JP4307921B2 - 反射鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の光学系において用いられる反射鏡に関し、特に、プラスチックの基体と銀またはアルミニウムからなる反射膜とを有する反射鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の光学系において用いられる反射鏡として、銀(Ag)反射膜またはアルミニウム(Al)反射膜がガラス基板上に蒸着された反射鏡が知られている。とりわけ、銀の反射膜を備えた銀反射鏡は、他の反射鏡と比べて可視光領域における反射率が高く分光反射特性に優れており、さらに、偏光特性にも優れている。
【0003】
しかし、銀反射鏡は耐久性の面で脆弱さがあるので、銀膜上に酸化アルミニウム等からなる保護層を設けるようにしている。ところが、このような保護層を設けることにより、銀反射鏡の分光反射特性が低下してしまうという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するものとして、例えば、特許文献1に記載された反射鏡がある。特許文献1に記載された反射鏡は、ガラス基板上に銀層、酸化アルミニウム層および高屈折率誘電体層がこの順に積層された構成を備えている。このような構成を有することにより、可視光領域の全範囲に亘る分光反射特性が向上する。
【0005】
また、上記のような銀またはアルミニウム反射鏡において、最近では、大幅なコストダウンや軽量化、あるいは大きなサイズであったり複雑な形状であっても比較的容易に作製可能である、といった観点から、ガラス基板に替わりプラスチック製の基板が広く用いられるようになっている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−127004号公報
【特許文献2】
特開平8−286007号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラスチック基板は透湿性があり、反射膜として機能する銀またはアルミニウムと水分とが反応し、腐食してしまうことにより反射率の低下をまねく可能性も考えられる。さらに、プラスチック基板とその上に成型される膜との間の密着力がガラス基板の場合よりも弱く、機械的な強度あるいは耐摩滅性の面において不安がある。
【0008】
特許文献2の反射鏡では、反射膜の両面に酸化アルミニウムなどからなる緻密膜を形成することにより反射膜の変質を防止し、耐環境性を向上させるようにしている。しかし、緻密膜を設けることにより、僅かではあるが反射率の低下がみられるなど、さらに改善すべき点がある。そのうえ、さらなる耐環境性や密着性の向上も望まれている。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、プラスチック基板を有し、良好な反射特性を示すと共に耐久性にも優れたバランスの良い実用的な反射鏡を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による反射鏡は、プラスチック基板と、このプラスチック基板の上に形成された積層構造とを備えた反射鏡であり、積層構造が、酸化アルミニウム(Al23)よりなる下地膜と、この下地膜の、プラスチック基板とは反対側の面と接するように形成されたクロムを含有する密着層と、この密着層の、下地膜とは反対側の面と接するように形成された反射膜と、この反射膜の、下地膜とは反対側に形成された含フッ素ケイ素化合物を有する撥水膜とを含むようにしたものである。
【0011】
本発明による反射鏡では、プラスチック基板上に積層構造を設け、この積層構造が、酸化アルミニウム(Al23)よりなる下地膜と、反射膜と、含フッ素ケイ素化合物を含む撥水膜とを有するようにした。こうすることで、プラスチック基板に含まれる水分を下地膜によって遮断し、プラスチック基板に含まれる水分が反射膜へ浸入するのを防ぐことができると共に、基板とは反対側の面からの水分の浸入をも撥水膜によって防ぐことができる。この場合、下地膜が40nm以上200nm以下の物理的膜厚を有することが望ましく、撥水膜が、1nm以上10nm以下の物理的膜厚を有することが望ましい。また、反射膜は、例えば銀(Ag)またはアルミニウム(Al)からなるものである。この積層構造は、さらに、下地膜と反射膜との間に密着層を有するので、下地膜と反射膜との密着性が強化され、下地膜から反射膜が剥離したりすることが防止される。
【0012】
本発明による反射鏡では、積層構造が、さらに、反射膜と撥水膜との間に反射率調整層を有することが望ましい。また、さらに、反射膜と撥水膜との間における最も撥水膜に近い側に、一酸化珪素(SiO)を含む保護膜を有することが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る反射鏡の構成および作用について説明する。図1は、本実施の形態に係る反射鏡の積層断面構成を表す断面図である。
【0015】
図1に示したように、本実施の形態の反射鏡は、プラスチック基板1と、このプラスチック基板1の上に形成された積層構造20とから構成される。積層構造20は、プラスチック基板1の上に形成された下地膜2と、この下地膜2の、プラスチック基板1とは反対側に形成された反射膜4と、この反射膜4の、下地膜2とは反対側に形成された撥水膜6とを含んでなるものである。
【0016】
積層構造20は、さらに、下地膜2と反射膜4との間に密着層3を有すると共に、反射膜4と撥水膜6との間に反射率調整層5を有している。
【0017】
プラスチック基板1は、例えば、ポリオレフィン系のプラスチックからなり、少なくとも、下地膜2が形成される側の積層構造形成面1Aがイオンボンバード処理されたものであることが望ましい。特に、アルゴン(Ar)または窒素(N2)を用いた20分間程度のイオンボンバード処理が施されたものであることが望ましい。イオンボンバード処理が施されることにより不純物が除去され、また、所望の表面粗さが得られることにより、プラスチック基板1と、このプラスチック基板1上に形成される積層構造20との密着力が向上するからである。
【0018】
酸化アルミニウム(Al23)よりなる下地膜2は透湿性が低いので、水分を遮断することができる。さらに、酸化アルミニウム自身の吸湿性も低い。したがって下地膜2は、プラスチック基板1からの水分が密着層3あるいは反射膜4へ浸入するのを防ぐように作用する。下地膜2は、40nm以上200nm以下の物理的膜厚を有することが好ましい。物理的膜厚が40nm以上であれば外部からの水分をより確実に遮断することができると共に、200nm以下であれば下地膜2の内部応力が増大しないので強度劣化を抑えることができるからである。この場合、特に、100nmの物理的膜厚であることがより好ましい。
【0019】
密着層3は、下地膜2の側からクロム(Cr)膜31と銅(Cu)膜32とが順に形成された2層構造を有している。この場合、クロム膜31は、5nm以上15nm以下の物理的膜厚を有することが好ましく、特に、10nmの物理的膜厚であることがより好ましい。銅膜32は、10nm以上40nm以下の物理的膜厚を有することが好ましく、特に、30nmの物理的膜厚であることがより好ましい。密着層3は、下地膜2と反射膜4との密着性を強化するように作用する。
【0020】
反射膜4は、例えば銀(Ag)よりなり、入射光を高い反射率で反射することが可能である。反射膜4の物理的膜厚は、80nm以上200nm以下であることが好ましく、特に、100nmであることが好ましい。
【0021】
反射率調整層5は、反射膜4の耐久性を向上させる機能を有すると共に、反射特性を向上させる機能をも備えた高屈折率誘電体層である。反射率調整層5は、具体的には、反射膜4の側から酸化アルミニウム膜51と酸化ジルコニウム(ZrO2)膜52と二酸化ケイ素(SiO2)膜53とが順に積層された3層構造となっている。酸化アルミニウム膜51は透湿性が低く、かつ、機械的強度に優れるので、反射膜4へ水分が達するのを防ぐと共に機械的な外力から反射膜4を保護するように機能する。酸化ジルコニウム膜52は機械的強度に優れると共に、比較的高い屈折率を示すものである。さらに、二酸化ケイ素膜53は耐摩耗性に優れ、酸化ジルコニウム膜52、酸化アルミニウム膜51および反射膜4を保護する保護膜として機能する。
【0022】
撥水膜6は、例えばOF−110(オプトロン社製)やWR2(メルク社製)等の含フッ素ケイ素化合物からなり、耐湿性および耐塩水性に優れ、外部からの水分等が反射膜4に浸入するのを防ぐ機能を有する。撥水膜6は、1nm以上10nm以下の物理的膜厚を有することが好ましい。撥水膜6の物理膜厚が1nm以上であれば外部からの水分等の浸入を遮断するのに十分であり、10nm以下であれば反射特性に影響せず、分光反射率が劣化しないからである。この場合、特に、5nmの物理的膜厚を有することがより好ましい。
【0023】
次に、図1を参照して、本実施の形態における反射鏡の製造方法について説明する。
【0024】
まず、プラスチック基板1を用意し、下地膜2が形成される側の面(積層構造形成面)1Aをイオンボンバード処理する。イオンボンバード処理は、アルゴン(Ar)または窒素(N2)を用い20分間程度行う。
【0025】
イオンボンバード処理を施したプラスチック基板1を保持具(図示せず)に取り付け、真空チャンバ(図示せず)内に挿入し所定位置に固定する。次いで、無加熱状態のまま、約1.3×10-4Paとなるまで真空チャンバ内の排気を行い、その状態を保持する。
【0026】
こののち、プラスチック基板1の、イオンボンバード処理を施した面上に、真空蒸着法により、下地膜2を形成する。真空蒸着法として、電子ビーム蒸着法(電子銃からの電子ビームによって蒸発源を加熱する真空蒸着法)を用いる場合には、電源電圧を、例えば5kVとし、電子銃のビーム電流値を、例えば300mAとする。
【0027】
こののち、電子ビーム蒸着法を用いて下地膜2上に、クロム膜31を形成し、さらに、抵抗加熱蒸着法によりクロム膜31上に銅膜32を形成することにより密着層3を形成する。
【0028】
次いで銅層32上に、例えば、抵抗加熱蒸着法を用いて銀からなる反射膜4を形成する。こののち、例えば、電子ビーム蒸着法を用いて、反射膜4上に酸化アルミニウム膜51と酸化ジルコニウム膜52と二酸化ケイ素膜53とを順に積層することにより3層構造を有する反射率調整層5を形成する。
【0029】
最後に、二酸化ケイ素膜53を覆うように撥水膜6を、例えば抵抗加熱法により形成して反射鏡が完成する。なお、上記した一連の真空蒸着をおこなうにあたっては、プラスチック基板1の温度を約50℃以下となるように維持することが望ましい。
【0030】
続いて、図1を参照して、本実施の形態における反射鏡の作用を説明する。
【0031】
プラスチック基板1は、吸湿性が高く、さらに透湿性も高い。このため、水分が浸入して反射膜4が変色あるいは腐食することも考えられる。ところが、下地膜2は、吸湿性が低く透湿性も低いので、下地層2は水分を遮断する遮蔽層として機能し、プラスチック基板1の水分が反射膜4に浸入するのを防止する。また、アルゴン(Ar)または窒素(N2)を用いたイオンボンバード処理によって下地膜2を形成する面の不純物が除去されたプラスチック基板1は、所望の表面粗さを有しているので、プラスチック基板1と積層構造20との密着力が向上する。
【0032】
撥水膜6は、反射鏡の表面からの水分、特に金属腐食性を有する塩水分を遮断し、反射膜4への浸入を防止する。また、撥水膜6は耐摩滅性に優れるので、プラスチック基板1上に形成される反射率調整層5や反射膜4の保護膜として機能する。
【0033】
密着層3は、下地膜2と反射膜4との密着性を強化するように作用し、下地膜2から反射膜4が剥離したりするのを防止する。反射率調整層5により、反射膜4の耐久性および反射特性が向上する。具体的には、反射膜4のプラスチック基板1とは反対側に設けられた酸化アルミニウム膜51により、反射膜4への水分の浸入が遮断されると共に、反射膜4が保護されて耐久性が向上する。酸化ジルコニウム膜52により、反射膜4の耐久性および反射特性が向上する。さらに、二酸化ケイ素膜53により、これら酸化ジルコニウム膜52、酸化アルミニウム膜51および反射膜4が保護され、反射鏡としての機械的強度が向上する。
【0034】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、プラスチック基板1と、このプラスチック基板1の上に形成された積層構造20とを有し、この積層構造20が、プラスチック基板1の上に形成された酸化アルミニウムよりなる下地膜2と、この下地膜2の上に密着層3を介して形成された銀よりなる反射膜4とを含むようにしたので、プラスチック基板1からの水分が反射膜4に浸入するのを防ぐことができる。このため、反射膜4が腐食せず、良好な反射特性を維持しつつ、耐久性、すなわち耐湿性および機械的強度に優れた反射鏡を得ることができる。特に、下地膜2が40nm以上200nm以下の物理的膜厚を有するようにしたので、より確実な水分遮断機能を有することができると共に、下地膜2の内部応力を最小限度に抑えることができる。このため、より優れた耐湿性および機械的強度を示す反射鏡を得ることができる。
【0035】
さらに、積層構造20が含フッ素ケイ素化合物を含む撥水膜6を備えるようにしたので、プラスチック基板1とは反対側の、反射鏡の表面からの水分、特に金属腐食性を有する塩水分の浸入を防ぐことができると共に、反射鏡表面の摩滅による反射特性の劣化を防ぐことができる。よって、耐湿性、耐塩水性および耐久性により優れた反射鏡を得ることができる。特に、撥水膜6が1nm以上10nm以下の物理的膜厚を有するようにしたので、良好な反射特性を維持しつつ、耐湿性、耐塩水性および耐久性に優れた反射鏡を得ることができる。
【0036】
また、本実施の形態における反射鏡の製造方法によれば、プラスチック基板1の表面を、アルゴン(Ar)または窒素(N2)を用いたイオンボンバード処理により洗浄する工程と、プラスチック基板1上に積層構造20を形成する工程とを含むようにしたので、プラスチック基板1と積層構造20との密着力を向上させることができる。よって、優れた耐久性を有する反射鏡を得ることができる。
【0037】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る反射鏡の構成および作用について説明する。以下の説明では、上記第1の実施の形態における構成要素と実質的に同一の部分については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0038】
本実施の形態の反射鏡は、上記第1の実施の形態における反射鏡の構成に加え、さらに、反射膜と撥水膜との間における最も撥水膜に近い側に保護膜を設けるようにしたものである。以下、具体的に説明する。
【0039】
図2は、本実施の形態に係る反射鏡の積層断面構成を表す断面図である。図2に示したように、本実施の形態の反射鏡は、プラスチック基板1と、このプラスチック基板1の上に形成された積層構造21とから構成される。積層構造21は、下地膜2と、この下地膜2の、プラスチック基板1とは反対側に形成された銀よりなる反射膜4と、この反射膜4の、下地膜2とは反対側に形成された含フッ素ケイ素化合物を有する撥水膜6とを含むものである。
【0040】
積層構造21は、さらに、下地膜2と反射膜4との間に密着層3を有すると共に、反射膜4と撥水膜6との間に、反射膜4の側から順に反射膜調製層5と保護膜7とを有している。
【0041】
保護膜7は、一酸化ケイ素(SiO)を主成分とするものであり、例えば、真空蒸着法により形成され、耐摩滅性(耐久性)に優れる。さらに、一酸化ケイ素の屈折率が二酸化ケイ素の屈折率よりも高いので、保護膜7を設けることによって保護膜7を設けない場合よりも反射率が向上する。保護膜7は、5nm以上20nm以下の物理的膜厚を有することが好ましい。20nmを超えるような厚みでは、入射光線を吸収してしまい反射特性が劣化する恐れがあるためであり、一方で、5nm未満の厚みでは、十分な耐摩滅性が得られないからである。ここで、10nmの物理的膜厚であれば良好な反射特性と耐摩滅性とがバランス良く得られるので特に好ましい。
【0042】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態における反射鏡の構成に加えて、さらに反射膜4と撥水膜6との間における最も撥水膜6に近い側に保護膜7を設けるようにしたので、より優れた機械的強度が得られ、反射鏡としての信頼性が向上する。例えば使用者が誤って反射鏡の表面に触れた場合であっても、損傷を受ける可能性が低くなる。さらに、保護膜7を設けることにより、より優れた反射特性を得ることができる。
【0043】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る反射鏡の構成および作用について説 明する。以下の説明では、上記第1および第2の実施の形態における構成要素と実質的に同一の部分については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0044】
上記第1および第2の実施の形態における反射鏡は、いずれも反射膜として銀を用いるようにしたが、本実施の形態の反射鏡は、反射膜としてアルミニウム(Al)を用いるようにしたものである。以下、具体的に説明する。
【0045】
図3は、本実施の形態に係る反射鏡の積層断面構成を表す断面図である。図3に示したように、本実施の形態の反射鏡は、プラスチック基板1と、このプラスチック基板1の上に形成された積層構造22とから構成される。積層構造22は、下地膜2と、この下地膜2の、プラスチック基板1とは反対側に形成された反射膜4と、この反射膜4の、下地膜2とは反対側に形成された含フッ素ケイ素化合物を有する撥水膜6とを含むものである。
【0046】
積層構造22は、さらに、プラスチック基板1と下地膜2との間に密着層3を有すると共に、反射膜4と撥水膜6との間に反射率調整層5を有している。
【0047】
密着層3は、例えば、クロム(Cr)からなり、5nm以上15nm以下の物理的膜厚を有しており、特に、10nmの膜厚であることが好ましい。密着層3は、下地膜2と反射膜4との密着性を強化する。
【0048】
反射膜4は、アルミニウム(Al)よりなり、入射光を高い反射率で反射することが可能である。反射膜4の物理的膜厚は、80nm以上200nm以下であることが好ましく、特に、100nmであることが好ましい。
【0049】
反射率調整層5は、反射膜4の側から酸化アルミニウム(Al23)膜51と、フッ化マグネシウム(MgF2)膜54と、二酸化セリウム(CeO2)膜55と、二酸化ケイ素(SiO2)膜53とが、順に積層された4層構造となっている。酸化アルミニウム膜51は透湿性が低く、かつ、機械的強度に優れるので、反射膜4へ水分が達するのを防ぐと共に機械的な外力から反射膜4を保護するように機能する。酸化アルミニウム膜51の物理的膜厚は、20nm以上60nm以下であることが好ましく、特に、40nmであることが好ましい。フッ化マグネシウム膜54および二酸化セリウム膜55は、増反射効果を示すものである。フッ化マグネシウム膜54の物理的膜厚は、20nm以上60nm以下であることが好ましく、特に、50nmであることが好ましい。二酸化セリウム膜55の物理的膜厚は、15nm以上50nm以下であることが好ましく、特に、40nmであることが好ましい。さらに、二酸化ケイ素膜53は、耐摩耗性に優れており、反射膜4、酸化アルミニウム膜51、フッ化マグネシウム膜54および二酸化セリウム膜55を保護する保護膜として機能する。二酸化ケイ素膜53の物理的膜厚は、20nm以上70nm以下であることが好ましく、特に、50nmであることが好ましい。これら酸化アルミニウム膜51、フッ化マグネシウム膜54、二酸化セリウム膜55および二酸化ケイ素膜53における上記したそれぞれの物理的膜厚は、下限を下回ると上記した効果や機能が十分に得られず、一方、上限を上回ると可視光の吸収が大きくなり過ぎてしまい十分な反射率が得られなくなってしまう。
【0050】
撥水膜6は、上記第1および第2の実施の形態と同様に、例えばOF−110(オプトロン社製)やWR2(メルク社製)等の含フッ素ケイ素化合物からなる。
【0051】
次に、図3を参照して、本実施の形態における反射鏡の製造方法について説明する。
【0052】
まず、プラスチック基板1を用意し、保持具(図示せず)に取り付け、真空チャンバ(図示せず)内に挿入し所定位置に固定する。なお、本実施の形態では、プラスチック基板1の積層構造形成面1Aに対してイオンボンバード処理を施さなくともよい。
【0053】
次いで、無加熱状態のまま、約1.3×10-4Paとなるまで真空チャンバ内の排気を行い、その状態を保持する。
【0054】
こののち、プラスチック基板1の上に、例えば、電子ビーム蒸着法などの真空蒸着法により、密着層3を形成する。さらに、例えば電子ビーム蒸着法を用いて密着層3上に、下地膜2を形成する。
【0055】
次いで下地膜2の上に、例えば、抵抗加熱蒸着法を用いてアルミニウムからなる反射膜4を形成する。こののち、反射膜4の上に、例えば、電子ビーム蒸着法を用いて酸化アルミニウム膜51と、フッ化マグネシウム膜54と、二酸化セリウム膜55と、二酸化ケイ素膜53とを順に積層することにより4層構造を有する反射率調整層5を形成する。特に、二酸化ケイ素膜53は、蒸発源として一酸化ケイ素を用い、これを電子ビーム等で加熱しつつ酸素(O2)雰囲気中で酸化させながら蒸着することにより形成することが望ましい。このような形成方法を採ることにより、耐摩滅性が特に向上するからである。
【0056】
最後に、反射率調整層5の二酸化ケイ素膜53を覆うように、例えば抵抗加熱法により撥水膜6を形成することにより反射鏡が完成する。なお、上記した一連の真空蒸着をおこなうにあたっては、プラスチック基板1の温度を約50℃以下となるように維持することが望ましい。
【0057】
続いて、図3を参照して、本実施の形態における反射鏡の作用を説明する。
【0058】
プラスチック基板1は、吸湿性が高く、さらに透湿性も高い。このため、反射膜4を変色あるいは腐食させる可能性も考えられる。ところが、下地膜2は、吸湿性が低く透湿性も低いので、下地層2は水分を遮断する遮蔽層として機能し、プラスチック基板1および密着層3を透過する水分が反射膜4に浸入するのを防止する。また、密着層3を設けることにより、例えばアルゴン(Ar)または窒素(N2)を用いたイオンボンバード処理などを施すことなく、プラスチック基板1と積層構造22との密着力が向上する。
【0059】
また、反射率調整層5により、反射膜4の耐久性および反射特性が向上する。具体的には、反射膜4のプラスチック基板1とは反対側に設けられた酸化アルミニウム膜51により、反射膜4への水分の浸入が遮断されると共に、反射膜4が保護されて耐久性が向上する。フッ化マグネシウム膜54および二酸化セリウム膜55によって反射率4の反射特性(可視領域における反射率)が向上する。さらに、二酸化ケイ素膜53により、これら反射膜4、酸化アルミニウム膜51、フッ化マグネシウム膜54および二酸化セリウム膜55などが保護され、反射鏡としての機械的強度が向上する。
【0060】
撥水膜6は、反射鏡の表面からの水分、特に金属腐食性を有する塩水分を遮断し、反射膜4への浸入を防止する。また、撥水膜6は耐摩滅性に優れるので、プラスチック基板1上に形成される反射率調整層5や反射膜4の保護膜としても機能する。
【0061】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、プラスチック基板1と、このプラスチック基板1の上に形成された積層構造22とを有し、この積層構造22が、プラスチック基板1の上に密着層3を介して形成された酸化アルミニウムよりなる下地膜2と、この下地膜2の上に形成されたアルミニウムよりなる反射膜4とを含むようにしたので、プラスチック基板1と積層構造22との高い密着性を保ちつつ、プラスチック基板1からの水分が反射膜4に浸入するのを防ぐことができる。さらに、反射膜4の、プラスチック基板1とは反対側にフッ化マグネシウム膜54および二酸化セリウム膜55を含む反射率調整層5を設けるようにしたので、反射膜4の耐久性および反射率が向上する。このため、反射膜4が腐食せず、良好な反射特性を発揮しつつ、耐湿性および機械的強度といった耐久性に優れた反射鏡を得ることができる。
【0062】
さらに、積層構造22が含フッ素ケイ素化合物を含む撥水膜6を備えるようにしたので、プラスチック基板1とは反対側の、反射鏡の表面からの水分、特に金属腐食性を有する塩水分の浸入を防ぐことができると共に、反射鏡表面の摩滅による反射特性の劣化を防ぐことができる。よって、耐湿性、耐塩水性および耐久性により優れた反射鏡を得ることができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、蒸発源として一酸化ケイ素を用い、これを加熱しつつ酸素雰囲気中で酸化させながら蒸着することにより二酸化ケイ素膜53を形成するようにしたので、耐摩滅性をいっそう向上させることができる。
【0064】
また、本実施の形態では、上記第2の実施の形態の反射鏡と同様に、さらに反射膜4と撥水膜6との間における最も撥水膜6に近い側(反射率調整層5と撥水膜6との間)に、一酸化珪素を含む保護膜を設けることも可能である。その場合には、耐摩滅性がより向上する。
【0065】
【実施例】
さらに、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0066】
図1〜図3に示した反射鏡と同様の反射鏡を上記の要領で作製し、いくつかの環境試験を実施した。表1にその試験結果を示す。実施例1,2は図1の積層構造20を有する第1の実施の形態の反射鏡であり、実施例3は図2の積層構造21を有する第2の実施の形態の反射鏡であり、さらに、実施例4は図3の積層構造22を有する第3の実施の形態の反射鏡である。なお、今回は、酸化アルミニウムよりなる下地膜と撥水膜とを含まない、従来の反射鏡についても同様の試験を実施したので、その試験結果を比較例として表1に併せて示す。
【0067】
【表1】
Figure 0004307921
【0068】
基板材料として、基板Aおよび基板Bの2種類の基板を用いた。試験項目は密着試験、摩滅試験、塩水漬試験、耐湿試験、塩水噴霧試験、高温試験および温度サイクル試験の7種類である(但し、一部の試料については、温度サイクル試験が未実施である。)。
【0069】
密着試験、摩滅試験および耐湿試験はMIL(米軍標準規格)−C−675Cに準拠して実施し、塩水噴霧試験はMIL−STD−810Dに準拠して実施した。また、塩水漬試験では、各反射鏡について、常温下において5%の塩化ナトリウム(NaCl)溶液に浸漬し3時間経過後に腐食の有無を確認した。高温試験では、各反射鏡について、70℃の温度下で5時間経過後に成膜面におけるクラックや剥離等の有無を確認した。さらに、温度サイクル試験では、−20℃で2時間保持した後、2時間で65℃まで昇温してそのまま65℃で2時間保持し、さらに−20℃まで2時間で降温するという温度サイクルを8回繰り返し、各反射鏡について成膜面におけるクラックや剥離等の有無を確認した。表1において、「○」は実使用上、支障となる問題が見受けられなかったことを示し、「×」は実使用上、支障となる問題が観察されたことを示す。「◎」は、特に優れていることを示す。
【0070】
実施例1および比較例1は基板Aを用いたものであり、実施例2〜4および比較例2は基板Bを用いたものである。なお、比較例3は、基板Aまたは基板Bのいずれとも異なる材質の基板Cを用いたものである。
【0071】
表1に示したように、実施例1〜4はいずれも、全ての実施試験項目において実用上支障を来すような問題は生じなかった。
【0072】
密着試験では、基板Aを用いた比較例1に部分的な剥離が見られたが、同じく基板Aを用いた実施例1では全く剥離は生じなかった。摩滅試験では、比較例1〜3の全てに傷が生じたが、実施例1〜4では問題となるような傷は発生しなかった。特に、実施例3では保護膜7を設けたことにより、全く傷が見られなかった。また、耐湿性試験では、比較例1,2に変色が見られたが、実施例1〜4では変色は生じなかった。さらに、塩水噴霧試験では、比較例1〜3の全てに腐食が発生したが、実施例1〜4では周辺部の一部にわずかな変色が見受けられたが、実使用上問題となるような腐食は発生しなかった。
【0073】
次に、実施例1および実施例3の反射鏡について反射率の波長依存性を測定した。ここでは、無偏光の状態で入射角を45°とした。その結果を図4に示す。図4において、曲線L1が実施例1の結果を示し、曲線L3が実施例3の結果を示す。
【0074】
図4に示したように、実施例1および実施例3の反射鏡は、下地膜2,撥水膜6を形成したことによる反射率の劣化は見られず、可視域全域に亘って高い反射率を維持しており反射鏡として全く問題ないレベルである。特に、実施例3は、二酸化ケイ素よりも屈折率の高い一酸化ケイ素を含む保護膜7を設けたことにより、400nm〜500nm付近の短波長側において比較的高い反射率を示した。
【0075】
同様に、実施例4の反射鏡についても反射率の波長依存性を測定したので、その結果を図5に示す。
【0076】
図5に示したように、実施例4の反射鏡は、従来のアルミニウム反射鏡では通常84%程度の反射率にとどまるところを、例えば400nm〜600nm付近の波長帯において90%を超えるなど、極めて高い反射率を示すことがわかった。これは、主に、フッ化マグネシウム膜54および二酸化セリウム膜55による増反射効果である。
【0077】
以上の結果から、プラスチック基板1の上に形成された積層構造20〜22が、酸化アルミニウムよりなる下地膜2と、銀またはアルミニウムからなる反射膜4と、含フッ素ケイ素化合物を含む撥水膜6を備えるようにした場合、プラスチック基板1からの水分が反射膜4に浸入するのを防ぐことができ、反射膜4の変色や腐食が発生しないことが確認できた。これにより、良好な反射特性を維持しつつ、耐湿性および機械的強度に優れる反射鏡が得られることがわかった。
【0078】
特に、下地膜2の物理的膜厚を100nmとすれば、より確実に水分を遮断すると共に、下地膜2の内部応力を最小限度に抑えることができ、より耐湿性に優れると共に機械的強度にも優れる反射鏡が得られることがわかった。
【0079】
さらに、反射膜4の、プラスチック基板1から最も遠い側に撥水膜6を有するようにすれば、プラスチック基板1とは反対側の、反射鏡の表面からの水分、特に、金属腐食性を有する塩水分の浸入を防止でき、その上、反射鏡表面の摩滅を防止できることがわかった。特に、撥水膜6の物理的膜厚を1nm以上10nm以下とすれば、より良好な反射特性を維持できると共に、耐湿性、耐塩水性および機械的強度により優れる反射鏡が得られることがわかった。
【0080】
さらに、反射膜4と撥水膜6との間における最も撥水膜6に近い側に、一酸化珪素を含む保護膜7を設けるようにすれば、特に優れた耐摩滅性が得られることがわかった。
【0081】
また、プラスチック基板1の上に下地膜2を直に形成する場合に、プラスチック基板1の、少なくとも下地膜2が形成される側の表面をアルゴン(Ar)または窒素(N2)を用いた20分間のイオンボンバード処理により洗浄するようにすれば、プラスチック基板1と積層構造20との密着力を向上させることができ、より優れた機械的強度を得られることがわかった。
【0082】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、種々変形可能である。例えば、電子ビーム加熱による真空蒸着法を適用して下地膜2を形成するようにしたが、イオンビーム蒸着法等の他の方法を用いるようにしてもよい。
【0083】
また、本実施の形態および実施例では、密着層3を、クロム膜31および銅膜32の2層構造、あるいは、クロム膜の単層構造からなるようにしたが、これに限定されず、3層以上の積層構造としてもよい。
【0084】
また、本実施の形態および実施例では、密着層3および反射率調整層5を含む場合について説明したが、必ずしも、密着層3および反射率調整層5が反射鏡に含まれなくともよい。
【0085】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の反射鏡によれば、プラスチック基板と、このプラスチック基板の上に形成された積層構造とを備え、この積層構造が、酸化アルミニウムよりなる下地膜と、この下地膜の、プラスチック基板とは反対側に形成された反射膜と、この反射膜の、下地膜とは反対側に形成された含フッ素ケイ素化合物を有する撥水膜とを含むようにしたので、プラスチック基板からの水分または反射鏡の表面からの水分が反射膜に浸入するのを防ぐことができる。さらに、積層構造が下地膜と反射膜との間に密着層を有するようにしたので、下地膜と反射膜との密着性を強化し、下地膜からの反射膜の剥離を防止することができる。このため、反射膜が腐食せず、優れた反射特性および耐久性をバランス良く確保することができる。
【0086】
特に、反射膜が、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)からなるようにした場合には、可視領域において比較的高い反射率を得ることができる。
【0087】
特に、撥水膜が1nm以上10nm以下の物理的膜厚を有するようにした場合には、より良好な反射特性を維持しつつ、優れた耐湿性、耐塩水性および機械的強度を得ることができる。
【0088】
また、特に、下地膜が40nm以上200nm以下の物理的膜厚を有するようにした場合には、より確実に水分を遮断することができると共に、下地膜の内部応力を最小限度に抑えることができる。よって、より優れた耐湿性と共に、より優れた機械的強度を得ることができる。
【0089】
また、特に、積層構造が、さらに、反射膜と撥水膜との間に反射率調整層を有するようにした場合には、機械的強度および反射特性を共に向上することができる。
【0090】
また、積層構造が、さらに、反射膜と撥水膜との間における最も撥水膜に近い側に、一酸化珪素を含む保護膜を有するようにした場合には、より耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における反射鏡の断面構成を表す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における反射鏡の断面構成を表す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態における反射鏡の断面構成を表す断面図である。
【図4】図1および図2に示した反射鏡における反射率を示す特性図である。
【図5】図3に示した反射鏡における反射率を示す特性図である。
【符号の説明】
1…プラスチック基板、2…下地膜、3…密着層、31…クロム(Cr)膜、32…銅(Cu)膜、4…反射膜、5…反射率調整層、51…酸化アルミニウム膜、52…酸化ジルコニウム膜、53…二酸化ケイ素膜、54…フッ化マグネシウム膜、55…二酸化セリウム膜、6…撥水膜、7…保護膜、20〜22…積層構造。

Claims (7)

  1. プラスチック基板と、前記プラスチック基板の上に形成された積層構造とを備えた反射鏡であって、
    前記積層構造は、
    酸化アルミニウム(Al23)よりなる下地膜と、
    この下地膜の、前記プラスチック基板とは反対側の面と接するように形成されたクロム(Cr)を含有する密着層と、
    この密着層の、前記下地膜とは反対側の面と接するように形成された反射膜と、
    この反射膜の、前記密着層とは反対側に形成された含フッ素ケイ素化合物を有する撥水膜と
    を含むことを特徴とする反射鏡。
  2. 前記密着層は、前記下地膜の側から順にクロム膜と銅(Cu)膜とが積層されたものであることを特徴とする請求項1に記載の反射鏡。
  3. 前記反射膜は、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射鏡。
  4. 前記撥水膜は、1nm以上10nm以下の物理的膜厚を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の反射鏡。
  5. 前記下地膜は、40nm以上200nm以下の物理的膜厚を有することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の反射鏡。
  6. 前記積層構造は、さらに、前記反射膜と前記撥水膜との間に反射率調整層を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の反射鏡。
  7. 前記積層構造は、さらに、前記反射膜と前記撥水膜との間における最も前記撥水膜に近い側に、一酸化珪素(SiO)を含む保護膜を有することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の反射鏡。
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