JP2615574B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2615574B2 JP61285149A JP28514986A JP2615574B2 JP 2615574 B2 JP2615574 B2 JP 2615574B2 JP 61285149 A JP61285149 A JP 61285149A JP 28514986 A JP28514986 A JP 28514986A JP 2615574 B2 JP2615574 B2 JP 2615574B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気テープ等の磁気記録媒体に関するもの
であり、さらに詳細には非磁性支持体上に形成される磁
性層に含まれる結合剤の改良に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、塗布型の磁気記録媒体の結合剤として使用
されるポリウレタン樹脂の分子中に−SO3M基,−OSO3M
基, の少なくとも1種及び−COOM基(但し、Mは水素原子又
はアルカリ金属原子を表し、M′は水素原子,アルカリ
金属原子又は炭化水素基を表す。)を導入することによ
り、 磁性粉末に対する分散性,磁性層として形成した際の
塗膜の性質,塗膜形成の際の作業性等の点で優れた特性
を有する結合剤を提供し、表面性や耐久性に優れ磁気特
性や電磁変換特性の良好な磁気記録媒体を提供しようと
するものである。
〔従来の技術〕
近年、磁気記録媒体,特にVTR(ビデオテープレコー
ダ)用の磁気記録媒体においては、短波長記録を行った
場合にも高再生出力を得ることができるように、磁気特
性,電磁変換特性の向上が要望されている。そして、そ
の方策として、磁性粉末の微粒子化,高磁力化が図られ
るとともに、磁性層中における磁性粉末の充填密度,い
わゆるパッキングデンシティを増大させる傾向が強くな
っている。
一方、従来から使用されている磁気記録媒体用の結合
剤としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やポリウ
レタン樹脂等を主体とする結合剤が挙げられるが、上述
のパッキングデンシティの増大,さらには耐久性の向上
等の要請に伴って、これら結合剤では様々な問題が発生
しており、充分な対処が難しいのが現状である。
例えば、磁性粉末の微粒子化による比表面積の増大や
高磁化力による凝集力の増大に伴い、前述の結合剤では
満足のいく分散性や表面性が得られず、磁性粉末のパッ
キングデンシティを増大させることも困難なものとなっ
ている。したがって、耐久性,磁気特性,電磁変換特性
についても不充分なものであった。特に、高記録密度化
に対応すべく超微粒子化された磁性粉末や高い磁化量を
有する磁性粉末に対しての性能は不充分なものであっ
た。この場合、例えば界面活性剤を分散剤として使用す
る等の方法が考えられるが、界面活性剤が低分子である
ために、粉落ちや経時変化によるブルーミング等が発生
し、機械的強度や耐久性等に問題が生じてしまう。
そこで、例えば特公昭58−41565号公報等には、スル
ホン酸金属塩基をポリウレタン樹脂中に導入した結合剤
が提案されており、磁性粉末の分散性の向上が試みられ
ているが、未だ充分なものとは言い難く、例えば磁気記
録媒体とした場合に粉落ちを生じてしまい耐久性の点で
なお改善すべき点があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、従来広く用いられている塩化ビニル系共
重合体やポリウレタン樹脂、さらにはスルホン酸金属塩
基を含有させた結合剤では、磁性粉末に対する分散性や
塗膜物性,製造上の取り扱い等の点で解決すべき点が多
く、所定の耐久性,磁気特性,電磁変換特性を確保する
ことが難しかった。
そこで本発明は、当該技術分野の前記欠点を解消する
ために提案されたものであって、磁性粉末に対する分散
性,磁性層として形成した際の塗膜の性質,塗膜形成の
際の作業性等の点で優れた特性を有する結合剤を提供
し、表面性や耐久性に優れ磁気特性や電磁変換特性の良
好な磁気記録媒体を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、極性基として側鎖に−COOM基を導入す
ることにより磁性粉末に対して高い親和性を示し分散性
が向上すること、粉落ちが大幅に改善されること、さら
に極性基として−SO3M基,−OSO3M基, を側鎖に導入することが作業性を向上する上で有効であ
ること、等に着目し本発明を完成するに至ったものであ
って、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体と
する磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、前
記結合剤は、分子中に極性基として−SO3M基、−OSO3M
基、 から選ばれる少なくとも1種及び−COOM基(但し、Mは
水素原子又はアルカル金属原子を表し、M′は水素原
子,アルカリ金属原子又は炭化水素基を表す。)を有す
るポリウレタン樹脂を含有し、且つ、前記ポリウレタン
樹脂に含まれる極性基の導入量が合計で0.01〜1.0mmol/
gであり、そのうち−COOM基の導入量が0.01〜0.5mmol/
g、他の極性基の導入量が0.001mmol/g以上であることを
特徴とするものである。
本発明において使用されるポリウレタン樹脂は、優れ
た塗膜強度を有するもので、ポリヒドロキシ化合物とポ
リイソシアナートとの反応によって得られるが、樹脂の
主体となるポリヒドロキシ化合物,ポリイソシアナート
としては分子量約500〜5000の長鎖ジオール、分子量約5
0〜500の短鎖ジオール、有機ジイソシアナートを用いる
ことが好ましい。
上記長鎖ジオールは、例えばポリエステルジオール、
ポリエーテルジオール及びポリエーテルエステルグリコ
ール等に大別される。ポリエステルジオールとしては、
具体的には例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸またはそれらの低
級アルコールエステルと、エチレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6
−ヘキサングリコール、ジエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、あるいはビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物等又はこれらの混合物とを反応して
得られるポリエステルジオール類又はε−カプロラクト
ン等のラクトンを開環重合して得られるラクトン系のポ
リエステルジオール等が挙げられる。ポリエーテルジオ
ールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエー
テルグリコール類又はこれらの共重合ポリエーテルグリ
コール等が挙げられる。また、ポリエーテルエステルグ
リコールとしては、上記ポリアルキレンエーテルグリコ
ールをポリオール成分として脂肪族又は芳香族ジカルボ
ン酸と反応させて得られるポリエステルグリコール類が
挙げられる。この長鎖ジオールの分子量が余り小さすぎ
ると、得られるポリウレタン樹脂のウレタン基濃度が大
きくなりすぎて樹脂の柔軟性が乏しくなり、また溶剤に
対する溶解性が悪くなり、磁気記録媒体の結合剤として
用いるのには余り好ましくない。また、長鎖ジオールの
分子量が余り大きすぎるときは、樹脂中の長鎖ジオール
含有量が多くなりすぎて相対的にウレタン基濃度が非常
に小さくなるため、樹脂の耐摩耗性及び耐熱性が低下す
る。
上記短鎖ジオールは、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−
ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪
族グリコールあるいはビスフェノールAのエチレンオキ
サイド付加物またはプロピレンオキサイド付加物、ハイ
ドロキノンのエチレンオキサイド付加物等の芳香族ジオ
ール等があり、ポリウレタン樹脂の性質に応じてこれら
を単独または種々の量比で混合して使用できる。
さらに、グリセリン、グリセリンのエチレンオキサイ
ド付加物、2−メチルプロパン−1,2,3−トリオール、
4−〔ビス(2−ヒドロキシエチル)〕−2−ヒドロキ
シペンタン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、1−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)アミノ−2−プロパノール、ジエタノー
ルアミンのプロピオンオキサイド付加物等のトリオール
を併用することも可能である。
上記有機ジイソシアナートとしては、テトラメチレン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等
の脂肪族ジイソシアナート、m−フェニレンジイソシア
ナート、p−フェニレンジイソシアナート、2,4−トリ
レンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3−ジメト
キシ−4,4′−ビフェニレンジイソシアナート、3,3′−
ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアナート、4,
4′−ジイソシアナートジフェニルエーテル、1,5−ナフ
タレンジイソシアナート、2,4−ナフタレンジイソシア
ナート等の芳香族ジイソシアナート、1,3−ジイソシア
ナートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナート
メチルシクロヘキサン、4,4′−ジイソシアナートジシ
クロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアナート等の
脂環族ジイソシアナート等があげられる。
また、ポリウレタン樹脂の製造において採用される反
応方法としては、溶融状態で反応させる溶融重合、酢酸
エチル、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン等の
単独または混合溶剤等の不活性溶剤に前記記載の原料を
溶解せしめて行う溶液重合等があるが、磁気記録媒体の
結合剤のように溶剤に溶解し使用することの多いポリウ
レタン樹脂の製造には、溶液重合が好ましく、特にプレ
ポリマー調製時は溶融重合し、鎖延長反応を行う前に上
記の不活性溶剤を加えて溶液重合を行うことがより好ま
しい。
反応に際して、触媒として有機金属化合物、例えばオ
クチル酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫化
合物、あるいは三級アミン、例えばN−メチルモルホリ
ン、トリエチルアミン等を添加してもよい。また、生成
物の安定性を増すために、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
加水分解防止剤等を固形分に対して約5%以内の量を添
加してもよい。さらに、上記ポリウレタン樹脂に親水性
極性基として−COOM基及び−SO3M基,−OSO3M基, (但し、Mは水素原子又はアルカリ金属原子を表し、
M′は水素原子,アルカリ金属原子又は炭化水素基を表
す。)の少なくとも1種を導入する。ここで、COOM基は
磁性粉末の分散性向上という点で非常に有効で、磁気記
録媒体としたときに粉落ちの軽減効果が特に大きいが、
COOM基を単独に導入した結合剤では塗料としたときに粘
度が非常に大きなものとなってしまい、実用性に欠ける
ものとなってしまうので、前記の親水性極性基を導入す
る。
本発明者等の実験によれば、分子中にCOOM基を有し、
かつ前記の親水性極性基を有するポリウレタン樹脂を用
いることで、COOM基の粉落ち軽減効果を損なうことなし
に良好な粘度特性を有する塗料を得ることができ、COOM
基を単独で含有する場合以上に分散性に優れた磁気記録
媒体を得ることができる。
ところで、これらCOOM基や−SO3M基,−OSO3M基,−P
O(OM′)基等の親水性極性基をポリウレタン樹脂に
導入するには、次のような方法によれば良い。
(1)ポリウレタンの原料であるジイソシアナートある
いはポリオール等の一部に前記親水性極性基を予め導入
しておく方法。
(2)ポリウレタン樹脂の末端もしくは側鎖にOH基を残
存させておき、このOH基を前記親水性極性基を持った化
合物により変性する方法。
上記(1)の方法で用いられる親水性極性基を導入し
たジイソシアナートあるいはポリオールとしては、親水
性極性基含有ジオール、親水性極性基含有有機ジイソシ
アナートが挙げられる。これら化合物は他の原料と重合
してポリウレタン樹脂のポリマー分子鎖の一部を構成
し、その結果上記ポリウレタン樹脂には親水性極性基が
導入される。
上記親水性極性基含有ジオールとしては、COOM基含有
ジオール、PO(OM′)基含有ジオール、SO3M基含有ジ
オール、OSO3基含有ジオールである。
COOM基含有ジオールとしては、例えばジメチロールプ
ロピオン酸や、これらのCOOM基をNaOHメタノール溶液,K
OHメタノール溶液等を用いて中和させた化合物等が挙げ
られる。前記化合物を鎖延長剤としてポリウレタン樹脂
を合成することにより分子中にCOOM基が導入される。
PO(OM′)基含有ジオールとしては、一般式 (式中、R1は炭素数2〜6のアルキレン基またはその置
換体、R2は炭素数1〜6のアルキレン基またはその置換
体、R3及びR4は炭素数1〜6のアルキル基を表す。) で示される化合物が挙げられる。
SO3M基含有ジオールは、−SO3M基を有しないカルボン
酸成分、グリコール成分及び−SO3M基を有するジカルボ
ン酸成分を反応させることにより得られる。
上記−SO3M基を有しないカルボン酸成分としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナ
フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香
酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、等の芳香族
オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリッ
ト酸等のトリ及びテトラカルボン酸等が挙げられる。
上記グリコール成分としては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物及
びプロピレンホキシド付加物、水素化ビスフェノールA
のエチレンオキシド付加物及びプロピレンオキシド付加
物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。ま
た、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ペンタエリスリトール等のトリ及びテトラ
オールを併用してもよい。
上記−SO3M基を有するジカルボン酸成分としては、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホ
イソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、2
−カリウムスルホテレフタル酸等がある。
したがって、長鎖ジオールの一部をこのSO3M基含有ジ
オールで置き換えてポリウレタン樹脂を合成することに
より、分子中にSO3M基が導入される。
また、上記親水性極性基含有有機ジイソシアナート
は、3官能以上のポリイソシアナート化合物に親水性極
性基を有する化合物を反応させることによって得ること
ができる。
上記ポリイソシアナート化合物としては、3官能の商
品名デスモジュールL(バイエル社製)、商品名コロネ
ートL(日本ポリウレタン社製)等が知られているが、
一般に多官能のポリイソシアナート化合物はポリオール
とポリイソシアナートとを付加反応させることによって
得られる。
ポリオールとしてはプロピレングリコール、グリセロ
ール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール等が挙げられる。また、ポリイソシア
ナートとしては、トリレンジイソシアナート、4,4−ジ
フェニルメタンジイソシアナート、ナフチレンジイソシ
アナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロ
ンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、リジ
ンジイソシアナート等が挙げられる。
上記3官能以上のポリイソシアナート化合物にCOOM基
を導入には、1分子中に−COOM基を有し、かつ−NCO基
に対して反応し得る活性水素とを有する化合物を3官能
以上のポリイソシアナート化合物に対して反応させれば
良い。これによって、1分子中に2個以上の−NCO基を
有し、かつ−COOM基を有する化合物(COOM基含有ジオー
ル)が得られる。
前記1分子中に−COOM基を有し、かつ−NCO基に対し
て反応し得る活性水素とを有する化合物としては次のも
のが挙げられる。
これらの化合物は3官能以上のポリイソシアナート化
合物と例えば次の反応式で示すように付加反応を行う。
(反応式中、R−NCOは3官能以上のポリイソシアナー
ト化合物を表す。) SO3M基を導入するには、1分子中に−SO3M基を有し、
かつ−NCO基に対して反応し得る活性水素とを有する化
合物を3官能以上のポリイソシアナート化合物に対して
反応させればよい。これによって、1分子中に2個以上
の−NCO基を有し、かつ−SO3M基を有する化合物(SO3M
基含有ジオール)が得られる。
前記1分子中に−SO3M基を有し、かつ−NCO基に対し
て反応し得る活性水素とを有する化合物としては次のも
のが挙げられる。
これらの化合物は3官能以上のポリイソシアナート化
合物と例えば次の反応式で示すように付加反応を行う。
(反応式中、R−NCOは3官能以上のポリイソシアナー
ト化合物を表す。) −OSO3M基を導入するには、3官能以上のポリイソシ
アナート化合物とH2SO4との反応生成物をNaOH,KOH等で
中和すればよい。これにより、1分子中に2個以上の−
NCO基を有し、かつ−OSO3M基を有する化合物(OSO3M基
含有ジオール)が例えば次の反応式で示すようにして得
られる。
R−NCO+H2SO4→R−NHCO−OSO3H R−NHCO−OSO3H+NaOH →R−NHCO−OSO3Na+H2O ・・・(iv) (反応式中、R−NCOは3官能以上のポリイソシアナー
ト化合物を表す。) PO(OM′)基を導入するには、3官能以上のポリイ
ソシアナート化合物とH2PO3との反応生成物をNaOH,KOH
等で中和すればよい。これによって、例えば次の反応式
で示すようにして得られる。
(反応式中、R−NCOは3官能以上のポリイソシアナー
ト化合物を表す。) 一方、上記(2)の方法の具体例としては、例えば、 (A)ClCH2COOM,ClCH2CH2SO3M,ClCH2CH2OSO3M, (但し、Mは水素原子又はアルカリ金属原子、M′は水
素原子,アルカリ金属原子または炭化水素基を表す。) の如く、分子中に親水性極性基と塩素を含有する化合物
と、多官能の−OH基を有するポリウレタン樹脂とを、両
成分が溶解性のあるジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等の溶剤に溶解し、ピリジン、ピコリン、ト
リエチルアミン等のアミン類:エチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイド等のエポキシ化合物等の脱塩酸剤の
存在下での−OH基と塩素との脱塩酸反応により親水性極
性基を導入する方法がある。この反応式を示せば次のよ
うになる。
(A−1) R′−OH+ClCH2COOM→R′−OCH2COOM+HCl (A−2) R′−OH+ClCH2CH2SO3M→R′−OCH2CH2SO3M+HCl (A−3) R′−OH+ClCH2CH2OSO3M→R′−OCH2CH2OSO3M+HCl (A−4) (但し、R′はポリウレタン樹脂を表す。) 若干の副生成物を生じるが、次の方法でも合成可能で
ある。即ち、 (B)HOCH2COOM,HOCH2CH2SO3M,HOCH2CH2OSO3M, とジイソシアナート化合物、例えば4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナートとを等モル反応させ、
ジイソシアナートの一方の−NCO基と上記化合物中の−O
H基との反応による反応生成物を得る。次にポリウレタ
ン樹脂の−OH基と残留している−NCO基とを反応させれ
ば親水性極性基の導入されたポリウレタン樹脂が得られ
る。反応式を示せば次のようになる。
(B−1) OCN−R″−NCO+HOCH2COOM→OCN−R″−NHCOOCH2COOM R′−OH+OCN−R″−NHCOOCH2COOM →R′−OCONH−R″−NHCOOCH2COOM (B−2) OCN−R″−NCO+HOCH2CH2SO3M →OCN−R″−NHCOOCH2CH2SO3M R′−OH+OCN−R″−NHCOOCH2CH2SO3M →R′−OCONH−R″−NHCOOCH2CH2SO3M (B−3) OCN−R″−NCO+HOCH2CH2OSO3M →OCN−R″−NHCOOCH2CH2OSO3M R′−OH+OCN−R″−NHCOOCH2CH2OSO3M →R′−OCONH−R″−NHCOOCH2CH2OSO3M (但し、R′はポリウレタン樹脂を表し、R″は2価の
炭化水素基を表す。) 以上のようにして−COOM基及び−SO3M基,−OSO3M
基, 個々についてはポリウレタン樹脂中に導入することがで
きる。
本発明に係る磁気記録媒体は、磁性塗料の結合剤とし
て用いられるポリウレタン樹脂中に−COOM基とともに−
SO3M基,−OSO3M基, のうち何れか1つを導入してなるものである。−COOM基
及び−SO3M基,−OSO3M基, のうち何れか1つからなる2種の親水性極性基を導入す
るには以下のようにすれば良い。例えば、−COOM基と−
SO3M基を導入するとした場合を例にとると、 (I)ポリウレタン樹脂の原料中にCOOM基を有する化合
物と、SO3M基,OSO3M基,PO(OM′)基の何れかを含有
する化合物を含有させ、ポリウレタン樹脂の生成と同時
にこれらCOOM基及びSO3M基,OSO3M基,PO(OM′)基の
何れかを導入する方法。
(II)既に合成したポリウレタン樹脂の側鎖または末端
に存在するOH基を変性することにより、COOM基及びSO3M
基,OSO3M基,PO(OM′)基の何れかを導入する方法。
(III)ポリウレタン樹脂の原料中にCOOM基を含有する
化合物を混入し、これによって得られるCOOM基含有ポリ
ウレタン樹脂の末端もしくは側鎖のOH基を変性してSO3M
基,OSO3M基,PO(OM′)基の何れかを導入する方法。
(IV)ポリウレタン樹脂の原料中にSO3M基,OSO3M基,PO
(OM′)基の何れかを含有する化合物を混入し、これ
によって得られるSO3M基,OSO3M基あるいはPO(OM′)
基含有ポリウレタン樹脂の末端もしくは側鎖のOH基を変
性してCOOM基を導入する方法。
例えば(I)の方法による場合には、SO3M基,OSO3M基
あるいはPO(OM′)基を含有した長鎖ポリエステルジ
オールを長鎖ジオールの一部に用い、COOM基を含有した
短鎖ジオール(例えばジメチロールプロピオン酸)を鎖
延長剤として用いポリウレタン樹脂を合成すればよい。
また、(II)の方法による場合には、既に合成された
ポリウレタン樹脂の側鎖または末端に存在する−OH基の
一部に先ず−COOM基を導入し、続いて残存する−OH基に
例えば−SO3M基を導入すればよい。
上述の方法によって−COOM基及び−SO3M基,−OSO3M
基, のうち何れか1つからなる2種の親水性極性基をポリウ
レタン樹脂中に容易に導入することができる。
結合剤として用いられるポリウレタン樹脂に導入され
る親水性極性基の導入量としては、−COOM基とその他の
極性基の和が0.01〜1.0mmol/gであることが好ましく、
より好ましくは0.01〜0.5mmol/gの範囲である。ここ
で、−COOM基の導入量としては0.01〜0.5mmol/g,他の極
性基の導入量は0.001mmol/g以上とする。上記親水性極
性基の導入量が0.01mmol/g未満であると強磁性粉末の分
散性に充分な効果が認められなくなり、また上記親水性
極性基の導入量が1.0mmol/gを越えると、分子間あるい
は分子内凝集が起こりやすくなって分散性に悪影響を及
ぼすばかりか、溶媒に対して選択性を生じ、通常の汎用
溶媒が使用できなくなってしまう虞もある。
また、本発明によるポリウレタン樹脂の数平均分子量
は10000〜100000、より好ましくは10000〜60000の範囲
であることが好ましい。数平均分子量が10000未満であ
ると樹脂の塗膜形成能が不充分なものとなり、また数平
均分子量が60000を越えると塗料製造上、混合、移送、
塗布等の工程において問題を発生する虞がある。
本発明によるポリウレタン樹脂は他の熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂あるいは反応性樹脂と組み合わせて使用す
ることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150℃以下、
平均分子量が10000〜200000で重合度が約200〜20000程
度のもので、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体,
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体,
塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体,塩化ビ
ニル−塩化ビニリデン共重合体,塩化ビニル−アクリロ
ニトリル共重合体,アクリル酸エステル−アクリロニト
リル共重合体,アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共
重合体,メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合
体,メタクリル酸エステル−スチレン共重合体,熱可塑
性ポリウレタン樹脂,ポリフッ化ビニル,塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合体,ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体,アクリロニトリル−ブタジエン−メ
タクリル酸共重合体,ポリアミド樹脂,ポリビニルブチ
ラール,セルロース誘導体,スチレン−ブタジエン共重
合体,ポリエステル樹脂ポリブタジエン等の合成ゴム系
の樹脂が挙げられる。また、熱硬化性樹脂あるいは反応
性樹脂としては、例えばフェノール樹脂,エポキシ樹
脂,熱硬化性ポリウレタ樹脂,尿素樹脂,メラミン樹
脂,アルキド樹脂,尿素−ホルムアルデヒド樹脂シリコ
ン樹脂,アクリル系反応樹脂,エポキシ−ポリアミド樹
脂,ニトロセルロース−メラミン樹脂,高分子ポリエス
テル樹脂とイソシアナートプレポリマーの混合物,ポリ
エステルポリオールとポリイソシアナートの混合物,尿
素ホルムアルデヒド樹脂,低分子量グリコール/高分子
量ジオール/トリフェニルメタントリイソシアナートの
混合物,ポリアミン樹脂及びこれらの混合物等が挙げら
れる。これらのうち、強磁性粉末に対する分散性の良好
なものと組み合わせて用いることが望ましい。
本発明の磁気記録媒体において、磁性層は、例えば強
磁性粉末を上述の結合剤中に分散し有機溶剤に溶かして
調製される磁性塗料を非磁性支持体の表面に塗布して形
成される。
ここで、本発明で使用される強磁性粉末としては、通
常の磁性粉末であればいずれも使用することができる。
したがって、使用できる強磁性粉末としては、強磁性酸
化鉄粒子、強磁性二酸化クロム、強磁性合金粉末、六方
晶系バリウムフェライト微粒子、窒化鉄等が挙げられ
る。
上記強磁性酸化鉄粒子としては、一般式FeOxで表した
場合、Xの値が1.33≦X≦1.50の範囲にあるもの、即ち
マグヘマイト(γ−Fe2O3,X=1.50)、マグネタイト(F
e3O4,X=1.33)及びこれらの固溶体(FeOx,1.33<X<
1.50)である。さらに、これら強磁性酸化鉄には、抗磁
力をあげる目的でコバルトを添加してもよい。コバルト
含有酸化鉄には、大別してドープ型と被着型の2種類が
ある。
上記強磁性二酸化クロムとしては、CrO2あるいはこれ
らに抗磁力を向上させる目的でRu,Sn,Te,Sb,Fe,Ti,V,Mn
等の少なくとも一種類を添加したものを使用できる。
強磁性合金粉末としては、Fe,Co,Ni,Fe−Co,Fe−Ni,F
e−Co−Ni,Co−Ni,Fe−Co−B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn
−Al,Fe−Co−V等が使用でき、またこれらに種々の特
性を改善する目的でAl,Si,Ti,Cr,Mn,Cu,Zn等の金属成分
を添加してもよい。
さらに上記磁性層には、前記の結合剤、強磁性粉末の
他に添加剤として分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、防錆剤等が加えられてもよい。
上記分散剤(顔料湿潤剤)としては、カプリル酸,カ
プリン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,
ステアリン酸,オレイン酸,エライジン酸,リノール
酸,リノレン酸,ステアロール酸等の炭素数12〜18個の
脂肪酸(R7COOH,R7は炭素数11〜17個のアルキルまたは
アルケニル基),前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li,Na,
K等)またはアルカリ土類金属(Mg,Ca,Ba)からなる金
属石鹸,前記の脂肪酸のアミド,ポリアルキレンオキサ
イドアルキルリン酸エステル,トリアルキルポリオレフ
ィンオキシ第四アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜
5個,オレフィンはエチレン,プロピレン等)等が使用
される。この他に炭素数12以上の高級アルコール及び硫
酸エステル等も使用可能である。これらの分散剤は結合
剤100重量部に対して0.5〜20重量部の範囲で添加され
る。
上記潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサン(ア
ルキルは炭素数1〜5個),ジアルコキシポリシロキサ
ン(アルコキシは炭素数1〜4個),モノアルキルモノ
アルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5
個,アルコキシは炭素数1〜4個),フェニルポリシロ
キサン,フロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭
素数1〜5個)等のシリコンオイル、グラファイト等の
導電性微粉末、二硫化モリブデン,二硫化タングステン
等の無機微粉末、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ
エチレン塩化ビニル共重合体,ポリテトラフルオロエチ
レン等のプラスチック微粉末、α−オレフィン重合体、
常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オレフィン二
重結合が末端の炭素に結合した化合物,炭素数約20)、
炭素数12〜22の脂肪酸と炭素数3〜22のアルコールから
なる脂肪酸エステル類(モノエステル,ジエステル,ト
リエステルのいずれでもよく、さらにはそれ以上の多官
能のポリエステルであってもよい。)脂肪酸またはその
金属塩、脂肪酸アミド、脂肪族アルコールまたはそのア
ルコキシド、脂肪族アルコールまたはそのアルコキシ
ド、脂肪族アミン、多価アルコール、ソルビタンエステ
ル、マンニッタンエステル、硫黄化脂肪酸、脂肪族メル
カプタン、パーフルオロアルキルエチレンオキシド、パ
ーフルオロポリエーテル類、高級アルキルスルホン酸ま
たはその金属塩、パーフルオロアルキルスルホン酸また
はそのアンモニウム塩あるいはその金属塩、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸またはその金属塩、フルオロカー
ボン類等が使用できる。これらの潤滑剤は結合剤100重
量部に対して0.2〜20重量部の範囲で添加される。
上記研磨剤としては、一般に使用される材料で溶融ア
ルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム(Cr2O3)、コランダ
ム、人造コランダム、ダイヤモンド、人造ダイヤモン
ド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄
鉱)等が使用される。これらの研磨剤はモース硬度が5
以上であり、平均粒子径が0.05〜5μの大きさのものが
使用され、特に好ましくは0.1〜2μである。これらの
研磨剤は結合剤100重量部に対して0.5〜20重量部の範囲
で添加される。
上記帯電防止剤としては、カーボンブラック,カーボ
ンブラックグラフトポリマー等の導電性微粉末、サポニ
ン等の天然界面活性剤、アルキレンオキサイド系,グリ
セリン系,グリシドール系等のノニオン界面活性剤、高
級アルキルアミン類,第四級アンモニウム塩類,ピリジ
ンその他の複素環類,ホスホニウム類等のカチオン界面
活性剤、カルボン酸,スルホン酸,リン酸,硫酸エステ
ル基,リン酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面
活性剤、アミノ酸類,アミノスルホン酸類,アミノアル
コールの硫酸またはリン酸エステル類等の両性活性剤等
が使用される。上記の導電性微粉末は結合剤100重量部
に対して0.2〜20重量部の範囲で、界面活性剤は0.1〜10
重量部の範囲で添加される。これらの界面活性剤は単独
又は混合して添加してもよい。これらは帯電防止剤とし
て用いられるものであるが時としてその他の目的、例え
ば分散、磁気特性の改良、潤滑性の改良、塗布助剤とし
て適用される場合もある。
上記防錆剤としては、リン酸、スルファミド、グアニ
ジン、ピリジン、アミン、尿素、ジンククロメート、カ
ルシウムクロメート、ストロンチウムクロメート等が使
用できるが、特にジシクロヘキシルアミンナイトライ
ト,シクロヘキシルアミンクロメート,ジイソプロピル
アミンナイトライト,ジエタノールアミンホスフェー
ト,シクロヘキシルアンモニウムカーボネート,ヘキサ
メチレンジアミンカーボネート,プロピレンジアミンス
テアレート,グアニジンカーボネート,トリエタノール
アミンナイトライト,モルフォリンステアレート等の気
化性防錆剤(アミン,アミド又はイミド等の無機酸塩又
は有機酸塩)を使用すると防錆効果が向上する。これら
の防錆剤は強磁性微粉末100重量部に対して0.01〜20重
量部の範囲で使用される。
上述した磁性層の構成材料は、有機溶剤に溶かして磁
性塗料として調製され、非磁性支持体上に塗布される
が、その磁性塗料の溶剤としては、アセトン,メチルエ
チルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノ
ン等のケトン系、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチ
ル,乳酸エチル,酢酸グリコールモノエチルエーテル等
のエステル系、グリコールジメチルエーテル,グリコー
ルモノエチルエーテル,ジオキサン等のグリコールエー
テル系、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化
水素、ヘキサン,ヘプタン等の脂肪族炭化水素、メチレ
ンクロライド,エチレンクロライド,四塩化炭素,クロ
ロホルム,エチレンクロルヒドリン,ジクロルベンゼン
等の塩素化炭化水素等が挙げられる。
これらの構成材料を塗布する非磁性支持体の素材とし
ては、通常この種の磁気記録媒体に使用される材料であ
れば如何なるものであってもよく、例えばポリエチレン
テレフタレート,ポリエチレン−2,6−ナフタレート等
のポリエステル類、ポリエチレン,ポリプロピレン等の
ポリオレフィン類、セルローストリアセテート,セルロ
ースダイアセテート,セルロースアセテートブチレー
ト,セルロースアセテートプロピオネート等のセルロー
ス誘導体、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン等のビ
ニル系樹脂、ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミ
ド,ポリアミドイミド等のプラスチック、アルミニウ
ム,銅,スズ,亜鉛またはこれらを含む非磁性合金等の
非磁性金属類、アルミニウム合金,チタン合金等の軽合
金、セラミックス,陶器,磁器等のセラミックス類、単
結晶シリコン、紙,バライタまたはポリエチレン,ポリ
プロピレン,エチレン−ブテン共重合体等の炭素数2〜
10のα−ポリオレフィン類を塗布またはラミネートした
紙等の紙類等が使用できる。これら非磁性支持体の形態
としては、フィルム,テープ,シート,ディスク,カー
ド,ドラム等のいずれでも良い。
〔作用〕
前述のように、分子中にCOOM基及びSO3M基,OSO3M基,P
O(OM′)基の何れかを導入したポリウレタン樹脂を
結合剤として使用することにより、磁性粉末に対する親
和性が大幅に向上し、超微粒子化された磁性粉末や磁化
量の大きい磁性粉末であっても良好に分散されるととも
に−COOMの粉落ち軽減効果により耐久性の向上が図れ
る。
また、特にCOOM基とSO3M基,OSO3M基,PO(OM′)
の何れかとを導入することにより、結合剤の粘度特性の
向上が図られる。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
先ず、分子中にCOOM基及びSO3M基,OSO3M基,PO(O
M′)基の何れかを導入したポリウレタン樹脂を本明
細書に記載した方法により合成した。第1表に合成した
ポリウレタン樹脂の特性を示す。
実施例1 磁性塗料組成 強磁性粉末 100 重量部 (比表面積35m2/g,Co−γFe2O3) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 10 重量部 結合剤1 10 重量部 潤滑剤(シリコンオイル) 0.5重量部 分散剤(レシチン) 0.5重量部 研磨剤(Cr2O3) 2 重量部 帯電防止剤(カーボン) 2 重量部 潤滑剤(ブチルステアレート) 0.5重量部 メチルエチルケトン 110重量部 メチルイソブチルケトン 50重量部 トルエン 50重量部 上記組成物をボールミルにて48時間混合し、フィルタ
で濾過した後、硬化剤(日本ポリウレタン社製,商品名
コロネートL)を3重量部添加し、さらに30分間混合
し、これを16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布した。
次いで、磁場配向処理を行った後、乾燥して巻取った。
これをカレンダー処理した後、1/2インチ幅に裁断して
サンプルテープを作製した。
実施例2〜実施例10 実施例1の組成物中、結合剤1の代わりに結合剤2〜
結合剤10を用い、他は実施例1と同様の方法によりサン
プルテープを作製した。
比較例1〜比較例6 実施例1の組成物中、結合剤1の代わりに結合剤11〜
結合剤16を用い、他は実施例1と同様の方法によりサン
プルテープを作製した。
得られた各サンプルテープについて、それぞれ表面光
沢,粉落ち,塗料粘度を測定した。
なお、上記表面光沢は、光沢計(GLOSS METER)を用
いて、入射角60゜,反射角60゜の条件で測定した。ま
た、粉落ちは、60分シャトル100回走行後のヘッドドラ
ム,ガイド等への粉落ち量を目視にて観察し、減点法
(−5〜0)で評価した。塗料粘度は、B型回転粘度計
で4号ロータを用いて30回転で測定した値を示した。
測定結果を第2表に示す。
第2表の結果からも明らかなように、本発明に係る各
サンプルテープにあっては、表面光沢,粉落ちに優れる
ばかりでなく、塗料粘度も低く作業性に優れた塗料であ
ることがわかる。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、ポリウレタン樹脂の分子中に−COOM基を導入すると
ともに、SO3M基,OSO3M基,PO(OM′)基の何れかを導
入し、これを結合剤としているため、磁性粉末に対して
高い親和性を示し、たとえ超微粒子化した磁性粉末や磁
化量の大きい磁性粉末であっても分散性が良好なものと
なる。
したがって、磁性層として形成した際の塗膜の性質が
向上し、耐久性,表面性及び電磁変換特性に極めて優れ
た磁気記録媒体となる。
また、上記結合剤を含有した塗料は粘度が低くその取
り扱いが容易であるため、塗膜形成の際の作業性の点で
優れた特性を有する。
フロントページの続き (72)発明者 二宮 良延 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソ ニー・マグネ・プロダクツ株式会社内 (56)参考文献 特許2576101(JP,C1) 特許2576102(JP,C1) 特許2531158(JP,C1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを
    主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
    て、 前記結合剤は、分子中に極性基として−SO3M基、−OSO3
    M基、 から選ばれる少なくとも1種及び−COOM基(但し、Mは
    水素原子又はアルカル金属原子を表し、M′は水素原
    子,アルカリ金属原子又は炭化水素基を表す。)を有す
    るポリウレタン樹脂を含有し、 且つ、前記ポリウレタン樹脂に含まれる極性基の導入量
    が合計で0.01〜1.0mmol/gであり、そのうち−COOM基の
    導入量が0.01〜0.5mmol/g、他の極性基の導入量が0.001
    mmol/g以上であることを特徴とする磁気記録媒体。
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