JP3189456B2 - Soi半導体装置 - Google Patents

Soi半導体装置

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JP3189456B2
JP3189456B2 JP01313093A JP1313093A JP3189456B2 JP 3189456 B2 JP3189456 B2 JP 3189456B2 JP 01313093 A JP01313093 A JP 01313093A JP 1313093 A JP1313093 A JP 1313093A JP 3189456 B2 JP3189456 B2 JP 3189456B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁層となる誘電体を
介して半導体層が分離されたSOI(シリコン・オン・
インシュレータ)構造の半導体装置に関し、特に、誘電
体分離基板を用いた際の素子形成領域間の素子分離構造
を含めたSOI半導体装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MOS・IC等において、接合部などの
静電容量を大幅に削減してスイッチング特性を向上さ
せ、また、3次元IC等を形成するうえにおいて、SO
S(シリコン・オン・サファイア)あるいはSOI(シ
リコン・オン・インシュレータ)といった分離法で構成
された半導体装置が開発されている。さらに、このよう
な構造の集積回路装置においては、集積度を高めなが
ら、構成する回路部分の相互間の動作の干渉を防止する
ことを目的に、半導体層内部を互いに電気的に独立した
半導体島領域に分離することが一般的である。すなわ
ち、それぞれの半導体島領域を素子形成領域として、こ
こにトランジスタやダイオードなどの回路要素、さらに
は回路部分を振り分けた構造とし、これらの回路部分を
配線膜によって相互に電気的接続している。
【0003】このような素子形成領域の素子分離にあた
っては、従来、接合分離法が多用されていたが、この接
合分離法はpn接合の逆バイアス特性を利用したもので
あるため、素子形成領域間の絶縁分離が確実でない。ま
た、半導体領域相互間に不必要なトランジスタやダイオ
ードが寄生する構造であるため、集積回路の動作中にラ
ッチアップ現象などの予測されないトラブルや誤動作が
発生することがある。
【0004】そこで、半導体基板内部を誘電体によって
分離する誘電体分離法が広く採用されつつある。SOI
構造の半導体装置において、この誘電体分離法を採用す
る場合は、基板となる半導体層に、絶縁物となる誘電体
を設置し、分離された誘電体分離基板を用いる。この誘
電体分離基板は半導体層を多結晶シリコン層で構成する
場合もあるが、ここでは、2枚の半導体基板を張り合わ
せた張り合わせ基板を用いて誘電体分離基板を製造する
場合について説明する。
【0005】まず、図23(a)に示すように、半導体
支持基板51の上に絶縁膜52を介して形成された半導
体層53(半導体基板)の表面にエッチングマスク層5
4を形成し、それにフッ素系混合ガスを用いてドライエ
ッチングを施し、分離溝形成予定領域を窓開けする。
【0006】つぎに、図23(b)に示すように、エッ
チングマスク層54の窓開け部から、フッ素系混合ガス
を用いて異方性のプラズマエッチングを施して、絶縁膜
52にまで達する分離溝55を形成する。ここで、分離
溝55の幅は2〜8μm、その深さは10〜40μmで
ある。
【0007】つぎに、エッチングマスク層54を除去し
た後、図23(c)に示すように、半導体層53の表面
側を、約1150℃の水蒸気雰囲気中で約100分間、
熱酸化して、分離溝55の側壁に厚さが約1μmの側壁
絶縁膜56を形成する。このとき、分離溝55の外部の
半導体層53の表面側にも絶縁膜56aが形成される。
【0008】つぎに、図23(d)に示すように、熱C
VD法により、半導体層53の表面側に多結晶半導体層
57(充填層)を堆積して分離溝55の内部を埋め込
む。このとき、分離溝55の外部の半導体層53の表面
側にも多結晶半導体層5aが堆積する。
【0009】つぎに、図24(a)に示すように、半導
体層53の表面側にエッチバックまたは研磨を施して、
分離溝55の外部の多結晶半導体層5aを除去する。
【0010】しかる後に、図24(b)に示すように、
希フッ酸を用いて分離溝55の外部の絶縁膜56aを除
去すると、半導体層53に、側壁絶縁膜56および多結
晶半導体層57を備える分離溝55と、絶縁膜52とに
よって素子分離された半導体島領域を備える誘電体分離
基板50が形成される。
【0011】そして、図24(c)に示すように、半導
体層53に形成された半導体島領域としての素子形成領
域50a,50b,50c,50dに第1のダイオード
59a,npnトランジスタ59b,MOSFET59
cおよび第2のダイオード59dをそれぞれ形成して集
積回路を構成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような誘電体分離
基板を用いたSOI半導体装置において、素子形成領域
に構成される回路の信頼性を向上するため、また、耐圧
を向上するためには、半導体支持基板、および充填層の
電位をいかに設定するかが問題となる。
【0013】例えば、従来の誘電体分離基板50を用い
て集積回路を構成した場合には、素子形成領域50a〜
50dを囲む分離溝55において、その内部の多結晶半
導体層57の電位の変動が、側壁絶縁膜56を介して素
子形成領域50a〜50dの電位分布に影響を与える。
このため、素子形成領域50a〜50dに形成された
pnトランジスタ59bやMOSFET59cなどの半
導体素子の素子特性が変動するという問題が生ずる。
【0014】また、分離溝55の電位は、近接する素子
形成領域50a〜50dに形成された半導体素子の電位
の影響を受けて変動し、分離溝55を介して、隣接する
素子形成領域側の半導体素子に電位の影響を及ぼす。こ
れによって、半導体素子同士が互いに素子特性を変化さ
せてしまうという問題が生ずることもある。
【0015】そこで、従来、図25および図26に示す
ように、半導体支持基板の裏面に支持基板電位規定用電
極を設置して接地電位に固定し、半導体支持基板の電位
変動を抑制するようにしている。図25は、上述した張
り合わせ基板を用いた集積回路装置の例であり、半導体
支持基板51の裏面には裏面電極(支持基板電位規定用
電極)66が設置され、接地電位67が印加されてい
る。また、図26は、多結晶シリコン層で本体を構成し
た構造の集積回路装置を示す例であり、多結晶シリコン
からなる支持基板71の裏面には裏面電極76が設置さ
れ、接地電位67が印加されている。なお、72は絶縁
膜,73は半導体層,75は分離溝である。
【0016】しかしながら、図25および図26に示す
構成の集積回路装置においては、半導体層53,73を
素子形成領域に分離する絶縁膜52,72、および側壁
絶縁膜56の絶縁耐圧が膜厚1μmで600Vしか得ら
れないので、さらに絶縁耐圧を向上させるためには絶縁
膜の膜厚を1μm以上としなければならず、絶縁膜の成
長に要する時間を考えると現実的でない。また、絶縁膜
52,72と半導体層53,73との間に埋め込み拡散
層を形成することによっても素子間の分離耐圧は向上で
きるが、埋め込み拡散層の形成は高温,長時間の熱処理
を必要とするため、埋め込み拡散層が半導体層53,7
3に広がり、素子形成領域が狭くなってしまう。このよ
うに、従来の誘電体分離基板を用いた集積回路装置にお
いて、素子間の分離耐圧を向上させるには限界があっ
た。
【0017】一方、耐圧という面においては、SOI半
導体装置は、その長所である半導体層の厚みが薄いこと
により、高耐圧とすることが困難であるという問題があ
る。例えば、図27に示すように、素子形成領域50に
ダイオードが形成された装置について検討する。図27
に示す装置は、素子形成領域50のn型の半導体層53
に、絶縁膜56aの窓から高濃度の不純物を導入してn
型のカソード層62およびp型のアノード層6
3を形成し、それぞれの層にアルミニウム電極によりカ
ソード電極64並びにアノード電極65を接続してい
る。また、シリコン製の支持基板51のシリコン酸化膜
で形成された絶縁膜52と反対側の裏面には、裏面電極
66が設置され、接地電位67が印加されている。な
お、支持基板51の厚みは500μm、絶縁膜52の厚
みは1μmであり、半導体層53の厚みは30μmであ
る。
【0018】図28に、このようなダイオードにアノー
ド電極65を接地電位として、カソード電極64に正電
位を印加した際の、アノード層63とカソード層62に
挟まれた半導体層53(図27中、a−bで示す領域)
の等電位線の分布を示してある。電位は、201、20
2、203の順に高くなっており、カソード層62に正
電位を印加していくと、アノード層63、および絶縁膜
52と半導体層53との界面から半導体層53の内部に
それぞれ等電位線201a、201bがそれぞれ広が
る。さらに、カソード層62に高電位を印加すると、ア
ノード層63と絶縁膜52との間の領域で等電位線が接
続し、カソード層62と絶縁膜52との領域に等電位線
が密集する。さらに、カソード層62に高電位を印加す
ると、カソード層62と絶縁膜52との間の等電位線の
密度がさらに高くなり、アバランシェブレークダウンを
起こすこととなる。
【0019】このように、図27に示すSOI半導体装
置においては、カソード層62と絶縁膜52との間に挟
まれた半導体層53に殆どの等電位線が密集し、カソー
ド層62の近傍で電圧破壊が発生する。半導体層53を
厚くすれば耐圧を向上させることはできるが、SOIの
利点である接合容量を低く保持することができず、ま
た、製造時間、コストが増加してしまう。
【0020】また、素子形成領域に形成される半導体素
子の高耐圧化はSOI半導体装置の高集積化および低オ
ン抵抗化(高電流出力化)にも少なからず影響を与え
る。これは、高耐圧素子の要求耐圧を確保する上から、
ドリフト長を要求耐圧に応じて広く設定する必要があ
り、素子面積が拡大することに起因している。例えば、
図29に示すSOI半導体装置において、n型の半導体
層93の表面の一端には、n型のバッファ層97が形成
されており、このバッファ層97内にはさらにp型の
コレクタ層98が形成されている。コレクタ層98には
コレクタ電極89が導電接続され、コレクタ領域Cを構
成している。また、半導体層93表面の他端には、p型
のエミッタ層94およびこのエミッタ層94内に形成さ
れたp型のコンタクト層95と、コンタクト層95の
端部からエミッタ層94にかけて形成されたn型の
ソース層96を有している。そして、コンタクト層95
からソース層96の一部表面にはエミッタ電極87が導
電接続しており、エミッタ領域Eを構成している。ま
た、Gは本装置の動作を制御するゲート領域であり、ソ
ース層96,エミッタ層94および半導体層93に亘
り、ゲート酸化膜90を介して設置されたゲート電極8
8から構成されている。このように、本装置の半導体層
93内には、コレクタ領域C,エミッタ領域Eおよびゲ
ート領域Gによって横型IGBT(横型絶縁ゲート型バ
イポーラトランジスタ)が構築されている。かかる構成
の横型IGBTを高耐圧構造とするためには、コレクタ
領域Cとエミッタ領域Eとの離間距離であるドリフト長
Lを要求耐圧を満たす値以上に広く確保する必要があ
り、要求耐圧250Vを満足するために、ドリフト長L
は30μmに設定されている。また、高耐圧素子の耐圧
を確保するためには、半導体層93の厚さもドリフト長
L以上に厚くする必要があり、半導体層93の厚さも3
0μmに設定されている。また、支持基板91(厚さ5
00μm)の絶縁膜92(厚さ2μm)と反対側の裏面
には裏面電極99が設置され、接地電位67が印加され
ている。
【0021】このように、上記構成のSOI半導体装置
においては、要求耐圧を満足するために、広いドリフト
長Lと、ドリフト長L以上に厚い半導体層93が必要と
なる。半導体層93を厚くすることは、前述したよう
に、接合容量を低く保持することが困難となるなどの問
題があり、また、誘電体分離技術や埋め込み層を適用す
る上からも半導体層93の厚みは30μm程度が技術的
な限界である。また、広いドリフト長Lは素子分離領域
幅の増加を招いて素子の集積度を低下させると共に、オ
ン抵抗の上昇による電流出力の低下も招来することとな
る。
【0022】そこで、本発明においては、上記の問題点
に鑑みて、素子形成領域を取り囲む領域の電位を制御す
ることにより、耐圧が高く、信頼性も高いSOI半導体
装置を実現することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るSOI半導体装置において講じた第1
の手段は、半導体基板の表面側に第1の絶縁膜を介して
形成された半導体層と、この半導体層の表面側から第1
の絶縁膜を貫通して半導体基板に達するまで形成されて
半導体層に島状の素子形成領域を形成する分離溝と、こ
の分離溝の側壁に形成された第2の絶縁膜と、分離溝内
部に充填されて半導体基板に導電接続する充填層とを有
、半導体基板および前記充填層のうちの少なくとも一
方側には、それに所定の電位を印加すべき充填層電位規
定用電極が導電接続しており、素子形成領域には2以上
の拡散層が構成され、所定の電位は、拡散層に印加され
る2以上の電位の間の電位であり、分離溝は素子形成領
域毎に形成されて、隣接し合う各分離溝の間には、半導
体層の非素子形成領域たる周囲半導体領域が形成されて
おり、この周囲半導体領域には、この領域に所定の電位
を印加すべき周囲領域電位規定用電極が導電接続してい
ことを特徴とする。
【0024】本発明に係るSOI半導体装置において講
じた第2の手段は、半導体基板の表面側に第1の絶縁膜
を介して形成されたn型半導体層と、このn型半導体層
の表面側から第1の絶縁膜を貫通して半導体基板に達す
るまで形成されてn型半導体層に島状のn型素子形成領
域を形成する分離溝と、この分離溝の側壁に形成された
第2の絶縁膜と、分離溝内部に充填されて半導体基板に
導電接続する充填層とを有し、半導体基板および充填層
のうち少なくとも一方側には、それに所定の電位を印加
すべき充填層電位規定用電極が導電接続しており、n型
素子形成領域には2以上の拡散層が構成され、当該拡散
層の少なくとも一方の拡散層はp型であり、半導体基板
の全体に印加する所定の電位は、拡散層に印加される最
高電位であることを特徴とする分離溝は素子形成領域
毎に形成されて、隣接し合う各分離溝の間には、半導体
層の非素子形成領域たる周囲半導体領域が形成されてお
り、この周囲半導体領域には、この領域に所定の電位を
印加すべき周囲領域電位規定用電極が導電接続していこ
とが望ましい。
【0025】本発明に係るSOI半導体装置において講
じた第の手段は、半導体基板の表面側に第1の絶縁膜
を介して形成された半導体層と、この半導体層の表面側
から第1の絶縁膜に達するまで形成されて半導体層に島
状の素子形成領域を形成する分離溝と、この分離溝の側
壁に形成された第2の絶縁膜と、分離溝内部に充填され
た充填層とを有し、分離溝は素子形成領域毎に形成され
て、隣接し合う各分離溝の間に、半導体層の非素子形
成領域たる周囲半導体領域形成されており、前記周囲
半導体領域には、この領域に所定の電位を印加すべき周
囲領域電位規定用電極が導電接続していることを特徴と
する分離溝に充填された充填層には、これに所定の電
位を印加すべき充填層電位規定用電極が導電接続してい
ることが望ましい。半導体基板には、これに所定の電位
を印加可能な基板電極が導電接続していることが望まし
い。所定の電位は、素子形成領域の半導体素子に印加さ
れる電位のうちのいずれかの電位と同等の電位であるこ
とが望ましい。所定の電位は、素子形成領域に形成され
た半導体素子の内、出力段の高耐圧半導体素子の高電圧
印加側電極に印加される電位と同等の電位であることが
望ましい。
【0026】本発明に係るSOI半導体装置において講
じた第4の手段は、半導体基板の表面側に、絶縁膜を介
して形成された半導体層を有し、この半導体層に2以上
の拡散層が構成されるSOI半導体装置において、半導
体基板の全体に所定の電位が印加可能な基板電極が導電
接続されており、この所定の電位は、拡散層に印加され
る2以上の電位の間の電位であって、SOI半導体装置
の最高耐圧の略半分の電位であることを特徴とする。本
発明に係るSOI半導体装置において講じた第5の手段
は、半導体基板の表面側に、絶縁膜を介して形成された
半導体層を有し、この半導体層に2以上の拡散層が構成
されるSOI半導体装置において、半導体基板の全体に
所定の電位が印加可能な基板電極が導電接続されてお
り、この所定の電位は、前記拡散層に印加される2以上
の電位の内の最高電位であることを特徴とする。前記2
以上の拡散層は半導体層が誘電体分離された複数の島状
の素子形成領域に形成されていることが望ましい
【0027】本発明に係るSOI半導体装置において講
じた第6の手段は、半導体基板の表面側に絶縁膜を介し
て形成された半導体層が誘電体分離されて複数の島状の
素子形成領域としてなり、一方の素子形成領域に横形素
子が形成されると共に他方の素子形成領域に該横形素子
を制御するための制御素子が形成されているSOI半導
体装置において、半導体基板の全体に所定の電位が印加
可能な基板電極が導電接続されており、この所定の電位
は、横形素子に印加される電位の内の最高電位であるこ
とを特徴とする。素子形成領域には2以上の拡散層が構
成され、所定の電位は、拡散層に印加される2以上の電
位の間の電位であることが望ましい。所定の電位は、S
OI半導体装置の最高耐圧の略半分の電位であることが
望ましい。所定の電位は、拡散層に印加される最高電位
と最低電位との中間電位であることが望ましい
【0028】本発明に係るSOI半導体装置において講
じた第7の手段は、半導体基板の表面側に第1の絶縁膜
を介して形成された半導体層と、この半導体層の表面側
から第1の絶縁膜を貫通して半導体基板に達するまで形
成されて半導体層に島状の素子形成領域を形成する分離
溝と、この分離溝の側壁に形成された第2の絶縁膜と、
分離溝内部に充填されて半導体基板に導電接続する充填
層とを有し、半導体基板および充填層のうちの少なくと
も一方側には、それに所定の電位を印加すべき充填層電
位規定用電極が導電接続しており、素子形成領域には2
以上の拡散層が構成され、半導体基板の全体に印加する
所定の電位は、拡散層に印加される2以上の電位の間の
電位であって、SOI半導体装置の最高耐圧の略半分の
電位であることを特徴とする。また、本発明に係るSO
I半導体装置において講じた第8の手段は、半導体基板
の表面側に第1の絶縁膜を介して形成された半導体層
と、この半導体層の表面側から第1の絶縁膜を貫通して
半導体基板に達するまで形成されて半導体層に島状の素
子形成領域を形成する分離溝と、この分離溝の側壁に形
成された第2の絶縁膜と、分離溝内部に充填されて半導
体基板に導電接続する充填層とを有し、半導体基板およ
び充填層のうちの少なくとも一方側には、それに所定の
電位を印加すべき充填層電位規定用電極が導電接続して
おり、素子形成領域には2以上の拡散層が構成され、半
導体基板の全体に印加する所定の電位は、前記拡散層に
印加される最高電位と最低電位との中間電位であること
を特徴とする本発明に係るSOI半導体装置において
講じた第9の手段は、半導体基板の表面側に、絶縁膜を
介して形成された半導体層を有し、この半導体層に2以
上の拡散層が構成されるSOI半導体装置において、半
導体基板の全体に所定の電位が印加可能な基板電極が導
電接続されており、この所定の電位は、拡散層に印加さ
れる最高電位と最低電位との中間電位であることを特徴
とする。
【0029】なお、本発明において、SOI半導体装置
とはSOI基板を用いた半導体装置に限定されるもので
はなく、素子形成領域である半導体層が絶縁物となる誘
電体によって分離される誘電体分離構造を備えた半導体
装置を指すものである。
【0030】
【作用】上記第1の手段を講じた本発明に係る誘電体分
離構造を備えた半導体装置においては、分離溝が半導体
層の表面側から第1の絶縁膜を貫通して半導体基板に達
するまで形成されて、分離溝内部の充填層が半導体基板
に導電接続しているため、いずれの分離溝も半導体基板
と同電位状態にある。従って、分離溝内部の充填層の電
位は、半導体基板の電位に固定され、変動しないので、
この電位の変動の影響を素子形成領域に形成された半導
体素子が受けない。また、素子形成領域に形成された半
導体素子の電位の影響が、分離溝内部の充填層の電位に
及ばないので、分離溝を介して隣接し合う素子形成領域
の半導体素子同士の間で、電位の影響を及ぼし合うこと
がない。すなわち、本発明においては、導電接続する半
導体基板と充填層によって素子形成領域が静電シールド
されるため、半導体素子の素子特性が安定化し、信頼性
の高いSOI半導体装置を実現することができる。ま
た、半導体基板の裏面側などに充填層電位規定用電極が
導電接続していることから、この半導体基板を介して充
填層に所定の電位を印加することができ、いずれの充填
層の電位も所定の電位に固定されるため、分離溝内部の
充填層の電位変動がなく、また、半導体素子同士が分離
溝を介して電位の影響を及ぼし合うことがないので、素
子特性がさらに安定する。また、第3の手段も同様に、
分離溝が素子形成領域毎に形成されて隣接し合う各分離
溝の間に周囲半導体領域が形成され、この領域に周囲領
域電位規定用電極が導電接続しているため、素子形成領
域同士は、分離溝に加えて周囲半導体領域によっても素
子分離され、しかも周囲半導体領域の電位が所定の電位
に固定された状態にあるので、隣接し合う素子形成領域
の半導体素子同士の間での電位の干渉がなく、素子特性
の安定化が顕著である。更に、所定の電位として拡散層
に印加される2以上の電位の間の電位に設定されている
ため、耐圧性能の向上を図ることができる。
【0031】第2の手段においては、充填層電位規定用
電極に印加する所定の電位が拡散層に印加する最低電位
又は低電位ではなく、最高電位であるため、半導体基板
の全体及び充填層がその最高電位に規定されたフィール
ドプレートとして機能し、p型拡散層に最低電位が印加
された逆バイアス状態では、このp型拡散層に臨む第1
の絶縁膜や第2の絶縁膜との界面に電子蓄積層が形成さ
れることになり、その界面で電界強度が急激に上昇する
ことにより絶縁膜内部で逆バイアス電位をダミー的に分
担できるので、その分、素子形成領域内の電界強度を緩
和でき、素子形成領域内に作り込まれた素子の耐圧の大
幅向上を図ることができる。なお、第5及び第6の手段
においても同様の作用効果を奏する。
【0032】第4の手段においては、基板電極に印加す
る所定の電位が最低電位又は低電位ではなく、SOI半
導体装置の最高耐圧の略半分の電位であるため、半導体
基板の全体がその最高耐圧の略半分の電位に規定された
フィールドプレートとして機能し、半導体層内に生じる
電位分布のうちその最高耐圧の略半分の等電位線の線端
が半導体基板内を通過するので、半導体層内に生じる電
位分布は最高耐圧の略半分の等電位線を分割基準として
最高電位側と最低電位側とに振り分け規制される。この
ため、半導体層内に生じる等電位線の間隔が疎となるの
で、半導体層に作り込まれた素子の耐圧の大幅向上を図
ることができる。なお、第7の手段においても同様の作
用効果を奏する。
【0033】第8の手段においては、充填層電位規定用
電極に印加する所定の電位が最低電位又は低電位ではな
く、素子形成領域の拡散層に印加される最高電位と最低
電位との中間電位であるため、半導体基板の全体及び充
填層がその中間電位に規定されたフィールドプレートと
して機能し、素子形成領域内に生じる電位分布のうちそ
の中間電位の等電位線の線端が半導体基板内を通過する
ので、素子形成領域内に生じる電位分布をその中間電位
を分割基準にして最高電位側と最低電位側とに振り分け
規制される。このため、素子形成領域内に生じる等電位
線の間隔が疎となるので、素子形成領域に作り込まれた
素子の耐圧の大幅向上を図ることができる。なお、第9
の手段においても同様の作用効果を奏する。
【0034】このように、素子形成領域、あるいは半導
体層の周囲を中間電位に設定すると、素子形成領域、あ
るいは半導体層中において、拡散層と、半導体基板、充
填層あるいは周囲半導体領域との間に広がる等電位線の
密度を、その中間電位によって分割することが可能とな
る。このため、等電位線の密度、すなわち、電界の集中
を緩和することが可能となり、耐圧性能の向上を図るこ
とができる。また、中間電位を印加することにより、素
子形成領域を取り囲む絶縁層(第1,第2の絶縁膜)に
加わる電位を低減でき、見かけ上の素子間分離耐圧を向
上させることができるので、さらに高耐圧素子の誘電体
分離適用が可能となる。中間電位は、2以上の拡散層に
印加される2以上の電位の間の電位であれば耐圧向上の
効果を得ることができる。さらに、中間電位として2以
上の電位の最大印加電圧の差、すなわち、最高耐圧の略
半分の電位を印加することにより等電位線の密度を均等
化することができ、略最大の耐圧特性を得ることが可能
となる。加えて、半導体層の素子形成領域に形成された
高耐圧素子の高電圧印加電極側電位に等しい電位を半導
体基板に印加することにより、半導体層と絶縁膜との界
面において電界強度が上昇し、絶縁膜内部で耐圧を持た
せることができる。このため、半導体層の厚さ方向への
空乏層の拡がりを抑制することが可能となり、半導体層
の厚さ方向の耐圧を向上させることができる。それ故、
薄い半導体層で要求耐圧を確保することができるので、
装置の薄型化が達成される。また、半導体層の薄型化に
伴って分離溝などの基板作成工程に要する時間やコスト
を削減することができ、さらに、分離溝の幅を縮小でき
るので、装置の集積度を向上させることもできる。
【0035】
【実施例】つぎに、添付図面を参照して、本発明の実施
例について説明する。
【0036】〔実施例1〕 図1は本発明の実施例1に係る誘電体分離構造を備えた
SOI半導体装置の一部を示す概略断面図である。
【0037】この図において、本例の半導体装置1は、
誘電体分離基板2を用いたSOI構造の素子形成領域
に、半導体素子が形成され、これによって集積回路が構
成されている。この誘電体分離基板2は、第1のシリコ
ン基板たる半導体支持基板3と、この半導体支持基板3
にシリコン酸化膜4(第1の絶縁膜)を介して張り合わ
せされた第2のシリコン基板たるn型の半導体層5と、
この半導体層5の表面側からシリコン酸化膜4を貫通し
て半導体支持基板3に達するまで形成されて半導体層5
を島状の素子形成領域5a,5b,5c,5dに素子分
離する分離溝6と、この分離溝6の側壁に形成されたシ
リコン酸化膜たる側壁絶縁膜7(第2の絶縁膜)と、分
離溝6の内部に充填されて半導体支持基板3に導電接続
する多結晶シリコン膜たる多結晶半導体層8(充填層)
とを有する。ここで、半導体層の各素子形成領域5a
〜5dには、第1のダイオード9a,npnトランジス
タ9b,MOSFET9cおよび第2のダイオード9d
などの半導体素子がそれぞれ形成され、これらの半導体
素子に対しては、層間絶縁膜14の接続孔を介して各配
線層15が導電接続している。一方、半導体支持基板3
の裏面側には、この半導体支持基板3を介して各分離溝
6の内部の多結晶半導体層8に所定の電位を印加する裏
面電極たる充填層電位規定用電極10が形成されてい
る。
【0038】このような構成の半導体装置1は、誘電体
分離構造を備えているため、動作が確実で安定してお
り、とくに、高い動作信頼性が要求される回路や高電圧
信号および高周波信号を扱うのに適しているという利点
を有しているのに加えて、周囲の電位変動の影響が半導
体素子に及ばないので、半導体素子の素子特性が安定で
あるという効果を奏する。すなわち、分離溝6は半導体
層5の表面側から半導体支持基板3に達するまで形成さ
れているため、分離溝6の内部の多結晶半導体層8はい
ずれも、半導体支持基板3に導電接続しているので、い
ずれの分離溝6も半導体支持基板3と同電位状態にあ
り、その電位が変動し難い。このため、素子形成領域5
a〜5dに形成されたnpnトランジスタ9b,MOS
FET9cなどの半導体素子は、多結晶半導体層8の電
位変動の影響を受け難く、また、半導体素子の電位変動
の影響が多結晶半導体層8の電位に及ばないので、分離
溝6を介して隣接し合う素子形成領域の半導体素子の間
で、互いに電位の干渉がない。また、半導体支持基板3
の裏面側に充填層電位規定用電極10が導電接続してい
るため、この充填層電位規定用電極10から所定の電位
を印加して、多結晶半導体層8の電位を固定できる。こ
のため、分離溝6の電位が変動せず、また、分離溝6を
介して隣接し合う素子形成領域の半導体素子同士の間
で、電位の干渉がない。それ故、いずれの半導体素子
も、素子特性が安定している。従って、このような構造
のSOI半導体装置に構成された集積回路等において
は、論理装置等にとって重要な高信頼性を達成すること
が可能である。
【0039】このような構成の半導体装置1の製造方法
のうち、誘電体分離基板2を製造する方法の一例につい
て、図2および図3を参照して説明する。図2(a)〜
(d)および図3(a)〜(c)はいずれも、誘電体分
離基板2の製造方法の一部を示す工程断面図である。
【0040】まず、図2(a)に示すように、半導体層
5および半導体支持基板3としての2枚のシリコンウェ
ハのうち、一方側のウェハたる半導体層5に対して、加
速電圧が120keV、ドーズ量が3.5×1014
−2の条件で砒素をイオン注入し、さらに、温度が約
1200℃の水蒸気雰囲気中で、約5時間の熱酸化を行
って、厚さが2μmのシリコン酸化膜4を形成する。続
いて、半導体層5としてのウェハと、半導体支持基板3
としてのウェハとをシリコン酸化膜4を介して接触させ
た状態で、N雰囲気中で2時間の熱処理(約110
0℃)を施して、SOIウェハを形成した後、温度が約
1100℃の水蒸気雰囲気中で、約40分間の熱酸化を
行って、半導体層5の表面側に厚さが約0.5μmの熱
酸化膜11を形成する。続いて、熱酸化膜11の上に第
1のマスク層12を約1μmの厚さに形成し、その表面
側に第2のマスク層13を約1μmの厚さに形成する。
ここで、第1のマスク層12としては、ヘリウムガスに
約20%のシランガスを混合した混合ガスを用いて、温
度が約400℃、時間が約80分間、減圧条件が約40
Pa、ガス流量が約250cc/minの条件下での熱
CVD法により形成した多結晶シリコン膜を用いた。一
方、第2のマスク層13としては、ヘリウムガスに約2
0%のシランガスした混合ガスと酸素ガスとを用いて、
温度が約400℃、時間が約80分間、減圧条件が約9
0Pa、SiH/Heの混合ガスのガス流量が約4
00cc/min、酸素ガスのガス流量が約60cc/
minの条件下での熱CVD法により形成したシリコン
酸化膜を用いた。なお、第2のマスク層13としては、
第1のマスク層12として用いた多結晶シリコン膜を熱
酸化したシリコン酸化膜を用いることもできる。
【0041】つぎに、第2のマスク層13の上にフォト
リソグラフィーによりレジストパターンを形成し、図2
(b)に示すように、フッ素系混合ガスを用いた反応性
イオンエッチング法により、分離溝形成予定領域6aの
表面にある第2のマスク層13を除去し、さらに、塩素
系混合ガスあるいはフッ素系混合ガスを用いた反応性イ
オンエッチング法またはプラズマエッチング法により、
分離溝形成予定領域6aの表面にある第1のマスク層1
2を除去し、さらに、フッ素系の反応性イオンエッチン
グ法により、分離溝形成予定領域6aの表面にある熱酸
化膜11を除去して、分離溝形成予定領域6aを窓開け
する。
【0042】つぎに、図2(c)に示すように、第2の
マスク層13をマスクとして、半導体層5に対して、六
フッ化硫黄と酸素との混合ガスを用いたプラズマエッチ
ング法により、シリコン酸化膜4にまで達する深さが3
0〜50μmの分離溝6を形成する。ここで、分離溝6
の幅は2〜8μmである。このとき、第2のマスク層1
3も約0.8μm程度エッチングされる。
【0043】つぎに、図2(d)に示すように、温度が
約1100℃の水蒸気雰囲気中で、約150分間の熱酸
化を行って、分離溝6の側壁に厚さが約1μmのシリコ
ン酸化膜たる側壁絶縁膜7を形成する。このとき、半導
体層5の表面側にある第1のマスク層13も酸化されて
厚さが約0.6μmとなる。
【0044】つぎに、図3(a)に示すように、フッ素
系の反応性イオンエッチング法により、分離溝6の底部
6bにあるシリコン酸化膜4を除去して、分離溝6が半
導持基板3に達するようにする。このとき、半導体層5
の表面側の第2のマスク層13も除去され、第1のマス
ク層12が露出すると共に、第1のマスク層12も約
0.1μm程度エッチングされる。
【0045】つぎに、図3(b)に示すように、分離溝
6の内部を熱CVD法により形成した多結晶シリコンた
る多結晶半導体層8で埋め込む。その結果、分離溝6の
底部6bで、多結晶半導体層8は半導体支持基板3に導
電接続する状態となる。ここで、多結晶半導体層8の形
成条件は、第1のマスク層11の形成条件と同様な条件
である。但し、処理時間は約540分間である。このと
き、第1のマスク層12の表面には、厚さが約9μmの
多結晶半導体層8aが形成される。
【0046】つぎに、図3(c)に示すように、分離溝
6の外部にある不要な多結晶半導体層8aおよび第1の
マスク層12をフッ素系のプラズマエッチングまたは研
磨により除去し、さらに、熱酸化膜11を希フッ酸で除
去する。その結果、分離溝6の内部の多結晶半導体層8
と半導体支持基板3とが分離溝6の底部6bで接触する
一方、半導体層5が側壁絶縁膜7および充填層たる多結
晶半導体層8を備える分離溝6とシリコン酸化膜4とに
よって素子分離された素子形成領域5a〜5dを備える
誘電体分離基板2が形成される。
【0047】しかる後に、半導体層5の素子形成領域5
a〜5dに対して、図1に示すように、第1のダイオー
ド9a,npnトランジスタ9b,MOSFET9cお
よび第2のダイオード9dなどの半導体素子を形成する
一方、層間絶縁膜14の接続孔を介して、半導体素子に
対して各配線層15を導電接続する。さらに、半導体支
持基板3の裏面側には、この半導体支持基板3を介して
各分離溝6の内部の多結晶半導体層8に所定の電位を印
加するための充填層電位規定用電極10を形成して、誘
電体分離構造によるSOI半導体装置1が製造される。
【0048】〔実施例2〕 図4は本発明の実施例2に係る誘電体分離基板を用いた
SOI半導体装置の概略断面図、図5はその概略平面図
である。
【0049】これらの図において、本例の半導体装置2
1に用いた誘電体分離基板22は、シリコン基板たる半
導体支持基板23と、その表面側にシリコン酸化膜24
(第1の絶縁膜)を介して形成されたn型の半導体層2
5と、この半導体層25の表面側からシリコン酸化膜2
4に達するまで形成されて、半導体層25に島状の素子
形成領域25a,25bを形成する分離溝26a,26
bと、この分離溝26a,26bの側壁に形成されたシ
リコン酸化膜たる側壁酸化膜27a,27b(第2の絶
縁膜)と、分離溝26a,26bの内部に充填された多
結晶シリコン膜たる多結晶半導体層28a,28b(充
填層)とを有する。
【0050】また、本例の半導体装置21においては、
分離溝26a,26bは素子形成領域25a,25b毎
にその周囲に形成されて、隣接する分離溝から電気的に
独立した状態にある。すなわち、分離溝26aは素子形
成領域25aを素子分離している一方、分離溝26bは
素子形成領域25bを素子分離している。その結果、隣
接し合う各分離溝26a,26bの間には、半導体層2
5の非素子形成領域たる周囲半導体領域29が形成され
ており、本例の半導体装置1においては、周囲半導体
領域29の表面側に、この領域に所定の電位を印加すべ
き周囲領域電位規定用電極33が層間絶縁膜32の接続
孔を介して導電接続している。ここで、分離溝26a,
26bは素子形成領域25a,25b毎に形成されてい
るため、周囲半導体領域29は、半導体層25上のいず
れの素子形成領域25a,25bの周囲においても導通
している。従って、周囲領域電位規定用電極33は周囲
半導体領域29のいずれか1か所で導電接続するだけ
で、いずれの周囲半導体領域29にも導電接続している
状態にある。
【0051】さらに、素子形成領域25aにはnpnト
ランジスタ30が形成されている一方、素子形成領域2
5bにはMOSFET31が形成されており、そのう
ち、npnトランジスタ30のコレクタ領域30aに対
しては、層間絶縁膜32の接続孔を介してコレクタ電極
30bが導電接続している。このコレクタ電極30b
は、さらに、層間絶縁膜32の接続孔を介して素子形成
領域25aを素子分離している分離溝26aの内部の多
結晶半導体層28aにも導電接続して、多結晶半導体層
28aの電位をnpnトランジスタ30のコレクタ電位
と同電位とする充填層電位規定用電極になっている。一
方、MOSFET31のドレイン領域31aに対して
は、層間絶縁膜32の接続孔を介してドレイン電極30
bが導電接続しており、このドレイン電極31bは、さ
らに層間絶縁膜32の接続孔を介して素子形成領域25
bを素子分離している分離溝26bの内部の多結晶半導
体層28bにも導電接続して、多結晶半導体層28bの
電位をMOSFET31のドレイン電位と同電位とする
充填層電位規定用電極になっている。
【0052】このような構成の半導体装置1において
は、分離溝26a,26bは素子形成領域25a,25
b毎に形成されているため、隣接し合う各分離溝26
a,26bの間には半導体層25の非素子形成領域たる
周囲半導体領域29が形成されている。従って、各素子
形成領域25a,25bとは、互いに、分離溝26a,
26bによる素子分離に加えて、周囲半導体領域29に
よっても素子分離された状態にあるため、素子形成領域
25a,25b間の耐電圧(分離電圧)が高い。たとえ
ば、従来の500V対応の半導体装置に対して、本例の
構造を採用すれば、700V以上の分離電圧が得られ
る。しかも、npnトランジスタ30およびMOSFE
T31などの半導体素子は、電位変動の影響を相互に及
ぼさず、干渉し合うことがない。また、いずれの領域に
おいても、周囲半導体領域29は同電位であるため、分
離溝26a,26bの内部の多結晶半導体層28a,2
8bの電位が不必要に変動しない。さらに、本例におい
ては、周囲半導体領域29の電位は、周囲領域電位固定
電極33を介して印加された電位に固定されているた
め、素子形成領域25a,25bに形成された半導体素
子同士の間で、その電位の影響を及ぼし合うことがな
く、素子特性がさらに安定化する。加えて、分離溝26
aの多結晶半導体層28aにはnpnトランジスタ30
コレクタ電位が印加され、分離溝26bの多結晶半導
体層28bにはMOSFET31のドレイン電位が印加
される状態になっているため、これらの半導体素子の電
位状態に対応して、多結晶半導体層28a,28bの電
位が所定の条件で変動し、相対的に固定された状態にあ
る。従って、多結晶半導体層28a,28bの電位の変
動が、素子形成領域25a,25bの電位分布を乱すこ
とがなく、また、半導体素子同士の干渉がない。それ
故、半導体素子の素子特性に対する安定化が顕著であ
る。このように、本実施例においても、素子形成領域の
周囲の電位を安定化することができ、実施例1と同様
に、SOI半導体装置上に構成された回路の信頼性を高
くすることができる。
【0053】なお、このような構成の半導体装置1の製
造方法は、図23および図24を参照して説明した従来
の半導体装置の製造方法のうち、分離溝を形成するため
のエッチングマスク層のパターンを変更すると共に、各
半導体素子に対する電極層および配線層の形成パターン
を変更するだけで容易に形成することができる。
【0054】なお、実施例2の誘電体分離構造を備える
半導体装置21において採用した周囲半導体領域29の
構造と、実施例1の誘電体分離構造を備える半導体装置
1の構造とを組み合わせて、半導体層の表面側から半導
体基板に達する分離溝と、多結晶半導体層(充填層)の
電位を固定する充填層電位規定用電極と、周囲半導体領
域の電位を規定すべき周囲領域電位規定用電極とを有す
る半導体装置を構成してもよい。
【0055】〔実施例3〕 図6(a)は本発明の実施例3に係る誘電体分離基板を
用いたSOI半導体装置の概略断面図、図6(b)はそ
の概略平面図である。
【0056】これらの図において、本例の誘電体分離構
造を備えた半導体装置41の誘電体分離基板42は、実
施例1の半導体装置と同様に、半導体支持基板43の表
面側にシリコン酸化膜44(第1の絶縁膜)を介して張
り合わせされた第2のシリコン基板たるn型の半導体層
45と、この半導体層45の表面側からシリコン酸化膜
44を貫通して半導体支持基板43に達するまで形成さ
れて半導体層45に島状の素子形成領域45a,45b
を形成する分離溝46a,46bと、この分離溝46
a,46bの側壁に形成された側壁酸化膜47a,47
b(第2の絶縁膜)と、分離溝46a,46bの内部に
充填されて半導体支持基板43に導電接続する多結晶シ
リコン膜たる多結晶半導体層48a,48b(充填層)
とを有する。ここで、半導体層44の各素子形成領域4
5a,45bには、npnトランジスタ49aおよびM
OSFET49bがそれぞれ形成されている。また、半
導体支持基板43の裏面側には、半導体支持基板43を
介して各分離溝46a,46bの内部の多結晶半導体4
8a,48bに所定の電位を印加する充填層電位規定用
電極70が形成されている。
【0057】さらに、本例の半導体装置41において
は、分離溝46a,46bが、素子形成領域45a,4
5b毎にその周囲に形成されて、それぞれ電気的に独立
した状態にある。すなわち、分離溝46aは素子形成領
域45aを素子分離している一方、分離溝46bは素子
形成領域45bを素子分離している。また、隣接し合う
各分離溝46a,46bの間には、半導体層の非素子形
成領域たる周囲半導体領域71が形成されており、この
周囲半導体領域71の表面側には、層間絶縁膜72の接
続孔を介して、周囲半導体領域71に所定の電位を印加
すべき周囲領域電位規定用電極73が導電接続してい
る。ここで、分離溝46a,46bは素子形成領域45
a,45b毎に形成されているため、周囲半導体領域7
1は半導体層45上でいずれの素子形成領域45a,4
5bの周囲においても導通しているため、周囲領域電位
規定用電極73は周囲半導体領域71にいずれか1か所
で導電接続するだけで、周囲半導体領域71の全領域の
電位を固定可能である。
【0058】このような構成の半導体装置41において
は、実施例1の半導体装置と同様に、分離溝46a,4
6bの内部に充填された多結晶半導体層48a,48b
はいずれも、半導体支持基板43に導電接続して半導体
支持基板43と同電位状態にあり、その電位が変動しな
い。しかも、素子形成領域45a,45bに形成された
半導体素子の電位変動の影響が、分離溝46a,46b
を介して他方側の半導体素子の素子特性を変動させるこ
ともないので、素子特性が安定する。また、充填層電位
規定用電極70を介して電位が印加され、いずれの多結
晶半導体層48,48bの電位も固定されているため、
隣接し合う半導体素子同士の間で、その電位の影響を及
ぼし合うことがないので、素子特性がさらに安定する。
【0059】しかも、本例においては、素子形成領域4
5a,4bは、その間に2条の分離溝46a,46b
と、周囲半導体領域71とを有しているため、その間の
耐電圧が高く、しかも、半導体素子同士の間で電位の干
渉がない。さらに、周囲半導体領域71には周囲領域電
位固定電極73を介して所定の電位を印加可能になって
いるため、周囲半導体領域71の電位が所定の電位に固
定され、周囲半導体領域71の電位変動がない。従っ
て、半導体素子の素子特性に対する安定化が顕著であ
る。
【0060】なお、いずれの実施例においても、張り合
わせ基板から誘電体分離基板を製造したが、これに限ら
ず、半導体基板の表面側に半導体層を堆積した基板から
製造してもよい。また、素子形成領域に形成される半導
体素子の種類などは、半導体装置に構成される集積回路
の種類などに応じて設計されるべき性質のものであり、
その種類に限定がない。さらに、充填層についても、多
結晶半導体層の他に、単結晶半導体層、非晶質半導体層
または導電性材料層などを採用することもできる。
【0061】〔実施例4〕 上記の実施例においては、素子形成領域の周囲となる半
導体支持基板、充填層となる多結晶半導体層、あるい
は、非素子形成領域である周囲半導体領域を、所定の電
位に固定して、素子形成領域に形成される素子の特性の
安定化を図っている。この所定の電位を素子に印加され
る複数の電位の中間電位とすることによって、素子間の
耐圧の向上を図ることもできる。本実施例においては、
半導体支持基板を中間電位に設定した場合に基づき説明
する。なお、半導体基板に限らず、充填層、周囲半導体
領域を中間電位に設定した場合においても同様であるこ
とは勿論である。
【0062】図7は、先に図27に基づき説明した誘電
体分離基板を用いたSOI半導体装置であり、その素子
形成領域50にダイオードが形成されている。本例の装
置は、素子形成領域50のn型の半導体層53に、絶縁
膜56aの窓から高濃度の不純物であるリンおよびボロ
ンがイオン注入され、それぞれn型のカソード層6
2と、p型のアノード層63が形成される。さら
に、それぞれの層には、アルミニウム電極によりカソー
ド電極64とアノード電極65が接続され、さらに、シ
リコン製の支持基板51裏面には、裏面電極66が設置
されている。従って、本例のSOI半導体装置には横型
のダイオードが構成されていることなる。なお、絶縁膜
52は、シリコン酸化膜製であり、半導体層53の不純
物濃度は、1×1014cm−3である。また、絶縁膜
52の厚みは1μm、半導体層53の厚みは30μmで
あり、カソード層62とアノード層63との間隔は、7
0μmである。
【0063】図8に、本例の半導体装置に、アノード電
極65を接地電位として、カソード電極64に正電位を
印加した際の、アノード層63とカソード層62に挟ま
れた半導体層53(図中a−bで示す)の等電位線の分
布を示してある。アノード電極65とカソード電極64
に印加される電位は、図28に示した従来の半導体装置
と同じである。しかし、本例においては、従来は接地電
位が印加されていた裏面電極66に、正電位が印加され
る。従って、カソード電極64に印加される正電位を除
々に上昇させると、カソード電極64の電位が裏面電極
66の電位と等しくなるまでは、等電位線は、アノード
層63と絶縁膜52との間に分布する。そして、カソー
ド電極64と裏面電極66との電位が等しくなると、そ
の電位の等電位線202は絶縁膜52を通り抜けて支持
基板51に達する。
【0064】さらに、カソード電極64に印加される電
位を上昇させると、裏面電極66の電位である等電位線
202を境界として、それ以上の高電位の等電位線はカ
ソード層62と絶縁膜52との間に広がる。従来におい
てアノード電極65と裏面電極66が同じく接地電位で
ある場合は、等電位線が絶縁膜52とカソード層62と
の間に分布していた。これに対し、本例の半導体装置に
おいては、アノード電極65に印加された電位と、裏面
電極66に印加された電位との間の等電位線は、アノー
ド層63と絶縁膜52との間に分布し、一方、裏面電極
66に印加された電位と、カソード電極62に印加され
た電位との間の等電位線はカソード層62と絶縁膜52
との間に分布する。従って、従来、カソード層62直
分布していた等電位線をアノード層63直下へも分散
させることが可能となり、等電位線の密度を大幅に緩和
することができる。これは、カソード層62直下の電界
が緩和されたこととなり、アバランシェブレークダウン
を防止し、カソード層62近傍の耐圧性能を向上させる
ことにつながる。
【0065】カソード電極64とアノード電極65に印
加される電位差が判っている場合は、その略半分の電
位、すなわち算術平均の電位を裏面電極に印加すること
によって、アノード層63直下とカソード層62直下に
均等に等電位線を分布させることが可能である。従っ
て、このような電位を裏面電極に与えることにより、本
例の半導体装置の耐圧特性を略最大に設定することが可
能となる。なお、上記においては、アノード電極65を
接地電位としているが、裏面電極66を接地電位とする
ことも勿論可能であり、この場合は、アノード電極65
にカソード電極64と反対の負の電位を印加すれば良
い。
【0066】上記は、簡単のため、半導体支持基板51
にのみ着目して素子形成層53に形成される素子と、素
子形成層53の周囲に設定される電位との関係を説明し
ている。しかし、半導体支持基板51のみならず、実施
例1ないし3に示したような分離溝あるいは、周囲半導
体領域が形成された半導体装置においても同様である。
【0067】図9に分離溝6が形成された半導体装置の
場合を示してある。図24に示す従来の分離溝が形成さ
れた半導体装置においては、分離溝が支持基板と分離さ
れており、支持基板に中間電位が印加されても、分離溝
内の充填層がアノード電極と同様に接地電位となってい
ると、分離溝の側壁絶縁膜と半導体層との界面から等電
位線が広がり、カソード層とその近傍の分離溝との間に
等電位線が密集する。従って、この部分で絶縁破壊が発
生することとなる。
【0068】しかし、図9に示す半導体装置は、分離溝
6の底部に当たる絶縁膜4が除去されており、分離溝6
の側壁絶縁膜7で分離された充填層8は、支持基板3と
電気的に接触している。従って、充填層8の電位は、支
持基板3と同電位となる。このため、上記にて説明した
ように、支持基板3の電位をアノード電極65の電位と
カソード電極64の電位との中間電位とすることによっ
て、充填層8の電位も中間電位となる。このため、カソ
ード層62と側壁絶縁膜7との間にはカソード電極64
の電位と中間電位との間の等電位線のみが広がることと
なり、電界の集中が緩和される。このように、分離溝6
が形成されたSOI半導体装置においても、素子形成層
たる半導体層の周囲に構成される充填層8および支持
基板3の電位を中間電位とすることによって、素子形成
層に形成される素子特性の安定化が図られ、さらに、耐
圧特性の向上を図ることができる。
【0069】図10は、裏面電極66に印加される基板
電位と、素子形成領域に形成された素子の耐圧性能との
関係を、図9に示す構成の半導体装置において実験した
結果を用いて示してある。基板電位を上昇させると、素
子と支持基板の間の電界集中が緩和され、素子耐圧が向
上していくことが判る。また、高い基板電位を印加する
ことにより、従来耐圧性能を向上させることが困難なS
OI半導体装置においても、高い耐圧特性を得られるこ
とが判る。
【0070】なお、図9に示す半導体装置においては、
充填層8を支持基板3と接続することにより、充填層8
に支持基板3と同じ中間電位を印加しているが、支持基
板3と絶縁された充填層であっても、充填層に中間電位
を印加可能な電極を接続することにより、上記と同様の
効果をえることができる。また、分離溝に加えて周囲半
導体領域を有する場合であっても、周囲半導体領域の電
位を中間電位に設定することにより、素子特性の安定化
による信頼性の向上と、耐圧特性の向上を実現すること
が可能である。さらに、上記においては、素子形成領域
にダイオードが構成された半導体装置に基づき説明して
いるが、トランジスタ等の素子が形成された場合であっ
ても同様の効果を得ることができることはもちろんであ
る。
【0071】〔実施例5〕 図11に、素子間の分離耐圧を向上可能に構成されたS
OI半導体装置を示してある。図11は、先に図26に
基づき説明した誘電体分離基板(充填支持基板)71を
用いたSOI半導体装置であり、その素子形成領域71
a〜71cにはいずれもnpnトランジスタが形成され
ている。本例の装置は、半導体層73となるシリコン製
の結晶面方位(100)のn型基板に、表面側から異方
性エッチングを施してV形の溝を形成し、分離溝75と
する。分離溝75が形成された基板の表面を酸化して絶
縁膜72となる熱酸化膜を形成した後に、絶縁膜72上
に多結晶シリコン層71を厚く堆積させる。この時、分
離溝75は多結晶シリコン層71により充填される。続
いて、n型基板を裏面側から研磨して分離溝75の先端
が露出するまで削ると、分離溝75により島状領域に区
画され、絶縁膜72により充填支持基板(多結晶シリコ
ン層)71から誘電体分離された素子形成領域が得ら
れ、このn型基板を上下裏返したものが図11に示す誘
電体分離基板71である。このようにして形成された誘
電体分離基板71の素子形成領域71a〜71cに、リ
ンおよびボロンのイオン注入を行なってp型のベース層
81,n型のエミッタ層82およびn型のコレ
クタ層83を形成してnpnトランジスタを構築する。
さらに、誘電体分離基板71の裏面には、裏面電極76
が設置されている。
【0072】このような、本例の半導体装置において
は、裏面電極76に印加される電位が、本装置に印加さ
れる複数の電位の中間電位、すなわち、素子形成領域に
形成されるそれぞれの素子に印加される複数の電位の最
大値と最小値との算術平均の電位であることを特徴とし
ている。例えば、素子形成領域71bに形成された素子
101には最大電圧である600Vが印加され、隣接す
る素子形成領域71aに形成された素子102には最小
電圧0Vが印加される場合、裏面電極76には600V
と0Vとの中間電圧である300Vが印加される。この
ため、最大電圧印加素子101と最小電圧印加素子10
2との電位差が600Vあるにも拘らず、最大電圧印
加素子101と誘電体分離基板71との間の絶縁膜72
b、および最小電圧印加素子102と誘電体分離基板7
1との間の絶縁膜72aに印加される電圧は300Vと
なり、膜厚さ1μmの絶縁膜72の耐圧の略半分である
ため、本装置の絶縁耐圧が十分確保されるので、素子特
性の安定化を図ることができる。もちろん、素子間の分
離耐圧の向上を図ることもできる。ここで、裏面電極7
6に600Vが印加される構造の半導体装置の場合に
は、装置の絶縁耐圧を見かけ上、裏面電極76の600
Vに膜厚さ1μmの絶縁膜72の耐圧分600Vを加え
た1200Vとすることができ、装置の耐圧特性を最大
に設定することが可能となる。
【0073】〔実施例6〕 図12は、本発明の実施例6に係る誘電体分離基板を用
いたSOI半導体装置の構成を示す断面図であり、支持
基板51上に絶縁膜52を介して形成された半導体層5
3は分離溝55によって複数の素子形成領域51a〜5
1cに分離されている。素子形成領域51bには、リン
およびボロンのイオン注入によりp型のベース層84,
型のエミッタ層85およびn型のコレクタ層
86が形成され、npnトランジスタが構築されてい
る。本例の半導体装置においても、半導体支持基板51
の裏面には裏面電極66が設置されており、この裏面電
極66には本装置に印加される複数の電位の中間電位が
印加されている。また、本例の半導体装置においては、
半導体支持基板51の電位と充填層57の電位とは独立
しているため、絶縁膜52の膜厚さと側壁絶縁膜56の
膜厚さとが等しく1μmの場合、充填層57には図示を
省略した充填層電位規定用電極により、半導体支持基板
51上に形成される全素子のうち1つの分離溝55を介
して隣接する素子に印加される電位の中間電位が印加さ
れている。もちろん、半導体支持基板51に印加される
電位と、充填層57に印加される電位とを同等としても
良い。また、絶縁膜52および側壁絶縁膜56のいずれ
か一方の膜厚さが1μm以上で、素子への印加電圧に十
分な絶縁耐圧を有する場合には、電圧の印加は必要な
く、接地電位等に固定しても良い。
【0074】このような構成の半導体装置においては、
半導体支持基板51および充填層57への中間電位の印
加により、素子形成領域を取り囲む絶縁膜52および側
壁絶縁膜56に加わる電圧を低減することができ、見か
け上の素子間分離耐圧を向上させることができる。従っ
て、装置の絶縁耐圧が十分確保されるので、素子特性の
安定化を図ることができ、さらに高耐圧素子の誘電体分
離適用が可能となる。
【0075】そして、図13に示すように、分離溝55
の底部の絶縁膜52を除去して、半導体支持基板51の
電位と充填層57の電位とを同電位とすれば、充填層5
7への中間電位の印加が裏面電極66によって達成さ
れ、充填層電位規定用電極は不要となるので、半導体層
53の表面の集積化が可能となる。
【0076】〔実施例7〕 次に、図14ないし図22を参照して、本発明の実施例
7について説明する。
【0077】図14ないし図16は、いずれも本発明の
実施例7に係る誘電体分離基板を用いたSOI半導体装
置の構成を示す断面図であり、半導体層内には、横型I
GBT(図14)、横型MOSFET(図15)、横型
ダイオード(図16)の高耐圧素子がそれぞれ形成され
ている。
【0078】図14に示すSOI半導体装置は、半導体
層93内に、先に図29に基づき説明したSOI半導体
装置と同様に、コレクタ領域C,エミッタ領域Eおよび
ゲート領域Gから構成される高耐圧の横型IGBTが形
成されており、その構成は図29に示すSOI半導体装
置と略同一であるので、共通する部分には同一参照符号
を付して、その説明を省略する。
【0079】図15に示すSOI半導体装置は、半導体
層93内に、ドレイン領域D,ソース領域Sおよびゲー
ト領域Gから横型MOSFETが構成されている。すな
わち、n型の半導体層93表面の一端にはn型のバッフ
ァ層107、およびこのバッファ層107内に形成され
たn型のドレイン層108により、ドレイン領域D
が構成されており、ドレイン層108にはドレイン電極
113が導電接続されている。一方、半導体層93表面
の他端にはp型のベース層104,このベース層104
内に形成されたp型のコンタクト層105、および
コンタクト層105の端部からベース層104にかけて
形成されたn型のソース層106により、ソース領
域Sが構成されており、コンタクト層105およびソー
ス層106の一部にはソース電極111が導電接続され
ている。そして、ソース層106の端部からベース層1
04および半導体層93に亘るゲート電極112がゲー
ト酸化膜110を介して設置されている。
【0080】また、図16に示すSOI半導体装置は、
n型の半導体装置119表面の一端にn型のカソー
ド層120が形成される一方、半導体層119の他端に
はp型のアノード層121が形成され、高耐圧の横
型ダイオードとなっている。なお、カソード層120に
はカソード電極122が、アノード層121にはアノー
ド電極123がそれぞれ導電接続されている。
【0081】これら本実施例に係るSOI半導体装置に
おいて着目すべき点は、支持基板91の裏面に設置され
ている裏面電極99が、半導体層内に形成された高耐圧
素子(横型IGBT,MOSFETおよびダイオード)
の高電圧印加電極と接続されており、支持基板91の電
位が高電圧印加電極側電位に設定されている点にある。
すなわち、図14に示すSOI半導体装置においては、
横型IGBTの高電圧印加電極であるコレクタ電極89
と裏面電極99とが外部配線によって接続されている。
また、図15に示す装置においては、ドレイン電極11
3と裏面電極99とが、また、図16に示す装置におい
ては、カソード電極122と裏面電極99とが、いずれ
も外部配線によって接続されている。
【0082】図17に、図16に示す横型ダイオードに
アノード電極123を接地電位として、カソード電極1
22に高電位を印加した際の半導体層119内における
等電位線の分布を示してある。この等電位線の分布図
は、シミュレーションによって得たものであり、半導体
層119の厚さを10μm,比抵抗値を40Ω・cm、
絶縁膜92の厚さを2μm、カソード層120とアノー
ド層121とのドリフト長Lを30μm、カソード電極
122に印加される電圧値を300Vとし、等電位線1
24を30V単位でプロットしてある。上述のバイアス
により、上記構成の横型ダイオードは逆バイアス状態と
なるため、アノード層121と半導体層119との接合
部分から空乏層が広がり、等電位線はアノード層121
と絶縁膜92との間の領域に分布する。そして、等電位
線は絶縁膜92の側へも及んでいる。
【0083】また、図18に、上記横型ダイオードの高
電圧印加時におけるダイオード内部の電子濃度の分布を
示してある。図18において、半導体層119と絶縁膜
92との界面には、電子の蓄積状態である蓄積層125
が形成されている。この蓄積層125は、ダイオードの
カソード電位に等しい高電位が印加されることによって
支持基板91の電位が上昇するため、半導体層119内
の多数キャリアである電子が支持基板91の側に引き寄
せられ、絶縁膜92との界面部分に蓄積するために生じ
る。このような蓄積層125の形成は、模式的には図1
9の様に表すことができる。図19において、半導体層
119のエネルギーバンド126(伝導帯下縁128,
真性フェルミ準位130,禁制帯下縁131)は、支持
基板91への高電位印加により、絶縁膜92のエネルギ
ー帯127との界面部分で下方側へ曲がっている。伝導
帯下縁128の上方にある電子132は支持基板91
(絶縁膜92)の側に引き寄せられ、バンドの曲がり部
分に蓄積し、電子132の蓄積層125が形成される。
なお、図19において、129は半導体層119のフェ
ルミ準位を示すエネルギーバンドであり、また、133
は正孔である。このようにして形成される蓄積層125
は、特に、半導体層119の電位に対する支持基板91
の電位上昇が大きなアノード層121直下の半導体層1
19と絶縁膜92との界面において生じ易い。
【0084】図20に、このようなダイオードにおける
アノード層121の直下の電界強度の分布を示してあ
る。支持基板91に、ダイオードのカソード電極122
に印加される電位に等しい高電位を印加することによ
り、上述のように、半導体層119と絶縁膜92との界
面部分、特に、アノード層121直下の領域に蓄積層1
25が形成される。これにより、図20に示すように、
アノード層121直下の半導体層119と絶縁膜92と
の界面において電界強度が急激に上昇し、絶縁膜92の
内部で電位を持たせることができる。この結果、アノー
ド層121と絶縁膜92との間の半導体層119領域に
おける空乏層の広がりを抑制することが可能となり、半
導体層119の厚さ方向の耐圧を向上させることができ
る。従って、上記構成のダイオード等、高耐圧素子の耐
圧を維持しながら半導体層119の厚さを薄くすること
ができるので、SOI半導体装置の薄型化を図ることが
できる。
【0085】図21に、SOI半導体装置における半導
体層の厚さと素子耐圧との関係を示してある。図におい
て、線Aは本実施例に係るSOI半導体装置(図16に
示すSOI半導体装置)の半導体層119の厚さの変化
に伴う素子耐圧の変化を示し、線Bは支持基板に設置さ
れた裏面電極に接地電位が印加されている比較例(従
来)のSOI半導体装置における半導体層の厚さと素子
耐圧との関係を示している。なお、線Bに示す比較例の
SOI半導体装置において、裏面電極に印加される電位
が異なる他は、図16に示す装置と同一構成となってい
る。図において、半導体層の厚さが10μmの場合に、
線Bで示す比較例の装置の素子耐圧が約100Vである
のに対し、線Aで示す本実施例に係るSOI半導体装置
の素子耐圧は約280Vである。この値(280V)
は、比較例のSOI半導体装置の半導体層厚さが30μ
mのときの素子耐圧(約170V)よりも更に高く、本
実施例のSOI半導体装置において、半導体層の厚さ方
向の耐圧が格段に向上していることが判る。それ故、本
例のSOI半導体装置によれば、半導体層が薄くても素
子耐圧を確保することができるので、250V程度の素
子耐圧であれば、半導体層の厚さを従来装置に比して2
0μm以上も薄くすることができる。
【0086】このように、本実施例に係るSOI半導体
装置においては、半導体層内に形成される高耐圧素子の
高電圧印加電極側電位と等しい電位を支持基板に印加す
ることによって、絶縁膜内で耐圧を持たせることができ
るので、半導体層の厚さ方向の耐圧を向上させることが
可能となり、装置の薄型化が達成される。また、これは
分離溝によって複数に素子形成領域に分割された半導体
層内に、高電流出力素子およびその制御回路などが形成
されたパワーICにおいても適用されるものである。そ
の一例を図22に示してある。この図において、支持基
板91上に絶縁膜92を介して形成されたn型の半導体
層93は、分離溝136によって複数の素子形成領域に
分割されており、その一領域には図14に示す高耐圧の
横型IGBT134が形成され、また、この横型IGB
T134に隣接する領域にはその制御回路部であるCM
OS135が形成されている。CMOS135は、誘電
体分離された半導体層93表面の一端に形成された共に
型のソース層137,ドレイン層139およびこ
れらソース層137およびドレイン層139に亘る半導
体層93の表面側に設置されたゲート電極141からな
るpチャネル型のMOSFETと、半導体層93表面の
他端に拡散形成されたp型のウェル層138内に形成さ
れた共にn型のソース層144,ドレイン層145
およびゲート電極141からなるnチャネル型のMOS
FETによって構成されている。また、ソース層13
7,144にはソース電極140が、ドレイン層13
9,145にはドレイン電極142がそれぞれ導電接続
されている。
【0087】このような構成のSOI半導体装置(パワ
ーIC)においても、出力段の横型IGBT134のコ
レクタ電極89と裏面電極99とを外部配線によって接
続し、支持基板91の電位をコレクタ電極89の電位と
同電位にすることで、絶縁膜92に耐圧を持たせること
ができ、半導体層93の厚さ方向の耐圧を確保すること
ができるので、10μm厚の半導体層93で250V級
のパワーICを作成することができる。なお、CMOS
135においては、半導体層93の電位はソース電位に
よって固定されるので、支持基板91の電位を横型IG
BT134のコレクタ電極89と同電位にすることに伴
うCMOS135の素子特性への影響はない。
【0088】
【発明の効果】第1及び第3の手段においては、分離溝
が素子形成領域毎に形成されて隣接し合う各分離溝の間
に周囲半導体領域が形成され、この領域に周囲領域電位
規定用電極が導電接続しているため、素子形成領域同士
は、分離溝に加えて周囲半導体領域によっても素子分離
され、しかも周囲半導体領域の電位が所定の電位に固定
された状態にあるので、隣接し合う素子形成領域の半導
体素子同士の間での電位の干渉がなく、素子特性の安定
化が顕著である。更に、所定の電位として拡散層に印加
される2以上の電位の間の電位に設定されているため、
耐圧性能の向上を図ることができる。
【0089】第2の手段においては、充填層電位規定用
電極に印加する所定の電位が拡散層に印加する最低電位
又は低電位ではなく、最高電位であるため、半導体基板
の全体及び充填層がその最高電位に規定されたフィール
ドプレートとして機能し、p型拡散層に最低電位が印加
された逆バイアス状態では、このp型拡散層に臨む第1
の絶縁膜や第2の絶縁膜との界面に電子蓄積層が形成さ
れることになり、その界面で電界強度が急激に上昇する
ことにより絶縁膜内部で逆バイアス電位をダミー的に分
担できるので、その分、素子形成領域内の電界強度を緩
和でき、素子形成領域内に作り込まれた素子の耐圧の大
幅向上を図ることができる。なお、第5及び第6の手段
においても同様の作用効果を奏する。
【0090】第4の手段においては、基板電極に印加す
る所定の電位が最低電位又は低電位ではなく、SOI半
導体装置の最高耐圧の略半分の電位であるため、半導体
基板の全体がその最高耐圧の略半分の電位に規定された
フィールドプレートとして機能し、半導体層内に生じる
電位分布のうちその最高耐圧の略半分の等電位線の線端
が半導体基板内を通過するので、半導体層内に生じる電
位分布は最高耐圧の略半分の等電位線を分割基準として
最高電位側と最低電位側とに振り分け規制される。この
ため、半導体層内に生じる等電位線の間隔が疎となるの
で、半導体層に作り込まれた素子の耐圧の大幅向上を図
ることができる。なお、第7の手段においても同様の作
用効果を奏する。
【0091】第8の手段においては、充填層電位規定用
電極に印加する所定の電位が最低電位又は低電位ではな
く、素子形成領域の拡散層に印加される最高電位と最低
電位との中間電位であるため、半導体基板の全体及び充
填層がその中間電位に規定されたフィールドプレートと
して機能し、素子形成領域内に生じる電位分布のうちそ
の中間電位の等電位線の線端が半導体基板内を通過する
ので、素子形成領域内に生じる電位分布をその中間電位
を分割基準にして最高電位側と最低電位側とに振り分け
規制される。このため、素子形成領域内に生じる等電位
線の間隔が疎となるので、素子形成領域に作り込まれた
素子の耐圧の大幅向上を図ることができる。なお、第9
の手段においても同様の作用効果を奏する。
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る誘電体分離構造を備え
たSOI半導体装置の要部を示す概略断面図である。
【図2】(a)〜(d)のいずれも、図1に示す誘電体
分離基板を用いたSOI半導体装置の製造方法の一部を
示す工程断面図である。
【図3】(a)〜(c)のいずれも、図1に示す半導体
装置の製造方法のうち、図2に示す工程に続いて行われ
る工程の一部を示す工程断面図である。
【図4】本発明の実施例2に係る誘電体分離基板を用い
たSOI半導体装置の要部を示す概略断面図である。
【図5】図4に示す半導体装置の要部を示す概略平面図
である。
【図6】(a)は本発明の実施例3に係る誘電体分離基
板を用いたSOI半導体装置の要部を示す概略断面図、
(b)はその概略平面図である。
【図7】本発明の実施例4に係るSOI半導体装置の構
成を示す断面図である。
【図8】図7に示す半導体装置において、支持基板に中
間電位を印加した際の等電位線の分布を示す説明図であ
る。
【図9】本発明の実施例4において、分離溝が形成され
たSOI半導体装置の構成を示す断面図である。
【図10】実施例4に係る半導体装置の耐圧特性と基板
電位との関係を示すグラフ図である。
【図11】本発明の実施例5に係るSOI半導体装置の
構成を示す断面図である。
【図12】本発明の実施例6に係るSOI半導体装置の
構成を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例6において、支持基板と充填
層とが接続されたSOI半導体装置の構成を示す断面図
である。
【図14】本発明の実施例7に係るSOI半導体装置の
構成を示す断面図である。
【図15】本発明の実施例7に係るSOI半導体装置の
構成を示す断面図である。
【図16】本発明の実施例7に係るSOI半導体装置の
構成を示す断面図である。
【図17】図16に示す半導体装置において、逆電圧印
加時の素子内部における等電位線の分布を示す説明図で
ある。
【図18】図16に示す半導体装置において、逆電圧印
加時の素子内部における電子濃度の分布を示す説明図で
ある。
【図19】半導体層と絶縁膜との界面における蓄積層の
形成を示す説明図である。
【図20】図16に示す半導体装置において、アノード
層直下の電界強度の分布を示す説明図である。
【図21】半導体層の厚さと素子耐圧との関係を示すグ
ラフ図である。
【図22】図14に示す半導体装置をその制御回路部と
共に集積化したパワーICの構成を示す断面図である。
【図23】(a)〜(d)のいずれも、従来の誘電体分
離構造を備えた半導体装置の製造方法の一部を示す工程
断面図である。
【図24】(a)〜(c)のいずれも、従来の誘電体分
離構造を備えた半導体装置の製造方法のうち、図23に
示す工程に続いて行われる工程の一部を示す工程断面図
である。
【図25】従来の張り合わせ基板(SOI基板)を用い
た集積回路装置の構成を示す断面図である。
【図26】従来の多結晶シリコン層で本体を構成した構
造の集積回路装置を示す断面図である。
【図27】従来のSOI半導体装置の構成を示す断面図
である。
【図28】図27に示す半導体装置において、支持基板
に接地電位を印加した際の等電位線の分布を示す説明図
である。
【図29】従来のSOI半導体装置の構成を示す断面図
である。
【符号の説明】
1,21,41・・・半導体装置 2,22,42・・・誘電体分離基板 3,23,43・・・半導体支持基板(半導体基板) 4,24,44・・・シリコン酸化膜(第1の絶縁膜) 5,25,45・・・半導体層 5a,5b,5c,5d,25a,25b,45a,4
5b・・・素子形成領域 6,26a,26b,46a,46b・・・分離溝 7,27a,27b,47a,47b・・・側壁絶縁膜
(第2の絶縁膜) 8,28a,28b,48a,48b・・・多結晶半導
体層(充填層) 10,70・・・充填層電位規定用電極 29,71・・・周囲半導体領域 30b・・・エミッタ電極(充填層電位規定用電極) 31b・・・ドレイン電極(充填層電位規定用電極) 33・・・周囲領域電位規定用電極 61・・・アルミニウム電極 62・・・カソード層 63・・・アノード層 64・・・カソード電極 65・・・アノード電極 66・・・裏面電極 201〜203・・・等電位線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/762 H01L 27/12

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の表面側に第1の絶縁膜を介
    して形成された半導体層と、この半導体層の表面側から
    前記第1の絶縁膜を貫通して前記半導体基板に達するま
    で形成されて前記半導体層に島状の素子形成領域を形成
    する分離溝と、この分離溝の側壁に形成された第2の絶
    縁膜と、前記分離溝内部に充填されて前記半導体基板に
    導電接続する充填層とを有し、前記半導体基板および前
    記充填層のうちの少なくとも一方側には、それに所定の
    電位を印加すべき充填層電位規定用電極が導電接続して
    おり、前記素子形成領域には2以上の拡散層が構成さ
    れ、前記所定の電位は、前記拡散層に印加される2以上
    の電位の間の電位であり、前記分離溝は前記素子形成領
    域毎に形成されて、隣接し合う各分離溝の間には、前記
    半導体層の非素子形成領域たる周囲半導体領域が形成さ
    れており、この周囲半導体領域には、この領域に所定の
    電位を印加すべき周囲領域電位規定用電極が導電接続し
    ていることを特徴とするSOI半導体装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板の表面側に第1の絶縁膜を介
    して形成されたn型半導体層と、このn型半導体層の表
    面側から前記第1の絶縁膜を貫通して前記半導体基板に
    達するまで形成されて前記n型半導体層に島状のn型素
    子形成領域を形成する分離溝と、この分離溝の側壁に形
    成された第2の絶縁膜と、前記分離溝内部に充填されて
    前記半導体基板に導電接続する充填層とを有し、前記半
    導体基板および前記充填層のうち少なくとも一方側に
    は、それに所定の電位を印加すべき充填層電位規定用電
    極が導電接続しており、前記n型素子形成領域には2以
    上の拡散層が構成され、当該拡散層の少なくとも一方の
    拡散層はp型であり、前記半導体基板の全体に印加する
    前記所定の電位は、前記拡散層に印加される最高電位で
    あることを特徴とするSOI半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記分離溝は前記素
    子形成領域毎に形成されて、隣接し合う各分離溝の間に
    は、前記半導体層の非素子形成領域たる周囲半導体領域
    が形成されており、この周囲半導体領域には、この領域
    に所定の電位を印加すべき周囲領域電位規定用電極が導
    電接続していることを特徴とするSOI半導体装置。
  4. 【請求項4】 半導体基板の表面側に第1の絶縁膜を介
    して形成された半導体層と、この半導体層の表面側から
    前記第1の絶縁膜に達するまで形成されて前記半導体層
    に島状の素子形成領域を形成する分離溝と、この分離溝
    の側壁に形成された第2の絶縁膜と、前記分離溝内部に
    充填された充填層とを有し、前記分離溝は前記素子形成
    領域毎に形成されて、隣接し合う各分離溝の間には、前
    記半導体層の非素子形成領域たる周囲半導体領域が形成
    されており、前記周囲半導体領域には、この領域に所定
    の電位を印加すべき周囲領域電位規定用電極が導電接続
    していることを特徴とするSOI半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記分離溝に充填さ
    れた充填層には、これに所定の電位を印加すべき充填層
    電位規定用電極が導電接続していることを特徴とするS
    OI半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記半導体基板に
    は、これに所定の電位を印加可能な基板電極が導電接続
    していることを特徴とするSOI半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6において、前記
    所定の電位は、前記素子形成領域の半導体素子に印加さ
    れる電位のうちのいずれかの電位と同等の電位であるこ
    とを特徴とするSOI半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記所定の電位は、
    前記素子形成領域に形成された半導体素子の内、出力段
    の高耐圧半導体素子の高電圧印加側電極に印加される電
    位と同等の電位であることを特徴とするSOI半導体装
    置。
  9. 【請求項9】 半導体基板の表面側に、絶縁膜を介して
    形成された半導体層を有し、この半導体層に2以上の拡
    散層が構成されるSOI半導体装置において、前記半導
    体基板の全体に所定の電位が印加可能な基板電極が導電
    接続されており、この所定の電位は、前記拡散層に印加
    される2以上の電位の間の電位であって、前記SOI半
    導体装置の最高耐圧の略半分の電位であることを特徴と
    するSOI半導体装置。
  10. 【請求項10】 半導体基板の表面側に、絶縁膜を介し
    て形成された半導体層を有し、この半導体層に2以上の
    拡散層が構成されるSOI半導体装置において、前記半
    導体基板の全体に所定の電位が印加可能な基板電極が導
    電接続されており、この所定の電位は、前記拡散層に印
    加される2以上の電位の内の最高電位であることを特徴
    とするSOI半導体装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記2以上の拡
    散層は前記半導体層が誘電体分離された複数の島状の素
    子形成領域に形成されていることを特徴とするSOI半
    導体装置。
  12. 【請求項12】 半導体基板の表面側に絶縁膜を介して
    形成された半導体層が誘電体分離されて複数の島状の素
    子形成領域としてなり、一方の前記素子形成領域に横形
    素子が形成されると共に他方の前記素子形成領域に該横
    形素子を制御するための制御素子が形成されているSO
    I半導体装置において、前記半導体基板の全体に所定の
    電位が印加可能な基板電極が導電接続されており、この
    所定の電位は、前記横形素子に印加される電位の内の最
    高電位であることを特徴とするSOI半導体装置。
  13. 【請求項13】 請求項4、5および6のいずれかの項
    において、前記素子形成領域には2以上の拡散層が構成
    され、前記所定の電位は、前記拡散層に印加される2以
    上の電位の間の電位であることを特徴とするSOI半導
    体装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記所定の電位
    は、前記SOI半導体装置の最高耐圧の略半分の電位で
    あることを特徴とするSOI半導体装置。
  15. 【請求項15】 請求項13において、前記所定の電位
    は、前記拡散層に印加される最高電位と最低電位との中
    間電位であることを特徴とするSOI半導体装置。
  16. 【請求項16】 半導体基板の表面側に第1の絶縁膜を
    介して形成された半導体層と、この半導体層の表面側か
    ら前記第1の絶縁膜を貫通して前記半導体基板に達する
    まで形成されて前記半導体層に島状の素子形成領域を形
    成する分離溝と、この分離溝の側壁に形成された第2の
    絶縁膜と、前記分離溝内部に充填されて前記半導体基板
    に導電接続する充填層とを有し、前記半導体基板および
    前記充填層のうちの少なくとも一方側には、それに所定
    の電位を印加すべき充填層電位規定用電極が導電接続し
    ており、前記素子形成領域には2以上の拡散層が構成さ
    れ、前記半導体基板の全体に印加する前記所定の電位
    は、前記拡散層に印加される2以上の電位の間の電位で
    あって、前記SOI半導体装置の最高耐圧の略半分の電
    位であることを特徴とするSOI半導体装置。
  17. 【請求項17】 半導体基板の表面側に第1の絶縁膜を
    介して形成された半 導体層と、この半導体層の表面側か
    ら前記第1の絶縁膜を貫通して前記半導体基板に達する
    まで形成されて前記半導体層に島状の素子形成領域を形
    成する分離溝と、この分離溝の側壁に形成された第2の
    絶縁膜と、前記分離溝内部に充填されて前記半導体基板
    に導電接続する充填層とを有し、前記半導体基板および
    前記充填層のうちの少なくとも一方側には、それに所定
    の電位を印加すべき充填層電位規定用電極が導電接続し
    ており、前記素子形成領域には2以上の拡散層が構成さ
    れ、前記半導体基板の全体に印加する前記所定の電位
    は、前記拡散層に印加される最高電位と最低電位との中
    間電位であることを特徴とするSOI半導体装置。
  18. 【請求項18】 半導体基板の表面側に、絶縁膜を介し
    て形成された半導体層を有し、この半導体層に2以上の
    拡散層が構成されるSOI半導体装置において、前記半
    導体基板の全体に所定の電位が印加可能な基板電極が導
    電接続されており、この所定の電位は、前記拡散層に印
    加される最高電位と最低電位との中間電位であることを
    特徴とするSOI半導体装置。
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