JP2691651B2 - 反射鏡 - Google Patents

反射鏡

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富士写真光機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は種々の光学系等において
用いられる反射鏡に関し、詳しくは銀層を有する銀反射
鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種々の光学系において用いられる反射鏡
として基板上に銀膜を蒸着してなる銀反射鏡が知られて
いる。
【0003】銀反射鏡はアルミニウム反射鏡と比べて可
視光領域で反射率が高く分光反射特性に優れており、ま
た偏光特性においても優れているため注目されている。
【0004】銀反射鏡はこのような長所を有する一方で
耐久性等の強度面で問題があるため銀層上に酸化アルミ
ニウム等からなる保護層を設けたものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、銀層上
に上記保護層を設けた場合には分光反射特性が大幅に低
下するという問題があった。
【0006】酸化アルミニウム層の層厚を200nm 程度ま
で厚くすれば可視領域の長波長側(500nm 以上)におけ
る分光反射特性を良好とすることが可能であるが、その
一方で可視領域の短波長側(400 〜500nm )における分
光反射特性が悪化してしまうという問題があった。
【0007】また、基板上に銀層を積層する際に、基板
と銀層との密着性の強化についても強い要請があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので銀層上に
保護層を設けた場合にも分光反射特性の低下を防止し得
るとともに、基板と銀層との密着性の強化を図り得る反
射鏡を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の反射鏡は、基板
上にCr層、Cu層、銀層、酸化アルミニウム層および
高屈折率誘電体層をこの順に積層してなることを特徴と
するものである。
【0009】ここで、基板、銀層、酸化アルミニウム層
および高屈折率誘電体物質層は各々直に設けてもよい
し、各々の間に他の層を設けてもよい。
【0010】また、高屈折率誘電体とは屈折率が1.9 以
上の誘電体物質をいい、例えばZrO2 、TiO2 、Z
nS等が含まれる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0012】図1は、本発明の実施例に係る反射鏡の層
構成を示す概略図である。この反射鏡はガラス基板1上
に5〜15nm厚のCr層2、10〜40nm厚のCu層3、100n
m 厚のAg層4、69nm厚のAl2 3 層5、57nm厚のZ
rO2 (酸化ジルコニウム、屈折率1.98)層6および20
nm厚のSiO2 層7をこの順に積層してなるものであ
る。
【0013】上記Cr層2およびCu層3は上記ガラス
基板1とAg層4の密着性を強化するための密着強化層
として作用する。また、上記Ag層4は入射光を反射す
るための層であり、上記Al2 3 層5はこのAg層4
の耐久性を向上させるための保護層である。また、Zr
2 層6はAg層4の耐久性向上のための保護層である
とともに反射特性を良好とするための高屈折率誘電体層
である。さらに、最上層のSiO2 層7は耐摩耗性を向
上させるための保護層である。
【0014】次に、図1に示す層構成の反射鏡を製造す
る方法について説明する。
【0015】まず、清浄化したガラス基板1を保持具に
取り付け、これを真空槽内に挿入し、固定する。真空槽
内を無加熱状態で1×10-6Torr程度となるまで真空排気
する。
【0016】この後、電子ビーム蒸着法を用い、ガラス
基板1上に5〜15nm厚のCr層2を形成する。次に、抵
抗加熱蒸着法を用い、このCr層2上に10〜40nm厚のC
u層3を形成する。
【0017】この後、抵抗加熱蒸着法を用い、このCu
層3上に100nm 厚のAg層4を形成する。次に、電子ビ
ーム蒸着法を用い、このAg層4上に69nm厚のAl2
3 層5を形成する。
【0018】この後、上記真空槽を、上記ガラス基板1
の温度が300 ℃となるように加熱する。この加熱処理に
より、この後に形成されるZrO2層6およびSiO2
層7の強度を高めることができる。
【0019】なお、これよりも前の段階で加熱処理を行
なうとAg層4やCu層3等の金属層が結晶化してくも
り現象(白濁)が生じ、光反射率が低下するので好まし
くない。
【0020】この後、電子ビーム蒸着法を用い、上記A
2 3層5上に57nm厚のZrO2 層6を形成する。
【0021】最後に、電子ビーム蒸着法を用い、このZ
rO2 層6上に20nm厚のSiO2 層7を形成する。
【0022】なお、本発明の反射鏡としては上述した実
施例のものに限られるものではない。
【0023】例えば、ZrO2 層6を屈折率(ナトリウ
ムD線の屈折率)が1.9 以上の他の高屈折率誘電体物質
からなる層、例えばTiO2 (酸化チタン、屈折率2.3
)層やZnS(硫化亜鉛、屈折率2.37)層に代えるこ
とも可能である。
【0024】また、ガラス基板1を金属基板に代えるこ
とも可能であり、SiO2 層7を他の耐摩耗性の大きい
物質からなる層、例えばMgF2層に代えることも可能
である。
【0025】また、SiO層8は適宜省略することも
可能である。
【0026】さらに、各層を形成する蒸着方法としては
上述した方法に限られず、例えば上述した説明で、層を
形成する際に、電子ビーム蒸着法を用いているものにつ
いてはこれに代えて抵抗加熱蒸着法を用いてもよいし、
抵抗加熱蒸着法を用いているものについてはこれに代え
て電子ビーム蒸着法を用いてもよい。
【0027】次に、下記実施例1〜3および比較例1,
2の各場合についてその分光反射特性を図2〜6に示
し、入射光の波長が400nm ,500nm ,700nm の場合にお
ける反射率を表1に示す。
【0028】なお、図2〜6には分光反射特性を示す3
本の曲線が表わされている。記号Sが付されている曲線
はS成分の反射率を、記号Pが付されている曲線はP成
分の反射率を、これら両曲線の中間に位置する曲線はS
成分とP成分両者の反射率の平均値を表わす曲線であ
り、表1に示す値もこの平均値を表わす曲線に基づくも
のである。
【0029】実施例1 清浄化されたガラス基板上に500nm 厚のAg層、69nm厚
のAl2 3 層、57nm厚のZrO2 層および20nm厚のS
iO2 層をこの順に積層して反射鏡を製作した。
【0030】分光反射特性は図2に示す。
【0031】実施例2 清浄化したガラス基板上に500nm 厚のAg層、69nm厚の
Al2 3 層、45nm厚のTiO2 層および20nm厚のSi
2 層をこの順に積層して反射鏡を製作した。
【0032】分光反射特性は図3に示す。
【0033】実施例3 清浄化したガラス基板上に500nm 厚のAg層、69nm厚の
Al2 3 層、49nm厚のZnS層および20nm厚のSiO
2 層をこの順に積層して反射鏡を製作した。
【0034】分光反射特性は図4に示す。
【0035】比較例1 清浄化したガラス基板上に500nm 厚のAg層、69nm厚の
Al2 3 層、20nm厚のSiO2 層をこの順に積層して
反射鏡を製作した。
【0036】分光反射特性は図5に示す。
【0037】比較例2 清浄化したガラス基板上に500nm 厚のAg層、138nm 厚
のAl2 3 層、20nm厚のSiO2 層をこの順に積層し
て反射鏡を製作した。
【0038】分光反射特性は図6に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1および図2〜6に示されるように、実
施例1〜3のものはいずれも可視領域の長波長側(500n
m 以上)において高反射率を示し、短波長側(400 〜50
0nm)においてもある程度高い反射率を示す。
【0041】これに対し、比較例1のものでは可視領域
の長波長側においてそれ程高い反射率は示さず、逆に比
較例2のものでは可視領域の短波長側での反射率が大幅
に低下する。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の反射鏡に
よれば基板と銀層の間にCr層およびCu層をこの順に
積層しており、基板と銀層の密着性を強化することがで
きる。また、銀層および酸化アルミニウム層の上に高屈
折率誘電体層を形成しているので、可視領域の全範囲に
亘り分光反射特性を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る反射鏡の層構成を示す概
略図
【図2】実施例1の反射鏡の分光反射特性を示すグラフ
【図3】実施例2の反射鏡の分光反射特性を示すグラフ
【図4】実施例3の反射鏡の分光反射特性を示すグラフ
【図5】比較例1の反射鏡の分光反射特性を示すグラフ
【図6】比較例2の反射鏡の分光反射特性を示すグラフ
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 Cr層 3 Cu層 4 Ag層 5 Al2 3 層 6 ZrO2 層 7 SiO2

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にCr層、Cu層、銀層、酸化ア
    ルミニウム層および高屈折率誘電体層をこの順に積層し
    てなることを特徴とする反射鏡。
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