JP2626811B2 - 硬化性糊剤根管充填材 - Google Patents
硬化性糊剤根管充填材Info
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- JP2626811B2 JP2626811B2 JP1016391A JP1639189A JP2626811B2 JP 2626811 B2 JP2626811 B2 JP 2626811B2 JP 1016391 A JP1016391 A JP 1016391A JP 1639189 A JP1639189 A JP 1639189A JP 2626811 B2 JP2626811 B2 JP 2626811B2
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- filling material
- canal filling
- powder
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、歯科治療に於いて、抜髄根管或いは感染根
管治療後の根管充填材料として用いる硬化性糊剤根管充
填材に関する。
管治療後の根管充填材料として用いる硬化性糊剤根管充
填材に関する。
歯科治療に於ける根関充填操作は、抜髄後或いは感染
根管治療後の根管腔を、根管充填材の適用により密閉
し、根端部創傷の保護、治癒を図り、操作後の歯の保存
を目的とする処置である。
根管治療後の根管腔を、根管充填材の適用により密閉
し、根端部創傷の保護、治癒を図り、操作後の歯の保存
を目的とする処置である。
従来からこのような処置には、根端組織に対する治癒
促進或いは骨性瘢痕治療を目的とする非硬化性糊剤根管
充填材(例えば、ホルマリン系)、硬化性糊剤根管充填
材(例えば、酸化亜鉛−ユージノール系)或いは物理的
な閉塞を目的とする固形根管充填材(例えば、ガッタパ
ーチャーポイント)の使用、又は、固形根管充填材を、
填塞の芯(マスターポイント)として使用し、根管壁と
マスターポイントとの間の死腔を埋めるために、糊剤根
管充填材(シーラー)を併用する等の方法が実施されて
いる。
促進或いは骨性瘢痕治療を目的とする非硬化性糊剤根管
充填材(例えば、ホルマリン系)、硬化性糊剤根管充填
材(例えば、酸化亜鉛−ユージノール系)或いは物理的
な閉塞を目的とする固形根管充填材(例えば、ガッタパ
ーチャーポイント)の使用、又は、固形根管充填材を、
填塞の芯(マスターポイント)として使用し、根管壁と
マスターポイントとの間の死腔を埋めるために、糊剤根
管充填材(シーラー)を併用する等の方法が実施されて
いる。
これらのうち非硬化性糊剤根管充填材は、組織の治癒
は期待できるが、根管内で硬化しないため、長期間の適
用には不安がある。又、固形根管充填材は物理的に閉塞
するのみであり、組織の治癒は期待できない。
は期待できるが、根管内で硬化しないため、長期間の適
用には不安がある。又、固形根管充填材は物理的に閉塞
するのみであり、組織の治癒は期待できない。
これに対して、練和後或る一定の時間経過して根管内
で硬化する硬化性糊剤根管充填材は、組織の治癒及び根
管の閉塞の両目的の達成を期待できる。又、シーラーと
して固形根管充填材と併用した場合には、ガッタパーチ
ャーポイント等の固形根管充填材を根管壁に固着させ、
死腔の存在を皆無にすることが期待できる。
で硬化する硬化性糊剤根管充填材は、組織の治癒及び根
管の閉塞の両目的の達成を期待できる。又、シーラーと
して固形根管充填材と併用した場合には、ガッタパーチ
ャーポイント等の固形根管充填材を根管壁に固着させ、
死腔の存在を皆無にすることが期待できる。
この硬化性糊剤根管充填材としては、従来、酸化亜鉛
を主成分とし、これとユージノールを練和して用いる酸
化亜鉛−ユージノールセメントが多く用いられてきた。
しかしながら、このセメントの成分は化学的に歯の成分
と異なるため、生体親和性の面から必ずしも満足できる
材料ではない。
を主成分とし、これとユージノールを練和して用いる酸
化亜鉛−ユージノールセメントが多く用いられてきた。
しかしながら、このセメントの成分は化学的に歯の成分
と異なるため、生体親和性の面から必ずしも満足できる
材料ではない。
この問題点を解決するため、最近では、骨や歯の主成
分と近似した組織を有するα−リン酸三カルシウム粉末
又はα−リン酸三カルシウム粉末とハイドロキシアパタ
イト粉末を主成分とし、これにグアヤコール等を練和し
て用いる硬化性糊剤根管充填材が提案されている(例え
ば、特開昭62−255403号公報)。
分と近似した組織を有するα−リン酸三カルシウム粉末
又はα−リン酸三カルシウム粉末とハイドロキシアパタ
イト粉末を主成分とし、これにグアヤコール等を練和し
て用いる硬化性糊剤根管充填材が提案されている(例え
ば、特開昭62−255403号公報)。
しかしながら、前記公知技術に於いては、硬化物の崩
壊率が高く、根管充填材としての要求性能を満足しない
という問題がある。
壊率が高く、根管充填材としての要求性能を満足しない
という問題がある。
本発明は、α−リン酸三カルシウムと同様に骨や歯の
主成分と近似した組成を有する、リン酸四カルシウム粉
末を主成分とする粉剤と、ユージノールからなる液剤と
から構成される硬化性糊剤根管充填材に関する。本発明
の硬化性糊剤根管充填材は、組織親和性に優れており、
硬化物の崩壊率が低く、根管充填材として高い性能を有
する。
主成分と近似した組成を有する、リン酸四カルシウム粉
末を主成分とする粉剤と、ユージノールからなる液剤と
から構成される硬化性糊剤根管充填材に関する。本発明
の硬化性糊剤根管充填材は、組織親和性に優れており、
硬化物の崩壊率が低く、根管充填材として高い性能を有
する。
即ち、本発明は、組織親和性に優れたリン酸四カルシ
ウムを主成分とし、且つ、組織治癒の有効成分である水
酸化カルシウムを硬化剤とし、これらに撥水剤及び操作
性改良剤としてのロジン及びX線造影材を配合してなる
粉剤と、ユージノールからなる液剤とから構成される粉
液練和型の硬化性糊剤根管充填材に関する。
ウムを主成分とし、且つ、組織治癒の有効成分である水
酸化カルシウムを硬化剤とし、これらに撥水剤及び操作
性改良剤としてのロジン及びX線造影材を配合してなる
粉剤と、ユージノールからなる液剤とから構成される粉
液練和型の硬化性糊剤根管充填材に関する。
本発明の硬化性糊剤根管充填材に於ける粉剤の各成分
は、粉剤の全重量に対して、リン酸四カルシウム40〜50
重量%、水酸化カルシウム2〜15重量%、ロジン15〜35
重量%、X線造影材としての次炭酸ビスマス及び/又は
硫酸バリウム15〜35重量%の割合で使用することが好ま
しい。
は、粉剤の全重量に対して、リン酸四カルシウム40〜50
重量%、水酸化カルシウム2〜15重量%、ロジン15〜35
重量%、X線造影材としての次炭酸ビスマス及び/又は
硫酸バリウム15〜35重量%の割合で使用することが好ま
しい。
液剤としてはユージノールを使用するが、ユージノー
ルを主成分とするチョウジ油を使用することもできる。
ルを主成分とするチョウジ油を使用することもできる。
粉剤(重量:単位g)と液剤(容量:単位ml)とは2.
5〜5.5(g/ml)の比率(この比率を粉液比という)で練
和使用する。この比率の範囲であれば、練和及び根管充
填操作が容易であり、硬化性糊剤根管充填材としての歯
科理工学的性質、即ち、硬化時間、被膜厚さが適正であ
り、特に、崩壊率が極めて低く、硬化後の優れた性能が
長期に渡って維持される。
5〜5.5(g/ml)の比率(この比率を粉液比という)で練
和使用する。この比率の範囲であれば、練和及び根管充
填操作が容易であり、硬化性糊剤根管充填材としての歯
科理工学的性質、即ち、硬化時間、被膜厚さが適正であ
り、特に、崩壊率が極めて低く、硬化後の優れた性能が
長期に渡って維持される。
以下に実施例によって本発明を更に詳しく説明する。
(製造例1) リン酸水素カルシウム二水和物と炭酸カルシウムと
を、1:1のモル比で均一に混合し、1600℃の温度で2時
間焼成した後急冷してリン酸四カルシウムを合成した。
このリン酸四カルシウムをボールミルで微粉砕し、350
メッシュの篩を通過させて所定の粒度のリン酸四カルシ
ウム粉末を得た。
を、1:1のモル比で均一に混合し、1600℃の温度で2時
間焼成した後急冷してリン酸四カルシウムを合成した。
このリン酸四カルシウムをボールミルで微粉砕し、350
メッシュの篩を通過させて所定の粒度のリン酸四カルシ
ウム粉末を得た。
(実施例1〜4) 製造例1で製造したリン酸四カルシウム粉末に、他の
粉剤成分を第1表に示す割合で配合した粉剤と、液剤と
してのユージノールとを、第1表に示す粉液比で練和
し、ISO−6876に準拠して硬化時間、被膜厚さ及び崩壊
率を測定した。結果を第1表に示す。
粉剤成分を第1表に示す割合で配合した粉剤と、液剤と
してのユージノールとを、第1表に示す粉液比で練和
し、ISO−6876に準拠して硬化時間、被膜厚さ及び崩壊
率を測定した。結果を第1表に示す。
本発明の根管充填材は崩壊率が極めて低く、硬化後に
根管充填材が組織液に溶解することのない、歯科理工学
的性質の極めて優れた根管充填材である。
根管充填材が組織液に溶解することのない、歯科理工学
的性質の極めて優れた根管充填材である。
(比較例1〜2) 第1表に示す割合で配合したα−リン酸三カルシウム
系粉剤と、液剤とを粉液比3.0で練和し、ISO−6876に準
拠して硬化時間、被膜厚さ及び崩壊率を測定した。結果
を第1表に示す。
系粉剤と、液剤とを粉液比3.0で練和し、ISO−6876に準
拠して硬化時間、被膜厚さ及び崩壊率を測定した。結果
を第1表に示す。
比較例の根管充填材は崩壊率が高く、硬化後に組織液
に溶解してしまって充填剤としての用をなさなくなる。
に溶解してしまって充填剤としての用をなさなくなる。
〔発明の効果〕 本発明の硬化性糊剤根管充填材は、主成分のリン酸四
カルシウムが根管内に於いて最終的にはハイドロキシア
パタイトに転換することから、優れた生体親和性を有
し、ユージノールの抗菌性と水酸化カルシウムの薬効に
より、根端部創傷の保護と治癒を促進することが期待で
きる。又、本発明の根管充填材は粉剤と液剤を練和して
根管充填操作にもちいるが、その際の操作性が容易で根
管の細部にまで充填され、更に、根管内に於いて硬化が
完了することから、ガッタパーチャーポイントとの併用
根管充填用のシーラーとしても有用であり、根管腔の完
全な閉塞が図れる。そのうえ硬化物の崩壊率が低いた
め、硬化後に根管充填材が組織液に溶解する恐れがな
い。更に、X線造影材として次炭酸ビスマス及び/又は
硫酸バリウムを配合してあることにより適度のX線造影
性を有し、根管充填の状態を容易に観察することができ
る。
カルシウムが根管内に於いて最終的にはハイドロキシア
パタイトに転換することから、優れた生体親和性を有
し、ユージノールの抗菌性と水酸化カルシウムの薬効に
より、根端部創傷の保護と治癒を促進することが期待で
きる。又、本発明の根管充填材は粉剤と液剤を練和して
根管充填操作にもちいるが、その際の操作性が容易で根
管の細部にまで充填され、更に、根管内に於いて硬化が
完了することから、ガッタパーチャーポイントとの併用
根管充填用のシーラーとしても有用であり、根管腔の完
全な閉塞が図れる。そのうえ硬化物の崩壊率が低いた
め、硬化後に根管充填材が組織液に溶解する恐れがな
い。更に、X線造影材として次炭酸ビスマス及び/又は
硫酸バリウムを配合してあることにより適度のX線造影
性を有し、根管充填の状態を容易に観察することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】リン酸四カルシウム粉末、水酸化カルシウ
ム、ロジン、X線造影材及びユージノールからなる硬化
性糊剤根管充填材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1016391A JP2626811B2 (ja) | 1989-01-27 | 1989-01-27 | 硬化性糊剤根管充填材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1016391A JP2626811B2 (ja) | 1989-01-27 | 1989-01-27 | 硬化性糊剤根管充填材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02200606A JPH02200606A (ja) | 1990-08-08 |
JP2626811B2 true JP2626811B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=11914951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1016391A Expired - Lifetime JP2626811B2 (ja) | 1989-01-27 | 1989-01-27 | 硬化性糊剤根管充填材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2626811B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2690371B2 (ja) * | 1989-09-29 | 1997-12-10 | 株式会社クラレ | 歯科用組成物 |
JP2554402B2 (ja) * | 1991-03-04 | 1996-11-13 | 昭和電工株式会社 | 根管充てん用硬化型糊材 |
-
1989
- 1989-01-27 JP JP1016391A patent/JP2626811B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02200606A (ja) | 1990-08-08 |
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