JPH0629882B2 - 多層膜反射鏡 - Google Patents
多層膜反射鏡Info
- Publication number
- JPH0629882B2 JPH0629882B2 JP61085661A JP8566186A JPH0629882B2 JP H0629882 B2 JPH0629882 B2 JP H0629882B2 JP 61085661 A JP61085661 A JP 61085661A JP 8566186 A JP8566186 A JP 8566186A JP H0629882 B2 JPH0629882 B2 JP H0629882B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- multilayer film
- film
- zns
- sio
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Projection Apparatus (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Optical Filters (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は投光照明等に使用される多層膜反射鏡、特に冷
光鏡を基体とし耐熱性、耐湿性にすぐれた多層膜反射鏡
に関する。
光鏡を基体とし耐熱性、耐湿性にすぐれた多層膜反射鏡
に関する。
(従来の技術) 冷光鏡を基体とする多層膜反射鏡は、投映器、店舗用照
明、医療用照明等の光源に多く使用されているが、可視
光をできるだけ反射し、長波長の赤外域を透過させて、
照明された物体を熱線によって加熱することを少なく
し、かつ光源からの熱線が多層膜を通過する際には、吸
収によって基板が加熱されない特長をもっている。この
多層膜反射鏡は、反射基板上に高屈折率材料の薄膜と低
屈折率材料の薄膜とを交互に積層して多層膜が形成さ
れ、積層される物質の屈折率の比が大きければそれだけ
高い反射率と広い反射帯を有するものである。一般にZn
SとMgF2との薄膜を交互に積層させたZnS-MgF2交互層、
またはZnSとSiO2との薄膜を交互に積層させたZnS-SiO2
交互層が反射鏡の多層膜として採用されている。
明、医療用照明等の光源に多く使用されているが、可視
光をできるだけ反射し、長波長の赤外域を透過させて、
照明された物体を熱線によって加熱することを少なく
し、かつ光源からの熱線が多層膜を通過する際には、吸
収によって基板が加熱されない特長をもっている。この
多層膜反射鏡は、反射基板上に高屈折率材料の薄膜と低
屈折率材料の薄膜とを交互に積層して多層膜が形成さ
れ、積層される物質の屈折率の比が大きければそれだけ
高い反射率と広い反射帯を有するものである。一般にZn
SとMgF2との薄膜を交互に積層させたZnS-MgF2交互層、
またはZnSとSiO2との薄膜を交互に積層させたZnS-SiO2
交互層が反射鏡の多層膜として採用されている。
ZnS-MgF2交互層またはZnS-SiO2交互層を被着した多層膜
反射鏡について、ランプ点灯時および高温多湿の雰囲気
に放置した時の膜の剥離発生時間を1表に示す。ランプ
点灯による熱負荷は300℃および350℃であり、高温多湿
の雰囲気は温度50℃、湿度90%の雰囲気に反射鏡を放置
した場合である。
反射鏡について、ランプ点灯時および高温多湿の雰囲気
に放置した時の膜の剥離発生時間を1表に示す。ランプ
点灯による熱負荷は300℃および350℃であり、高温多湿
の雰囲気は温度50℃、湿度90%の雰囲気に反射鏡を放置
した場合である。
ZnS-MgF2系の多層膜は、耐湿性はすぐれているが耐熱性
に劣るため、比較的熱負荷が低く、長寿命である光源た
とえば低出力・長寿命型ハロゲンランプに適用されてい
る。またZnS-SiO2系の多層膜は、耐熱性はすぐれている
が耐湿性に劣るため、熱負荷が高く、短寿命である光源
たとえば高出力・短寿命型ハロゲンランプに適用されて
いる。
に劣るため、比較的熱負荷が低く、長寿命である光源た
とえば低出力・長寿命型ハロゲンランプに適用されてい
る。またZnS-SiO2系の多層膜は、耐熱性はすぐれている
が耐湿性に劣るため、熱負荷が高く、短寿命である光源
たとえば高出力・短寿命型ハロゲンランプに適用されて
いる。
(発明が解決しようとする問題点) 従来の多層膜反射鏡は、その多層膜が耐熱性、耐湿性の
いずれかの特性で欠点を有するため、光源の性能に応じ
て適当するものを選択して使用しなければならなかっ
た。しかるに、光源の高出力化、長寿命化が進むにつれ
て、ZnS-MgF2系およびZnS-SiO2系の多層膜について、そ
の耐熱性、耐湿性を強化することが要望されるようにな
った。
いずれかの特性で欠点を有するため、光源の性能に応じ
て適当するものを選択して使用しなければならなかっ
た。しかるに、光源の高出力化、長寿命化が進むにつれ
て、ZnS-MgF2系およびZnS-SiO2系の多層膜について、そ
の耐熱性、耐湿性を強化することが要望されるようにな
った。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、反射面
にZnS-SiO2系の多層膜を積層し、その上面に保護膜を被
着した後焼成処理することにより、耐熱性および耐湿性
にすぐれた多層膜反射鏡を提供することを目的とする。
にZnS-SiO2系の多層膜を積層し、その上面に保護膜を被
着した後焼成処理することにより、耐熱性および耐湿性
にすぐれた多層膜反射鏡を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段と作用) 本発明は、反射基板上にZnSとSiO2との薄膜を交互に積
層させ、このZnS-SiO2交互層の上面に保護膜を被着させ
た後、450〜520℃の温度で焼成処理した多層膜反射鏡で
ある。この多層膜反射鏡について、焼成温度が多層膜の
耐熱性および耐湿性におよぼす影響を第2表に示す。表
中、耐熱性は温度350℃の電気炉中に放置した場合、
また耐湿性は温度50℃、湿度90%の雰囲気中に放置した
場合の膜の剥離発生時間で示してある。
層させ、このZnS-SiO2交互層の上面に保護膜を被着させ
た後、450〜520℃の温度で焼成処理した多層膜反射鏡で
ある。この多層膜反射鏡について、焼成温度が多層膜の
耐熱性および耐湿性におよぼす影響を第2表に示す。表
中、耐熱性は温度350℃の電気炉中に放置した場合、
また耐湿性は温度50℃、湿度90%の雰囲気中に放置した
場合の膜の剥離発生時間で示してある。
第2表から明らかなように、530℃以上で焼成処理した
ものは、加熱によって膜が劣化し、膜と基板との適正な
付着応力がくずれて早期に剥離が発生した。450℃以上
の焼成温度ではSiO2層がち密に構成され耐湿性が向上し
ているが、440℃以下で焼成処理したものは、ZnS-MgF2
系の多層膜に比べ耐湿性が劣っている。450〜520℃の温
度域で焼成処理したものは、耐熱性、耐湿性ともに要件
を満している。すなわち、適当な温度で焼成処理するこ
とにより、耐熱性を損うことなく耐湿性を改善すること
ができるものである。
ものは、加熱によって膜が劣化し、膜と基板との適正な
付着応力がくずれて早期に剥離が発生した。450℃以上
の焼成温度ではSiO2層がち密に構成され耐湿性が向上し
ているが、440℃以下で焼成処理したものは、ZnS-MgF2
系の多層膜に比べ耐湿性が劣っている。450〜520℃の温
度域で焼成処理したものは、耐熱性、耐湿性ともに要件
を満している。すなわち、適当な温度で焼成処理するこ
とにより、耐熱性を損うことなく耐湿性を改善すること
ができるものである。
(実施例) 本発明の詳細を図示の実施例により説明する。
(1)は反射体、たとえば硬質ガラスからなるハロゲンラ
ンプ用反射鏡であり、その一面を拡開させた回転放物状
の凹面(2)を形成している。(3)は凹面(2)の中心に位置
するように装着された光源、たとえばハロゲンランプで
ある。(4)は凹面(2)に被着された多層膜で、ZnS-SiO2構
成の22層からなる光学膜厚1/4λの交互層(λ1〜13=60
0nm、λ14〜22=450nm)である。すなわち、ZnSからな
る高屈折率材料を(H)とし、SiO2からなる低屈折率材料
を(L)とした場合、この(H)と(L)とを交互に6回計12層
被着し、さらに(H)を1層付加して計13層とし、さらに
(L)と(H)とを交互に4回計8層を積層被着し、その最上
層に保護膜として(L)を2層被着させたものである。こ
の保護膜の存在により、その後の焼成処理によってもZn
S層が酸化して白濁したり、劣化して耐久性を損なった
りすることが防止される。そして、これら被膜の形成は
すべて真空蒸着によって行なわれる。蒸着条件は真空度
5×10-4〜1×10-4Torr、基板温度150〜200℃、蒸発源
エレクトロビームである。
ンプ用反射鏡であり、その一面を拡開させた回転放物状
の凹面(2)を形成している。(3)は凹面(2)の中心に位置
するように装着された光源、たとえばハロゲンランプで
ある。(4)は凹面(2)に被着された多層膜で、ZnS-SiO2構
成の22層からなる光学膜厚1/4λの交互層(λ1〜13=60
0nm、λ14〜22=450nm)である。すなわち、ZnSからな
る高屈折率材料を(H)とし、SiO2からなる低屈折率材料
を(L)とした場合、この(H)と(L)とを交互に6回計12層
被着し、さらに(H)を1層付加して計13層とし、さらに
(L)と(H)とを交互に4回計8層を積層被着し、その最上
層に保護膜として(L)を2層被着させたものである。こ
の保護膜の存在により、その後の焼成処理によってもZn
S層が酸化して白濁したり、劣化して耐久性を損なった
りすることが防止される。そして、これら被膜の形成は
すべて真空蒸着によって行なわれる。蒸着条件は真空度
5×10-4〜1×10-4Torr、基板温度150〜200℃、蒸発源
エレクトロビームである。
このように構成された多層膜反射鏡において、350℃か
ら600℃まで10℃毎の温度でそれぞれ1時間の焼成処理
を行なったものについて、耐熱性および耐湿性の評価を
行なった。この評価には次の方式を採用し、評価結果を
第3表に示す。
ら600℃まで10℃毎の温度でそれぞれ1時間の焼成処理
を行なったものについて、耐熱性および耐湿性の評価を
行なった。この評価には次の方式を採用し、評価結果を
第3表に示す。
耐熱性……温度350℃の電気炉中に放置し、膜の剥離発
生時間を調査する。
生時間を調査する。
耐湿性……温度50℃、湿度90%の雰囲気中に放置し、膜
の剥離発生時間を調査する。
の剥離発生時間を調査する。
第3表において、450〜520℃の温度で焼成処理したもの
は、耐熱性および耐湿性ともにすぐれていることが認め
られる。
は、耐熱性および耐湿性ともにすぐれていることが認め
られる。
次に、焼成時間による多層膜の耐熱性および耐湿性の評
価結果を第4表に示す。評価方法は第3表の場合と同様
である。
価結果を第4表に示す。評価方法は第3表の場合と同様
である。
第4表から多層膜の耐熱性および耐湿性は、その焼成時
間の長短によって影響されないことが確認された。
間の長短によって影響されないことが確認された。
以上のように本発明は、反射基板上にZnSとSiO2との薄
膜を交互に積層させ、このZnS-SiO2交互層の上面に保護
膜を被着させた後、450520℃の温度で焼成処理した多層
膜反射鏡であり、ZnS-SiO2系の多層膜の耐熱性を損うこ
となく耐湿性を向上させることができたもので、高出
力、長寿命の光源に十分適合し得るものである。また、
高温多湿の悪条件における長期間の保管も可能となっ
た。
膜を交互に積層させ、このZnS-SiO2交互層の上面に保護
膜を被着させた後、450520℃の温度で焼成処理した多層
膜反射鏡であり、ZnS-SiO2系の多層膜の耐熱性を損うこ
となく耐湿性を向上させることができたもので、高出
力、長寿命の光源に十分適合し得るものである。また、
高温多湿の悪条件における長期間の保管も可能となっ
た。
図面は本 の実施例を示す断面図である。 1……反射体、2……凹面、3……光源、4……多層
膜。
膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 5/28 7348−2K G03B 21/14 A 7316−2K
Claims (1)
- 【請求項1】反射基板上に気相成膜法によってZnSと
SiO2との薄膜を交互に積層させ、このZnS−Si
O2交互層に焼成処理を施す前に前記交互層の上面にZ
nS層の酸化を防止するSiO2保護膜を被着させて、
450〜520℃の温度で焼成処理した多層膜反射鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61085661A JPH0629882B2 (ja) | 1986-04-14 | 1986-04-14 | 多層膜反射鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61085661A JPH0629882B2 (ja) | 1986-04-14 | 1986-04-14 | 多層膜反射鏡 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62240903A JPS62240903A (ja) | 1987-10-21 |
JPH0629882B2 true JPH0629882B2 (ja) | 1994-04-20 |
Family
ID=13865008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61085661A Expired - Lifetime JPH0629882B2 (ja) | 1986-04-14 | 1986-04-14 | 多層膜反射鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0629882B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2724563B2 (ja) * | 1990-01-14 | 1998-03-09 | 株式会社堀場製作所 | 多層膜干渉フィルタ |
JPH0434503A (ja) * | 1990-05-31 | 1992-02-05 | Toshiba Glass Co Ltd | 多層膜反射鏡 |
JPH04253001A (ja) * | 1991-01-30 | 1992-09-08 | Seikosha Co Ltd | 赤外線反射ミラー |
JPH04267202A (ja) * | 1991-02-21 | 1992-09-22 | Horiba Ltd | 多層膜干渉フィルタ |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6042445B2 (ja) * | 1977-10-05 | 1985-09-21 | キヤノン株式会社 | 多層薄膜光学系 |
JPS5689703A (en) * | 1979-12-24 | 1981-07-21 | Agency Of Ind Science & Technol | Manufacture of reflecting mirror for high output laser |
JPS57161809A (en) * | 1981-03-31 | 1982-10-05 | Nippon Soda Co Ltd | Manufacture of multilayered film |
JPS6066202A (ja) * | 1983-09-20 | 1985-04-16 | Agency Of Ind Science & Technol | レ−ザ用反射鏡 |
-
1986
- 1986-04-14 JP JP61085661A patent/JPH0629882B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62240903A (ja) | 1987-10-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |