。
型、投射型等、様式を問わずに使用できる。このうち、
図45〜図47に投射型ディスプレイの三例をそれぞれ示し
た。
をコールドフィルタ43を通してバックライトとして表示
素子2に導き、上述したウォブリング処理後にレンズ系
44からスクリーン45へと画像が投影される。
17からの光をフィルタ46を通し、各ダイクロイックミラ
ー47によって所定の波長光(R、G、B)にそれぞれ分
離し、コンデンサーレンズ48から各ウォブリング素子に
入射され、ここでウォブリングされた後、再び合成され
てスクリーン45上に投影される。
各波長光がダイクロイックプリズム48を介して合成され
ること以外は、図46のものと基本的には同様である。
として応用するため、可視光の波長範囲で使用する。
から構成されるCCD等の撮像素子と被写体とを結ぶ光
路中に上述したウォブリング素子7を配置する場合にも
適用される。
に適用する場合も、上述した表示装置において述べた各
種の条件及び原理、説明が同様にして採用されることが
望ましい。以下においては、上述した表示装置について
の内容と同様のものは特に繰り返して説明しないが、そ
れに比べて、撮像装置に特有のものを主として説明する
こととする。
えば1/3インチCCDを水平方向、垂直方向あるいは
水平及び垂直方向に同時に高解像度化するため、β=45
度として水晶板の厚さdを調整することにより、絵素ず
らしの量を調節した。1/3インチCCDの水平方向の
ピッチが6.35μm、垂直方向のピッチが 7.4μmである
ので、各方向への高解像度化のための絵素ずらし量は、
各ピッチの約1/2の3.18μm、 3.7μmとすれば良
い。更に、斜め方向の絵素ずらしの場合は水平、垂直方
向成分を各辺とした長方形の対角線の長さのシフトが必
要となり、この時は、4.88μmとすれば良い。
め、β=45度、d=0.63mmとした。ここで、光軸のずれ
Lを発現させるのに効果的なβの範囲は10〜80度であっ
た。
4を結ぶ光路中に、被写体−偏光子−FLC素子−複屈
折基板−撮像素子の順序で配置される。この場合、レン
ズ系、アイリス、波長制限フィルタは被写体と撮像素子
を結ぶ光路中のどこに配してもよい。
子3のスイッチ状態が状態1の場合、被写体50の側から
の照射光成分aは、レンズ51、絞り52を通った後、偏光
板19により絵素ずらし方向に偏光される。光の偏光面と
強誘電性液晶素子3の異常光軸8が平行のため、透過光
は偏光面を維持したまま複屈折を有する水晶板4に照射
される。水晶板4では、入射偏光面内に水晶の異常光軸
を含むため、Y軸方向に偏光している光は水晶板の異常
光軸の傾いている方向へ屈折し、再び空気層へ出るとき
光軸と平行になり、入射光の光軸とのずれが生じ、CC
D撮像素子53の各絵素に照射される。
が状態2の場合、偏光面と異常光軸8が約45度の角をな
しているため、透過光は異常光軸の向きに回転し、直線
偏光(Y軸方向)→楕円偏光→円偏光→楕円偏光→直線
偏光(X軸方向)と強誘電性液晶素子内を変化し、偏光
面は初期状態から90度回転し、水晶板4に照射される。
水晶板4では、入射偏光面内に水晶の異常光軸を含まな
いため、屈折しないでそのままの光軸を維持し、再び空
気層へ出て、CCD撮像素子53の各絵素に照射される。
即ち、被写体のa’部分を撮像することになる。この状
態1と状態2の光軸のずれを絵素ずらしの動作原理とし
て用いることができる。
が45度から外れる(例えば45+γ度:ここでγは45>γ
>−45)場合、ウォブリング動作において、スイッチ状
態の片方の液晶ダイレクタの光軸を理想的に偏光板の偏
光面に平行あるいは直交して合わせると、このスイッチ
状態では透過光の偏光面は変化しない。この場合には、
偏光面が回転していないため、例えば図48のように水晶
板4の異常光軸の方向に 100%の光が屈折し、光軸から
のずれを与える。この時、a点以外の成分はほとんどな
い。
なるために、γが正の場合は透過光の偏光面は90度以上
の回転をし、γが負の場合は偏光面は90度まで回転しな
い。偏光面が完全に90度回転した時には、図49に示した
ようにa’の成分がほぼ 100%となる。しかし、図50に
示したように偏光面の回転が90度からγの角度ずれる場
合、偏光成分としてY軸方向の成分も増加して来るの
で、Y方向の隣接撮像画素に若干のもれが生じる。従っ
てこの場合には、本来高解像度化すべき画素ずらしの効
果が若干減ぜられてしまう。
ら、上記2つのスイッチ状態のなす角の2等分線が偏光
板の偏光面あるいは偏光面に対して直交した線に対して
なす角δが、理想的には22.5度の角度をなしていれば良
い。このように、液晶ダイレクタ8の向きを配置するこ
とにより、図51、図52に示されるように、両方のスイッ
チ状態でクロストークを生じるようになるが、各スイッ
チ状態でのクロストークは小さく、かつ、その和は片側
だけのクロストークよりも少ないため、高解像度化の効
果を減ずることはないことがわかった。
状態の2等分線が光の偏光面或いはそれに直交する線と
なす角δは、以下のウォブリングの実験結果から明確と
なった。
64度の範囲でウォブリング効果によりCCDの高解像度
化が確認できた。さらに、θ=36〜54度の範囲で色付き
の少ない高解像度化ができた。
を検討した結果、δ=22.5±10度で色付きがほとんどな
く、高解像度化できることがわかった。さらに、θ=36
〜54度、δ=22.5±5度の範囲でフィールド間のクロス
トークが少なくなり、フィールド間のコントラスト比が
高まるため、さらに高解像度化した。
像度評価用パネルを撮像し、ビデオ信号に変換後にCR
Tモニタに表示し、観測することにより判別した。
オカメラ、スチルビデオカメラ等の光学系の場合、外界
からの入射光は概ね偏光していないので、外界(被写
体)と強誘電性スイッチング素子の間に偏光板を入れる
ことを特徴とし、レンズ、絞りに対しての位置関係を問
わない。その他の光学配置は、被写体−レンズ−絞り−
偏光板−強誘電性スイッチング素子−一軸的な光学異方
性を有する透明基板−撮像素子の順である。ここで組み
合わせる撮像素子としては、CCD、MOS型素子等、
その種類を問わない。
り、受光素子であるために、被写体の空間解像度(空間
分離能)を向上させることができる。ここでは、表示素
子のように順次方式ではなく、同時方式で行えるため、
FLC素子3のスイッチング部はCCD素子全面に同時
に作用してよく、位相変調素子3の空間的な電極分割を
必要としない。即ち、例えばCCD撮像素子の画素も、
離散的なために光軸のずれがない場合には各画素にa、
b、cの位置分解能しかないが、フレームを分割し、ま
ずこのa、b、cの情報を同時方式で蓄積後、転送し、
次のフィールドで強誘電性液晶素子3の絵素ずらしによ
り、a’、b’、c’の位置情報を同時方式で蓄積後、
転送し、最初のフィールドとの再合成を行うことによ
り、垂直分解能が2倍に向上する。
向上させるためには、1フレームをさらに3フィール
ド、4フィールドとしなければならないが、このために
も強誘電性液晶素子の高速応答性が必要である。ツイス
トネマチックの絵素ずらし素子では、透過率変化0〜90
%での立ち上がり+立ち下がり時間は最小で15msec程度
(室温)でり、NTSCの2:1線飛越走査方式(1フ
ィールド当たり1/60秒((16.7ms))でもかなり実現
が困難であり、さらにフレーム数が同じで4:1線飛越
走査方式を適用すれば、1フィールド当たり1/120 秒
(8.3ms)であり、全く追従できなくなる。この点、強誘
電性液晶素子を用いた絵素ずらし法は、そのスイッチン
グ時間がTN液晶よりも短いため、有効であることがわ
かる。ちなみに、強誘電性液晶素子の立ち上がり+立ち
下がり時間はμsec オーダーから、最も遅いものでも数
ms以下である。
撮像素子の場合:1つのスイッチング素子単位が1絵素
に相当するので、単純に解像度改善方向の1絵素の重心
点間距離の半分の長さの光軸の解像度改善方向へのシフ
トにより、高解像度化される。さらに、その許容範囲は
シフト長の50%〜150 %が適当である。
R、G、Bカラーフィルタのトリオにより1絵素を構成
している。R、G、Bの配置法はデルタ配列、インライ
ン配列等があるが、ここでの光軸のシフト量は解像度改
善方向の最近接R、G、Bトリオ面積重心間距離の1/
2の長さにすれば良い。さらに、その許容範囲はシフト
長の50〜150 %が適当である。
強誘電性液晶素子3は水晶板4とは別の基板を用いて作
製したが、さらにコスト、容積、重量を低減させるた
め、図54にそれぞれ例示するように、水晶基板4に透明
電極、配向膜(いずれも図示省略)を付け、強誘電性液
晶素子3と一体化した絵素ずらし素子をCCD全面の保
護ガラス基板60を介して配するか(A)、或いはこれを
省略して水晶板側を接着し、保護すること(B)ができ
る。同図(C)は、CCD53と水晶板4を一体化し、F
LC素子3は上述した例と同様に構成したものである。
TR−1(ソニー社製)への具体的実装例を説明する
が、まず、それに使用可能な赤外カットフィルタ及びロ
ーパスフィルタについて説明する。
380〜1200nmにまで広がっている。通常の可視光の画像
を撮像する場合には、本来人間の眼で感知できない近赤
外光域まで撮像してしまうため、画像に対して悪影響を
及ぼす。従って、図55のように赤外カットフィルタ61を
被写体50とCCD53との間に入れる必要がある。
ィルタ(700nm以上の波長をカットする。)61を組み合わ
せる場合の例を示す。さらに、ウォブリング素子に用い
られている水晶板だけでは、高周波成分のカットが不十
分であるため、光学ローパスフィルタが必要である。そ
こで、一般に高画質のCCDビデオカメラに用いられて
いる7点ボケ用の水晶ローパスフィルタ(複数の水晶板
64からなる。)を組み込んだ(図55、図56)。
で入射光をその複屈折を利用して2点ボケにし、さらに
光軸の周りに回転させた他の水晶板の積層により2点像
を4点像に、さらに3枚目の水晶板で7点像としてぼか
し、ローパスフィルタ特性を向上させることができるも
のである。
り、画像情報の空間周波数の高い成分を除去でき、モア
レ縞及び色偽信号等の問題を回避することができる。但
し、水晶板1枚の場合は、y方向のみ高周波成分をカッ
ト若しくは分散できるが、上記ではx、yの両方向にお
いて高周波成分をカット若しくは分散でき、低周波成分
の感度を保持したまま高周波成分の画像への影響(結像
した画像出力にモアレ縞パターンや色偽信号が生じるこ
と)を一層なくすことができる。
例を図57に、同ローパスフィルタを用いた実装例を図58
に示した。いずれも、絵素ずらし素子(ウォブリング素
子)7はCCD53の前位に設けられている。
スフィルタの第1の異常光軸がウォブリング時の偏光と
30〜60°の角度をなすときは、ローパスフィルタの効果
は得られるが、それ以外ではローパスフィルタ特性がフ
ィールドで変化してしまう。このとき、絵素ずらし素子
7と光学ローパスフィルタとの間にλ/4板(図示せ
ず)を入れることにより、フィールド間でのローパスフ
ィルタ特性の差を低減し、ローパスフィルタ特性を十分
発揮できるようになる。
ラシステムを示している。但し、CCDドライブ回路、
ウォブリング素子ドライブ回路は省略した。
用し、本来人間の眼で感知できない近赤外光域のみを撮
像することができる。この場合、敢えて、赤外カットフ
ィルタを入れる必要はない。
視光カットフィルタ(760nm以下をカットする。)を被写
体とCCDとの間に入れる必要がある。これにより、被
写体の温度分布等を撮像することができる。このときの
撮像波長は 700〜1200nmにまで及ぶため、絵素ずらし素
子の位相差はその半波長の 350〜600nm が必要である。
調整用の複屈折媒体(位相補償媒体)を使用する本発明
の他の実施例を説明する。
00nmの波長範囲における偏光面の90度の回転を行う位相
補償媒体を素子中に入れることにより、両方のスイッチ
状態でのクロストークを更に減少させ、一層の高解像度
化を達成できる。その具体的実施例を示す。
107 及び液晶光学表示装置101 を示す。
素子3の遅相軸108 と、FLC素子3の位相差とほぼ同
じ位相差を有する位相補償媒体100 の遅相軸118 とがほ
ぼ直交している。これによって、FLC素子3で生じた
位相差をそれとは逆相の位相補償媒体100 でキャンセル
することができるので、構成表示画素5から出た偏光6
はその偏光面の回転を受けずに、光軸シフトのための複
屈折媒体4に偏光面がβに傾斜した異常光軸10に見かけ
上平行に入射し、その結果、光軸がシフトする。
8 が、FLC素子3への電界印加に伴うスイッチにより
状態2となる。その結果、FLC素子3の遅相軸108 と
位相補償媒体100 の遅相軸118 とから合成される新たな
遅相軸は、Y軸に対して45度の傾きとなる。従って、こ
の合成された遅相軸により偏光面は90度の回転を受け、
偏光面はZ軸に平行になり、光軸シフトのための複屈折
媒体4に偏光面がβに傾斜した異常光軸10に見かけ上垂
直に入射するため、光軸はシフトしない。
して、図61(A)に光軸の関係を示す。この図では、P
1はY軸に平行な偏光面の方向或いは偏光板の偏光軸を
示す。P2はX軸に平行な軸であり、光軸シフトのため
の複屈折媒体における偏光面がβに傾斜した異常光軸10
と直交している。またLC1及びLC2はFLC素子3
の各スイッチ状態の遅相軸108 、PCは位相補償媒体10
0 の遅相軸118 を示す。
イッチ状態の遅相軸LC1、LC2が入射偏光面P1の
軸に対して線対称の位置となるように配置する。そし
て、一つのスイッチ状態、例えばLC1に対して、位相
補償媒体の遅相軸PCをほぼ直交するように配置するこ
とにより、偏光面P1はFLC素子のLC1の影響でL
C1の軸側に回転するが、LC1とほぼ同じ位相差を有
するPCによりキャンセルされ、また元の偏光面P1に
戻される。FLC素子を電界印加によりスイッチし、遅
相軸をLC2とすることにより、偏光面P1はLC2の
軸側に回転し、さらに、位相補償媒体の遅相軸PCの影
響を受け、偏光面は更に遅相軸PCの軸側に回転し、そ
の結果、FLC素子と位相補償媒体のトータルで偏光面
P1は偏光面P2まで回転される。即ち、LC2とPC
の合成された遅相軸(LC2+PC)はP1と丁度π/
4の角度になる。
いるFLC素子3と同一の素子を用いると、さらに温度
変化等に伴うコーン角の変動を吸収できる。この原理図
を図61(B)に示す。即ち、図61(A)に示した位相補
償フィルムの代わりに、第2のFLC素子を用いる方法
である。この位相補償用の第2のFLCの遅相軸をPC
LC1、PCLC2とする。
態、あるいは電圧印加でPCLC1にし、第1のFLC
素子3を電界印加によりLC1とLC2にスイッチす
る。これにより、図61(A)の位相補償フィルムを用い
た場合と同じ効果が得られる。更に、複屈折率の波長依
存性が第1FLCと第2FLCで同じものが使用できる
ため、位相補償の効果が優れることが判る。
4、図5に示したように見かけのコーン角が変化する。
図61(A)の構成では、このコーン角の変化により、ウ
ォブリング時の奇数フィールド、偶数フィールド間での
光の漏れ、即ちクロストークが生じる。しかし、図61
(B)では、第2FLC素子の遅相軸の配置も同一の温
度変化をするため、LC1とPCLC1のなす角度は常
にπ/2となり、位相差がキャンセルされる。一方、L
C2とPCLC1から合成される遅相軸(LC2+PC
LC1)は常にP1、P2に対してπ/4の角度をな
し、位相差の温度依存性は若干残るものの、クロストー
クは低減される。
14液晶/SiO斜方蒸着反平行セルを用いた。セルギ
ャップは 2.1μmであり、 632.8nmでの位相差は263.69
nmである。クロストーク量を評価するための光学系は図
8に示したものと同じである。
して、電界印加によりスイッチした場合のスペクトルを
図63に示す。これによれば、LC1状態では、偏光子か
らの偏光は偏光面の回転を受けずに、検光子を透過す
る。一方、LC2状態では、偏光子からの偏光はその偏
光面を回転し、その回転に応じて検光子で吸収され、透
過光量が変化する。ここでは、約550nm の波長成分がち
ょうど90度の偏光面の回転を受けていることになる。
示したように位相補償フィルム100を配置した。測定系
の光学系は図64に示す通りである。また、その光学系で
のスペクトルを図65に示す。これによれば、LC1のス
イッチ状態では、PCにより位相差がキャンセルされる
ために偏光面は回転を受けず、このため、図65に示すよ
うに 450から700nm までほぼ全域に亘り、検光子を透過
する。一方、LC2では偏光面は90度回転し、偏光面は
検光子と直交するため吸収され、 450から700nm までほ
ぼ全域に亘り、透過率がほぼゼロになる。
子を用いて高解像度化の検討を行った。
表9に示す。これによれば、高解像度化の効果は、目視
により確認されるが、最大 390本程度の高解像度化であ
り、ギャップの変動による画面の色付きがある。
を有する位相補償フィルム100 、ここでは、ポリカーボ
ネートフィルム(例えば日東電工(株)製)を選択し
た。例えば、ギャップ 2.1μmの素子では 260nmの位相
補償フィルムを用いた。
は減少し、高解像度化を与えるギャップ範囲も拡大し、
更に第1フィールドと第2フィールドでの光軸シフトに
伴うクロストークが減少し、各フィールドのコントラス
トが向上したため、位相補償なしのときよりも高解像度
化でき、 450〜480 TV本までの高解像度化が確認でき
た。
相補償を行うことにより、 632.8nmの光源を用いて測定
したFLC素子の位相差が 160〜380nm のものを用いれ
ば、色付きなしに高解像度化を達成できることを示して
いる。即ち、FLC素子と組み合わせるべき位相補償フ
ィルムとして、 160〜380nm の範囲で同等の位相差のも
のを選択すればよいことが判る。
時のフィールド間のクロストークが少なくなり、フィー
ルド間のコントラスト比が高まるため、さらに高解像度
化したことがわかる。
ように、スイッチ状態LC1の時、PCによってキャン
セルされるので、その複屈折の大きさは小さく、遅相軸
の向きはあまり影響しない。しかし、スイッチ状態LC
2の時、PCとの合成によりLC2+PCの位置(P
1、P2に対して45度)に遅相軸を有することになる
が、配向処理方向の偏差、さらには温度変化などによる
コーン角の変化に伴い、合成された遅相軸LC2+PC
は45度からずれてくる。このずれの影響は複屈折率が無
視できないほど大きなものであるので、上述したと同様
の検討を行った。
において液晶の2つのスイッチ状態における位相補償後
の各スイッチ状態のうち、絶対値の大きな複屈折の遅相
軸とP1又はP2間での2等分線が、表示素子からの光
の偏光面(P1)又はそれに直交する線(P2)とのな
す角をδ1とすると、θ=36〜54度の範囲でδ軸の位置
を検討した結果、δ1=22.5±10度の範囲で色付きがな
く、フィールド間のクロストークが少なくなり、フィー
ルド間のコントラスト比が高まるため、さらに高解像度
化した。
ーボネート以外にも、下記に示す芳香族ポリエステル系
等の無色透明の高分子フィルムを用いることができる。
チレン樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、AS
樹脂(アクリルニトリル−スチレン共重合体);メタク
リル系樹脂;酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合体;セルロース系プラスチックス、特に酢酸セルロ
ース(Cell−OCOCH3) 、酢酸プロピオン酸セルロース
(Cell−OCOCH3,−OCOC2H5)、酢酸・酪酸セルロース
(Cell−OCOCH3,−OCOC3H7);ナイロンに代表されるポ
リアミド樹脂;ポリカーボネート;変性ポリフェニレン
エーテル;熱可塑性ポリエステル樹脂(PET:ポリエ
チレンテレフタレート、PBT:ポリブチレンテレフタ
レート、PCT:ポリシクロヘキサンテレフタレート、
PBN:ポリブチレンナフタレート);ポリフェニレン
スルフィド(ポリチオエーテルスルフォン、ポリチオエ
ーテルケトン、ポリスルフィドスルフォン、ポリスルフ
ィドスルフォンケトン);ポリスルフォン;非晶ポリア
リレート;ポリエーテルスルフォン;ポリエーテルイミ
ド;ポリエーテルケトン;ポリアミドイミド;ポリイミ
ド;更には、主鎖型高分子液晶のうちπ電子系を含む芳
香族ポリエステル系等;側鎖型高分子液晶、例えばアク
リレート系の側鎖に液晶を導入したもの。
ェニル基、即ちπ電子系の構造を含むことであり、これ
により、常光、異常光の屈折率の波長依存性がFLC素
子と同様になるため、広い波長範囲での位相補償には好
ましいことがわかる。即ち、π電子系を含む高分子材料
を用いることにより、ウォブリング時のフィールド間の
使用波長範囲での積分量としてのクロストークを、位相
補償のないウォブリング素子よりも向上させることがで
きる。
ルム形成過程(溶融状態からの押し出し、あるいは溶液
状態からの紡糸浴への押し出し)での延伸操作(インフ
レーション法、ロール延伸等)、あるいはフィルム形成
後の延伸操作(ロール延伸等)により、積極的に分子配
向を促す方法により決定される。即ち、分子鎖に平行方
向に電子が動きやすい時(ポリカーボネート、芳香族ポ
リエステルなど)は、分子配向軸がほぼ遅相軸となる。
一方、分子鎖に垂直方向に電子が動きやすい時(ポリス
チレンなど)は、分子配向軸にほぼ垂直な方向が遅相軸
となる。
AC(トリアセチルセルロース)が貼り付けられている
が、この場合は、むしろ位相差がないためクロストーク
の改善はない。ウォブリングに適用する場合は、偏光板
にさらに上記の特性を満足する位相補償板を付加しなけ
ればならない。
補償フィルム100 を表示素子2とFLC素子3との間に
入れ換えても、上記と同等の効果が得られた。或いは、
後述するように、位相補償フィルム100 をFLC素子3
と複屈折媒体4との間、及び表示素子2とFLC素子3
との間の双方に配置することもできる。この場合は、更
に、位相調整に変化性を与えることができるものと考え
られる。
3と位相補償FLC素子110 とを組み合わせた実施例を
図66に示す。
子110 はスイッチ用のFLC素子3と同じ仕様の素子を
用いた。また、光軸の配置は図61(B)に示した配置と
した。このとき、位相補償FLC素子110 の状態1を維
持するためには、FLCのメモリー状態、或いは電圧印
加状態を用いることができる。
角の温度依存性を考慮すれば、0℃〜45℃までのコーン
角のなだらかな変化、45℃以上での急激な変化がみられ
る。そこで、後述の図79に示すプロジェクター方式で確
認したところ、FLC素子の環境温度は初期に約23℃、
3分後に約45℃に達した。更に、外気温を30℃で検討し
たところ、FLC環境温度は50℃に達した。
ルムを用いた場合では、FLC素子の環境温度が45℃ま
では解像度として、元の液晶表示素子の 240TV本から
450〜480 TV本までの高解像度化が確認できた。しか
し、FLC素子環境温度が50℃では、 370〜380 TV本
前後の高解像度化となった。
チ素子と同じ仕様のFLC素子110とを組み合わせた場
合は、FLC素子の環境温度が45℃までは解像度とし
て、元の液晶表示素子の 240TV本から 450〜480 TV
本までの高解像度化が確認できた。更に、FLC素子環
境温度が50℃では、 400〜430 TV本程度の高解像度化
を達成した。即ち、温度変化に伴う解像度の低下を抑制
できることが確認された。
2とスイッチ用FLC素子3との間に入れ換えても、上
記と同等の効果が得られた。
110 をFLC素子3の前位或いは後位に配置した場合を
示したが、例えば、位相補償フィルムをFLC素子3の
前後に同時に配置する場合について述べる。
前後に配置した各ポリカーボネートフィルムの光軸を維
持して、これらのフィルムの位相差の和がFLC素子の
位相差とほぼ同じにした。ここでは、ギャップ 2.1μm
のFLC素子を用いて更に、位相差 100nmと 160nmのポ
リカーボネートフィルムを用いた。
同様の 450〜480 TV本までの高解像度化が確認でき
た。
Twisted Nematic)液晶表示素子で用いられている位相補
償方式も適用できる。これは、「液晶ディスプレイ製造
技術ハンドブック」(嶋田隆司 監修、(株)サイエン
スフォーラム 発行)のP.36−37に記載されているよ
うに、ガラス基板に挟まれたSTN液晶パネルに位相補
償板を重ね、さらにそれらを両側から偏光板でサンドイ
ッチすることにより、STN方式の欠点である画面の色
付きを解消したものである。この位相補償板は、光軸の
方向を変えたものを何枚か重ねた方が、より正確になる
ため、多数枚使用することもある。
の「液晶ディスプレイ製造技術ハンドブック」(嶋田隆
司 監修、(株)サイエンスフォーラム 発行)のP.1
84−185 に記載されているように、位相差フィルムの持
つ複屈折(Δn)は、一般的には下式のように波長λに
依存する。 Δn(λ)=A+B/(λ2 −λO 2) (A、Bは定数、λO は吸収端)
異なるため、異種の材料(例えばポリカーボネートとポ
リプロピレン、あるいはポリカーボネートとポリビニル
アルコール等)の組み合わせ、遅相軸の貼り合わせ角度
の調整により、多数枚貼り合わせた位相補償フィルムの
波長分散特性をコントロールすることが可能である。こ
れが、従来のSTNに用いられてきた位相補償技術であ
る。
グ素子における位相補償媒体に適用することによって、
位相補償フィルムの複屈折の波長分散特性をウォブリン
グ素子に用いた液晶材料の複屈折の波長分散特性に合わ
せることが可能であり、これにより、ウォブリング素子
のクロストークを低減することができる。
場合について述べたが、本発明は無偏光の表示素子の場
合にも適用可能である。
スプレイ等の場合(即ち、表示画素からの光の偏光度が
小さい場合)、偏光にするために表示素子と上記の絵素
ずらし素子を結ぶ光路中に偏光板を挿入すればよい。光
学的配置条件は液晶表示素子の場合と同様である。
晶光学装置を更に具体的に説明する。
に示す駆動波形を適用した。また、ウォブリング用セル
においては、配向膜として日本合成ゴム社製のポリイミ
ド配向膜JALS−1524を用いた。
ミド溶液をスピンキャスト法或いはグラビア印刷法によ
り塗布し、焼成後、80nmの厚さの配向膜を得た。ラビン
グ方向は以下に示すように、位相補償しない場合とは異
なる。
向膜側であるが、矢印で示す配向処理方向は、画面に対
して図68のように水平或いは垂直方向に画素ずらしを行
う場合、画素ずらし方向に平行或いは垂直方向である。
また、斜めずらしの場合、画面の対角方向に対して平行
が好ましい。
処理方向が平行或いは反平行となるように配置し、スペ
ーサーを分散させたシール材を用いてギャップ約2μm
とした。図68(A)には上下の基板を接合してセルを組
み立てるときの状態を示し、図68(B)は上下基板での
配向処理方向と画素ずらし方向との関係を示す。ここで
はセル組後における配向方向を平行としたが、反平行で
もよい。
画素ずらし方向が垂直の場合で検討を進めた。このセル
の上面に、強誘電性液晶ダイレクタのスイッチ状態に垂
直となるように、日東電工(株)製の位相補償フィルム
(632.5nmの波長での位相差が260nm)の異常光軸を合わ
せ、粘着材により貼り付けた。
晶表示素子2と組み合わせ、高解像度化の確認を行っ
た。なお、斜めずらしの場合の例も同図に示した。
す。この駆動波形は強誘電性液晶素子でメモリー時に、
ツイストとする場合に有効である。特に、FLCのメモ
リー特性が弱い場合、或いはメモリー時に液晶配向のツ
イストにより十分な偏光面の回転効果を得られない場合
に有効である。
正のパルス印加と、これに後続する少なくとも2つの負
のパルス印加とを繰り返し、これらのパルス印加におけ
る同極性のパルスのうち、第1のパルスの絶対値を第2
のパルスの絶対値よりも大きくしているので、第1のパ
ルスで高速化が図れ、第2のパルスで見かけのコーン角
を調整できるため、従来よりも全体として低電圧で駆動
でき、電気化学的な安定性を改善でき、経時劣化を防ぐ
ことが可能となる。また、第2のパルスで見かけのコー
ン角を45度±5度に調整できるため、ウォブリング効果
の低下を抑制できる。
ドライブ条件、光学的配置、画素ずらし量を考慮して高
解像度化の検討を行ったところ、 0.7インチ、10.3万画
素のアクティブマトリックスTN液晶ディスプレイにお
いてパネル全面に亘って 240TV本から 450TV本以上
へと高解像度化し、更に非表示部位であるブラックマト
リックスが目立たなくなり、高解像度でかつ滑らかな画
面を実現できた。
の配置及び位相補償フィルム100 の貼り付け位置の各種
の例を示す。
ム100 の貼り付け位置が強誘電性液晶素子3と水晶板4
との間の場合を示し、図72は、同貼り付け位置が強誘電
性液晶素子3と表示素子2との間の場合を示す。このよ
うに、位相補償フィルム100の貼り付け位置は、スメク
チック液晶の電気光学素子(例えばFLC素子3)の前
位或いは後位のどちらに貼り付けても有効である。
いては、一般に、スメクチック液晶の電気光学素子で
は、位相補償フィルムの貼り付け時に配向の乱れが生じ
やすいために、FLC素子側に貼る代わりに、図73及び
図74のように水晶板4等の複屈折媒体や表示素子2に直
接貼り付けてもよい。この場合、液晶配向の乱れを生ず
ることなく、性能及び歩留りを向上させることができ
る。また、TN液晶表示素子の偏光板の上面に貼り付け
ることも可能である。
せるために、図75のように、複屈折媒体(水晶板4)と
電気光学素子3との間を、複屈折媒体4とガラス基板の
屈折率に近い屈折率を有する光学用接着剤121 で貼り付
けることができる。この構造により、空気/水晶板界面
での反射が低減し、透過率が向上した。
ラルスメクチック液晶素子3は透明ガラス基板を用いて
作製したが、更にコスト、容積、重量を低減させるた
め、図76のように、この透明基板を水晶板4に置き換
え、透明電極、配向膜を付けて、カイラルスメクチック
液晶素子3との一体化も可能であり、同時に、屈折率の
整合により反射を抑制し、光の透過率をも向上できる。
に置き換えると共に、位相補償媒体100 をTN液晶表示
素子2側の偏光板に貼り付けた例を示す。
視型、図78〜図82の如き投射型等、様式を問わず使用で
きる。ここで、図78〜図82はそれぞれ、記述した図45〜
図47に対応するものであって、所定箇所に位相補償媒体
100 を設けている点が異なっているが、動作原理は基本
的には同様である。
適用できる。ここで用いたFLC素子は、電極を分割し
ていないもので行った。これは、撮像が同時刻の撮像で
あるために時間的なシフトを行わなくても良いことによ
る。また、ここでは位相補償媒体としてポリカーボネー
トフィルムを用いると、広範囲な波長域での光軸シフト
が確実に行えるために、高解像度化の効果が向上した。
れ示す。いずれの場合も、有効な画素ずらしによる高解
像度化が得られた。また、ソニー社製ハンディカム T
R1への実装例も図87に示した。これらの各図は、記述
した図53〜図59にそれぞれ対応するものであって、所定
箇所に位相補償媒体100 を設けている点が異なっている
が、動作原理は基本的には同様である。
いたローパスフィルタの複屈折率異方性Δn=ne −n
o =0.0091を用い、CCD撮像素子のモアレ縞や色偽信
号等を除去している。しかし、ローパスフィルタに入射
される光が直線偏光の場合、ローパスフィルタの効果が
低減する。
折媒体4とローパスフィルタとの間に1/4波長板130
を配置する。これは、1/4波長板は複屈折媒体からの
各偏光に対し、遅相軸をほぼ45度の角度に配置すると、
直線偏光が円偏光になるため、ローパスフィルタの効果
が十分に機能するためである。
の複屈折媒体4を出たY軸に平行な偏光12は、1/4波
長板130 を通過する際に遅相軸の方向へ回転する左円偏
光となって水晶ローパスフィルタに入射する。一方、図
89(B)の場合、光軸シフト用の複屈折媒体を出たX軸
に平行な偏光12は、1/4波長板130 を通過する際に遅
相軸の方向へ回転する右円偏光となって水晶ローパスフ
ィルタに入射する。これにより、水晶ローパスフィルタ
では偏光の影響を受けないため、光学的ローパスフィル
タ効果が有効に行え、その結果、高解像度でかつモアレ
縞や色偽信号等を低減した画像を撮像することができ
た。
の実施例は本発明の技術的思想に基いて更に変形が可能
である。
成部分の構造、材質や形状、組み立て方法等は種々変更
してよい。基板もガラス板ではなく、他の光学的に透明
な材質であればよい。液晶についても、種々のものが採
用可能である。
装置、撮像装置の如き光学システムと共に、同システム
に組み込み可能なウォブリング素子も包含することは勿
論である。
晶(FLC)と反強誘電性液晶(AFLC)と電傾効果
を示すスメクチック液晶(SmA)とから選ばれた少な
くとも1種の液晶が基体間の間隙内に注入されている位
相変調光学素子と;光学的に透明な複屈折媒体と;の組
み合わせからなる光学装置としているので、上記の位相
変調光学素子により光の位相を変化させて偏光面をずら
し、更に上記の複屈折媒体によって入射光を選択的に屈
折させるので、離散的画素に対して効果的にウォブリン
グを行え、解像度を向上させ、かつ、画質も良好にする
ことができる。
強誘電性液晶等の液晶はいずれも、電界の作用に対して
液晶ダイレクタの方向が変化し易く、応答速度が非常に
早いので、ビデオレートでの駆動が十分可能となる。し
かも、広い波長範囲で偏光面を約90度回転させて光軸を
シフトさせるための位相調整媒体が、位相変調光学素子
の後位及び/又は前位に更に配置されているので、高解
像度化において偏光面を約90度回転させる光の波長範囲
を広げることができ、高コントラスト化、高解像度化の
向上、更に色ムラの抑制を達成でき、ウォブリング時の
フィールド間における使用波長範囲での積分量としての
クロストークを位相調整の行われないウォブリング素子
よりも減少させることができる。また、ウォブリング効
果が得られる波長範囲を可視光領域全域に拡大できるた
めに、特に赤(R)、緑(G)、青(B)の3板から構
成される表示素子、或いは撮像素子の高解像度化を1枚
のウォブリング素子で行うことができ、コストの低減を
はかることができる。
略図である。
コーン角の説明図である。
ラフである。
るための図2と同様の概略図である。
でのクロストークを説明する図である。
図である。
る。
ある。
る。
の概略図である。
の概略図である。
クトル図である。
図である。
示素子を用いた場合の概略図である。
示素子を用いた場合の概略図である。
略図である。
液晶セルの断面図である。
を示すグラフである。
ある。
ある。
である。
図である。
平面図及び斜視図である。
場合で示す概略図である。
状態の説明図である。
の説明図である。
図である。
ある。
ック図である。
る。
である。
る。
の概略図である。
るための図49と同様の概略図である。
49と同様の概略図である。
の概略図である。
である。
る原理図である。
各スイッチ状態での概略図である。
相調整)フィルムの各状態での光軸の関係を示す説明図
である。
置を示す説明図である。
ル図である。
を示す説明図である。
ル図である。
各スイッチ状態での概略図である。
の各概略平面図である。
説明する各概略平面図である。
を示す概略図である。
る。
ある。
る。
概略図である。
例の概略図である。
Claims (37)
- 【請求項1】 光学的に透明な電極と配向膜とをこの順
に設けた光学的に透明な基体の複数個が前記電極及び前
記配向膜の側で互いに所定の間隙を隔てて対向配置さ
れ、強誘電性液晶と反強誘電性液晶と電傾効果を示すス
メクチック液晶とから選ばれた少なくとも1種の液晶が
前記間隙内に注入されている位相変調光学素子と;前記
位相変調光学素子を透過する偏光を受け入れる位置に配
置され、光の偏光方向に応じて前記光の光軸を選択的に
シフトさせる光学的に透明な複屈折媒体と;前記位相変
調光学素子の後位及び/又は前位に配置され、広い波長
範囲で偏光面を約90度回転させて光軸をシフトさせるた
めの位相調整媒体と;の組み合わせからなり、前記位相
変調光学素子と前記複屈折媒体と前記位相調整媒体と
が、観察位置と高解像度化されるべき表示素子との間、
又は被写体と撮像素子との間の光路中に配置されてウォ
ブリング素子を構成し、前記表示素子又は前記撮像素子
が一次元又は二次元にウォブリングされるように構成し
た光学装置。 - 【請求項2】 複屈折媒体が、入射光の偏光方向により
光軸のずれを与える透明基板からなっていてウォブリン
グ方向に等価的に一軸性の異常光軸の成分を有するよう
に配置されるか、或いは光が透過する基板対向面が平行
でなく、見掛けの異常光軸が両対向面に垂直な平面に平
行又は垂直である、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項3】 ウォブリング素子がビデオレートで駆動
される、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項4】 位相調整媒体が、π電子系を含む液晶材
料からなる素子と、少なくとも透明電極に液晶が挟まれ
たアクティブ液晶素子と、π電子系を含む高分子フィル
ムとのうちのいずれかによって構成され、ウォブリング
時のフィールド間における使用波長範囲での積分量とし
てのクロストークを位相調整の行われないウォブリング
素子よりも減少させるものである、請求項1に記載した
光学装置。 - 【請求項5】 液晶の2つのスイッチ状態における位相
補償後の各スイッチ状態のうち、絶対値の大きな複屈折
の遅相軸と、表示素子からの光の偏光面(P1)又はそ
れに直交する偏光面(P2)との間の2等分線が、前記
偏光面(P1)又は(P2)となす角δが22.5±10度で
ある、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項6】 位相調整媒体が、光学的に透明で一様に
配向したスメクチック液晶(カイラル液晶を含む。)素
子と、ネマチック液晶素子と、主鎖型高分子液晶と、側
鎖型高分子液晶と、芳香族ポリエステル系フィルムと、
ポリカーボネートフィルムと、ポリスチレン又はスチレ
ン系樹脂フィルムと、メタクリル系樹脂フィルムと、ビ
ニル系樹脂フィルムと、セルロース系フィルムと、ポリ
アミド系樹脂フィルムと、ポリフェニレン系フィルム
と、ポリフェニレンスルフィド系フィルムと、ポリスル
フォン系フィルムと、非晶ポリアレートフィルムと、ポ
リエーテルスルフォン系フィルムと、ポリエーテルイミ
ド系フィルムと、ポリエーテルケトン系フィルムと、ポ
リアミドイミド系フィルムと、ポリイミド系フィルムと
のうちのいずれかによって構成されている、請求項4に
記載した光学装置。 - 【請求項7】 表示素子用のウォブリング素子を構成す
る位相調整用のフィルムが、カイラルスメクチック液晶
からなる位相変調光学素子に直接貼り付けられていな
い、請求項6に記載した光学装置。 - 【請求項8】 撮像素子用のウォブリング素子を構成す
る位相調整用のフィルム及び偏光板がカイラルスメクチ
ック液晶からなる位相変調光学素子に直接貼り付けられ
ていない、請求項6に記載した光学装置。 - 【請求項9】 広い波長範囲で偏光面を約90度回転さ
せ、ウォブリングのクロストークを最小にするように、
カイラルスメクチック液晶からなる位相変調光学素子の
位相差と位相調整媒体の位相差、更には入射偏光の軸、
前記位相変調光学素子の遅相軸、前記位相調整媒体の遅
相軸、光軸ずらしのための複屈折媒体の異常光軸の方向
をそれぞれ調節した、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項10】 カイラルスメクチック液晶からなる位
相変調光学素子の配向処理方向が画素ずらし方向に平行
或いは垂直である、請求項9に記載した光学装置。 - 【請求項11】 配向処理が、ラビング又は真空蒸着に
よって行われている、請求項10に記載した光学装置。 - 【請求項12】 カイラルスメクチック液晶からなる位
相変調光学素子の632.8nmでの位相差が160nm〜380nmで
ある、請求項9に記載した光学装置。 - 【請求項13】 位相調整媒体が160nm〜380nmのレタデ
ーションを示し、カイラルスメクチック液晶からなる位
相変調光学素子の632.8nmでの位相差と同じ位相差を有
する、請求項12に記載した光学装置。 - 【請求項14】 位相変調光学素子の液晶ダイレクタの
2つのスイッチング状態のうちのどちらかの状態の遅相
軸に対して、位相調整媒体の遅相軸をほぼ直交させた、
請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項15】 高解像度化されるべき表示素子又は撮
像素子が離散的画素から構成される液晶表示素子、自発
光型表示素子又は電荷結合素子である、請求項1に記載
した光学装置。 - 【請求項16】 高解像度化されるべき表示素子又は被
写体からの光が偏光していない場合、ウォブリング素子
と前記表示素子又は前記被写体との間の光路中に、偏光
を与える素子が配置される、請求項1に記載した光学装
置。 - 【請求項17】 使用される液晶が、ブックシェルフ、
疑似ブックシェルフ又はシェブロン構造の液晶層構造の
カイラルスメクチック液晶である、請求項1に記載した
光学装置。 - 【請求項18】 カイラルスメクチック液晶のプレチル
ト角は0〜45度である、請求項17に記載した光学装
置。 - 【請求項19】 使用される液晶の見掛けのコーン角θ
は26〜64度である、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項20】 位相変調光学素子に使用される液晶の
2つのスイッチ状態における各ダイレクタ間の2等分線
が、表示素子からの光の偏光面(P1)又はそれに直交
する偏光面(P2)となす角δは、位相調整(又は補
償)を行わない場合にはδ=22.5±10度であり;また
は、位相調整(又は補償)を行った位相変調光学素子に
おいて液晶の2つのスイッチ状態における位相補償後の
各スイッチ状態のうち、絶対値の大きな複屈折の遅相軸
と、前記偏光面(P1)又は(P2)との間の2等分線
が、前記偏光面(P1)又は(P2)となす角δ1は、
δ1=22.5±10度である、請求項1に記載した光学装
置。 - 【請求項21】 高解像度化されるべき表示素子として
の液晶ディスプレイ又は撮像素子が、赤、緑及び青のト
リオ画像を1絵素とする単板である場合、632.8nmの光
源を用いて測定した位相差が130nm〜370nmの範囲にあ
る、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項22】 高解像度化されるべき表示素子として
の液晶ディスプレイ又は撮像素子が3板の場合、組み合
わせる各フィルタの透過率特性の波長範囲の上限をλ
Maxとし、下限をλMinとすると、許容できる位相差はλ
Max/2〜λMin/2の範囲にあり、光源として赤、緑、
青の蛍光体の発光を用いる場合には、それぞれの有効位
相差範囲は中心波長をλCとしたときに(λC−100)
/2〜(λC+100)/2の範囲にある(但し、上記の
各位相差の単位はnmである。)、請求項1に記載した光
学装置。 - 【請求項23】 撮像波長が赤外光を含む(波長700〜1
200nm)場合、632.8nmの光源を用いて測定した位相差が
350nm〜600nmの範囲である、請求項1に記載した光学装
置。 - 【請求項24】 位相変調光学素子が、双極性の印加電
圧を用いて駆動される、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項25】 ウォブリング時に、駆動電圧の立ち上
がりと立ち下がりの各応答時間がフィールド時間の1/
3以下であり、かつ、立ち上がり時間と立ち下がり時間
との比が互いに2倍を超えないようにした、請求項1に
記載した光学装置。 - 【請求項26】 ウォブリング方向の長さ成分に対し
て、絵素口径(モノクロ画面或いは3板の時は画素アパ
ーチャ、単板では赤、緑、青の画素トリオを1つとす
る。)をLA、絵素ピッチをLPとするとき、絵素ずらし
量Lは、 Min(LP−LA、LA/2) ≦ L ≦ Max(LA、LP−LA/2) (但し、Min(x、y)、Max(x、y)はそれぞ
れ、x、yの内の小さい値、大きい値を与える関数とす
る。)とする、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項27】 水平走査線数Nの表示素子と、この表
示素子の画面垂直方向にN分割〜1分割した駆動電極を
有する位相変調光学素子とが組み合わされている、請求
項1に記載した光学装置。 - 【請求項28】 分割電極間の距離が液晶セルギャップ
よりも長い、請求項27に記載した光学装置。 - 【請求項29】 検出したビデオ垂直同期信号を基準と
し、表示素子の駆動と位相変調光学素子の駆動とを同期
させ、1フィールドの時間を必要電極数分割し、位相変
調光学素子の各チャンネルでシーケンシャルにフィール
ド内での時間遅れを与え、駆動するようにした、請求項
27に記載した光学装置。 - 【請求項30】 同期信号を基準とし、撮像素子の駆動
と位相変調光学素子の駆動とを同期させ、各フィールド
内で撮像し、データを転送して1フレームを形成するよ
うにした、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項31】 光軸をずらすための複屈折媒体と位相
変調光学素子とが光学用接着剤で貼り合わせられてい
る、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項32】 複屈折媒体としての水晶板に透明電極
及び配向膜を設け、液晶素子と一体化した、請求項1に
記載した光学装置。 - 【請求項33】 直視型、反射型又は投射型ディスプレ
イ装置として構成される、請求項1に記載した光学装
置。 - 【請求項34】 可視光の波長範囲で使用される、請求
項1に記載した光学装置。 - 【請求項35】 ウォブリング素子を固体撮像素子と組
み合わせ、可視光或いは赤外光撮像装置として構成され
る、請求項1に記載した光学装置。 - 【請求項36】 ウォブリング素子と光学ローパスフィ
ルタと固体撮像素子とが組み合わされる、請求項35に
記載した光学装置。 - 【請求項37】 ウォブリング素子と光学ローパスフィ
ルタとの間の光路中に、4分の1波長板が配置される、
請求項36に記載した光学装置。
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