JPH10265194A - 産業車両の油圧制御装置 - Google Patents

産業車両の油圧制御装置

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JPH10265194A
JPH10265194A JP9069376A JP6937697A JPH10265194A JP H10265194 A JPH10265194 A JP H10265194A JP 9069376 A JP9069376 A JP 9069376A JP 6937697 A JP6937697 A JP 6937697A JP H10265194 A JPH10265194 A JP H10265194A
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JP
Japan
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valve
mast
tilt
hydraulic
control
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Application number
JP9069376A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Takeuchi
敏之 竹内
Yasuhiko Naruse
靖彦 成瀬
Joji Matsuzaki
丈治 松崎
Makio Tsukada
牧生 塚田
Shigeto Nakajima
滋人 中島
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Priority to TW087104173A priority patent/TW568880B/zh
Priority to KR1019980009576A priority patent/KR100257087B1/ko
Priority to CNB98109757XA priority patent/CN1200872C/zh
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧回路構成が簡単で、しかも弁の固着によ
る荷役機器の動作不能をより確実に回避する油圧制御装
置を提供する。 【解決手段】 フォークリフトのティルトシリンダ9の
油路26b,36a,36b,35上には、ティルトレ
バー13により手動で切換えられるティルト用制御弁2
9が配設されている。このティルト用制御弁29とティ
ルトシリンダ9との間の管路36a上には、該管路36
aの油路を開閉する制御弁37と、この制御弁37を作
動させるためのパイロット圧を制御する比例ソレノイド
弁38とからなる電磁弁39が設けられている。比例ソ
レノイド弁38がコントローラにより開閉制御されるこ
とで、ティルトレバー13の操作に独立してマストの停
止制御や速度制御が行われる。ティルト用制御弁29が
固着(スティック)したときには、ティルトレバー13
を多少力を入れて操作すれば切換えが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォークリフト等
の産業車両に、操作レバーの操作に応じてフォーク等の
荷役機器を作動させるために備えられた産業車両の油圧
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばフォークリフトでは、リフトレバ
ーを操作することでリフトシリンダが伸縮駆動されてフ
ォークが昇降し、ティルトレバーを操作することでティ
ルトシリンダが伸縮駆動されてマストが傾動する。リフ
トシリンダやティルトシリンダを駆動制御するための油
圧制御装置が車両には備えられている。
【0003】従来、荷役レバーの操作に応じて油圧シリ
ンダの油路を開閉する制御方式として、主に二通りの方
法が知られていた。一つは、荷役レバーの操作により手
動で切換えられる手動式制御弁(手動切換弁)を使用す
る手動方式である。他の一つは、荷役レバーが操作され
たことをスイッチにより電気的に検知して、コントロー
ラが電磁制御弁(電磁切換弁)を切換える電気制御方式
である(特開平7−61792号公報等)。
【0004】例えば特開平7−61792号公報に開示
された装置では、作業者による荷役レバーの操作に独立
して、コントローラに電磁制御弁を制御させ、例えばフ
ォークを水平姿勢に停止させる自動水平停止制御や、テ
ィルトシリンダの油路上に設けた流量制御用の電磁弁の
開度を制御するマストの傾動速度制御を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、手動制御弁
と電磁制御弁との違いに拘わらず、作動油の温度上昇に
伴う熱膨張や、スプールとボディとの間に入り込んだ油
中の異物が原因で、スプールとボディとの摩擦が過大に
なる固着(スティック)を起こすことがある。手動制御
弁を使用する構成であれば、固着が起きても、作業者が
荷役レバーを多少力を入れて操作することで切換えがで
きる。しかし、電気制御方式では、電磁制御弁を作動さ
せるために予め設定された所定の電流値から決まるスプ
ールの駆動力を越える摩擦抵抗があると、電磁制御弁が
作動不能になってしまう。そのため、荷役レバーを操作
しているにも拘わらず、リフトシリンダやティルトシリ
ンダが動かないという事態が発生する虞れがあった。
【0006】このような事態を回避するため、電磁制御
弁のスプールとボディとの隙間(クリアランス)を大き
く確保して固着を起き難くするなどの対策をすることが
考えられるが、これにも限界があり、またクリアランス
を大きくしたことによる作動油の漏れが新たな問題とな
る。
【0007】また、従来から手動制御方式が汎用されて
いるため、電磁制御弁を使用した電気制御方式を採用し
ようとすると、手動制御弁を電磁制御弁に置き換えるな
どの大幅な設計変更が必要であり、しかも手動制御弁等
の従来部品を活かすことができないという問題があっ
た。さらに、電磁制御弁を使用した構成では、フォーク
やマストの停止制御は電磁制御弁を閉弁制御することで
可能ではあるが、フォークやマストの速度制御をしよう
とすると、その油路上に流量調整用の電磁弁を別個に設
けなければならず、油圧回路が複雑になるとともに、制
御も複雑になるという問題があった。
【0008】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は、油圧回路構成が簡単
で、しかも荷役機器が弁の固着により動作不能となる事
態をより回避できる産業車両の油圧制御装置を提供する
ことにある。第2の目的は、油圧シリンダの油路を開閉
制御することで、荷役機器を水平姿勢で停止させること
にある。第3の目的は、油圧シリンダの油路を流量制御
することで、マストの後傾速度を揚高に応じて制限する
ことにある。第4の目的は、油圧シリンダの油路を流量
制御することで、マストが所定停止角に停止する際の衝
撃を緩和することにある。第5の目的は、キーオフ中に
第三者が誤って操作部を操作したときに、荷役機器がそ
の重量等により動いてしまうことを阻止することにあ
る。第6の目的は、荷役機器の自然降下や自然前傾を抑
えることにある。第7の目的は、荷役機器を停止制御す
る際の位置精度を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載の発明では、産業車両の油圧制御
装置には、荷役機器を作動させるための操作部を操作す
ることにより切換駆動される手動切換弁と、前記荷役機
器を駆動するための油圧シリンダと、前記油圧シリンダ
の油路上に前記手動切換弁と直列に設けられた電磁弁
と、前記荷役機器を制御するために必要な検出値を得る
ための検出手段と、前記検出手段から得た検出値に基づ
いて前記電磁弁を制御する制御手段とが備えられてい
る。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記電磁弁は、電磁比例制御弁であ
る。請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明
において、前記電磁比例制御弁は、前記油圧シリンダの
油路上に前記手動切換弁と直列に設けられた制御弁と、
該制御弁を駆動するために必要なパイロット圧を調整す
る比例ソレノイド弁とからなる。
【0011】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記電磁弁は、複数の開度に切換可
能な制御弁と、該制御弁を複数の開度に切換えるために
必要なパイロット圧を段階的に選択可能に組合わせられ
た複数のオンオフ弁とからなる。
【0012】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記油圧
シリンダは、荷役機器を昇降可能に支持するマストを前
後に傾動させるためのものである。
【0013】第2の目的を達成するため請求項6に記載
の発明では、請求項5に記載の発明において、前記検出
手段は、前記荷役機器を自動で水平に停止させるときに
操作する操作スイッチと、前記マストの傾斜角を検出す
るための傾斜角検出器とを備え、前記制御手段は、前記
操作スイッチが操作された信号を入力するとき、前記傾
斜角検出器からの検出値に基づいて前記荷役機器を水平
とする水平設定角で前記マストが停止するように前記電
磁弁を閉弁させる停止制御を行う自動水平停止手段を備
えている。
【0014】第3の目的を達成するため請求項7に記載
の発明では、請求項5に記載の発明において、前記検出
手段は、荷役機器の揚高を検出するための揚高検出器
と、前記操作部が後傾操作されたことを検知する後傾操
作検知器とを備え、前記制御手段は、前記後傾操作検知
器から前記操作部が後傾操作された検知信号を入力する
と、予め揚高が高いほど遅くなる少なくとも二段階以上
に設定された前記マストの後傾速度の中から、前記揚高
検出器からの検出値に基づいてその時の揚高に応じた後
傾速度を決め、該後傾速度に応じた開度に前記電磁弁を
開度調整する後傾速度制御手段を備えている。
【0015】第4の目的を達成するため請求項8に記載
の発明では、請求項5に記載の発明において、前記検出
手段は前記マストの傾斜角を検出するための傾斜角検出
器を備え、前記制御手段は、前記傾斜角検出器からの検
出値に基づいて前記マストの傾斜角がその停止角手前に
設定された減速域に達したことを認知すると、前記マス
トの傾動速度を減速すべく前記電磁弁の開度を狭く調整
する衝撃緩和制御手段を備えている。
【0016】請求項9に記載の発明では、請求項8に記
載の発明において、前記停止角は、請求項8に記載の産
業車両の油圧制御装置において、請求項6における前記
水平設定角と、前記マストの後傾規制角のうち少なくと
も一方である。
【0017】第5の目的を達成するため請求項10に記
載の発明では、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記
載の発明において、前記電磁弁はノーマルクローズ弁で
あり、前記操作部が操作されたことを検知する操作検知
手段を備え、前記制御手段は該操作検知手段からの検知
信号を入力すると、前記電磁弁を所定閉弁時期以外は開
弁させる。
【0018】第6の目的を達成するため請求項11に記
載の発明では、請求項1〜請求項10のいずれか一項に
記載の発明において、前記手動切換弁と前記油圧シリン
ダを繋ぐ油路上には、車両の始動によって駆動される油
圧ポンプからの油圧で作動するパイロット逆止弁が、前
記荷役機器の自重による該油圧シリンダのピストンロッ
ドの変位を阻止し得る向きに、前記電磁弁よりも前記油
圧シリンダ寄りに設けられている。
【0019】第5の目的を達成するため請求項12に記
載の発明では、請求項1〜請求項11のいずれか一項に
記載の発明において、荷役用の複数の油圧シリンダを備
え、該複数の油圧シリンダのうち前記電磁弁をその油路
上に備えない第2油圧シリンダの油路上には、該第2油
圧シリンダと、該第2油圧シリンダの油路を開閉する第
2手動切換弁との間に、車両の始動によって駆動される
油圧ポンプからの油圧で作動する第2パイロット逆止弁
が、前記荷役機器の自重による該第2油圧シリンダのピ
ストンロッドの変位を阻止し得る向きに設けられてい
る。
【0020】第7の目的を達成するため請求項13に記
載の発明では、請求項1〜請求項12のいずれか一項に
記載の発明において、前記電磁弁は、前記油圧シリンダ
における前記荷役機器からの荷重圧を受ける側の室に接
続された油路上に設けられている。
【0021】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
油圧シリンダの油路上に手動切換弁と直列に設けられた
電磁弁が、検出手段からの検出値に基づいて制御手段に
より制御されることで、荷役機器が操作部の操作に独立
して制御される。すなわち、電磁弁により油圧シリンダ
の油路が開閉制御されることで、荷役機器の停止制御が
可能になる。また、電磁弁により油圧シリンダの油路が
流量調整されることで、荷役機器の速度制御が可能にな
る。従来から汎用されている手動切換弁の油路上に電磁
弁を付け足すだけで比較的簡単に構成され、汎用油圧回
路で使用されていた手動切換弁などの部品も活用でき
る。また、手動切換弁を備えない電気制御方式では、弁
の熱膨張あるいはスプールとボディとの隙間に混入した
異物などが原因で弁が固着(スティック)を起こすと、
荷役機器が動作不能となる心配があったが、固着を起こ
しても操作部を手動で多少力を入れて操作すれば手動切
換弁を切り換えることが可能であるため、弁の固着によ
る荷役機器の動作不能の問題を回避し易い。
【0022】請求項2に記載の発明によれば、電磁弁が
電磁比例制御弁であるので、油圧シリンダの油路を開閉
する開閉制御と、油路の流量を調整する流量制御とが1
つの電磁比例制御弁で行える。つまり、1つの電磁比例
制御弁だけで荷役機器の停止制御及び速度制御が可能に
なる。
【0023】請求項3に記載の発明によれば、比例ソレ
ノイド弁を電流制御することで、油圧シリンダの油路上
に設けられた制御弁を作動させるパイロット圧を制御し
ているので、制御弁を駆動するために必要な電流が小電
流で済む。
【0024】請求項4に記載の発明によれば、複数のオ
ンオフ弁の切換状態の組合せによってパイロット圧が段
階的に切換えられることで、このパイロット圧に基づい
て制御弁が所定の開度に段階的に切換られる。従って、
比例ソレノイド弁を設けなくても、複数のオンオフ弁を
組合せた簡単な構成で、荷役機器の停止制御と段階的な
速度制御とが可能になる。
【0025】請求項5に記載の発明によれば、油圧シリ
ンダは、荷役機器を昇降可能に支持するマストを前後に
傾動させるためのものであるので、マストの停止制御及
び傾動速度制御のうち少なくとも1つの制御が可能にな
る。
【0026】請求項6に記載の発明によれば、荷役機器
を水平に近づける方向に操作部が操作され、マストが傾
動している際に、操作スイッチが操作された信号を入力
すると、自動水平停止手段は、傾斜角検出器からの検出
値に基づきマストの傾斜角が荷役機器を水平にする水平
設定角に達したときにマストが停止するように、電磁弁
を閉弁する。その結果、操作スイッチを操作した状態
で、荷役機器を水平に近づける方向に操作部を操作し続
けるだけで、荷役機器が水平姿勢で自動で停止する。
【0027】請求項7に記載の発明によれば、操作部が
後傾操作されたことが後傾操作検知器により検知される
と、後傾速度制御手段は、予め揚高が高いほど遅くなる
少なくとも二段階以上に設定されたマストの後傾速度の
中から、揚高検出器からの検出値に基づいてその時の揚
高に応じた後傾速度を決め、この後傾速度に応じた開度
に電磁弁を開度調整する。従って、揚高が高いほどマス
トが後傾速度が制限される。
【0028】請求項8に記載の発明によれば、衝撃緩和
制御手段は、傾斜角検出器からの検出値に基づいてマス
トの傾斜角がその停止角手前に設定された減速域に達し
たことを認知すると、マストの傾動速度を減速すべく電
磁弁の開度を狭く調整する。その結果、マストが所定停
止角で停止する際の衝撃が緩和される。
【0029】請求項9に記載の発明によれば、請求項6
における自動水平停止手段による自動水平停止制御にお
いて、荷役機器が水平姿勢で停止する際の衝撃が緩和さ
れる。また、マストが後傾規制角に達した後傾完了時の
衝撃が緩和される。
【0030】請求項10に記載の発明によれば、キーオ
フ(例えばエンジン停止)時にはノーマルクローズ弁で
ある電磁弁により、油圧シリンダの油路が遮断されるの
で、キーオフ時に第三者が操作部を操作して手動切換弁
を開弁状態に切換えても、荷役機器がその重量等により
動いてしまうことが回避される。また、キーオン時は、
操作部が操作されたことを検知した検知信号が操作検知
手段から入力されたときに、制御手段が、電磁弁を所定
閉弁時期を除いて開弁させることで油路が開放される。
【0031】請求項11に記載の発明によれば、キーオ
フ(例えばエンジン停止)時には、パイロット逆止弁が
閉弁保持され、電磁弁と油圧シリンダとの間で油路がよ
り確実に遮断される。その結果、キーオフ中に油圧シリ
ンダ内の作動油が手動切換弁や電磁弁のスプールとボデ
ィとの隙間を介して漏れることが抑えられる。従って、
キーオフ時における荷役機器の自然降下や自然前傾がよ
り確実に防止される。また、電磁弁がノーマルオープン
弁の場合には、キーオフ中に第三者が誤って操作部を操
作して手動切換弁を開弁させたとしても、パイロット逆
止弁が油圧シリンダの油路を遮断しているため、荷役機
器がその重量等により動いてしまうことが回避される。
一方、キーオン(例えばエンジン駆動)時には、油圧ポ
ンプの吐出圧に基づくパイロット圧でパイロット逆止弁
が開弁し、油路が開放される。
【0032】請求項12に記載の発明によれば、キーオ
フ(例えばエンジン停止)時には、第2油圧シリンダと
第2手動切換弁との間の油路上に設けられた第2パイロ
ット逆止弁が閉弁保持され、第2油圧シリンダと第2手
動切換弁との間で油路を遮断する。そのため、キーオフ
中に第三者が誤って操作部を操作して第2手動切換弁を
開弁させたとしても、荷役機器がその重量等により動い
てしまうことが回避される。
【0033】請求項13に記載の発明によれば、電磁弁
が開いたときに、電磁弁が接続された室の作動油が荷役
機器からの荷重圧を受けて押し出されながら抜けること
で、荷役機器が動くことになるので、検出手段からの検
出信号に基づいて荷役機器を停止させるべく電磁弁を閉
弁させると、荷役機器が直ぐに停止し、位置精度がでや
すい。油圧シリンダがマストを傾動させるためのもので
あれば、マストの停止位置精度がでやすい。例えば請求
項6における自動水平停止制御においては、荷役機器を
より水平姿勢で停止させ易い。
【0034】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明をフォークリフトの荷役
用油圧制御装置に具体化した第1実施形態を図1〜図6
に基づいて説明する。
【0035】図4に示すように、産業車両としてのフォ
ークリフト1の車体フレーム2にはその前部にマスト3
が立設されている。マスト3は、車体フレーム2に対し
て前後に傾動可能に支持された左右一対のアウタマスト
3aと、これにスライドして昇降するインナマスト3b
とからなる。各アウタマスト3aの後部には第2油圧シ
リンダとしてのリフトシリンダ4が配設されている。リ
フトシリンダ4のピストンロッド4aの先端はインナマ
スト3bの上部に連結されている。インナマスト3bの
上部に支承されたチェーンホイール5には、リフトシリ
ンダ4のボディ又はアウタマスト3aの上部に一端を固
定するとともに、その他端がリフトブラケット6に連結
されたチェーン7が掛装されている。荷役機器としての
フォーク8はチェーン7に吊り下げられたリフトブラケ
ット6とともにリフトシリンダ4の伸縮により昇降する
ようになっている。
【0036】マスト3は、油圧シリンダとしての左右一
対のティルトシリンダ9を介して車体フレーム2に対し
て傾動可能に連結支持されている。ティルトシリンダ9
は、その基端側が車体フレーム2に対して回動可能に連
結されるとともに、ピストンロッド9aの先端でアウタ
マスト3aに回動可能に連結されている。マスト3はテ
ィルトシリンダ9が伸縮駆動されることで前後に傾動す
る。
【0037】運転室10にはその前方にハンドル11、
リフトレバー12及び操作部としてのティルトレバー1
3が装備されている(但し、図4では両レバー12,1
3が重なった状態で示されている)。リフトレバー12
はフォーク8を昇降させるときに操作するもので、ティ
ルトレバー13はマスト3を傾動させるときに操作する
ものである。
【0038】図3に示すように、ティルトレバー13の
操作力伝達機構13aの近傍には、ティルトレバー13
が前傾操作されたことを検知するための操作検知手段を
構成する前傾検出スイッチ14と、ティルトレバー13
が後傾操作されたことを検知するための検出手段及び操
作検知手段を構成するとともに後傾操作検知器としての
後傾検出スイッチ15とが設けられている。両スイッチ
14,15は例えばマイクロスイッチからなる。前傾検
出スイッチ14はティルトレバー13を前傾操作したと
きにオンし、後傾検出スイッチ15はティルトレバー1
3を後傾操作したときにオンする。また、ティルトレバ
ー13が中立位置にあるときには両スイッチ14,15
は共にオフする。
【0039】また、ティルトレバー13のノブ13bに
は操作スイッチ16が設けられている。この操作スイッ
チ16はティルトレバー13を操作する際にフォーク8
を水平位置で自動停止させたいときに操作者が操作する
ためのものである。
【0040】図2に示すように、アウタマスト3aの上
部には、検出手段を構成するとともに揚高検出器として
の揚高センサ17が設けられている。揚高センサ17は
例えば近接センサからなる。揚高センサ17はフォーク
8が所定高さ以上にある高揚高のときにオンし、フォー
ク8が所定高さ未満の低揚高のときにオフするようにな
っている。また、ティルトシリンダ9の姿勢角を検出し
てマスト3の傾斜角を間接的に検出する検出手段を構成
するとともに傾斜角検出器としての回転式のポテンショ
メータ18が車体フレーム2に設けられている。ポテン
ショメータ18の入力軸に一体回転可能に固定された回
動片18aがティルトシリンダ9に突設されたピン9b
を挟持しており、ティルトシリンダ9の姿勢角に応じた
検出信号がポテンショメータ18から出力されるように
なっている。また、リフトシリンダ4の下部にはそのボ
トム室4bの油圧を検出する圧力センサ19が設けられ
ている。圧力センサ19はフォーク8の積載荷重に応じ
た検出信号を出力する。
【0041】図1は、フォークリフト1に配備された荷
役系の油圧回路を示す。同図に示すように、各シリンダ
4,9にオイルタンク20から作動油を汲み上げて吐出
する油圧ポンプ21は、エンジンE(図4に示す)によ
り駆動される。油圧ポンプ21からの作動油はフローデ
ィバイダ22に管路23を通って吐出される。フローデ
ィバイダ22は、油圧ポンプ21からの作動油を所定圧
以上に昇圧してから、荷役系の油圧回路と、ステアリン
グ系の油圧回路とに分流するためのものである。フロー
ディバイダ22からステアリング系に分流された圧油
は、ステアリングバルブ24を通る管路25を介してオ
イルタンク20に戻される。
【0042】フローディバイダ22から荷役系に分流さ
れた圧油が通る作動油供給用管路26は、オイルタンク
20に戻る戻り管路27に接続されており、第2手動切
換弁としてのリフト用制御弁28と、手動切換弁として
のティルト用制御弁29は、この作動油供給用管路26
上に直列に配設されている。
【0043】リフト用制御弁28は7ポート3位置切換
弁であり、そのスプールはリフトレバー12に機械的に
作動連結されている。リフトレバー12を上昇・中立・
下降操作することによりリフト用制御弁28がa,b,
cの3つの状態に手動で切換可能となっている。
【0044】リフト用制御弁28には、作動油供給用管
路26から分岐した分岐管路26aと、前記戻り管路2
7と、リフトシリンダ4のボトム室4bに接続された管
路30とが接続されている。リフト用制御弁28がa位
置(上昇位置)に切換えられると、分岐管路26aと管
路30とが連通してボトム室4bに作動油が供給されて
リフトシリンダ4が伸長する。また、リフト用制御弁2
8がc位置(下降位置)に切換えられると、管路30と
戻り管路27とが連通してボトム室4bの作動油が管路
30,27を通ってオイルタンク20に排出され、リフ
トシリンダ4が収縮するようになっている。さらに、リ
フト用制御弁28がb位置(中立位置)にある状態で
は、管路30が各管路26a,27と遮断され、リフト
シリンダ4のピストンロッド4aが所定の突出量に保持
される。なお、c位置では、ボトム室4bの作動油はピ
ストンロッド4aに働く荷重圧により排出される。
【0045】油圧ポンプ21の吐出圧をパイロット制御
に利用するために伝達する圧力伝達管路32が管路23
に接続されている。圧力伝達管路32上に設けられた減
圧弁33は、油圧ポンプ21の吐出圧を所定パイロット
圧(設定圧)に調整するためのものである。管路30上
に設けられた第2パイロット逆止弁としてのパイロット
逆止弁34は、圧力伝達管路32の油圧により作動し、
その油圧がエンジン始動後(例えば1〜2秒後)、所定
圧以上になると開弁保持されるものである。つまり、パ
イロット逆止弁34はキーオフ(エンジン停止)時に閉
弁状態に保持され、キーオン(エンジン始動)によって
始めて開弁し、キーオフ状態におけるボトム室4bから
の作動油の流出を止める機能を有する。
【0046】ティルト用制御弁29は6ポート3位置切
換弁であり、そのスプールはティルトレバー13に機械
的に作動連結されている。ティルトレバー13を後傾・
中立・前傾操作することによりティルト用制御弁29が
a,b,cの3つの状態に手動で切換可能となってい
る。ティルト用制御弁29には、作動油供給用管路26
から分岐した分岐管路26bと、戻り管路27に繋がる
排出管路35と、ティルトシリンダ9の室としてのロッ
ド室9dに繋がる管路36aと、ボトム室9eに繋がる
管路36bとが接続されている。
【0047】管路36a上には、管路36aを流れる作
動油の油路を開閉するための制御弁37と、この制御弁
37を作動させるためのパイロット圧を制御する比例ソ
レノイド弁38とからなる電磁比例制御弁としての電磁
弁39が設けられている。電磁弁39は、ティルトレバ
ー13の操作に独立して行われる後述するマスト3の停
止制御や速度制御を行うため、ティルト系の油路上に設
けられたものである。制御弁37の開度は比例ソレノイ
ド弁38を流れる電流値(ソレノイド電流値)により制
御される。
【0048】制御弁37は、2ポート2位置一方弁のノ
ーマルクローズ弁であり、パイロット圧が所定値未満で
バネ40の付勢力により閉弁する。比例ソレノイド弁3
8はノーマルクローズ弁であり、ソレノイド電流値が所
定値Io 未満でバネ41の付勢力により閉弁する。比例
ソレノイド弁38は圧力伝達管路32に接続され、その
電流値により決まる開度に応じたパイロット圧を制御弁
37に印加する。ここで、電磁弁39を制御弁37と比
例ソレノイド弁38とに分けた構成としたのは、直動式
弁を採用するよりも、制御に必要なソレノイド電流が小
電流で済むためである。
【0049】制御弁37が開弁された状態では、ティル
ト用制御弁29がa位置(後傾位置)に切換えられる
と、管路26b,36aが連通して作動油がロッド室9
dに送られるとともに、管路36b,35が連通してボ
トム室9eの作動油が管路36b,35,27を通って
オイルタンク20に排出され、ティルトシリンダ9が収
縮する。また、制御弁37が開弁された状態で、ティル
ト用制御弁29がc位置(前傾位置)に切換えられる
と、管路26b,36bが連通して作動油がボトム室9
eに送られるとともに、管路36a,35が連通してロ
ッド室9dの作動油が管路36a,35,27を通って
オイルタンク20に排出され、ティルトシリンダ9が伸
長するようになっている。また、ティルト用制御弁29
がb位置(中立位置)にあるときには、各管路36a,
36bが管路26b,35と遮断され、ティルトシリン
ダ9のピストンロッド9aが所定の突出量に保持される
ようになっている。なお、ティルト用制御弁29のc位
置(前傾位置)では、オリフィス42により流路が絞ら
れているため、制御弁37の開度が狭くなって流量が制
御弁37の開度により制限されるようにならない限り、
マスト3の前傾速度が相対的に後傾速度よりも低速とな
るように設定されている。
【0050】また、制御弁37とティルトシリンダ9の
間の管路36a上に、パイロット逆止弁43がロッド室
9dの作動油の流出を閉弁状態で阻止し得る向きに設け
られている。パイロット逆止弁43は制御弁37を作動
させる同じパイロット圧で作動し、制御弁37が開弁し
始めるよりも低いパイロット圧で開弁するように設定さ
れている。
【0051】また、リリーフ弁44が作動油供給用管路
26と戻り管路27とを接続する管路45上に設けら
れ、リリーフ弁46がリフト用制御弁28と戻り管路2
7とを繋ぐ管路47上に設けられている。管路47は、
リフト用制御弁28が作動油供給用管路26を遮断しな
いb位置(中立位置)またはc位置(下降位置)にある
ときに、管路45から分岐した管路48と連通するよう
になっている。
【0052】リリーフ弁44は、リフト用制御弁28が
作動油供給用管路26を遮断するa位置(上昇位置)に
切換えられた状態において、リフト系の油路を流れる圧
油がリフト設定圧となるように作動油を逃がすためのも
のである。また、リリーフ弁46は、ティルト用制御弁
29が作動油供給管路26を遮断するa位置(後傾位
置)またはc位置(前傾位置)のいずれかに切換えられ
た状態において、ティルト系の油路を流れる圧油がティ
ルト設定圧となるように作動油を逃がすためのものであ
る。また、チェック弁49,50,51は作動油の逆流
を阻止するためのものである。フィルタ52は、比例ソ
レノイド弁38が精密であるため油中のゴミを除去する
ために設けたものである。なお、管路26b,36a,
36b,35がティルト系の油路を構成している。
【0053】次に、この油圧制御装置の電気的構成を説
明する。図2に示すように、制御弁37の開度、すなわ
ち比例ソレノイド弁38の出力パイロット圧を制御する
制御手段、自動水平停止手段、後傾速度制御手段及び衝
撃緩和制御手段としてのコントローラ53は、マイクロ
コンピュータ54、アナログデジタル変換回路(A/D
変換回路)55及びソレノイド駆動回路56を備えてい
る。マイクロコンピュータ54は、中央処理装置(以下
CPUという)57と、読み出し専用メモリ(ROM)
58aと、EEPROM(ELectoricalErasable Pro
grammable ROM)58bと、読出し及び書替え可能な
メモリ(RAM)59と、入力インタフェイス60と出
力インタフェイス61とを備える。
【0054】ROM58aには各種制御プログラム及び
プログラムを実行する際に必要なデータが記憶(格納)
されている。EEPROM58bには前傾角規制制御プ
ログラムを実行するのに必要なデータとして、揚高及び
積載荷重と最大許容前傾角度(以下、前傾規制角とい
う)との関係を表すマップが記憶されている。マップは
例えば図5に示すように、高揚高の場合(実線)と低揚
高の場合(鎖線)との2種類が用意され、高揚高と低揚
高毎に積載荷重に応じた前傾規制角が設定されている。
【0055】また、EEPROM58bには自動水平停
止制御プログラムを実行するのに必要なデータとして水
平設定角が記憶されている。水平設定角はフォーク8が
水平姿勢になったときのポテンショメータ18の検出値
に相当する値である。
【0056】また、EEPROM58bには後傾速度制
御プログラムを実行するのに必要なデータとして、揚高
とソレノイド電流値との関係を表すマップが記憶されて
いる。ソレノイド電流値は比例ソレノイド弁38を制御
するための電流値であり、この電流値にほぼ比例するよ
うに制御弁37の開度が制御される。本実施形態では、
図6に示すように、低揚高時に電流値In 、高揚高時に
電流値Im (但し、In >Im )が設定されており、揚
高に応じてマスト3の後傾速度が2段階に切換えられる
ようになっている。
【0057】また、EEPROM58bには衝撃緩和制
御プログラムを実行するのに必要なデータとして減速開
始角が設定されている。衝撃緩和制御とは、マスト3を
所定の停止角手前で減速させて停止時の衝撃を緩和させ
る制御である。本実施形態では、マスト3を一定の減速
度(傾き)で減速させたときに所定停止角で速度「0」
となるように、減速開始前のマスト3の傾動速度から各
停止角に対して決まる減速開始角が設定されている。こ
の減速開始角は、前傾規制角、水平設定角、後傾規制角
(ティルトシリンダ9の後傾エンド時のマスト傾斜角)
等の各停止角に対してそれぞれ設定されている。例えば
マスト3の後傾時には、図6に示すように、後傾速度が
揚高に応じて2段階で切換わるため、停止角(水平設定
角または後傾規制角)θs に対して後傾速度に応じた減
速開始角θ1,θ2が設定されている。なお、EEPR
OM58bのデータは、車両機種別、車両用途別、機器
精度のばらつき等を考慮して、設定操作部(図示せず)
を操作することで機台毎に個々に設定できるようになっ
ている。
【0058】ポテンショメータ18及び圧力センサ19
は、A/D変換器55及び入力インターフェイス60を
介してCPU57に接続されている。また、揚高センサ
(近接センサ)17、前傾検出スイッチ14、後傾検出
スイッチ15及び操作スイッチ16は、入力インタフェ
イス60を介してCPU57に接続されている。
【0059】ソレノイド駆動回路56は、出力インタフ
ェイス61を介してCPU57に接続されている。CP
U57は、比例ソレノイド弁38を電流値制御するため
のソレノイド電流値を指令するための指令値を、ソレノ
イド駆動回路56に出力するようになっている。そし
て、ソレノイド駆動回路56はその指令値に基づいて比
例ソレノイド弁38に流す電流を制御する。
【0060】次に、上記のように構成された油圧制御装
置の作用を説明する。キーオフ(エンジン停止)時に
は、油圧ポンプ21の駆動が停止されて圧力伝達管路3
2の油圧が低くなっているため、パイロット逆止弁3
4,43が閉弁状態に保持される。従って、キ−オフ時
において、フォーク8の自然降下やマスト3の自然前傾
がより確実に防止される。また、キ−オフ時に第三者が
リフトレバー12を誤って操作しても、パイロット逆止
弁34の閉弁により、フォーク8が下降することもな
い。また、キ−オフ時に第三者がティルトレバー13を
誤って操作しても、制御弁37及びパイロット逆止弁4
3の閉弁により、マスト3が前傾することもない。
【0061】キ−オンされると、エンジンEが始動さ
れ、油圧ポンプ21の駆動が開始される。エンジン始動
後、圧力伝達管路32の油圧が所定圧以上になった時点
でパイロット逆止弁34が開弁する。そしてエンジン始
動時から例えば1〜2秒後に、圧力伝達管路32の油圧
はパイロット設定圧に達する。油圧ポンプ21から吐出
された作動油はフローディバイダ22において所定圧に
昇圧された後、荷役系とステアリング系に分流される。
各レバー12,13が中立位置に配置された図1の状態
では、荷役系に分流された作動油は、作動油供給用管路
26上に設けられた各制御弁28,29を通り抜けた
後、戻り管路27を通ってオイルタンク20に還流され
る。
【0062】この状態でリフトレバー12を上昇操作す
ると、リフト用制御弁28がa状態に切換えられ、作動
油供給用管路26から管路26a,30を通って作動油
がボトム室4bに供給される。その結果、リフトシリン
ダ4が伸長駆動し、フォーク8が上昇する。また、リフ
トレバー12を下降操作すると、リフト用制御弁28が
c状態に切換えられ、ボトム室4bの作動油が管路3
0,27を通ってオイルタンク20に排出される。その
結果、リフトシリンダ4が収縮駆動し、フォーク8が下
降する。
【0063】ティルトレバー13を操作すると、ティル
ト用制御弁29がa状態もしくはc状態に切換えられ
る。このとき検出スイッチ14,15のいずれかがオン
すると、CPU57はポテンショメータ18の検出値に
基づくマスト3のティルト角が特定の停止角(前傾規制
角等)にない限り、ソレノイド駆動回路56にその際の
操作方向等に応じた指令値を出力する。ソレノイド駆動
回路56からはこの指令値に応じたソレノイド電流が比
例ソレノイド弁38に出力され、比例ソレノイド弁38
がその電流値に応じた開度に開弁する。そして、比例ソ
レノイド弁38の開度に応じたパイロット圧が制御弁3
7とパイロット逆止弁43に印加され、両弁37,43
がそのパイロット圧に応じた開度に開弁する。こうして
制御弁37の開度は、CPU57による比例ソレノイド
弁38の電流値制御により間接的に制御される。なお、
ティルトレバー13が中立位置にあって、制御弁37を
開弁させる必要がないときには、検出スイッチ14,1
5が共にオフして比例ソレノイド弁38に電流が流れな
いので、電力消費が節約される。ティルトレバー13を
前傾操作したときには、制御弁37は全開とされ、ティ
ルトレバー13を後傾操作したときには、制御弁37は
後述するようにその際の揚高に応じて開度に2段階で切
換えられる。ティルト用制御弁29がa状態に切換えら
れたときには、作動油供給用管路26の作動油が分岐管
路26bから管路36aを通ってロッド室9dに供給さ
れるとともに、ボトム室9eの作動油が管路36b,3
5,27を通ってオイルタンク20に排出される。その
結果、ティルトシリンダ9が収縮駆動し、マスト3が後
傾する。また、ティルト用制御弁29がc状態に切換え
られたときには、作動油供給用管路26の作動油が分岐
管路26bから管路36bを通ってボトム室9eに供給
されるとともに、ロッド室9dの作動油が管路36a,
35,27を通ってオイルタンク20に排出される。そ
の結果、ティルトシリンダ9が伸長駆動し、マスト3が
前傾する。この際、オリフィス42により作動油が絞ら
れることにより、マストの前傾は比較的低速で行われ
る。これに対し、マスト3の後傾は作業性が優先されて
比較的高速で行われる。
【0064】次に、CPU57が電磁弁39(つまり比
例ソレノイド弁38)の電流値制御をすることで行われ
るティルト系の各種制御について、以下順番に説明す
る。 (A)マストの前傾角規制制御を説明する。
【0065】この前傾角規制制御は、ティルトレバー1
3が前傾操作されて前傾検出スイッチ14がオンしたと
き、CPU57により実行される。CPU57は揚高セ
ンサ17がオンしたときを高揚高、オフしたときを低揚
高と判定する。高揚高のときには図5のうち高揚高用の
マップ(実線)を用いて圧力センサ19からの検出値
(積載荷重値)に応じた前傾規制角を求め、低揚高のと
きには図5のうち低揚高用のマップ(鎖線)を用いて圧
力センサ19からの検出値に応じた前傾規制角を求め
る。
【0066】ティルトレバー13が前傾操作されてマス
ト3が前傾動している間、CPU57はポテンショメー
タ18からの検出信号に基づいてティルト角を監視す
る。そして、ティルト角がその際の揚高と荷重とから決
まる先に算出した前傾規制角に達したときにマスト3の
傾動を停止させる停止制御を行う。すなわち、比例ソレ
ノイド弁38に流している電流を止めて制御弁37を閉
弁させ、マスト3を前傾規制角で停止させる。こうして
オペレータがティルトレバー13を前傾操作していて
も、マスト3はその際の揚高と荷重とから決まる前傾規
制角で自動で停止し、マスト3を前傾規制角を超えて前
傾させることができない。従って、高揚高・重荷重であ
るにも拘わらずマスト3を前傾させ過ぎたために起こり
得る、後輪が浮き上がるような車両の不安定状態を招く
ことがない。
【0067】(B)フォークの自動水平停止制御を説明
する。この自動水平停止制御は、ノブ13bに設けられ
た操作スイッチ16を押しながら、ティルトレバー13
をフォーク8が水平になる方向に操作したときに、CP
U57により実行される。ティルトレバー13を操作し
たときのポテンショメータ18の検出値と、検出スイッ
チ14,15のうちどちらがオンしたかとによって、C
PU57はフォーク8が水平になる方向にティルトレバ
ー13が操作されたかどうかを判定する。ティルトレバ
ー13が操作された方向にマスト3が傾動している間、
CPU57はポテンショメータ18からの検出信号に基
づいてティルト角を監視する。そして、ティルト角が水
平設定角に達したときにマスト3が停止するように停止
制御を行う。すなわち、比例ソレノイド弁38に流して
いる電流を止めて制御弁37を閉弁させ、マスト3を水
平設定角で停止させる。こうして操作スイッチ16を押
しながらティルトレバー13をフォーク8が水平になる
方向に操作するだけで、フォーク8が水平になった時点
でマスト3が自動で停止する。従って、運転席10から
フォーク8の姿勢角を把握し難くても(例えば高所にあ
って)、フォーク8を正確に水平にできるため、その後
の作業がし易くなる。
【0068】(C)マストの後傾速度制御を説明する。
この後傾速度制御は、ティルトレバー13を後傾操作し
て後傾検出スイッチ15がオンしたときにCPU57に
より実行される。CPU57は揚高センサ17がオンし
たときを高揚高、オフしたときを低揚高と判定する。低
揚高のときには比例ソレノイド弁38に流す電流値をI
n (例えば最大電流値)とし、高揚高のときには電流値
をIm (In >Im )とする。
【0069】その結果、低揚高のときには、制御弁37
が最大開度とされてマスト3は通常速度で後傾する。こ
れに対し、高揚高のときには、制御弁37が中間開度と
されてマスト3は通常速度よりも遅い低速で後傾する。
従って、低揚高のときには通常速度で後傾するため作業
性を損なわない。また、高揚高のときには通常速度より
も遅い速度で後傾するため、フォーク8上の荷が高い位
置にあっても荷の移動速度が速くなり過ぎず、荷崩れの
心配がない。また、この後傾時にマスト3にかかる慣性
力が過大にならずに済む。後述する衝撃緩和制御によっ
てマスト3が後傾エンド時直前に減速されるものの、こ
の高揚高時の後傾速度の制限が後傾エンド時の衝撃緩和
にも寄与する。
【0070】(D)マストの衝撃緩和制御を説明する。
この衝撃緩和制御は、前記(A),(B),(C)の制
御実行時にCPU57が割込みで実行する制御である。
CPU57はこれらの各制御を実行するに当たり、各制
御における停止角に対する減速開始角を算出する。例え
ば前傾時には前傾速度から決まる所定角度分だけ停止角
(前傾規制角,水平設定角)よりも後傾側の角度が減速
開始角として算出される。また、後傾時には、図6に示
すようにその際の揚高に応じた後傾速度から決まる所定
角度分だけ停止角θs に対して前傾側の角度、つまり低
揚高時にはθ1、高揚高時にはθ2が減速開始角として
それぞれ算出される。
【0071】ティルトレバー13を操作した方向にマス
ト3が傾動している間、CPU57はポテンショメータ
18からの検出信号に基づいてティルト角を監視する。
そして、ティルト角が減速開始角に達したときにマスト
3の傾動速度を徐々に減速させる。すなわち、比例ソレ
ノイド弁38に流す電流値を、停止角(前傾角規制制御
では前傾規制角、自動水平停止制御では水平設定角、後
傾速度制御では後傾規制角(エンド角))で閉弁電流I
o となるように、一定の傾きで小さくする。こうしてマ
スト3の停止制御をするときには、マスト3は停止直前
で減速されてから停止するので、その停止時に衝撃が起
こらない。
【0072】以上詳述した第1実施形態によれば、以下
の効果が得られる。 (1)本実施形態における油圧回路では、ティルト系の
制御を行うために、ティルト用制御弁29と電磁弁39
とをティルトシリンダ9の油路上に直列に設けた。その
ため、作動油の温度上昇に伴うスプールとボディの熱膨
張や、スプールとボディの隙間に油中の異物が入り込ん
だことが原因で、ティルト用制御弁29が固着(スティ
ック)を起こしても、ティルトレバー13を多少力を入
れて操作することで切換えができる。そのため、ティル
トレバーを操作しても弁の固着が原因でマストが傾動不
能となる事態を、従来技術で述べた電気制御方式に比べ
て起こり難くできる。
【0073】(2)リフト用制御弁28及びティルト用
制御弁29は、汎用タイプである機械制御方式で使用さ
れたものと同じ手動切換弁であるため、電気制御方式を
採用することに比べると、ティルトシリンダ9の油路上
にティルト用制御弁29と直列に電磁弁39を付け足す
だけで済む。そのため、油圧回路構成が簡単で済むう
え、設計変更も少なくて済む。また、電気制御方式では
速度制御をしようとすると、電磁切換弁の他に流量制御
用の電磁弁が別個に必要となるが、本実施形態では、1
個の電磁弁39で停止制御と速度制御を行うので、電磁
弁の使用個数が電気制御方式に比べて少なくて済む。そ
のため、油圧回路構成および制御系の簡素化を図ること
ができ、電磁弁の個数が少ない分だけ消費電力が少なく
て済む。しかも各制御弁28,29を始めとする機械制
御方式で通常使用している部品を活用することができ
る。
【0074】(3)制御弁37と比例ソレノイド弁38
とからなる1個の電磁比例制御弁である電磁弁39を採
用しているので、1個の電磁弁39だけで、マスト3の
停止制御と速度制御の2種類の制御をすることができ
る。
【0075】(4)制御弁37をパイロット圧で駆動
し、このパイロット圧を制御するために比例ソレノイド
弁38を採用しているので、直動式の電磁弁を使用する
構成に比べ、電磁弁39を駆動させるためのソレノイド
電流を小電流で済ませられる。そのため、電磁弁39の
消費電力を節減できる。
【0076】(5)比例ソレノイド弁38をノーマルク
ローズ弁としたことにより、ティルトレバー13が操作
されたときにだけ電流を流せばよいので、消費電力を節
約できる。
【0077】(6)マスト3にはフォーク8や荷の重量
等により元々前傾側に倒れる力が働いており、このマス
ト3の前傾に倒れる重量による圧縮圧がかかるロッド室
9d側に接続された管路36a上に電磁弁39(つまり
制御弁37)を設けている。そのため、マスト3の重量
による圧縮圧が加わった作動油を抜いてマスト3を前傾
させることになるので、マスト3を所定の停止角で停止
させる際の位置精度が出やすい。つまり、マスト3を前
傾規制角や水平設定角に位置精度良く停止させることが
できる。
【0078】(7)電磁弁39を制御することによるマ
スト3の停止制御の一つとして、マスト3の前傾角を揚
高および荷重に応じて規制する前傾角規制制御を行った
ので、車両が後輪が浮き上がるなどの不安定状態になる
ことを回避できる。
【0079】(8)電磁弁39を制御することによるマ
スト3の停止制御の一つとして、オペレータが操作スイ
ッチ16を押しながらティルトレバー13を操作したと
きにはフォーク8を水平に停止させる自動水平停止制御
を行ったので、姿勢角を把握し難い位置にあってもフォ
ーク8を正確に水平にでき、その後の作業をし易くでき
る。
【0080】(9)電磁弁39を制御することによるマ
スト3の速度制御の一つとして、マスト3の後傾速度を
揚高が高いときに制限する後傾速度制御を行ったので、
揚高によらずフォーク8上の荷を荷崩れさせない適度な
速度で移動させることができる。また、高揚高での後傾
時にマスト3にかかる慣性力が過大にならず、マスト3
の後傾エンド時の衝撃緩和にも寄与する。
【0081】(10)電磁弁39を制御することによる
マスト3の速度制御の一つとして、マスト3を停止角手
前で減速させる衝撃緩和制御を行ったので、マスト3を
停止させる際の衝撃を緩和することができる。つまり、
マスト3が前傾規制角、水平設定角および後傾エンド角
で停止する際の衝撃を緩和できる。特に作業性を考慮し
てマスト3の傾動速度が比較的速い後傾時における停止
の際の衝撃緩和に顕著な効果がある。
【0082】(11)マスト3の前傾側に働く重量によ
る圧縮圧を受けるロッド室9dに繋がる管路36a上に
おいて、電磁弁39(つまり制御弁37)よりもティル
トシリンダ9寄りの位置にパイロット逆止弁43を設け
たので、キーオフ時におけるマスト3の自然前傾量の低
減を図ることができる。
【0083】(12)キーオフ時にはノーマルクローズ
弁である電磁弁39とパイロット逆止弁43が管路36
aを遮断するので、キーオフ時に第三者が誤ってティル
トレバー13を操作してもマスト3が前傾してしまうこ
とを防止できる。また、これらの弁39,43のうち一
方が万一故障してもこの目的は果たされる。
【0084】(13)リフトシリンダ4のボトム室4a
とリフト用制御弁28とを繋ぐ管路30上にパイロット
逆止弁34を設けたので、キーオフ時に第三者が誤って
リフトレバー12を操作してもフォーク8が降下してし
まうことを防止できる。また、キーオフ時のフォーク8
の自然降下を防止できる。
【0085】(第2の実施形態)次に、本発明を具体化
した第2実施形態を図7に基づいて説明する。この実施
形態では、ティルト用制御弁と直列に設ける電磁弁を、
ティルトシリンダの油路を複数段階の開度に切換可能な
制御弁と、この制御弁を作動させるためのパイロット圧
を複数段階に切換可能に組合わせた複数個のオンオフ弁
とから構成している。つまり、ティルト系の制御に必要
な電磁弁の開度が全閉・半開・全開の3段階であること
から(但し、衝撃緩和制御での一定の傾きの減速制御を
しない場合)、パイロット圧を制御するための弁を比例
ソレノイドに代えて、必要な3段階にパイロット圧を切
換可能に組み合わせた複数個のオンオフ弁を使用してい
る。なお、本実施形態においては、第1実施形態の構成
と異なるところを中心に説明し、第1の実施形態と同一
又は相当する構成については、同一符号を付してその説
明を省略する。
【0086】図7は、この実施形態における油圧回路を
示す。この実施形態においても、油圧ポンプ21から吐
出されてフローディバイダ22により分流された作動油
を戻り管路27に戻すように配管された作動油供給用管
路26上に、手動切換弁からなるリフト用制御弁70と
ティルト用制御弁29が直列に設けられている。この実
施形態においては、リフト用制御弁70は9ポート3位
置切換弁からなる。
【0087】ティルトシリンダ9を作動させるための油
路は、分岐管路26b,管路36a,36b,排出管路
35等からなる。ティルト用制御弁29がa,b状態の
いずれかに切換えられると、分岐管路26bからの作動
油が管路36a,36bのいずれかを流れてティルトシ
リンダ9の一室9d(9e)に送られ、その他室9e
(9d)から排出された作動油が管路36a,36bの
うち供給に使用された側でない方を通って排出管路3
5,戻り管路27を通ってオイルタンク20に排出され
る。電磁弁71はロッド室9dに接続された管路36a
上に設けられている。電磁弁71は、管路36a上にそ
の流路を開閉可能な制御弁72と、この制御弁72を作
動させるためのパイロット圧を段階的(本実施形態では
3段階)に切換えるための2個のオンオフ弁(2位置切
換弁)73,74とからなる。
【0088】制御弁72は、2個の切換弁75,76を
内蔵し、各切換弁75,76の切換位置の組合わせによ
って、全閉・半開・全開の3段階の開度に切換可能な弁
である。すなわち、制御弁72は、第1切換弁75がa
状態、第2切換弁76がb状態のときに全閉となり、第
1切換弁75がb状態、第2切換弁76がb状態のとき
に半開となり、さらに第1切換弁75がb状態、第2切
換弁76がa状態のときに全開となる。
【0089】一方、2個のオンオフ弁73,74は、油
圧ポンプ21の吐出圧を伝達する管路77にそれぞれ接
続されている。第1オンオフ弁73は管路78により第
1切換弁75と接続されており、第1切換弁75を作動
させるためのパイロット圧を制御する。第2オンオフ弁
74は管路79により第2切換弁76と接続されてお
り、第2切換弁76を作動させるためのパイロット圧を
制御する。第1オンオフ弁73はノーマルオープン弁で
あり、a状態(オフ状態)で油圧ポンプ21の吐出圧
(パイロット圧)を第1切換弁75に出力し、b状態
(オン状態)で管路78を戻り管路27に繋がる管路8
0に連通させる。また、第2オンオフ弁74はノーマル
クローズ弁であり、a状態(オフ状態)で管路79を戻
り管路27に繋がる管路81に連通させ、b状態(オン
状態)で油圧ポンプ21の吐出圧(パイロット圧)を第
2切換弁76に出力する。
【0090】管路36a上には、キーオフ(エンジン停
止)時におけるティルトシリンダ9の自然前傾量の低減
を図るためのパイロット逆止弁82が、制御弁72より
もティルトシリンダ9寄りに設けられている。第1オン
オフ弁73の出力パイロット圧により作動する切換弁8
3が、パイロット逆止弁82を作動するためのパイロッ
ト圧を切換えるようになっている。
【0091】また、管路30上には、キーオフ(エンジ
ン停止)時におけるリフトシリンダ4の自然降下を防止
するための第2パイロット逆止弁としてのパイロット逆
止弁84が設けられている。管路85を伝わる油圧ポン
プ21の吐出圧をパイロット圧として作動する切換弁8
6が、パイロット逆止弁84を作動するためのパイロッ
ト圧を切換えるようになっている。このパイロット逆止
弁84は、キーオフ時に第三者がリフトレバー12を誤
って操作しても、フォーク8を降下させない機能をも備
える。
【0092】また、管路23と戻り管路27とを接続す
る管路87上にはリリーフ弁88が設けられている。こ
のリリーフ弁88は、ティルト用制御弁29またはリフ
ト用制御弁70が作動油供給用管路26の流路を遮断す
る状態に切換えられたときに、その上流側の油圧が設定
圧を超えないように作動油を逃がすためのものである。
なお、フィルタ89,90は、油中の異物を除去するた
めのものである。
【0093】また、コントローラ53は、第1実施形態
と基本的に同じ構成を備え、CPU57はソレノイド駆
動回路56を介して2個のオンオフ弁73,74に流す
電流をオンオフ制御する。キーオン(エンジン始動)直
後所定時間(1〜2秒程度)は、各パイロット逆止弁8
2,84を開弁させるため、ティルトレバー13が操作
されてもオンオフ弁73,74がオフ状態に強制保持さ
れるようになっている。この実施形態においては、第1
実施形態で行ったCPU57による各制御のうち衝撃緩
和制御のみは行わない。
【0094】この油圧回路は次のように作動する。キー
オフ(エンジン停止)時には、オンオフ弁73,74は
共にオフ(消磁)状態にある。各切換弁83,86は共
にa状態にあり、各室9d,4bの油圧により各パイロ
ット逆止弁82,84が閉弁保持される。また、制御弁
72は、各切換弁75,76が共にa状態となった図7
の状態にある。
【0095】この状態でキーオン(エンジン始動)され
て油圧ポンプ21が駆動されると、第1オンオフ弁73
が管路77,78を連通させる開弁状態にあるため、こ
の吐出圧が管路77,78を伝わり切換弁83がa状態
からb状態に切換わり、またこの吐出圧が管路85を伝
わって切換弁86がa状態からb状態に切換わる。その
結果、各パイロット逆止弁82,84に印加されていた
各室9d,4bからの油圧がなくなり、両パイロット逆
止弁82,84が開弁して保持される。また、第1切換
弁75にも吐出圧が印加され、制御弁72は両切換弁7
5,76が共に開弁された全開状態になる。
【0096】前記第1実施形態で行った各制御のうち、
衝撃緩和制御を除いた他の制御をするためには、制御弁
72の開度を全閉・半開・全開の3段階に切換える必要
がある。つまり、前傾角規制制御や自動水平停止制御に
おける停止制御をするためには、制御弁72の開度を全
閉にする必要がある。また、後傾速度制御における速度
制御をするためには、制御弁72の開度をその際の揚高
に応じて半開・全開にする必要がある。この実施形態に
おいては、電磁弁71の3段階の開度の切換えを、制御
弁72と2個のオンオフ弁73,74を使って行う。
【0097】通常時は、オンオフ弁73,74は共にオ
フされ、制御弁72は全開状態に保持される。マスト3
を停止制御で停止させるために制御弁72を全閉する場
合と、マスト3の高揚高での後傾動作で制御弁72を半
開させる場合だけに、CPU57はオンオフ弁73,7
4の少なくとも一方をオンさせる。
【0098】すなわち、前傾角規制制御や自動水平停止
制御において所定停止角でマスト3を停止させるため、
制御弁72を全閉させるときには、CPU57は第1オ
ンオフ弁73をオン状態に、第2オンオフ弁74をオン
状態にする。その結果、第1オンオフ弁73がa状態か
らb状態に切換えられて管路78,80が連通し、第1
切換弁75に印加されていた吐出圧がなくなるため、第
1切換弁75が閉弁する。これと同時に、第2オンオフ
弁74がb状態に切換えられて管路77,79が連通
し、第2切換弁76が吐出圧によって閉弁する。こうし
て制御弁72が全閉状態になる。このとき、切換弁83
に印加されていた吐出圧がなくなってパイロット逆止弁
82が閉弁することになるが、制御弁72が全閉すると
きなので問題はない。
【0099】また、後傾速度制御での高揚高時に、制御
弁72を半開させるときには、CPU57は第1オンオ
フ弁73をオフ状態に、第2オンオフ弁74をオン状態
にする。その結果、第1オンオフ弁73がa状態に切換
えられることにより、第1切換弁75が開弁する。これ
と同時に、第2オンオフ弁74がa状態からb状態に切
換えられて第2切換弁76が閉弁する。こうして制御弁
72が半開状態になる。
【0100】この実施形態では、制御弁72と2個のオ
ンオフ弁73,74とからなる電磁弁71を用いること
で、ティルト系の油路に設けた電磁弁71を必要な3段
階の開度に制御した。オンオフ弁73,74の使用によ
り、第1実施形態において必要であった減圧弁33や比
例ソレノイド弁38を使わずに済み、油圧回路を簡素化
できる。また、オンオフ制御なので、CPU57による
制御を簡単にすることができる。さらに、従来技術で述
べた電気制御方式では、電気制御系の故障時にはティル
トレバーを操作してもマストを動かすことができなかっ
た。これに対し、電磁弁71を制御するための電気制御
系が故障し、オンオフ弁73,74がオンされなくなっ
ても、このとき制御弁72が全開状態にあるため、ティ
ルトレバー13を操作してティルト制御弁29を切換え
ることで機械制御方式でマスト3を傾動させることはで
きる。また、後傾エンド時に衝撃緩和のための減速を行
わないが、マスト3の後傾速度が高揚高時には制限され
るため、後傾エンド時の衝撃はある程度緩和される。そ
の他、この実施形態によっても、第1実施形態で述べた
(1)〜(13)のうち、(1)弁の固着が原因でマス
トが傾動不能となる事態を回避し易い効果、(2)手動
切換弁に電磁弁を付け足す構成による油圧回路構成の簡
素化、電磁弁の個数低減による省電力化、機械制御方式
で使用している部品の活用可能効果、(3)1個の電磁
弁71で、マスト3の停止制御と速度制御の2種類の制
御可能効果、(4)制御弁72を制御するためのパイロ
ット圧を調整するためにオンオフ弁73,74を使用し
たことによる電磁弁71の省電力化効果、(6)ロッド
室9dに接続された管路36a上に電磁弁71(制御弁
72)を設けたことによるマスト3の停止位置精度の向
上効果、(7)前傾角規制制御による後輪が浮き上がる
などの車両不安定回避効果、(8)自動水平停止制御に
よるフォーク8を正確に水平にできる効果、(9)後傾
速度制御による揚高に応じてマスト3の後傾速度を制限
する効果、(11)パイロット逆止弁82によるキーオ
フ時におけるマスト3の自然前傾量の低減効果、(1
2)キーオフ時に第三者が誤ってティルトレバー13を
操作してもパイロット逆止弁82によりマスト3の前傾
動を阻止する効果、(13)パイロット逆止弁84によ
るキーオフ時に第三者が誤ってリフトレバー12を操作
しても、フォーク8の降下を阻止する効果、及びキーオ
フ時のフォーク8の自然降下低減効果、を同様に得るこ
とができる。
【0101】なお、上記各実施形態に限定されることな
く、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のように実
施することもできる。 (n)前記各実施形態では、近接スイッチからなる揚高
センサ17により揚高を高揚高と低揚高との2段階でし
か見ていなかったが、揚高を連続的に検出し、マスト3
の前傾規制角や後傾速度を揚高の連続変化に応じて連続
的に変化させる構成を採ることもできる。例えば図8に
示すように、リール91の回転を検出する方式の揚高セ
ンサ92を用いる。リール91はフォーク8やインナマ
スト3bに連結されたワイヤを巻き取り可能な方向に付
勢されており、揚高センサ92は、リール91の巻取量
を検出し、揚高を連続的に検出する。そして、揚高に応
じた後傾速度を求めるための例えば図9に示すようなマ
ップをROM等に用意しておく。このマップでは、所定
の揚高Ho 未満の低揚高域では電磁弁の全開に相当する
後傾速度(最大後傾速度)VH が設定され、揚高Ho 以
上の高揚高域では後傾速度Vが揚高が高くなるほど連続
的に低下し(つまり電磁弁の開度を連続的に狭くし)、
最大揚高Hmax で後傾速度(最小後傾速度)VL となる
ように設定されている。このマップに基づき比例ソレノ
イド弁38の電流値を揚高に応じて連続的に変化させる
ことにより、マスト3の後傾速度を揚高に応じてより細
かく設定できる。また、前傾規制角のマップを揚高と荷
重の両方に対して連続変化するように設定し、揚高セン
サ92により連続的に検出された揚高値と、圧力センサ
19により連続的に検出された荷重値とから、前傾規制
角をより細かく制御する構成を採ることもできる。な
お、揚高センサ92に限定されず、揚高を連続検出可能
なその他のセンサを使用して実施することもできる。
【0102】(m)第1実施形態において、電磁弁39
をノーマルオープン弁とし、停止制御時(全閉)と、後
傾速度制限時(半開)と、衝撃緩和制御時だけに電流を
流せば済むようにしてもよい。この構成によれば、第1
実施形態の構成よりも比例ソレノイド弁38の一層の省
電力化を図ることができる。また、電磁弁39がノーマ
ルオープン弁であれば、第2実施形態で述べたように、
電気制御系が故障したときでも、ティルトレバー13を
操作することでマスト3を機械制御方式と同じように傾
動させることができる。
【0103】(g)第1実施形態において、パイロット
逆止弁43をなくした構成としてもよい。この構成で
も、マスト3の自然前傾量の低減効果が多少劣るもの
の、油路(管路36a)がノーマルクローズ弁である電
磁弁39により遮断されるので、キーオフ時に第三者が
誤ってティルトレバー13を操作しても、マスト3が前
傾してしまうことがない。また、第2実施形態のパイロ
ット逆止弁82をなくした構成において、オンオフ弁7
3,74が共にオフ状態のときに制御弁72が全閉とな
るノーマルクローズ弁に電磁弁71を構成し、キーオフ
時に第三者がティルトレバー13を操作しても、マスト
3が前傾しないようにしてもよい。
【0104】(h)手動切換弁と油路上に直列に設ける
電磁弁の位置は、前記実施形態に限定されない。ティル
ト系の油路上であればよく、管路36b上であってもよ
いし、さらには管路26bや管路35上に設けてもよ
い。つまり、手動切換弁が開弁位置に切換えられたとき
に、油圧シリンダの油路(但し、他のシリンダの油路を
兼ねない部分)を流れる作動油の流量を調整(遮断も含
む)できる位置であれば適宜変更できる。
【0105】(j)前記各実施形態では、油圧シリンダ
の油路上に設けた制御弁と、この制御弁を作動させるた
めのパイロット圧を調整するための比例ソレノイド弁ま
たはオンオフ弁とから電磁弁を構成したが、油路を開閉
するスプールをソレノイドにより直接駆動する直動型の
電磁弁を採用してもよい。この構成によれば、電磁弁を
駆動させるための消費電力が多くなるものの、パイロッ
ト制御のための管路や減圧弁等を不要にできる。
【0106】(k)衝撃緩和制御における減速方法は、
一定の傾き(減速度)で停止角まで減速させる方法に限
定されない。例えば、マストの傾動速度を停止角手前で
十分落とし、その微速度(一定速度)で保持した後、停
止させる方法を採用してもよい。
【0107】(p)前記各実施形態では、停止制御と速
度制御を1つの弁でできるように開度を連続的あるいは
段階的に変化できる流量調整弁と開閉弁との機能を兼ね
備えた電磁弁39,71を採用した。これに対し、電磁
弁として流量調整機能を有さない開閉弁(例えばオンオ
フ弁)を採用し、荷役機器の停止制御だけを実施しても
よい。また、電磁弁として全閉機能を有さない流量調整
弁を採用し、荷役機器の速度制御だけを実施してもよ
い。これらの構成によれば、電磁弁の小型化を図り易
く、しかも制御をより単純化し易い。
【0108】(q)前記実施形態では、マストのティル
ト制御として、自動水平停止制御、前傾角規制制御、後
傾速度制御、衝撃緩和制御を採用したが、手動切換弁と
電磁弁とを組合わせた油圧回路構成により、後傾角規制
制御等のその他の停止制御や速度制御を採用することも
できる。また、前記実施形態における全制御のうち幾つ
か(少なくとも1つ)を選択して採用した構成としても
よい。
【0109】(s)前記実施形態では、マストの後傾速
度を揚高によって変化させたが、揚高と荷重の両方を見
てマスト後傾速度を決めてもよい。つまり、揚高センサ
と圧力センサからの各検出値を使ってマップ等を用いて
後傾速度を決定する。マップには、揚高と荷重により変
化するマスト後傾時の荷の慣性力を考慮するなどし、高
揚高,重荷重ほどマスト後傾速度が遅くなるように設定
しておく。この構成によれば、マスト後傾時の荷の慣性
力が過大となることを防止できる。また、マストの後傾
エンド時における衝撃をより効果的に抑えることもでき
る。
【0110】(t)前記各実施形態では、ティルトシリ
ンダ9の油路上に手動切換弁と直列に電磁弁を設けるこ
とで、マストのティルト制御を行ったが、その他の油圧
シリンダに対してこの構成を適用し、産業車両における
荷役機器の制御を行ってもよい。例えばフォークリフト
において、リフトシリンダ4の制御に具体化してもよ
い。つまり、リフト用制御弁28(70)とリフトシリ
ンダ4とを繋ぐ管路30上に電磁弁を設け、この電磁弁
の開度を制御することで、フォーク8の停止制御や昇降
速度制御を行ってもよい。例えば予め設定した高さにフ
ォークを自動に揚高させる自動揚高制御に適用してもよ
い。もちろん、リーチ式フォークリフトのリーチシリン
ダや、フォークを車幅方向に移動させるためのサイドシ
リンダについて実施してもよい。
【0111】(v)前傾角規制制御における前傾規制角
を決めるための検出値は、揚高と荷重に限定されない。
車両の前後方向の重心移動による車両の不安定状態を検
出可能な検出値であれば特に限定されない。例えば、傾
斜角センサにより車体姿勢を検出して、例えば下り傾斜
路面では前傾規制角を平坦路面のときより小さめとし、
上り傾斜路面では前傾規制角を平坦路面のときより大き
めに設定する制御方法を採用することもできる。
【0112】(w)前記実施形態では、産業車両として
フォークリフトに具体化したが、その他の産業車両に適
用することもできる。例えば、パワーショベルや、高所
作業車などの建機において適用してもよい。
【0113】前記実施形態から把握され、請求項に係る
発明以外の技術的思想(発明)を、その効果とともに以
下に記載する。 (イ)請求項1において、前記電磁弁は、電磁開閉弁で
ある。この構成によれば、電磁弁が電磁開閉弁であるの
で、荷役機器の停止制御が可能になる。
【0114】(ロ)請求項1において、前記電磁弁は、
電磁流量調整弁である。この構成によれば、電磁弁が電
磁流量調整弁であるので、荷役機器の速度制御が可能に
なる。
【0115】(ハ)請求項1〜請求項9,請求項11〜
請求項13のいずれか一項において、前記電磁弁はノー
マルオープン弁である。この構成によれば、電磁弁を制
御するための電気制御系が故障しても、操作部を操作す
ることで機械制御方式と同様に油圧シリンダを作動させ
て荷役機器を動作させることができる。 (ニ)請求項
5において、前記検出手段は前記マストの傾斜角を検出
するための傾斜角検出器であって、車両の前後方向の重
心移動による不安定状態を検出するための車両状態検出
手段と、該車両状態検出手段による検出値を用いて車両
を安定に保持し得るマストの前傾規制角を求めるための
前傾規制角算出手段とを備え、前記制御手段は、前記傾
斜角検出器からの検出値に基づいて前記マストが前記前
傾規制角で停止するように前記電磁弁を制御するマスト
前傾規制手段を備えている。この構成によれば、車両状
態検出手段からの検出値よりマストの前傾規制角が前傾
規制角算出手段により算出される。操作部が操作され、
マストが前傾しているときに、傾斜角検出器からの検出
値に基づいてマストが前傾規制角で停止するように電磁
弁が制御される。このため、操作部を操作し続けても、
マストを車両を安定状態に保持し得る前傾規制角で停止
させることができる。
【0116】(ホ)前記(ニ)において、前記車両状態
検出手段は、荷役機器の揚高を検出するための揚高検出
器と、荷役機器上の荷重を検出するための荷重検出器と
であって、前記前傾規制角算出手段は、前記揚高と荷重
との各検出値を用いてマストの前傾規制角を求めるよう
に設定されている。この構成によれば、揚高検出器によ
り検出された揚高と、荷重検出器により検出された荷役
機器上の荷重とから、マストの前傾規制角が決まるた
め、揚高と荷重とによる車両の前後方向の不安定状態に
応じた傾斜角でマストの前傾を規制できる。なお、車両
状態検出手段は、揚高検出器としての揚高センサ17,
92と、荷重検出器としての圧力センサ19と、コント
ローラ53とから構成される。
【0117】(ヘ)請求項8において、前記停止角は、
前記(ニ)または(ホ)における前記前傾規制角であ
る。この構成によれば、前傾規制角でマストが停止する
ときの衝撃を緩和できる。
【0118】(ト)請求項13において、前記油圧シリ
ンダは、前記荷役機器を昇降可能に支持するマストを傾
動させるためのものであり、前記電磁弁は該油圧シリン
ダにおいて前記マストの前傾時に荷重圧を受ける側の室
に接続された油路上に設けられている。この構成によれ
ば、電磁弁が接続された室の作動油がマストの前傾時に
荷重圧を受けて押し出されながら抜けることで、マスト
が前傾することになるので、マストを停止制御する際に
位置精度が出やすい。
【0119】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、油圧シリンダの油路上に手動切換弁以外に
電磁弁を付け足した構成としたので、荷役機器の停止制
御や速度制御をするための油圧回路を比較的簡単に構成
でき、しかも固着による荷役機器の動作不能を回避し易
い。
【0120】請求項2に記載の発明によれば、電磁弁を
電磁比例制御弁としたので、油圧シリンダの油路の開閉
と流量調整とを1つの電磁弁で済ませられる。請求項3
に記載の発明によれば、油圧シリンダの油路に設けた制
御弁を作動させるパイロット圧の調整のために比例ソレ
ノイド弁を用いたので、電磁弁を駆動するための消費電
力を少なくできる。
【0121】請求項4に記載の発明によれば、複数のオ
ンオフ弁の組合せの簡単な構成で、制御弁を必要な開度
に段階的に調整することができ、油圧回路構成をより簡
素化できる。
【0122】請求項5に記載の発明によれば、油圧シリ
ンダは、荷役機器を昇降可能に支持するマストを前後に
傾動させるためのものであるので、マストの停止制御、
傾動速度制御、あるいはこの両方の制御をすることがで
きる。
【0123】請求項6に記載の発明によれば、電磁弁に
よる荷役機器の停止制御の1つとして、自動水平停止制
御を採用したので、操作スイッチを操作した状態で操作
部を操作し続けるだけで、荷役機器を自動で水平に停止
させることができる。
【0124】請求項7に記載の発明によれば、電磁弁に
よる荷役機器の速度制御の1つとして、後傾速度制御を
採用したので、マストの後傾速度をその際の揚高に応じ
て揚高が高いほど遅くなるように制限することができ
る。
【0125】請求項8に記載の発明によれば、電磁弁に
よる荷役機器の速度制御の1つとして、衝撃緩和制御を
採用したので、マストを停止手前で減速させて停止時の
衝撃を緩和することができる。
【0126】請求項9に記載の発明によれば、衝撃緩和
制御を、自動水平停止制御と後傾動作の少なくとも一方
に採用したので、自動水平停止制御において荷役機器が
水平姿勢で停止する際の衝撃を緩和したり、マストの後
傾完了時の衝撃を緩和することができる。
【0127】請求項10に記載の発明によれば、電磁弁
をノーマルクローズ弁としたので、キーオフ時に第三者
が操作部を操作して手動切換弁を開弁状態に切換えて
も、荷役機器がその重量等により動いてしまうことを回
避できる。
【0128】請求項11に記載の発明によれば、電磁弁
より油圧シリンダ寄りの油路上にパイロット逆止弁を設
けたので、キーオフ時における荷役機器の自然降下や自
然前傾をより確実に防止できる。また、電磁弁がノーマ
ルオープン弁である場合には、キーオフ時に第三者が誤
って操作部を操作して手動切換弁を開弁させたとして
も、荷役機器の降下や前傾を防止できる。
【0129】請求項12に記載の発明によれば、第2油
圧シリンダの油路上に第2手動切換弁との間に第2パイ
ロット逆止弁を設けたので、キーオフ時に第三者が誤っ
て操作部を操作して第2手動切換弁を開弁させたとして
も、荷役機器がその自重等により動いてしまうことを回
避できる。
【0130】請求項13に記載の発明によれば、電磁弁
を油圧シリンダにおける荷役機器からの荷重圧を受ける
側の室に接続された油路上に設け、電磁弁が接続された
室の作動油が荷役機器からの荷重圧を受けて押し出され
ながら抜けるようにしたので、荷役機器を停止制御する
際に位置精度が出やすい。例えば油圧シリンダがマスト
を傾動させるためのものであれば、マストを所定の停止
角に精度良く停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるフォークリフトの油圧回
路図。
【図2】フォークリフトの電気回路ブロック図。
【図3】ティルトレバーの側面図。
【図4】フォークリフトの側面図。
【図5】前傾角規制制御のためのマップを示す線図。
【図6】後傾速度制御及び衝撃緩和制御のためのマップ
を示す線図。
【図7】第2実施形態におけるフォークリフトの油圧回
路図。
【図8】別例における揚高センサを備えたフォークリフ
トの部分側面図。
【図9】同じく後傾速度制御のためのマップを示す線
図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、3…マスト、4
…第2油圧シリンダとしてのリフトシリンダ、8…荷役
機器としてのフォーク、9…油圧シリンダとしてのティ
ルトシリンダ、9a…ピストンロッド、9d…室として
のロッド室、12…リフトレバー、13…操作部として
のティルトシリンダ、14…操作検知手段を構成する前
傾検出スイッチ、15…検出手段及び操作検知手段を構
成するとともに後傾操作検知器としての後傾検出スイッ
チ、16…操作スイッチ、17…検出手段を構成すると
ともに揚高検出器としての揚高センサ、18…検出手段
を構成するとともに傾斜角検出器としてのポテンショメ
ータ、21…油圧ポンプ、26b,36a,36b,3
5…油路としての管路、28,70…第2手動切換弁と
してのリフト用制御弁、29…手動切換弁としてのティ
ルト用制御弁、34,84…第2パイロット逆止弁とし
てのパイロット逆止弁、39…電磁比例制御弁としての
電磁弁、37…電磁弁を構成する制御弁、38…電磁弁
を構成する比例ソレノイド弁、43,82…パイロット
逆止弁、53…制御手段、自動水平停止手段、後傾速度
制御手段及び衝撃緩和制御手段としてのコントローラ、
71…電磁弁、72…電磁弁を構成する制御弁、73,
74…電磁弁を構成するオンオフ弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 牧生 長野県上水内郡豊野町浅野1671 仁科工業 株式会社内 (72)発明者 中島 滋人 長野県上水内郡豊野町浅野1671 仁科工業 株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷役機器を作動させるための操作部を操
    作することにより切換駆動される手動切換弁と、 前記荷役機器を駆動するための油圧シリンダと、 前記油圧シリンダの油路上に前記手動切換弁と直列に設
    けられた電磁弁と、 前記荷役機器を制御するために必要な検出値を得るため
    の検出手段と、 前記検出手段から得た検出値に基づいて前記電磁弁を制
    御する制御手段とを備えている産業車両の油圧制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記電磁弁は、電磁比例制御弁である請
    求項1に記載の産業車両の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁比例制御弁は、前記油圧シリン
    ダの油路上に前記手動切換弁と直列に設けられた制御弁
    と、該制御弁を駆動するために必要なパイロット圧を調
    整する比例ソレノイド弁とからなる請求項2に記載の産
    業車両の油圧制御装置。
  4. 【請求項4】 前記電磁弁は、複数の開度に切換可能な
    制御弁と、該制御弁を複数の開度に切換えるために必要
    なパイロット圧を段階的に選択可能に組合わせられた複
    数のオンオフ弁とからなる請求項1に記載の産業車両の
    油圧制御装置。
  5. 【請求項5】 前記油圧シリンダは、荷役機器を昇降可
    能に支持するマストを前後に傾動させるためのものであ
    る請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の産業車両
    の油圧制御装置。
  6. 【請求項6】 前記検出手段は、前記荷役機器を自動で
    水平に停止させるときに操作する操作スイッチと、前記
    マストの傾斜角を検出するための傾斜角検出器とを備
    え、 前記制御手段は、前記操作スイッチが操作された信号を
    入力するとき、前記傾斜角検出器からの検出値に基づい
    て前記荷役機器を水平とする水平設定角で前記マストが
    停止するように前記電磁弁を閉弁させる停止制御を行う
    自動水平停止手段を備えている請求項5に記載の産業車
    両の油圧制御装置。
  7. 【請求項7】 前記検出手段は、荷役機器の揚高を検出
    するための揚高検出器と、前記操作部が後傾操作された
    ことを検知する後傾操作検知器とを備え、 前記制御手段は、前記後傾操作検知器から前記操作部が
    後傾操作された検知信号を入力すると、予め揚高が高い
    ほど遅くなる少なくとも二段階以上に設定された前記マ
    ストの後傾速度の中から、前記揚高検出器からの検出値
    に基づいてその時の揚高に応じた後傾速度を決め、該後
    傾速度に応じた開度に前記電磁弁を開度調整する後傾速
    度制御手段を備えている請求項5に記載の産業車両の油
    圧制御装置。
  8. 【請求項8】 前記検出手段は前記マストの傾斜角を検
    出するための傾斜角検出器を備え、 前記制御手段は、前記傾斜角検出器からの検出値に基づ
    いて前記マストの傾斜角がその停止角手前に設定された
    減速域に達したことを認知すると、前記マストの傾動速
    度を減速すべく前記電磁弁の開度を狭く調整する衝撃緩
    和制御手段を備えている請求項5に記載の産業車両の油
    圧制御装置。
  9. 【請求項9】 前記停止角は、請求項6における前記水
    平設定角と、前記マストの後傾規制角のうち少なくとも
    一方である請求項8に記載の産業車両の油圧制御装置。
  10. 【請求項10】 前記電磁弁はノーマルクローズ弁であ
    り、前記操作部が操作されたことを検知する操作検知手
    段を備え、前記制御手段は該操作検知手段からの検知信
    号を入力すると、前記電磁弁を所定閉弁時期以外は開弁
    させる請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の産業
    車両の油圧制御装置。
  11. 【請求項11】 前記手動切換弁と前記油圧シリンダを
    繋ぐ油路上には、車両の始動によって駆動される油圧ポ
    ンプからの油圧で作動するパイロット逆止弁が、前記荷
    役機器の自重による該油圧シリンダのピストンロッドの
    変位を阻止し得る向きに、前記電磁弁よりも前記油圧シ
    リンダ寄りに設けられている請求項1〜請求項10のい
    ずれか一項に記載の産業車両の油圧制御装置。
  12. 【請求項12】 荷役用の複数の油圧シリンダを備え、
    該複数の油圧シリンダのうち前記電磁弁をその油路上に
    備えない第2油圧シリンダの油路上には、該第2油圧シ
    リンダと、該第2油圧シリンダの油路を開閉する第2手
    動切換弁との間に、車両の始動によって駆動される油圧
    ポンプからの油圧で作動する第2パイロット逆止弁が、
    前記荷役機器の自重による該第2油圧シリンダのピスト
    ンロッドの変位を阻止し得る向きに設けられている請求
    項1〜請求項11のいずれか一項に記載の産業車両の油
    圧制御装置。
  13. 【請求項13】 前記電磁弁は、前記油圧シリンダにお
    ける前記荷役機器からの荷重圧を受ける側の室に接続さ
    れた油路上に設けられている請求項1〜請求項12のい
    ずれか一項に記載の産業車両の油圧制御装置。
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