JP3156629B2 - 産業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法及び制御装置 - Google Patents

産業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法及び制御装置

Info

Publication number
JP3156629B2
JP3156629B2 JP09730397A JP9730397A JP3156629B2 JP 3156629 B2 JP3156629 B2 JP 3156629B2 JP 09730397 A JP09730397 A JP 09730397A JP 9730397 A JP9730397 A JP 9730397A JP 3156629 B2 JP3156629 B2 JP 3156629B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tilt
current value
speed
mast
backward
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09730397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10291796A (ja
Inventor
利和 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP09730397A priority Critical patent/JP3156629B2/ja
Publication of JPH10291796A publication Critical patent/JPH10291796A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3156629B2 publication Critical patent/JP3156629B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は荷役用アタッチメン
トを昇降移動させるマストが傾動可能に装備され、マス
トを傾動するティルトシリンダへの作動油の供給流量が
電磁弁により制御される産業車両のマストの後傾速度制
御用電流値の設定方法及び制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の産業車両であるフォークリフト
においては、車両の前部に設けられたアウタマスト及び
インナマストを備えたマストによりリフトブラケットと
ともにフォークを昇降させる。そして、マストはリフト
レバーの操作に基づくリフトシリンダの作動により伸縮
され、それに伴ってフォークが昇降される。また、荷役
作業を容易にするため及びフォークリフトの走行中の安
定性を良くするため、マストはティルトレバーの操作に
基づくティルトシリンダの作動により、垂直の基準位置
に対して前傾あるいは後傾される。
【0003】フォークリフトはフォークに荷を積載した
状態では重心が前側に移動し、フォークの揚高を高くす
るとマストに作用するモーメントが大きくなる。そし
て、荷を積載した状態でマストを前傾させると重心がよ
り前に移動してフォークリフトの前後方向の安定性が悪
くなる。また、荷の荷重が大きな状態であまり後傾角度
を大きくすると重心が後側に寄り過ぎて前輪が浮き気味
になりスリップが発生する虞がある。そこで、従来はマ
ストの前傾角度及び後傾角度は所定の値に設定されてい
た。
【0004】従来、マストを前傾させる場合は、荷崩れ
やフォークリフトの後輪の浮き上がり(即ち車両の前後
方向の不安定状態)の発生を防止するため、後傾動作時
より傾動速度が遅くなるように流路に絞りが設けられて
作動油の流量が絞られていた。また、作業者も荷役作業
で荷を高所に載置する場合の前傾動作時には、マストが
前傾し過ぎないようインチング操作で、注意深く低速で
前傾作業を行っていた。しかし、後傾動作の際は、荷重
が大きく揚高が高い場合でも安定性が比較的良いため、
流路に絞りは設けられていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】作業者は荷を積載した
状態で高揚高の場合は、後傾動作の際にティルトレバー
の操作量やエンジン回転数を調整して比較的遅い速度で
後傾動作を行っていた。しかし、荷を積載した高揚高の
状態で誤操作等で高速で後傾操作を行った場合は、マス
トが最後傾位置で停止するときのショックが大きく、耐
久性が低下する原因となる。また、荷を積載していなく
ても、高揚高で高速で後傾操作を行うと、後傾開始時の
起動ショックにより後輪の浮き上がりが発生したり、ま
た、マストが最後傾位置で停止するときのショックが大
きく、耐久性が低下する原因となる。
【0006】そこで、この問題を解消するため、本願出
願人は、マストを傾動するティルトシリンダへの作動油
の供給流量を、制御手段からの指令電流によって開度調
整される電磁弁により制御するとともに、マストの後傾
速度を揚高によって制限する装置を発明した。前記電磁
弁はスプール弁で構成され、ソレノイドに供給される励
磁電流に対応してスプールの移動量即ち開度(流量)が
調整される。励磁電流の大きさは、制御手段からの指令
電流値によって設定されるようになっている。そして、
制御手段は後傾速度を制限する際に使用する指令電流値
を記憶手段に記憶しておき、後傾速度制限を行う場合は
その指令電流値を出力する。
【0007】ところが、電磁弁は同じ規格であっても製
品により電流−流量(開度)特性に若干ばらつきがある
ため、同じ指令電流値でも電磁弁によって流量即ち後傾
速度にばらつきが生じる。例えば、図2に示すように、
指令電流値Is に対して流量はL1 〜L2 の範囲でばら
つく。電磁弁として高精度のものを使用すればばらつき
は小さくできるが、構造が複雑になるとともに製造コス
トも高くなる。
【0008】高精度の電磁弁を使用せずに通常の電磁弁
を使用して各フォークリフトに仕様通りの後傾速度制限
を行わせるにはフォークリフトの製作後、所定の後傾制
限速度でマストを後傾させるための指令電流値を設定す
る必要がある。しかし、この設定作業に手間がかかると
いう問題がある。
【0009】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的はマストを傾動するティル
トシリンダへの作動油の供給流量が電磁弁により制御さ
れる産業車両において、マストの後傾速度制御用電流値
の設定を簡単に行うことができる産業車両のマストの後
傾速度制御用電流値の設定方法を提供することにある。
また、第2の目的は前記の設定方法を行うのに適した制
御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、請求項1に記載の発明では、荷役用アタッチメ
ントを昇降移動させるマストが傾動可能に装備され、マ
ストを傾動するティルトシリンダへの作動油の供給流量
が、制御手段からの指令電流によって開度調整される電
磁弁により制御される産業車両のマストの後傾速度制御
用電流値の設定方法であって、油圧ポンプを所定の回転
速度で駆動しかつ前記ティルトシリンダを後傾作動させ
る状態において、前記電磁弁への指令電流値を徐々に上
昇させるとともに、マストの傾動角度を連続的に検出可
能な傾動角度検出手段からの検出信号をモニタし、後傾
速度が所定の値になったときの指令電流値を後傾速度制
限用の電流値として設定する。
【0011】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記制御手段は前記指令電流値を一
定時間毎に一定量ずつ上昇させて、その間における後傾
速度が所定の値になったときの前記指令電流値を後傾速
度制限用の電流値として設定する。
【0012】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記後傾速度制限用電
流値として設定すべき電流値を複数回求め、その平均値
を後傾速度制限用電流値として設定する。
【0013】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記油圧
ポンプの所定の回転速度は最高回転速度である。第2の
目的を達成するため、請求項5に記載の発明では、荷役
用アタッチメントを昇降移動させるマストが傾動可能に
装備され、マストを傾動するティルトシリンダへの作動
油の供給流量が電磁弁により制御される産業車両におい
て、前記マストの基準位置からの傾動角度を検出するマ
スト角度検出手段と、前記電磁弁の開度を制御する制御
手段を通常モードと調整モードとに切換える切換え手段
と、ティルト用操作手段が後傾位置に操作されたか否か
を検出する後傾操作検出手段と、前記電磁弁の開度を制
御するための指令電流値を所定の条件に従って出力する
とともに、前記切換え手段が調整モードに切換えられ、
かつ前記後傾操作検出手段から後傾検出信号が出力され
ると、前記電磁弁への指令電流値を徐々に上昇させるよ
うに出力する制御手段と、前記調整モードにおいて前記
マスト角度検出手段の検出信号に基づいてマストの後傾
速度を演算し、その値が所定値になったときの前記指令
電流値を後傾速度制限用の電流値として設定する設定手
段とを備えた。
【0014】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の発明において、前記制御手段は前記調整モードにお
いて、指令電流値を一定時間毎に一定量ずつ上昇させ
る。請求項7に記載の発明では、荷役用アタッチメント
を昇降移動させるマストが傾動可能に装備され、マスト
を傾動するティルトシリンダへの作動油の供給流量が電
磁弁により制御される産業車両において、前記マストの
基準位置からの傾動角度を検出するマスト角度検出手段
と、前記電磁弁の開度を制御する制御手段を通常モード
と調整モードとに切換える切換え手段と、ティルト用操
作手段が後傾位置に操作されたか否かを検出する後傾操
作検出手段と、前記切換え手段が調整モードに切換えら
れ、かつ前記後傾操作検出手段から後傾検出信号が出力
されると、前記ティルトシリンダを通常の後傾速度より
遅い速度でかつその速度を徐々に増加させるように作動
させる制御手段とを備えた。
【0015】従って、請求項1に記載の発明では、ティ
ルトシリンダへの作動油の供給流量が、制御手段からの
指令電流によって開度調整される電磁弁により制御され
る。そして、マストの後傾速度制御用電流値を設定する
場合は、油圧ポンプが所定の回転速度で駆動され、かつ
前記ティルトシリンダが後傾作動される状態において、
前記電磁弁への指令電流値が徐々に上昇されるととも
に、傾動角度検出手段からの検出信号がモニタされる。
そして、マストの後傾速度が所定の値になったときの指
令電流値が、後傾速度制限用の電流値として設定され
る。
【0016】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記指令電流値は一定時間毎に一定
量ずつ上昇するように変更される。そして、その間にお
ける前記傾動角度検出手段の出力がモニタされ、マスト
の後傾速度が所定の値になったときの前記指令電流値
が、後傾速度制限用の電流値として設定される。
【0017】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記後傾速度制限用電
流値として設定すべき電流値を求める動作が複数回行わ
れる。そして、求められた複数回の電流値の平均値が後
傾速度制限用電流値として設定される。
【0018】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記油圧
ポンプが最高回転速度で駆動された状態で後傾速度制限
用電流値の設定が行われる。
【0019】請求項5に記載の発明では、ティルトシリ
ンダへの作動油の供給流量が、制御手段からの指令電流
によって開度調整される電磁弁により制御される。マス
ト角度検出手段によりマストの基準位置からの傾動角度
が検出される。前記制御手段は切換え手段により、通常
モードと調整モードとに切換えられる。後傾操作検出手
段により、ティルト用操作手段が後傾位置に操作された
か否かが検出される。前記電磁弁の開度を制御するため
の指令電流値が所定の条件に従って前記制御手段から出
力される。前記切換え手段が調整モードに切換えられ、
かつ前記後傾操作検出手段から後傾検出信号が出力され
ると、電磁弁への指令電流値が徐々に上昇される。ま
た、前記調整モードにおいて設定手段により前記マスト
角度検出手段の検出信号に基づいてマストの後傾速度が
演算され、その値が所定値になったときの前記指令電流
値が後傾速度制限用の電流値として設定される。
【0020】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の発明において、前記調整モードにおいては、電磁弁
への指令電流値は一定時間毎に一定量ずつ上昇するよう
に出力される。
【0021】請求項7に記載の発明では、ティルトシリ
ンダへの作動油の供給流量が、制御手段からの指令電流
によって開度調整される電磁弁により制御される。マス
ト角度検出手段によりマストの基準位置からの傾動角度
が検出される。前記制御手段は切換え手段により、通常
モードと調整モードとに切換えられる。後傾操作検出手
段により、ティルト用操作手段が後傾位置に操作された
か否かが検出される。前記切換え手段が調整モードに切
換えられ、かつ前記後傾操作検出手段から後傾検出信号
が出力されると、前記ティルトシリンダが通常の後傾速
度より遅い速度でかつその速度が徐々に増加するように
作動される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を荷役用アタッチメ
ントとしてフォークが取付けられた産業車両としてのフ
ォークリフトに具体化した一実施形態を図1〜図8に従
って説明する。
【0023】図4に示すように、フォークリフト1の車
体フレーム2にはその前部にマスト3が設けられてい
る。マスト3は車体フレーム2に対して傾動可能に支持
された左右一対のアウタマスト3aと、その内側に昇降
可能に装備されたインナマスト3bとからなる。両アウ
タマスト3aの後側にはリフトシリンダ4がアウタマス
ト3aと平行に固定され、そのピストンロッド4aの先
端がインナマスト3bの上部に連結されている。インナ
マスト3bの内側にはリフトブラケット5がインナマス
ト3bに沿って昇降可能に装備され、リフトブラケット
5にフォーク6が取り付けられている。インナマスト3
bの上部にはチェーンホイール7が支承され、チェーン
ホイール7には第1端部がリフトシリンダ4の上部に、
第2端部がリフトブラケット5にそれぞれ連結されたチ
ェーン8が掛装されている。そして、リフトシリンダ4
の伸縮によりチェーン8を介してフォーク6がリフトブ
ラケット5とともに昇降動される。
【0024】車体フレーム2の左右両側にはティルトシ
リンダ9の基端が回動可能に支持され、そのピストンロ
ッド9aの先端がアウタマスト3aの外側面に回動可能
に連結されている。そして、ティルトシリンダ9のピス
トンロッド9aの伸縮によりマスト3が傾動される。
【0025】運転室10の前部にはステアリング11、
リフト用操作手段としてのリフトレバー12及びティル
ト用操作手段としてのティルトレバー13がそれぞれ設
けられている。図4においては両レバー12,13が重
なった状態で示されている。リフトレバー12の操作に
よりリフトシリンダ4が伸縮され、ティルトレバー13
の操作によりティルトシリンダ9が伸縮されるようにな
っている。
【0026】図3に示すように、アウタマスト3aには
揚高検出手段としての揚高センサ14が所定高さ位置に
取付けられている。揚高センサ14は近接スイッチから
なり、インナマスト3b側に固定された被検出部(図示
せず)を検出することにより、フォーク6の揚高が設定
値H0 以上でオンとなり、設定値H0 未満でオフとなる
ようになっている。揚高センサ14はオンの状態ではハ
イレベル(H)の所定電圧を出力し、オフの状態ではロ
ウレベル(L)の所定電圧を出力する。また、この実施
の形態では設定値H0 が最大揚高Hmax のほぼ2分の1
の高さに設定されている。
【0027】車体フレーム2にはマスト角度検出手段と
しての回転式のポテンショメータ15が設けられてい
る。ポテンショメータ15はティルトシリンダ9の基端
を回動可能に支持する支持部に設けられ、ティルトシリ
ンダ9に突設されたピン16を挟持する回動片15aを
備えている。そして、ピストンロッド9aの伸縮に伴っ
てティルトシリンダ9とともに回動片15aが回動し
て、回動片15aの回動量に対応した検出信号をポテン
ショメータ15が出力する。この実施の形態ではポテン
ショメータ15は、マスト3が最前傾位置に配置された
状態で出力電圧が最も小さく、最後傾位置に配置された
状態で出力電圧が最も大きくなり、その間は回動量に比
例して出力電圧が変化するようになっている。従って、
ティルト角θとポテンショメータ15の出力電圧Vとの
関係は、図7に示すように、マスト3が垂直になる基準
位置より前傾すれば、基準位置での出力値より減少し、
後傾すれば基準位置での出力値より増加するようになっ
ている。即ち、ポテンショメータ15はマスト3の基準
位置からの傾動量に対応した電圧を出力する。
【0028】リフトシリンダ4にはフォーク6の積載荷
重を検出する積載荷重検出手段としての圧力センサ17
が設けられている。圧力センサ17はリフトシリンダ4
の内部の油圧を検出し、フォーク6の積載荷重に対応し
た検出信号を出力する。
【0029】図5に示すように、ティルトレバー13の
近傍には前傾操作検知手段としての前傾検出スイッチ1
8と、後傾操作検知手段としての後傾検出スイッチ19
とが設けられている。両検出スイッチ18,19はマイ
クロスイッチからなり、前傾検出スイッチ18はティル
トレバー13が前傾位置にあるときはオンに、それ以外
の位置にあるときはオフとなる。後傾検出スイッチ19
はティルトレバー13が後傾位置にあるときはオンに、
それ以外の位置にあるときはオフとなる。
【0030】次にリフトシリンダ4及びティルトシリン
ダ9を駆動するための油圧回路を図6に従って説明す
る。図6に示すように、リフトシリンダ4のボトム室4
bは管路20を介してリフト用制御弁22に接続されて
いる。リフト用制御弁22には手動操作の7ポート3位
置切換弁が使用され、フォーク6の昇降及び停止を指示
するリフトレバー12の上昇、中立及び下降操作位置に
対応して、a,b,cの3つの状態に切換可能となって
いる。手動操作方向切換弁としてのティルト用制御弁2
3には6ポート3位置切換弁が使用され、フォーク6の
傾動及び停止を指示するティルトレバー13の前傾、中
立及び後傾操作位置に対応して、c,b,aの3つの状
態に切換可能となっている。
【0031】各シリンダ4,9にオイルタンク24内の
作動油を供給する油圧ポンプ25はエンジンE(図4に
図示)により駆動される。油圧ポンプ25はメイン管路
としての作動油供給用管路26を介してリフト用制御弁
22のポートP1 に接続されている。作動油供給用管路
26には油圧ポンプ25から供給される作動油を荷役装
置側(リフトシリンダ4及びティルトシリンダ9)と、
パワーステアリング用バルブ27側とに分流するフロー
デバイダ28が設けられている。作動油供給用管路26
はフローデバイダ28より下流側において分岐された分
岐管路26a,26bを介してポートP2 ,ポートP3
にそれぞれ接続されている。分岐管路26aには逆止弁
29が設けられている。また、作動油供給用管路26は
リリーフ弁30が設けられた管路31aを介して戻り管
路32に接続されている。リフト用制御弁22はポート
T1 において戻り管路32に、ポートA1 において管路
20に、ポートA2 において管路31bに、ポートA3
において管路34にそれぞれ接続されている。管路31
bは戻り管路32に接続されるとともに、途中にリリー
フ弁33が設けられている。リリーフ弁33の設定圧力
はリリーフ弁30の設定圧力より小さな値に設定されて
いる。
【0032】リフト用制御弁22はリフトレバー12の
上昇操作に基づいてa位置に配置され、a位置において
分岐管路26aと管路20とを連通させてリフトシリン
ダ4を伸長させる。リフト用制御弁22はリフトレバー
12の下降操作に基づいてc位置に配置され、c位置に
おいて管路20と戻り管路32とを、作動油供給用管路
26と管路34とを、分岐管路26bと管路31bとを
それぞれ連通させてリフトシリンダ4を収縮させる。
【0033】また、リフト用制御弁22はリフトレバー
12の中立操作に基づいてb位置に配置され、b位置に
おいて作動油供給用管路26と管路34とを、分岐管路
26bと管路31bとをそれぞれ連通させる。そして、
管路20と分岐管路26a及び戻り管路32との連通を
遮断し、リフトシリンダ4内の作動油の移動を阻止する
状態に保持するようになっている。
【0034】油圧ポンプ25は作動油供給用管路26か
ら分岐した作動油供給用管路35を介してティルト用制
御弁23のポートP11に接続されている。作動油供給用
管路35には逆止弁36が設けられている。ティルト用
制御弁23のポートP12には管路34が接続されてい
る。ティルト用制御弁23はポートT11において戻り管
路32aに、ポートT12において戻り管路32bにそれ
ぞれ接続されている。ティルト用制御弁23はポートA
11において管路37aに、ポートA12において管路37
bにそれぞれ接続されている。管路37aはティルトシ
リンダ9のロッド室9bに、管路37bはボトム室9c
にそれぞれ接続されている。
【0035】ティルト用制御弁23は、ティルトレバー
13の後傾操作に基づいてa位置に配置され、a位置に
おいて作動油供給用管路35と管路37aとを、戻り管
路32aと管路37bとをそれぞれ連通させる状態に配
置されてティルトシリンダ4を収縮可能とする。ティル
ト用制御弁23はティルトレバ13の前傾操作に基づい
てc位置に配置される。c位置においては、作動油供給
用管路35と管路37bとが連通されるとともに、管路
37aを戻り管路32aと連通させる状態に配置されて
ティルトシリンダ9を伸長可能とする。また、ティルト
用制御弁23はティルトレバー13の中立操作に基づい
て図6のb位置に配置され、両管路37a,37bと作
動油供給用管路35及び戻り管路32aとの連通を遮断
して、ティルトシリンダ9内の作動油の移動を阻止する
状態に保持される。
【0036】管路37aの途中には制御弁38及びパイ
ロット操作逆止弁39が設けられている。パイロット操
作逆止弁39は制御弁38とロッド室9bとの間に、ロ
ッド室9b側から制御弁38側への作動油の流れを規制
する状態に設けられている。制御弁38は1方弁であっ
て、管路37aを開閉する直動式のスプールを備えてい
る。制御弁38は常時閉弁型の制御弁であって、パイロ
ット油圧により作動する2ポート2位置の弁が使用さ
れ、バネ40のバネ力により管路37aを閉鎖するa位
置と、管路37aを連通するb位置との2つの位置に切
換可能となっている。前記スプールにはb位置に配置さ
れたときに、管路37aを連通させる通路41が形成さ
れ、同通路41にはオリフィス42を備えている。制御
弁38及びパイロット操作逆止弁39へのパイロット圧
は比例ソレノイド弁43により供給される。制御弁38
及び比例ソレノイド弁43により、ティルトシリンダ9
とティルト用制御弁23とを接続する管路37aの開閉
を行う電磁弁が構成されている。
【0037】前記パイロット操作逆止弁39及び比例ソ
レノイド弁43にパイロット圧を供給するパイロット圧
供給手段は、作動油供給用管路26のフローデバイダ2
8より上流側において作動油供給用管路26から分岐さ
れた管路44により構成されている。管路44の途中に
は減圧弁45及びフィルタ46が設けられている。
【0038】比例ソレノイド弁43は、そのタンクポー
トT2が戻り管路32aに接続され、Aポートが管路4
4に接続されている。また、比例ソレノイド弁43のB
ポートは制御弁38のスプールの一端に設けられた圧力
室(図示しない)に連通されている。なお、前記制御弁
38において、スプールの他端側の圧力室(図示しな
い)は、戻り管路32に連通されている。
【0039】比例ソレノイド弁43は、常時閉鎖型のソ
レノイド弁であって、そのソレノイドが消磁されている
ときには、バネ47によりにBポートとタンクポートT
2とが連通されている。また、比例ソレノイド弁43は
スプールの作動量が、励磁のために供給される電流に比
例するように構成されており、ソレノイドが励磁された
ときにスプールが作動してAポートとBポートとが連通
し、同スプールの作動位置にて設定されるパイロット圧
を制御弁38のスプールに供給する。このパイロット圧
により、制御弁38のスプールがバネ40のバネ力に抗
して移動されるようになっている。
【0040】比例ソレノイド弁43のスプールは指令電
流値が第1の所定値に達するまでは移動せず、出力パイ
ロット圧がゼロに保持されて制御弁38は開度0に保持
される。指令電流値が第1の所定値に達した後、第2の
所定値に達するまでは指令電流値に比例してスプールが
移動量され、制御弁38にパイロット圧が供給されて制
御弁38の開度が増大する。そして、指令電流値が第2
の所定値以上では比例ソレノイド弁43のスプールは全
開位置に保持され、制御弁38も全開の状態に保持され
る。従って、制御弁38の開度即ち流量Lと指令電流値
Iとの関係は、図2に示すように、指令電流値Iが0よ
り大きな第1の所定値I1d,I1 ,I1uまでは流量0で
一定で、第1の所定値I1d,I1 ,I1uから第2の所定
値I2d,I2 ,I2uまでは指令電流値に比例して増大
し、第2の所定値I2d,I2 ,I2u以上では最大流量L
MAX で一定となる。
【0041】なお、リフト用制御弁22、ティルト用制
御弁23、パイロット操作逆止弁39、逆止弁29,3
6、リリーフ弁30,33、制御弁38、比例ソレノイ
ド弁43及び減圧弁45は1個のハウジング内に形成さ
れて、全体として1個のコントロールバルブ48を構成
している。
【0042】次に、この油圧回路を制御する電気的構成
を説明する。図3に示すように、制御弁38の開度、即
ち比例ソレノイド弁43の出力パイロット圧を制御する
制御装置49は、マイクロコンピュータ50、入・出力
インタフェース56,57、EEPROM54b及びソ
レノイド駆動回路52を備えている。マイクロコンピュ
ータ50は、演算手段としての中央処理装置(以下、C
PUという)53と、読出し専用メモリ(ROM)54
aと、読出し及び書替え可能なメモリ(RAM)55
と、アナログデジタル変換回路(A/D変換回路)51
とを備えている。CPU53は制御手段及び設定手段と
して機能する。
【0043】ROM54aには各種制御プログラム及び
プログラムを実行する際に必要なデータが記憶(格納)
されている。制御プログラムには、例えば後傾速度制限
制御プログラム、調整モードプログラム、後傾速度制限
用電流値を設定する際に使用される後傾速度制限用電流
値設定プログラムがある。また、EEPROM54bに
は後傾速度制限制御プログラムを実行するのに必要なデ
ータとして、後傾速度制限時に使用する指令電流値が記
憶されている。
【0044】CPU53は入力インタフェース56及び
A/D変換回路51を介してポテンショメータ15及び
圧力センサ17にそれぞれ接続されている。CPU53
は入力インタフェース56を介して揚高センサ14、前
傾検出スイッチ18及び後傾検出スイッチ19にそれぞ
れ接続されている。CPU53は出力インタフェース5
7を介してソレノイド駆動回路52に接続されている。
【0045】ソレノイド駆動回路52は、CPU53か
ら出力された指令信号に基づいてディザー制御を行うべ
く所定周波数のパルス信号をトランジスタ(図示せず)
のベース端子に印加してオンオフ作動させ、比例ソレノ
イド弁43のソレノイドに所定値のソレノイド電流(指
令電流)を流すようになっている。
【0046】制御装置49は電流検出回路58を備えて
いる。電流検出回路58は比例ソレノイド弁43と電気
的に接続されるとともに、入力インタフェース56及び
A/D変換回路51を介してCPU53に接続されてい
る。電流検出回路58は比例ソレノイド弁43のソレノ
イドに流れる電流を検出し、電流量に対応した電圧信号
をA/D変換回路51に出力する。
【0047】また、制御装置49にはCPU53による
制御モードを、通常モードと調整モードとの切換えを行
う切換え手段としての役割を果たすマッチングスイッチ
59が接続されている。マッチングスイッチ59は入力
インタフェース56を介してCPU53に接続されてい
る。マッチングスイッチ59は、フォークリフト1の製
作後、マスト3の後傾速度制限用の電流値を設定すると
きにのみ調整モードに切換えられ、ユーザーがフォーク
リフト1を使用するときには、通常モードにセットされ
ている。
【0048】CPU53は前記各センサ14,15,1
7及び両スイッチ18,19の出力信号を入力するとと
もに、ROM54aに記憶された各種制御プログラムに
従って動作し、ティルトシリンダ9の作動時に、ソレノ
イド駆動回路52を介して比例ソレノイド弁43への制
御指令信号を出力する。CPU53はマッチングスイッ
チ59がオフのときに通常モードで比例ソレノイド弁4
3の制御を行い、マッチングスイッチ59がオンのとき
に調整モードで比例ソレノイド弁43の制御を行うよう
になっている。CPU53は電流検出回路58の出力信
号に基づいて比例ソレノイド弁43のソレノイドに実際
に流れている指令電流値を演算し、指令電流値をフィー
ドバック制御する。
【0049】CPU53はマッチングスイッチ59がオ
ンの状態で、後傾検出スイッチ19がオンになると、比
例ソレノイド弁43への指令電流値を徐々に上昇させる
ように出力する。CPU53はポテンショメータ15の
検出信号に基づいてマスト3の後傾速度を演算し、マス
ト3の後傾速度が所定値になったときの前記指令電流値
を後傾速度制限用の電流値として設定するようになって
いる。
【0050】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。エンジンEが作動されて油圧ポンプ25が駆
動されると、オイルタンク24内の作動油が作動油供給
用管路26へ吐出される。従って、パイロット圧を供給
する管路44は、油圧ポンプ25が駆動されるとすぐに
パイロット圧が供給可能な状態となる。
【0051】リフトレバー12を中立位置から上昇操作
すると、リフト用制御弁22のスプールがa位置に配置
され、油圧ポンプ25から吐出される作動油がリフトシ
リンダ4のボトム室4bに供給され、リフトシリンダ4
が伸長してフォーク6が上昇する。リフトレバー12を
下降操作すると、リフト用制御弁22のスプールがc位
置に配置され、ボトム室4bの作動油がオイルタンク2
4へと戻されて、リフトシリンダ4が収縮してフォーク
6が下降する。リフトレバー12の中立操作に基づいて
リフト用スプールがb位置に配置され、リフトシリンダ
4内の作動油の移動が阻止され、フォーク6が所望の揚
高位置に保持される。
【0052】また、ティルトレバー13が中立位置にあ
る状態では、スプールは図6のb位置に保持され、両管
路37a,37bは作動油供給用管路35及び戻り管路
32aのいずれに対しても連通が遮断された状態に保持
される。そして、ティルトシリンダ9の作動油の移動が
阻止され、マスト3は所望の傾動角度の状態に保持され
る。
【0053】ティルトレバー13の前傾操作によりスプ
ールがc位置に配置されると、作動油供給用管路35と
管路37bとが連通され、管路37aと戻り管路32a
とが連通される状態になる。また、ティルトレバー13
が前傾操作されると、CPU53に前傾検出スイッチ1
8のオン信号が入力される。そして、CPU53からソ
レノイド駆動回路52を介して比例ソレノイド弁43に
励磁指令信号が出力され、管路37aの制御弁38及び
パイロット操作逆止弁39にパイロット圧が供給されて
作動油が管路37aを流れることが可能な状態となる。
その結果、作動油供給用管路35及び管路37bを介し
て作動油がボトム室9cに供給され、ロッド室9b内の
作動油が管路37a及び戻り管路32aを介してオイル
タンク24に排出されるため、ティルトシリンダ9が伸
長され、マスト3が前側に向かって回動される。マスト
3が垂直状態より前側へ回動(傾動)されればマスト3
即ちフォーク6は前傾される。
【0054】ティルトレバー13の後傾操作によりスプ
ールがa位置に配置されると、作動油供給用管路35と
管路37aとが連通され、管路37bと戻り管路32a
とが連通される状態になる。また、ティルトレバー13
が後傾操作されると、CPU53に後傾検出スイッチ1
9のオン信号が入力される。そして、CPU53からソ
レノイド駆動回路52を介して比例ソレノイド弁43に
励磁指令電流が出力され、制御弁38及びパイロット操
作逆止弁39にパイロット圧が供給されて作動油が管路
37aを流れることが可能な状態となる。その結果、作
動油供給用管路35及び管路37aを介して作動油がロ
ッド室9bに供給され、ボトム室9c内の作動油が管路
37b及び戻り管路32aを介してオイルタンク24に
排出されるため、ティルトシリンダ9が収縮され、マス
ト3が後側に向かって回動される。マスト3が垂直状態
より後側へ回動(傾動)されればマスト3即ちフォーク
6は後傾される。
【0055】CPU53は後傾検出スイッチ19からオ
ン信号を入力すると、揚高センサ14の出力信号がハイ
(H)かロウ(L)かを判断する。そして、ロウであれ
ば後傾速度制限を行わず、比例ソレノイド弁43に全開
の指令電流値を供給する指令信号をソレノイド駆動回路
52に出力する。その結果、比例ソレノイド弁43は全
開となり、制御弁38が全開位置に移動されてその状態
に保持され、作業者によるティルトレバー13の操作量
に対応した流量で作動油がロッド室9bに供給されてマ
スト3が後方に回動(後傾)される。従って、エンジン
全開でティルトレバー13の後傾操作量を最大にする
と、マスト3は最高速度で後傾作動される。
【0056】一方、揚高センサ14の出力信号がハイで
あれば、CPU53は後傾速度制限を実行する。即ち、
CPU53は比例ソレノイド弁43にEEPROM54
bに記憶された後傾速度制限用の指令電流値を供給する
指令信号をソレノイド駆動回路52に出力する。その結
果、比例ソレノイド弁43は所定の開度に保持され、制
御弁38も所定の開度に保持される。従って、作業者が
エンジン全開でティルトレバー13の後傾操作量を最大
にしても、マスト3は所定の制限された速度で後傾作動
される。
【0057】CPU53はソレノイド駆動回路52に指
令信号を出力する場合、直ちに所定の指令電流値に対応
した指令信号を出力せずに、図8に示すように、所定時
間をかけて所定の指令電流値に達するように指令信号を
出力する。従って、鎖線で示すように、直ちに所定の指
令電流値に対応した指令信号を出力する場合に比較して
後傾動作開始時にショックが小さくなる。
【0058】また、CPU53は両検出スイッチ18,
19のいずれからもオン信号が出力されない場合は、比
例ソレノイド弁43への励磁指令を行わない。従って、
制御弁38及びパイロット操作逆止弁39にパイロット
圧が供給されないため、ロッド室9b側からティルト用
制御弁23側への作動油の流れが阻止された状態に保持
される。
【0059】次にマスト3の後傾速度制限用電流値の設
定方法を説明する。フォークリフト1の製作後、各種の
調整作業の一環として後傾速度制限用電流値の設定が行
われる。また、フォークリフト1の使用後、メンテナン
スのため等でコントロールバルブ49全体の交換やティ
ルトシリンダ9に関係する部品の交換を行ったときにも
後傾速度制限用電流値の設定が行われる。後傾速度制限
用電流値を設定するときは、先ずマスト3を最前傾位置
に移動させた後、マッチングスイッチ59を調整モード
に切り換えた状態で、積載荷重無しでエンジンEを全開
にしてティルトレバー13を後傾位置に操作する。マッ
チングスイッチ59を調整モードに切り換えると、マッ
チングスイッチ59はオン信号が出力する状態となる。
また、ティルトレバー13が後傾操作されると後傾検出
スイッチ19からオン信号が出力される。
【0060】CPU53は後傾検出スイッチ19及びマ
ッチングスイッチ59の両者からオン信号を入力する
と、後傾速度制限用電流値の設定プログラムを実行す
る。このときCPU53は、ティルトシリンダ9を通常
の後傾速度より遅い速度で、かつその速度を徐々に増加
させるように駆動するための指令信号をソレノイド駆動
回路52に出力する。例えば、CPU53は、指令電流
値を一定時間毎に一定量ずつ上昇させて比例ソレノイド
弁43に供給するように、ソレノイド駆動回路52へ指
令信号を出力する。この実施の形態ではCPU53は2
00msec 毎に指令電流値を0.05Aずつ上昇させる
ように制御する。また、CPU53はポテンショメータ
15の検出信号を入力して、各所定時間毎のティルト角
θの変化量に対応する電圧変化ΔVを演算する。
【0061】次に、図1のフローチャートに従って、よ
り詳しく後傾速度制限用電流値の設定方法を説明する。
CPU53はステップS1で比例ソレノイド弁43の指
令電流値が所定の値(0.05A)となる指令信号をソ
レノイド駆動回路52に出力する。そして、ステップS
2で200msec 間のポテンショメータ15の電圧変化
量ΔVが所定の範囲(Vs1〜Vs2)内に有るか否かを判
断する。ここで、例えばVs1は0.18V程度、Vs2は
0.2V程度である。ステップS2で電圧変化量ΔVが
前記所定の範囲内になければ、CPU53はステップS
3に進み、指令電流値が前回の値より0.05A増加さ
せた値となる指令信号をソレノイド駆動回路52に出力
した後、ステップS2に進む。ステップS2で電圧変化
量ΔVが所定の範囲内(仕様の後傾制限速度を含み許容
のばらつき幅を有する範囲)に有れば、CPU53はス
テップS4に進み、そのときの指令電流値を後傾速度制
限用電流値Is として設定する。そして、その値が後傾
速度制限用電流値Is としてEEPROM54bに書き
込まれる。即ち、電磁弁の特性が図2の実線で示すもの
であれば、仕様の流量Ls に対応する指定電流値はIs
となり、二点鎖線で示す特性であれば指定電流値はIsd
となり、破線で示す特性であれば指定電流値はIsuとな
る。
【0062】図2に示すように、後傾速度制限用電流値
Is は全開時の最大指令電流値のIf のほぼ半分の値で
あるため、ステップS2及びステップS3が複数回繰り
返された後、ステップS4において後傾速度制限用電流
値Is が設定される。ステップS2で電圧変化量ΔVが
所定の範囲内に有るか否かで判断するのは、電圧変化量
ΔVが所定値Vs1以上か否かで判断すると、流量Lが許
容される範囲より大きな値となる値に後傾速度制限用電
流値Is が設定されるのを防止するためである。一回に
上昇させる電流値を小さくすれば、電圧変化量ΔVが所
定値Vs1以上か否かで判断しても、流量Lが許容される
範囲より大きな値となる値に後傾速度制限用電流値Is
が設定されるのを防止できる。
【0063】また、エンジンEが全開(油圧ポンプ25
が最高速度で回転)かつ、積載荷重無しの条件で後傾速
度制限用電流値の設定を行うのは、マスト3が最も速く
移動可能な状態を基準にして後傾時の制限速度を決める
ためである。例えば、エンジン全開以外の状態で後傾速
度制限用電流値を決定すると、フォークリフト1で荷役
作業中に作業者がエンジン全開状態でティルトレバー1
3を後傾側にいっぱいに操作したとき、所定の後傾制限
速度より速くマストが後傾することになり、好ましくな
いからである。
【0064】この実施の形態では以下の効果を有する。 (イ) 後傾速度制限用の電流値を設定する際、電磁弁
(制御弁38+比例ソレノイド弁43)への指令電流値
を徐々に上昇させるとともに、傾動角度検出手段(ポテ
ンショメータ15)からの検出信号をモニタして、後傾
速度が所定の値になったときの指令電流値を後傾速度制
限用の電流値として設定する。従って、電磁弁の電流−
流量特性がばらついても仕様通りの後傾速度制限を実現
する後傾速度制限用の電流値を簡単に設定できる。その
結果、フォークリフト1毎に後傾速度制限用の電流値の
調整が簡単にできるため、電磁弁を高精度化する必要が
なく、構造の単純化及び製造コストの低減が可能とな
る。
【0065】(ロ) 後傾速度制限用の電流値を設定す
る調整モードでは、ティルトシリンダが通常の後傾速度
より遅い速度で作動されるため、傾動角度検出手段から
の検出信号のモニタや後傾速度が所定の値(所定範囲)
になったか否かの判断処理を余裕をもってできる。
【0066】(ハ) 後傾速度制限用の電流値を設定す
る際、電磁弁への指令電流値を一定時間毎に一定量ずつ
上昇させ、その間における傾動角度検出手段(ポテンシ
ョメータ15)の電圧変化量ΔVをモニタして、後傾速
度制限用の電流値を設定するため、指令電流値を任意の
時間毎に異なる量ずつ上昇させる場合に比較して制御が
簡単になる。
【0067】(ニ) 傾動角度検出手段(ポテンショメ
ータ15)の電圧変化量ΔVをモニタして、その値が所
定の範囲(Vs1〜Vs2)内にあるときの指令電流値を後
傾速度制限用の電流値として設定するため、流量Lが許
容範囲より大きな値となる値に後傾速度制限用電流値I
s が設定されるのを確実に防止できる。
【0068】(ホ) エンジンEが全開かつ、積載荷重
無しの条件で後傾速度制限用電流値の設定が行われるた
め、荷役作業中に作業者がエンジン全開状態でティルト
レバー13を後傾側にいっぱいに操作しても、所定の後
傾制限速度より速くマストが後傾することはなく、マス
ト3が最後傾位置で停止するときのショックが確実に小
さくなる。
【0069】(ヘ) 後傾速度制限用電流値がEEPR
OM54bに記憶されるため、フォークリフト1の機台
毎に調整を行って設定した後傾速度制限用電流値を容易
かつ確実に記憶手段に記憶させることができる。また、
コントロールバルブ49の交換等のため、後傾速度制限
用電流値を新たに設定し直すときも、その書き替えが容
易になる。
【0070】(ト) 制御弁38の開度が比例ソレノイ
ド弁43を介して供給されるパイロット圧により制御可
能なため、後傾速度制限用電流値を設定する際に、制御
弁38の開度を徐々に大きくするように指令電流値を徐
々に増大させるのが容易になる。
【0071】(チ) 揚高を高揚高か否かの2段階で判
断して後傾速度制限を行うか否かを決定するため、CP
U53の演算が容易になる。 (リ) パイロット操作逆止弁39及び比例ソレノイド
弁43にパイロット圧を供給するパイロット圧供給手段
を、リフトシリンダ4への作動油供給用管路26から分
岐された管路44で構成したため、パイロット圧供給手
段の構成が簡単になる。
【0072】(ヌ) ティルトシリンダへ9への作動油
の供給の制御が、ティルトシリンダ9への作動油の供
給、排出を切換え制御するティルト用制御弁23(手動
操作方向切換弁)と、ティルト用制御弁23とティルト
シリンダ9とを接続する管路37aの途中に設けられた
制御弁38とにより行われる。従って、作業者が従来の
手動操作弁とほぼ同様な操作でティルト動作を実施で
き、しかも、後傾動作時にマスト3が必要以上に高速で
後傾されることを防止でき。
【0073】(ル) スプール弁は大きな圧が加わった
状態では摺動面から作動油が漏れるが、前傾停止状態で
はティルト用制御弁23とロッド室9bとを接続する管
路37aに設けられたパイロット操作逆止弁39が閉鎖
状態となるため、ティルト用制御弁23に大きな圧が作
用しない。従って、所定の前傾位置にマスト3を長時間
保持する際に、ティルト用制御弁23や制御弁38から
の作動油の漏れが防止され、確実に所定の前傾角度に保
持される。
【0074】なお、実施の形態は上記に限定されるもの
ではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 後傾速度制限用電流値として設定すべき電流値を求
める作業を、図1のフローチャートに示す1回の手順で
終了せずに、前記電流値を求める動作を複数回行い、求
められた複数回(例えば、2〜数回)の電流値の平均値
を後傾速度制限用電流値として設定してもよい。この場
合、1回で設定された値に比較して、設定された後傾速
度制限用電流値の信頼性が高くなる。
【0075】○ 後傾速度制限用の電流値を設定する
際、電磁弁への指令電流値を一定量ずつ上昇させる代わ
りに、初期は1回の上昇量を大きく設定し、仕様の後傾
制限速度と対応する流量に近い付近から上昇量を小さく
設定する。この場合、後傾速度制限用の電流値の設定に
要する時間が短くなる。
【0076】○ 後傾速度制限用の電流値を設定する
際、傾動角度検出手段(ポテンショメータ15)の電圧
変化量ΔVから次に出力する指令電流値の上昇量を決め
る構成としてもよい。この場合も、後傾速度制限用の電
流値の設定に要する時間が短くなる。
【0077】○ 積載荷重無し、かつエンジン全開状態
以外の条件で後傾速度制限用の電流値を設定してもよ
い。 ○ 後傾速度制限用電流値をバックアップ用の電池を備
えたRAMに記憶させたり、あるいはROM54aに記
憶させて、EEPROM54bを省略してもよい。バッ
クアップ用の電源を備えたRAMに記憶させる場合は、
後傾速度制限用電流値の補正が容易になる。
【0078】○ マスト角度検出手段はマスト3の基準
位置からの傾動角度を検出可能なものであればよく、テ
ィルトシリンダ9の回動角を検出する回転式のポテンシ
ョメータ15に限らず、例えば、ティルトシリンダ9の
伸縮量、即ちピストンロッド9aの突出量を検出するリ
ニアポテンショメータを使用してもよい。また、マスト
3とともに回動する軸の回動角度をポテンショメータや
ロータリエンコーダで検出する構成としてもよい。
【0079】○ 揚高センサ14は被検知部が有るか否
かを検知できるセンサであればよく、近接スイッチに代
えてリミットスイッチや光スイッチを使用してもよい。 ○ 揚高を高揚高か否かの2段階ではなく、揚高センサ
14を複数設けて揚高を3段階あるいは4段階以上の複
数段階で検出可能とする。そして、荷の積載時には荷の
荷重との組み合わせで、後傾速度制限を3段階以上で行
うようにする。この場合、荷の有無に拘わらず2段階の
揚高で後傾速度制限を行う場合に比較して、後傾速度を
より適正な値に設定できる。
【0080】この場合、揚高検出手段として揚高を連続
的に検出可能なセンサを使用してもよい。例えば、揚高
を連続的に検出可能なセンサとして、従来使用されてい
るリール式の揚高センサを使用する。また、揚高を連続
的に検出するセンサとしてリール式の揚高センサ以外の
ものを使用してもよい。
【0081】○ パイロット圧供給手段を作動油供給用
管路26から分岐された管路44で構成する代わりに、
エンジンEで駆動される容量の小さな油圧ポンプを別に
設け、その油圧ポンプから管路44にパイロット圧用の
作動油を供給する構成としてもよい。この場合、減圧弁
45はなくてもよい。
【0082】○ パイロット操作逆止弁39を省略して
もよい。パイロット操作逆止弁39がない場合は、制御
弁38をボトム室9cとティルト用制御弁23を接続す
る管路37bに設けてもよい。
【0083】○ リフト用制御弁22、ティルト用制御
弁23、制御弁38及び比例ソレノイド弁43等を一体
に形成したが、各制御弁22,23,38を別体に形成
してもよい。
【0084】○ 荷役用アタッチメントとしてフォーク
6以外のアタッチメント、例えばロール紙の運搬に使用
するロールクランプ、ブロックの運搬や高積み作業に使
用するブロッククランプ、コイル状に巻かれたワイヤ及
びケーブル等コイル状あるいは円筒状の荷の運搬に使用
するラム等を装備した産業車両に適用してもよい。
【0085】○ エンジンを駆動源とする産業車両に限
らず、バッテリを駆動源とする産業車両に適用してもよ
い。 ○ 前記実施の形態では、後傾速度制御のための電流値
調整について説明したが、前傾速度制御のための電流値
調整に適用してもよい。例えば、従来ティルト用制御弁
23に絞りを設けて前傾速度を規制していたが、制御手
段(CPU53)からの指令により制御弁38を絞りに
相当する所定流量となる開度に制御する構成とする。こ
の場合、前記と同様に電磁弁(比例ソレノイド弁43)
のばらつきによる規制前傾速度のばらつきを防止するた
め、前傾速度制御用電流値の設定をフォークリフト毎に
行う必要がある。そのとき、前記実施の形態と基本的に
同様な方法で前傾速度制御用電流値の設定を簡単に行う
ことができる。
【0086】CPU53はマッチングスイッチ59がオ
ンの状態で、前傾検出スイッチ18がオンになると、比
例ソレノイド弁43への指令電流値を徐々に上昇させる
ように出力する。CPU53はポテンショメータ15の
検出信号に基づいてマスト3の前傾速度を演算し、マス
ト3の前傾速度が所定値になったときの前記指令電流値
を前傾速度制限用の電流値として設定する。即ち、図1
のフローチャートにおいて、ステップS2の判断値Vs
1,Vs2として前傾速度制御に対応した値を採用し、ス
テップS4において前傾速度制限用電流値を決定する。
この場合は、ティルトシリンダへの作動油の供給流量を
制御する電磁弁の前傾速度制限用電流値の設定を簡単に
行うことができる。従って、電磁弁の電流−流量特性が
ばらついても仕様通りの前傾速度制限を実現でき、電磁
弁を高精度化する必要がなくなり構造の単純化及び製造
コストの低減を図れる。また、ティルト用制御弁23の
絞りを廃止できる。
【0087】本明細書で「後傾速度」とは、マストが垂
直状態(基準位置)より後方に傾くように移動するとき
の速度だけでなく、マストが前傾状態から基準位置に向
かって移動するときの速度も意味する。
【0088】前記各実施の形態から把握できる請求項記
載以外の技術思想(発明)について、以下にその効果と
ともに記載する。 (1) 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明に
おいて、前記傾動角度検出手段はマストの基準位置から
の傾動量に対応した電圧を出力する構成である。この場
合、電圧の変化量により後傾速度が簡単に検出できる。
【0089】(2) 請求項1〜請求項7及び(1)の
いずれかに記載の発明において、後傾速度制限用の電流
値を設定する際、記憶手段としてのEEPROMに記憶
させる。この場合、電磁弁の交換あるいはメンテナンス
時に後傾速度制限用の電流値を変更する際に記憶手段へ
の記憶(書き込み)及び保存が容易となる。
【0090】(3) 請求項1〜請求項7のいずれかに
記載の発明において、前記電磁弁はパイロット圧で切換
操作されるとともに、パイロット圧が比例ソレノイド弁
で制御される構成である。この場合、後傾速度制限用の
電流値を設定する際に弁の開度を徐々に増加させるのが
容易となる。
【0091】(4) 請求項1〜請求項4のいずれかに
記載の発明において、マストを最前傾位置に配置した状
態から後傾速度制限用電流値の設定動作を開始する。こ
の場合、マストが最後傾位置に達するまでのマストの回
動量を大きく確保でき、設定作業が容易となる。
【0092】(5) 荷役用アタッチメントを昇降移動
させるマストが傾動可能に装備され、マストを傾動する
ティルトシリンダへの作動油の供給流量が、制御手段か
らの指令電流によって開度調整される電磁弁により制御
される産業車両のマストの前傾速度制御用電流値の設定
方法であって、油圧ポンプを所定の回転速度で駆動しか
つ前記ティルトシリンダを前傾作動させる状態におい
て、前記電磁弁への指令電流値を徐々に上昇させるとと
もに、マストの傾動角度を連続的に検出可能な傾動角度
検出手段からの検出信号をモニタし、前傾速度が所定の
値になったときの指令電流値を前傾速度制限用の電流値
として設定する産業車両のマストの前傾速度制御用電流
値の設定方法。この場合、ティルトシリンダへの作動油
の供給流量を制御する電磁弁の前傾速度制限用電流値の
設定を簡単に行うことができる。従って、電磁弁の電流
−流量特性がばらついても仕様通りの前傾速度制限を実
現でき、電磁弁を高精度化する必要がなくなり構造の単
純化及び製造コストの低減を図れる。また、ティルト用
制御弁の絞りを廃止することが可能となる。
【0093】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項7
に記載の発明によれば、ティルトシリンダへの作動油の
供給流量を制御する電磁弁の後傾速度制限用電流値の設
定を簡単に行うことができる。従って、電磁弁の電流−
流量特性がばらついても仕様通りの後傾速度制限を実現
でき、電磁弁を高精度化する必要がなくなり構造の単純
化及び製造コストの低減を図れる。
【0094】請求項2及び請求項6に記載の発明によれ
ば、指令電流値が一定時間毎に一定量ずつ上昇するよう
に変更されるため、任意の上昇量で指令電流値を出力す
る場合に比較して制御が容易となる。
【0095】請求項3に記載の発明によれば、前記後傾
速度制限用電流値として設定すべき電流値を複数回求
め、その平均値を後傾速度制限用電流値として設定する
ため、1回の設定処理で設定する場合に比較して信頼性
が高くなる。
【0096】請求項4に記載の発明によれば、油圧ポン
プの最高回転速度において後傾速度制限用電流値基準を
設定するため、後傾速度制限時に後傾速度が確実に所定
速度以下になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 後傾速度制限用電流値の設定手順を示すフロ
ーチャート。
【図2】 指令電流値と流量の関係を示す線図。
【図3】 制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】 フォークリフトの側面図。
【図5】 ティルト操作レバーの側面図。
【図6】 ティルトシリンダ及びリフトシリンダ作動用
の油圧回路図。
【図7】 ティルト角とポテンショメータの出力電圧の
関係を示す線図。
【図8】 後傾速度制御のためのマップを示す線図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、3…マスト、6
…荷役用アタッチメントとしてのフォーク、9…ティル
トシリンダ、13…ティルト用操作手段としてのティル
トレバー、14…揚高検出手段としての揚高センサ、1
5…マスト角度検出手段としてのポテンショメータ、1
9…後傾操作検出手段としての後傾検出スイッチ、25
…油圧ポンプ、38…電磁弁を構成する制御弁、43…
同じく比例ソレノイド弁、49…制御装置、53…制御
手段及び設定手段としてのCPU、54b…記憶手段と
してのEEPROM、59…切換え手段としてのマッチ
ングスイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66F 9/22,9/24

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷役用アタッチメントを昇降移動させる
    マストが傾動可能に装備され、マストを傾動するティル
    トシリンダへの作動油の供給流量が、制御手段からの指
    令電流によって開度調整される電磁弁により制御される
    産業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法で
    あって、 油圧ポンプを所定の回転速度で駆動しかつ前記ティルト
    シリンダを後傾作動させる状態において、前記電磁弁へ
    の指令電流値を徐々に上昇させるとともに、マストの傾
    動角度を連続的に検出可能な傾動角度検出手段からの検
    出信号をモニタし、後傾速度が所定の値になったときの
    指令電流値を後傾速度制限用の電流値として設定する産
    業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は前記指令電流値を一定時
    間毎に一定量ずつ上昇させて、その間における後傾速度
    が所定の値になったときの前記指令電流値を後傾速度制
    限用の電流値として設定する請求項1に記載の産業車両
    のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法。
  3. 【請求項3】 前記後傾速度制限用電流値として設定す
    べき電流値を複数回求め、その平均値を後傾速度制限用
    電流値として設定する請求項1又は請求項2に記載の産
    業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法。
  4. 【請求項4】 前記油圧ポンプの所定の回転速度は最高
    回転速度である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記
    載の産業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方
    法。
  5. 【請求項5】 荷役用アタッチメントを昇降移動させる
    マストが傾動可能に装備され、マストを傾動するティル
    トシリンダへの作動油の供給流量が電磁弁により制御さ
    れる産業車両において、 前記マストの基準位置からの傾動角度を検出するマスト
    角度検出手段と、 前記電磁弁の開度を制御する制御手段を通常モードと調
    整モードとに切換える切換え手段と、 ティルト用操作手段が後傾位置に操作されたか否かを検
    出する後傾操作検出手段と、 前記電磁弁の開度を制御するための指令電流値を所定の
    条件に従って出力するとともに、前記切換え手段が調整
    モードに切換えられ、かつ前記後傾操作検出手段から後
    傾検出信号が出力されると、前記電磁弁への指令電流値
    を徐々に上昇させるように出力する制御手段と、 前記調整モードにおいて前記マスト角度検出手段の検出
    信号に基づいてマストの後傾速度を演算し、その値が所
    定値になったときの前記指令電流値を後傾速度制限用の
    電流値として設定する設定手段とを備えた産業車両にお
    ける制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は前記調整モードにおい
    て、指令電流値を一定時間毎に一定量ずつ上昇させる請
    求項5に記載の産業車両における制御装置。
  7. 【請求項7】 荷役用アタッチメントを昇降移動させる
    マストが傾動可能に装備され、マストを傾動するティル
    トシリンダへの作動油の供給流量が電磁弁により制御さ
    れる産業車両において、 前記マストの基準位置からの傾動角度を検出するマスト
    角度検出手段と、 前記電磁弁の開度を制御する制御手段を通常モードと調
    整モードとに切換える切換え手段と、 ティルト用操作手段が後傾位置に操作されたか否かを検
    出する後傾操作検出手段と、 前記切換え手段が調整モードに切換えられ、かつ前記後
    傾操作検出手段から後傾検出信号が出力されると、前記
    ティルトシリンダを通常の後傾速度より遅い速度でかつ
    その速度を徐々に増加させるように作動させる制御手段
    とを備えた産業車両における制御装置。
JP09730397A 1997-04-15 1997-04-15 産業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法及び制御装置 Expired - Fee Related JP3156629B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09730397A JP3156629B2 (ja) 1997-04-15 1997-04-15 産業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法及び制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09730397A JP3156629B2 (ja) 1997-04-15 1997-04-15 産業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法及び制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10291796A JPH10291796A (ja) 1998-11-04
JP3156629B2 true JP3156629B2 (ja) 2001-04-16

Family

ID=14188731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09730397A Expired - Fee Related JP3156629B2 (ja) 1997-04-15 1997-04-15 産業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法及び制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3156629B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0866027B1 (en) * 1997-03-21 2004-05-26 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Hydraulic control apparatus for industrial vehicles
CN109911820B (zh) * 2019-04-26 2023-09-22 安徽合力股份有限公司 前移式叉车液压***及控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10291796A (ja) 1998-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11171494A (ja) 産業車両のシリンダ制御装置
JP4234893B2 (ja) シリンダの作動制御装置
JP3301416B2 (ja) 産業車両におけるマスト傾動速度制御装置
EP0878440B1 (en) Tilt control device for forklift
JP3156629B2 (ja) 産業車両のマストの後傾速度制御用電流値の設定方法及び制御装置
JP3074896B2 (ja) フォークリフトにおけるティルトシリンダの油圧制御装置
JP4251419B2 (ja) ダンプトラックのボディ操作装置
JP3173415B2 (ja) 産業車両のシリンダ制御装置
JPH10265193A (ja) 産業車両のティルトシリンダ制御装置
JP6455405B2 (ja) 荷役車両の油圧駆動装置
JP3147033B2 (ja) 産業車両の故障診断装置
JP3794125B2 (ja) 産業車両のティルトシリンダ制御装置
JPH10265194A (ja) 産業車両の油圧制御装置
JPH10338493A (ja) 産業車両におけるマストの傾動装置
JPH10316391A (ja) 産業車両のティルトシリンダ制御装置
JPH0398997A (ja) フォークリフトのポンプ制御装置
JP3721696B2 (ja) 産業車両用の油圧制御装置
JP3191725B2 (ja) 産業車両におけるマストの後傾速度制御装置
JPH04179698A (ja) バッテリ式産業車両における油圧装置
JPH089117Y2 (ja) カウンタバランス型クレーンのマストバックストップ装置
JPH11209095A (ja) 油圧機器制御装置
JP2000034100A (ja) 産業車両の制御装置
JP3180088B2 (ja) 産業車両の油圧制御装置及びフォークリフト
JP4731205B2 (ja) 油圧シリンダの作動制御装置
JP3627570B2 (ja) フォークリフトトラックにおける作業機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees