JP2018095663A - イオン交換膜 - Google Patents

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泰 山木
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Abstract

【課題】 水酸化テトラアルキルアンモニウムの電解製造に長時間使用した際にも、膜中での剥がれが抑制されたイオン交換膜を提供する。【解決手段】 テトラアルキルアンモニウム塩の電気分解によって水酸化テトラアルキルアンモニウムを製造する電解装置に用いられるイオン交換膜であって、無機物粒子層と、スルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーを含む層(S)と、カルボン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーを含む層(C)と、無機物粒子層と、をこの順で有し、層(C)のイオン交換容量が0.95ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上である、イオン交換膜。【選択図】図1

Description

本発明は、イオン交換膜に関する。
水酸化テトラアルキルアンモニウムは、金属イオンを含まない強塩基性有機化合物として、有機電解の支持電解質、半導体製造工業におけるレジストの現像液等に広く用いられている。
水酸化テトラアルキルアンモニウムの製造方法としては、テトラアルキルアンモニウム塩の電気分解(以後、単に「電解」とも称する)による方法が開示されている(特許文献1)。より具体的には、特許文献1に記載のイオン交換膜で陽極室と陰極室とを区切った電解装置においては、例えば、塩化テトラアルキルアンモニウムを原料とした場合、陽極室では2Cl→Cl+2eで表される塩化物イオンの塩素への酸化が進行し、陰極室では2HO+2e→H+2OHで表される水の水素および水酸化物イオンへの還元が進行するとともに、陽極室よりイオン交換膜を介して移動してきたテトラアルキルアンモニウムイオンとOHとの反応による水酸化テトラアルキルアンモニウムの製造が進行する。
なお、上記特許文献1においては、イオン交換膜として、Nafion(登録商標)N902膜およびN966膜が具体的に開示されている。
特開2001−271193号公報
一方、近年、生産性向上の点から、イオン交換膜の長時間の使用が求められている。
本発明者らは、特許文献1に記載されるイオン交換膜を用いて上記水酸化テトラアルキルアンモニウムの電解製造を実施したところ、長時間の使用時に、イオン交換膜中に剥がれ(剥離)が生じることを見出した。このような剥がれが生じると、抵抗値の上昇が懸念され、好ましくない。
本発明は、上記実情に鑑みて、水酸化テトラアルキルアンモニウムの電解製造に長時間使用した際にも、膜中での剥がれが抑制されたイオン交換膜を提供することを課題とする。
本発明は、以下の構成を有する。
(1) テトラアルキルアンモニウム塩の電気分解によって水酸化テトラアルキルアンモニウムを製造する電解装置に用いられるイオン交換膜であって、
無機物粒子層と、
スルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーを含む層(S)と、
カルボン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーを含む層(C)と、
無機物粒子層と、をこの順で有し、
層(C)のイオン交換容量が0.95ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上である、イオン交換膜。
(2) 層(S)中に補強材がさらに配置された、(1)に記載のイオン交換膜。
(3) 層(S)のイオン交換容量が1.0〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂であり、
層(C)のイオン交換容量が0.95〜2.05ミリ当量/グラム乾燥樹脂である、(1)または(2)に記載のイオン交換膜。
(4) 層(S)の乾燥時の厚さが50〜200μmであり、
層(C)の乾燥時の厚さが5〜30μmである、(1)〜(3)のいずれかに記載のイオン交換膜。
(5) 補強材が、ポリテトラフルオロエチレンからなる補強糸、ポリフェニレンサルファイドからなる補強糸、ナイロンからなる補強糸、および、ポリプロピレンからなる補強糸からなる群から選ばれる少なくとも1種の補強糸を含む補強布を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載のイオン交換膜。
(6) 層(S)が、後述する式(u1)で表される構成単位を有するポリマーを含む、(1)〜(5)のいずれかに記載のイオン交換膜。
(7) 層(S)が、後述する式(u2)で表される構成単位を有するポリマーを含む、(1)〜(6)のいずれかに記載のイオン交換膜。
(8) 層(S)が、後述する式(u3)で表される構成単位を有するポリマーを含む、(1)〜(7)のいずれかに記載のイオン交換膜。
(9) 式(u3)で表される構成単位が、後述する式(u4)で表される構成単位である、(8)に記載のイオン交換膜。
本発明によれば、水酸化テトラアルキルアンモニウムの電解製造に長時間使用した際にも、膜中での剥がれが抑制されたイオン交換膜を提供することができる。
本発明のイオン交換膜の一例を示す断面図である。 本発明のイオン交換膜の一例を示す断面図である。 本発明の電解装置の一例を示す模式図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「イオン交換膜」とは、イオン交換基を有するポリマーを含む膜である。
「イオン交換基」とは、該基に含まれるイオンの少なくとも一部を、他のイオンに交換しうる基である。下記のカルボン酸型官能基、スルホン酸型官能基等が挙げられる。
「カルボン酸型官能基」とは、カルボン酸基(−COOH)、またはカルボン酸塩基(−COOM。ただし、Mはアルカリ金属または第4級アンモニウム塩基である。)を意味する。
「スルホン酸型官能基」とは、スルホン酸基(−SOH)、またはスルホン酸塩基(−SO。ただし、Mはアルカリ金属または第4級アンモニウム塩基である。)を意味する。
「前駆体膜」とは、イオン交換基に変換できる基を有するポリマーを含む膜である。
「イオン交換基に変換できる基」とは、加水分解処理、酸型化処理等の公知の処理によって、イオン交換基に変換できる基を意味する。
「カルボン酸型官能基に変換できる基」とは、加水分解処理、酸型化処理等の公知の処理によって、カルボン酸型官能基に変換できる基を意味する。
「スルホン酸型官能基に変換できる基」とは、加水分解処理、酸型化処理等の公知の処理によって、スルホン酸型官能基に変換できる基を意味する。
「含フッ素ポリマー」とは、分子中にフッ素原子を有する高分子化合物を意味する。
「モノマー」とは、重合反応性の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物を意味する。
「含フッ素モノマー」とは、分子中にフッ素原子を有するモノマーを意味する。
「構成単位」とは、ポリマー中に存在してポリマーを構成する、モノマーに由来する部分を意味する。例えば、構成単位が炭素−炭素不飽和二重結合を有するモノマーの付加重合により生じる場合、該モノマーに由来する構成単位は、該不飽和二重結合が開裂して生じた2価の構成単位である。また、構成単位は、ある構成単位の構造を有するポリマーを形成した後に、該構成単位を化学的に変換、例えば、加水分解処理して得られた構成単位であってもよい。なお、以下において、場合により、個々のモノマーに由来する構成単位を、そのモノマー名に「単位」を付した名称で記載することがある。
「補強材」とは、イオン交換膜の強度を向上させるために用いられる部材を意味する。
「補強布」とは、イオン交換膜の強度を向上させるための補強材の原料として用いられる布を意味する。
「補強糸」とは、補強布を構成する糸であり、補強布をアルカリ性水溶液(例えば、濃度が32質量%の水酸化ナトリウム水溶液)に浸漬しても溶出することのない材料からなる糸である。
「犠牲糸」とは、補強布を構成する糸であり、補強布をアルカリ性水溶液に浸漬したときに、アルカリ性水溶液に溶出する材料からなる糸である。
「溶出孔」とは、犠牲糸がアルカリ性水溶液に溶出した結果、生成する孔を意味する。
「強化前駆体膜」とは、前駆体膜中に補強材が配置された膜を意味する。
以下、本発明のイオン交換膜を図1に基づいて説明するが、本発明は図1の内容に限定されるものではない。
[イオン交換膜]
本発明のイオン交換膜は、カルボン酸型官能基を有する含フッ素ポリマー(以下、「含フッ素ポリマー(C)」とも言う。)を含む層(以下、「層(C)」とも言う。)、および、スルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマー(以下、「含フッ素ポリマー(S)」とも言う。)を含む層(以下、「層(S)」とも言う。)を有し、補強糸を含む補強材が層(S)の中に配置されている。なお、補強材は、補強糸の他に犠牲糸が含まれていてもよい。また、本発明のイオン交換膜には、犠牲糸の溶出により溶出孔が形成されていてもよい。
なお、補強材は、任意の材料であり、イオン交換膜に含まれていなくてもよい。
図1は、本発明のイオン交換膜の一例を示す断面図である。
イオン交換膜1は、イオン交換基を有する含フッ素ポリマーからなる電解質膜10が、補強材20で補強されたものである。
(電解質膜)
電解質膜10は、層(C)12と、層(S)14とからなる積層体である。層(S)14の中に補強糸を含む補強材20が配置されている。
なお、イオン交換膜における乾燥時の各層の厚さは、イオン交換膜を90℃で4時間乾燥させた後、イオン交換膜断面を光学顕微鏡にて観察し、画像ソフトを用いて求める。
また、層と層との間に補強材が存在する場合には、補強材を構成する補強糸および犠牲糸のいずれも存在しない位置において、その層の厚さを測定する。
<層(C)>
層(C)12としては、電解性能の点から、含フッ素ポリマー(C)のみからなる層が好ましい。つまり、層(C)12は、カルボン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーからなる層であることが好ましい。図1では、層(C)12は単層として示されているが、複数の層から形成される層であってもよい。層(C)12が複数の層から形成される場合、各層において、含フッ素ポリマー(C)を構成する構成単位の種類やカルボン酸型官能基を有する構成単位の割合を異なる構成としてもよい。
層(C)12のイオン交換容量は、0.95ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上である。層(C)12のイオン交換容量が0.95ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上の場合、後述する層(S)14との密着性が高まり、イオン交換膜を長時間使用した際に、層(C)12と層(S)14との間で剥離が生じにくくなる。
なかでも、イオン交換膜中での剥離(層(C)12と層(S)14との剥離)がより生じにくい点で、1.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上が好ましく、1.05ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上がより好ましい。
なお、イオン交換膜としての強度を維持する観点で、層(C)12のイオン交換容量は、2.05ミリ当量/グラム乾燥樹脂以下が好ましく、1.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂がより好ましく、1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂が更に好ましい。上記範囲内であれば、重合時に含フッ素ポリマー(C)の分子量をより高くすることが容易であり、より分子量の高い含フッ素ポリマー(C)を用いることで、イオン交換膜の十分な膜強度を発現することが可能である。
なお、層(C)12が複数の層から形成されている場合は、層(C)12を構成するすべての層のイオン交換容量が上記の範囲であることが好ましい。
層(C)12のイオン交換容量の測定方法は特に制限されないが、例えば、層(C)12を構成する材料(含フッ素ポリマー)を用いてフィルム状のモデルサンプルを作製して、このモデルサンプルを用いて透過型赤外分光分析装置によりカルボン酸型官能基またはカルボン酸型官能基に変換できる基の量を求め、イオン交換容量を算出することができる。また、透過型赤外分光分析装置を用いて、イオン交換膜中の層(C)のカルボン酸型官能基またはカルボン酸型官能基に変換できる基の量を直接求めてもよい。
なお、後段で詳述する層(S)14のイオン交換容量と上記層(C)12のイオン交換容量との差は特に限定されない。なかでも、イオン交換膜中での剥離(層(C)12と層(S)14との剥離)がより生じにくい点で、層(S)14のイオン交換容量と上記層(C)12のイオン交換容量との差の絶対値は、0.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂以下が好ましく、0.05ミリ当量/グラム乾燥樹脂以下がより好ましい。
乾燥時の層(C)12の厚さ(層(C)12が複数の層から形成されている場合はその合計)は特に限定されないが、5〜30μmが好ましく、9〜28μmがより好ましく、9〜22μmがさらに好ましい。
層(C)12の厚さはイオン交換容量とともに、イオン交換膜の透水量に影響し、特に層(C)12の厚さが薄い場合にはイオン交換膜の透水量が高くなる。一方、層(C)12の厚さはイオン交換容量とともに、電解によって得られる水酸化テトラアルキルアンモニウム水溶液の品質への影響が大きい。よって、層(C)12の乾燥時の厚さが上記範囲内であれば、得られる水酸化テトラアルキルアンモニウム水溶液中の不純物濃度の上昇と、電解電圧の上昇とを、バランスよく抑制できる。
含フッ素ポリマー(C)は、後述する工程(i−b)にて、後述するカルボン酸型官能基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーのカルボン酸型官能基に変換できる基をカルボン酸型官能基に変換することによって得るのが好ましい。
含フッ素ポリマー(C)としては、例えば、カルボン酸型官能基に変換できる基およびフッ素原子を有するモノマー(以下、「含フッ素モノマー(C’)」とも言う。)と、含フッ素オレフィンとの共重合体(以下、「含フッ素ポリマー(C’)」とも言う。)を加水分解処理して、カルボン酸型官能基に変換できる基をカルボン酸型官能基に変換した含フッ素ポリマーが挙げられる。
含フッ素モノマー(C’)としては、分子中に1個以上のフッ素原子を有し、エチレン性の二重結合を有し、かつカルボン酸型官能基に変換できる基を有する化合物であれば、特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。
含フッ素モノマー(C’)としては、モノマーの製造コスト、他のモノマーとの反応性、得られる含フッ素ポリマーの特性に優れる点から、下式(1)で表されるモノマーが好ましい。
CF=CF−(O)−(CF−(CFCFX)−(O)−(CF−(CFCFX’)−A ・・・式(1)
式(1)における記号は以下を意味する。
XおよびX’は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基である。XおよびX’は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
は、カルボン酸型官能基に変換できる基である。具体的には、−CN、−COF、−COOR(ただし、Rは炭素数1〜10のアルキル基である。)、−COONR(ただし、RおよびRは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である。RおよびRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。)が挙げられる。
pは、0または1である。qは、0〜12の整数である。rは、0〜3の整数である。sは、0または1である。tは、0〜12の整数である。uは、0〜3の整数である。ただし、pおよびsが同時に0になることはなく、rおよびuが同時に0になることはない。即ち、1≦p+sであり、1≦r+uである。
式(1)で表されるモノマーの具体例としては、下記の化合物が挙げられ、製造が容易である点から、p=1、q=0、r=1、s=0〜1、t=0〜3、u=0〜1である化合物が好ましい。
CF=CF−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCFCFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−O−CFCFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−O−CFCFCFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCFCF−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCFCF−COOCH
含フッ素モノマー(C’)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
含フッ素オレフィンとしては、例えば、分子中に1個以上のフッ素原子を有する炭素数が2〜3のフルオロオレフィンが挙げられる。フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン(CF=CF)(以下、TFEと記す。)、クロロトリフルオロエチレン(CF=CFCl)、フッ化ビニリデン(CF=CH)、フッ化ビニル(CH=CHF)、ヘキサフルオロプロピレン(CF=CFCF)等が挙げられる。なかでも、モノマーの製造コスト、他のモノマーとの反応性、得られる含フッ素ポリマーの特性に優れる点から、TFEが好ましい。
含フッ素オレフィンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
含フッ素ポリマー(C’)の製造には、含フッ素モノマー(C’)および含フッ素オレフィンに加えて、さらに他のモノマーを用いてもよい。他のモノマーとしては、CF=CFR(ただし、Rは炭素数2〜10のパーフルオロアルキル基である。)、CF=CF−ORf1(ただし、Rf1は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基である。)、CF=CFO(CFCF=CF(ただし、vは1〜3の整数である。)等が挙げられる。他のモノマーを共重合させることによって、イオン交換膜1の可撓性や機械的強度を上げることができる。他のモノマーの割合は、イオン交換性能の維持の点から、含フッ素ポリマー(C’)中の全構成単位(100モル%)のうち30モル%以下が好ましい。
含フッ素ポリマー(C)のイオン交換容量は、含フッ素ポリマー(C’)中の含フッ素モノマー(C’)に由来する構成単位の含有量を変化させることにより調整できる。含フッ素ポリマー(C)中のカルボン酸型官能基の含有量は、含フッ素ポリマー(C’)中のカルボン酸型官能基に変換できる基の含有量と同一であることが好ましい。
含フッ素ポリマー(C)のTQ値は、イオン交換膜としての機械的強度および製膜性の点から、150℃以上が好ましく、170〜340℃がより好ましく、170〜300℃がさらに好ましい。
TQ値は、ポリマーの分子量に関係する値であって、容量流速:100mm/秒を示す温度を示したものである。容量流速は、ポリマーを3MPaの加圧下に一定温度のオリフィス(径:1mm、長さ:1mm)から溶融、流出させたときの流出するポリマーの量をmm/秒の単位で示したものである。TQ値が高いほど、高分子量であることを示す。
<層(S)>
層(S)14としては、電解性能の点から、含フッ素ポリマー(S)のみからなる層が好ましい。つまり、層(S)14は、スルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーからなる層であることが好ましい。図1に示すように、層(S)14中には、イオン交換膜1の機械的強度を高めるため、補強材20が配置されている。層(S)14のうち、補強材20より層(C)12側(電解装置中においては陰極側)に位置する層が層(Sa)14Aであり、補強材20より層(C)12側とは反対側(電解装置中においては陽極側)に位置する層が層(Sb)14Bである。図1では、層(Sa)14Aおよび層(Sb)14Bはそれぞれ単層として示されているが、それぞれ複数の層から形成される層であってもよい。層(Sa)14Aおよび層(Sb)14Bの一方または両方が複数の層から形成される場合、それぞれの各層において、含フッ素ポリマー(S)を構成する構成単位の種類やスルホン酸型官能基を有する構成単位の割合を異なる構成としてもよい。
乾燥時の層(S)14の厚さは特に限定されないが、50〜200μmが好ましく、60〜130μmがより好ましい。
乾燥時の層(S)14の厚さが上記下限値以上であれば、イオン交換膜1の機械的強度が十分に高くなる。乾燥時の層(S)14の厚さが上記上限値以下であれば、イオン交換膜1の膜抵抗を低く抑えることができる。
層(S)のイオン交換容量は特に限定されないが、1.0〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂であることが好ましい。なお、層(S)全体のイオン交換容量が上記範囲内であることが好ましく、層(Sa)14Aおよび層(Sb)14Bのいずれもイオン交換容量が上記範囲内であることがより好ましい。
乾燥時の層(Sa)14Aの厚さ(層(Sa)14Aが複数の層から形成されている場合はその合計)は、40〜110μmが好ましく、50〜90μmがより好ましく、60〜90μmがさらに好ましい。
乾燥時の層(Sa)14Aの厚さが上記下限値以上であれば、イオン交換膜1の機械的強度が十分に高くなる。乾燥時の層(Sa)14Aの厚さが上記上限値以下であれば、イオン交換膜1の膜抵抗を低く抑えることができる。
機械的強度と電解電圧を両立させるためには、乾燥時の層(Sa)14Aの厚さが上記範囲内にあることが非常に重要である。
層(Sa)14Aのイオン交換容量は、0.9〜1.25ミリ当量/グラム乾燥樹脂であることが好ましく、1.0〜1.25ミリ当量/グラム乾燥樹脂であることがより好ましく、1.0〜1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂であることがさらに好ましい。
層(Sa)14Aが複数の層から形成されている場合は、層(Sa)14Aを構成するすべての層が上記の範囲であることが好ましい。また、層(Sa)14Aは複数の層からなることが好ましく、2層からなることがより好ましい。別の態様として、層(Sa)14Aは単層であることが好ましい。
層(Sa)14Aのイオン交換容量が上記下限値以上であれば、含フッ素ポリマー(S)の過度の膨潤を抑制でき、イオン交換膜の電気抵抗が低くなり、テトラアルキルアンモニウム塩の水溶液を電解する際の電解電圧を低くできる。また、イオン交換容量が上記上限値以下であれば、重合時に含フッ素ポリマー(S)の分子量をより高くすることが容易であり、より分子量の高い含フッ素ポリマー(S)を層(Sa)に使用することにより、層(Sa)の強度をより高くできる。
乾燥時の層(Sb)14Bの厚さ(層(Sb)14Bが複数の層から形成されている場合はその合計)は、6〜100μmが好ましく、6〜50μmがより好ましく、10〜40μmがさらに好ましく、15〜35μmが特に好ましい。乾燥時の層(Sb)の厚さが薄すぎると、層(Sb)直下にある補強材がイオン交換膜の表面に極めて近い場所に位置することとなり、剥離耐性や機械的強度への影響が大きくなる。
よって、乾燥時の層(Sb)14Bの厚さを上記下限値以上とすることにより、補強材20が電解質膜10の表面から適度な深さ位置に配置され、補強材20の剥離耐性が向上する。また、電解質膜10の表面にクラックが入りにくく、その結果、機械的強度の低下が抑えられる。イオン交換膜1の厚さが厚いと膜抵抗も高くなるため、乾燥時の層(Sb)14Bの厚さが上記上限値以下であれば、イオン交換膜1の膜抵抗を低く抑えることができ、電解電圧の上昇を抑制できる。
層(Sb)14Bのイオン交換容量は特に限定されないが、1.0〜2.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂であることが好ましく、1.0〜2.2ミリ当量/グラム乾燥樹脂であることがより好ましく、1.0〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂であることがさらに好ましい。
上記層(S)に含まれるポリマーの構成は特に限定されないが、層(S)は、含フッ素ポリマーとして、下式(u1)で表される構成単位を有するポリマーを含むことが好ましい。
−[CF−CF(−O−CFCF(CF)−O−(CF−SOM)]− ・・・式(u1)
mは、1〜6の整数であり、Mは、アルカリ金属である。
また、上記層(S)は、下式(u2)で表される構成単位を有するポリマーを含むことも好ましい。
−[CF−CF(−O−(CF−SOM)]− ・・・式(u2)
mは、1〜6の整数であり、Mは、アルカリ金属である。
層(S)(好ましくは、層(Sb)14B)に含まれるスルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーの少なくとも一部は、スルホン酸型官能基を2個以上、好ましくは2個有するモノマーに基づく構成単位を有するポリマーであることが好ましい。層(S)(好ましくは、層(Sb)14B)が、スルホン酸型官能基を2個以上有するモノマーに基づく構成単位を有するポリマーを含むことにより、同じモノマー濃度において単位重量当たりのイオン交換基濃度を高めることが可能となるため、スルホン酸型官能基を1個のみ有する構成単位を有するポリマーに比べて、少ないモノマー量でもより高いイオン交換能力を有する層(Sb)とすることができる。
スルホン酸型官能基を2個以上有するモノマーに基づく構成単位としては、下式(u3)で示される構成単位が好ましい。
式中、Qはエーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基であり、Qは単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基であり、Rf1はエーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキル基であり、Xは酸素原子、窒素原子、または炭素原子であり、Xが酸素原子の場合、aは0であり、Xが窒素原子の場合、aは1であり、Xが炭素原子の場合、aは2であり、Yはフッ素原子、または1価のパーフルオロ有機基であり、rは0または1であり、Mは水素原子、アルカリ金属または第4級アンモニウム塩基である。
は酸素原子であることが好ましく、Yはフッ素原子であることが好ましい。
式(u3)で表される構成単位は、合成のしやすさ、化学的安定性、イオン交換容量を上げやすいという点で、式(u4)で表される構成単位であることが好ましい。
F11は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖状のパーフルオロアルキレン基であり、RF12は、炭素数1〜6の直鎖状のパーフルオロアルキレン基であり、rは、0または1であり、Mは、アルカリ金属である。
含フッ素ポリマー(S)は、後述する工程(i−b)にて、後述するスルホン酸型官能基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーのスルホン酸型官能基に変換できる基をスルホン酸型官能基に変換することによって得るのが好ましい。
含フッ素ポリマー(S)としては、例えば、スルホン酸型官能基に変換できる基およびフッ素原子を有するモノマー(以下、「含フッ素モノマー(S’)」とも言う。)と、含フッ素オレフィンとの共重合体(以下、「含フッ素ポリマー(S’)」とも言う。)を加水分解処理して、スルホン酸型官能基に変換できる基をスルホン酸型官能基に変換した含フッ素ポリマーが挙げられる。
含フッ素モノマー(S’)としては、分子中に1個以上のフッ素原子を有し、エチレン性の二重結合を有し、かつスルホン酸型官能基に変換できる基を有する化合物であれば、特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。
含フッ素モノマー(S’)としては、モノマーの製造コスト、他のモノマーとの反応性、得られる含フッ素ポリマーの特性に優れる点から、下式(2)で表される化合物または下式(3)で表される化合物が好ましい。
CF=CF−O−Rf2−A ・・・式(2)
CF=CF−Rf2−A ・・・式(3)
式(2)および式(3)における記号は以下を意味する。
f2は、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基であり、エーテル性の酸素原子を含んでいてもよく、直鎖状および分岐状のいずれでもよい。
は、スルホン酸型官能基に変換できる基である。具体的には、−SOF、−SOCl、−SOBr等が挙げられる。
式(2)で表される化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。式中のwは、1〜8の整数であり、xは、1〜5の整数である。
CF=CF−O−(CF−SOF、
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−(CF−SOF、
CF=CF−[O−CFCF(CF)]−SOF。
式(3)で表される化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。式中のwは、1〜8の整数である。
CF=CF−(CF−SOF、
CF=CF−CF−O−(CF−SOF。
含フッ素モノマー(S’)としては、工業的な合成が容易である点から、下記の化合物が好ましい。
CF=CF−O−CFCF−SOF、
CF=CF−O−CFCFCF−SOF、
CF=CF−O−CFCFCFCF−SOF、
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−SOF、
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCFCF−SOF、
CF=CF−O−CFCF(CF)−SOF、
CF=CF−CFCF−SOF、
CF=CF−CFCFCF−SOF、
CF=CF−CF−O−CFCF−SOF。
含フッ素モノマー(S’)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
スルホン酸型官能基を2個以上有するモノマーを使用することにより、同じモノマー濃度において単位重量当たりのイオン交換基濃度を高めることが可能となるため、ポリマー分子量を低下させずに層(Sb)を構成するポリマーのイオン交換容量を高くすることが容易となる。その結果、水酸化テトラアンモニウムの品質を維持したまま、より透水量が高く、電解電圧が低い膜が得られる。
含フッ素オレフィンとしては、先に例示したものが挙げられ、モノマーの製造コスト、他のモノマーとの反応性、得られる含フッ素ポリマーの特性に優れる点から、TFEが好ましい。
含フッ素オレフィンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
含フッ素ポリマー(S’)の製造には、含フッ素モノマー(S’)および含フッ素オレフィンに加えて、さらに他のモノマーを用いてもよい。他のモノマーとしては、先に例示したものが挙げられる。他のモノマーを共重合させることによって、イオン交換膜1の可撓性や機械的強度を上げることができる。他のモノマーの割合は、イオン交換性能の維持の点から、含フッ素ポリマー(S’)中の全構成単位(100モル%)のうち30モル%以下が好ましい。
含フッ素ポリマー(S)のイオン交換容量は、含フッ素ポリマー(S’)中の含フッ素モノマー(S’)に由来する構成単位の含有量を変化させることにより調整することができる。含フッ素ポリマー(S)中のスルホン酸型官能基の含有量は、含フッ素ポリマー(S’)中のスルホン酸型官能基に変換できる基の含有量と同一であることが好ましい。
層(Sa)14Aが複数の層からなる場合、例えば、2層からなる場合は、図2に示すように、層(C)12と接する層が層(Sa−1)14Aa(以下、「層(Sa−1)」とも言う。)であり、層(Sb)14Bと接する層が層(Sa−2)14Ab(以下、「層(Sa−2)」とも言う。)である、層(Sa)14Aが2層からなるものが挙げられる。この場合、層(Sa−1)14Aaは、層(C)12との接着性の観点から、層(Sa−1)のイオン交換容量は、層(Sa−2)のイオン交換容量よりも低いことが好ましい。層(Sa−1)のイオン交換容量は、0.9〜1.25ミリ当量/グラム乾燥樹脂が好ましく、0.9〜1.15ミリ当量/グラム乾燥樹脂がより好ましい。
乾燥時の層(Sa−1)の厚さは、接着性に寄与する程度の適度な厚さがあればよく、1〜55μmが好ましく、1〜40μmがより好ましい。
(補強材)
補強材20は、電解質膜10を補強する材料であり、補強布(好ましくは、織布)を含むことが好ましい。補強布以外にも、フィブリル、多孔体が補強材として挙げられる。
補強布は、経糸と緯糸とからなり、経糸と緯糸が直交していることが好ましい。補強布は、補強糸と犠牲糸とからなることが好ましい。
補強糸は、強化前駆体膜をアルカリ性水溶液に浸漬しても溶出することのない材料からなる糸である。強化前駆体膜をアルカリ性水溶液に浸漬して、補強布から犠牲糸が溶出した後も、補強材を構成する糸として溶解せずに残存し、イオン交換膜の機械的強度や寸法安定性の維持に寄与する。
補強布としては、ポリテトラフルオロエチレンからなる補強糸、ポリフェニレンサルファイドからなる補強糸、ナイロンからなる補強糸およびポリプロピレンからなる補強糸からなる群から選ばれる少なくとも1種の補強糸を含む補強布が好ましい。
つまり、補強糸22としては、ポリテトラフルオロエチレンからなる補強糸、ポリフェニレンサルファイドからなる補強糸、ナイロンからなる補強糸およびポリプロピレンからなる補強糸からなる群から選ばれる少なくとも1種の補強糸が好ましい。
犠牲糸は、強化前駆体膜をアルカリ性水溶液に浸漬することにより、その少なくとも一部が溶出する糸である。1本の犠牲糸は、1本のフィラメントからなるモノフィラメントであっても、2本以上のフィラメントからなるマルチフィラメントであってもよい。
犠牲糸24としては、PETのみからなるPET糸、PETおよびポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと記す。)の混合物からなるPET/PBT糸、PBTのみからなるPBT糸、またはポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと記す。)のみからなるPTT糸が好ましく、PET糸がより好ましい。
本発明のイオン交換膜は、下記工程(i)を経て製造されることが好ましい。本発明のイオン交換膜は、その後、下記工程(ii)において電解槽に配置される。
工程(i):補強布が配置された強化前駆体膜をアルカリ性水溶液に浸漬し、イオン交換基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーを、イオン交換基を有する含フッ素ポリマーに変換する工程。
工程(ii):上記工程(i)を経て得られたイオン交換膜を電解槽に配置し、テトラアルキルアンモニウム塩の電解の本運転前のコンディショニング運転する工程。
補強布が補強糸と犠牲糸とからなる場合、補強材20は、工程(i)を経て、強化前駆体膜中の補強布の犠牲糸の少なくとも一部が溶出するため、補強糸22と任意に含まれる犠牲糸24とから形成される。補強材20は、犠牲糸24の一部が溶解した場合は補強糸22と溶解残りの犠牲糸24からなり、犠牲糸24の全部が溶解した場合は補強糸22のみからなる。
犠牲糸24は、工程(i)において、少なくとも一部が溶出し、その結果、溶出孔28が形成される。
イオン交換膜1においては、図1に示すように、工程(i)の後においても犠牲糸24の一部が残存し、犠牲糸24のフィラメント26の溶解残りの周りに溶出孔28が形成されていることが好ましい。これにより、イオン交換膜1の取り扱いや、コンディショニング運転の際の電解槽へのイオン交換膜1の設置時において、イオン交換膜1にクラック等の破損が発生しにくくなる。
(無機物粒子層)
イオン交換膜1は、その最表面の両方に、無機物粒子層(図示せず)をさらに備える。つまり、無機物粒子層が、イオン交換膜1の最表面の両方に露出するように設けられる。言い換えれば、イオン交換膜1は、無機物粒子層と、層(S)14と、層(C)12と、無機物粒子層と、をこの順で有する。
テトラアルキルアンモニウム塩の電解により生じるガスがイオン交換膜1の表面に付着すると、テトラアルキルアンモニウム塩の電解の際に電解電圧が高くなる。無機物粒子層は、テトラアルキルアンモニウム塩の電解により生じるガスのイオン交換膜1の表面への付着を抑制し、電解電圧の上昇を抑制するために設けられる。
無機物粒子層は、無機物粒子と、バインダーとを含む。
無機物粒子としては、テトラアルキルアンモニウム塩の水溶液に対する耐食性に優れ、親水性を有するものが好ましい。具体的には、第4族元素または第14族元素の、酸化物、窒化物および炭化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、SiO、SiC、ZrO、ZrCがより好ましく、ZrOがさらに好ましい。
無機物粒子の平均粒子径は、0.5〜1.5μmが好ましく、0.7〜1.3μmがより好ましい。無機物粒子の平均粒子径が上記下限値以上であれば、高いガス付着抑制効果が得られる。無機物粒子の平均粒子径が上記上限値以下であれば、無機物粒子の脱落耐性に優れる。
バインダーとしては、テトラアルキルアンモニウム塩の水溶液に対する耐食性に優れ、親水性を有するものが好ましく、カルボン酸基またはスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーが好ましく、スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーがより好ましい。含フッ素ポリマーは、カルボン酸基またはスルホン酸基を有するモノマーのホモポリマーであってもよく、カルボン酸基またはスルホン酸基を有するモノマーと、該モノマーと共重合可能なモノマーとのコポリマーであってもよい。
無機物粒子層における無機物粒子およびバインダーの合計質量に対するバインダーの質量比(以下、バインダー比と記す。)は、0.15〜0.3が好ましく、0.15〜0.25がより好ましく、0.16〜0.20がさらに好ましい。無機物粒子層におけるバインダー比が上記下限値以上であれば、無機物粒子の脱落耐性に優れる。無機物粒子層におけるバインダー比が上記上限値以下であれば、高いガス付着抑制効果が得られる。
(製造方法)
本発明のイオン交換膜は、上記工程(i)を経て製造されることが好ましいが、工程(i)は、下記工程(i−a)および工程(i−b)からなるのが好ましい。
工程(i−a):イオン交換基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーに、補強糸と犠牲糸とからなる補強布を配置して強化前駆体膜を得る工程。
工程(i−b):工程(i−a)で得た強化前駆体膜をアルカリ性水溶液に接触させることによって、イオン交換基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーを、イオン交換基を有する含フッ素ポリマーに変換するとともに、配置された補強布の犠牲糸の少なくとも一部を溶出させて、イオン交換基を有する含フッ素ポリマーに、補強糸を含む補強材が配置されたイオン交換膜を得る工程。
なお、工程(i−b)においては、イオン交換基に変換できる基をイオン交換基に変換した後に、必要に応じて、イオン交換基の対カチオンを交換する塩交換を行ってもよい。塩交換では、例えば、イオン交換基の対カチオンを、カリウムからナトリウムに交換する。塩交換は、公知の方法を採用できる。
<工程(i−a)>
強化前駆体膜は、前駆体膜を積層して製造する際に、補強布を積層して配置することにより製造することが好ましい。前駆体膜は、イオン交換基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーの単層からなる膜であってもよく、複数の層からなる膜であってもよい。
工程(i−a)においては、まず、共押し出し法によってカルボン酸型官能基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーからなる層(以下、「層(C’)」とも言う。)と、スルホン酸型官能基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーからなる層(以下、「層(S’a)」とも言う。)とを有する積層膜を得る。また、別途、単層押し出し法によってスルホン酸型官能基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーからなる層(以下、「層(S’b)」とも言う。)からなる膜(以下、「膜(S’b)」とも言う。)を得る。
次いで、膜(S’b)、補強布、および上記積層膜を、この順に配置し、積層ロールまたは真空積層装置を用いてこれらを積層する。この際、上記積層膜は、層(S’a)側が補強布に接するように配置する。このようにして得られた強化前駆体膜は、層(S’b)、補強布、層(S’a)、層(C’)の順に積層されている。
なお、層(C’)、層(S’a)および層(S’b)は、後述する工程(i−b)において、それぞれ層(C)、層(Sa)および層(Sb)に変換される。また、イオン交換膜における層(C)、層(Sa)および層(Sb)の乾燥時の厚さと、強化前駆体膜における層(C’)、層(S’a)および層(S’b)の厚さとは、それぞれおよそ下式(I)の関係にある。
強化前駆体膜における各層の厚さ≒イオン交換膜における乾燥時の各層の厚さ×0.9 ・・・(I)
よって、イオン交換膜中の層(C)、層(Sa)および層(Sb)の厚さを所望の厚さとするには、強化前駆体膜における対応する層(C’)、層(S’a)および層(S’b)の厚さを、上記式(I)で求められる厚さとすればよい。
なお、層(Sa)を2層以上とする場合には、別途スルホン酸型官能基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーからなる層からなる膜を得て、補強布と上記積層膜の間に層(Sa)が複数の層からなるように積層してもよい。
<工程(i−b)>
工程(i−b)においては、上記工程(i−a)で得た強化前駆体膜をアルカリ性水溶液に接触させることによって、該強化前駆体膜のイオン交換基に変換できる基をイオン交換基に変換するとともに、該強化前駆体膜の犠牲糸の少なくとも一部を溶出させることによって、所定のイオン交換膜を得る。
イオン交換基の変換は、例えば、日本国特開平1−140987号公報に記載されるような、水溶性有機化合物とアルカリ金属の水酸化物との混合物を用いる方法で行われることが好ましい。水溶性有機化合物としては、ジメチルスルホキシド、エタノールなどが挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが挙げられる。
図1に示すように、イオン交換基の変換により、層(C’)は層(C)12に、層(S’a)は層(Sa)14Aに、層(S’b)は層(Sb)14Bに、それぞれ変換される。
また、層(Sa)14Aが複数の層からなる場合、例えば、2層からなる場合は、図2に示すように、層(Sa−1)14Aaおよび層(Sa−2)14Abが層(Sa)14Aを構成し、層(Sb)14Bとともに層(S)14を構成する。
犠牲糸の溶出は、犠牲糸を構成する材料を加水分解することで行われることが好ましい。
[電解装置]
本発明のテトラアルキルアンモニウム塩の電気分解によって水酸化テトラアルキルアンモニウムを製造する電解装置(以後、単に「水酸化テトラアルキルアンモニウム用電解装置」とも称する)は、本発明のイオン交換膜を有する以外は、公知の態様を採用できる。図3は、本発明の水酸化テトラアルキルアンモニウム用電解装置の一例を示す模式図である。
本実施形態の水酸化テトラアルキルアンモニウム用電解装置100は、陰極112および陽極114を備える電解槽110と、電解槽110内を陰極112側の陰極室116と、陽極114側の陽極室118とに区切るように電解槽110内に装着されるイオン交換膜1とを有する。
イオン交換膜1は、層(C)12が陰極112側、層(S)14が陽極114側となるように電解槽110内に装着する。
陰極112は、イオン交換膜1に接触させて配置してもよく、イオン交換膜1との間に間隔をあけて配置してもよい。
陰極室116を構成する材料としては、水酸化アルカリおよび水素に耐性がある材料が好ましい。該材料としては、ステンレス、ニッケル等が挙げられる。
陽極室118を構成する材料としては、塩化アルカリおよび塩素に耐性がある材料が好ましい。該材料としては、チタン等が挙げられる。
陰極の基材としては、水酸化テトラアルキルアンモニウムおよび水素に対する耐性や、加工性等の点から、ステンレスやニッケル等が好ましい。
陽極の基材としては、テトラアルキルアンモニウム塩および塩素に対する耐性や、加工性等の点から、チタン等が好ましい。
電極基材の表面は、例えば、酸化ルテニウム、酸化イリジウム等でコーティングされることが好ましい。
[水酸化テトラアルキルアンモニウムの製造方法]
本発明の水酸化テトラアルキルアンモニウムの製造方法は、本発明のイオン交換膜を有する水酸化テトラアルキルアンモニウム用電解装置によって、テトラアルキルアンモニウム塩を電解することにより行われる。
例えば、炭酸水素テトラアルキルアンモニウムの水溶液を電解して水酸化テトラアルキルアンモニウムの水溶液を製造する場合は、水酸化テトラアルキルアンモニウム用電解装置100の陽極室118に炭酸水素テトラアルキルアンモニウムの水溶液(なお、図3中では炭酸水素テトラメチルアンモニウム(TMA−HCO)の水溶液を記載)を供給し、陰極室116に水酸化テトラアルキルアンモニウムを溶解する溶媒(例えば、高度に精製された水)を供給する。
陽極室および陰極室に供給する溶液を循環させながら、電極間に直流電圧を印加すると、陽極室中において炭酸水素テトラアルキルアンモニウムの電解が進行し、テトラアルキルアンモニウムイオンがイオン交換膜を介して陰極室に移行し、水酸化テトラアルキルアンモニウムとなり、循環とともにその濃度は高くなっていく。
なお、上記では原料として、炭酸水素テトラアルキルアンモニウムについて述べたが、それ以外のテトラアルキルアンモニウム塩であってもよく、例えば、塩化テトラアルキルアンモニウム、および、硫酸水素テトラアルキルアンモニウムが挙げられる。
また、テトラアルキルアンモニウム塩中のアルキル基の炭素数は特に限定されないが、1〜10のアルキル基が挙げられ、1〜3のアルキル基が好ましい。具体的には、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩などが挙げられる。
直流電圧を印加する際の電流密度は特に限定されないが、1〜50kA/mが好ましい。また、陽極室および陰極室の温度は特に限定されないが、10〜80℃が好ましい。
陽極室および陰極室への溶液の供給方法は特に限定されないが、循環式、連続式などが挙げられる。陽極室および陰極室での溶液の滞留時間は特に限定されないが、1〜60秒間程度が好ましい。
陽極室に供給するテトラアルキルアンモニウム塩の水溶液中でのテトラアルキルアンモニウム塩の濃度は特に限定されないが、2〜70質量%が好ましい。なお、上記水溶液には、必要に応じて、アルコールが含まれていてもよい。
なお、図3においては、陽極室と陰極室とを区切る位置にイオン交換膜が配置される態様について述べたが、この態様には限定されず、例えば、特開平3−20489に示すように2枚のイオン交換膜を使用する態様であってもよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
(TQ値)
TQ値は、ポリマーの分子量に関係する値であって、容量流速:100mm/秒を示す温度として求めた。容量流速は、島津フローテスターCFD−100D(島津製作所社製)を用い、イオン交換基の前駆体基を有する含フッ素ポリマーを3MPaの加圧下に一定温度のオリフィス(径:1mm、長さ:1mm)から溶融、流出させたときの流出量(単位:mm/秒)とした。
(イオン交換容量の測定)
イオン交換基に変換できる基を有する含フッ素ポリマーの約0.5gを、加熱した平板プレスでプレスしてフィルム状にし、モデルサンプルを作製した。得られたフィルム状のモデルサンプルを透過型赤外分光分析装置によって分析した。得られたスペクトルのCFピーク、CHピーク、OHピーク、CFピーク、SOFピークの各ピークの高さを用いて、カルボン酸型官能基に変換できる基またはスルホン酸型官能基に変換できる基を有する構成単位の割合を算出し、これを加水分解処理後に得られる含フッ素ポリマーにおけるカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する構成単位の割合として、イオン交換容量が既知のサンプルを検量線として用い、イオン交換容量を求めた。
(実施例1)
TFEと、下式(1−1)で表されるカルボン酸型官能基に変換できる基を有する含フッ素モノマーとを共重合して、カルボン酸型官能基に変換できる基を有する含フッ素ポリマー(TQ:225℃)(以下、ポリマーC1と記す。)を合成した。本ポリマーを用いてモデルサンプルを作製し、イオン交換容量を測定したところ、1.08ミリ当量/グラム乾燥樹脂であった。
CF=CF−O−CFCF−CF−COOCH ・・・(1−1)
TFEと、式(2−1)で表されるスルホン酸型官能基に変換できる基を有する含フッ素モノマーとを共重合して、スルホン酸型官能基に変換できる基を有する含フッ素ポリマー(TQ:225℃)(以下、ポリマーS1と記す。)を合成した。本ポリマーを用いてモデルサンプルを作製し、イオン交換容量を測定したところ、1.10ミリ当量/グラム乾燥樹脂であった。
ポリマーC1とポリマーS1とを共押し出し法により成形し、ポリマーC1からなる前駆体層(C’1)(厚さ:12μm)およびポリマーS1からなる前駆体層(S’1)(厚さ:68μm)の2層構成のフィルムAを得た。
また、ポリマーS1を溶融押し出し法により成形し、前駆体層(S’2)からなるフィルムB(厚さ:30μm)を得た。
PTFEフィルムを急速延伸した後、100デニールの太さにスリットして得たモノフィラメントのPTFE糸と、5デニールのPETフィラメントを6本引き揃えた、30デニールのマルチフィラメントからなるPET糸とを、PTFE糸1本に対してPET糸2本の交互配列で平織りし、補強材(織布、PTFE糸の密度:27本/インチ、PET糸の密度:53本/インチ)を得た。
フィルムB、補強材、フィルムA、離型用PETフィルム(厚さ:100μm)の順に、かつ、フィルムAの前駆体層(C’1)が離型用PETフィルム側となるように重ね、ロールを用いて積層した。離型用PETフィルムを剥がし、強化前駆体膜を得た。
酸化ジルコニウム(平均粒子径:1μm)29.0質量%、メチルセルロース1.3質量%、シクロヘキサノール4.6質量%、シクロヘキサン1.5質量%および水63.6質量%からなるペーストを、強化前駆体膜の前駆体層(S’2)の上層側にロールプレスにより転写し、無機物粒子層を形成した。酸化ジルコニウムの付着量は、20g/mとした。
片面に無機物粒子層を形成した強化前駆体膜を、5質量%のジメチルスルホキシドおよび30質量%の水酸化カリウムの水溶液に95℃で8分間浸漬した。これにより、ポリマーC1の−COOCH、および、ポリマーS1の−SOFを加水分解して、イオン交換基に転換し、前駆体層(C’1)を層(C)に、前駆体層(S’1)、前駆体層(S’2)を層(S)層とした膜を得た。
次に、ポリマーS1の酸型ポリマーを2.5質量%含むエタノール溶液に、酸化ジルコニウム(平均粒子径:1μm)を13質量%の濃度で分散させた分散液を調製した。この分散液を、上記膜の層(C)側に噴霧し、無機物粒子層を形成して、両面に無機物粒子層が形成されたイオン交換膜を得た。酸化ジルコニウムの付着量は3g/mとした。
得られたイオン交換膜中の層(C)および層(S)のイオン交換容量、並びに、乾燥厚さ(乾燥時の厚さ)は、表1にまとめて示す。
(実施例2〜4、比較例1〜2)
イオン交換膜中の層(C)および層(S)のイオン交換容量、並びに、乾燥厚さを表1の範囲となるように使用されるポリマーの種類および前駆体層の厚さを調整した以外は、実施例1と同様にしてイオン交換膜を得た。
(剥離評価)
上記実施例1〜4および比較例1〜2のイオン交換膜を用いて、以下の手順に従って、剥離評価を実施した。
まず、エキスパンドチタン上に蒸着したRuO−TiOから形成された陽極、ステンレススチール(有孔板)から製造された陰極、および、24時間にわたり10%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)溶液に浸漬することにより前もって状態調節されたイオン交換膜を電解槽に装備し、電解装置を得た(図3参照)。
次に、陽極室を200g/lのTMA−HCO水溶液で満たし、陰極室を100g/lのTMAH水溶液で満たした。電解装置をヒーターで加熱し、陰極室をアルゴンの注入によって不活性にした。
電解装置中の流体の温度が50℃に達した時、給電スイッチを入れ、15A、すなわち、3kA/mに達するまで3分ごとに1Aだけ電流を増加させた。なお、電解装置への水の投入は100g/hであり、TMA−HCOの投入は125g/h(588g/l溶液)であった。
これらの条件下にて、14日間にわたり電解操作を実施した後、その電圧値を確認し、3.5V未満であれば◎、3.5V以上4.0V未満であれば○、4.0V以上4.5V未満であれば△、4.5V以上で×と判断した。
また、運転を停止し、電解装置を解体してイオン交換膜の剥離状況の目視にて観察を行った。観察時に、電解面内で直径5mm以上の剥離が1つ以上確認されたものを「剥離あり」、5mm以上の剥離が確認されないものを「剥離なし」と判断した。
評価結果を表1にまとめて示す。
なお、表1中、「無機物粒子層」欄の「層(S)側」は、層(S)上に無機物粒子層がある場合を「あり」、ない場合を「なし」とする。
また、「無機物粒子層」欄の「層(C)側」は、層(C)上に無機物粒子層がある場合を「あり」、ない場合を「なし」とする。
表1に示すように、層(C)のイオン交換容量が所定範囲である実施例1〜4においては、所望の効果が得られた。
特に、実施例1〜3と実施例4との比較より、層(C)のイオン交換容量が1.05ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上の場合、電圧値がより低くなることが確認された。
1 イオン交換膜
10 電解質膜
12 層(C)
14 層(S)
14A 層(Sa)
14Aa 層(Sa−1)
14Ab 層(Sa−2)
14B 層(Sb)
20 補強材
22 補強糸
24 犠牲糸
26 フィラメント
28 溶出孔
100 水酸化テトラアルキルアンモニウム用電解装置
110 電解槽
112 陰極
114 陽極
116 陰極室
118 陽極室

Claims (9)

  1. テトラアルキルアンモニウム塩の電気分解によって水酸化テトラアルキルアンモニウムを製造する電解装置に用いられるイオン交換膜であって、
    無機物粒子層と、
    スルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーを含む層(S)と、
    カルボン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーを含む層(C)と、
    無機物粒子層と、をこの順で有し、
    前記層(C)のイオン交換容量が0.95ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上である、イオン交換膜。
  2. 前記層(S)中に補強材がさらに配置された、請求項1に記載のイオン交換膜。
  3. 前記層(S)のイオン交換容量が1.0〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂であり、
    前記層(C)のイオン交換容量が0.95〜2.05ミリ当量/グラム乾燥樹脂である、請求項1または2に記載のイオン交換膜。
  4. 前記層(S)の乾燥時の厚さが50〜200μmであり、
    前記層(C)の乾燥時の厚さが5〜30μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
  5. 前記補強材が、ポリテトラフルオロエチレンからなる補強糸、ポリフェニレンサルファイドからなる補強糸、ナイロンからなる補強糸、および、ポリプロピレンからなる補強糸からなる群から選ばれる少なくとも1種の補強糸を含む補強布を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
  6. 前記層(S)が、下式(u1)で表される構成単位を有するポリマーを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
    −[CF−CF(−O−CFCF(CF)−O−(CF−SOM)]− ・・・式(u1)
    mは、1〜6の整数であり、Mは、アルカリ金属である。
  7. 前記層(S)が、下式(u2)で表される構成単位を有するポリマーを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
    −[CF−CF(−O−(CF−SOM)]− ・・・式(u2)
    mは、1〜6の整数であり、Mは、アルカリ金属である。
  8. 前記層(S)が、下式(u3)で表される構成単位を有するポリマーを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のイオン交換膜。

    は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基であり、Qは、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基であり、Rf1は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキル基であり、Xは、酸素原子、窒素原子、または炭素原子であり、Xが酸素原子の場合、aは0であり、Xが窒素原子の場合、aは1であり、Xが炭素原子の場合、aは2であり、Yは、フッ素原子、または1価のパーフルオロ有機基であり、rは、0または1であり、Mは、アルカリ金属である。
  9. 前記式(u3)で表される構成単位が、式(u4)で表される構成単位である、請求項8に記載のイオン交換膜。

    F11は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖状のパーフルオロアルキレン基であり、RF12は、炭素数1〜6の直鎖状のパーフルオロアルキレン基であり、rは、0または1であり、Mは、アルカリ金属である。
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WO2023085400A1 (ja) 2021-11-12 2023-05-19 国立大学法人東京工業大学 膜、複合膜、膜電極接合体、及び水電解装置

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