JPH03215406A - 硬化性糊剤根管充填材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、歯科治療に於いて、抜髄根管或いは感染根管
治療後の根管充填材料として用いる硬化性糊剤根管充填
材に関する。

〔従来の技術〕

歯科治療に於ける根管充填操作は、抜髄後或いは惑染根
管治療後の根管腔を、根管充填材の適用により密閉し、
根端部創傷の保護、治癒を図り、操作後の歯の保存を目
的とする処置である。

従来からこのような処置には、根端組織に対する治癒促
進或いは骨性廠痕治癒を目的とする非硬化性糊剤根管充
填材（例えば、ホルマリン系）、硬化性糊剤根管充填材
（例えば、酸化亜鉛一ユージノール系）或いは物理的な
閉塞を目的とする固形根管充填材（例えば、ガッタパー
チャーポイント）の使用、又は、固形根管充填材を、填
塞の芯（マスターポイント）として使用し、根管壁とマ
スターポイントとの間の死腔を埋めるーために、糊剤根
管充填材（シーラー）を併用する等の方法が実施されて
いる。

これらのうち非硬化性糊剤根管充填材は、組織の治癒は
期待できるが、根管内で硬化しないため、長期間の適用
には不安がある。又、固形根管充填材は物理的に閉塞す
るのみであり、組織の治癒は期待できない。

これに対して、練和後或る一定の時間経過して根管内で
硬化する硬化性糊剤根管充填材は、組織の治癒及び根管
の閉塞の両目的の達成を期待できる。又、シーラーとし
て固形根管充填材と併用した場合には、ガッタバーチャ
ーポイント等の固形根管充填材を根管壁に固着させ、死
腔の存在を皆無にすることが期待できる。

二の硬化性糊剤根管充填材としては、従来、酸化亜鉛を
主成分とし、これとユージノールを練和して用いる酸化
亜鉛−ユージノールセメントが多く用いられてきた。し
かしながら、このセメントの成分は化学的に歯の成分と
異なり、更に、ユージノールによる根端部の周囲組織に
対する組織刺激性が指摘されており、特に、組織親和性
の面から必ずしも満足できる材料ではない。

この問題点を解決するため、最近では、骨や歯の主成分
と近似した組織を有するα−リン酸三カルシウム粉末又
はα−リン酸三カルシウム粉末とハイドロキシアパタイ
ト粉末を粉剤とし、これにグアヤコール等を練和液とし
て用いる硬化性糊剤根管充填材が提案されている（例え
ば、特開昭６２−２５５４０３号公報）。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記の組成物は、保存中に於ける硬化を
避けるため、粉剤と練和剤との二割に分けて取り扱われ
、使用直前にこれらを練和して使用している．そのため
、治療に適した稠度のぺ一ストを調製するのに熟練を要
するなどの操作上の問題を有する。又、治療に極く少量
しか使用しない場合でも多量の材料を練和しなければな
らず、経済的にも問題点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、α−リン酸三カルシウムと同様に骨や歯の主
成分と近偵した組成を有する、リン酸四カルシウム粉末
と水溶性の有機酸及びＸ６％造影材からなる粉剤を、練
和液としての多価アルコールで予め練和した、ペースト
状の硬化性糊剤根管充填材に関する。本発明の硬化性糊
剤根管充填材は、治療に際して、保存容器から必要量の
ペースト状材料を取り出し、直ちに使用することができ
、従来の二剤型の硬化性糊剤根管充填材と比べて練和の
手間が要らず、しかも材料の無駄が殆どなく極めて経済
的である。更に、本発明の硬化性糊剤根管充填材は、根
管充填後に生体内の水分との永和反応により、漸次、歯
質の主要成分であるハイドロキシアパタイトの硬化体を
形成し、優れた組織親和性を有する。

本発明の硬化性糊剤根管充填材に使用されるリン酸四カ
ルシウム粉末は、公知の方法によって製造されたリン酸
四カルシウムの粉末を、特に制限されることなく採用で
きる。

本発明に於いて、水溶性の有機酸としては、リンゴ酸、
クエン酸、マレイン酸、アクリル酸とイタコン酸との共
重合体の群から選ばれた少なくとも一種の有機酸が使用
される。これらの有機酸は根管内に於いて、根尖及び象
牙細管から侵入する生体内の水分と水和することにより
リン酸四カルシウムと反応し硬化体を形成する。

本発明に於いて、水溶性の多価アルコールとしては、グ
リセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール
の群から選ばれた少なくとも一種の多価アルコールが使
用される。これらの多価アルコールは、本発明の硬化性
糊剤根管充填材の稠度を調整してペースト状にすると共
に、根管内に於いて、根尖及び象牙細管から侵入する生
体内の水分と容易に置換を行い、系内の硬化反応条件を
整える。

本発明に於いて、ＸｖＡ造影材としては、次炭酸ビスマ
ス及び／又は硫酸バリウムが使用される。

これらのＸ線造影材は、治療に際して、Ｘ線フイルム上
で歯質と本発明の硬化性糊剤根管充填材とを見分けるた
めに必要である。

本発明の硬化性糊剤根管充填材に於ける粉剤の各成分は
、粉剤の全重量に対して、リン酸四カルシウム粉末５５
〜７５重量％、水溶性の有機酸５〜３０重量％、Ｘ線造
影材１５〜３５重量％の割合で使用することが好ましい
。

粉剤（重量：単位ｇ）と練和液としての水溶性の多価ア
ルコール（容量二単位ｄ）とは、１．０〜５．０（ｇ／
ｄ）の比率（この比率を粉液比という）で練和して、ペ
ースト状の硬化性糊剤根管充填材とすることが稠度の上
から好ましい。

又、粉剤と練和液との練和方法は特に限定されるもので
はなく、公知の混合練和機を使用した練相方法が制限な
く採用できる。例えば、自動乳鉢、ボールミル、二一グ
ー　ミキサー等の混合練和機を使用する方法が一般的で
ある。

本発明の硬化性糊剤根管充填材の包装形態は、特に制限
されるものではないが、シリンジ、チューブ等に充填す
る態様が代表的である。

以下に実施例によって本発明を更に詳しく説明する。

〔実施例及び比較例〕

（製造例） リン酸水素カルシウムニ水和物と炭酸カルシウムとを１
：１のモル比で均一に混合し、１６００゜Ｃの温度で２
時間焼成した後急冷してリン酸四カルシウムを合成した
。このリン酸四カルシウムをボールミルで微粉砕し、３
５０メッシュの篩を通過させて所定の粒度のリン酸四カ
ルシウム粉末を得た。又、この粉末がリン酸四カルシウ
ムであることをＸ線回折により確認した。

（実施例１） 製造例で製造したリン酸四カルシウム粉末６３重量％、
Ｄ−Ｌ−’Ｊンゴ酸１２重貴％及び次炭酸ビスマス２５
重量％からなる粉剤と、練和液としてのグリセリンとを
、粉液比３．０　（ｇ／　ｍｌ）で練和しペースト状と
した。このペーストのフローレートをＩ　ＳＯ−６　８
　７　６に準拠して測定した結果３１．５ｍｍであった
。又、このペーストをポリエチレン製の密閉容器に入れ
、３０゜Ｃの恒温器中に３ケ月保存した後のフローレー
トは３１．２ｍｍであり、保存安定性は良好であった。

更に、このペーストを直径１０ｍ，厚さ１鵬の円盤状の
金型に充填し、３７゜Ｃ、ＩＯＯＲＨの恒温恒温器中に
２４時間保管後、更に、３７゜Ｃの水中に浸漬した。２
４時間後に取り出した硬化体はＸ線回折によりハイドロ
キシアパタイトであることを確認した。又、この硬化体
の放射線不透過性をＩＳＯ−６８７６に準拠して測定し
た結果、３．５皿のアルミニウム板に相当する放射線不
透過性を示した。

（実施例２〜１２） 製造例で製造したリン酸四カルシウム粉末に、他の粉剤
成分を第１表に示す割合で配合した粉剤と、練和液とし
ての多価アルコールとを、第１表に示す粉液比で練和し
ペースト状とした。これらのペーストをポリエチレン製
の密閉容器に入れ、３０゛Ｃの恒温器中に保存し、初期
と３ケ月後のペーストのフローレートを測定し、保存安
定性を調べた。又、実施例１と同様にして得た硬化体に
ついて、生成物の組成及び放射線不透過性を調べた。

これらの結果を第１表に示す。尚、表中の略号は下記の
通りである。

ＴＥＣＰ　　　：リン酸四カルシウム ＤＬ−ＭＡＬ　：　ＤＬ−リンゴ酸 ＣＡ　　　　：クエン酸 ＭＡ　　　　：マレイン酸 ＡＡ　　　　；アクリル酸とイタコン酸とをモル比７：
３で共重合したもので 、その数平均分子量は９０００ である。

ＢＩ　　　　：次炭酸ビスマス ＢＡ　　　　：硫酸バリウム Ｇ　　　　　：グリセリン ＥＧ　　　　：エチレングリコール ＰＧ　　　　：プロピレングリコール Ｐ／Ｌ 初Ｆ，　Ｌ ３Ｆ．Ｌ Ｒ，Ｏ Ｈ，　　Ｃ ＩＡＰ ：粉液比 ：初期フローレート ：３ケ月後のフローレート ：放射線不透過性 ：硬化体組成 ：ハイドロキシアバタイト 〔発明の効果〕 本発明の硬化性糊剤根管充填材は、保存中に硬化しない
ペースト状であるため、治療に際して、保存容器から必
要量のペースト状材料を取り出し、直ちに使用すること
ができる。そのため、従来の二剤型の硬化性糊剤根管充
填材と比べて練和の手間が要らず、しかも、材料の無駄
がなく極めて経済的である。又、本発明の硬化性糊剤根
管充填材は、根管充填後に生体内の水分との永和反応に
より漸次、歯質の主要成分であるハイドロキシアパタイ
トの硬化体を形成し、優れた組織親和性を有する。更に
、Ｘ線造影材として次炭酸ビスマス及び／又は硫酸バリ
ウムを配合してあることにより適度のＸ線造影性を有し
、根管充填の状態を容易に観察することができる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. リン酸四カルシウム粉末、水溶性の有機酸、水溶性の多
   価アルコール及びＸ線造影材からなる硬化性糊剤根管充
   填材。