JP2841119B2 - プラスチツク光フアイバ及びその製造法 - Google Patents

プラスチツク光フアイバ及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は500m以上の長距離の光伝送ができ難燃特性を
も備えたプラスチック光フアイバに関するものであり、
とくに曲げた場合においても芯−鞘界面剥離を起さない
ハンドリング特性を備えたプラスチツク光フアイバに関
するものである。
〔従来の技術〕
従来開発されてきた光フアイバとしては、広い波長領
域に亘つて優れた光伝送を行なうことができる無機ガラ
ス系光学繊維が知られているが、この光フアイバは加工
性が悪く、曲げ応力が弱いという難点があり、より加工
性のよい光フアイバとして、プラスチツクを基材とする
光フアイバが開発され、実用化されている。
このプラスチツク光フアイバは、屈折率が大きく、か
つ光の透過性が良好なポリメタクリル酸メチル(以下PM
MAという)、ポリカーボネート(以下PCという)等の重
合体よりなる芯材(コア)と、これよりも屈折率が小さ
くかつ透明な含フツ素ポリマー等の重合体よりなる鞘材
(クラツド)とを基本構成単位としているコア・クラツ
ド型の光フアイバ(光フアイバ素線)があり、更に光フ
アイバ素線に機能性保護層を設けたバルクフアイバ、光
フアイバ素線をジヤケツト材で被覆した光フアイバコー
ド、及びバルクフアイバの集合体である集合フアイバ、
更にはバルク光フアイバにテンシヨンメンバー等を設け
た光フアイバケーブルなどが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これら従来開発されてきたオールプラスチツ
ク光フアイバは芯を構成する重合体がその分子内にC−
H結合を多数有し、そのC−H結合の伸縮、振動による
光吸収が低波長領域に存在し、その5〜8倍音が近赤
外、可視領域、すなわち400nm以上の波長領域にも存在
し、この波長領域での光伝送損失が大きな原因となつて
いた。例えばポリメチルメタクリレートを芯とする光フ
アイバのC−H結合に基ずく光吸収による伝送損失は65
0nmの波長において約100dB/Km、780nmの波長において約
400dB/Kmとなる。またポリメチルメタクリレート中のH
原子を重水素に置き換えたd8−PMMAを芯とする光フアイ
バの光伝送損失は780nmの波長において50dB/Kmとされて
いるが、この型の光フアイバはd8−PMMAが高い吸水率を
備えているため、経時的に芯が吸水し、その光伝送損失
が経時的に増大するという難点があつた。
近赤外領域で発光し、かつ、高出力で高速データ伝送
を行ない得るLEDが低コストでかつ、大量に生産されて
いるが、従来開発されてきたオールプラスチツク光フア
イバはこれらの近赤外発光可能なLEDを光通信用光源と
して使えないため、100mを越える光伝送を1本の光フア
イバで行なうことは難しいためプラスチツク光フアイバ
を用いたLANの開発も遅れている現状にある。そこで近
年、近赤外領域の光の伝送を行ない得るプラスチツク光
フアイバの開発を検討されており、例えばEP340557(特
開昭1−314206)公報及びEP340555(特開平2−12206
号)公報にはα−フルオロアクリル酸のフルオロアルキ
ルエステル重合体を芯とし、フツ化ビニリデン−テトラ
フルオロエチレン系コポリマを鞘とする光フアイバの発
明が示されている。この光フアイバは近赤外領域の波長
の光の伝送を一応行なうことができるが、芯形成用重合
体と鞘形成用重合体との屈折率差を大きくとることがで
きないため、低開口角の光フアイバとなり、大量のデー
タ伝送を行ない得る光フアイバとしては十分なものとは
いえない。またこの型の低開口角光フアイバは折り曲げ
により光フアイバ側面より光が漏れることを防止でき
ず、データ伝送用光フアイバとしては未だ不十分であ
る。更にフツ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン系
重合体は完全なアモルフアスポリマではないためわずか
な光吸収性及び光乱反射特性を有しており、該ポリマを
鞘としたオールプラスチツク光フアイバはその光伝送特
性が必ずしも十分ではないという難点がある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者等は上記課題を解決し得たオールプラ
スチツク光フアイバを見出すべく検討した結果、本発明
を完成したものであり、その要旨とするところは下記式
(1)で表わされるα,β−不飽和モノカルボン酸のフ
ツ化アルキルエステルを主構成成分とする屈折率n1の重
合体を芯とし、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジ
オキソール)と少なくとも1コの他の共重合可能なエチ
レン系不飽和単量体との共重合体であり芯を構成する重
合体よりも低い屈折率n2を有する重合体を鞘とし、n1
n2≧0.01なる条件を満足した芯−鞘型光フアイバとし、
その外周に保護層を設けたオールプラスチツク光フアイ
バにある。
式中XはH,CH3,D,F,Cl又はCF3を、YはH又はDを、R
fは直鎖状又は分岐状フルオロアルキル基を示す 従来開発されてきたオールプラスチツク光フアイバの
芯を構成する重合体はその分子内に多くのC−H結合を
有するがゆえ、その伝送損失は大きく1Km以上の長距離
伝送を行ないうるものとはなつていない。これに対し本
発明で用いる芯重合体はC−H結合が少なくC−F結合
を多く含む弗素含量の多い分子にて構成されているため
C−H結合数を極力減少させ、その振動、伸縮に基因す
る光の吸収損失を大幅に低減し得たものと成し得てい
る。また芯用重合体中の弗素含量を多くすることによ
り、その吸水率は極めて小さく、それ故該重合体を芯と
する光フアイバの吸水による光吸収をも低減することが
できた。芯用重合体分子中の弗素含量が多くなるとその
重合体の屈折率が小さくなり、鞘材の選定が困難となる
のであるが、本発明者等は屈折率の低い透明な鞘材とし
て、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソー
ル)と他の少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体と
の共重合体を用いうることを見出した。
本発明を実施するに際して用いる芯用重合体は、次の
一般式(1) (式中X,Y,Rfは前記に同じ) で表わされる単量体の単独重合体又は他のコモノマとの
共重合体である。
式(1)で表わされるモノマーの具体例としてはRfが
フルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基である
アクリレート類、α−フルオロアクリレート類、α−ク
ロロアクリレート類又はメタクリレート類である。Rf基
としては−(CH2)m(CF2)nZ(式中mは0〜2の整数、n
は1〜12の整数、ZはH又はFを示す)で表わされる直
鎖フルオロアルキル基、−CH2C(CF3)2A(式中AはH,D,
F,脂肪族又は脂環アルキル基又は芳香族アルキル基を示
す)或いは−C(CF3)2A(Aは前記に同じ)等を挙げるこ
とができるが、これらモノマーに限定されるものではな
い。
芯用重合体は一般式(1)で示すモノマー単位を少な
くとも30モル%以上、好ましくは75モル%以上含むもの
とするのがよい。当該モノマー単位含有量が30モル%未
満の重合体はそこに含まれるC−H結合量が増大し、か
つ吸水率も高くなるため、該重合体を芯とする光フアイ
バは光伝送特性の良好な光フアイバとすることが難し
い。一般式(1)のモノマーと共重合可能な他のモノマ
ーとしてはエステル基がメチルエステル、エチルエステ
ル、ブチルエステル、t−ブチルエステル、シクロヘキ
シルエステル、フエニルエステル、イソボルニルエステ
ル等であるメタクリレート類又はアクリレート類、マレ
イミド、フエニルアレイミド、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、スチレン、α−メチルスチレン、p−
クロルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを
挙げることができる。
本発明を実施するに際して用いる芯用重合体は、該重
合体を芯とする光フアイバの光伝送特性を向上させるた
め、そこに含まれる異物の過が容易であること、ま
た、該光フアイバの可撓性を良好なものとするには、そ
のガラス転移温度は150℃以下、とくに140°〜0℃の範
囲のものとするのが好しい。このような異物の過特性
の良好な重合体を芯とする光フアイバは極低損失の光フ
アイバであり、可撓性、ハンドリング性に優れているの
でLAN,FA等を始めとする光通信用光フアイバとして利用
することができる。
芯形成用重合体中に含まれる径0.5μm以上の異物は
該重合体を芯とする光フアイバの光伝送特性を著るしく
低下させるものであり、1Km以上の光伝送を行わしめる
光フアイバとしては好しくない。該重合体中の異物含有
量としてはポリマ1g当り10,000ケ以下のものとするのが
よい。異物含有量の少ない重合体を作るには使用する重
合触媒、モノマ、分子量調節材、或いは重合媒体等を蒸
留法、膜フイルターによる過法、昇華精製法等により
精製しておくことが好ましい。また、重合雰囲気も密閉
系でダストフリーな状態で行なうのがよい。更に、重合
体を紡糸するに際し、予め、焼結体フイルターで過す
るのも優れた方法である。
ポリマー中に含まれる異物量の測定は、ポリマーの0.
1重量%溶液を試料として用意し、この試料1gを液体微
粒子カウンター(HIAC/ROYCO Liguid Fine Particle Co
unter:HIAC/ROYCO株式会社製)にて、そこに含まれる微
粒子数を測定することにより得られる値である。
本発明を実施するに際して用いる芯用重合体の屈折率
Naは1.33〜1.46と比較的低いものである。そこで本発明
を実施するに際して用いる鞘形成用重合体の屈折率Nbは
1.29〜1.35の範囲にあり、かつ、Na−Nb≧0.01好しくは
0.03以上なる条件を満足する重合体である必要がある。
本発明を実施するに際して好しく用い得る鞘用重合体
はパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)
と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合
体である。本発明を実施するに際して用いるパーフルオ
ロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)は例えば米国
特許第3865845号公報に記載された方法によつて合成す
ることができる。また、その共重合体は、例えば米国特
許第3978030号公報に記載された方法によつて製造する
ことができる。
パーフルオロ(2,2−ジメチルオキソール)と共重合
可能なエチレン系不飽和単量体としては、例えばエチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、ブテン−1、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニル
エーテル、ブチルビニルエーテル、CF2=CF2、CHF=C
F2、CH2=CF2、CH2=CHF、CCl=CF2、CHCl=CF2、CCl2
=CF2、CClF=CClF、CHF=CCl2、CH2=CClF、CCl2=CCl
F等、フルオロプロピレン系化合物例えばCF3CF=CF2、C
F3CF=CHF、さらに官能基を有する単量体、例えばパー
フルオロ(アルキルビニルエーテル)、メチル−3−
{1−〔ジフルオロ〔(トリフルオロエテニル)オキ
シ〕メチル〕−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ}−
2,2,3,3−テトラフルオロプロパノエート、2−{1−
(ジフルオロ〔(トリフルオロエテニル)オキシ〕メチ
ル)−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ}−1,1,2,2−
テトラフルオロエタンスルホニル・フルオライト等をそ
の具体例として挙げることができる。
上記鞘用重合体は屈折率が1.29〜1.35で非晶性で高い
透明性を有する重合体であることが必要である。このよ
うな特性を備えた鞘形成用重合体とするには、パーフル
オロ〔2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール〕の重合割合
は20〜100モル%、好しくは25〜99.7モル%の範囲とす
るのがよい。
鞘形成用重合体の強じん性を保持したまま、その熱流
動性を改良するには数平均分子量1.5万以上のパーフル
オロ〔2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール〕の重合体に
対し、可塑効果を有する数平均分子量10,000以下の可塑
剤、すなわちパーフルオロアルキルエーテルを重合体に
対し1〜50重量%、好しくは5〜30重量%の割合で加え
るのがよい。この可塑剤は浸み出し現象の極めて少ない
ものであり、本発明の実施に当つては好しいものであ
り、 CF2CF3等のパーフルオロアルキルエーテル類、テトラヒ
ドロフラン、パーフルオロアルキルオキソール類などを
その具体例として挙げることができる。
本発明プラスチツク光フアイバは上記芯−鞘構造の外
層に保護層を有するという特徴を有する。上記芯と鞘は
その密着性にやや難点があり、曲げ程度では両者間の界
面剥離は起らないが、機械的な衝撃やしごきなどが加え
られると鞘がはくりし光伝送性が損なわれるという難点
もあり、プラスチツク光フアイバの大きな特徴である良
好な加工性を大きく損なうものである。
本発明の光フアイバは鞘の外層に保護層を設けること
により光フアイバの可とう性を大きく向上させ得ること
ができた。本発明を実施するに際して用いる保護層形成
用重合体は、破断伸度が10%以上の重合体が好ましい。
例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体(破断伸度40%)、スチレン−ブタジエン共重合体
(同100%)、エチレン−ビニルアルコール共重合体
(同200%)、エチレン−塩化ビニル共重合体(同170
%)、エチレン−ビニルアセテート共重合体(同800
%)、アイオノアー(同370%)、ポリメチルペンテン
(同10%)、ポリエチレン(同600%)ポリプロピレン
(同60%)、エチレン−α−オレフイン共重合体(同50
0%)、ポリカーボネート(同100%)、ポリアミド(同
100%)、ポリオキシメチレン(同60%)、ポリエチレ
ンテレフタレート(同350%)、ポリブチレンテレフタ
レート(同350%)、ポリウレタン(同500%)、耐衝撃
性ポリスチレン(同60%)、ポリビニリデンクロライド
(同150%)、ポリアクリレート(同50%)、ポリエー
テルスルホン(同60%)、ポリフエニレンオキサイド
(同60%)、ポリスルホン(同60%)、各種熱可塑性エ
ラストアー(同500〜700%)、ポリフツ化ビニリデンあ
るいはその共重合体(同200〜400%)、長鎖フルオロア
ルキルメタクリレート重合体(同20%)、フルオロアル
キルアクリレート重合体(同300%)、α−フルオロア
ルキルアクリレート重合体(同20%)、ポリクロロトリ
フルオロエタンあるいはその共重合体(同100〜200
%)、アルキルアクリレート重合体(同700%)、長鎖
アルキルメタクリレート(同50%)、架橋型エポキシア
クリレート、ウレタンアクリレートなどが例示されるが
特にこれに限定されない。また保護層の厚みに関しては
1μm以上100μm以下であることが好ましい。保護層
の厚さが1μm未満の光フアイバはその可とう性が充分
でなく、曲げた際、鞘のはくりが生じ易くなり、保護層
厚が100μmを越えた光フアイバはその光入射面での芯
断面積占有率が少なくなり、光フアイバへの入射光量が
制限されることになり光通信用光フアイバとしての特性
が損われる。また、クラツド内を伝搬する光(クラツド
・モード)によるノイズを消去させるためには、鞘材重
合体の屈折率N2と保護材重合体の屈折率n3がn3−n2≧0.
05なる条件を満たせしめるのがよい。
本発明のプラスチツク光フアイバを製造する方法とし
ては同心円型3層複合溶融紡糸法にて芯−鞘−保護層よ
りなる本発明の光フアイバを成形する方法、まず同心円
型2層複合溶融紡糸法にて芯−鞘構造を成形し、さらに
その外層にソルベント・コーテイングあるいは光、熱硬
化型保護材にて保護層を被覆する方法あるいは芯フアイ
バを溶融紡糸し、その外層に鞘、及び保護層をソルベン
ト・コーテイングあるいは光、熱硬化型樹脂により順次
1層ずつ被覆する方法、また同心円型2層複合溶融紡糸
にて芯−鞘構造を成形し、更にその外周に保護層を溶融
被覆する方法などをとり得るがその生産性及び得られた
光フアイバの線径変動の低減、伝送損失変動の均一性を
確保するためには芯、鞘保護を同心円型3層複合溶融紡
糸にて成形する方法が特に好ましい。
〔発明の効果〕
本発明によると1Km以上の光伝送可能なプラスチツク
光フアイバであり、かつ、ハンドリング性の極めて良好
な光フアイバが得られ、従来不可能であつたとされるLA
N,FA等の光フアイバにる構築をなし得るという大きな特
徴を本発明は発揮する。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
〔実施例〕
実施例1 使用するモノマー類はすべて常法に従がい充分精製
し、蒸留後すぐに使用した。
トリフルオロエチルメタクリレート70mol%、メチル
メタクリレート30mol%、よりなる単量体混合物100部に
対してn−オクチルメルカプタン0.15重量%、ジタ−シ
ヤリブチルパーオキサイド30ppmを添加した混合物を膜
厚0.02μのテトラフルオロエチレン製膜フイルターにて
濾過し、150℃でN2加圧下5時間重合し、重合率47%の
シラツプを得、このシラツプを連続的に脱揮押出機に供
給し、残存モノマー量0.5%以下としたポリマーを210℃
に加温した紡糸器の芯材供給部に供給した。得られたポ
リマーはガラス転移温度96℃(DSCにて測定)、屈折率
1.424であつた。一方、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)/テトラフルオロエチレン=50/50
mol%の共重合体を溶融押出機により溶融し、上記紡糸
器の鞘材供給部に供給した。得られたポリマーはガラス
転移点110℃、屈折率1.308であつた。
また、フツ化ビニリデン80mol%、テトラフルオロエ
チレン20mol%よりなる共重合体を溶融押出機により溶
融し、上記紡糸器の保護材供給部に供給した。得られた
ポリマーは屈折率1.403であつた。紡糸器内の3層複合
紡糸ノズルにて芯−鞘−保護構造とし、芯径980μm鞘
厚5μm保護厚5μm外径1mmφの光フアイバを得た。
得られた光フアイバの伝送損失は650nmにおいて97dB/K
m、770nmにて3650dB/Km、950nmにて813dB/Kmと非常に少
ないものであつた。得られた光フアイバを50℃95%RHの
湿熱条件下で24時間放置した後の光フアイバの伝送損失
は770nmにおいて386dB/Kmと伝送損失増加の少ないもの
であつた。また、得られた光フアイバを10mmφの棒に巻
き付けたところ、鞘のはくりなど外観劣化は全く無く、
機械的強度に優れたものであつた。
比較例1 実施例1と同様の芯、鞘形成用重合体を用い芯−鞘型
2層複合紡糸法にて芯径990μm、鞘厚5μmの光フア
イバを得た。得られた光フアイバの伝送損失は650nmに
おいて95dB/Km、770nmにおいて378dB/Km、950nmにおい
て820dB/Kmと非常に少ないものであつたが100mmφの棒
に巻き付けると鞘のはくりが生じ、可とう性にとぼしい
ものであつた。
実施例2 使用するモノマー類はすべて常法に従がい充分に精製
し、蒸留後すぐに使用した。
α−フルオロ1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロ
ピルアクリレート100重量部に対してn−オクチルメル
カプタン0.3重量部、ジタ−シヤリブチルパーオキサイ
ド18ppmを添加した単量体混合物を膜厚0.02μのテトラ
フルオロエチレン製膜フイルターにて濾過し、150℃のN
2加圧下3時間重合し、重合率54%のシラツプを得、こ
のシラツプを連続的に脱揮押出機に供給し、残存モノマ
ー量0.5%以下なるポリマーとし、このポリマーを180℃
に加熱した紡糸器の芯材供給部に供給した。得られたポ
リマーはガラス転移温度103℃、屈折率1.356であつた。
一方、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソー
ル)/テトラフルオロエチレン=50/50mol%の共重合体
(nD1.308)を溶融押出機により溶融し、上記紡糸器の
鞘材供給部に供給した。
また、ビスフエノールA型ポリカーボネート(粘度平
均分子量19,000)を溶融押出機により溶融し、上記紡糸
器の保護材供給部に供給した。紡糸器内の3層複合紡糸
ノズルにて芯−鞘−保護構造とし、芯径970μm、鞘厚
5μm、保護厚10μm、外径1mmφの光フアイバを得
た。得られた光フアイバの伝送損失は650nmにおいて76d
B/Km、770nmにおいて94dB/Km、950nm183dB/Kmと非常に
少ないものであつた。また、得られた光フアイバを10mm
φの棒に巻き付けたところ、鞘のはくりなど外観劣化は
全く無く、機械的強度にもすぐれたものであつた。
実施例3〜実施例5 芯形成用重合体、鞘形成用重合体、保護形成用重合体
をそれぞれ表−1に掲げるものとし、実施例1と同様に
して芯径960μm、鞘厚10μm、保護厚10μm、外径1,0
00μmの光フアイバを得た。得られた光フアイバの伝送
損失、機械的強度を表−1に示す。
実施例6 α−フルオロ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプ
ロピルアクリレート重合体を芯形成用重合体として用
い、ーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)
/テトラフルオロエチレン=60/40モル%なる重合体90
重量%と (数平均分子量8,250のパーフルオロアルキルエーテ
ル:デュポン社製 商標クライトツクス143AD)10重量
%とよりなる屈折率1.303の樹脂組成物を鞘形成用重合
体として用い、さらにフツ化ビニリデン/テトラフルオ
ロエチレン=80/20mol%の共重合体を保護形成用重合体
として用い芯−鞘−保護3層複合紡糸にて芯径960μ
m、鞘厚10μm、保護厚10μm、外径1,000μmの光フ
アイバを得た。この光フアイバの伝送損失は650nmにお
いて70dB/Kmであり、5mmφの棒に巻き付けても鞘のはく
りなど外観劣化は全くなく非常にすぐれた機械的特性を
示した。
比較例2 実施例6と同様の芯、鞘形成用重合体を用い芯、鞘2
層複合紡糸にて芯径980μm、鞘厚10μm、外径1,000μ
mの光フアイバを得た。この光フアイバの伝送損失は65
0nmにおいて70dB/Kmと良好であつたが、5mmφの棒に巻
き付けたところ鞘のはくりが生じ、可とう性におとるも
のであつた。
フロントページの続き (72)発明者 大西 宏明 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−302303(JP,A) 特開 昭61−240206(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕で表わされる単量体を主単量
    体として重合して得た屈折率n1重合体を芯とし、パーフ
    ルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)を主単量
    体とし重合して得た屈折率n2重合体を鞘としn1−n2≧0.
    01なる条件を満足した光フアイバの外周に保護層を有す
    る3層構造光フアイバとしたことを特徴とするプラスチ
    ツク光フアイバ。 式中、XはH,CH3,D,F,Cl又はCF3を、YはH又はDを、R
    fは直鎖状又は分岐状フルオロアルキル基を示す
  2. 【請求項2】鞘形成用重合体が、パーフルオロ−(2,2
    −ジメチル−1,3−ジオキソール)を主単量体とする重
    合体50〜99重量%とパーフルオロアルキルエーテル1〜
    50重量%との混合物にて形成されていることを特徴とす
    る請求項第1項記載のプラスチツク光フアイバ。
  3. 【請求項3】保護層の厚みが1〜100μmであることを
    特徴とする請求項第1項又は第2項記載のプラスチツク
    光フアイバ。
  4. 【請求項4】鞘形成用重合体の屈折率n2と保護材形成用
    重合体の屈折率n3がn3−n2≧0.03なる条件を満たすこと
    を特徴とする請求項第1項、第2項又は第3項記載のプ
    ラスチツク光フアイバ。
  5. 【請求項5】3層複合溶融紡糸にて芯層、鞘層及び保護
    層の一体成形を行なうことを特徴とする請求項第1項第
    2項、第3項又は第4項記載のプラスチツク光フアイバ
    の製造法。
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