JP2777388B2 - 重合触媒およびそれを含有する硬化性組成物 - Google Patents

重合触媒およびそれを含有する硬化性組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、重合触媒、並びに重合触媒とカチオン重合
性化合物および/またはラジカル重合性化合物とを含有
する硬化性組成物に関する。
(従来技術並びに本発明が解決しようとする課題) 現在、カチオン重合性化合物中に、予め触媒を加えて
おいても室温では重合を開始せず、光、熱または圧力な
どにより速やかに重合を開始するという、いわゆる潜在
性の大きな重合触媒が望まれている。
従来、光重合触媒としては、例えば芳香族ジアゾニウ
ム塩が挙げられる。このものはカチオン重合性化合物、
例えばエポキシ樹脂を光照射する事により迅速に硬化さ
せることができる。しかしながら、ジアゾニウム塩は光
分解により窒素を放出し、そのため塗膜に欠陥を生じ
る。また、樹脂との混合物は、暗所においてさえ徐々に
重合が進行するほど貯蔵安定性が悪い。また、特開昭48
−88197号に示される様な、光照射によりカルボキシル
基、アミノ基を発生させる化合物を用いて、光硬化され
る例が挙げられるが、このものの活性は充分ではなく、
硬化時に二酸化炭素を放出するため、塗膜に欠陥を生ず
る。
上記の課題を改良すべく検討が成され、特開昭50−15
1996、特開昭50−151997号には芳香族ヨードニウム塩、
芳香族スルホニウム塩を含有する光硬化性組成物が開示
されている。これらにより上記の課題は改良されたが、
未だ硬化性は充分ではなく、更に芳香族スルホニウム塩
は、光照射時に分解生成する悪臭性の低分子化合物のた
めに、塗膜に臭気を帯びるという課題があった。
また、熱重合触媒(いわゆる熱硬化型の潜在性硬化
剤)としては従来、BF3・H2NC2H5の様なルイス酸−アミ
ンプレックスが知られているが、このものは、硬化性が
充分ではない。更に、硬化時に分解し、その時にBF3
スを発生するので金属を侵すことがある。また、広く用
いられている熱重合触媒としてジシアンジアミドが挙げ
られるが、このものは接着性の良い硬化組成物を与え、
ポットライフも長い。しかしながら、硬化時に高温を要
する事および樹脂への相容性が悪い事から微粉末を分解
させて用いるが、このものの比重が大きいために沈降し
てしまうという課題があった。
(課題を解決するための手段) 先に、1−ベンジル−4−シアノピリジニウムヘキサ
フルオロアンチモネートが優れた潜在性を有し、熱に対
して活性がある熱重合触媒として有効であることを見い
だし出願した(特願昭62−218967)。本発明者らは更に
鋭意検討をした結果、この触媒とカチオン重合性化合物
とを含有する硬化性組成物に光を照射すると、迅速に硬
化することを見いだした。またこの触媒とラジカル重合
性化合物とを含有する硬化性組成物も光を照射すると、
迅速に硬化することも見いだした。これらのことは、従
来では予測できなかったことである。また、本発明者ら
は種々のピリジニウム塩について鋭意検討した結果、特
定のピリジニウム塩が優れた潜在性を有し、熱および光
に対して高い活性を示す重合触媒として有効であること
をも見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(1)一般式(I)、 (式中、R1およびR2は電子吸引性基あるいは水素原子を
表し(R1、R2は同時に水素原子ではない)、X-は非求核
性アニオンならびにR3は水素原子、アルキル基またはア
ルコキシ基を表す。また、nは1または2を表す。(但
し、R1およびR2の一方が水素原子であって、他方が4−
位のシアノ基であることはない。))で表される重合触
媒、(2)(1)の重合触媒とカチオン重合性化合物を
含有する熱硬化組成物、(3)一般式(II)、 (式中、R1およびR2は電子吸引性基あるいは水素原子を
表し(R1、R2は同時に水素原子ではない)、X-は非求核
性アニオンならびにR3は水素原子、アルキル基またはア
ルコキシ基を表す。また、nは1または2を表す。))
で表される光重合触媒、並びに(4)(3)の光重合体
とカチオン重合性化合物および/またはラジカル重合性
化合物とを含有する光または光と熱との併用で硬化可能
な組織物に関するものである。
上記一般式(I)および(II)におけるR1とR2は具体
的には、水素原子、あるいは電子吸引性基として塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、メトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニ
ル基、ビニル基、スチリル基、カルバモイル基、N−メ
チルカルバモイル基、N.N−ジメチルカルバモイル基等
のN−置換カルバモイル基が挙げられる。R1、R2は同時
に水素原子ではなく、特に一般式(I)においては、R1
およびR2の一方が水素原子のとき他方が4−位とシアノ
基であることはない。置換基の位置は、少なくとも一方
がαまたはβ−位にあることが好ましい。
また、R3は具体的には、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、tert−ブチル基等のアルキル基、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert
−ブトキシ基等のアルコキシ基あるいは水素原子等が挙
げられ、置換基の位置としてはオルソまたはパラ位が好
ましい。
本発明に係るピリジニウム塩の陽イオンとしてはクロ
ロピリジン、プロモピリジン、シアノピリジン、ビニル
ピリジン、スチリルピリジン、カルボキシメチルピリジ
ン、カルボキシエチルピリジン、カルバモイルピリジ
ン、ジクロロピリジン、ジシアンピリジン、クロロシア
ノピリジン等の置換ピリジンと、ベンジル基、メチルベ
ンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、
エトキシベンジル基、イソプロポキシベンジル基、フェ
ニレンビス(メチレン)基等の置換基とから構成される
陽イオンか挙げられる。
一般式(I)および(II)のX-は非求核性アニオンで
あり、具体的にはSbF6 -、AsF6 -、PF6 -、BF4 -、ClO4 -
よびCF3SO3 -等が挙げられる。
本発明に係るピリジニウム塩をさらに具体的に例示す
ると例えば、 (1−A)1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート (1−B)1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキ
サフルオロホスフェート (1−C)1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキ
サフルオロアルセネート (1−D)1−ベンジル−2−クロロピリジニウムテト
ラフルオロボレート (1−E)1−ベンジル−2−クロロピリジニウムパー
クロレート (1−F)1−ベンジル−2−クロロピリジニウムトリ
フルオロメタンスルホネート (2)1−(4−メトキシベンジル)−2−クロロピリ
ジニウムヘキサルフルオロアンモチネート (3)1−(4−メチルベンジル)−2−クロロピリジ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート (4−A)1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート (4−B)1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキ
サフルオロホスフェート (4−C)1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテト
ラフルオロボレート (5−A)1−ベンジル−3−シアノピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート (5−B)1−ベンジル−3−シアノピリジニウムヘキ
サフルオロホスフェート (5−C)1−ベンジル−3−シアノピリジニウムテト
ラフルオロボレート (6−A)1−ベンジル−4−シアノピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート (6−B)1−ベンジル−4−シアノピリジニウムヘキ
サフルオロホスフェート (6−C)1−ベンジル−4−シアノピリジニウムテト
ラフルオロボレート (7−A)1−ベンジル−2−ビニルピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート (7−B)1−ベンジル−4−ビニルピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート (8−A)1−ベンジル−2−スチリルピリジニウムヘ
キサフルオロアンチモネート (8−B)1−ベンジル−4−スチリルピリジニウムヘ
キサフルオロアンチモネート (9)1−ベンジル−3,5−ジクロロピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート (10)1−ベンジル−3,5−ジシアノピリジニウムヘキ
サフルオロアンモチネート (11−A)1−ベンジル−2−カルボキシエチルピリジ
ニウムヘキサフルオロアンモチネート (11−B)1−ベンジル−4−カルボキシエチルピリジ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート (12)1−ベンジル−2−カルバモイルピリジニウムヘ
キサフルオロアンチモネート (13)1,1′−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ビ
ス−2−クロロ−ピリジニウムヘキサフルオロアンモチ
ネート (14)1,1′−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ビ
ス−2−シアノ−ピリジニウムヘキサフルオロアンモチ
ネート 等が挙げられ、単独あるいは二種類以上を併用して用い
ても良い。
本発明の一般式(I)および(II)で示されるピリジ
ニウム塩の製造は、公知の方法で可能である。例えば、
メタノール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムア
ミド等の溶媒中あるいは溶媒非存在下で置換ピリジンと
置換または無置換のベンジルハライドとを室温から還流
下で反応を行った後、水あるいはメタノール中でNaMF6
(M=Sb、P、As等)等でアニオン交換することにより
容易に得ることができる。
本発明の一般式(I)で示されるピリジニウム塩から
なる重合触媒、または一般式(II)で示されるピリジニ
ウム塩からなる光重合体触媒(以下、これら触媒を総称
して本発明の重合触媒という)を用いて重合できる化合
物には特に制限はないが、カチオン重合体化合物および
ラジカル重合性化合物が好適である。カチオン重合性化
合物としては、例えば、1,13−テトラデカジエンジオキ
サイド、リモネンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキ
センジオキサイド、(3,4−エボキシシクロヘキシル)
メチル−3,4−エボキシシクロヘキシルカルボキシレー
ト、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペー
ト、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、o−,m−,p−クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコ
ールのポリグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、ス
チレン、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレ
ン等のスチレン類、n−ブチルビニルエーテル、イソブ
チルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、
ヒドロキシブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエ
ーテル類、アリルビニルエーテル、1−オクタヒドロナ
フチルビニルエーテル等のアルケニルビニルエーテル
類、エチニルビニルエーテル、プロパギルビニルエーテ
ル等のアルキルビニルエーテル類、フェニルビニルエー
テル、p−メトキシフェニルビニルエーテル等のアリー
ルビニルエーテル類、ブタンジオールジビニルエーテ
ル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロ
ヘキサンジオールジビニルエーテル等のアルキルジビニ
ルエーテル類、1,4−ベンゼンジメタノールジビニルエ
ーテル、N−m−クロロフェニルジエタノールアミンジ
ビニルエーテル、m−フェニレンビス(エチレングリコ
ール)ジビニルエーテル等のアラルキルジビニルエーテ
ル類、ハイドロキノンジビニルエーテル、レゾルシノー
ルジビニルエーテル等のアリールジビニルエーテル類、
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等のカ
チオン重合体N含有化合物、テトラヒドロフラン、s−
トリオキサン、3,3−ビスクロロメチルオキセタン等の
環状エーテル化合物、1−フェニル−4−エチル−2,6,
7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン、1−エチル
−4−ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
[2,2,2]オクタン等のビシクロオルソエステル化合
物、1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、3,9−ジベンジル−1,5,7,11−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン等のスピロオルソカーボネート化合
物、1,4,6−トリオキサスピロ[4,4]ノナン、2−メチ
ル−1,4,6−トリオキサスピロ[4,4]ノナン、1,4,6−
トリオキサスピロ[4,5]デカン等とスピロオルソエス
テル化合物等であり、これらは単独あるいは2種以上を
併用して用いても良い。
また、ラジカル重合性化合物としては、例えば、スチ
レン、p−クロロメチルスチレン等のスチレン類、ビニ
ルピリジン類、エチルアクリレート、イソプロピルアク
リレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等と単官能
アルリレート類、プロピレングリコールジアルリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルヒドロキシピバレートジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペタエリスリトールヘキサアクリレート等の多
官能アクリレートモノマー類、およびそれらのオリゴマ
ー類、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタリ
クリレート、イソプロピルメタクリレート等とメタクリ
レート類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、
ブタジエン、無水マレイン酸、アクロレイン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等であり、これらは単独
あるいは2種以上を併用して用いても良い。また、カチ
オン重合性化合物の内の1種または2種以上とラジカル
重合性化合物の内の1種または2種以上とを適当な割合
で配合したものを用いても良い。
本発明の硬化性組成物は、例えば接着剤、塗料、積層
板等に用いることができる。更に、光硬化が可能である
ため、熱に弱い電子材料の被覆、封止剤に用いることが
できる。また、光と熱を併用することにより、形状の複
雑にものの被覆、接着を行うことができる。
また、本発明の硬化性組成物には、不活性な溶媒、顔
料、染料、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、界面
活性剤等を添加しても良い。
本発明の重合触媒によるカチオン重合性化合物および
/またはラジカル重合性化合物の重合は、溶媒の存在ま
たは非存在下に、前記重合性化合物に対して、0.1−15
重量%、好ましくは0.5−10重量%の本発明の触媒を添
加して電子線、紫外線等の光を照射することにより、あ
るいは100℃以上、好ましくは120℃以上に加熱すること
により実施することができる。また、光と熱を併用する
ことによっても実施することができる。
以下実施例により、本発明を具体的に説明する。なお
本文中、特に断わらない限り部は重量部を表す。
合成例1 1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート(例示化合物(1−A))の合成。
撹拌装置、還流冷却器、温度計を備えつけた200mlの
4つ口フラスコ内に、ベンジルブロミド85.5g(0.5モ
ル)、2−クロロピリジン56.8g(0.5モル)を仕込み、
撹拌下に60℃で6時間反応させた。反応後、生成物にア
セトニトリルを加え、結晶を濾過した。得られた結晶を
エタノールより再結し56.9gの1−ベンジル−2−クロ
ロピリジニウムブロマイドを得た。得られた結晶を水に
溶解し、そこにNaSbF651.7g(0.2モル)を加え、析出し
た無色を結晶を分離した。この結晶をメタノールにて再
結することにより、融点が130.5−131.2℃の1−ベンジ
ル−2−クロロピリジウムヘキサフルオロアンチモネー
トを得た(収率22%)。
IR(cm-1):KBr法 1610,1560,1490,1450,780,750,660. 合成例2−5 数種のピリジニウム塩を、合成例1と同様の方法によ
り合成した。結果を表1に示す。
実施例1 エピコート828(油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂)100部に、1−ベンジル−2
−クロロピリジニウムヘキサフルアンチモネート(例示
化合物(1−A))を5部添加して均一系の硬化性組成
物を得た。このものをガラス板上に#8のバーコーター
を用いて塗布した後、アイグラフィックス社製の120W/c
mメタルハライドランプで10cmの距離から紫外線を照射
したところ、15秒でタックフリーとなった。また、この
配合物の180℃におけるゲル化時間は20秒であった。更
に、このものの遮光下での40℃に おけるポットライフは、6ヶ月以上であり、潜在性は非
常に良好である。
実施例2−8 実施例1と同様にして合成例2−5で得たピリジニウ
ム塩および1−ベンジル−4−シアノピリジニウム塩に
ついて紫外線硬化およびポットライフテストを行った。
その結果を表2に示す。
また、比較のためにジアゾニウム塩(旭電化社製のア
デカウルトラセットPP−33)を含有する硬化性組成物に
ついても同様に紫外線硬化を行ったところ硬化膜に気泡
を生じた。また、本発明の硬化性組成物より得られる硬
化膜には、気泡は全く生じず臭気を有しなかった。尚、
これらの硬化性組成物は、何れも均一系であった。
実施例9 セロキサイド2021(ダイセル化学社製の(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘ
キシルカルボキシレート)100部に、1−ベンジル−2
−クロロ ピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート(例示化合
物(1−A))を5部添加して均一な硬化性組成物を得
た。このものをガラス板上に#8のバーコーターを用い
て塗布し、アイグラフィックス社製の80W/cmメタルハラ
イドランプで20cmの距離から紫外線を照射したところ、
9秒でタックフリーとなった。
実施例10−13 実施例9と同様にして表3に示したピリジニウム塩に
ついて紫外線硬化を行った。これらの硬化性組成物は何
れも均一系であった。その結果を表3に示す。
実施例14 エピコート828(油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂)100部に、1−ベンジル−2
−クロロピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート
(例示化合物(1−A))を5部添加して均一な硬化性
組成物を得た。このものは、150℃において25分で硬化
した。
実施例15−16 実施例6と同様にして表4に示したピリジニウム塩に
ついて150℃において熱硬化を行った。これらの硬化性
組成物は何れも均一系であった。その結果を表4に示
す。
実施例17 スミーエポキシESCN−220L−15(住友化学社製のo−
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)100部と、1−
ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキサフルオロアン
チモネート5部を三本ロールで混練し、硬化性組成物を
得た。このものは、150℃において45分で硬化した。
実施例18 100部のスミーエポキシESCN−220L−15(住友化学社
製のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)と、1
−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロア
ンチモネート5部を三本ロールで混練し、硬化性組成物
を得た。このものは、150℃において15分で硬化した。
実施例19 実施例1で得た硬化性組成物を塗布したガラス板を60
℃に加熱した後、80W/cmメタルハライドランプで20cmの
距離から紫外線を照射したところ、9秒で硬化した。
実施例20 実施例3で得た硬化性組成物を塗布したガラス板を60
℃に加熱した後、80W/cmメタルハライドランプで20cmの
距離から紫外線を照射したところ、6秒で硬化した。
実施例21 エピコート828(油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂)50部とUNION CARBIDE ERL
−4299(ユニオンカーバイド社製のビス[3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル]アジペート)50部を混合した
樹脂に1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキサフ
ルオロアンチモネート(例示化合物(1−A))を5部
添加して均一な硬化性組成物を得た。このものをガラス
板上に#8のバーコーターを用いて塗布し、アイグラフ
ィックス社製の120W/cmメタルハライドランプで20cmの
距離から紫外線を照射したところ、16秒でタックフリー
となった。
実施例22 エピコート828(油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂)70部とRAPICURE DVE−3(G
AF社製のトリエチレングリコールジビニルエーテル)30
部を混合した樹脂に1−ベンジル−2−クロロ−ピリジ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート(例示化合物(1
−A))を5部添加して均一な硬化性組成物を得た。こ
のものをガラス板上に#24のバーコーターを用いて塗布
し、アイグラフィックス社製の120W/cmメタルハライド
ランプで20cmの距離から紫外線を照射したところ、4秒
でタックフリーとなった。
実施例23 80部のエピコート154(油化シェルエポキシ社製のフ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂)と20部のRAPICURE
DVE−3(GAF社製のトリエチレングリコールジビニル
エーテル)を混合した樹脂に3部の1−ベンジル−2−
クロロピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート(例
示化合物(1−A))を添加して均一な硬化性組成物を
得た。このものを#8のバーコーターを用いてガラス板
上に塗布し、アイグラフィックス社製の120W/cmメタル
ハライドランプで20cmの距離から紫外線を照射したとこ
ろ、1秒でタックフリーとなった。
実施例24 ビスコート300(大阪有機社製のペンタエリスリトー
ルトリアクリレート)100部に、1−ベンジル−2−ク
ロロピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート(例示
化合物(1−A))を5部添加して均一系の硬化性組成
物を得た。このものをガラス板上に#8のバーコーター
を用いて塗布し、アイグラフィックス社製の120W/cmメ
タルハライドランプで20cmの距離から紫外線を照射した
ところ、6秒でタックフリーとなった。
実施例25 開始剤を1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート(例示化合物(1−A))か
ら1−ベンジル−4−シアノピリジニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート(例示化合物(6−A))に変えた以
外は実施例24と同様の操作を行った。その結果、40秒で
タックフリーとなった。
実施例26 エピコート828(油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂)50部とビスコート300(大阪
有機社製のペンタエリスリトールトリアクリレート)50
部とを混合した樹脂に1−ベンジル−2−クロロピリジ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート(例示化合物(1
−A))を3部添加して均一系の硬化性組成物を得た。
このものをガラス板上に#8のバーコーターを用いて塗
布し、アイグラフィックス社製の120W/cmメタルハライ
ドランプで20cmの距離から紫外線を照射したところ、5
秒でタックフリーとなった。
実施例27 開始剤を1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート(例示化合物(1−A))か
ら1−ベンジル−4−シアノピリジニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート(例示化合物(6−A))に変えた以
外は実施例26と同様の操作を行った。その結果、35秒で
タックフリーとなった。
実施例28 エピコート828(油化シェルエポキシ社製のビシフェ
ノールA型エポキシ樹脂)50部とKAYARAD DPHA(日本
化薬社製のジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト)50部とを混合した樹脂に1−ベンジル−2−クロロ
ピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート(例示化合
物(1−A))を1部添加して均一系の硬化性組成物を
得た。このものをガラス板上に#8のバーコーターを用
いて塗布し、アイグラフィックス社製の120W/cmメタル
ハライドランプで20cmの距離から紫外線を照射したとこ
ろ、1秒以下でタックフリーとなった。
実施例29 50部のエピコート154(油化シェルエポキシ社製のフ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂)と30部のUNION C
ARBIDE ERL−4221(ユニオンカーバイド社製の脂環式
エポキシ樹脂)と20部のRAPICURE DVE−3(GAF社製の
トリエチレングリコールジビニルエーテル)とを混合し
た樹脂に1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキサ
フルオロアンチモネート(例示化合物(1−A))を2
部添加して均一系の硬化性組成物を得た。このものをガ
ラス板上に#8のバーコーターを用いて塗布し、アイグ
ラフィックス社製の120W/cmメタルハライドランプで20c
mの距離から紫外線を照射したところ、2秒でタックフ
リーとなった。
実施例30 エピコート828(油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂)50部と1−エチル−4−ヒド
ロキシメチル−2,6,7,−トリオキサビシクロ[2,2,2]
オクタン50部とを混合した樹脂に1−ベンジル−2−ク
ロロピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート(例示
化合物(1−A))を5部添加して均一な硬化性組成物
を得た。このものをガラス板上に#8のバーコーターを
用いて塗布し、アイグラフィックス社製の120W/cmメタ
ルハライドランプで20cmの距離から紫外線を照射したと
ころ、10秒でタックフリーとなった。
(発明の効果) 以上説明した様に、本発明の重合触媒とカチオン重合
性化合物および/またはラジカル重合性化合物とを含有
する硬化性組成物は、光硬化性および熱硬化性が高く、
且つ貯蔵安定性に優れるので、潜在性の硬化性組成物と
して極めて有効であり、更に本発明の重合触媒は、カチ
オン重合性化合物及びラジカル重合性化合物との相溶性
が良好であって、潜在性触媒として優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 213/85 C07D 213/85 (56)参考文献 特開 昭64−60607(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 59/68 C08F 2/48 - 2/50 C07D 213/04 - 213/88

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R1およびR2は電子吸引性基、あるいは水素原子
    を表し(R1、R2)は同時に水素原子ではない)、X-は非
    求核性アニオンならびにR3は水素原子、アルキル基また
    はアルコキシ基を表す。また、nは1または2を表す。
    (但し、R1およびR2の一方が水素原子であって、他方が
    4−位のシアノ基であることはない。))で示されるピ
    リジニウム塩からなる重合触媒。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の重合触媒とカチオン重合
    性化合物および/またはラジカル重合性化合物とを含有
    することを特徴とする、光または熱と光の併用で硬化可
    能な組成物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の重合触媒とカチオン重合
    性化合物とを含有することを特徴とする熱硬化性組成
    物。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のピリジニウム塩が1−ベ
    ンジル−2−クロロピリジニウムヘキサフルオロアンチ
    モネート、1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキ
    サフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピ
    リジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジ
    ル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェー
    ト、1−ベンジル−3−シアノピリジニウムヘキサフル
    オロアンチモネート、および1−ベンジル−3−シアノ
    ピリジニウムヘキサフルオロホスフェートからなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種の化合物である重合触媒。
  5. 【請求項5】請求項2または3に記載の重合触媒が1−
    ベンジル−2−クロロピリジニウムヘキサフルオロアン
    チモネート、1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヘ
    キサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノ
    ピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベン
    ジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェ
    ート、1−ベンジル−3−シアノピリジニウムヘキサフ
    ルオロアンチモネートおよび1−ベンジル−3−シアノ
    ピリジニウムヘキサフルオロホスフェートからなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種の化合物である硬化性組成
    物。
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