JP2581569B2 - オーディオテープもしくはビデオテープ - Google Patents

オーディオテープもしくはビデオテープ

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JP2581569B2
JP2581569B2 JP62264727A JP26472787A JP2581569B2 JP 2581569 B2 JP2581569 B2 JP 2581569B2 JP 62264727 A JP62264727 A JP 62264727A JP 26472787 A JP26472787 A JP 26472787A JP 2581569 B2 JP2581569 B2 JP 2581569B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、非磁性支持体の磁性層からなる磁気記録媒
体に関するものであり、さらに詳しくは、少なくとも二
層の磁性層を有する磁気記録媒体、特にオーディオテー
プもしくはビデオテープに関するものである。
[発明の背景] 磁気記録媒体は、オーディオテープ、ビデオテープあ
るいはフロッピーデスクなどとして広く用いられてい
る。磁気記録媒体は、基本的には、強磁性粉末が結合剤
(バインダ)中に分散された磁性層が非磁性支持体上に
積層されてなるものである。
磁気記録媒体(以下、特に断らない限り、オーディオ
テープおよびビデオテープを意味する。)は、電磁変換
特性、走行耐久性および走行性能などの諸特性において
高いレベルにあることが必要とされる。すなわち、音楽
録音再生用のオーディオテープにおいては、より高度の
原音再生能力が要求されている。また、ビデオテープに
ついては、原画再生能力が優れているなど電磁変換特性
が優れているものであることが要求されている。
このような優れた電磁変換特性を有すると同時に、磁
気記録媒体は前述のように良好な走行耐久性を持つこと
が要求されている。そして、走行耐久性を得るために
は、通常研磨材の働きが重要な役割を担っている。すな
わち、磁性層に含有された研磨材は磁性層全体に分布し
ているが、その一部は磁性層表面に存在しており、磁気
記録媒体がヘッド等走行系部材と接触しながら走行する
際、磁性層表面とヘッド等との接触面で磁性層表面に存
在する研磨材が研磨効果を発揮する。従って、研磨材を
磁気記録媒体に含有させることによって走行耐久性を向
上させることが可能である。しかしながら、磁性層表面
に存在する研磨材は実際に磁性層に添加した量のほんの
一部であり、これによって充分に優れた走行耐久性を得
ることは難しかった。例えば、走行耐久性を向上させる
ために研磨材の添加量を増加した場合は、強磁性粉末の
含有量が低下するため、また粒子径の大きな研磨材を使
用した場合には、磁性層表面に研磨材が過度に突出し易
くなるため、前記の電磁変換特性が劣化し問題となる。
このような問題を解決するため、磁性層を上層と下層
の二層を設け、上層を特に走行耐久性の優れた磁性層と
し、下層を特に電磁変換特性の優れた磁性層とすること
で全体的な走行耐久性の向上を図ることが提案されてい
る(特開昭58−200425号公報)。すなわち、下層に研磨
材等の添加材類を加えずに強磁性粉末の含有量を大きく
して電磁変換特性の向上を図り、上層の層厚を0.5〜1.5
μmとし、研磨材として最大粒子径が上層の層厚を超え
ないものを使用することにより電磁変換特性を損なうこ
となく走行耐久性の向上が可能であるとしている。同様
の二層タイプの磁性層を持つ磁気テープなどの磁気記録
媒体は、特開昭62−219321号公報にも記載されており、
この公報に記載の磁気記録媒体の上側の磁性層は、層厚
が0.7μm以下の薄層であって、表面粗さが一定以下で
あることを要件としていて、その要件によりオーバーラ
イト特性の向上を図っている。
しかしながら、上記のように磁性層を二層にすること
によって電磁変換特性および走行耐久性がある程度良好
な磁気記録媒体を得ることはできるが、まだ上記性能に
おいて、特に走行耐久性において充分に優れていると言
うことはできない。特に従来の方法では、上側の磁性層
に研磨材を入れた状態で均質性の高い薄層を形成するの
が容易でないという問題がある。
[発明の目的] 本発明は、電磁変換特性が優れ、且つ走行耐久性の向
上したオーディオテープ、ビデオテープなどの磁気記録
媒体を提供することにある。
[発明の要旨] 本発明は、非磁性支持体の表面に、結合剤中に強磁性
粉末が分散されてなる第一磁性層、そして第一磁性層よ
りも層厚が薄く、かつ層厚が0.5〜1.5μmの範囲にあ
る、結合剤中に強磁性粉末が分散されてなる第二磁性層
であって、その層厚の1/3以上で層厚以下の平均粒子径
を持つモース硬度6以上の研磨材を強磁性粉末100重量
部に対して2〜15重量部を含有する第二磁性層をこの順
に設けてなるオーディオテープもしくはビデオテープで
あって、第二磁性層が、第一磁性層形成時の磁性塗料塗
布層が湿潤状態にある内に、その上に第二磁性層形成用
磁性塗料を塗布することによって設けられたものである
ことを特徴とするオーディオテープもしくはビデオテー
プにある。
[発明の効果] 本発明の磁気記録媒体は、上記に示したように、少な
くとも二層の磁性層を有し、上記第二磁性層(上層)の
層厚が0.5〜1.5μmで、第二磁性層に含まれるモース硬
度6以上の研磨材の平均粒子径が第二磁性層の層厚の1/
3以上、かつ層厚以下である。
このような構成をとることにより、研磨材が磁性層表
面に適度に突出して研磨材の研磨効果が有効に発揮で
き、またその突出の程度が過度でなく添加量も適度であ
るので電磁変換特性を損なうことなく走行耐久性を向上
させることが可能である。
そして、高硬度の研磨材を含有する第二磁性層を、第
一磁性層形成時の磁性塗料塗布層が湿潤状態にある内
に、その上に第二磁性層形成用磁性塗料を塗布すること
によって設けることによって、極めて薄い層厚の第二磁
性層であっても均一な層厚で、且つその表面が極めて平
滑な状態に塗布することができる。これにより、本発明
の優れた走行耐久性を有し、しかも電磁変換特性を損な
うことがない磁気記録媒体を提供することができる。
[発明の詳細な記述] 本発明の磁気記録媒体すなわち、オーディオテープも
しくはビデオテープは、基本的には、結合剤中に分散さ
れた強磁性粉末を含む少なくとも二層の磁性層が非磁性
支持体上に設けられた構成を有する。
本発明に使用することができる非磁性支持体として
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレ
ンナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等
のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セル
ロースジアセテート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド
などの合成樹脂からなるフィルムもしくはシート;アル
ミニウム、銅等の非磁性金属箔;ステンレス箔などの金
属箔;紙、セラミックシート等から選ばれる。
これらの支持体は、その厚さが2.5〜100μmの範囲に
あり、好ましくは3〜80μmの範囲である。
本発明者等は、特にオーディオテープ及びビデオテー
プの走行耐久性を向上させる為に種々検討を重ねてき
た。前述したように走行耐久性を向上させるために研磨
材の添加量を増加した場合は、強磁性粉末の含有量が低
下するため、また粒子径の大きな研磨材を使用した場合
には、磁性層表面に研磨材が過度に突出し易くなるた
め、走行耐久性は向上するものの電磁変換特性が劣化す
る。
従って、本発明の磁気記録媒体は、上記電磁変換特性
を劣化させることなく走行耐久性の向上を可能にするも
のであると言うことができる。すなわち本発明の磁気記
録媒体は、非磁性支持体の表面に第一磁性層および第二
磁性層をこの順に設けることによって得られる少なくと
も二つの磁性層を有し、そして上層である第二磁性層の
層厚が0.5〜1.5μmであって、且つ第二磁性層に含まれ
るモース硬度6以上の研磨材の平均粒子径が第二磁性層
の層厚の1/3以上、かつ層厚以下であることをひとつの
特徴としている。このような構成をとることにより、研
磨材が磁性層表面に適度に突出して研磨材の研磨効果が
有効に発揮でき、またその突出の程度が過度でなく添加
量も適度であるので走行耐久性が向上するだけでなく電
磁変換特性も優れたものとなる。すなわち、研磨材の平
均粒子径が第二磁性層の層厚の1/3以上になると、研磨
材に粒度分布があるため実質的に磁性層の層厚以上の研
磨材が存在すること、そして研磨材自身が磁性層表面に
分布し易い性質があることから、研磨材が磁性層表面に
適度に突出するようになる。平均粒子径が層厚の1/2以
上になるとさらに研磨効果に有効となり好ましい。
しかしながら、研磨材の平均粒子径が大きくなりすぎ
ると研磨材の磁性層表面から過度に突出したり、磁性層
表面が粗面となり易くなり、電磁変換特性が劣化する傾
向にある。このため平均粒子径は大きくとも1.0μm以
下であることが好ましい。
上記の第二磁性層に含まれる本発明のモース硬度6以
上の研磨材の含有量は強磁性粉末100重量部に対して2
〜15重量部であることが走行耐久性を維持する点から好
ましい。モース硬度6以上の研磨材としては、α−Al2O
3(モース硬度9)、TiO2(同6.5)、SiO2(同7)、Sn
O2(同6.5)、Cr2O3(同9)、SiC(同9)およびTiC
(同9)を挙げることができる。好ましくは、α−Al2O
3およびCr2O3である。
前記のように本発明の磁性層の内第二磁性層に含まれ
るモース硬度6以上の研磨材の平均粒子径が第二磁性層
の層厚の1/3以上であることが必要である。例えば、研
磨材が平均粒子径0.2μmであれば、第二磁性層の層厚
0.6μm以下であることが必要であり、0.5μmの場合は
1.5μm以下であることが必要である。
通常二層の磁性層を設ける場合、第一磁性層用塗布液
を塗布して乾燥後、第二磁性層用塗布液を塗布すること
により磁性層を形成する。しかしながら、第一磁性層を
乾燥後に第二磁性層を塗布した場合には、上記のように
1.0μm前後という薄い層厚を均一な層厚で得ることは
難しく、ほとんど不可能に近いといえる。このような1.
0μm前後という薄層を得るためには、後述するように
第一磁性層用塗布液を塗布した後、その塗布層が湿潤状
態の内に第二磁性層用塗布液を連続的に塗布することに
より磁性層を形成することが必要で、これにより薄い第
二磁性層を均一な層厚で得ることができる。
本発明の磁気記録媒体は、上層である第二磁性層が充
分な走行耐久性を備えているため、第一磁性層は優れた
電磁変換特性を得る上で研磨材の量が第二磁性層より少
ないことが好ましく、さらに好ましくは含有していない
ことである。
本発明の各磁性層形成に使用する結合剤用樹脂に特に
制限はない。結合剤用樹脂としては、塩化ビニル系共重
合体(例、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル・アクリル酸共重合体、塩化ビニル・塩
化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル
共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体)、ニトロセ
ルロース樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン系樹
脂(例、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテ
ル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン
樹脂)等を挙げることができる。そして、これらの樹脂
中に水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、スルホン酸
金属塩基、リン酸基、リン酸エステル基等の極性基を含
有しても良い。
これらは、単独でも組み合わせでも使用することがで
きる。
また、硬化剤を使用する場合は、通常は、ポリイソシ
アネート化合物が用いられる。ポリイソシアネート化合
物は、通常ポリウレタン系樹脂等の硬化剤成分として使
用されているもののなかから選択される。ポリイソシア
ネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート
とトリメチロールプロパ1モルとの反応生成物(例、デ
スモジュールL−75(バイエル社製))、キシリレンジ
イソシアネートあるいはヘキサメチレンジイソシアネー
トなどのジイソシアネート3モルとトリメチロールプロ
パン1モルとの反応生成物、ヘキサメチレンジイソシア
ネート3モルのビューレツト付加化合物、トリレンジイ
ソシアネート5モルのイソシアヌレート化合物、トリレ
ンジイソシアネート3モルとヘキサメチレンジイソシア
ネート2モルのイソシアヌレート付加化合物、イソホロ
ンジイソシアネートおよびジフエニルメタンジイソシア
ネートのポリマーを挙げることができる。
また、電子線照射による硬化処理を行なう場合には、
反応性二重結合を有する化合物(例、ウレタンアクリレ
ート)を使用することができる。
樹脂成分と硬化剤との合計の重量は、強磁性粉末100
重量部に対して、通常5〜40重量部の範囲内にあること
が好ましく、さらに好ましくは10〜20重量部である。
本発明で用いる強磁性粉末の例としては、γ−Fe2O3
のような金属酸化物系の強磁性粉末、コバルト等の他の
成分を含有するγ−Fe2O3のような異種金属・金属酸化
物系の強磁性粉末、および鉄、コバルトおよびニッケル
などの強磁性金属を含む強磁性金属微粉末を挙げること
ができる。
強磁性金属微粉末を使用する場合には、鉄、コバルト
あるいはニッケルを含む強磁性金属微粉末であって、そ
の比表面積が42m2/g以上(特に好ましくは45m2/g以上)
の強磁性金属微粉末であることが好ましい。
この強磁性金属微粉末の例としては、強磁性金属微粉
末中の金属分が75重量%以上であり、そして金属分の80
重量%以上が少なくとも一種類の強磁性金属あるいは合
金(例、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni
−Fe)であり、該金属分の20重量%以下の範囲内で他の
成分(例、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、
Y、Mo、Rh、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、B、Ba、Ta、W、R
e、Au、Hg、Pb、P、La、Ce、Pr、Nd、Te、Bi)を含む
ことのある合金を挙げることができる。また、上記強磁
性金属分が少量の水、水酸化物または酸化物を含むもの
などであってもよい。
これらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明
で用いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造
することができる。
強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、
粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用
される。特に針状の強磁性粉末を使用することが好まし
い。
上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末を、通常磁
性塗料の調製の際に使用されている溶剤(例、メチルエ
チルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ル)と共に混練分散して磁性塗料とする。混練分散は通
常の方法に従って行なうことができる。
なお、磁性塗料中は、上記成分以外に、帯電防止剤
(例、カーボンブラック)、潤滑剤(例、脂肪酸、脂肪
酸エステル、シリコーンオイル)、分散剤など通常使用
されている添加剤あるいは充填材(剤)を含むものであ
ってもよいことは勿論である。
次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法について述べ
る。塗設は、以上の材料により調製した磁性塗料を非磁
性支持体上に下記の方法にて塗布する。先ず第一磁性層
用の樹脂成分および強磁性粉末並びに所望により配合さ
れる硬化剤などの磁性層形成成分を溶剤と共に混練分散
して第一磁性層用塗布液を調製する。そして第二磁性層
用についても上記磁性層形成成分に加えて前記のように
モース硬度6以上で平均粒子径が第二磁性層の1/3以
上、かつ層厚以下の研磨材を添加して同様に第二磁性層
用塗布液を調製する。
本発明の磁気記録媒体の製造方法の特徴は、走行下に
ある非磁性支持体の表面に第一磁性層用塗布液を塗布
し、その塗布層が湿潤状態の内に、その塗布層上に連続
して第二磁性層用塗布液を第二磁性層の乾燥後の層厚が
0.5〜1.5μmになるように塗布することにある。この二
層を連続塗布する方法は、例えば塗布機としてリバース
ローラを用いた場合、走行下にある非磁性支持体を挟む
ようにしてリバースローラを連続して二基設置して塗布
しても良いし、また第一磁性層が湿潤状態(すなわち塗
布層がまだ溶剤を含んで粘着性を示す状態)を保持でき
る範囲内で間隔を設けて二基設置しても良い。
上記の製造方法を用いることによって得られた第二磁
性層は、極めて薄い層厚の磁性層であっても均一な層厚
で、且つその表面が極めて平滑な状態に塗布することが
できる。これにより、本発明の優れた走行耐久性を有
し、しかも電磁変換特性を損なうことのない磁気記録媒
体を製造することができる。
上記磁性塗料の塗布層は、得られた磁気記録媒体の磁
性層の厚さ(第一磁性層と第二磁性層の合計の層厚)が
通常10μm以下となるように塗布される。
本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が塗布されて
いない面にバック層(バッキング層)が設けられていて
もよい。通常バック層は、非磁性支持体の磁性塗料が塗
布されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成
分と結合剤とが有機溶剤に分散してなるバック層形成塗
料を塗布して設けられた層である。
なお、非磁性支持体の磁性塗料およびバック層形成塗
料の塗設面に接着剤層が付設されていてもよい。
通常、塗布された磁性塗料の塗布層は、磁性塗料の塗
布層中に含まれる強磁性粉末を配向させる処理、すなわ
ち磁場配向処理を施した後、乾燥される。
このようにして乾燥された後、塗布層に表面平滑且処
理を施す。表面平滑化処理には、たとえばスーパーカレ
ンダロールなどが利用される。表面平滑化処理を行なう
ことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が
消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、
電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
このようにして硬化処理された積層体を次に所望の形
状に裁断する。
裁断はスリッターなどの通常の裁断機などを使用して
通常の条件で行なうことができる。
本発明の磁気記録媒体は、上下二層系について述べて
きたが、上記指定の性質を保持し二層の磁性層を含む限
り、全体として三層以上であっても良い。
次に実施例と比較例を示し、本発明を更に具体的に説
明する。各例において、『部』は特に指定しない限り
『重量部』を意味する。
[実施例1] 第一磁性層用塗布液 Co−γFe2O3 [Hc:650 Oe,SBET比表面積:35m2/g] 100部 塩化ビニル・酢酸ビニル・無水マレイン酸共重合体(組
成比86:13:1、重合度400) 12部 ポリエステルポリウレタン樹脂 6部 カーボンブラック 3部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 酢酸ブチル 200部 第二磁性層用塗布液 Co−γFe2O3 [Hc:700 Oe,SBET比表面積:40目m2/g] 100部 塩化ビニル・酢酸ビニル・無水マレイン酸共重合体(組
成比86:13:1、重合度400) 12部 ポリエステルポリウレタン樹脂 6部 α−Al2O3(平均粒子径:0.6μm) 6部 カーボンブラック 3部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 酢酸ブチル 200部 上記二つの塗料のそれぞれについて、各成分をサンド
ミルを用いて混練分散させた。得られた分散液にポリイ
ソシアネート6部と酢酸ブチル40部とを加え、1μmの
平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、第一磁性
層形成用および第二磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調
製した。
得られた第一磁性層用塗布液を、乾燥後の厚さが3.0
μmになるように、厚さ15μmのポリエチレンテレフタ
レート支持体を60m/分の速度で走行させながら、支持体
の表面にリバースロールを用いて塗布し、その直後(第
一磁性層が湿潤状態のうちに)に第二磁性層用塗布液を
乾燥後の厚さが1.0μmになるようにリバースロールを
用いて塗布し、磁性層が湿潤状態にあるうちに上記磁石
により配向させ、乾燥後スーパーカレンダー処理を行な
い、1/2インチ幅にスリットし、ビデオテープを製造し
た。
[実施例2] 実施例1において、第二磁性層の層厚を1.0μmから
0.8μmに変えた以外は実施例1と同様にしてビデオテ
ープを製造した。
[実施例3] 実施例1において、第二磁性層の層厚を1.0μmから
0.6μmに変えた以外は実施例1と同様にしてビデオテ
ープを製造した。
[実施例4] 実施例3において、第二磁性層用塗布液中の平均粒子
径0.6μmのα−Al2O3を平均粒子径0.3μmのα−Al2O3
に変えた以外は実施例3と同様にしてビデオテープを製
造した。
[実施例5] 実施例3において、第二磁性層用塗布液中の平均粒子
径0.6μmのα−Al2O36部を3部に変えた以外は実施例
3と同様にしてビデオテープを製造した。
[実施例6] 実施例1において、第二磁性層用塗布液中の平均粒子
径0.6μmのα−Al2O3を平均粒子径0.6μmのCr2O3に変
えた以外は実施例1と同様にしてビデオテープを製造し
た。
[実施例7] 実施例3において、第二磁性層用塗布液中の平均粒子
径0.6μmのα−Al2O3を平均粒子径0.6μmのCr2O3に変
えた以外は実施例5と同様にしてビデオテープを製造し
た。
[比較例1] 実施例1において、第二磁性層の層厚を1.0μmから
2.0μmに変えた以外は実施例1と同様にしてビデオテ
ープを製造した。
[比較例2] 実施例4において、第二磁性層の層厚を0.6μmから
1.0μmに変えた以外は実施例4と同様にしてビデオテ
ープを製造した。
[比較例3] 実施例6において、第二磁性層の層厚を1.0μmから
2.0μmに変えた以外は実施例6と同様にしてビデオテ
ープを製造した。
以上の実施例と比較例で得られたビデオテープについ
て、第二磁性層に使用した研磨材、その平均粒子径、そ
の使用量およびその層厚、そして下記の測定方法にて測
定された各テープの物性を第1表に示す。
測定方法 (1)スチルライフ 各ビデオテープをスチルモードで再生し、画面のS/N
が6dB低下するまでの時間を測定した。出力レベルの測
定は松下電器産業(株)製のNV−870HD型出力レベル測
定器を用いた。
(2)ヘッド目詰まり 各ビデオテープをVHS−VTR(NV8200:松下電器産業
(株)製)を使用して25℃、80%RHという高湿度条件に
おいて1時間長のテープを10巻記録再生を行なった。こ
の内ヘッド目詰まりを起こしたテープの巻数を調べた。
上記第1表の研磨材種類のAはα−Al2O3、BはCr2O3
を表わす。
上記第1表から明らかなように、第二磁性層(上層)
の層厚が0.5〜1.5μmで、含まれる研磨材の平均粒子径
が層厚の1/3以上、かつ層厚以下である本発明の磁気記
録媒体は、スチルライフおよびヘッド目詰まりが共に優
れ特に走行耐久性が向上していることが分かる。
一方、本発明の特定の範囲より第二磁性層の層厚に比
べ平均粒子径の小さい研磨材を使用した比較例では特に
スチルライフに問題があり、走行耐久性の劣ったもので
ある。
[比較例4] 実施例1において、第二磁性層用塗布液の塗布を、第
一磁性層が一旦乾燥した後に実施した以外は同様にして
磁性層を二層有するビデオテープを製造した。このビデ
オテープについて、前記の方法によりスチルライフとヘ
ッド目詰りとを評価したところ、下記のようにスチルラ
イフが短く、また目詰りが発生した。
スチルライフ:50分間 目詰り:1巻

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体の表面に、結合剤中に強磁性
    粉末が分散されてなる第一磁性層、そして第一磁性層よ
    りも層厚が薄く、かつ層厚が0.5〜1.5μmの範囲にあ
    る、結合剤中に強磁性粉末が分散されてなる第二磁性層
    であって、その層厚の1/3以上で層厚以下の平均粒子径
    を持つモース硬度6以上の研磨材を強磁性粉末100重量
    部に対して2〜15重量部を含有する第二磁性層をこの順
    に設けてなるオーディオテープもしくはビデオテープで
    あって、第二磁性層が、第一磁性層形成時の磁性塗料塗
    布層が湿潤状態にある内に、その上に第二磁性層形成用
    磁性塗料を塗布することによって設けられたものである
    ことを特徴とするオーディオテープもしくはビデオテー
    プ。
  2. 【請求項2】モース硬度6以上の研磨材の平均粒子径が
    1μm以下である特許請求の範囲第1項記載のオーディ
    オテープもしくはビデオテープ。
  3. 【請求項3】第一磁性層と第二磁性層の強磁性粉末が共
    にコバルト含有γ−酸化鉄である特許請求の範囲第1項
    記載のオーディオテープもしくはビデオテープ。
  4. 【請求項4】第一磁性層と第二磁性層の結合材が共に塩
    化ビニル系共重合体とポリウレタン樹脂との混合物であ
    る特許請求の範囲第1項記載のオーディオテープもしく
    はビデオテープ。
  5. 【請求項5】モース硬度6以上の研磨材の平均粒子径が
    層厚の1/2以上である特許請求の範囲第1項記載のオー
    ディオテープもしくはビデオテープ。
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