JP2623571B2 - 水酸化アルカリの製造方法 - Google Patents

水酸化アルカリの製造方法

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JP2623571B2 JP62145155A JP14515587A JP2623571B2 JP 2623571 B2 JP2623571 B2 JP 2623571B2 JP 62145155 A JP62145155 A JP 62145155A JP 14515587 A JP14515587 A JP 14515587A JP 2623571 B2 JP2623571 B2 JP 2623571B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、水酸化アルカリ水溶液の製造方法に関する
ものであり、特にイオン交換膜法において、42重量%の
比較的高濃度の水酸化アルカリを製造する方法に関する
ものである。
[従来の技術] 含フッ素陽イオン交換膜を隔膜として使用し、塩化ア
ルカリ水溶液を電解して、水酸化アルカリと塩素とを製
造する所謂イオン交換膜法アルカリ電解は高純度の水酸
化アルカリが、それまでの従来法に比べて低エネルギー
消費量にて製造できることから、近年国際的に普及しつ
つある。
かかるイオン交換膜法アルカリ電解においては、初期
の頃はスルホン酸基をイオン交換基とする含フッ素陽イ
オン交換膜が使用されていたが、電流効率を高くするこ
とができないことからして、近年は膜の少なくとも陰極
側にカルボン酸基を有する陽イオン交換膜に置換され、
この結果、電解における電流効率は、ほぼ92〜97%にま
で達し、工業的にはほぼ完璧な域に達している。
しかしながら、上記のカルボン酸型陽イオン交換膜を
使用した場合、長期にわたって低電圧で優れた電流効率
が得られるのも濃度がおよそ36〜40重量%までの水酸化
アルカリを製造する場合に限られることが見出された。
本発明者の研究によると、水酸化アルカリの濃度がおよ
そ40重量%までは94〜98%の高い電流効率が得られる
が、それよりも高濃度になると電流効率が急に低下する
ことが見出された。また、このように高濃度になると、
膜抵抗も急に大きくなり電解電圧が上昇し、一週間ない
し一年間の長期にわたって運転した場合には、電流効率
も次第に低下してゆく現象が見られた。このような高濃
度の水酸化アルカリで長期間運転した膜の陰極側表面の
イオン交換容量を測定してみるとカルボン酸基の分解に
より表面のイオン交換容量が低下していることが明らか
になった。かくして膜の陰極側にカルボン酸基を有する
陽イオン交換膜では、上記のような高濃度の水酸化アル
カリを工業的に製造するのは好ましくない。
一方、米国特許4455210号には、スルホンアミド基を
もつ含フッ素重合体フイルムの陰極側にスルホン酸基を
もつ含フッ素重合体フイルムを積層した陽イオン交換膜
を使用して、高濃度の水酸化アルカリを製造することが
提案されている。しかしこの方法においては、そもそも
初期の電流効率が低いばかりでなく、長期にわたって運
転した場合には、更に電流効率が低下してしまう。
特公昭57−9589号には、カルボン酸基含有層の陰極側
に2μm程度のスルホン酸基含有層を有する含フッ素陽
イオン交換膜を使用して40重量%のNaOHを得る方法が示
されている。膜の陰極側に薄いスルホン酸基含有層を有
するその他の例は特開昭58−83030号、特公昭60−23776
号にも見られ、特開昭59−22930号には膜の両側に、ス
ルホン酸基含有陽イオン交換体とジルコニアの混合層を
設けた例が記載されているが、これらはいずれも35重量
%前後のNaOHを得る場合の電解電圧の低減に関するもの
である。本発明者の研究によれば、陰極側スルホ酸基含
有層が薄い場合には、40重量%の水酸化アルカリでは95
%前後の高い電流効率が得られたが、45重量%以上の水
酸化アルカリの場合には、90%前後の電流効率しか得ら
れず、電流効率は経時的に低下することが明らかになっ
た。
このような高濃度の水酸化アルカリを高い電流効率、
低い電解電圧で製造できるようになると、従来水酸化ア
ルカリの濃縮に要していたエネルギーを節減もしくは不
要にすることができる。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明は、濃度42重量%以上、特には45重量%以上の
水酸化アルカリを製造するにあたり、初期において高電
流効率を与えるばかりでなく、長期間運転した場合も高
い電流効率を保持できるイオン交換膜を使用した高濃度
水酸化アルカリの製造方法を提供することを目的とす
る。
[問題点を解決するための手段] 本発明は前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、耐アルカリ性無機物粒子又は小繊維を分散して含有
する耐アルカリ性を有する陽イオン交換体からなる厚さ
5μm以上の第一の層と、45重量%NaOH水溶液中の含水
率が2〜7重量%の範囲にあり、厚さが5μm以上の−
CO2M基(Mはアルカリ金属)を有するパーフルオロカー
ボン重合体の第二の層との少なくとも二層からなる含フ
ッ素陽イオン交換膜を、第一の層を陰極側に向けて配し
た電解槽の陽極室に塩化アルカリを供給して電解するこ
とを特徴とする、濃度42重量%以上の水酸化アルカリを
製造する方法を提供するものである。
本発明の耐アルカリ性無機粒子又は小繊維を分散して
有する耐アルカリ性陽イオン交換体からなる第一の層の
厚さは、5μm以上、好ましくは10〜200μmである。
5μmよりも薄い場合には、45重量%以上の水酸化アル
カリを製造する場合に十分な電流効率が得られず、カル
ボン酸基の高濃度アルカリによる劣化も十分に防止でき
ない。200μmを超えると膜抵抗が大きくなり、電解電
圧が高くなるため好ましくない。第一の層を形成する耐
アルカリ性陽イオン交換体としては、スチレン/ジビニ
ルベンゼン共重合体のスルホン化物、ヒドロキシスチレ
ン/ジビニルベンゼン共重合体等の炭化水素系陽イオン
交換体の他に、好ましくは−SO3M基又は−OM基(Mはア
ルカリ金属)を有するフルオロ又はパーフルオロカーボ
ン重合体が用いられる。
第二の層を形成する陽イオン交換体としては、厚さ5
μm以上の、−CO2M基(Mはアルカリ金属)を含むパー
フルオロカーボン重合体が用いられる。−CO2M基(Mは
アルカリ金属)を有するフルオロ又はパーフルオロカー
ボン重合体の第二の層は、45重量%NaOH水溶液中の含水
率が、2〜7重量%である。特には2.5〜5重量%の範
囲にあることが好ましい。この範囲から外れると十分に
高い電流効率が得られない。ここで本発明において45重
量%NaOH中の含水率とは、陽イオン交換膜を電解運転温
度の45重量%NaOH水溶液に16時間浸せきし、25℃に冷却
後、膜表面のアルカリ水溶液を拭きとった後の重量をa
g、その膜を90℃のイオン交換水に16時間浸せきした
後、130℃で16時間真空乾燥した後の重量をb gとしたと
き、 含水率(%)=(a−b)/b×100 で与えられるものをいう。
本発明において、第一の層を形成する陽イオン交換体
は、好ましくは−SO3M基又は−OM基を有するパーフルオ
ロカーボン重合体である。−SO3M基含有パーフルオロカ
ーボン重合体の場合、そのイオン交換容量は、0.6〜1.8
ミリ当量/g乾燥樹脂、特には0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥
樹脂、であることが好ましい。第一の層の45重量%NaOH
中の含水率R1と第二の層の45重量%NaOH中の含水率R2
の差ΔR(=R1−R2)は3〜30%、特には5〜25%、で
あることが好ましい。
一方、−OM基含有パーフルオロカーボン重合体のイオ
ン交換容量は、好ましくは0.6〜2.8ミリ当量/g乾燥樹
脂、特には0.85〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂を有する。ま
た第二の層は、−CO2M基(Mはアルカリ金属)を有する
パーフルオロカーボン重合体からなり、そのイオン交換
容量は好ましくは0.6〜1.8ミリ当量/g乾燥樹脂、特には
0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂を有する。
本発明において、パーフルオロカーボン重合体とは炭
素原子に結合した水素原子又はハロゲン原子に対してそ
の中のフッ素原子の占める割合が90%以上のものをい
い、上記第一の層及び第二の層を構成するフルオロ特に
はパーフルオロカーボン重合体は少なくとも二種の単量
体の共重合体からなり、好ましくは次の(イ)及び
(ロ)の重合単位をもつ共重合体からなる。
ここで、X、X′は、−F、−Cl、−H又は−CF3
あり、Aは−SO3M,−CRfRf′OM又は−CO2M(Mは水素、
アルカリ金属、Rf,Rf′は炭素数1〜10のパーフルオロ
アルキル基)又は加水分解等により、これらの基に転化
する基を表し、Yは、次のものから選ばれるが、そこ
で、Z,Z′は−F又は炭素数1〜10のパーフルオロアル
キル基であり、X,Y,Zは1〜10の整数を表す。
さらに、(イ)及び(ロ)の重合単位の他に、次のよ
うな重合単位を含んでいてもよい。
なお、上記重合体中の(ロ)の含有量は、含フッ素重
合体が上記イオン交換容量を形成するように選ばれる。
上記含フッ素重合体は、好ましくは加水分解されたも
のがパーフルオロカーボン重合体であることが適切であ
り、その好ましい例は、CF2=CF2とCF2=CFOCF2CF(C
F3)OCF2CF2SO2Fとの共重合体、、CF2=CF2とCF2=CFO
(CF22〜5SO2Fとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFOC
F2CF2C(CF32OHとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFO
(CF22〜5CO2CH3との共重合体、更には、CF2=CF2
とCF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2−CO2CH3との共重
合体が例示される。
本発明において、第一の層中に分散して含有される無
機物粒子又は小繊維は耐アルカリ性を有し、電解温度下
で電解濃度のNaOH水溶液中において溶解しないものが好
ましい。かかる耐アルカリ性無機物としては、好ましく
は、長周期型周期表のII a、III b、IV b、V b、III
a、IV a族の第三周期以降の元素の酸化物、窒化物、炭
化物、水酸化物あるいは炭化ホウ素又はそれらの混合物
から選択され、なかでも具体的に好ましい例としては、
チタン、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム、タンタ
ル、インジウム、スズ等の酸化物、窒化物、炭化物、水
酸化物、ケイ素の窒化物、炭化物又はそれらの混合物か
ら選択される。該耐アルカリ性無機物は第一の層中、容
積比率(耐アルカリ性無機物の容積/(耐アルカリ性無
機物の容積+陽イオン交換樹脂の容積))として、好ま
しくは75%以下、更に好ましくは20〜60%を、好ましく
は均一に含有せしめるのが適切である。この場合、該粒
子の平均粒径又は小繊維の平均線径は、第一の層の厚み
の二分の一以下であって、且つ20μm以下、特には10μ
m以下であることが好ましい。この範囲からはずれる
と、理由は明らかではないが、電流効率の低下もしくは
耐久性の低下を招く。
本発明の陽イオン交換膜は予め製造した第一の層及び
第二の層のフイルムを積層する通常の押し出し製膜のほ
か以下の如き湿式製膜法などにより製造することができ
る。例えば、−SO3M′基(M′はH,又はアルカリ金属)
を有するパーフルオロカーボン重合体の溶液又は分散液
に耐アルカリ性無機物粒子または小繊維を分散させた混
合液を第二の層又はその前駆体からなる層を形成するフ
イルムの上に直接塗布、乾燥したり、上記混合液を他の
基盤やフイルム等の上に塗布し、乾燥して得られる第一
の層のフイルムと第二の層又はその前駆体からなる層と
合わせたのち、好ましくは、熱プレスすることにより積
層することができる。また、第一の層以外の層も湿式製
膜することができる。
これら含フッ素重合体を溶解又は分散させた重合体液
は、例えば特開昭56−72022号、特公昭48−13333号及び
特開昭57−192464号によって知られており、これらが利
用できる。
本発明ではまた、上記第一の層には、前述のような耐
アルカリ性無機物粒子又は小繊維を分散して含有せしめ
るだけでなく、例えばポリテトラフルオロエチレン製の
多孔質膜や布、フィブリルを採用して、陽イオン交換体
又は他の耐アルカリ性物質を含有する陽イオン交換体を
補強することにより、該層の剥離やクラック発生に対す
る耐性が向上し、該層を補強していない膜に比べて、膜
全体の機械的強度が向上するばかりでなく、電流効率の
長期安定性の更に優れた陽イオン交換膜を得ることがで
きる。
本発明で使用される含フッ素陽イオン交換膜において
は、第一の層及び第二の層に加えて必要により、更に第
三の層を積層することができる。かかる好ましい例とし
て、第二の層の陽極側に、厚み30〜350μmのイオン交
換基、好ましくは、−SO3M基又は−CO2M基(Mはアルカ
リ金属)を有する含フッ素重合体からなり、第二の層よ
りも比抵抗の小さい層が採用される。更に、第二の層又
は第三の層の陽極側に、厚み10〜450μmの気孔率30〜9
5%を有し、表面及び内部を親水性無機粒子又は有機ポ
リマーを被覆することにより親水化した多孔性含フッ素
重合体からなる第四の層を積層することができる。かか
る第三の層や第四の層を積層することにより、第一の層
及び第二の層のみからなる膜に比べて、膜の機械的強度
等の特性を更に大きく安定化することができる。
更に、上記に加えて、本発明で使用される含フッ素重
合体は、上記第一の層、第二の層、第三の層更には第四
の層の積層を強固に行なうために、必要により結合層を
設けることができる。かかる結合層としてはスルホン酸
基又は水酸化をもつ含フッ素重合体とカルボン酸基をも
つ含フッ素重合体との好ましくは4/1〜1/4(重量比)の
ブレンドしてなる層、更にはスルホン酸基又は水酸基と
カルボン酸基を好ましくは2/1〜1/2の比率で併有する含
フッ素重合体からなる、厚みが好ましくは5〜50μmの
層が選ばれる。かかる結合層とは、上記第一の層、第二
の層更には第三の層の結合時に挿入され、加熱、融着さ
れる。
また、本発明の含フッ素陽イオン交換膜は、好ましく
は陽極側近傍の第二、第三又は第四の層に、必要に応じ
て例えばポリテトラフルオロエチレンなどの織布又は不
織布などのウェブなどの補強材を埋め込むこともでき
る。
かくして形成される本発明で使用される含フッ素陽イ
オン交換膜は、全体の厚みが、50〜600μm、特には150
〜400μmであるのが好ましい。
上記含フッ素陽イオン交換膜は、そのままでも使用で
きるが、好ましくは、陽イオン交換膜の少なくとも一表
面に、特に好ましくは、少なくともイオン交換膜の陽極
側表面に塩素ガス解放のための処理を施すことにより、
電流効率の長期安定性を更に改良することができる。
該イオン交換膜の表面にガス解放のための処理を施す
方法としては、膜表面に微細な凹凸を施す方法(特公昭
60−26495号)、電解槽に鉄、ジルコニア等を含む液を
供給して、膜表面に親水性無機粒子をデポジットする方
法(特開昭56−152980号)、ガス及び液透過性の電極活
性を有しない粒子を含む多孔質層を設ける方法(特開昭
56−75583号及び特開昭57−39185号公報)等が例示され
る。かかるイオン交換膜の表面のガス解放層は電流効率
の長期安定性を改良する効果の他に電解下における電圧
を更に低減することができる。
本発明の含フッ素陽イオン交換膜を使用して塩化アル
カリ水溶液の電解を行なうプロセス条件としては、上記
した特開昭54−112398号公報におけるような既知の条件
が採用できる。例えば、陽極室には好ましくは2.5〜5.0
規定(N)の塩化アルカリ水溶液を供給し、陰極室には
必要に応じて水又は希釈水酸化アルカリを供給し、好ま
しくは50〜120℃,5〜100A/dm2で電解される。かかる場
合、塩化アルカリ中のカルシウム及びマグネシウムなど
の重金属イオンは、イオン交換膜の劣化を招くので、可
及的に小さくせしめるのが好ましい。また、陽極におけ
る酸素の発生を極力防止するために塩酸などの酸を塩化
アルカリ水溶液に添加することができる。
本発明において電解槽は、上記構成を有する限りにお
いて単極型でも複極型でもよい。また電解槽を構成する
材料は、例えば、塩化アルカリ水溶液の電解の場合に
は、陽極室の場合には塩化アルカリ水溶液及び塩素に耐
性があるもの、例えば弁金属、チタンが使用され、陰極
室の場合には水酸化アルカリ及び水素に耐性がある鉄、
ステンレス又はニッケルなどが使用される。
本発明において電極を配置する場合、電極は複層膜に
接触して配置しても、また適宜の間隔において配置して
もよいが、特に本発明の場合、隔膜に電極を接触して配
置した場合、支障を伴うことなく低い膜抵抗に伴なう、
有利な槽電圧が達成できる。
[実施例] 実施例1 孔径が2μm、膜厚が120μmのポリテトラフルオロ
エチレン製多孔体と、イオン交換容量1.25ミリ当量/g乾
燥樹脂のCF2=CF2/CF2=CFO(CF2−COOCH3共重合体
(共重合体A)からなる厚さ40μmのフイルムとを積層
し、共重合体A層上にCF2=CF2/CF2=CFOCF2CF(CF3
O(CF22SO3H(共重合体B)と平均粒径5μmのZrO2
粒子を3/2の体積割合で含むエタノール混合液を塗布、
乾燥することにより、厚さ50μmの共重合体BとZrO2
合層を形成し、120℃にて熱プレスを施した。次に、多
孔体の内部に、共重合体Bと塩化ジルコニルを含有する
溶液を含浸せしめ、次いで乾燥することにより、該多孔
体内壁に親水性を付与せしめた複層隔膜を得た。
次いで、共重合体Bの溶液にZrO2粒子を分散させた溶
液を、上記多層隔膜の両面にスプレー塗布し、ZrO2微粒
子を付着せしめた複層隔膜を得た。
かくして得られた該複層隔膜を、苛性ソーダ水溶液で
加水分解した後、共重合体BとZrO2からなる厚さ50μm
の層側に、SUS 304製パンチドメタルを52重量%の苛性
ソーダ水溶液中、150℃で52時間エッチング処理して得
られた低水素過電圧陰極が、該膜の反対側に、チタンの
パンチドメタルに酸化ルテニウムと酸化イリジウムと酸
化チタンの固溶体を被覆した低塩素過電圧陽極が接触す
るように配置させ、陰極室のNaOH濃度を45重量%に保ち
つつ、陽極室に210g/lの食塩水を供給しつつ、90℃、電
流密度30A/dm2にて電解せしめたところ、電流効率95
%、槽電圧3.0Vであった。3ヶ月に及ぶ電解をしても電
流効率の低下は見られなかった。
共重合体A及び共重合体Bのフイルムの45重量%NaOH
中の含水率は、それぞれ3.1%、16.6%であった。
比較例1 実施例1において、共重合体BとZrO2の混合層の代わ
りに、共重合体Bのみのエタノール溶液を塗布して、厚
さ50μmの共重合体Bの層を形成させた以外は同様に電
解したところ、電流効率95%、槽電圧3.0Vであった。3
ヶ月電解後の電流効率は93%であった。該膜を取り出し
て膜観察を行なったところ電解面周辺の一部に共重合体
B層の剥離が見られた。
比較例2 実施例1において、共重合体BとZrO2の混合層を積層
しなかった以外は同様に試験したところ初期の電流効率
92%、槽電圧3.1Vであった。一ヶ月に及ぶ電解で、電流
効率は87%まで低下した。
実施例2 塩素及び水素の気泡解放のための処理を行なわなかっ
た以外は実施例1と同様の電解試験を行なったところ、
初期の電流効率95%、槽電圧3.5Vであった。
比較例3 実施例1において、共重合体A層の陰極側に共重合体
BとZrO2の混合層を設けず、更に塩素及び水素の気泡解
放のための処理を行なわなかった以外は、同様に試験を
行なったところ、初期の電流効率92%、槽電圧3.6Vで、
経時的に電流効率が低下した。
実施例3 実施例1において共重合体A層の陽極側にポリテトラ
フルオロエチレン製の多孔質膜のかわりに、CF2=CF2/C
F2=CFOCF2CF(CF3)O(CF22SO2F共重合体からなる
イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂の厚さ160μmの
フイルムを使用した以外は実施例1と同様に試験したと
ころ、電流効率95%、槽電圧3.2Vで、一ヶ月間、性能は
安定していた。
実施例4 実施例1においてZrO2粒子の代わりに平均線径4μm
のSiCウイスカーを、共重合体Bに対する容積比率40%
で使用した以外は、実施例1と同様に試験したところ、
電流効率94%、槽電圧3.0Vであった。
実施例5〜8 実施例1においてZrO2粒子の代わりに、種々の無機粒
子を、様々な割合で共重合体B中に分散させた膜を用い
て電解試験をした。結果を表1に示す。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐アルカリ性無機物粒子又は小繊維を分散
    して含有する耐アルカリ性を有する陽イオン交換体から
    なる厚さ5μm以上の第一の層と、45重量%NaOH水溶液
    中の含水率が2〜7重量%の範囲にあり、厚さが5μm
    以上の−CO2M基(Mはアルカリ金属)を有するパーフル
    オロカーボン重合体の第二の層との少なくとも二層から
    なる含フッ素陽イオン交換膜を、第一の層を陰極側に向
    けて配した電解槽の陽極室に塩化アルカリを供給して電
    解することを特徴とする、濃度42重量%以上の水酸化ア
    ルカリの製造方法。
  2. 【請求項2】第一の層に含有される耐アルカリ性無機物
    が、長周期型周期表のII a、III b、IV b、V b、III
    a、IV a族の第三周期以降の元素の酸化物、窒化物、炭
    化物、水酸化物あるいは炭化ホウ素又はそれらの混合物
    から選択され、平均粒径又は平均線径が、それぞれ20μ
    m以下で第一の層の厚さの二分の一以下の粒子又は小繊
    維からなる請求項1の方法。
  3. 【請求項3】第一の層中の無機物粒子の含有量が、容積
    比率20〜60%以下である請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】第一の層を構成する耐アルカリ性陽イオン
    交換体が−SO3M基又は−OM基(Mはアルカリ金属)を有
    するパーフルオロカーボン重合体であり、該層の厚さが
    10〜200μmである請求項1、2又は3の方法。
  5. 【請求項5】第二の層が、厚さ5〜300μm、イオン交
    換容量0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂の−CO2M基含有パ
    ーフルオロカーボン重合体からなる層である請求項1〜
    4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】第一の層を構成する耐アルカリ性陽イオン
    交換体が、イオン交換容量0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥樹
    脂の−SO3M基含有パーフルオロカーボン重合体である請
    求項5の方法。
  7. 【請求項7】含フッ素陽イオン交換膜が、第二の層の陽
    極側に陽イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重
    合体からなり、且つ比抵抗が第二の層よりも小さく、厚
    みの大きい第三の層を有する請求項1〜6のいずれかの
    方法。
  8. 【請求項8】含フッ素陽イオン交換膜が、第二の層又は
    第三の層の陽極側に、厚さ10〜450μm、気孔率30〜95
    %を有し、表面及び内部が親水化された多孔性含フッ素
    重合体からなる第四の層を有する請求項1〜7のいずれ
    かの方法。
  9. 【請求項9】含フッ素陽イオン交換膜の表面が塩素の気
    泡解放のための処理を施されてなる請求項1〜8のいず
    れかの方法。
  10. 【請求項10】水酸化アルカリの濃度が42〜55重量%で
    ある請求項1〜9のいずれかの方法。
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