JP2844257B2 - プラスチツク光フアイバ - Google Patents

プラスチツク光フアイバ

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JP2844257B2
JP2844257B2 JP2330069A JP33006990A JP2844257B2 JP 2844257 B2 JP2844257 B2 JP 2844257B2 JP 2330069 A JP2330069 A JP 2330069A JP 33006990 A JP33006990 A JP 33006990A JP 2844257 B2 JP2844257 B2 JP 2844257B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプラスチツク光フアイバに係り、更に詳しく
は長距離伝送可能な光フアイバコード、光フアイバケー
ブルなどに用いることのできるプラスチツク光フアイバ
に関する。
〔従来技術〕
従来、光フアイバとしては、広い波長領域に亘つて優
れた光伝送を行なうことができる無機ガラス系光学繊維
が知られているが、この光学繊維は加工性が悪く、曲げ
応力が弱いという難点があり、より加工性のよい光フア
イバとして、プラスチツクを基材とする光フアイバが開
発され、実用化されている。
このプラスチツク光フアイバは、屈折率が大きく、か
つ光の透過性が良好なポリメタクリル酸メチル(以下PM
MAという)、ポリカーボネート(以下PCという)等の重
合体よりなる芯材(コア)と、これよりも屈折率が小さ
くかつ透明な含フツ素ポリマー等の重合体よりなる鞘材
(クラツド)とを基本構成単位としている。これらコア
・クラツド型の光フアイバ(光フアイバ素線)として
は、この光フアイバ素線や光フアイバ素線に機能性保護
層を設けたバルクフアイバ、光フアイバ素線をジヤケツ
ト材で複覆した光フアイバコード、及びバルクフアイバ
の集合体である集合フアイバ、更にはバルク光フアイバ
にテンシヨンメンバーを設けた光フアイバケーブルなど
が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、これらのオールプラスチツク光フアイバは芯
を構成する重合体分子内にC−H結合を多数有し、その
C−H結合の伸縮、振動による光吸収が低波長領域に存
在し、その5〜8倍音が近赤外、可視領域、すなわち40
0nm以上の波長領域でも存在し、この波長領域での光伝
送損失が大きくなる原因となつていた。例えばポリメチ
ルメタクリレートを芯とする光フアイバのC−H結合に
基ずく光吸収による伝送損失は650nmの波長において約1
00dB/km、780nmの波長において約400dB/kmとなる。また
ポリメチルメタクリレート中のH原子を重水素に置き換
えたd8−PMMAを芯とする光フアイバの光伝送損失は780n
mの波長において50dB/kmとされているが、この型の光フ
アイバはd8−PMMAが高い吸水率を有しているため、経時
的に芯が吸水し、その光伝送損失が経時的に増大すると
いう難点があつた。
近赤外領域の発光を行ない、かつ高出力で高速データ
伝送を行ない得るLEDが低コストでかつ大量に生産され
ているが、従来開発されてきたオールプラスチツク光フ
アイバはこれらの近赤外発光可能なLEDを使えないた
め、100mを越える光伝送を1本の光フアイバで行なうこ
とは難しいためプラスチツク光フアイバを用いたLANの
開発も遅れている現状にある。
そこで近年、近赤外領域の光の伝送を行ない得るプラ
スチツク光フアイバの開発も検討されており、例えばEP
340557(特開昭1−314206)公報及びEP 340555(特開
平2−12206号)公報にはα−フルオロアクリル酸のフ
ルオロアルキルエステル重合体を芯とし、フツ化ビニリ
デン−テトラフルオロエチレン系コポリマを鞘とする光
フアイバの発明が示されている。この光フアイバは近赤
外領域の波長の光の伝送を一応行なうことができるが、
芯形成用重合体と鞘形成用重合体との屈折率差を大きく
とることができないため、低開口角の光フアイバとな
り、大量のデータ伝送を行ない得る光フアイバとしては
十分なものとはいえない。またこの型の低開口角光フア
イバは折り曲げにより、光フアイバ側面より光が漏れる
ことを防止できないという性質もあり、データ伝送用光
フアイバとしては未だ不十分である。
そこで屈折率の低い透明な鞘材としてパーフルオロ
(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)と他の少なくと
も1種のエチレン性不飽和単量体との共重合体が見出さ
れている。この鞘材を用いた場合、下記式〔I〕で表さ
れるα、β−不飽和カルボン酸エステルを主成分とする
重合体とのガラス転移温度と鞘材のガラス転移温度に大
きな差が生じることがある。この芯材はガラス状で硬く
光フアイバーとしての強度に問題がある。そのため延伸
操作を行なうことが必要となる。その場合鞘材のガラス
転移温度が芯材のガラス転移温度と大きく異なる延伸行
程において、延伸温度が鞘材に適さず光フアイバの性能
を損なうことになる。
(式中XはCH3、H、F、D、Cl、又は−CF3を、YはH
又はDをRfは直鎖状パーフルオロアルキル基を示す) 又、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソー
ル)を主単量体とする重合体はフツ素樹脂の特徴である
密着性にとぼしいという欠点をもつ、すなわちこの重合
体を鞘材として用いた場合芯−鞘2層構造の光フアイバ
は曲げることにより鞘がはくりしプラスチツク光フアイ
バの大きな特徴である可とう性を大きく損なうものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者等は上記課題を解決し得たオールプラ
スチツク光フアイバを見出すべく検討した結果本発明を
完成したものであり、その要旨とするところは下記式
(1)で表わされるα,β−不飽和モノカルボン酸のフ
ツ化アルキルエステルを主成分とする重合体を芯とし、
パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキゾール)と
少なくとも1個の他の共重合可能なエチレン系不飽和単
量体との共重合体を鞘とし芯材と鞘材のガラス転移温度
の差が30℃以内であるという条件を満足し、さらに外周
に保護層を設けた3層構造を有する光ファイバプレカー
サーを1〜10倍延伸してなるプラスチック光ファイバに
ある。
(式中XはCH3,H,D,F,Cl又はCF3なる基を、YはH又は
Dを、Rfは直鎖あるいは分岐鎖を有するフルオロアルキ
ル基を示す) 本発明に用いられる芯材はガラス状で硬く光フアイバ
として紡糸した場合その強度や可撓性に問題があるが、
鞘材として、ガラス転移温度が芯材のそれとの差が30℃
以内であるパーフルオロ(2,2−ジメチル1,3−オキソー
ル)と他の少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体と
の共重合を用い、さらに外周に保護層を有する三層構造
とすることで芯−鞘の密着性を確保することにより従来
開発されてきたオールプラスチツク光フアイバに比べ著
るしく光伝送特性が改良されたものとなり、更に紡糸し
た光フアイバをその光伝送性能を損なうことなく延伸
し、強度可撓性に優れた光フアイバが得られることを見
出した。
本発明を実施するに際して用いる芯形成用重合体は、
次の一般式(1) (式中X,Y,Rfは前記に同じ) で表わされる単量体を主とするものの単独重合体又は共
重合体である。
式(1)で表わされるモノマーの具体例としてはRfが
フルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基である
フルオロアルキルアクリレート、α−フルオロアクリレ
ート、α−クロロアクリレート又はメタクリレート類で
ある。Rf基としては−(CH2(CF2nZ(式中mは0
〜2の整数、nは1〜12の整数、ZはH又はFを示す)
で表わされる直鎖フルオロアルキル基、−CH2C(CF32
A(式中AはH,D,F,脂肪族又は脂環アルキル基又は芳香
族アルキル基を示す)、或いは−C(CF32A等を挙げ
ることができるが、これらモノマーに限定されるもので
はない。
芯形成用重合体と一般式(1)で示すモノマー単位を
少なくとも30モル%以上好しくは75モル%以上含むもの
とするのがよい。当該モノマー単位含有量が30モル%未
満の重合体はそこに含まれるC−H結合量が増大し、か
つ吸水率も高くなるため、該重合体を芯とする光フアイ
バは光伝送特性の良好な光フアイバとすることが難し
い。一般式(1)のモノマーと共重合可能な他のモノマ
ーとしてはエステル基かメチルエステル、エチルエステ
ル、ブチルエステル、t−ブチルエステル、シクロヘキ
シルエステル、フエニルエステル、イソボルニルエステ
ル等であるメタクリレート類又はアクリレート類、マレ
イミド、フエニルマレイミド、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、スチレン、α−メチルスチレン、P−
クロルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを
挙げることができる。
本発明を実施するに際して用いる芯形成用重合体の屈
折率Naは1.33〜1.46と比較的低いものである。そこで本
発明を実施するに際して用いる鞘形成用重合体の屈折率
は1.29〜1.35の範囲にあり、かつ、Na−Nb≧0.01好しく
は0.03以上なる条件を満足する重合体である必要があ
る。
本発明を実施するに際して好しく用い得る鞘形成用重
合体はパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキゾー
ル)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共
重合体である。本発明を実施するに際して用いるパーフ
ルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキゾール)は例えば
米国特許第3865845号公報に記載された方法によつて合
成することができる。また、その共重合体は、例えば米
国特許第3978030号公報に記載された方法によつて製造
することができる。
パーフルオロ(2,2−ジメチルオキソール)と共重合
可能なエチレン系不飽和単量体としては、例えばエチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、ブテン−1、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニル
エーテル、ブチルビニルエーテル、CF2=CF2、CHF=C
F2、CH2=CF2、CH2=CHF、CCl=CF2、CHCl=CF2、CCl2
=CF2、CClF=CClF、CHF=CCl2、CH2=CClF、CCl2=CCl
F等、フルオロプロピレン系化合物例えばCF3CF=CF2、C
F3CF=CHF、さらに官能基を有する単量体、例えばパー
フルオロ(アルキルビニルエーテル)、メチル−3−
〔1−〔ジフルオロ〔(トリフルオロエテニル)オキ
シ〕メチル〕−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ〕−
2,2,3,3−テトラフルオロブロパノエート、2−{1−
(ジフルオロ〔(トリフルオロエテニル)オキシ〕メチ
ル)−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ}−1,1,2,2−
テトラフルオロエタンスルホニルフルオライト等をその
具体例として挙げることができる。
上記鞘形成用重合体は屈折率が1.29〜1.35で非晶性で
高い透明性を有する重合体であることが必要である。こ
のような特性を備えた鞘形成用重合体とするには、パー
フルオロ〔2,2−ジメチル−1,3−ジオキゾール〕の重合
割合は20〜100モル%好しくは25〜99.7モル%の範囲と
するがよい。
またガラス転移温度はパーフルオロ(2,2−ジメチル
ジオキソール)の重合割合により例えば第1図に示す如
く変化し用いる芯材用重合体のガラス転移温度に応じて
その温度差が30℃以内のものとなるようにその重合割合
を調整することで目的とするガラス転移温度の重合体が
得られる。
また鞘形成用重合体として高ガラス転移温度を有する
重合体を用いた場合、そのガラス転移温度を改良するに
は数平均分子量1.5万以上のパーフルオロ〔2,2−ジメチ
ル−1,3−ジオキゾール〕の重合体に対し、可塑効果を
有する数平均分子量10.000以下の可塑剤、すなわちパー
フルオロアルキルエーテルを重合体に対し1〜50重量%
好しくは5〜30重量%の割合で加えるのがよい。この可
塑剤は浸み出し現象の極めて少ないものであり、本発明
の実施に当つては好しいものである。パーフルオロアル
キルエーテルの具体例としてはFCF2CF2−OnCF2
CF3FCF2CF2CF2OnCF2CF3等を挙げることができ、市販品としてはダイキン工業
(株):商標Demnum、デユポン(株)製:商標Krytox〕
がある。
この場合可塑剤のパーフルオロ(2,2−ジメチルジオ
キソール)系重合体への添加割合によりガラス転移温度
が変化し芯材のガラス転移温に応じた鞘形成用重合体混
合物が得られる。
第2図にパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ゾール)/テトラフルオロエチレン=60/40(mol%)の
共重合体に可塑剤パーフルオロアルキルエーテルを加え
た組成物のガラス転移点の変化状態を示した。
本発明により完成されたプラスチツク光フアイバは上
記芯−鞘の外層に保護層を有するという特徴を有する。
上記芯と鞘はその密着性にとぼしく、例えば芯−鞘2層
構造の光フアイバは曲げることにより簡単に鞘がはくり
しプラスチツク光フアイバの大きな特徴である可とう性
を大きく損なうものである。本発明により完成された光
フアイバは鞘の外層に保護層を有することにより光フア
イバの可とう性を大きく向上させ得ることが可能とな
る。本発明を実施するに際して用いる保護層形成用重合
体は破断伸度が10%以上の重合体が好ましい。
例えば、アクリロニトリル、ブタジエン−スチレン共
重合体(破断伸度40%:以下同じ)、スチレン−ブタジ
エン共重合体(100%)、エチレン−ビニルアルコール
共重合体(200%)、エチレン−塩化ビニル共重合体(1
70%)、エチレン−ビニルアセテート共重合体(800
%)、アイオノアー(370%)、ポリメチルペンテン(1
0%)、ポリエチレン(600%)、ポリプロピレン(60
%)、エチレン−α−オレフイン共重合体(500%)、
ポリカーボネート(100%)、ポリアミド(100%)、ポ
リオキシメチレン(60%)、ポリエチレンテレフタレー
ト(350%)、ポリブチレンテレフタレート(350%)、
ポリウレタン(500%)、耐衝撃性ポリスチレン(60
%)、ポリビニリデンクロライド(150%)、ポリアク
レート(50%)、ポリエーテルスルホン(60%)、ポリ
フエニレンオキサイド(60%)、ポリスルホン(60
%)、各種熱可塑性エラストマー(500〜700%)ポリフ
ツ化ビニリデンあるいはその共重合体(200〜400%)、
長鎖フルオロアルキルメタクリレート重合体(20%)、
フルオロアルキルアクリレート重合体(300%)、α−
フルオロアルキルアクリレート重合体(20%)ポリクロ
ロトリフルオロエタンあるいはその共重合体(100−200
%)アルキルアクリレート重合体(700%)、長鎖アル
キルメタクリレート(50%)などが例示されるが特にこ
れに限定されない。
また保護層の厚みに関しては1〜100μmの範囲であ
ることが好ましい。保護層の厚味が1μm未満であると
光フアイバの可とう性が充分でなく、曲げた際、鞘のは
くりが生じ易くなり、一方保護層の厚味が100μmを越
えると光フアイバの光入射面での芯の占有率が少なくな
り、光フアイバへの入射光量が制限されることになる。
さらにクラツド内を伝搬する光(クラツド・モード)を
消去させるため、鞘材重合体の屈折率N2と保護材重合体
の屈折率N3がN3−N2≧0.05なる条件を満たすことが好ま
しい。
本発明のプラスチツク光フアイバを製造する方法とし
ては芯、鞘、保護の同心円状に3層複合溶融紡糸にて成
形する方法、まず芯、鞘を同心円状に2層複合溶融紡糸
にて成形し、さらにその外層にソルベント・コーテイン
グ法あるいは光、熱硬化により保護層を被覆する方法あ
るいは芯フアイバを溶融紡糸し、その外層に鞘、及び保
護層をソルベントコーテイング法あるいは光硬化性樹脂
や熱硬化性樹脂を遂一1層ずつ被覆する方法、また芯−
鞘を同心円状に2層複合溶融紡糸にて成形し、別工程に
おいて保護層を溶融被覆する方法などをとり得るが、そ
の生産性及び得られた光フアイバの線径変動、光伝送損
失変動の均一性を確保するためには、芯−鞘保護を同心
円状に3層複合溶融紡糸にて成形する方法が特に好まし
い。
また、この光フアイバの耐屈曲性の向上を行なうには
溶融紡糸した光フアイバを1〜10倍好ましくは1.5〜5
倍程度延伸することが好ましい。かくの如き延伸した光
フアイバは繰返し屈曲を与えても芯−鞘界面の剥離や芯
の破断、損傷などは生ぜず極めてハンドリング性の良好
な光フアイバとなつている。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
〔実施例〕
実施例1 使用するモノマー類はすべて常法に従がい充分に精製
し、蒸留後すぐに使用した。
トリフルオロエチルメタクリレート70mol%、メチル
メタクリレート30mol%、よりなる単量体混合物100部に
対してn−オクチルメルカプタン0.15重量%、ジターシ
ヤリブチルパーオキサイド30ppmを添加した混合物を膜
厚0.02μのテトラフルオロエチレン製膜、フイルターに
て濾過し、150℃でN2加圧5時間重合し、重合率47%の
シラツプを得、このシラツプを連続的に脱揮押出機に供
給し、残存モノマー量0.5%以下のポリマーとした後、2
10℃に加温した紡糸器の芯材供給部に供給した。得られ
たポリマーはガラス転移温度96℃(DSCにて測定)、屈
折率1.424であつた。一方、パーフルオロ(2,2−ジメチ
ル−1,3−ジオキソール)/テトラフルオロエチレン=5
0/50mol%の共重合体を溶融押出機により溶融し、上記
紡糸器の鞘材供給部に供給した。得られたポリマーはガ
ラス転移温度110℃、屈折率1.308であつた。
また、フツ化ビニリデン80mol%、テトラフルオロエ
チレン20mol%よりなる共重合体を溶融押出機により溶
融し、上記紡糸器の保護材供給部に供給した。得られた
ポリマーは屈折率1.403であつた。紡糸器内の3層複合
紡糸ノズルにて芯−鞘−保護構造とし外径1.41mmφの光
フアイバを得た。この光フアイバを135℃にて2倍延伸
して得た光フアイバの外径は1mmφであり芯径980μm、
鞘厚5μm保護厚5μmであつた。その光伝送損失は65
0nmにおいて96dB/km、770nmにて417dB/km、950nmにて10
14dB/kmと非常に少ないものであつた。得られた光フア
イバをr=5mmのコーナに沿わせ左右夫々90゜の繰返し
屈曲評価を行なつたところ鞘のはくりも見られず8000回
まで切断しなかつた。
比較例1 実施例1で用いたものと同じ芯形成用重合体、鞘形成
用重合体を用い同心円状の2層複合紡糸ノズルにて複合
紡糸し芯−鞘構造で、芯径990μm、鞘厚5μmの光フ
アイバを得た。得られた光フアイバの伝送損失は650nm
において101dB/km、770nmにおいて431dB/km、950nmにお
いて923dB/kmと非常に少ないものであつたがr=5mmの
コーナーに左右夫々90゜の繰り返し屈曲評価を行つたと
ころ光フアイバの曲げ中心に鞘のはくりがみられた。
比較例2 実施例1で用いたものと同じ芯、鞘、保護層用重合体
を三層複合ノズルにて紡糸し延伸することなく外径1mm
φの光フアイバを得た、得られた光フアイバの伝送損失
は650nm、770nm、950nmにおいてそれぞれ92dB/km、420d
B/km、942dB/kmであつた。r=5mm、90゜の繰返し屈曲
評価では鞘のはくりは見られなかつたが500回で切断し
た。
実施例2 使用するモノマー類はすべて常法に従がい充分に精製
し、蒸留後すぐに使用した。
α−フルオロ1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロ
ピルアクリレート100重量部に対してn−オクチルメル
カプタン0.3重量%、ジターシヤリブチルパーオキサイ
ド18ppmを添加した単量体混合物を膜厚0.02μのテトラ
フルオロエチレン製膜製フイルターにて濾過し、150℃
にてN2加圧下3時間重合し、重合率54%のシラツプを
得、このシラツプを連続的に脱揮押出機に供給し、残存
モノマー量0.5%以下なるポリマーとし、このポリマー
を180℃に加熱した、紡糸器の芯材供給部に供給した。
得られたポリマーはガラス転移温度103℃、屈折率1.356
であつた。一方、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−
ジオキソール)/テトラフルオロエチレン=50/50mol%
の共重合体を溶融押出機により溶融し、上記紡糸器の鞘
材供給部に供給した。
また、ビスフエノールA型ポリカーボネイト(粘度平
均分子量19,000)を溶融押出機により溶融し、上記紡糸
器の保護材供給部に供給した。紡糸器内の3層複合紡糸
ノズルにて芯−鞘−保護構造とし1.41mmφの光フアイバ
を得135℃にて2倍延伸を行ない芯径970μm、鞘厚5μ
m、保護厚10μm、外径1mmφの光フアイバを得た。得
られた光フアイバの伝送損失は650nmにおいて81dB/km、
770nmにおいて98dB/km、950mm、201dB/kmと非常に少な
いものであつた。また得られた光フアイバをr=5mmの
コーナーに左右夫々90゜の繰返し屈曲を行なつたところ
鞘のはくりなど外観劣化は全く無く、9000回まで切断し
なかつた。
比較例3 実施例2と同様の芯−鞘−保護形成用重合体を用い延
伸することなく、光フアイバの保護厚を0.5μmとした
光フアイバを得た。この光フアイバの光伝送損失は実施
例2で得た光フアイバと同等であつたが、r=5mmのコ
ーナーに左右夫々90゜の屈曲で光フアイバの曲げ中心に
鞘のはくりが生じ、可とう性にとぼしいものであつた。
実施例3〜4 芯形成用重合体、鞘形成用重合体、保護形成用重合体
をそれぞれ表−1に掲げるものとし、実施例1と同様に
紡糸、延伸して芯径960μm、鞘厚10μm、保護厚10μ
m、外径1,000μmの光フアイバを得た。得られた光フ
アイバの伝送損失機械的強度を表−1に示す。
実施例5 α−フルオロ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプ
ロピルアクリレート重合体を芯形成用重合体として用
い、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキゾー
ル)/テトラフルオロエチレン=60/40モル%なる重合
体90重量%と (数平均分子量8,250のパーフルオロアルキルエーテ
ル:デユポン社製:商標クライトツクス143AD)10重量
%とよりなる屈折率1,303の樹脂組成物を鞘形成用重合
体として用い、さらにフツ化ビニリデン/テトラフルオ
ロエチレン=80/20mol%の共重合体を保護形成用重合体
として用い芯−鞘−保護3層複合紡糸にて行ない135℃
にて2倍延伸を行ない芯径960μm、鞘厚10μm、保護
厚10μm、外径1,000μmの光フアイバを得た。この光
フアイバの伝送損失は650nmにおいて76dB/kmであり、r
=5mmのコーナーに左右夫々90゜の繰返し屈曲を行つた
ところ、鞘のはくりなど外観劣化は全くなく11000回ま
で切断しない非常にすぐれた機械的特性を示した。
比較例4 実施例5で用いたものと同じ芯形成用重合体と鞘形成
用重合体を用い、芯、鞘2層複合紡糸にて芯径980μ
m、鞘厚10μm、外径1,000μmの光フアイバを得た。
この光フアイバの伝送損失は650nmにおいて65dB/kmと良
好であつたが、r=5mmのコーナーに左右夫々90゜の繰
返し屈曲を行つたところ鞘のはくりが生じ、可とう性に
おとるものであつた。
実施例6 表1に示す芯形成用重合体、鞘形成用重合体を用い複
合溶融紡糸し、つづいて135゜で2倍延伸を行ない外径9
90μmφの光フアイバを得た。この光フアイバにコーテ
イングダイスを用いポリフツ化ビニリデン(20wt%アセ
トン溶液)をコーテイングし50℃にて乾燥し外径9mmφ
の光フアイバを得た、この光フアイバの性能を表−1に
示す。
【図面の簡単な説明】
第1図はパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3ジオキソー
ル)とテトラフルオロエチレン共重合体の組成とガラス
転移点の関係を示す図であり、第2図はパーフルオロ
(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)/テトラフルオ
ロエチレン=60/40(mol%)の共重合体に可塑剤を添加
したもののガラス転移温度の変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 隆 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−302303(JP,A) 特開 昭61−123803(JP,A) 特開 平2−25812(JP,A) 特開 昭61−62009(JP,A) 特公 昭52−699(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I]で示される単量体を主単量体
    として得たガラス転移温度Tg1の重合体を芯とし、パー
    フルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)を主単
    量体としたガラス転移温度Tg2の重合体を鞘とし|Tg1−T
    g2|≦30℃なる条件を満足し、さらに外周に保護層を設
    けた3層構造を有する光ファイバプレカーサーを1〜10
    倍延伸してなるプラスチック光ファイバ。 (式中XはH、CH3、D、F、Cl、又はCF3を、YはH、
    又はDを、Rfは直鎖状又は分岐状フルオロアルキル基を
    示す)
  2. 【請求項2】鞘形成用重合体が、パーフルオロ(2,2−
    ジメチル−1,3−ジオキソール)の共重合体50〜99重量
    部とパーフルオロアルキルエーテル1〜50重量部との混
    合物にて形成されていることを特徴とする請求項第1項
    記載のプラスチック光ファイバ。
  3. 【請求項3】保護層の厚みが1〜100μmであることを
    特徴とする請求項第1項又は第2項記載のプラスチック
    光ファイバ。
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